JP5257290B2 - 可変動弁制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁アクチュエータによって連結ピンを移動させ、当該連結ピンの位置に応じて内燃機関の複数のロッカアームの連結状態を切り替える可変動弁制御装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の動弁装置が知られている。この動弁装置では、プロフィールの異なる複数のカムと、そのカムのうち互いに別のカムに当接して往復運動するメインロッカアーム及びサブロッカアームと、メインロッカアームの往復運動によって開閉される弁を備えている。そして、この動弁装置には、メインロッカアームとサブロッカアームとの連結或いは非連結を切り替えるための連結切替機構が設けられている。当該連結切替機構は、電磁アクチュエータ及びリターンスプリングにより係合ピンを移動させて、両ロッカアームの連結状態を切り替える。
特開2007−032556号公報
この種の動弁装置では、例えば、ロッカアームが連結又は非連結の何れかの連結状態で電磁アクチュエータの状態を保持するときに、電磁アクチュエータにおいてはプランジャの位置を保持するための保持電流が必要である。このようにロッカアームの連結状態の保持に必要とされる保持電流は、可能な限り低減されることが望まれる。そこで、本発明は、ロッカアームの連結状態を保持するときの電磁アクチュエータの保持電流を低減することができる可変動弁制御装置を提供することを目的とする。
本発明の可変動弁制御装置は、電磁アクチュエータによって連結ピンを移動させ、当該連結ピンの位置に応じて内燃機関の複数のロッカアームの連結状態を切り替える可変動弁制御装置であって、電磁アクチュエータは、固定子に対して往復運動可能な移動子としてのプランジャと、当該プランジャを固定子に対する所定位置で保持するための永久磁石と、を有しており、電磁アクチュエータへの通電によってプランジャを所定位置に移動させるときには、電磁アクチュエータへの通電を開始した後、通電電流波形が下向きにピークとなる時点の近傍で当該通電を終了する通電制御手段を備えることを特徴とする。
この可変動弁制御装置によれば、電磁アクチュエータのプランジャは、永久磁石によって所定位置で保持される。従って、当該所定位置でプランジャを保持するための保持電流を低減することができる。また、当該所定位置にプランジャを移動させるときには、通電制御手段が電磁アクチュエータへの通電を行う。この通電開始直後には、プランジャに作用する電磁力が増加し、この電磁力がプランジャの静止摩擦力を超えるまで通電電流が増加する。その後、電磁力が静止摩擦力を超えると、プランジャが動き始めて瞬間的に抵抗が小さくなり、また、永久磁石の作用でプランジャが上記の所定位置に引っ張られ、通電電流が減少する。更にその後、プランジャが上記所定位置まで到達すると、プランジャは永久磁石により保持され停止する。
ここで、その後も更に通電を継続するとすれば、プランジャは既に停止していることから、通電電流値は増加して一定の値となる。すなわち、プランジャを所定位置に移動させるにあたっては、プランジャが所定位置にちょうど到達したときに、通電電流波形が下向きのピークを示すことになる。これに対応して、この可変動弁制御装置の通電制御手段は、通電電流波形が下向きにピークとなる時点近傍で通電を終了させるので、プランジャの所定位置到達に合わせて通電終了することになる。従って、プランジャの移動完了後の無駄な通電を省略することができ、消費電力の低減を図ることができる。また、通電制御手段は、通電電流波形が下向きのピークになるまで通電を継続させることから、プランジャを所定位置まで確実に移動させることができ、ロッカアーム間の連結状態切替えを確実に行うことができる。
また、通電制御手段は、通電電流波形に基づいて、電磁アクチュエータの劣化状態を推定し、推定された電磁アクチュエータの劣化状態に基づいて、電磁アクチュエータへの通電のタイミングを設定することとしてもよい。
一般に、電磁アクチュエータは、経年劣化によって、新品状態のときよりもプランジャ動作の応答が遅れたりする場合が多い。これに対して、この可変動弁制御装置の通電制御手段は、推定した電磁アクチュエータの劣化状態に基づいて通電のタイミングを設定するので、経年劣化によるプランジャ動作の遅れをキャンセルすることが可能になる。その結果、電磁アクチュエータの経年劣化があったとしても、ロッカアーム間の連結状態切替えを適切なタイミングで行うことができる。
また、通電制御手段は、通電電流波形に基づいて、電磁アクチュエータの永久磁石の磁力及び電磁アクチュエータの雰囲気温度を推定し、推定された電磁アクチュエータの永久磁石の磁力及び電磁アクチュエータの雰囲気温度に基づいて、プランジャを所定位置へ移動させるための電磁アクチュエータへの通電を行うか否かを選択することとしてもよい。
電磁アクチュエータの雰囲気温度が極端な高温又は低温になると、永久磁石が高温又は低温に晒されて消磁してしまうおそれがある。永久磁石が消磁すれば、プランジャを所定位置で保持するための保持電力を増加させる必要があり、消費電力の増加の原因となる。これに対して、この可変動弁制御装置の通電制御手段は、電磁アクチュエータの雰囲気温度を推定し、推定した電磁アクチュエータの雰囲気温度に基づいて、当該電磁アクチュエータの通電を行うか否かを選択する。従って、電磁アクチュエータの雰囲気温度が極端な高温又は低温に晒されている場合には、プランジャの所定位置への移動を行わないとすることが可能になり、当該所定位置におけるプランジャの保持電力の大きな消費を避けることができる。また、電磁アクチュエータの雰囲気温度を監視するための温度センサ等も不要であるので、温度センサ等の追加により装置を複雑化してしまうことも避けられる。
