JP2019173602A - 内燃機関のデコンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブを長期間開状態に維持することができる内燃機関のデコンプ装置を提供する。【解決手段】ロッカーアーム4がバルブを開く方向に傾いたときにロッカーアーム4のラッシュアジャスタ20により支持されている側の端部4aの揺動範囲にデコンプピン40を差し込む。ロッカーアーム4がバルブを閉じる方向に傾いたときにロッカーアーム4の端部4aにデコンプピン40が当接することによって、ロッカーアーム4がバルブを完全に閉じる位置に戻ることが規制され、バルブは圧縮行程でも若干開いた状態になる。【選択図】図4

Description

本発明は内燃機関のデコンプ装置に関し、詳しくは、少なくとも圧縮行程において吸気バルブ又は排気バルブを若干開くことによって、燃焼室内の圧縮圧力を解放するデコンプ装置に関する。
内燃機関の燃焼室内の圧縮圧力を解放するデコンプ装置(減圧装置とも呼ばれる)が知られている。デコンプ装置は、例えば、内燃機関の始動時の圧縮トルクを低減することによって始動性を向上させるために用いられる。特開2016−017505号公報には、バルブを作動させるロッカーアームをラッシュアジャスタで支持する動弁機構を利用したデコンプ装置が開示されている。このデコンプ装置は、カムによってラッシュアジャスタの底を持ち上げることで、ロッカーアームの支点を上方、すなわち、バルブが開く側に移動させ、それによりバルブを開状態に維持するように構成されている。
特開2016−017505号公報
ラッシュアジャスタのプランジャには、ロッカーアームを介してバルブスプリングの反力が作用する。この反力は、プランジャとロッカーアームとの接触部分、すなわち、ロッカーアームの支点が上方に移動するほど大きくなる。プランジャに作用するバルブスプリングの反力が大きい場合、その反力によりプランジャが押されることで、プランジャとハウジングとの隙間からオイルが漏れて徐々にプランジャが押し下げられていく。この現象はプランジャのリークダウンと呼ばれている。
上記公報に記載のデコンプ装置では、カムによってラッシュアジャスタの底を持ち上げている間にプランジャのリークダウンが起きるおそれがある。プランジャのリークダウンが起きた場合、ロッカーアームの支点が下方に移動することによって、圧縮行程でのバルブの最小リフト量が減少したり、バルブが完全に閉じたりする。つまり、上記公報に記載のデコンプ装置では、バルブを長期間開状態に維持することは難しく、デコンプ期間が長くなるにつれて所望のデコンプ効果が得られなくなるおそれがある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、バルブを長期間開状態に維持することができる内燃機関のデコンプ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関のデコンプ装置は、カムから駆動力を受けてバルブを開方向に作動させるロッカーアームと、バルブに対して閉方向に反力を作用させるバルブスプリングと、ロッカーアームの支点をなすラッシュアジャスタとを含む動弁機構を有する内燃機関に設けられるデコンプ装置である。本発明に係る内燃機関のデコンプ装置は、位置決め部材と、位置決め部材を動かすアクチュエータとを備える。位置決め部材は、ロッカーアームがバルブを開く方向に傾いたときに、ロッカーアームのラッシュアジャスタにより支持されている側の端部(以下、単にロッカーアームの端部という)の揺動範囲に差し込まれる部材である。位置決め部材は、ロッカーアームがバルブを閉じる方向に傾いたときに、ロッカーアームの端部に当接することによって、ロッカーアームがバルブを完全に閉じる位置に戻るのを規制する。アクチュエータは、位置決め部材をロッカーアームの上記端部の揺動範囲に差し込む操作と、位置決め部材をロッカーアームの上記端部の揺動範囲から抜き出す操作とを実行する。
上記のごとく構成されたデコンプ装置によれば、バルブが開いているときに、ロッカーアームの端部の揺動範囲に位置決め部材が差し込まれ、これがロッカーアームの端部に当接することによって、位置決め部材とロッカーアームとの接触部分がロッカーアームの支点となる。つまり、ロッカーアームの支点は、ラッシュアジャスタとロッカーアームとの接触部分から、位置決め部材とロッカーアームとの接触部分へと移る。ロッカーアームの支点がラッシュアジャスタによって規定される場合、バルブスプリングからの反力によってプランジャのリークダウンが生じることで、ロッカーアームの支点は次第に下方へ変位していく。しかし、ロッカーアームの支点が位置決め部材によって規定される場合、ロッカーアームの支点は固定されるため、時間の経過によるバルブのデコンプリフト量(最小リフト量)の減少は防止される。つまり、上記のごとく構成されたデコンプ装置によれば、バルブを長期間開状態に維持することができる。
位置決め部材は、ロッカーアームの端部に当接する部位に平面部を備えてもよい。ロッカーアームと接触する部位が平面であることで、ロッカーアームと位置決め部材との間の接触圧を低減することができる。
位置決め部材は、ラッシュアジャスタのプランジャに係合するプランジャ係合部を備えてもよい。プランジャ係合部は、位置決め部材がロッカーアームの端部に当接したときにプランジャに係合してプランジャの軸方向の動きを拘束するように構成される。プランジャの軸方向の動きを拘束することにより、ロッカーアームが位置決め部材とロッカーアームとの接触部分を支点として揺動している間、プランジャがロッカーアームに向けて伸び上がることを抑えることができる。これにより、位置決め部材を抜き出すことによって、即座にデコンプ状態を解除することができる。
