JP2019175499A - 火災報知設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】保守施工モードで立ち上げた場合の待ち時間を短縮して、施工や保守点検に伴う作業を円滑に進めることを可能とする。【解決手段】火災受信機10から引き出された回線にオンオフ型火災感知器28やPA火災感知器30を接続し、火災受信機10を電源投入操作により通常モードで立上げた場合に、予め定めた複数の立上げ処理の全てを実行した後に火災監視状態に移行し、火災監視状態で火災感知器からの火災信号を火災受信機10で受信して警報する。火災受信機10は、電源投入操作及び保守施工モード設定操作により保守施工モードで立上げた場合に、複数の立上げ処理の一部を実行した後に火災監視状態に移行する。火災受信機10は、保守施工モードで立上げて火災監視状態に移行した状態で、保守施工モードの立ち上げで実行していない残りの立上げ処理を実行してリカバリーする。【選択図】図2

Description

本発明は、火災受信機から引き出された回線に接続した火災感知器からの火災信号を受信して警報する火災報知設備に関する。
従来、火災報知設備に設けられた例えばP型の火災受信機にあっては、火災受信機から引き出された回線に発信機や火災感知器を接続して回線単位に火災を監視しており、火災が発生した場合には、音響や表示灯によって管理人等の建物関係者に警報を出すようにしている。
このような火災報知設備の運用を開始する場合には、火災受信機の盤内に設けた電源スイッチを投入すると、火災受信機は通常モードで立ち上がり、通常モードの立ち上がりでは断線監視処理や自動試験処理等を含む複数の立ち上げ処理を全て実行し、正常終了した場合に火災監視状態に移行するようにしている。このような通常モードによる立上げには例えば2〜3分程度の時間を要する。
一方、このような火災報知設備の施工や保守点検では、必要に応じて電源スイッチの投入操作及び保守施工モード設定スイッチの設定操作を行うことで、火災受信機を保守施工モードで頻繁に立ち上げる場合があり、保守施工モードで立ち上げた場合には、音響警報、連動制御、蓄積受信機能等を自動的に解除した火災監視状態となり、この状態で試験治具を用いて火災感知器を実際に作動させる感知器試験等の作業を行うようにしている。
特開平05−151478号公報
しかしながら、このような従来の火災受信機を保守施工モードで立ち上げる場合にも、通常モードで立ち上げた場合と同様に、複数の立上げ処理を全て実行し、正常終了した場合に火災監視状態に移行するようにしており、立上げから火災監視状態に移行しないと、試験治具を用いた感知器試験等の必要な作業ができないため、施工や保守点検で頻繁に火災受信機を保守施工モードで立ち上げる場合には、立上げに必要な時間的な制限を受け、施工や保守点検に伴う作業を円滑に進めることができない問題がある。
本発明は、保守施工モードで立ち上げた場合の待ち時間を短縮して、施工や保守点検に伴う作業を円滑に進めることを可能とする火災報知設備を提供することを目的とする。
(火災報知設備)
本発明は、火災受信機を備えた火災報知設備に於いて、火災受信機は、電源投入から火災監視状態に移行する間に行われる立上げ処理を異ならせた、複数の立上げモードを有することを特徴とする。
複数の立上げモードに含まれる複数の立上げ処理は、立上げモード毎に、一部が重複し、残りが重複しない。
火災受信機は、操作部の操作により複数の立上げモードの何れかを選択可能とする。
火災受信機は、予め定められた複数の立上げ処理の全てを実行するか、一部のみを実行するかを選択可能とする。
複数の立上げモードは、
予め定められた複数の立上げ処理を実行した後に火災監視状態に移行する第1の立上げモードと、
予め定められた複数の立上げ処理のうち一部のみを実行した後に火災監視状態に移行する第2の立上げモードと、
を含む。
火災受信機は、第2の立上げモードで立上げて火災監視状態に移行した状態で、第1の立上げモードで実行する立上げ処理のうち、第2の立上モードで実行していない立上げ処理を実行する。
(基本的な効果)
本発明は、火災受信機から引き出された回線に火災感知器を接続し、火災受信機を電源投入操作により通常モードで立上げた場合に、予め定めた複数の立上げ処理の全てを実行した後に火災監視状態に移行し、火災監視状態で火災感知器からの火災信号を火災受信機で受信して警報する火災報知設備に於いて、火災受信機は、電源投入操作及び保守施工モード設定操作により保守施工モードで立上げた場合に、複数の立上げ処理の一部を実行した後に火災監視状態に移行するようにしたため、施工や保守点検の際に電源投入操作と保守施工モード設定操作を行って火災受信機を保守施工モードで立ち上げると、通常モードの立上げで必要とした複数の立上げ処理の一部を実行することで火災監視状態に移行し、立上げに要する時間を短縮することで、設備の立上げを頻繁に繰り返しても、施工や保守点検に伴う作業を効率良く円滑に進めることを可能とする。
