JP2019173393A - 鋼製支保工の建て込み方法及び建て込みシステム - Google Patents

鋼製支保工の建て込み方法及び建て込みシステム Download PDF

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Abstract

【課題】支保工の建て込みに際して、支保工の測量対象部位の数が増えても測量機の台数を増やすことなく支保工の位置をリアルタイムに把握することのできる技術を提供する。【解決手段】トンネルの鋼製支保工を所定の設計位置に建て込む建て込み方法であって、3次元座標が既知又は測量機によって3次元座標が取得可能な複数のモーションキャプチャ用カメラによって鋼製支保工の予め定められた複数の定点に設置されたモーションキャプチャ用マーカーを撮影し、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて鋼製支保工を設計位置に建て込む。【選択図】図10

Description

本発明は、鋼製支保工の建て込み方法及び建て込みシステムに関する。
トンネルを構築する工法として、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)が知
られている。NATM工法は、地山が有する支保能力、強度を有効に利用してトンネルの安定を保つという考え方のもとに、吹付けコンクリート、ロックボルト、鋼製支保工等を用いて、地山と一体化したトンネル構造物を建設する工法である。
トンネル断面の崩落を防ぎ、断面を安定に支保する鋼製支保工は、円弧状に分割された一対の支保工を天端部(中央部)で相互連結することで形成され、鋼製支保工の建て込み作業が切羽近傍で行われる。トンネル支保工の建て込み作業は、支保工を把持して切羽に向けて移動させるエレクタを備えた作業車が用いられる。
従来、支保工にターゲットを取り付け、トータルステーションによりターゲットを自動で追尾してターゲットの位置を測量することで、支保工の位置を常時監視しながらエレクタ装置により支保工を所定の位置に建て込む方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第4559346号公報
しかしながら、上述したトータルステーションは、一台のトータルステーション同時に複数のターゲットを視準することはできないため、複数のターゲットの位置を同時に測量するためにはターゲットに対応する数のトータルステーションを使用する必要があった。また、一台のトータルステーションで複数のターゲットの位置を測量する場合、一台のトータルステーションで複数のターゲットを順次視準する必要があり、ターゲットの数が増えた場合に支保工の位置を迅速に把握することが難しいという実情があった。また、トータルステーションで視準するための測量用プリズム等といったターゲットは高価であることが多く、このようなターゲットを支保工に取り付ける場合、支保工の建て込みが完了した後、ターゲットを支保工から回収する必要があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、支保工の建て込みに際して、支保工の測量対象部位の数が増えても測量機の台数を増やすことなく支保工の位置をリアルタイムに把握することのできる技術を提供することにある。
上記課題の解決するために、本発明は以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、トンネルの鋼製支保工を所定の設計位置に建て込む建て込み方法であって、3次元座標が既知又は測量機によって3次元座標が取得可能な複数のモーションキャプチャ用カメラによって前記鋼製支保工の予め定められた複数の定点に設置されたモーションキャプチャ用マーカーを撮影し、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づい
て前記鋼製支保工を前記設計位置に建て込むことを特徴とする。
また、本発明に係る鋼製支保工の建て込み方法は、前記鋼製支保工を着脱自在に把持するハンドを有する建て込み装置を用いて、前記鋼製支保工の建て込みを行っても良い。
また、本発明において、前記建て込み装置は、円弧状に分割された一対の鋼製支保工を着脱自在に把持する一対の前記ハンドを有し、前記モーションキャプチャ用マーカーは、前記一対の鋼製支保工の各々における少なくとも天端部と下端部に設置されており、前記一対のハンドの各々に前記一対の鋼製支保工の各々を把持した状態で前記一対の鋼製支保工の天端部に設けられた天端継手板同士を相互に連結することでアーチ状の鋼製支保工を形成する連結工程を有し、前記連結工程において、各モーションキャプチャ用カメラによって前記モーションキャプチャ用マーカーを撮影し、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて前記一対の鋼製支保工の前記天端継手板同士を当接させても良い。