位置決め部材は、アクチュエータによりプランジャに向けて直線方向に駆動され、直線方向の先端にプランジャ係合部を備えてもよい。これによれば、位置決め部材をロッカーアームの端部の揺動範囲に差し込むことと、プランジャ係合部をプランジャに係合させることとを単純な1つの動作で実現することができる。
本発明に係る内燃機関のデコンプ装置は、位置決め部材を支持する支持部材を備えてもよい。支持部材は、位置決め部材のプランジャに向けた直線方向への移動をガイドするとともに、ロッカーアームを介して位置決め部材に作用するバルブスプリングの反力に抗して位置決め部材を支持する。このような支持部材を備えることで、位置決め部材を所望の位置に確実に差し込み、プランジャ係合部を確実にプランジャに係合させることができるとともに、バルブスプリングの反力に対する位置決め部材の剛性を高めることができる。
アクチュエータは、デコンプを開始する場合はソレノイドの力によって位置決め部材をプランジャに向けて駆動し、デコンプを継続する間はソレノイドへの通電を継続し、デコンプを終了する場合はソレノイドへの通電を停止してスプリングの反力によって位置決め部材を元の位置に戻すように構成されてもよい。さらに、アクチュエータは、ロッカーアームの姿勢が位置決め部材を揺動範囲に差し込むことが可能な姿勢になるよりも前にソレノイドへの通電を開始してもよい。また。アクチュエータは、デコンプを終了するサイクルにおいてバルブがリフトし始めるよりも前にソレノイドへの通電を停止してもよい。上記構成のアクチュエータによれば、厳密なタイミングの管理をせずとも、位置決め部材を所望の位置に差し込むことができ、また、位置決め部材を抜き出すことができる。
位置決め部材とアクチュエータとでアクチュエータユニットを構成してもよい。この場合、アクチュエータユニットは、気筒の上面視において、ロッカーアームの長手方向に対して位置決め部材の駆動方向が傾くように内燃機関に搭載されてもよい。内燃機関のバルブの付近には燃料噴射弁等の様々な部品が存在するが、上記構成によれば、これら他の部品との干渉を生じないようにアクチュエータユニットを搭載することができる。
以上述べたように、本発明に係る内燃機関のデコンプ装置によれば、ロッカーアームの端部の揺動範囲に位置決め部材を差し込み、ラッシュアジャスタとロッカーアームとの接触部分から、位置決め部材とロッカーアームとの接触部分へとロッカーアームの支点を移すことにより、ロッカーアームがバルブを完全に閉じる位置に戻るのを規制し、これによりバルブを長期間開状態に維持することができる。
本発明の実施の形態のデコンプ装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態のデコンプ装置のアクチュエータユニットの模式的な断面図である。 本発明の実施の形態のデコンプ装置のデコンプピンの斜視図である。 通常時とデコンプ時の各部材の係合状態を示す図である。 閉弁状態での動弁機構の状態とデコンプ装置の状態とを示す図である。 最大リフト状態での動弁機構の状態とデコンプピンの差し込み前のデコンプ装置の状態とを示す図である。 最大リフト状態での動弁機構の状態とデコンプピンの差し込み後のデコンプ装置の状態とを示す図である。 デコンプ状態での動弁機構の状態とデコンプ装置の状態とを示す図である。 本発明の実施の形態のデコンプ装置の作動に伴う動弁機構の動作を時系列に示す図である。 比較例のデコンプ装置の作動に伴う動弁機構の動作を時系列に示す図である。 デコンプ開始からデコンプ終了までの間のデコンプ装置に対する制御のタイムチャートである。 デコンプ開始時のデコンプ装置に対する制御について説明するための図である。 デコンプ終了時のデコンプ装置に対する制御について説明するための図である。 従来のエンジン車両におけるデコンプ開始時の制御のフローチャートである。 ハイブリッド車両におけるデコンプ開始時の制御のフローチャートである。 デコンプ終了時の制御のフローチャートである。 バルブの基線に対するアクチュエータユニットの搭載角度の例を示す平面図である。 シリンダヘッドへのアクチュエータユニットの搭載例を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.デコンプ装置の構成
本実施の形態のデコンプ装置が適用される内燃機関(以下、エンジンと表記する)には、例えば、火花点火式エンジンやディーゼルエンジンが含まれる。また、本実施の形態のデコンプ装置は、従来のエンジンのみならず、エンジンとモータとを組み合わせたハイブリッドシステム用のエンジンにも適用することができる。
図1は、本実施の形態のデコンプ装置を示す斜視図である。本実施の形態のデコンプ装置10は、バルブ2を作動させる動弁機構12に組み合わせられる。バルブ2は吸気バルブでもよいし排気バルブでもよい。動弁機構12はロッカーアーム4を含む。ロッカーアーム4の両方の端部4a,4cのほぼ中央には、図示しないカムから駆動力を受けるロッカーローラ4bが設けられている。ロッカーローラ4bは、梃子としてのロッカーアーム4の力点をなす。