(未実行の立上げ処理のリカバリー)
また、火災受信機は、保守施工モードで立上げて火災監視状態に移行した状態で、保守施工モードの立ち上げで実行していない残りの立上げ処理を実行するようにしたため、保守施工モードによる立上げで時間短縮のために省略した立上げ処理を、火災監視状態に移行した後の時間的に余裕のある状態で実行することでリカバリーすることができ、立上げ処理の一部を省略しても設備の運用に及ぼす影響を最小限に留めることを可能とする。
(立上げ処理の内容による効果)
火災受信機は、通常モードで立ち上げた場合に、火災感知器を接続した回線の断線を確認する断線監視処理及び火災感知器の故障を確認する自動試験処理を含む複数の立上げ処理を実行し、保守施工モードで立上げた場合に、断線監視処理および自動試験処理を除く一部の立上げ処理を実行するようにしたため、立上げ処理として実行しなくとも設備の運用に対する影響の少なく且つ火災監視状態に移行した状態で実行される断線監視処理及び自動試験処理を省略することで、保守施工モードにより立ち上げて火災監視状態に移行しても、試験治具を用いた感知器試験等の作業を適切に進めることを可能とする。
(火災受信機の効果)
本発明の火災受信機による効果は、前述した火災報知設備による効果と同様になる。
火災受信機を正面から示した説明図 火災報知設備の概略を火災受信機の機能構成と共に示したブロック図 火災受信機による立上げ処理の制御動作を示したフローチャート
[火災受信機の概要]
図1はP型の火災受信機を正面から示した説明図である。図1に示すように、火災受信機10は建物の防災センタや管理人室等に設置されており、火災感知器を信号回線により接続して火災を監視し、また、制御回線に防火戸等を接続している。
火災受信機10の筐体前面に配置した扉パネル11には、表示部12及び操作部14を配置しており、操作部14の下側には開閉自在な子扉16を設け、子扉16の内側を扉内操作部とし、施工や点検に伴う作業を行う場合に、必要に応じて子扉16を下側に開いて扉内操作部のスイッチ操作を可能としている。
表示部12には火災代表灯、防排煙代表灯、地区表示灯、発信機灯、交流電源灯、予備電源灯、スイッチ注意灯、蓄積中灯等を設けている。操作部14の子扉16の上側には、音響停止スイッチ、火災断定スイッチ、地区音響一時停止スイッチ等を設けている。
火災受信機10の内部となる扉パネル11の裏面等には保守施工モード設定スイッチ18を配置している。
運用を開始する場合には、扉パネル11を開いて電源スイッチ(図示せず)により電源投入操作を行うと、火災受信機10は通常モードで立ち上がり、予め定めて複数の立上げ処理を完了すると通常モードの火災監視状態に移行する。
また、施工や保守の場合には、扉パネル11を開いて電源スイッチ(図示せず)と保守施工モード設定スイッチ18を同時に操作することで、火災受信機10は保守施工モードで立ち上り、通常モードにおける複数の立上り処理の一部を処理を完了すると保守施工モードの火災監視状態に移行する。
ここで、火災受信機10の保守施工モードとは、スイッチ操作を必要とすることなく、音響警報停止、連動停止、移報停止等の制御状態を自動的に生成して動作するモードであり、保守施工モードの設定状態で例えば試験治具を使用して感知器試験を行っても、連動制御、移報制御が行われず、音響警報も出されず、火災受信機10の表示のみで感知器試験発報を確認することを可能とする。
[火災受信機]
(火災受信機の構成)
図2はP型火災報知設備の概略を火災受信機の機能構成と共に示したブロック図である。図2に示すように、P型の火災受信機10から監視領域に対し火報回線26、制御回線36、更に図示しない防排煙回線や警報回線を引き出している。火報回線26には、オンオフ型火災感知器28、P型アドレッサブル火災感知器(以下「PA火災感知器」という)30、発信機32等を接続している。
オンオフ型火災感知器28は火災を検出すると発報電流を火報回線26に流すことで火災信号を火災受信機10に送信し、回線単位の火災監視を行う。PA火災感知器30は固
有のアドレスを予め設定しており、火災を検出して火報回線26に発報電流を流して火災信号を火災受信機10に送信すると、火災受信機10から呼出信号が出力され、これに応じて発報したPA火災感知器30がアドレス信号を応答送信することで、感知器単位の火災監視を可能とする。
