JP2019173785A - 変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】揺動範囲を大きくせずにシフトアームの可動距離を確保することができる変速装置を提供する。【解決手段】シフトドラム125と、ドラムシフタ181の従動ピン182a〜182eと、シフトスピンドル94に支持されるシフトアーム115と、シフトアーム115の回動に応じて従動ピン182a〜182eに係合するシフトアーム115の係合部174とを備える変速装置において、シフトアーム115は第一シフトアーム171と第二シフトアーム172で構成され、第一シフトアーム171は、一端はシフトスピンドル94に支持され他端に摺動ピン180が配置され、第二シフトアーム172は回動可能に変速機ケース25の支持部178に支持され、第二シフトアーム172に支持部178からシフトスピンドル94に向かって延びるガイド孔173aが構成され、ガイド孔173a内に摺動ピン180が収納される。【選択図】図6

Description

本発明は、変速装置に関する。
従来、ピンプレートに配置される送りピンを、シフトスピンドルの回転と連動するチェンジアームにて送る機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−108093号公報
しかし、特許文献1では、ピンピッチが大きくなると、チェンジアームの稼動距離を大きくしなければならず、チェンジアームの揺動範囲を大きく確保する必要が生じていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、揺動範囲を大きくせずにシフトアームの可動距離を確保することができる変速装置を提供することを目的とする。
本発明は、変速機ケース(25)内に収納されるシフトドラム(125)と、前記シフトドラム(125)と同一軸線まわりに回動することで前記シフトドラム(125)を回動駆動するドラムシフタ(181)に、その回動軸線からオフセットして突設される従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)と、前記変速機ケース(25)に回動可能に支持されるシフトスピンドル(94)に一端部が支持されるシフトアーム(115)と、前記シフトスピンドル(94)とともに前記シフトアーム(115)が回動するのに応じて前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)に係合し、前記シフトドラム(125)を回動させる前記シフトアーム(115)に構成される係合部(174、274、374)とを備える変速装置において、前記シフトアーム(115)は第一シフトアーム(171、371)と、第二シフトアーム(172、272、372)とで構成され、前記第一シフトアーム(171、371)は、一端は前記シフトスピンドル(94)に支持され、他端には摺動ピン(180)が配置され、前記第二シフトアーム(172、272、372)は回動可能に前記変速機ケース(25)に構成された支持部(178)にて支持され、前記第二シフトアーム(172、272、372)には前記支持部(178)から前記シフトスピンドル(94)に向かって延びるガイド孔(173a、273a、373a)が構成され、前記ガイド孔(173a、273a、373a)内に前記摺動ピン(180)が収納されることを特徴とする。
上記発明において、前記ガイド孔(173a、373a)に前記支持部(178)が収容され、前記第二シフトアーム(172、372)は前記ドラムシフタ(181)上に配置され、隣接する2つの前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)を挟むように配置される一対の送り爪(174b、174c、375a、376a)と、前記一対の送り爪(174b、174c、375a、376a)の外側に配置され、前記支持部(178)から前記第二シフトアーム(172、372)の端部に向かうにつれ外方に延びる様に構成された一対のカム部(174d、174e、375b、376b)と、前記第二シフトアーム(172、372)と前記支持部(178)を連結する弾性部材(191)が配置されていても良い。
また、上記発明において、前記第二シフトアーム(172、272、372)が基準点に配置されている状態で前記シフトスピンドル(94)と、前記支持部(178)と、前記シフトドラム(125)中心と、前記摺動ピン(180)は直線状に配置されていても良い。
また、上記発明において、シフトドラム(125)の回転軸線視で前記第一シフトアーム(171、371)と、前記第二シフトアーム(172、272、372)と、前記ドラムシフタ(181)が重複して配置されていても良い。
また、上記発明において、前記第二シフトアーム(372)に前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)と当接し、規定量以上の回転を防止するストッパー部(378a、378b)が構成されていても良い。
本発明に係る変速装置は、変速機ケース内に収納されるシフトドラムと、前記シフトドラムと同一軸線まわりに回動することで前記シフトドラムを回動駆動するドラムシフタに、その回動軸線からオフセットして突設される従動ピンと、前記変速機ケースに回動可能に支持されるシフトスピンドルに一端部が支持されるシフトアームと、前記シフトスピンドルとともに前記シフトアームが回動するのに応じて前記従動ピンに係合し、前記シフトドラムを回動させる前記シフトアームに構成される係合部とを備え、前記シフトアームは第一シフトアームと、第二シフトアームとで構成され、前記第一シフトアームは、一端は前記シフトスピンドルに支持され、他端には摺動ピンが配置され、前記第二シフトアームは回動可能に前記変速機ケースに構成された支持部にて支持され、前記第二シフトアームには前記支持部から前記シフトスピンドルに向かって延びるガイド孔が構成され、前記ガイド孔内に前記摺動ピンが収納される。この構成によれば、シフトスピンドルが回転した際に摺動ピンがシフトスピンドルを中心に動く。それにより摺動ピンはガイド孔内を稼動し、それにより支持部を中心に第二シフトアームが回動する。それにより第一シフトアームを回動させる量より第二シフトアームを大きく回動させることができる。そのため、シフトドラムを回動させる際に必要なスペースを小さくすることが可能になる。
上記発明において、前記ガイド孔に前記支持部が収容され、前記第二シフトアームは前記ドラムシフタ上に配置され、隣接する2つの前記従動ピンを挟むように配置される一対の送り爪と、前記一対の送り爪の外側に配置され、前記支持部から前記第二シフトアームの端部に向かうにつれ外方に延びる様に構成された一対のカム部と、前記第二シフトアームと前記支持部を連結する弾性部材が配置されても良い。この構成によれば、回動によりシフトドラム回動動作を行った後に、第二シフトアームは基準点に復帰を開始する。その際に、第二シフトアームのカム部が隣接する従動ピンに当接し、第二シフトアームが支持部と離れる方向に引かれ、従動ピンを乗り越した後に弾性部材の弾性力により基準点復帰が完了する。摺動ピンを収容するガイド孔に支持部を収容することで、ガイド孔の相互利用が可能になる。