本発明の可変動弁制御装置によれば、ロッカアームの連結状態を保持するときの電磁アクチュエータの保持電流を低減することができる。
本発明の可変動弁制御装置の第1実施形態を示す図である。 図1の可変動弁制御装置の電磁アクチュエータによって連結/非連結が切り替えられるロッカアームを示す図である。 電磁アクチュエータの断面図である。 電磁アクチュエータに一定電圧印加による通電を行ったときの通電電流波形を示すグラフである。 可変動弁制御装置における電磁アクチュエータへの通電の処理を示すフローチャートである。 本発明の可変動弁制御装置の第2実施形態を示す図である。 電磁アクチュエータの新品状態における通電電流波形と、劣化状態における通電電流波形を示すグラフである。 可変動弁制御装置における電磁アクチュエータへの通電のタイミング補正の処理を示すフローチャートである。 電磁アクチュエータにおいて、通常の通電電流波形と、可逆消磁又は不可逆消磁が発生した場合の通電電流波形とを示すグラフである。 電磁アクチュエータの通電電流波形において、電流減少傾きを示すグラフである。 本発明の可変動弁制御装置の第3実施形態を示す図である。 可変動弁制御装置における電磁アクチュエータへの雰囲気温度に対応する処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る可変動弁制御装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示す可変動弁制御装置1は、電磁アクチュエータ101を用いて、自動車のエンジンの吸気弁及び排気弁の開閉動作を制御する装置である。可変動弁制御装置1は、エンジンのフューエルカットが行われる所定条件下で、エンジンの吸排気弁の開閉動作を停止させる。また、フューエルカットが必要ない所定条件下では、エンジンの吸排気弁の通常の開閉動作を行わせる。
図1に示すように、可変動弁制御装置1は、エンジンの各シリンダの吸気弁、排気弁ごとに対応して設置された複数の電磁アクチュエータ101を備えている。図3にも示されるように、電磁アクチュエータ101は、本体部分102から突出するシャフト113を、当該シャフト113の延在方向(図3中の軸Z方向)に往復運動させるタイプのアクチュエータであり、「ソレノイド」などと呼ばれる場合もある。
まず、この可変動弁制御装置1の電磁アクチュエータ101によって、2つのロッカアームの連結/非連結を切り替える切替機構の一例を説明する。図2は、このような切替機構201を、カムシャフト203に直交する方向から見た図である。図2(a)に示すように、カムシャフト203に平行に延びるロッカシャフト205には、第1ロッカアーム207と第2のロッカアーム209とが、互いに隣接して取り付けられている。カムシャフト203に設けられたカム211は、第1ロッカアーム207に当接しながら回転するる。第1ロッカアーム207は、カム211の回転により、ロッカシャフト205を中心に上下方向に揺動する。また、第2ロッカアームは、その下方に位置する吸排気弁215の上端に当接している。吸排気弁215は、吸排気弁スプリング217により、第2ロッカアームに向けて付勢されている。
第1ロッカアーム207に設けられたピン孔207aと、第2ロッカアーム209に設けられたピン孔209aと、に跨って延在するように連結ピン213が挿入されている。この連結ピン213によって、第1ロッカアーム207と第2ロッカアーム209とが連結された状態である。この状態では、カム211の回転に伴って第1ロッカアーム207が揺動すれば、第2ロッカアーム209も揺動する。そして、揺動する第2ロッカアーム209が、吸排気弁215の上端を繰り返し押し下げることにより、吸排気弁215の上下往復運動による開閉動作が繰り返される。
電磁アクチュエータ101のシャフト113は、ピン孔209aに挿入されている。そして、図2(b)に示すように、電磁アクチュエータ101のシャフト113が、本体部分102から突出する方向に駆動されれば、シャフト113の先端で、連結ピン213が第1ロッカアーム207のピン孔207aに完全に押し込まれる。この場合、第1ロッカアーム207と第2ロッカアーム209とが非連結とされる。この状態でカム211が回転しても、第1ロッカアーム207が揺動するのみで、第2ロッカアーム209は揺動せず、吸排気弁215の上下運動(すなわち開閉動作)は停止した状態となる。このように、吸排気弁215の開閉動作が停止した状態で、エンジンのフューエルカットが行われる。なお、連結ピン213を図2(b)の状態から図2(a)の状態に円滑に移行させるため、ピン孔207a内には、連結ピン213を図中右方向に付勢する付勢手段(例えばスプリング)を設けてもよい。但し、当該付勢手段の付勢力は、シャフト113を押し戻さない程度の強さに調整される。以上のように、可変動弁制御装置1は、電磁アクチュエータ101により連結ピン213を移動させて、エンジンのロッカアーム207,209同士の連結状態(連結か非連結か)を切り替えることにより、吸排気弁の動作状態(開閉動作を行う状態か停止状態か)を切り替える。