ロッカーアーム4の一方の端部4cには、バルブ2の軸の端部が当接している。バルブ2の軸の端部には、バルブスプリング6の反力をバルブ2に伝えるためのリテーナが固定されている。バルブスプリング6の反力は、バルブ2に対して閉方向、すなわち、ロッカーアーム4の端部4cを押し上げる方向に作用する。ロッカーアーム4の端部4c、より詳しくは、端部4cとバルブ2との接触部分は、梃子としてのロッカーアーム4の作用点をなす。
ロッカーアーム4の他方の端部4aは、ラッシュアジャスタ(Hydraulic Lash Adjuster, HLA)20で支持されている。ロッカーアーム4の端部4a、より詳しくは、端部4aとラッシュアジャスタ20との接触部分は、梃子としてのロッカーアーム4の支点をなす。ラッシュアジャスタ20の基本的な構造は従来のそれと同じである。ただし、詳細については後述するが、ラッシュアジャスタ20のプランジャ(図では端部4aの影に隠れている)には、全周にわたって環状の溝26が形成されている。
本実施の形態のデコンプ装置10は、上記構成の動弁機構12に対して作用するアクチュエータユニット30を備える。アクチュエータユニット30は、少なくともデコンプピン40とソレノイド50とピンガイド32とが一体化された装置である。デコンプピン40は、デコンプ時にロッカーアーム4の位置決めを行う位置決め部材である。ソレノイド50は、デコンプピン40をその軸方向に動作させるアクチュエータである。ピンガイド32は、デコンプピン40の軸方向への動きをガイドするとともに、デコンプピン40に加わる横荷重に抗してデコンプピン40を支持する支持部材である。
図2は、アクチュエータユニット30の模式的な断面図である。図3は、アクチュエータユニット30を構成するデコンプピン40の斜視図である。ピンガイド32は筒状であって、その内部にデコンプピン40が収容されている。デコンプピン40には、その軸方向に延びる溝46が形成されている。この溝46には、ピンガイド32に固定された回り止めピン34が挿入されている。溝46に回り止めピン34が係合することによって、デコンプピン40は周方向の回転を拘束されている。
ピンガイド32の端部にはソレノイド50が取り付けられている。ソレノイド50は、アーマチャー54とアーマチャー54を駆動する電磁コイル52とを備える。電磁コイル52に電圧を印加すると、アーマチャー54の先端がピンガイド32の内部に突き出し、デコンプピン40をその先端の方向へ押し出す。電磁コイル52に対する電圧の印加は図示しないECU(Electronic Control Unit)から行われる。
ピンガイド32の内部には、デコンプピン40とともにスプリング36が収容されている。スプリング36は、デコンプピン40の末端に形成されたスプリング受け48と、ピンガイド32の内部に形成された段部38との間で保持される。ソレノイド50への通電によって先端方向へ押し出されたデコンプピン40は、ソレノイド50への通電が停止したとき、スプリング36の反力によって元の位置へ押し戻される。なお、図3に描かれているスプリング受け48の切り欠きは、エンジンより自然に入ってきたオイルを排出するための通路である。
デコンプピン40は、その先端部から突き出したプランジャ係合部42を備える。プランジャ係合部42は円柱状であって、デコンプピン40の本体部分よりも細い。プランジャ係合部42は、ソレノイド50によってピンガイド32からデコンプピン40が押し出されることで、前述のプランジャの溝26(図1参照)に係合することができる。また、デコンプピン40は、その先端部の上側に平面状のアーム支持部44を備える。デコンプ時には、この平面状のアーム支持部44においてロッカーアーム4の端部4aが支持される。
2.デコンプ装置によるデコンプの仕組み
次に、本実施の形態のデコンプ装置10によるデコンプの仕組みについて図4−図8を用いて詳しく説明する。まず、図4は、通常時とデコンプ時の各部材の係合状態を示す図である。図4に描かれている状態(A)は、通常時の係合状態であり、状態(B)は、デコンプ時の係合状態である。
通常時は、状態(A)に示すように、デコンプピン40はピンガイド32の中に収納されている。この状態では、デコンプピン40は、ロッカーアーム4の端部4aが揺動する揺動範囲の外側に位置し、ロッカーアーム4とは干渉しない。ゆえに、ロッカーアーム4は、その端部4aをラッシュアジャスタ20のプランジャ22によって支持される。プランジャ22は、ロッカーアーム4の端部4aの動きに応じてケーシング24に対して伸び縮みする。
一方、デコンプ時は、状態(B)に示すように、デコンプピン40はピンガイド32からラッシュアジャスタ20のプランジャ22に向けて突き出される。突き出されたデコンプピン40は、ロッカーアーム4の端部4aが揺動する揺動範囲に位置し、デコンプピン40のアーム支持部44にロッカーアーム4の端部4aが当接する。この状態では、ロッカーアーム4は、その端部4aをアーム支持部44によって支持されることになる。アーム支持部44によって支持されるときのロッカーアーム4の端部4aの位置は、プランジャ22によって支持されるときのロッカーアーム4の端部4aの位置よりも上方である。このため、ロッカーアーム4は、バルブを完全に閉じる位置に戻ることを規制されることとなって、バルブを常時開いた状態、すなわち、デコンプ状態が実現されることになる。