また、上記発明において、前記第二シフトアームが基準点に配置されている状態で前記シフトスピンドルと、前記支持部と、前記シフトドラム中心と、前記摺動ピンは直線状に配置されていても良い。この構成によれば、少ないスペースにおいて、大きな揺動範囲を確保することが出来る。
また、上記発明において、シフトドラムの回転軸線視で前記第一シフトアームと、前記第二シフトアームと、前記ドラムシフタが重複して配置されていても良い。この構成によれば、各部品を重複して配置することで、クランクケース内の使用するスペースを少なくすることが出来る。
また、上記発明において、前記第二シフトアームに前記従動ピンと当接し、規定量以上の回転を防止するストッパー部が構成されていても良い。この構成によれば、第一シフトアームより大きな幅で揺動する第二シフトアームにストッパー部を設けることで、不要に高い精度にて製造する必要なく誤差を許容できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 エンジンの周辺部の左側面図である。 エンジンの周辺部の右側面図である。 蓄力機構の周辺部及び他側ケースを示す側面図である。 一側ケースをクランク室側から見た側面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 第1の実施の形態のシフトアームが基準位置にある場合の説明図である。 第1の実施の形態のシフトアームがシフト位置にある場合の説明図である。 第1の実施の形態のシフトアームがシフト位置から基準位置に戻る場合の説明図である。 第1の実施の形態のシフトアームが図9よりも基準位置に近づいた場合の説明図である。 第2の実施の形態のシフトアームの説明図であり、第1の実施の形態の図6に対応する図である。 第2の実施の形態のシフトアームが基準位置にある場合の説明図である。 第2の実施の形態のシフトアームがシフト位置にある場合の説明図である。 第2の実施の形態のシフトアームがシフト位置から基準位置に戻る場合の説明図である。 第2の実施の形態のシフトアームが図14よりも基準位置に近づいた場合の説明図である。 第3の実施の形態のシフトアームの右側面図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車10の左側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11にパワーユニット12が支持され、前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク13が車体フレーム11の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム14(図2)が車体フレーム11の後部側に設けられた車両である。自動二輪車10は、運転者(乗員)が跨るようにして着座するシート15が車体フレーム11の後部の上部に支持された鞍乗り型の車両である。
また、自動二輪車10は、車体フレーム11等を覆う樹脂製の車体カバー16を有する。自動二輪車10は、パワーユニット12の制御を行う制御ユニット17(制御部)と、バッテリ18とを有する。制御ユニット17及びバッテリ18はシート15の下部で、車体カバー16の内側に配置されている。
車体フレーム11は、フロントフォーク13を操舵可能に軸支するヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から下勾配で後方に延びる1本のモノバックボーンフレーム21(メインフレーム)と、モノバックボーンフレーム21の後方で下方に延出するピボットフレーム22(図3)と、モノバックボーンフレーム21及びピボットフレーム22の後方に設けられる後部フレーム(不図示)とを一体に備える。モノバックボーンフレーム21は、車幅方向の中心上を後ろ下がりに延びるフレームである。
車体カバー16は、モノバックボーンフレーム21の上面に沿って後下がりでシート15よりも下方へ延びる内側カバー部16aを備える。モノバックボーンフレーム21及び内側カバー部16aとシート15との間には、側面視で下方に凹む跨ぎ空間Sが形成されている。運転者は、自動二輪車10に乗り降りする際に、跨ぎ空間Sに脚を通して自動二輪車10に跨ることができる。
パワーユニット12は、前輪2と後輪3との間の略中間で、シート15の下方やや前方に設けられ、車体フレーム11から吊り下げられるようにして支持される。パワーユニット12の出力は、巻掛けチェーン19を介して後輪3に伝達される。
図2は、パワーユニット12の周辺部の左側面図である。図3は、パワーユニット12の周辺部の右側面図である。
パワーユニット12は、前部に設けられるエンジン12aと、後部側に設けられる自動変速機68(図5)とを一体に備える。
パワーユニット12は、車幅方向に略水平に延びるクランク軸36及び自動変速機68を収容するクランクケース25(変速機ケース)を備える。クランクケース25は、エンジン12aを備える。
エンジン12aは、4サイクル単気筒エンジンである。エンジン12aは、クランク軸36と、クランクケース25の前部と、クランクケース25の前部から前傾した姿勢で前方に延びるシリンダ部26とを備えて構成される。シリンダ部26は、クランクケース25の前面に結合されるシリンダ27と、シリンダ27の前面に連結されるシリンダヘッド28とを備える。エンジン12aは、シリンダ部26のシリンダ軸線26aがやや前上がりの姿勢で前方へ略水平に延びる略水平配置のエンジンである。
クランクケース25は、図3に示すように、上方に突出する前側ボス部30を前部の上面に備え、後上方に延びる後側ボス部31を後部の上面に備え、後方に突出する後下側ボス部160を後面の下部に備える。
モノバックボーンフレーム21の後部には、下方に突出する前側エンジンブラケット21aが設けられ、モノバックボーンフレーム21の後端には、後側エンジンブラケット21bが設けられる。また、ピボットフレーム22の前部には、前方へ延びる後下側エンジンブラケット22aが設けられている。
パワーユニット12は、前側エンジンブラケット21a及び前側ボス部30に挿通される固定ボルト32と、後側エンジンブラケット21b及び後側ボス部31に挿通される固定ボルト33とによってモノバックボーンフレーム21に固定される。また、パワーユニット12は、後下側エンジンブラケット22a及び後下側ボス部160に挿通される固定ボルト161によってピボットフレーム22に固定される。