このような切替機構201の構成に基づき、電磁アクチュエータ101は、シャフト113を本体部分102に最も引き込んだ状態において、連結ピン213を手前に引き込んで第1及び第2ロッカアーム207,209を連結させ、その結果、吸排気弁215の通常の開閉動作を行わせる。また、電磁アクチュエータ101は、シャフト113を本体部分102から最も突出させた状態において、連結ピン213を前方に押し込んで第1及び第2ロッカアーム207,209を非連結とし、その結果、吸排気弁215の開閉動作を停止させる。以下、電磁アクチュエータ101がシャフト113を本体部分102から最も突出させた状態を「弁停止状態」と称し、電磁アクチュエータ101がシャフト113を本体部分102に最も引き込んだ状態を「弁復帰状態」と称する。
続いて、可変動弁制御装置1の構成について説明する。図1に示すように、可変動弁制御装置1は、更に、エンジン制御ECU11、NEセンサ(回転数センサ)13、アクセル開度センサ15、及びアクチュエータ電流センサ17を備えている。NEセンサ13は、エンジン回転数を検出し、その検出信号(回転数信号)をエンジン制御ECU11に送信する。アクセル開度センサ15は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出し、その検出信号(開度信号)をエンジン制御ECU11に送信する。アクチュエータ電流センサ17は、電磁アクチュエータ101の通電電流を検出し、その検出信号(電流値信号)をエンジン制御ECU11に送信する。
エンジン制御ECU11は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read OnlyMemory]、RAM[Random Access Memory]などからなる電子制御ユニットであり、装置1を統括制御する。エンジン制御ECU11は、ROMに格納されているプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、電磁アクチュエータ101の駆動に係るアクチュエータ駆動制御等を行う。
アクチュエータ駆動制御において、エンジン制御ECU11は、フューエルカット要求処理部21と、弁停止/弁復帰要求処理部23と、アクチュエータ通電開始/終了処理部25と、を備える。なお、これらのフューエルカット要求処理部21と、弁停止/弁復帰要求処理部23と、アクチュエータ通電開始/終了処理部25と、は、アクチュエータ駆動制御プログラムの実行によって、エンジン制御ECU11のCPU、ROM、RAM等のハードウエアが協働して動作することにより、ソフトウエア的に実現される構成要素である。
フューエルカット要求処理部21は、NEセンサ13からの回転数信号と、アクセル開度センサ15からの開度信号に基づいて、フューエルカット要求、又はフューエル復帰要求を発生させる。例えば、フューエルカット要求処理部21は、アクセル開度がゼロになり、かつ、そのときのエンジン回転数が規定の回転数以上といった条件で、フューエルカット要求を発生させる。また、フューエルカット要求処理部21は、フューエルカットの必要がなくなったときに、フューエル復帰要求を発生させる。
弁停止/弁復帰要求処理部23は、上記フューエルカット要求に応じて弁停止要求を発生させ、フューエル復帰要求に応じて弁復帰要求を発生させる。アクチュエータ通電開始/終了処理部25は、上記弁停止要求に応じて弁停止駆動信号を発生させ各電磁アクチュエータ101に送信する。また、アクチュエータ通電開始/終了処理部25は、弁復帰要求に応じて弁復帰駆動信号を発生させ各電磁アクチュエータ101に送信する。そして、電磁アクチュエータ101は、弁停止駆動信号に応じて、シャフト113を移動させ弁停止状態に移行する。また、電磁アクチュエータ101は、弁復帰駆動信号に応じて、シャフト113を移動させ弁復帰状態に移行する。
次に、電磁アクチュエータ101の構造について説明する。図3に示すように、電磁アクチュエータ101は、本体部分102において鋼鉄製の筐体をなすヨーク103を備えている。更に電磁アクチュエータ101は、当該ヨーク103に対して軸Z方向に往復運動するプランジャ105を備えている。ヨーク103の内側には、ボビン107に巻き付けられてなるコイル109が、ヨーク103の内側壁に沿って固定されている。プランジャ105は、そのボビン107の内側に同心に配置されている。
更に、電磁アクチュエータ101は、軸Zの方向に延在するシャフト113を備えている。シャフト113の先端側はヨーク103の外側に突出しており、シャフト113は、含油軸受121を介して、ヨーク103に、軸Z方向に摺動可能に支持されている。このシャフト113の基端側には、当該シャフト113を包囲するように上記プランジャ105が配置されている。プランジャ105はシャフト113の基端側に圧入されて固定されている。また、プランジャ105には、シャフト113を包囲するように配置されたネオジム磁石(永久磁石)115が取り付けられている。シャフト113の基端側の中心には、軸Z方向に延びる穴113aが形成されている。そして、ヨーク103の底面から軸Z方向に立設されたコア119が、穴113aの内側に挿入される。穴113aの内壁面とコア119の外壁面とは、含油軸受123を介して軸Z方向に摺動可能とされている。