制御回線36は防火戸40を接続している。防火戸40は自動開放装置(ラッチレリーズ装置)により閉鎖位置に保持されており、制御回線36は防火戸40の自動開放装置を接続している。更に、図示しない防排煙回線には防排煙用感知器を接続している。
火災受信機10は、制御部20を備え、本実施形態の制御部20はメインプロセッサ22とローカルプロセッサ24で構成しており、各プロセッサはCPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成している。
制御部20のローカルプロセッサ24に対しては、回線受信部25、回線制御部34を接続し、制御部20のメインプロセッサ22に対しては、表示部12、操作部14、警報部46、移報部48を接続している。
回線受信部25はオンオフ型火災感知器28の火災検知による発報動作又は発信機32の押し釦操作で流れる発報電流を検出して火災信号を制御部20のローカルプロセッサ24に出力する。
また、回線受信部25は、PA火災感知器30の火災検出で流れるオンオフ型火災感知器28とは異なる値の発報電流を検出し、PA火災感知器30に呼出信号を送信してアドレス信号を応答させ、受信したアドレス信号から感知器アドレスを取り出して制御部20のローカルプロセッサ24に出力する。
回線制御部34は制御部20に設けたローカルプロセッサ24の指示に基づき防火戸40に制御信号を出力し、防火戸40の閉鎖状態でのラッチを解除して開放動作させるようにしている。
制御部20のローカルプロセッサ24はオンオフ火災感知器28の火災信号又はPA火災感知器30の火災信号とアドレス信号の受信結果をメインプロセッサ22に通知し、また、メインプロセッサ22からの制御指示を受信して回線制御部34を制御する。
表示部12は、図1に示したように、扉パネル11の前面に設けた各種の表示灯や表示器を備えている。操作部14は、各種の操作スイッチを備えている。警報部46には音響警報や音声案内を行うスピーカやブザー等を設けている。移報部48には、外部接続する例えば表示盤等に火災代表移報信号や回線移報信号を出力する無電圧リレー接点を用いた移報回路を設けている。
制御部20に設けたメインプロセッサ22は、ローカルプロセッサ24からの火災信号の受信結果に基づき、表示部12に指示して火災代表表示、地区表示、感知器アドレス表示を制御し、また、警報部46に指示して音響火災警報の出力を制御し、更に、移報部48に指示して外部の機器への移報出力を制御する。
なお、メインプロセッサ22とローカルプロセッサ24の制御機能の分割割当ては必要に応じて適宜に定めることができる。
[火災受信機の立上げ制御]
(通常モードの立上げ制御)
火災受信機10の制御部20は、図1に示した扉パネル11を開いて電源スイッチ(図示せず)による電源投入操作を検出すると、通常モードで立ち上がり、予め定めた複数の立上げ処理を実行し、全ての立上げ処理を完了すると表示部12の表示又は警報部46の音響出力により立上げ完了を報知して火災監視状態に移行する制御を行う。
通常モードの立上げで実行する処理は、例えばオンオフ型火災感知器28及びPA火災感知器30を接続した火報回線26の断線を確認する断線監視処理及びオンオフ型火災感知器28及びPA火災感知器30の故障を確認する自動試験処理を含む複数の立上げ処理となる。
このような通常モードの立上げで実行する複数の立上げ処理の処理時間は、例えば合計時間は138秒(2分18秒)となる。
一方、火災受信機10の制御部20は、図1に示した扉パネル11を開いて電源スイッチ(図示せず)と保守施工モード設定スイッチ18の両方の操作を検出すると、保守施工モードで立ち上り、通常モードにおける複数の立上り処理の一部の処理を完了すると、保守施工モードの火災監視状態に移行する制御を行う。
(保守施工モードの立上げ制御)
制御部20は、保守施工モードによる立上げで、通常モードの立上げで実行した断線監視処理及び自動試験処理は行わずにスキップする制御を行う。このような保守施工モードの立上げに要する処理時間は、例えば68秒となり、1分程度の短い時間で立ち上げることができる。
ここで、断線監視処理及び自動試験処理は、次の理由により保守施工モードの立上げで省略することができる。
まず、断線監視処理は、回線が断線していても立上げ直後に確認できないが、例えば30秒といった所定時間程度で断線を確認できるため、省略しても影響は少いことから、省略可能となる。