エンジン12aの吸気装置(不図示)は、シリンダ部26の上方に配置され、モノバックボーンフレーム21に支持される。この吸気装置は、シリンダヘッド28の上面の吸気ポート28aに接続される。エンジン12aの排気管34は、シリンダヘッド28の下面の排気口28bから下方に引き出される。
スイングアーム14の前端は、ピボット軸14aを介してピボットフレーム22に軸支される。運転者用の左右一対のステップ23は、クランクケース25の後部の下面から車幅方向外側へ延びるステップステー35の両端にそれぞれ支持されている。
図4は、蓄力機構116の周辺部及び他側ケース37Rをクラッチカバー39(図3)側から見た側面図である。図5は、一側ケース37Lをクランク室側から見た側面図である。
クランクケース25は、クランク軸36に直交する面で車幅方向に2分割される左右割りで構成されており、右側の他側ケース37Rと、左側の一側ケース37Lと、を備える。
図4に示すように、他側ケース37Rは、板状の壁部49と、壁部49の外面の周縁部の全周からクラッチカバー39側へ立設される外側周壁部117と、壁部49の内面の周縁部の全周から一側ケース37L(図5)側へ立設される内側周壁部163とを備える。
内側周壁部163の上面は、クランク室45(図5)及び変速機室46(図5)の上壁の一部であるクランク室側上壁164を構成する。クランク室側上壁164の前部には、前側ボス部30(図2、図3)の左右の一方を構成する前側ボス30Rが設けられ、クランク室側上壁164の後部には、後側ボス部31(図3)の左右の一方を構成する後側ボス31Rが設けられている。また、後側ボス31Rの下方には、後下側ボス部160(図3)の左右の一方を構成する後下側ボス160Rが設けられている。
クランク室側上壁164は、前側ボス30Rから後側ボス31Rへ後下がりに傾斜している。
外側周壁部117の上面は、クラッチ室の上壁の一部であるクラッチ室側上壁165を構成する。クラッチ室側上壁165の後部は、クランク室側上壁164の後部よりも上方に膨出したクラッチ室側上方膨出部165aを有する。クラッチ室側上方膨出部165aは、クラッチ室側上壁165をクランク室側上壁164よりも高くする段部である。
クラッチ室側上壁165は、クラッチ室側上方膨出部165a側から前側ボス30R側へ前下がりに傾斜している。
また、クランク室側上壁164の前部は、クラッチ室側上壁165の前部よりも上方に膨出するクランク室側上方膨出部164aを有する。
外側周壁部117には、クラッチカバー固定ボルト42(図3)が締結されるボス部166が複数設けられている。
壁部49は、軸受け部(不図示)を介してクランク軸36を支持するクランク支持孔部118と、ベアリング(不図示)を介してメイン軸75(図5)を支持するメイン軸支持孔部119と、ベアリング(不図示)を介してカウンタ軸76(図5)を支持するカウンタ軸支持孔部120と、シフトドラム125を支持するシフトドラム支持孔部126とを有する。
クランク支持孔部118は他側ケース37Rの前部に設けられ、メイン軸支持孔部119は他側ケース37Rの後部に設けられ、カウンタ軸支持孔部120は、メイン軸支持孔部119に隣接してメイン軸支持孔部119の後方に位置する。
また、クランク支持孔部118は、壁部49の上下の中間部に位置し、メイン軸支持孔部119はクランク支持孔部118よりも上方に位置し、カウンタ軸支持孔部120は、メイン軸支持孔部119の下方に位置する。
シフトスピンドル94は、壁部49の後部の下部でカウンタ軸支持孔部120の後下方に配置されている。シフトドラム支持孔部126は、シフトスピンドル94の前方且つ上方に配置されている。また、シフトドラム支持孔部126は、メイン軸支持孔部119及びカウンタ軸支持孔部120の下方でメイン軸支持孔部119よりもわずかに前方に配置されている。
蓄力機構116は、シフトスピンドル94上に配置されている。シフトアーム115は、蓄力機構116に組み込まれてシフトスピンドル94上に配置されている。
変速用クラッチ機構71は、メイン軸75(図5)に支持されており、その上部はクラッチ室側上方膨出部165a内に位置する。すなわち、変速用クラッチ機構71の上部は、側面視においてクランク室側上壁164の後部よりも上方に配置されている。
図5に示すように、一側ケース37Lは、板状の前記内側壁50bと、内側壁50bの内面の周縁部の全周からクランク室45側へ立設される内側周壁部167とを備える。
内側周壁部167の上面は、クランク室45及び変速機室46の上壁の一部であるクランク室側上壁168を構成する。クランク室側上壁168の前部には、クランク室45の上方で上方に膨出するクランク室側上方膨出部168aが設けられる。クランク室側上方膨出部168aの上面には、前側ボス部30(図2、図3)の左右の他方を構成する前側ボス30Lが設けられる。クランク室側上壁168の後部には、後側ボス部31(図3)の左右の他方を構成する後側ボス31Lが設けられる。また、後側ボス31Lの下方には、後下側ボス部160(図3)の左右の他方を構成する後下側ボス160Lが設けられている。
クランク室側上壁168は、前側ボス30Lから後側ボス31Lへ後下がりに傾斜している。
内側周壁部167には、ケース連結ボルト40(図2)が挿通されるボス部169が複数設けられている。内側周壁部167の端面と他側ケース37Rの内側周壁部163の端面とが合わさることで合わせ面(不図示)が形成される。
一側ケース37Lの内側壁50bは、他側ケース37Rの、クランク支持孔部118、メイン軸支持孔部119、カウンタ軸支持孔部120、及び、シフトドラム支持孔部126に対応する位置に、不図示のクランク支持孔部、メイン軸支持孔部、カウンタ軸支持孔部、及び、シフトドラム支持孔部を備える。また、内側壁50bは、ベアリング(不図示)を介してシフトスピンドル94を支持するスピンドル支持孔部188を有する。
図5に示すように、クランク軸36は、軸部36bがクランクケース25内の前部且つ上下の中間部に配置される。クランク軸36の下方には、クランクウェブ36aの回動軌跡に沿うクランク室底壁158が設けられている。
メイン軸75は、クランクケース25内の後部の上部で、クランク軸36の後方且つ上方に配置される。カウンタ軸76は、クランクケース25内の後部の上部で、メイン軸75の後方且つ下方に配置される。シフトスピンドル94は、クランクケース25内の後部の下部で、カウンタ軸76の後方且つ下方に配置される。シフトドラム125は、クランクケース25内の後部の下部で、シフトスピンドル94の前方且つ上方に配置される。また、シフトドラム125は、メイン軸75の前下方、且つ、クランク室底壁158の後方に位置する。フォーク支持軸159は、前後方向及び上下方向において、シフトドラム125とメイン軸75との間に配置される。
シフトフォーク79aは、フォーク支持軸159から上方に延びて駆動変速ギア列77に接続される。シフトフォーク79bは、フォーク支持軸159から後上方に延びて被動変速ギア列78に接続される。