ヨーク103及びボビン107に巻き付けられたコイル109は、電磁アクチュエータ101の固定子を構成し、一体となったシャフト113、ネオジム磁石115及びプランジャ105は、電磁アクチュエータ101の移動子を構成する。すなわち、電磁アクチュエータ101のコイル109に対して電流を供給すると、発生した電磁力によって、シャフト113、ネオジム磁石115及びプランジャ105が一体となって、ヨーク103に対して軸Z方向に移動する。
図3のうち軸Zよりも上側には、弁停止状態にある電磁アクチュエータ101の断面図を示し、図3のうち軸Zよりも下側には、弁復帰状態にある電磁アクチュエータ101を示している。すなわち、電磁アクチュエータ101においては、プランジャ105がヨーク103内で図中右側に位置する状態が、弁停止状態に対応し、プランジャ105がヨーク103内で図中左側に位置する状態が、弁復帰状態に対応する。以下、「弁停止状態」におけるプランジャ105及びシャフト113の位置を「弁停止位置」と称し、「弁復帰状態」におけるプランジャ105及びシャフト113の位置を「弁復帰位置」と称する。
プランジャ105が弁停止位置に位置するときには、ネオジム磁石115とヨーク103との吸引力によって、プランジャ105は当該弁停止位置に安定的に保持される。同様に、プランジャ105が弁復帰位置に位置するときにも、ネオジム磁石115とヨーク103との吸引力によって、プランジャ105は当該弁復帰位置に安定的に保持される。
続いて、この電磁アクチュエータ101を駆動させるべく、エンジン制御ECU11が行う電磁アクチュエータ101への通電(駆動信号の送信)処理について説明する。なお、以下では、電磁アクチュエータ101が弁復帰状態から弁停止状態に移行する駆動制御、すなわち、プランジャ105を弁復帰位置から弁停止位置に移動させる駆動制御を例として主に説明する。
ここで、図4には、電磁アクチュエータ101を駆動させるべく通電を行った場合の通電電流波形を示している。すなわち、電磁アクチュエータ101に対して、一定の電圧を印加して通電を行った場合において、通電開始後の経過時間と電磁アクチュエータ101に供給される電流との関係を示している。グラフの横軸は、通電開始後の経過時間であり、縦軸は、電磁アクチュエータ101に流れる電流である。図4に示すように、弁復帰状態にある電磁アクチュエータ101に、例えば10Vを印加して通電を行った場合、通電開始直後には、プランジャ105に作用する電磁力が増加し、この電磁力がプランジャ105の静止摩擦力を超えるまで通電電流が増加する。その後、電磁力がプランジャ105の静止摩擦力を超えると(図4中の点A)、プランジャ105が動き始めて瞬間的に抵抗が小さくなる。更に加えて、ネオジム磁石115とヨーク103との吸引力によって、プランジャ105が弁停止位置の方に引っ張られることで、通電電流が減少する(図4の点Aと点Bとの間)。
更にその後、プランジャ105が弁停止位置まで到達すると、プランジャ105はネオジム磁石115とヨーク103との吸引力により保持され停止する。ここで、その後も更に通電を継続するとすれば、プランジャ105が既に弁停止位置に到達していることから、通電電流値は増加し(図4中の点Bよりも右側)、その後一定の値となる。すなわち、プランジャ105を弁停止位置に移動させるにあたっては、プランジャ105が弁停止位置にちょうど到達したときに、通電電流波形が下向きのピーク(図4中の点B)を示すことになる。このようにプランジャ105の移動が完了した後、それ以降の通電を継続することは電力の無駄である。
そこで、この可変動弁制御装置1では、電磁アクチュエータ101の通電電流波形の上向きのピーク(点A)を検出した後、下向きのピーク(点B)を検出した直後に、電磁アクチュエータ101の通電を終了することとしている(図4中の点H)。以下、エンジン制御ECU11による具体的な処理について、図5を参照し説明する。
図5に示すように、アクチュエータ通電開始/終了処理部25は、弁停止/弁復帰要求処理部23からの弁停止要求があった場合に(S101)、以下の処理を開始する。処理部25は、弁停止要求に応じ、電磁アクチュエータ101に対する通電(弁停止駆動信号の送信)を開始する(S103)。この通電が継続される間、処理部25は、アクチュエータ電流センサ17からの電流値信号に基づいて、電磁アクチュエータ101の通電電流値をモニタする。そして、処理部25は、電磁アクチュエータ101の通電電流が上向きのピーク(図4の点A)を過ぎたことを、まず認識する(S105)。そして、通電電流値が上記点Aを過ぎて減少した後、再び増加に転じたことを認識した場合に、処理部25は、通電電流波形の下向きのピーク(図4の点B)を検出する(S107でYes)。なお、この点A,点Bを高分解能で検出できるように、アクチュエータ電流センサ17による通電電流のサンプリング周期は短くすることが望ましい。通電電流の下向きのピーク(点B)が検出されると、前述のように、プランジャ105の弁停止位置への移動が完了したものと判断できるので、処理部25は、電磁アクチュエータ101への通電を終了する(S109)。このように、アクチュエータ通電開始/終了処理部25は、電磁アクチュエータ101への通電開始及び通電終了を制御する通電制御手段として機能する。
以上では、電磁アクチュエータ101を「弁復帰状態」から「弁停止状態」に移行させる弁停止制御の処理について説明したが、「弁停止状態」から「弁復帰状態」に移行させる弁復帰制御の場合もまったく同様の処理が行われるので、重複する説明を省略する。