また、自動試験処理は、PA火災感知器30が故障していても立上げ時には確認できないが、常時監視していない項目であり、イニシャルリセットや定期自己診断で確認できるため、省略しても影響は少いことから、省略可能となる。
(立上げ制御動作)
図3は火災受信機による立上げ処理の制御動作を示したフローチャートである。図3に示すように、火災受信機10の制御部20は、ステップS1で通常モードによる立上げ操作を検出するとステップS2〜S3に示す所定の立上げ処理、断線監視処理、自動試験処理を逐次実行し、これを終了するとステップS5で立上げ終了を報知してステップS6の通常モードの火災監視処理に移行し、S7の断線監視処理及びステップS8の定期自己診断による自動試験処理を運用状態で繰り返している。
一方、ステップS1で保守施工モードによる立上げ操作を検出した場合には、ステップS9で所定の立上げ処理を実行し、通常モードの立上げで行っていた断線監視処理及び自動試験処理は省略することで、短時間で立上げを終了し、ステップS10で立上げ終了を報知してステップS11の保守施工モードの火災監視処理、即ち、音響警報、連動及び移報等を自動停止とした火災監視処理に移行し、S12の断線監視処理及びステップS132の定期自己診断による自動試験処理を運用状態で繰り返すことで、立上げで省略した断線監視処理及び自動試験処理をリカバリーする。
[本発明の変形例]
(R型火災報知設備)
上記の実施形態はP型の火災受信機を例とっているが、R型として知られた伝送回線にアドレスを設定したアナログ火災感知器を接続して感知器単位に火災を監視して警報する火災受信機についても、同様に、保守施工モードの立上げで通常モードの立上げで実行している複数の立上げ処理の一部を省略することで、立上げ時間を短縮適用することができる。
(省略する立上げ処理)
上記の実施形態では、保守施工モードによる立上げで、断線監視処理及び自動試験処理を省略しているが、立上げで省略する処理は火災受信機の立上げ後の動作に対する影響の少ない範囲で適宜に定めることができる。
(状態整合処理)
上記の実施形態は、メインプロセッサ及びローカルプロセッサといったマルチプロセッサ構成としていることから、その状態整合処理が不可欠となるが、シングルプロセッサ構成の場合には状態整合処理は不要となる。
(その他)
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:火災受信機
11:扉パネル
12:表示部
14:操作部
16:子扉
18:保守施工モード設定スイッチ
20:制御部
22:メインプロセッサ
24:ローカルプロセッサ
25:回線受信部
26:火報回線
28:オンオフ型火災感知器
30:P型アドレッサブル火災感知器(PA火災感知器)
32:発信機
34:回線制御部
36:制御回線
40:防火戸
46:警報部
48:移報部

Claims (6)

  1. 火災受信機を備えた火災報知設備に於いて、前記火災受信機は、電源投入から火災監視状態に移行する間に行われる立上げ処理を異ならせた、複数の立上げモードを有することを特徴とする火災報知設備。
  2. 請求項1記載の火災報知設備に於いて、前記複数の立上げモードに含まれる複数の立上げ処理は、立上げモード毎に、一部が重複し、残りが重複しないことを特徴とする火災受信機。
  3. 請求項1又は2記載の火災報知設備に於いて、前記火災受信機は、操作部の操作により前記複数の立上げモードの何れかを選択可能としたことを特徴とする火災報知設備。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の火災報知設備に於いて、前記火災受信機は、予め定められた複数の立上げ処理の全てを実行するか、一部のみを実行するかを選択可能としたことを特徴とする火災報知設備。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の火災報知設備に於いて、前記複数の立上げモードは、
    予め定められた複数の立上げ処理を実行した後に前記火災監視状態に移行する第1の立上げモードと、
    前記予め定められた複数の立上げ処理のうち一部のみを実行した後に前記火災監視状態に移行する第2の立上げモードと、
    を含むことを特徴とする火災報知設備。
  6. 請求項5記載の火災報知設備に於いて、前記火災受信機は、前記第2の立上げモードで立上げて前記火災監視状態に移行した状態で、前記第1の立上げモードで実行する立上げ処理のうち、前記第2の立上モードで実行していない立上げ処理を実行することを特徴とする火災報知設備。
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