メイン軸75の軸中心75aは、前後方向においてクランク軸36の軸部36bの軸中心36eとカウンタ軸76の軸中心76aとの間に位置し、上下方向において軸中心36e及び軸中心76aの上方に位置する。すなわち、クランク軸36、メイン軸75及びカウンタ軸76は、軸中心36e,75a,76aを結ぶ直線が上方に凸の三角形を形成するように配置されており、いわゆる三角配置で配置されている。
詳細には、メイン軸75の軸中心75aは、クランク軸36の軸部36bの上端36f、及び、カウンタ軸76の上端76bよりも上方に配置されている。また、メイン軸75は、駆動変速ギア列77の上端がクランクウェブ36aの回動軌跡の上端36gよりも下方に位置するように配置されている。
このように三角配置とすることで、クランク軸36、メイン軸75及びカウンタ軸76を前後にコンパクトに配置できるため、クランクケース25の前後長を短くできる。
また、シフトドラム125及びシフトスピンドル94を、メイン軸75の上方ではなくメイン軸75及びカウンタ軸76の下方に配置したため、三角配置とした構成であっても、クランク室側上壁164,168を低くすることができる。このため、クランクケース25の最低地上高を下げることなく、クランク室側上壁164,168を低くできる。
また、クラッチ室側上方膨出部165aを設けたため、三角配置とした構成であっても、変速用クラッチ機構71をクラッチ室47に収容できる。
自動変速機(変速装置)68は、前進4段の変速機構70(変速機)と、クランク軸36側と変速機構70との間の接続を切り替える変速用クラッチ機構71(図4)と、変速用クラッチ機構71を操作するクラッチ操作機構(不図示)と、変速機構70を変速するギアチェンジ機構73(図4)と、クラッチ操作機構(不図示)及びギアチェンジ機構73を駆動するアクチュエータ機構74とを備える。アクチュエータ機構74は、制御ユニット17(図1)によって制御される。
自動変速機68では、変速用クラッチ機構71の接続・切断操作、及び、変速段(シフト)の切替えが制御ユニット17の制御のもとに自動で行われる。
自動変速機68は、制御ユニット17の制御により、各センサやモードスイッチ及びシフトセレクトスイッチの出力信号に応じてアクチュエータ機構74を制御し、変速機構70の変速段を自動的または半自動的に切り換えることができるように構成されている。
変速機構70は、駆動変速ギアに係合するシフトフォーク79aと、被動変速ギアに係合するシフトフォーク79bと、シフトフォーク79a,79bを軸方向にスライド自在に保持するフォーク支持軸159と、シフトフォーク79a,79bの端部を溝一対の溝にそれぞれ沿わせながらスライドさせるシフトドラム125とを有する。
図4に示すように、ギアチェンジ機構73は、シフトスピンドル94に支持されるシフトアーム115と、シフトスピンドル94の回転をねじりコイルバネで構成される蓄力バネ137に蓄力し、蓄力を開放してシフトアーム115を回動させる蓄力機構116とを備える。
シフトアーム115は、シフトドラム125に連結されており、アクチュエータ機構74によってシフトアーム115が回動させられることで、シフトドラム125が回転し、変速が行われる。
制御ユニット17の変速の指示に伴ってアクチュエータ機構74のモーター93が駆動されると、シフトスピンドル94の回動が開始される。シフトスピンドル94の回動に連動して、シフトスピンドル94上の蓄力機構116及びクラッチレバー(不図示)が回動され、所定の大きさの蓄力が完了したところで変速用クラッチ機構71が切断される。変速用クラッチ機構71が切断された瞬間に蓄力が開放され、蓄力によってシフトアーム115が回動されることで、変速が行われる。
このように、アクチュエータ機構74がシフトスピンドル94を回転させて、シフトスピンドル94の回動に伴ってシフトアーム115が回動する。アクチュエータ機構74はシフトスピンドル94を正逆回転可能に構成されており、シフトアーム115はシフトスピンドル94の正逆回転に伴って正逆回転可能に構成されている。
図6は、図4のVI−VI線断面図である。
図6において、シフトアーム115は、第一シフトアーム171と、第二シフトアーム172とを備える。シフトアーム115は、図4に示すように、第三シフトアーム150を更に備える。第一シフトアーム171と、第三シフトアーム150とは、一体であり、全体でV字型に形成される。図6に示すように、第一シフトアーム171および第三シフトアーム150の基部(一端)には、筒状部149が固定され、筒状部149には、シフトスピンドル94が嵌め込まれる。このシフトスピンドル94には、ギアシフトアーム130が相対回転可能に支持されている。
筒状部149には、リターンスプリング131が巻回され、リターンスプリング131の両方の端部131a、131bは、ギアシフトアーム130の端部130a、および、第三シフトアーム150の突出部150aを挟んでいる。また、リターンスプリング131の両端131a、131bは、ストッパーピン138の軸部を挟んでいる。ストッパーピン138はクランクケース25に固定される。ストッパーピン138およびギアシフトアーム130の端部130aは、第三シフトアーム150の開口部150bを貫いている。開口部150bは、ストッパーピン138及び、ギアシフトアーム130の端部130aが開口部150b内で開口部150bに対して相対移動可能なように、所定の大きさの幅を有する。
シフトスピンドル94の回動に伴って蓄力機構116のギアシフトアーム130には回動力が伝達され、ギアシフトアーム130が回動すると、ギアシフトアーム130の端部130aが第三シフトアーム150の開口部150bの内縁に当接する。ギアシフトアーム130がさらに回動すると、第三シフトアーム150がギアシフトアーム130と共に回動する。この際に、リターンスプリング131の一方の端部131a、131bはストッパーピン138に当接し、他方の端部131b、131aは、ギアシフトアーム130の端部130aに当接しているため、ギアシフトアーム130はリターンスプリング131の弾性力に抗しながら回動する。そして、ギアシフトアーム130に回動させる力が作用しなくなると、リターンスプリング131が弾性復元する。リターンスプリング131の他方の端部131a、131bが、ギアシフトアーム130の端部130aや第三シフトアーム150の突出部150aと係合して、ギアシフトアーム130や、第三シフトアーム150が図4に示す位置に戻ることが可能である。
第一シフトアーム171と、第二シフトアーム172とは、摺動ピン180により連結される。摺動ピン180は、第一シフトアーム171に固定され、第二シフトアーム172は、摺動ピン180廻りを摺動、回動自在である。摺動ピン180は、第一シフトアーム171からクランクケース25側に突出している。