続いて、このような可変動弁制御装置1による作用効果について説明する。従来のこの種の電磁アクチュエータでは、例えば、ばね等の付勢手段でプランジャが付勢されることにより、非通電状態でプランジャが弁復帰位置に保持される。そして、弁停止状態に移行するときに通電され、付勢力に抵抗する電磁力によってプランジャが弁停止位置に移動され保持される。従って、従来の電磁アクチュエータでは、弁停止状態を継続する間は、通電を継続する必要があり、保持電流が必要であった。これに対し、この可変動弁制御装置1によれば、電磁アクチュエータ101のネオジム磁石115とヨーク103との吸引力によって、プランジャ105が弁停止位置及び弁復帰位置で保持される。従って、弁停止位置又は弁復帰位置でプランジャ105を保持するための保持電流を低減することができる。ひいては、ロッカアーム同士が連結された弁停止状態、或いはロッカアーム同士が非連結の弁復帰状態を保持するための電力を低減することができる。
また、プランジャ105を弁停止位置(或いは弁復帰位置)に移動させるにあたっては、プランジャ105の移動を確実に完了させるために、余裕をもって通電時間をある程度長くすることも考えられる。ところがこの場合、プランジャ105の移動が完了した後にも、本来不要な通電をある程度の時間行うことになり、電力の無駄が発生する。これに対し、この可変動弁制御装置1のエンジン制御ECU11は、通電電流波形が下向きにピークとなる時点で電磁アクチュエータ101への通電を終了させる。従って、プランジャ105の弁停止位置(或いは弁復帰位置)への到達に合わせて通電終了することになる。従って、プランジャ105の移動完了後の無駄な通電を省略することができ、消費電力の低減を図ることができる。また、エンジン制御ECU11は、通電電流波形が下向きのピークになるまで電磁アクチュエータ101への通電を継続させることから、プランジャ105を弁停止位置(或いは弁復帰位置)まで確実に移動させることができる。その結果、ロッカアーム間の連結状態の切替えを確実に行うことができ、弁停止制御及び弁復帰制御を確実に行うことができる。
(第2実施形態)
電磁アクチュエータ101は、オイルシールやゴムパッキンの経年劣化によって、プランジャ105の動作の応答が遅れたり、応答性のバラツキが生じたりすることが考えられる。このような応答性の悪化が生じると、弁停止制御のタイミングや弁復帰制御のタイミングが遅れてしまう場合がある。そして、弁停止制御が意図したタイミングよりも遅れれば、弁が開いたままフューエルカットしてしまい、排ガス浄化用の触媒の劣化の原因になる。また、弁復帰制御が意図したタイミングよりも遅れれば、弁が閉じたまま燃料が燃焼してバックファイヤの原因になる。従って、弁停止制御及び弁復帰制御は、正しいタイミングで行われることが望まれる。
そこで、図6に示すように、可変動弁制御装置51のエンジン制御ECU61は、上述の可変動弁制御装置1のエンジン制御ECU11に加えて、タイミング補正量算出処理部63と、電流情報記憶部65とを備えている。なお、可変動弁制御装置51において、前述の可変動弁制御装置1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
電流情報記憶部65は、図7に実線のグラフで示すように、電磁アクチュエータ101が新品状態である場合の通電電流波形W0を予め記憶している。特に、電流情報記憶部65は、通電開始後の上向きのピーク(図7の点A0)の時間及び電流値と、上記点A0の後に現れる下向きのピーク(図7の点B0)の時間及び電流値と、を記憶している。
タイミング補正量算出処理部63は、アクチュエータ電流センサ17から、電磁アクチュエータ101における実際の通電電流波形W1(図7参照)を取得する。特に、タイミング補正量算出処理部63は、通電電流波形W1において、通電開始後の上向きのピーク(図7の点A1)の時間及び電流値と、上記点A1の後に現れる下向きのピーク(図7の点B1)における時間及び電流値と、を取得する。そして、タイミング補正量算出処理部63は、取得された通電電流波形W1と、電流情報記憶部65から読み出される前述の通電電流波形W0と、を比較することで、電磁アクチュエータ101の劣化状態を推定する。すなわち、タイミング補正量算出処理部63は、点A1の時間と点A0の時間との時間差分、及び点B1の時間と点B0の時間との時間差分により、電磁アクチュエータ101の応答遅れの発生を検知し、プランジャ105の移動完了のタイミングの遅れを検出する。そして、次回の電磁アクチュエータ101の駆動のときには、検出された上記遅れ分をキャンセルする分だけ、弁停止要求発生のタイミングや、通電開始のタイミングを早める。すなわち、タイミング補正量算出処理部63は、上記遅れ分をキャンセルするためのタイミング補正要求を、弁停止/弁復帰要求処理部23又はアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対して送出する。
なお、これらのタイミング補正量算出処理部63及び電流情報記憶部65は、アクチュエータ駆動制御プログラムの実行によって、エンジン制御ECU61のCPU、ROM、RAM等のハードウエアが協働して動作することにより、ソフトウエア的に実現される構成要素である。
続いて、エンジン制御ECU61が行う電磁アクチュエータ101への通電処理のタイミング補正処理について説明する。