また、本発明において、前記モーションキャプチャ用マーカーは、前記一対の鋼製支保工の各々における天端部と下端部の中間に位置する中間部に更に設置されていても良い。
また、本発明において、前記モーションキャプチャ用マーカーは、更に、前記一対のハンドの各々に設置されていても良い。
また、本発明において、前記複数のモーションキャプチャ用カメラは、前記建て込み装置における予め定められた複数の定点に設置されていても良い。
また、本発明において、前記建て込み装置における予め定められた定点に設置されているターゲットを3次元座標が既知の地点に設置された測量機によって自動追尾することで前記ターゲットの3次元座標を取得し、前記ターゲット及び各モーションキャプチャ用カメラの相対位置関係と、取得した前記ターゲットの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標を取得しても良い。
また、本発明は、鋼製支保工の建て込みシステムとして特定することができる。すなわち、本発明は、トンネルの鋼製支保工を所定の設計位置に建て込む建て込みシステムであって、前記鋼製支保工を着脱自在に把持するハンドを有する建て込み装置と、前記鋼製支保工の予め定められた複数の定点に設置されたモーションキャプチャ用マーカーと、3次元座標が既知又は測量機によって3次元座標が取得可能な複数のモーションキャプチャ用カメラと、前記ハンドを制御する管理コンピュータであって、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて前記鋼製支保工を前記設計位置に誘導する管理コンピュータと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、支保工の建て込みに際して、支保工の測量対象部位の数が増えても測量機の台数を増やすことなく支保工の位置をリアルタイムに把握することができる。
図1は、実施形態1に係るトンネル支保工の側面図である。 図2は、実施形態1に係るトンネル支保構造を説明する図である。 図3は、実施形態1に係るエレクタ装置の上面図である。 図4は、実施形態1に係るエレクタ装置の側面図である。 図5は、実施形態1に係る連結構造を示す概略図である。 図6Aは、実施形態1に係る第1天端継手板の正面図である。 図6Bは、実施形態1に係る第1天端継手板の背面図である。 図7Aは、実施形態1に係る第2天端継手板の正面図である。 図7Bは、実施形態1に係る第2天端継手板の背面図である。 図8は、図5におけるX−X矢視断面図である。 図9は、実施形態1に係る雌型連結部と雄型連結部を連結した状態を示す図である。 図10は、実施形態1に係るトンネル支保工の建て込みシステムの概略構成図である。 図11は、実施形態1に係るエレクタ装置に設置されたターゲットを示す図である。 図12は、実施形態1に係るエレクタ装置に設置されたカメラを示す図である。 図13は、実施形態1に係るトンネル支保工の建て込み手順を説明する図である。 図14は、実施形態2に係るトンネル支保工の建て込みシステムの概略構成図である。 図15は、実施形態3に係るトンネル支保工の建て込みシステムの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るトンネル支保工10の側面図である。トンネル支保工10は、トンネル掘削に伴い露出する地山の崩落防止のために、掘削直後の坑壁に沿って建て込まれるアーチ状の鋼製支保工であり、トンネル軸方向に沿って所定の建て込みピッチ毎に設置される。本実施形態におけるトンネル支保工10は、H形断面を有するH形鋼によって形成されている。より詳しくは、トンネル支保工10は、一対の円弧状の鋼製支保工10L,10Rの天端部(上端部)同士を一体に連結することでアーチ状に形成されている。以下、鋼製支保工10Lを「左側鋼製支保工」と呼び、鋼製支保工10Rを「右側鋼製支保工」と呼ぶ。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rは左右対称な円弧形状を有している。
左側鋼製支保工10Lは、第1本体部111、第1天端継手板121、第1底板131を有する。第1本体部111は、ウェブ111a、当該ウェブ111aに直交する一対の地山側フランジ111b及び内空側フランジ111cから構成されるH形鋼である。また、第1本体部111における一端には第1天端継手板121が溶接され、他端には第1底板131が溶接されている。第1天端継手板121及び第1底板131は四角形の鋼製平板であり、第1本体部111のH形断面に対して直交方向に延在している。右側鋼製支保工10Rについても同様に、第2本体部112、第2天端継手板122、第2底板132を有する。第2本体部112は、ウェブ112a、当該ウェブ112aに直交する一対の地山側フランジ112b及び内空側フランジ112cから構成されるH形鋼である。また、第2本体部112における一端には第2天端継手板122が溶接され、他端には第2底板132が溶接されている。第2天端継手板122、第2底板132は四角形の鋼製平板であり、第2本体部112のH形断面に対して直交方向に延在している。第1天端継手板121及び第2天端継手板122には、ボルトを挿通するボルト穴が設けられており、当