また、デコンプ時は、状態(B)に示すように、デコンプピン40のプランジャ係合部42がプランジャ22の溝26に係合させられる。この溝26は、プランジャ22がどのように回転してもプランジャ係合部42が係合できるように、全周にわたって環状に形成されている。プランジャ係合部42が溝26に係合することにより、プランジャ22は軸方向への動きを拘束されることになる。ロッカーアーム4が揺動するとき、通常であればロッカーアーム4の動きに応じてプランジャ22は伸縮する。しかし、プランジャ係合部42によって軸方向への動きを拘束されていることにより、ロッカーアーム4の動きに関係なく、プランジャ22の位置は固定されたままとなる。プランジャ22の位置が固定されることの技術的な意義については後述する。
図5−8は、バルブが閉弁状態から最大リフト状態を経てデコンプ状態に至るまでの動弁機構12及びデコンプ装置10の各状態の推移について示す図である。図5には、閉弁状態での動弁機構12の状態とデコンプ装置10の状態とが描かれている。図6には、最大リフト状態での動弁機構12の状態とデコンプピン40の差し込み前のデコンプ装置10の状態とが描かれている。図7には、最大リフト状態での動弁機構12の状態とデコンプピン40の差し込み後のデコンプ装置10の状態とが描かれている。そして、図8には、デコンプ状態での動弁機構12の状態とデコンプ装置10の状態とが描かれている。各図とも、一点鎖線で囲む枠内には、デコンプ装置10の状態が拡大して描かれている。
図5に示すように、バルブ2のリフト量がゼロとなる閉弁状態では、バルブ2を支持する側のロッカーアーム4の端部4cが最大に上がり、それに伴ってラッシュアジャスタ20に支持される側の端部4aは下がる。このとき、ロッカーアーム4の端部4aはデコンプピン40に接近するが、拡大図に示すように、デコンプピン40の先端部とロッカーアーム4の端部4aとの間にはクリアランスが設けられている。これにより、ロッカーアーム4はデコンプピン40に干渉されることなく、バルブ2が完全に閉じられる位置まで傾くことができる。
図6に示すように、バルブ2のリフト量が最大となる最大リフト状態では、バルブ2を支持する側のロッカーアーム4の端部4cが最大に下がり、それに伴ってラッシュアジャスタ20に支持される側の端部4aが持ち上がる。このとき、拡大図に示すように、ロッカーアーム4の端部4aの下方には、デコンプピン40を差し込むことができるクリアランスが生じる。デコンプの開始時には、図7に示すように、このクリアランスにデコンプピン40が差し込まれる。差し込まれたデコンプピン40の先端、すなわち、プランジャ係合部42は、プランジャ22の溝26に係合してプランジャ22の軸方向の動きを拘束する。
図8に示すように、デコンプ状態では、最大リフト状態において差し込まれたデコンプピン40のアーム支持部44にロッカーアーム4の端部4aが当接し、梃子としてのロッカーアーム4の支点の位置はデコンプピン40によって規定される。このため、ロッカーアーム4はバルブ2が完全に閉じられる位置まで傾くことができず、ロッカーアーム4が最大限に傾いたときでもバルブ2は若干開いた状態となる。このときのバルブ2のリフト量(すなわち、デコンプリフト量)は、デコンプピン40のアーム支持部44によって規定される支点の位置によって決まる。デコンプピン40のアーム支持部44の位置及び大きさは、デコンプリフト量が所望の量になるように設計されている。
また、デコンプ状態では、プランジャ係合部42によってプランジャ22の軸方向の動きが拘束されることにより、プランジャ22はロッカーアーム4の動きに追従することができない。このため、拡大図に示すように、ロッカーアーム4が傾いたときには、ロッカーアーム4の端部4aとプランジャ22との間には隙間が生じたままとなる。
次に、プランジャ係合部42によってプランジャ22を拘束することの技術的な意義について図9及び図10を用いて説明する。図9は本実施の形態のデコンプ装置10の作動に伴う動弁機構12の動作を時系列に示す図である。図9に示すように、時刻(A)では、カム8のベースサークル部8bがロッカーローラ4bに当接している。デコンプピン40が差し込まれていない場合、このときのバルブ2のリフト量はゼロとなる。
時刻(B)では、カム8のリフト部8aがロッカーローラ4bに当接し、ロッカーアーム4を押し下げている。ロッカーアーム4の傾きが大きくなるほどバルブ2のリフト量は大きくなる。バルブ2のリフト量が最大になるあたりで、デコンプピン40が差し込まれる。
時刻(C)では、カム8が回転して再びカム8のベースサークル部8bがロッカーローラ4bに当接している。しかし、デコンプピン40が差し込まれていることで、ロッカーアーム4の傾きは制限される。これにより、バルブ2は完全には閉じることができず、デコンプリフト量が残ることになる。また、デコンプピン40が差し込まれることで、ラッシュアジャスタ20のプランジャ22の軸方向の動きが拘束される。このため、プランジャ22は、ロッカーアーム4の傾きの変化に応じて伸び上がることはできない。
時刻(D)では、再度バルブ2のリフト量が最大になるあたりで、デコンプピン40が抜き出せる状態となる。この状態では、ラッシュアジャスタ20のプランジャ22は、ロッカーアーム4と当接し、位置を保持される。このため、デコンプピン40を抜き出してもロッカーアーム4の位置は変化せず、通常と変わらない最大リフト時のバルブリフト状態となる。
時刻(E)では、デコンプピン40が抜き出されている。デコンプピン40が抜き出されることで、ロッカーアーム4はプランジャ22に当接しながら回動する。プランジャ22は、時刻(D)から通常時の位置にあることから、カム8のベースサークル部8bがロッカーローラ4bに当接したとき、バルブ2のリフト量はゼロとなる。つまり、デコンプ状態が解除される。