タイミング補正量算出処理部63は、図8に示すように、電磁アクチュエータ101への通電がなされている場合に(S201)、以下の処理を開始する。タイミング補正量算出処理部63は、電磁アクチュエータ101に対する通電中において、アクチュエータ電流センサ17からの電流値信号に基づいて、電磁アクチュエータ101の通電電流値をモニタする。そして、通電電流波形W1における点A1,点B1(図7参照)を検出する(S203)。続いて、タイミング補正量算出処理部63は、電流情報記憶部65から点A0,点B0の情報を読み出し、点A1と点A0との時間差分、及び点B1と点B0との時間差分を算出する(S205)。そして、タイミング補正量算出処理部63は、算出された各時間差分を、予め定められた各規定値とそれぞれ大小比較する(S207)。ここで、これらの時間差分が両方とも規定値未満であれば(S207でNo)、時間差分は誤差範囲内のものであり、電磁アクチュエータ101に経年劣化は発生していないものと推定される。従ってこの場合、タイミング補正量算出処理部63は、何らの処理を行わず、再びS201からの処理を繰り返す。
一方、点A1と点A0との時間差分、又は点B1と点B0との時間差分の何れかが、規定値以上であれば(S207でYes)、タイミング補正量算出処理部63は、上記時間差分に対応する程度の経年劣化が電磁アクチュエータ101に発生していると推定する。そして、この場合、電磁アクチュエータ101の経年劣化の影響をキャンセルするために、タイミング補正量算出処理部63は、点B1と点B0との時間差分をタイミング補正量として、タイミング補正要求を送出する(S209)。当該タイミング補正要求は、弁停止/弁復帰要求処理部23又はアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対して送出される。弁停止/弁復帰要求処理部23は、タイミング補正要求を受けた場合、タイミング補正要求に示されるタイミング補正量分だけ、次回の弁停止要求又は弁復帰要求の送出タイミングを早くする(S211)。アクチュエータ通電開始/終了処理部25は、タイミング補正要求を受けた場合、タイミング補正要求に示されるタイミング補正量分だけ、次回の弁停止駆動信号又は弁復帰駆動信号の送出(通電開始)のタイミングを早くする(S211)。
この可変動弁制御装置51によれば、エンジン制御ECU61は、電磁アクチュエータ101の経年劣化状態を推定し、推定された経年劣化状態に基づいて通電開始のタイミングを設定する。従って、電磁アクチュエータ101の経年劣化によるプランジャ105動作の応答の遅れをキャンセルすることが可能になる。その結果、電磁アクチュエータ101の経年劣化があったとしても、ロッカアーム間の連結状態切替えを適切なタイミングで行うことができ、弁停止制御及び弁復帰制御を適切なタイミングで行うことができる。
また、電磁アクチュエータ101の経年劣化の影響としては、プランジャ105の動作の応答性のバラツキが大きくなることもある。これに対応して、処理S207では、通電電流波形のモニタリングで得られた点B1の時間のバラツキを、確率分布でモデル化して取得してもよい。そして、分布の中心や分散が、新品状態の電磁アクチュエータ101に対してどの程度ずれたかを算出し、上記バラツキの影響を最小限とするように、タイミング補正量を決定してもよい。
(第3実施形態)
電磁アクチュエータ101の雰囲気温度が極端な高温又は低温になると、ネオジム磁石115が高温又は低温に晒されて消磁してしまうおそれがある。ネオジム磁石115が消磁すれば、プランジャ105が弁停止位置又は弁復帰位置で確実に保持されず、排ガス浄化用触媒の劣化や燃費悪化等の問題が生じる。従って、ネオジム磁石115が消磁した状態では、プランジャ105を弁停止位置又は弁復帰位置で保持するための保持電力を増加させる必要があり、消費電力の増加の原因となる。
なお、高温や低温による磁石の消磁は、温度が元に戻れば磁力が回復する「可逆消磁」と、温度が元に戻っても磁力が回復しない「不可逆消磁」とがある。ネオジム磁石115に可逆消磁が発生した場合、ネオジム磁石115とヨーク103との吸引力が弱くなることに起因して、プランジャ105が動き始めた後の通電電流の減少が緩やかになる。すなわち、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を常温とした場合の通電電流波形を、図9に示す通電電流波形Y0とすれば、ネオジム磁石115に可逆消磁が発生した場合の通電電流波形は、同図に示すY1となる。この通電電流波形Y1は、上向きのピーク(図9の点C)に達した後、下向きのピーク(図9の点D1)まで減少する。そして、この点D1の電流値は、通電電流波形Y0における下向きのピークの点D0の電流値よりも高い。
また、ネオジム磁石115に不可逆消磁が発生した場合、ネオジム磁石115とヨーク103との吸引力がゼロになるので、プランジャ105が動き始めた後も通電電流は減少しない。従って、ネオジム磁石115に不可逆消磁が発生した場合の通電電流波形は、図9に示すY2となる。この通電電流波形Y2は、図9の点Cに達した後も、さらに増加し、点D0と同じ時刻においては、点D2に達する。そして、この点D2の電流値は、通電電流波形Y1における点D1の電流値よりも更に高い。
以上の知見から、電磁アクチュエータ101における通電電流波形の上向きのピークに達した後の通電電流の減少の度合いによって、ネオジム磁石115の消磁の度合いを推定し、更には、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を推定することが可能である。