該ボルト穴に挿通させたセンターボルト14にナット15を螺合させることで、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が締結される。
図2は、実施形態1に係るトンネル支保工10を適用したトンネル支保構造1を説明する図であり、トンネルTの軸を通る鉛直断面の概略図である。本実施形態では、NATM工法(New Austrian Tunneling Method)によってトンネルTを構築する場合を例に説明す
る。
図2は、実施形態1に係るトンネル支保構造1を説明する図である。図2における符号3は、一次吹付けコンクリート層である。また、符号6は、二次吹付けコンクリート層である。なお、図2には、トンネル支保工10の右側鋼製支保工10Rが図示されている。本実施形態のトンネル構築方法において、切羽8の掘削によってトンネルTの側面に地山7が露出した後、この地山7に対して一次コンクリートの吹付け施工が行われることで、一次吹付けコンクリート層3が形成される。その後、トンネル坑壁面に沿って一次吹付けコンクリート層3の内空側に上述したアーチ状のトンネル支保工10が建て込まれる。トンネル支保工10は、トンネルTの坑口側に位置する既設のトンネル支保工10に対して、切羽8側に隣接し、トンネルTの軸方向に所定の間隔(例えば、1.0m〜1.5m程度)で配列される。トンネル支保工10の建て込みは、一対のブーム先端に取り付けられたハンドを備えたエレクタ装置100を用いて行われる。エレクタ装置100は、本発明における建て込み装置の一例である。以下、トンネル支保工10の建て込み方法について詳しく説明する。
図3は、実施形態1に係るエレクタ装置100の上面図である。図4は、実施形態1に係るエレクタ装置100の側面図である。エレクタ装置100は台車としての作業車200を有しており、自走可能な重機として構成されている。エレクタ装置100は、同一構成の一対のブーム17L,17Rを備えている。一対のブーム17L,17Rは、これらに付設される駆動機構の作動によって伸縮動作、傾動動作、揺動動作、回動動作が自在である。また、各ブーム17L,17Rの先端には、同一構成の一対のハンド18L,18Rが連結されている。一対のハンド18L,18Rは、これらに付設される駆動機構の作動によって回転動作及び揺動動作が自在であり、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rをそれぞれ着脱自在に挟圧把持(保持)することができる。本実施形態においては、エレクタ装置100における一対のハンド18L,18Rに左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを把持した状態で各ハンド18L,18Rを駆動することで、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを天端部同士で連結する連結操作を行った後、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rがアーチ状に連結されることで形成されたトンネル支保工10を所定の建て込み位置(設計位置)に建て込む。
次に、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の連結構造について説明する。図5は、実施形態1に係る左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結する連結構造30を示す概略図である。連結構造30は、左側鋼製支保工10Lの第1天端継手板121、右側鋼製支保工10Rの第2天端継手板122、第1天端継手板121に凹設された雌型連結部40、第2天端継手板122に凸設された雄型連結部50等を含む。図5は、左側鋼製支保工10Lにおける第1天端継手板121と右側鋼製支保工10Rの第2天端継手板122が連結構造30を介して連結される前の状態、即ち、第1天端継手板121と第2天端継手板122が離間した状態を示している。
ここで、符号121aは、第1天端継手板121の外面、符号121bは第1天端継手板12Lの内面である。符号122aは、第2天端継手板122の外面、符号122bは第2天端継手板122の内面である。図6Aに、実施形態1に係る第1天端継手板121の正面図を示す。図6Aには、第1天端継手板121の外面121a側から眺めた雌型連
結部40が示されている。また、図6Bに、実施形態1に係る第1天端継手板121の背面図を示す。図6Bには、第1天端継手板121の内面121b側から眺めた雌型連結部40が示されている。更に、7Aに、実施形態1に係る第2天端継手板122の正面図を示す。図7Aには、第2天端継手板122の内面122b側から眺めた雄型連結部50が示されている。また、図7Bに、実施形態1に係る第2天端継手板122の背面図を示す。図7Bには、第2天端継手板122の外面122a側から眺めた雌型連結部40が示されている。