第二シフトアーム172は、断面略L字型であり、本体部173と、係合部174とを備える。本体部173には、ガイド孔173aが設けられる。ガイド孔173aには、固定軸(支持部)178が篏合し、固定軸178は、クランクケース25に固定される。図6に示す基準位置では、ガイド孔173aは、第二シフトアーム172と、固定軸178との間に所定の隙間179が生じるように配置される。所定の隙間179は、第二シフトアーム172が基準位置からシフトスピンドル94側に移動できるようにするための隙間であり、固定軸178が相対的に移動するための隙間179である。
ガイド孔173aには、上述した摺動ピン180が篏合する。固定軸178と、第二シフトアーム172との間には、引張バネ(弾性部材)191が配置される。引張バネ191の一端191aは固定軸178に連結され、他端191bが、第二シフトアーム172の連結部172fに連結されている。引張バネ191は予め弾性変形されている。
係合部174は、図4に示すように、シフトスピンドル94側にコ字状に凹む窪み176を備える。この窪み176は、当接部174aと、その両側の送り部174b、174cとを備える。また、係合部174の両方の外面には、カム部174d、174eが形成される。カム部174d、174eは、固定軸178からシフトスピンドル94側に向かうにつれ、係合部174の外方に延びるように所定の傾斜で傾斜している。窪み176には、ドラムシフタ181のシフトピン(従動ピン)182a〜182eが係合する。ドラムシフタ181は、シフトドラム125に軸184を介して一体回転可能に連結される。
ドラムシフタ181は、星型であり、星型の5か所に上記シフトピン182a〜182eが固定される。
第一シフトアーム171は、図4に示すように、第二シフトアーム172上に重ねられる。第二シフトアーム172はドラムシフタ181上に重ねられる。
第一シフトアーム171は、第二シフトアーム172と比べて幅広であり、最も幅広の部分には、ストッパー部171c、171dが形成される。
ストッパー部171c、171dは、クランクケース25側に突出し、ドラムシフタ181のシフトピン182a〜182eの何れかに当接する。
図7〜図10を用いて、本実施の形態の作用を説明する。
図7〜図10では、説明の便宜ために、その重なり順によらず、第一シフトアーム171は二点鎖線で示し、第二シフトアーム272を太線で示す。また、係合部104や摺動ピン180、シフトピン182a〜182eについて、区別し易いように、ハッチングやドット柄、黒などを付して図示する。
シフトスピンドル94と、固定軸178とを結ぶ仮想的な直線をL0で示す。
第一シフトアーム171に関し、摺動ピン180の中心とシフトスピンドル94の中心を結んだ線をL1で示す。
第二シフトアーム172に関し、第二シフトアーム172のガイド孔173aの幅方向中央を通る線をL2で示す。
固定軸178と、シフトスピンドル94と、シフトドラム125の中心の軸184は直線状に配置される。固定軸178と、シフトスピンドル94と、シフトドラム125の中心の軸184は直線L0上に配置されており、これらの位置は変わらない。
図7は、シフトアーム115が基準位置にある場合を示す。
基準位置(基準点)では、線L0上に、摺動ピン180がある。第一シフトアーム171がシフトスピンドル94を中心として反時計回りに回動すると、摺動ピン180が、シフトスピンドル94を中心とした弧を描く。第二シフトアーム172は、摺動ピン180にガイド孔173の内壁173aが押され、摺動ピン180がガイド孔173a内を移動できるように、固定軸178と摺動ピン180で位置決めされながら移動する。
このとき、第二シフトアーム172は、送り部174bでシフトピン182bを押しながら移動する。よって、ドラムシフタ181が回動し、他のシフトピン182a、182c〜182eの位置も変わる。
この際に、送り部174bに押されているシフトピン182bに対して、先行するシフトピン182aは、送り部174bの開放端と送り部174cの開放端とで挟まれた空間である開放部175から、係合部174の外側に抜け出る。図8に示すように、係合部174の内部には、一つのシフトピン182bのみが残る。
また、送り部174bに押されているシフトピン182bに対して、後続するシフトピン182cは、図8に示すように、第二シフトアーム172に対して、第二シフトアーム172の移動方向後側に移動する。
第二シフトアーム172は引張バネ191により固定軸178側に付勢されているため、係合部174が、シフトピン182bに接触した状態が保持される。
第一シフトアーム171および第二シフトアーム172が、図8に示すシフト位置に移動することにより、ドラムシフタ181とシフトドラム125が一段分回動し、一段分変速される。
一段分変速されると、第一シフトアーム171はシフト位置から基準位置に戻ろうとし、摺動ピン180を介して、第二シフトアーム172も基準位置に戻ろうとする。
第二シフトアーム172が基準位置に戻り始めると、係合部174の送り部174bが、シフトピン182bから離間する。この際に、引張バネ191により、係合部174の当接部174aは固定軸178側に付勢されているため、当接部174aがシフトピン182bに接触した状態が保持される。第二シフトアーム172は、当接部174aがシフトピン182bに接触した状態で移動する。
図9に示すように、第二シフトアーム172がさらに基準位置に近づくと、係合部174の外側のカム部174dが、後続していたシフトピン182cと接触する。
第二シフトアーム172がさらに基準位置に近づくと、カム部174dがシフトピン182cに押されて、第二シフトアーム172全体がシフトスピンドル94側に移動する。
図10に示すように、第二シフトアーム172がさらに基準位置に近づくと、係合部174が、シフトピン182cのシフトスピンドル94側に周り込み、相対的には、シフトピン182cが、カム部174dを乗り越える。つまり、カム部174d、174eは、図10に示すように、シフトピン182a〜182eに接触したカム部174d、174eが、シフトピン182a〜182eを送ることなく、シフトピン182a〜182eによって、ドラムシフタ181から遠ざかる方向に案内されるような傾斜角度に設定されている。
係合部174が固定軸178側に付勢されているため、乗り越えたシフトピン182cと、残っていたシフトピン182bとが、相対的には、開放部175を介して係合部174の内部に進入する。
よって、隣接する2つのシフトピン182b、182cが係合部174の内部に収容される。シフトドラム125およびドラムシフタ181が一段分回動した後に、第一シフトアーム171および第二シフトアーム172が図7に示す基準位置に戻る。
逆方向のシフト位置に移動する場合も同様である。