以下の説明において、通電電流波形の上向きのピークに達した後の通電電流の減少の傾きを「電流減少傾き」と称する。すなわち、図10に示すように、実際に得られた電磁アクチュエータ101の通電電流波形Y3において、上向きのピーク点C3の後に現れる下向きのピークを点D3とした場合、点C3と点D3とを結ぶ直線Fの傾きが、電流減少傾きSである。なお、例えば、図9に示す通電電流波形Y2のように、上向き及び下向きのピークが現れない場合もあり得るが、その場合には、点C(図9参照)と同じ時刻における通電電流波形上の点C4を取り、また、点D0(図9参照)と同じ時刻における通電電流波形上の点D4を取り、点C4と点D4とを結ぶ直線の傾きを電流減少傾きSとすればよい。
図11に示すように、可変動弁制御装置71のエンジン制御ECU81は、上述の可変動弁制御装置1のエンジン制御ECU11に加えて、傾き演算処理部83と、磁石特性情報記憶部85と、を備えている。なお、可変動弁制御装置71において、前述の可変動弁制御装置1と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し重複する説明を省略する。
磁石特性情報記憶部85は、ネオジム磁石115の雰囲気温度と磁力との相関関係を予め記憶している。また、磁石特性情報記憶部85は、ネオジム磁石115の磁力と電磁アクチュエータ101の電流減少傾きとの相関関係を予め記憶している。また、磁石特性情報記憶部85は、常温環境における電磁アクチュエータ101の電流減少傾きTを予め記憶している。
傾き演算処理部83は、アクチュエータ電流センサ17から、通電電流波形Y3(図10参照)を取得する。そして、傾き演算処理部83は、通電電流波形Y3における電流減少傾きSを算出する。次に、傾き演算処理部83は、磁石特性情報記憶部85に記憶された前述の相関関係を参照し、算出された電流減少傾きSに基づいて、ネオジム磁石115の磁力を推定し、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を推定する。そして、ネオジム磁石115が不可逆消磁していると判断される場合には、弁停止位置でのプランジャ105の保持が不可能であると判断し、傾き演算処理部83は、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対し、弁停止制御を中止する旨の要求を送出する。また、ネオジム磁石115が可逆消磁していると判断される場合には、傾き演算処理部83は、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対し、弁停止制御における電磁アクチュエータ101への通電率(通電duty)を低下させる旨の要求、又は弁停止制御の頻度を低下させる旨の要求を送出する。
なお、これらの傾き演算処理部83及び磁石特性情報記憶部85は、アクチュエータ駆動制御プログラムの実行によって、エンジン制御ECU81のCPU、ROM、RAM等のハードウエアが協働して動作することにより、ソフトウエア的に実現される構成要素である。
続いて、エンジン制御ECU81が行う電磁アクチュエータ101の駆動制御について説明する。
傾き演算処理部83は、図12に示すように、電磁アクチュエータ101への通電がなされている場合に(S301)、以下の処理を開始する。傾き演算処理部83は、電磁アクチュエータ101に対する通電中において、アクチュエータ電流センサ17からの電流値信号に基づいて、電磁アクチュエータ101の通電電流値をモニタする。そして、通電電流波形Y3における点C3,点D3(図10参照)を検出し、点C3と点D3とを結ぶ直線Fの傾きを電流減少傾きSとして算出する(S303)。
続いて、傾き演算処理部83は、常温環境における電流減少傾きTを、磁石特性情報記憶部85から読み出し、電流減少傾きSと電流減少傾きTとの差分Eを算出する(S305)。そして、傾き演算処理部83は、算出された差分Eと、予め定められた規定値との大小比較を行う(S307)。ここで、差分Eが規定値以上であれば(S307でYes)、ネオジム磁石115の磁力が完全に失われており、ネオジム磁石115に不可逆消磁が発生していることが推定され、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度は、ネオジム磁石115の不可逆消磁を発生しうるほどに極端に高温又は低温であると推定される。従ってこの場合、電磁アクチュエータ101が故障状態であり弁停止制御は不可能であると推定される。従って、傾き演算処理部83は、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対し、弁停止制御を中止する旨の要求を送出する。このとき、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25は、傾き演算処理部83からの要求に応じて、弁停止制御における電磁アクチュエータ101への通電を行わないこととして、弁停止制御を中止する(S309)。