なお、符号121cは第1天端継手板121の上縁、符号121dは第1天端継手板121の下縁、符号121eは第1天端継手板121の左右の側縁である。また、符号122cは第2天端継手板122の上縁、符号122dは第2天端継手板122の下縁、符号122eは第2天端継手板122の左右の側縁である。図7に、第1天端継手板121の高さ方向及び幅方向を図示し、図8に、第2天端継手板122の高さ方向及び幅方向を図示する。第1天端継手板121の高さ方向は側縁121eの延伸方向と平行であり、且つ、第1本体部111が第1天端継手板121と連結する位置におけるウェブ111aの延伸方向と平行である。また、第1天端継手板121の幅方向は上縁121c及び下縁121dの延伸方向と平行であり、且つ、第1本体部111が第1天端継手板121と連結する位置における地山側フランジ111b及び内空側フランジ111cの延伸方向と平行である。また、第2天端継手板122の高さ方向は側縁122eの延伸方向と平行であり、且つ、第2本体部112が第2天端継手板122と連結する位置におけるウェブ112aの延伸方向と平行である。第2天端継手板122の幅方向は上縁122c及び下縁122dの延伸方向と平行であり、且つ、第2本体部112が第2天端継手板122と連結する位置における地山側フランジ112b及び内空側フランジ112cの延伸方向と平行である。
図7A及び図7Bに示すように、第1天端継手板121には、符号A1で示される第1領域と、符号A2で示される第2領域にそれぞれ雌型連結部40が設けられている。第1領域A1は、第1天端継手板121の平面領域のうち、第1本体部111のウェブ111aを境に一方側に位置すると共に、地山側フランジ111b、内空側フランジ111c及びウェブ111aによって囲まれた領域である。第2領域A2は、第1天端継手板121における平面領域のうち、第1本体部111のウェブ111aを境に他方側に位置すると共に、地山側フランジ111b、内空側フランジ111c及びウェブ111aによって囲まれた領域である。
同様に、図8A及び図8Bに示すように、第2天端継手板122には、符号A1で示される第1領域と、符号A2で示される第2領域にそれぞれ雌型連結部40が設けられている。第1領域A1は、第2天端継手板122における平面領域のうち、第2本体部112のウェブ112aを境にして一方側に位置すると共に、地山側フランジ112b、内空側フランジ112c及びウェブ112aによって囲まれた領域である。第2領域A2は、第2天端継手板122の平面領域のうち、第2本体部112のウェブ112aを境にして他方側に位置すると共に、地山側フランジ112b、内空側フランジ112c及びウェブ112aによって囲まれた領域である。
まず、第2天端継手板122に凸設された雄型連結部50について説明する。第2天端継手板122には、雄型連結部50が設けられる位置に一対の開口孔1222が穿設されている。雄型連結部50は、棒状の雄型係止部材51を有している。雄型係止部材51は、第2天端継手板122の開口孔1222よりも若干小径の軸部材であり、その基端部に雄ネジ51aが刻設されている。また、雄型係止部材51の中間部には環状の鍔部51bが設けられている。また、雄型係止部材51の鍔部51bよりも先端側の部位における外周部には、雄ネジ51cが形成されている。雄型係止部材51の雄ネジ51cは、雄型係
止部材51の外周に複数並設された周方向の雄側係止溝である。また、雄型係止部材51の先端部51dには、先端に向かって縮径するテーパ面51eが形成されている。
また、第2天端継手板122の外面122a側における開口孔1222の周囲には、周囲よりも一段凹んだザグリ部1223が形成されている。雄型係止部材51の鍔部51bは、第2天端継手板122の開口孔1222の径よりも大きい。雄型係止部材51の基端側を、第2天端継手板122の外面122a側から開口孔1222に挿通し、鍔部51bをザグリ部1223に配置した状態で基端部の雄ネジ51aにナット52を螺着する。その結果、雄型係止部材51が第2天端継手板122から突出した状態で、第2天端継手板122に雄型係止部材51を固定することができる。
次に、雌型連結部40について説明する。第1天端継手板121は、雌型連結部40が設けられる位置に一対の開口孔1212が穿設されており、その内面121bには金属製の円筒状のケーシング41が溶接wpなどによって固定されている。ケーシング41は、その軸心を開口孔1212の略中央部に位置させている。ケーシング41内には、収納室42が形成されている。収納室42の先部(前部)には、その内周面を後端側から先端側にかけて内径が徐々に縮径するテーパ面43aを有するテーパ穴43が形成されている。また、収納室42の中間部にはバネ収納部42aが形成されており、収納室42の後部内周に雌ネジ45が刻設されている。また、テーパ穴43の先端部には、挿入口48が開口形成されている。ケーシング41の前端部に位置する挿入口48は、第1天端継手板121に形成された開口孔1212と略同径で、開口孔1212と連通している。また、ケーシング41が第1天端継手板121に固定された状態で挿入口48が開口孔1212と重なった位置に配置されている。