このように、本実施の形態のデコンプ装置10によれば、デコンプピン40によってプランジャ22の軸方向の動きを拘束することにより、ロッカーアーム4がデコンプ状態を維持しながら揺動している間、プランジャ22がロッカーアーム4に向けて伸び上がることを抑えることができる。これにより、デコンプピン40を抜き出すことによって、即座にデコンプ状態を解除することができる。
図10は、比較例のデコンプ装置60の作動に伴う動弁機構12の動作を時系列に示す図である。比較例は、本実施の形態とは異なる本発明の別の実施の形態である。本実施の形態と比較例の違いは、デコンプピンの構成にある。比較例のデコンプ装置60のデコンプピン70はプランジャ22に係合してその軸方向の動きを拘束するプランジャ係合部を備えない。つまり、比較例のデコンプピン70は、ロッカーアーム4がバルブ2を完全に閉じる位置に戻るのを規制する位置決め部材としての機能のみを有する。
図9における時刻と図10における時刻とは対応している。比較例においても、バルブ2のリフト量が最大になるあたりの時刻(B)で、デコンプピン70が差し込まれる。
時刻(C)では、カム8が回転してカム8のベースサークル部8bがロッカーローラ4bに当接している。比較例においても、デコンプピン70が差し込まれてロッカーアーム4の傾きが制限されることにより、バルブ2は完全には閉じることができず、デコンプリフト量が残ることになる。しかし、その一方で、プランジャ22はデコンプピン70によって軸方向の動きを拘束されていないため、ロッカーアーム4の傾きの変化に応じて伸び上がり、ロッカーアーム4との隙間を詰める。
時刻(D)では、再度バルブ2のリフト量が最大になるあたりで、デコンプピン70が抜き出せる状態となる。この状態では、ラッシュアジャスタ20のプランジャ22は、デコンプピン70による拘束がないことで伸び上がれた分、通常の最大リフト時よりも高い位置でロッカーアーム4に当接し、位置を保持される。このため、デコンプピン70を抜き出してもロッカーアーム4はもとの最大リフト時の位置に戻ることができず、通常の最大リフト時よりもリフト量が増大する。
時刻(E)では、デコンプピン70が抜き出されている。デコンプピン70が抜き出されることで、ロッカーアーム4は、デコンプピン70による拘束を解かれる。しかし、ロッカーアーム4には、デコンプ時に伸び上がったプランジャ22が当接しているため、デコンプピン70の抜き出しに伴うロッカーアーム4の大きな姿勢の変化は起きない。プランジャ22は、時刻(D)から通常時の位置よりも上方にあることから、カム8のベースサークル部8bがロッカーローラ4bに当接したとき、バルブ2のリフト量はゼロにはならない。つまり、デコンプピン70の抜き出し後も、デコンプ状態が続くことになる。
以上述べたように、本実施の形態のデコンプ装置10では、デコンプピン40を抜き出すことによって即座にデコンプ状態を解除することができるのに対し、比較例のデコンプ装置60では、デコンプピン70を抜き出した後もデコンプ状態が続くことになる。つまり、デコンプピン40によってプランジャ22を拘束することの技術的な意義は、デコンプピン40を抜き出したときに即座にデコンプ状態を解除することができることにある。比較例では、リークダウンによってプランジャ22が縮むまでデコンプ状態が継続されることになる。
3.デコンプ装置に対する制御
次に、本実施の形態のデコンプ装置10に対する制御について図11−図16を用いて説明する。まず、図11は、デコンプ開始からデコンプ終了までの間のデコンプ装置10に対する制御のタイムチャートである。タイムチャートには、上から順にエンジン停止信号、デコンプ気筒燃料噴射停止フラグ、デコンプ許可フラグ、ソレノイド印加電圧、TDC信号、バルブリフト量の各波形が描かれている。
まず、エンジン停止信号がオンになると、デコンプ許可フラグが立てられる。デコンプ許可フラグが立てられると、TDC信号に基づいて最初にデコンプを開始できる気筒が判別される。次に、デコンプを実施する気筒に対して燃料噴射が停止されるとともに、当該気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対して電圧が印加される。
ソレノイド50への電圧の印加からソレノイド50の推力によってデコンプピン40が作動するまでには、一定の作動時間(例えば、40msecほど)を要する。ソレノイド50への電圧の印加のタイミングは、この作動時間を考慮にいれて、デコンプピン40を差し込むことが可能な時間内でデコンプピン40を作動させることができるように設定されている。ロッカーアーム4の揺動範囲にデコンプピン40を差し込むことができるのは、バルブ2のリフト量が最大になるあたりである。
デコンプの開始に伴う電力消費を抑える観点からは、ソレノイド50への電圧の印加のタイミングは出来る限り遅いほうがよい。しかし、確実性を求めるのであれば、ソレノイド50への電圧の印加のタイミングは早い方が良い。本実施の形態のデコンプ装置10によれば、ロッカーアーム4の姿勢がデコンプピン40をロッカーアーム4の揺動範囲に差し込むことが可能な姿勢になるよりも前に、ソレノイド50への通電を開始することができる。
図12は、デコンプ開始時のデコンプ装置10に対する制御について説明するための図である。例えば、閉弁状態においてソレノイド50への通電を開始し、デコンプピン40を作動させたとする。この場合、図中に点線で示すように、デコンプピン40の先端の段差部がロッカーアーム4の端部4aに当たるため、それ以上はデコンプピン40を差し込むことはできない。