図7において、第一シフトアーム171が基準位置から逆方向(シフトスピンドル94を中心に時計回り方向)に回動すると、摺動ピン180を介して第二シフトアーム172が逆方向に移動し、送り部174cがシフトピン182aを送る。
そして、第一シフトアーム171が逆側のシフト位置から基準位置に戻る際に、シフトピン182eとカム部174eが係合する。シフトピン182eがカム部174eを乗り越えると、隣接する2つのシフトピン182e、182aが係合部174の内部に収容される。
シフトドラム125およびドラムシフタ181が逆方向に一段分回動した後に、第一シフトアーム171および第二シフトアーム170が図7に示す基準位置に戻る。
第1の実施の形態では、回動時の固定軸178と摺動ピン180との距離は、摺動ピン180とシフトスピンドル94との距離に比べて短い。第一シフトアーム171の回動量θ1に対して、第二シフトアーム172の回動量θ2が大きくなっており、第一シフトアーム171の回動範囲(揺動範囲)を小さくすることができる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態では、クランクケース25内に収納されるシフトドラム125と、シフトドラム125と同一軸線まわりに回動することでシフトドラム125を回動駆動するドラムシフタ181に、その回動軸線からオフセットして突設されるシフトピン182a〜182eと、クランクケース25に回動可能に支持されるシフトスピンドル94に一端部が支持されるシフトアーム115と、シフトスピンドル94とともにシフトアーム115が回動するのに応じてシフトピン182a〜182eに係合し、シフトドラム125を回動させるシフトアーム115に構成される係合部174とを備える変速装置において、シフトアーム115は第一シフトアーム171と、第二シフトアーム172とで構成され、第一シフトアーム171は、一端はシフトスピンドル94に支持され、他端には摺動ピン180が配置され、第二シフトアーム172は回動可能にクランクケース25に構成された固定軸178にて支持され、第二シフトアーム172には固定軸178からシフトスピンドル94に向かって延びるガイド孔173aが構成され、ガイド孔173a内に摺動ピン180が収納される。
したがって、シフトスピンドル94が回転した際に摺動ピン180がシフトスピンドル94を中心に動く。それにより摺動ピン180はガイド孔173a内を稼動し、それにより固定軸178を中心に第二シフトアーム172が回動する。それにより第一シフトアーム171を回動させる量より第二シフトアーム172を大きく回動させることができる。そのためシフトドラム125を回動させる際に必要なスペースを小さくすることが可能になる。
第1の実施の形態では、ガイド孔173aに固定軸178が収容され、第二シフトアーム172は側面視でドラムシフタ181上に配置され、隣接する2つのシフトピン182a〜182eを挟むように配置される一対の送り部174b、174cと、一対の送り部174b、174cの外側に配置され、固定軸178から第二シフトアーム172の端部に向かうにつれ外方に延びる様に構成された一対のカム部174d、174eと、第二シフトアーム172と固定軸178を連結する引張バネ191が配置されている。
したがって、第二シフトアーム172は、回動によりシフトドラム125の回動動作を行った後に、基準位置に復帰を開始する。その際に、第二シフトアーム172のカム部174d、174eが隣接するシフトピン182a〜182eに当接し、第二シフトアーム172が固定軸178と離れる方向に引かれ、シフトピン182a〜182eを乗り越した後に引張バネ191の弾性力により基準位置への復帰が完了する。摺動ピン180を収容するガイド孔173aに固定軸178を収容することで、ガイド孔173aについて摺動ピン180と固定軸178の相互利用が可能になっている。
また、第1の実施の形態では、第二シフトアーム172が基準位置に配置されている状態でシフトスピンドル94と、固定軸178と、シフトドラム125中心に設けられた軸184と、摺動ピン180と、は直線L0上に配置されている。したがって、少ないスペースにおいて、大きな揺動範囲を確保することが出来る。
また、第1の実施の形態では、第一シフトアーム171と、第二シフトアーム172と、ドラムシフタ181が側面視(シフトドラム125の回転軸線視)で重複して配置されている。したがって、第一シフトアーム171、第二シフトアーム172、ドラムシフタ181などの各部品を重複して配置することで、クランクケース25内の使用するスペースを少なくすることが出来る。
<第2の実施の形態>
図11は、第2の実施の形態の説明図であり、第1の実施の形態の図6に対応する図である。
図12〜図15は、第2の実施の形態の説明図であり、第1の実施の形態の図7〜図10に対応する。
第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における第二シフトアーム172と引張バネ191とに代えて、第二シフトアーム272と押付けバネ(弾性部材)291とを備えている。
第二シフトアーム272は、板状の本体部273を備える。本体部273には、ガイド孔273aが形成されている。ガイド孔273aは、固定軸178からシフトスピンドル94に向かう方向に延びている。ガイド孔273aには、固定軸178と、摺動ピン180が摺動可能に挿入されている。
図12に示す基準位置では、ガイド孔273aは、第二シフトアーム272と、摺動ピン180との間に所定の隙間279が生じるように形成されている。所定の隙間279は、第二シフトアーム272がシフトスピンドル94から離間する方向に、基準位置から移動できるようにするための隙間であり、摺動ピン180が相対的に移動するための隙間279である。
第二シフトアーム272は、シフトスピンドル94側の端部272aに係合部274を備える。係合部274は、ドラムシフタ181と係合する。
係合部274は、ガイド孔273aを挟んで一対の壁部275、276を備える。壁部275、276は、本体部273に対してドラムシフタ181側に突出している。
壁部275、276はガイド孔273aに沿って延びている。壁部275と壁部276に挟まれたシフトスピンドル94側の端部の空間により、開放部277が形成されている。
壁部275、276は、ガイド孔273a側の内周面に、送り部(送り爪)275a、276aと、膨出部275b、276bとを備える。
送り部(送り爪)275a、276aは、ガイド孔273aに沿って延びている。
膨出部275b、276bは、送り部275a、276aに対してガイド孔273a側に膨出している。
壁部275、276は、固定軸178側の端部に、バネ突き当て部275c、276cを備える。バネ突き当て部275c、276cには、押付けバネ291が突き当てられる。