また、テーパ穴43内には、分割された雌型係止部材46が軸方向に摺動可能に配置されている。本実施形態では、図8に示すように、周方向に3つに分割してなる楔形の雌型係止部材46が、ケーシング41の軸(前後)方向に摺動可能に配設されている。図8は、図5におけるX−X矢視断面図である。図8に示すように、周方向に3つに分割してなる楔形の雌型係止部材46が、ケーシング41の軸(前後)方向に摺動可能に配設されている。ここで、雌型係止部材46の外面は、テーパ穴43におけるテーパ面43aに沿って摺動可能なテーパ面46aとして形成されている。雌型係止部材46のテーパ面46aは、先端側から後方にかけて外径が徐々に拡大している。更に、各雌型係止部材46の内面には、雌ネジ46bが形成されている。雌ネジ46bは、各雌型係止部材46の内面に、複数並設された周方向の雌側係止溝である。雌ネジ46bは、ケーシング41の軸心を中心とする円弧で且つ、軸心に沿った方向に刻設されている。以上より、複数個の雌型係止部材46によって雌ネジ穴が形成され、各雌型係止部材46のテーパ面46aがテーパ穴43のテーパ面43aに沿って後退することにより、その雌ネジ穴が拡径され、前方(先方)へ移動することにより当該雌ネジ穴が縮径するようになる。なお、各雌型係止部材46の内面に形成された雌ネジ46bは、雄型係止部材51の先端側外周部に形成された雄ネジ51cと噛合させることができる。
また、収納室42のバネ収納部42aには、雌型係止部材46を前方(先方)に押圧(弾性付勢)する押圧部材である押圧ばね44が、各雌型係止部材46の後端に設けられるばね受け47と蓋板49との間に圧縮した状態で収納されており、押圧ばね44の押圧力によって各雌型係止部材46を常時前方に押圧している。蓋板49は、収納室42の後部内周側に刻設された雌ネジ45に螺着されることで、押圧ばね44を圧縮した状態に保持することができる。なお、蓋板49の外面には、六角穴49aが設けられており、六角レンチによって蓋板49をケーシング41から着脱自在になっている。
以上のように構成される雌型連結部40及び雄型連結部50において、各雌型係止部材
46の内面に形成された雌ネジ46bと雄型係止部材51の外周部に形成された雄ネジ51cは、ネジピッチが、JISに規定する細目ネジのピッチよりも小さく形成されている。また、本実施形態の雌型連結部40では各雌型係止部材46の内面に螺旋状の雌ネジ46bを形成したが、雌ネジ46bに代えて、各雌型係止部材46の周方向に伸びる環状の山部と環状の谷部を交互かつ並行に配置した並行溝を各雌型係止部材46の内面に設けても良い。同様に、雄型連結部50においては、雄型係止部材51の外周部に形成した雄ネジ51cに代えて、雄型係止部材51の周方向に伸びる環状の山部と環状の谷部を交互かつ並行に配置した並行溝を雄型係止部材51の外周面に設けても良い。
次に、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結する際の連結構造30の動作について説明する。図5に示すように、左側鋼製支保工10Lにおける第1天端継手板121と右側鋼製支保工10Rにおける第2天端継手板122を接近かつ対峙(対向)させた状態から、第1天端継手板121の開口孔1212に雄型連結部50(雄型係止部材51)が挿入されるように、第1天端継手板121及び第2天端継手板122の離間距離を徐々に狭めてゆく。
ここで、雄型係止部材51の外径は、第1天端継手板121の開口孔1212及び雌型連結部40(ケーシング41)の挿入口48よりも若干小径で、且つ、各雌型係止部材46がテーパ穴43(テーパ面43a)の最前進位置に配置された状態で、各雌型係止部材46によって形成される雌ネジ穴の直径よりも若干大径に設定されている。第2天端継手板122に凸設された雄型係止部材51が第1天端継手板121の開口孔1212を通じて、雌型連結部40の挿入口48から侵入すると、押圧ばね44の押圧力によって前端部にテーパ穴43(テーパ面43a)の最前進位置に位置決めされている各雌型係止部材46の前端面46cに雄型係止部材51の先端部51dが当接する。そして、雄型係止部材51が押圧ばね44の押圧力に抗して、各雌型係止部材46をテーパ面43aに沿って、雌型連結部40(ケーシング41)の軸方向後方に向かって後退させることで、各雌型係止部材46におけるテーパ面46aの雌ネジ46bによって形成されている雌ネジ穴を拡径しつつ雄型係止部材51が収納室42内に挿入される。