しかし、その後もソレノイド50に電圧を印加し続けると、ロッカーアーム4の揺動によりロッカーアーム4の下にクリアランスができた瞬間、デコンプピン40はソレノイド50の推力によってそのクリアランスに差し込まれる。このような制御を行えば、デコンプピン40の作動時間にバラツキがあったとしても、ロッカーアーム4の揺動範囲に確実にデコンプピン40を差し込んでデコンプを開始することができる。つまり、厳密なタイミングの管理をせずとも、確実にデコンプを開始することができる。
再び図11に戻ってタイムチャートの説明を続ける。デコンプ状態では、バルブ2の最小リフト量はデコンプリフト量で規制される。また、図示はしていないが、デコンプピン40によってロッカーアーム4の端部4aが持ち上げられた分、バルブ2の最大リフト量は若干低下する。デコンプを継続している間は、継続してソレノイド50への電圧の印加が行われる。ただし、デコンプの継続中の電圧は、スプリング36の反力に抗してデコンプピン40を保持できる程度の推力が得られる電圧でよい。
エンジンの再始動のためにエンジン停止信号がオフになると、デコンプ許可フラグが解除される。デコンプ許可フラグが解除されると、TDC信号に基づいて最初にデコンプを解除できる気筒が判別される。次に、デコンプを解除する気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する電圧の印加が停止される。
ソレノイド50への電圧の印加の停止からスプリング36の反力によってデコンプピン40が作動するまでにも、一定の作動時間(例えば、40msecほど)を要する。ソレノイド50への電圧の印加の停止のタイミングは、この作動時間を考慮にいれて、デコンプピン40を抜き出すことが可能な時間内でデコンプピン40を作動させることができるように設定されている。ロッカーアーム4の下からデコンプピン40を抜き出すことができるのは、バルブ2のリフト量が最大になるあたりである。
電力消費を抑える観点からは、ソレノイド50への電圧の印加の停止のタイミングは出来る限り早い方がよい。また、デコンプの終了の確実性の観点からも、ソレノイド50への電圧の印加の停止のタイミングは早い方が良い。本実施の形態のデコンプ装置10によれば、デコンプを終了するサイクルにおいてバルブ2がリフトし始めるよりも前に、ソレノイド50への通電を停止することができる。
図13は、デコンプ終了時のデコンプ装置10に対する制御について説明するための図である。例えば、デコンプ状態においてソレノイド50への通電を停止したとする。このとき、デコンプピン40のアーム支持部44には、図中に矢印で示すように、ロッカーアーム4の端部4aを介してバルブスプリング6の反力が作用している。ソレノイド50への通電が停止されると、デコンプピン40にはデコンプピン40をピンガイド32内に押し戻そうとするスプリング36の反力が作用する。
しかし、デコンプピン40は、バルブスプリング6の反力によって、ロッカーアーム4とピンガイド32とによって挟み込まれている。このため、ソレノイド50への通電を停止したとしても、直ぐにはデコンプピン40を抜き出すことはできない。その後、ロッカーアーム4の揺動により、ロッカーアーム4の端部4aから加わる力が減少し、デコンプピン40とロッカーアーム4等との間の摩擦力をスプリング36の反力が上回ったとき、デコンプピン40はスプリング36の反力によってピンガイド32内に押し戻され、ロッカーアーム4の下から抜き出される。このような制御を行えば、デコンプピン40の作動時間にバラツキがあったとしても、ロッカーアーム4の揺動範囲から確実にデコンプピン40を抜き出してデコンプを終了することができる。つまり、厳密なタイミングの管理をせずとも、確実にデコンプを終了することができる。
以上、デコンプ開始からデコンプ終了までの間のデコンプ装置10に対する制御について説明したが、車両全体としての制御の内容については、デコンプ装置10が搭載される車両の種類によって違いが有る。具体的には、デコンプ装置10が搭載される車両が従来のエンジン車両の場合とハイブリッド車両の場合とで、制御の内容には以下のような違いが有る。
図14は、従来のエンジン車両におけるデコンプ開始時の制御のフローチャートである。従来のエンジン車両では、一時的なエンジンの停止時、例えば、アイドリングストップ時にデコンプが行われる。従来のエンジン車両では、エンジンは燃焼していないと回転しないため、デコンプの開始時には順次、気筒別に燃焼を停止していく必要がある。なお、以下の処理はECUにより行われる。
ステップS101では、上位のECUからのエンジン停止の指示の有無が判定される。エンジン停止の指示があるまでステップS101の判定が一定の周期で繰り返される。
エンジン停止が指示された場合、ステップS102において、TDC信号に基づいて最短でデコンプを開始できる気筒(最短デコンプ気筒)が判別される。次に、ステップS103では、最短デコンプ気筒に対する燃料噴射が停止される。ソレノイド50に対する通電の前に燃料噴射を停止するのは、デコンプにより開いたバルブ2からの燃料の吹き抜けを防止するためである。そして、ステップS104では、デコンプピン40の作動タイミングが算出され、作動タイミングに従って、最短デコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電が行われる。デコンプピン40の作動タイミングには、例えば、デコンプピン40の作動時間(設計作動時間)をエンジン回転数によりクランクタイミングに変換したものが用いられる。