一方、差分Eが規定値未満であれば(S307でNo)、傾き演算処理部83は、磁石特性情報記憶部85に記憶された、ネオジム磁石115の雰囲気温度と磁力との相関関係、及びネオジム磁石115の磁力と電磁アクチュエータ101の電流減少傾きとの相関関係を読み出す。そして、傾き演算処理部83は、読み出した相関関係を参照し、差分Eに基づいて、ネオジム磁石115の減磁度合いを推定し、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を推定する(S311)。そして、推定された減磁力度合いが予め定められた規定量以上、又は推定された雰囲気温度が予め定められた規定値以上である場合には(S313でYes)、傾き演算処理部83は、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25に対し、弁停止制御における電磁アクチュエータ101への通電率(通電duty)を低下させる旨の要求、又は弁停止制御の頻度を低下させる旨の要求を送出する(S315)。
このとき、弁停止/弁復帰要求処理部23及びアクチュエータ通電開始/終了処理部25は、傾き演算処理部83からの要求に応じて、電磁アクチュエータ101への通電率(通電duty)を低下させる処理、又は弁停止制御の頻度を低下させる処理を行う(S315)。または、電磁アクチュエータ101を冷却する冷却手段を設け、当該冷却手段に電磁アクチュエータ101を冷却させることとしてもよい。このような処理により、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度が常温に近づくので、ネオジム磁石115に不可逆消磁が発生してしまうことを、事前に防止することができる。また、このとき、ネオジム磁石115の減磁に起因して、プランジャ105が弁停止位置に到達する時間(点D3の時間)も遅くなると考えられる。従って、遅くなった分をキャンセルするように、電磁アクチュエータ101への通電開始のタイミングを早くしてもよい。このように通電開始のタイミングを早めるための具体的な処理は、前述の第2実施形態で説明した通りであるので、詳細な説明を省略する。
また、処理S313において、推定された減磁力度合いが規定量未満、かつ推定された雰囲気温度が規定値未満である場合には(S313でNo)、何らの処理を行わず、再びS301からの処理を繰り返す。
この可変動弁制御装置71によれば、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を推定し、推定した雰囲気温度が、ネオジム磁石115の不可逆消磁を発生させる程の極端な高温又は低温の場合には、電磁アクチュエータ101への通電を行わず、弁停止制御を中止することとしている。従って、プランジャ105を弁停止位置に保持する場合における保持電力の大きな消費を避けることができる。また、電磁アクチュエータ101の雰囲気温度を監視するための温度センサ等も不要であるので、温度センサの追加によるコスト増加や、回路面積の増加、センサ搭載スペースの増加、装置の複雑化も避けられる。
なお、本発明は、上述の第1〜第3実施形態に限定されるものではない。上述の第1〜第3実施形態では、本発明を、ロッカアーム同士の連結/非連結を切り替えることにより吸排気弁の停止/弁復帰を切り替える装置に適用した例について説明した。このような装置に限られず、本発明は、例えば、ロッカアーム同士の連結/非連結の切替えにより、吸排気弁の開閉タイミングやバルブリフトを切り替える装置に適用することもできる。
1,51,71…可変動弁制御装置、3…ヨーク(固定子)、9…コイル(固定子)、11,61,81…エンジン制御ECU、25…アクチュエータ通電開始/終了処理部(通電制御手段)、101…電磁アクチュエータ、102…本体部分(固定子)、105…プランジャ、115…ネオジム磁石(永久磁石)、213…連結ピン、207…第1ロッカアーム、209…第2ロッカアーム。

Claims (3)

  1. 電磁アクチュエータによって連結ピンを移動させ、当該連結ピンの位置に応じて内燃機関の複数のロッカアームの連結状態を切り替える可変動弁制御装置であって、
    前記電磁アクチュエータは、固定子に対して往復運動可能な移動子としてのプランジャと、当該プランジャを前記固定子に対する所定位置で保持するための永久磁石と、を有しており、
    前記電磁アクチュエータへの通電によって前記プランジャを前記所定位置に移動させるときには、前記電磁アクチュエータへの通電を開始した後、通電電流波形が下向きにピークとなる時点の近傍で当該通電を終了する通電制御手段を備えることを特徴とする可変動弁制御装置。
  2. 前記通電制御手段は、
    前記通電電流波形に基づいて、前記電磁アクチュエータの劣化状態を推定し、
    推定された前記電磁アクチュエータの前記劣化状態に基づいて、前記電磁アクチュエータへの通電のタイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の可変動弁制御装置。
  3. 前記通電制御手段は、
    前記通電電流波形に基づいて、前記電磁アクチュエータの前記永久磁石の磁力及び前記電磁アクチュエータの雰囲気温度を推定し、
    推定された前記電磁アクチュエータの前記永久磁石の磁力及び前記電磁アクチュエータの雰囲気温度に基づいて、前記プランジャを前記所定位置へ移動させるための前記電磁アクチュエータへの通電を行うか否かを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の可変動弁制御装置。
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