そして、第1天端継手板121の外面121aと第2天端継手板122の外面122aとが当接することで面接触し、雌型連結部40における収納室42内への雄型係止部材51の挿入が完了することで、それ以上の収納室42内への雄型係止部材51の挿入が停止されると、各雌型係止部材46は押圧ばね44の押圧力によって前方(先方)に押し戻されると共に、各雌型係止部材46のテーパ面46aによって形成される雌ネジ穴が縮径する。その結果、図9に示すように、雌型連結部40における各雌型係止部材46の雌ネジ46b(雌側係止溝)及び雄型連結部50における雄型係止部材51の雄ネジ51c(雄側係止溝)が相互に噛合する。これによって、図1に示したように、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が面接触した状態で、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rが一体に連結される。なお、本実施形態においては、雌型連結部40に対して雄型係止部材51が挿入及び係止された状態において、第1天端継手板121及び第2天端継手板122の各外縁同士の位置がすべて合致するように設定されている。すなわち、第1天端継手板121の雌型連結部40と第2天端継手板122の雄型係止部材51が連結された状態において、第1天端継手板121の上縁121c、下縁121d、一対の側縁121eがそれぞれ第2天端継手板122の上縁122c、下縁122d、一対の側縁122eに重なるようになっている。
ここで、図9に示したように、雌型連結部40の雌ネジ46bと雄型連結部50(雄型係止部材51)の雄ネジ51cが噛合した状態で、第1天端継手板121及び第2天端継手板122を離反する方向に外力が作用した場合、雌型連結部40における収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に引き抜き力が作用する。この引き抜き力は、互いに
噛み合う雄ネジ51cと雌ネジ46bを介して各雌型係止部材46に伝達される。ところで、各雌型係止部材46のテーパ面46aは後方側から前方にかけて外径が徐々に縮小している。そのため、上記引き抜き力が各雌型係止部材46に作用しても、各雌型係止部材46がテーパ穴43の前方に向かって変位することが制限される。すなわち、本実施形態に係る連結構造30によれば、雌型連結部40の収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に外力が作用しても、当該外力に対抗して連結状態を維持することができる。つまり、実施形態における連結構造30によれば、雌型連結部40の挿入口48から雄型連結部50(雄型係止部材51)を挿入する動作だけで、雌型連結部40に対して雄型連結部50が連結されるため、簡単に左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを一体に締結できる。また、雌型連結部40における収納室42から雄型係止部材51を引き抜く方向に引き抜き力が作用しても、雌型連結部40及び雄型連結部50の連結が解除されることを抑制できる。
次に、実施形態1に係るトンネル支保工10の建て込みシステムSについて説明する。図10は、実施形態1に係るトンネル支保工10の建て込みシステムSの概略構成図である。図10中、符号300はレーザ光による測距・測角儀(測量機)である自動追尾型トータルステーション、符号400はトータルステーション300を制御するトータルステーションコントローラ、符号500はトータルステーションコントローラ400と無線による送受信を可能とするトータルステーション側アンテナである。エレクタ装置100は、操縦席に搭載されたディスプレイ装置であるモニタ101、管理コンピュータ102、エレクタ側アンテナ103、操作盤104、キーボード105、ポンティングデバイス106等を有する。
トータルステーション300は、レーザ光を照射してプリズム等を含むターゲット9を自動追尾し、その測距・測角を行うことで、ターゲット9の位置を測定(測量)する測量機であり、レーザ照射、視準、視準の自動追尾等の機能を備えている。また、トータルステーション300は、トンネルT内において座標が既知の地点(座標既知地点)に設置される。本実施形態では、ターゲット9をエレクタ装置100における予め定められた位置に設置し、切羽8近傍でトンネル支保工10の建て込みを行う際に、エレクタ装置100に設置したターゲット9をトータルステーション300によって自動追尾する。
トータルステーション300の設置位置は、トータルステーション300によるターゲット9の視準に障害が無い所であれば特に限定されないが、本実施形態では切羽8の後方、エレクタ装置100によるトンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の建て込み位置よりもトンネルTの坑口側の位置に設置され、エレクタ装置100の後部側に設置したターゲット9を自動追尾する。トータルステーション300は、例えば、三脚等の支持部材を用いてトンネル床面に設置しても良いし、トンネル内壁部に架設した架台上に設置しても良い。また、トータルステーション300を、既知座標位置に設置された基準ターゲットを視準可能な位置に設置し、トータルステーション300によって基準ターゲットを視準することでトータルステーション300の自己設置位置における3次元座標(x0,y0,z0)を求めるようにしても良い。