ステップS105では、カウンタiの値がインクリメントされる。次に、ステップS106では、次のデコンプ気筒に対する燃料噴射が停止される。そして、ステップS106において、次のデコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電が行われる。ステップS108では、カウンタiの値が気筒数Nに達したかどうか判定される。つまり、エンジンが備える気筒の数だけ燃料噴射を停止する処理とソレノイド50に対して通電する処理とが繰り返される。
図15は、ハイブリッド車両におけるデコンプ開始時の制御のフローチャートである。ハイブリッド車両では、例えば、モータによる走行時にデコンプが行われる。ハイブリッド車両では、モータによりエンジンを回転させることができるため、デコンプの開始時には、全気筒同時に着火を停止することができる。なお、以下の処理はECUにより行われる。
ステップS201では、上位のECUからのエンジン停止の指示の有無が判定される。エンジン停止の指示があるまでステップS201の判定が一定の周期で繰り返される。
エンジン停止が指示された場合、ステップS202において、TDC信号に基づいて最短でデコンプを開始できる気筒(最短デコンプ気筒)が判別される。次に、ステップS203では、モータによりエンジンの回転を維持しながら、全気筒に対する燃料噴射が停止される。そして、ステップS204では、デコンプピン40の作動タイミングが算出され、作動タイミングに従って、最短デコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電が行われる。
ステップS205では、カウンタiの値がインクリメントされる。そして、ステップS206において、次のデコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電が行われる。ステップS207では、カウンタiの値が気筒数Nに達したかどうか判定される。つまり、エンジンが備える気筒の数だけソレノイド50に対して通電する処理が繰り返される。
全気筒についてデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電が完了した場合、ステップS208においてモータによるエンジンの回転が停止される。ただし、必要に応じてモータによるエンジンの回転を維持することもできる。
図16は、従来のエンジン車両とハイブリッド車両とに共通するデコンプ終了時の制御のフローチャートである。以下の処理はECUにより行われる。ただし、従来のエンジン車両では、本制御はイグニッションのオン又はスタータの回転の開始をトリガとして開始されるのに対し、ハイブリッド車両では、本制御は上位のECUからのエンジン始動指令をトリガとして開始される。
ステップS301では、TDC信号に基づいて最短でデコンプを終了できる気筒(最短デコンプ気筒)が判別される。次に、ステップS302では、デコンプピン40の作動タイミングが算出され、作動タイミングに従って、最短デコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電の停止が行われる。デコンプピン40の作動タイミングには、例えば、デコンプピン40の作動時間(作動時間の設計値)をエンジン回転数によりクランクタイミングに変換したものが用いられる。
ステップS303では、カウンタiの値がインクリメントされる。そして、ステップS304において、次のデコンプ気筒のデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電の停止が行われる。ステップS305では、カウンタiの値が気筒数Nに達したかどうか判定される。つまり、エンジンが備える気筒の数だけソレノイド50に対する通電を停止する処理が繰り返される。
全気筒についてデコンプ装置10のソレノイド50に対する通電の停止が完了した場合、ステップS306において燃料噴射等のエンジンの始動制御が開始される。
4.デコンプ装置のエンジンへの搭載例
最後に、本実施の形態のデコンプ装置10のエンジンへの搭載例ついて図17及び図18を用いて説明する。デコンプ装置10をエンジンに搭載する際の制約条件として、アクチュエータユニット30はデコンプピン40の駆動方向がロッカーアーム4の端部4aを向くように設置される必要がある。しかし、デコンプピン40のロッカーアーム4の端部4aに接触するアーム支持部44は平面であり、ロッカーアーム4の端部4aとの接触は線接触であることから、当該平面内での搭載角度の傾きは許容される。
図17は、バルブ2の基線に対するアクチュエータユニット30の搭載角度の例を示す平面図である。図17に示す例では、アクチュエータユニット30は、気筒の上面視において、バルブ2の基線に対してアクチュエータユニット30の中心線が傾斜するように搭載されている。気筒の上面視において、バルブ2の基線はロッカーアーム4の長手方向に一致し、アクチュエータユニット30の中心線はデコンプピン40の駆動方向に一致する。なお、アクチュエータユニット30のエンジンへの搭載は、ソレノイド50をホルダ80で保持し、ホルダ80をボルト82でシリンダヘッド(図示略)に固定することによって行われる。