押付けバネ(弾性部材)291は、第二シフトアーム272と、固定軸178との間に配置される。押付けバネ291は、ねじりバネである。押付けバネ291は、予め弾性変形された状態で固定軸178に巻回されている。押付けバネ291の両端部291a、291bは、バネ突き当て部275c、276cに突き当てられている。押付けバネ291は、第二シフトアーム272をシフトスピンドル94側に付勢している。
押付けバネ291は、ガイド孔273aの固定軸178側の端部273a2を固定軸178に当接させた状態か、または、第二シフトアーム272の係合部274をシフトピン182a〜182eに当接させた状態に保持する。
壁部275、276の外周部には、カム部275d、276dが形成されている。カム部275d、276dは、開放部277から固定軸178側に向かうにつれ、線L2から遠ざかるように所定の傾斜で傾斜している。カム部275d、276dは、ガイド孔273aの端部273a2が固定軸178に接触した状態で移動する場合に、図14に示すように、移動先にある別のシフトピン182a〜182eに接触する位置に形成されている。カム部275d、276dの所定の傾斜は、図15に示すように、シフトピン182a〜182eに接触したカム部275d、276dが、シフトピン182a〜182eを送ることなく、シフトピン182a〜182eによってドラムシフタ181の軸184から遠ざかる方向に案内されるような傾斜角度に設定されている。
図12〜図15を用いて、第2の実施の形態の作用を説明する。
図12、図13に示すように、第一シフトアーム171が基準位置からシフト位置に回動すると、摺動ピン180を介して第二シフトアーム272が移動し、送り部275aがシフトピン182dを送る。この際に、先行するシフトピン182eは開放部277から抜け出る。後続するシフトピン182cは、第二シフトアーム272に対して、第二シフトアーム272の移動方向後側に移動する。
第一シフトアーム171および第二シフトアーム272が、図13に示すシフト位置に移動することにより、ドラムシフタ181とシフトドラム125が一段分回動し、一段分変速される。
シフト位置から基準位置に戻る際に、第2の実施の形態では、第二シフトアーム272が、押付けバネ291により付勢されているため、ガイド孔273aの端部273a2が固定軸178に引っ掛かった状態が保持される。
図14に示すように、第二シフトアーム272が基準位置に戻る際に、係合部274の外側のカム部275dが、後続のシフトピン182cと接触する。
第二シフトアーム272がさらに基準位置に近づくと、カム部275dがシフトピン182cに押されて、第二シフトアーム272全体がドラムシフタ181の軸184から離間する方向に移動する。
図15に示すように、第二シフトアーム272がさらに基準位置に近づくと、係合部274がシフトピン182cを乗り越える。そして、係合部274が、押付けバネ191の付勢力によりドラムシフタ181側に移動し、開放部277から、隣接する2つのシフトピン182d、182cが係合部274の内部に進入する。
したがって、シフトドラム125およびドラムシフタ181が一段分回動した後に、第一シフトアーム171および第二シフトアーム272が基準位置に戻ることが可能である。
図示は省略するが、逆方向のシフト位置に移動する場合も同様である。
図12において、第一シフトアーム171が基準位置から逆方向に回動すると、摺動ピン180を介して第二シフトアーム272が逆方向に移動し、送り部276aがシフトピン182eを送る。
そして、第一シフトアーム171が逆方向のシフト位置から基準位置に戻る際に、シフトピン182aとカム部276dが係合して、カム部276dがシフトピン182aを乗り越え、二本のシフトピン182e、182aが係合部274の内側に配置された状態の基準位置に戻る。
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態では、第二シフトアーム272、押付けバネ291を備える点で第一の実施の形態と異なっているが、第一シフトアーム171と第二シフトアーム272とによりドラムシフタ181とシフトドラム125を回動させることが可能である。第一シフトアーム171の回動量θ1に対して、第二シフトアーム272の回動量θ2が大きくなっており、第一シフトアーム171の回動範囲(揺動範囲)を小さくすることができる。第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
<第3の実施の形態>
図16は、第3の実施の形態の説明図である。
第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態の第一シフトアーム171と第二シフトアーム172とに代えて、第一シフトアーム371と第二シフトアーム372とを備える。
第一シフトアーム371では、第1の実施の形態の幅広部171bおよびストッパー部171c、171dが省略されている点以外は、第一シフトアーム171と同様である。
第二シフトアーム372は、板部材の折り曲げ加工により形成可能であり、形成が容易である。
第二シフトアーム372は、本体部373と、本体部373のシフトスピンドル94側に設けられた係合部374と、本体部373に設けられた幅広部378と、を備える。
本体部373には、ガイド孔373aが形成されている。
図16に示す基準位置において、ガイド孔373aは、固定軸178側の端部373a2に固定軸178との間に隙間179が形成され、シフトスピンドル94側の端部373a3に摺動ピン180が接触するように形成されている。
係合部374は、線L2を挟んで一対の曲げ部375、376を備える。
曲げ部375、376は、本体部373に対してドラムシフタ181側に突出している。曲げ部375、376と本体部373との間には、一対の切り込み部373c、373dが形成されている。切り込み部373c、373dは、本体部373の長手方向に沿って延びている。切り込み部373c、373dにより、曲げ部375、376を曲げ加工し易くなっている。
曲げ部375と曲げ部376とに挟まれた空間により、開放部377が形成されている。
曲げ部375、376の先端部には、送り部174b、174c(図7参照)に対応する送り部(送り爪)375a、376aと、カム部174d、174e(図7参照)に対応するカム部375b、376bとが形成されている。
第1の実施の形態では、シフト位置から基準位置に戻る際に、当接部174aがシフトピン182a〜182eに当接していたが(図9参照)、第3の実施の形態では、摺動ピン180がガイド孔373aの端部373a3に当接した状態で保持され、第二シフトアーム372が移動する。送り部375a、376aやカム部375b、376bは、第一の実施の形態の送り部174b、174cやカム部174d、174eと同様の作用効果を奏する。
幅広部378の幅方向両端には、ドラムシフタ181側に突出する立壁状のストッパー部378a、378bが形成されている。ストッパー部378a、378bは曲げ加工で形成可能である。