図18は、シリンダヘッド100へのアクチュエータユニット30の搭載例を示す平面図である。図18には示すシリンダヘッド100は直列4気筒エンジンのシリンダヘッドである。シリンダヘッド100の吸気側には、気筒毎にバルブスプリング110とラッシュアジャスタ112とが二組設けられ、排気側にも、気筒毎にバルブスプリング120とラッシュアジャスタ122とが二組設けられている。そして、各気筒吸気側と排気側に一つずつ合計8個のアクチュエータユニット30A〜30Hが搭載されている。なお、アクチュエータユニット30A〜30Hの構成は、上述のアクチュエータユニット30のそれと同じである。
シリンダヘッド100の吸気側には、燃料噴射弁を取り付けるための挿入孔102が気筒毎に形成されている。吸気側のアクチュエータユニット30A〜30Hは、挿入孔102に取り付けられる燃料噴射弁と干渉しないように、バルブの基線(上面視においてバルブスプリング110とラッシュアジャスタ112とを結ぶ線)に対して傾斜して搭載されている。シリンダヘッド100の排気側では、アクチュエータユニット30E〜30Gは、バルブの基線(上面視においてバルブスプリング120とラッシュアジャスタ122とを結ぶ線)に対して真っ直ぐに取り付けられている。ただし、シリンダヘッド100には車両に対するエンジンの脱着の際に使用されるエンジンハンガー104が設けられているので、これと干渉するアクチュエータユニット30Hのみバルブの基線に対して傾斜して搭載されている。
2 バルブ
4 ロッカーアーム
6 バルブスプリング
8 カム
10 デコンプ装置
12 動弁機構
20 ラッシュアジャスタ
22 プランジャ
24 ケーシング
26 溝
30,30A-30H アクチュエータユニット
32 ピンガイド
36 スプリング
40 デコンプピン
42 プランジャ係合部
44 アーム支持部
50 ソレノイド
100 シリンダヘッド

Claims (9)

  1. カムから駆動力を受けてバルブを開方向に作動させるロッカーアームと、前記バルブに対して閉方向に反力を作用させるバルブスプリングと、前記ロッカーアームの支点をなすラッシュアジャスタとを含む動弁機構を有する内燃機関のデコンプ装置であって、
    前記ロッカーアームが前記バルブを開く方向に傾いたときに前記ロッカーアームの前記ラッシュアジャスタにより支持されている側の端部の揺動範囲に差し込まれ、前記ロッカーアームが前記バルブを閉じる方向に傾いたときに前記ロッカーアームの前記端部に当接することによって、前記ロッカーアームが前記バルブを完全に閉じる位置に戻るのを規制する位置決め部材と、
    前記位置決め部材を前記揺動範囲に差し込む操作と、前記位置決め部材を前記揺動範囲から抜き出す操作とを実行するためのアクチュエータと、
    を備えることを特徴とする内燃機関のデコンプ装置。
  2. 前記位置決め部材は、前記ロッカーアームの前記端部に当接する部位に平面部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  3. 前記位置決め部材は、前記位置決め部材が前記ロッカーアームの前記端部に当接したときに前記ラッシュアジャスタのプランジャに係合し、前記プランジャの軸方向の動きを拘束するプランジャ係合部を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  4. 前記位置決め部材は、前記アクチュエータにより前記プランジャに向けて直線方向に駆動され、前記直線方向の先端に前記プランジャ係合部を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  5. 前記位置決め部材の前記直線方向への移動をガイドするとともに、前記ロッカーアームを介して前記位置決め部材に作用する前記バルブスプリングの反力に抗して前記位置決め部材を支持する支持部材を備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  6. 前記アクチュエータは、デコンプを開始する場合はソレノイドの力によって前記位置決め部材を前記プランジャに向けて駆動し、前記デコンプを継続する間は前記ソレノイドへの通電を継続し、前記デコンプを終了する場合は前記ソレノイドへの通電を停止してスプリングの反力によって前記位置決め部材を元の位置に戻す
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  7. 前記アクチュエータは、前記ロッカーアームの姿勢が前記位置決め部材を前記揺動範囲に差し込むことが可能な姿勢になるよりも前に前記ソレノイドへの通電を開始する
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  8. 前記アクチュエータは、前記デコンプを終了するサイクルにおいて前記バルブがリフトし始めるよりも前に前記ソレノイドへの通電を停止する
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の内燃機関のデコンプ装置。
  9. 前記位置決め部材と前記アクチュエータとはアクチュエータユニットを構成し、前記アクチュエータユニットは、気筒の上面視において、前記ロッカーアームの長手方向に対して前記位置決め部材の駆動方向が傾くように前記内燃機関に搭載されている

    ことを特徴とする請求項4乃至8の何れか1項に記載の内燃機関のデコンプ装置。
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