ストッパー部378a、378bは、第二シフトアーム372の基準位置に対する回動量θ2が過剰に大きい場合に、ドラムシフタ181のシフトピン182a〜182eに当接して第二シフトアーム372が規定量以上、回動することを防止する。
第一シフトアーム371および第二シフトアーム372は連動している。第一シフトアーム371および第二シフトアーム372とでは、過剰な回動を防止する規定の回動量(規定量)θ1、θ2も、第二シフトアーム372の方が大きく、第一シフトアーム371の方が小さい。
第3の実施の形態では、回動量θ2が大きく、規定の回動量も大きい第二シフトアーム372にストッパー部378a、378bが設けられており、加工精度によりストッパー部378a、378bの位置に誤差が生じても、回動量θ2に対する誤差の割合が小さい。よって、ストッパー部378a、378bの加工精度に伴う誤差の影響を小さくできる。
以上説明したように、本発明を適用した第3の実施の形態では、第一シフトアーム371、第二シフトアーム372を備える点で第一の実施の形態と異なっているが、第一シフトアーム371と第二シフトアーム372とによりドラムシフタ181とシフトドラム125を回動させることが可能である。第一シフトアーム371の回動量θ1に対して、第二シフトアーム372の回動量θ2が大きくなっており、第一シフトアーム371の回動範囲(揺動範囲)を小さくすることができる。第3の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、第3の実施の形態では、第二シフトアーム372にシフトピン182a〜182eと当接し、規定量以上の回転を防止するストッパー部378a、378bが構成されている。したがって、第一シフトアーム371より大きな幅で揺動する第二シフトアーム372にストッパー部378a、378bを設けることで、不要に高い精度にて製造する必要なく誤差を許容できる。
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
上述の実施の形態では、アクチュエータ機構74がシフトスピンドル94を回動する構成を説明したが、アクチュエータ機構74に代えて、乗員が、シフトペダル(不図示)を操作してシフトスピンドル94を回動させる構成も可能である。
蓄力機構116の蓄力バネ137が省略されて、ギアシフトアーム130がシフトスピンドル94に固定されても良い。
25 変速機ケース
94 シフトスピンドル
115 シフトアーム
125 シフトドラム
171、371 第一シフトアーム
172、272、372 第二シフトアーム
173a、273a、373a ガイド孔
174、274、374 係合部
174b、174c、375a、376a 送り爪
174d、174e、375b、376b カム部
178 支持部
180 摺動ピン
181 ドラムシフタ
182a、182b、182c、182d、182e 従動ピン
191、291 弾性部材
378a、378b ストッパー部

Claims (5)

  1. 変速機ケース(25)内に収納されるシフトドラム(125)と、
    前記シフトドラム(125)と同一軸線まわりに回動することで前記シフトドラム(125)を回動駆動するドラムシフタ(181)に、その回動軸線からオフセットして突設される従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)と、
    前記変速機ケース(25)に回動可能に支持されるシフトスピンドル(94)に一端部が支持されるシフトアーム(115)と、
    前記シフトスピンドル(94)とともに前記シフトアーム(115)が回動するのに応じて前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)に係合し、前記シフトドラム(125)を回動させる前記シフトアーム(115)に構成される係合部(174、274、374)とを備える変速装置において、
    前記シフトアーム(115)は第一シフトアーム(171、371)と、第二シフトアーム(172、272、372)とで構成され、
    前記第一シフトアーム(171、371)は、一端は前記シフトスピンドル(94)に支持され、他端には摺動ピン(180)が配置され、
    前記第二シフトアーム(172、272、372)は回動可能に前記変速機ケース(25)に構成された支持部(178)にて支持され、
    前記第二シフトアーム(172、272、372)には前記支持部(178)から前記シフトスピンドル(94)に向かって延びるガイド孔(173a、273a、373a)が構成され、
    前記ガイド孔(173a、273a、373a)内に前記摺動ピン(180)が収納されることを特徴とする変速装置。
  2. 前記ガイド孔(173a、373a)に前記支持部(178)が収容され、
    前記第二シフトアーム(172、372)は前記ドラムシフタ(181)上に配置され、隣接する2つの前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)を挟むように配置される一対の送り爪(174b、174c、375a、376a)と、
    前記一対の送り爪(174b、174c、375a、376a)の外側に配置され、前記支持部(178)から前記第二シフトアーム(172、372)の端部に向かうにつれ外方に延びる様に構成された一対のカム部(174d、174e、375b、376b)と、
    前記第二シフトアーム(172、372)と前記支持部(178)を連結する弾性部材(191)が配置されていることを特徴とする請求項1記載の変速装置。
  3. 前記第二シフトアーム(172、272、372)が基準点に配置されている状態で前記シフトスピンドル(94)と、前記支持部(178)と、前記シフトドラム(125)中心と、前記摺動ピン(180)は直線状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速装置。
  4. シフトドラム(125)の回転軸線視で前記第一シフトアーム(171、371)と、前記第二シフトアーム(172、272、372)と、前記ドラムシフタ(181)が重複して配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載の変速装置。
  5. 前記第二シフトアーム(372)に前記従動ピン(182a、182b、182c、182d、182e)と当接し、規定量以上の回転を防止するストッパー部(378a、378b)が構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項記載の変速装置。
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