図11は、実施形態1に係るエレクタ装置100に設置されたターゲット9を示す図である。ターゲット9は、エレクタ装置100のターゲット設置部P1に固定されるホルダ91と、ホルダ91の先端に設けられたプリズム92を有する。
また、エレクタ装置100に設置するターゲット9の数は特に限定されないが、本実施形態では複数のターゲット9をエレクタ装置100に設置するようにしている。これにより、エレクタ装置100の位置だけでなく、エレクタ装置100の向きを精度良く把握することができ、ターゲット9と後述するモーションキャプチャ用カメラ5(図5を参照)
との相対位置関係に基づいてモーションキャプチャ用カメラ5の位置を精度良く求めることができる。なお、図10に示す例では、エレクタ装置100の後部における左側部、右側部、中央部にそれぞれターゲット9A、9B、9Cが設置されている。なお、本明細書では、ターゲットを総称して、単にターゲット9と略記する場合がある。
また、本実施形態におけるトータルステーションコントローラ400は、例えば携帯可能なコンピュータを含んで構成されている。トータルステーションコントローラ400は、コンピュータに組み込まれたソフトウェアによってトータルステーション300の各種の機構を自動制御すると共に、トータルステーション300の測量データを処理する。更に、トータルステーションコントローラ400は、エレクタ装置100のエレクタ側アンテナ103との無線通信によりデータの送受信が可能であり、且つ、管理コンピュータ102からの指令によりトータルステーション300の各種の機構を無線遠隔操作することが可能である。勿論、管理コンピュータ102とトータルステーションコントローラ400相互の通信は、有線による通信であっても良い。
また、本実施形態における建て込みシステムSは、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)を建て込む際にモーションキャプチャ技術を利用してトンネル支保工10の3次元位置情報を取得するモーションキャプチャシステムを有している。すなわち、図10に示すように、本実施形態においては、トンネル支保工10を建て込む際に、トンネル支保工10の3次元位置情報を取得するための複数のモーションキャプチャ用マーカー4をトンネル支保工10に装着する。図10に示す例では、左側鋼製支保工10Lの天端部(上端部)、下端部、天端部と下端部の中間に位置する中間部にそれぞれモーションキャプチャ用マーカー4A〜4Cが取り付けられている。同様に、右側鋼製支保工10Rの天端部(上端部)、下端部、天端部と下端部の中間に位置する中間部にそれぞれモーションキャプチャ用マーカー4D〜4Fが取り付けられている。なお、本明細書ではモーションキャプチャ用マーカーを総称して、単にモーションキャプチャ用マーカー4と略記する場合がある。
なお、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rにおいて各モーションキャプチャ用マーカー4を設置するための設置位置は予め定められた定点であり、当該位置には予めペンキやシール等で目印が標示されている。また、本実施形態では、モーションキャプチャ用マーカー4は、左側鋼製支保工10Lにおけるウェブ111aと、右側鋼製支保工10Rのウェブ112aに対して設置される。
ここで、上述した左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの天端部(上端部)、下端部、中間部は、ある程度の広がりをもった領域を指している。よって、モーションキャプチャ用マーカー4A(4D)は、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)の第1本体部111(第2本体部112)における天端側の端部寄りの予め定められた位置に配置されていれば良い。また、モーションキャプチャ用マーカー4B(4E)は、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)の第1本体部111(第2本体部112)における下端側の端部寄りの予め定められた位置に配置されていれば良い。また、モーションキャプチャ用マーカー4C(4F)は、左側鋼製支保工10L(右側鋼製支保工10R)の第1本体部111(第2本体部112)における天端部と下端部に挟まれる予め定められた位置に配置されていれば良い。
なお、モーションキャプチャ用マーカー4には、一般的なモーションキャプチャ技術に用いられる公知の反射マーカーを適宜用いることができる。また、モーションキャプチャ用マーカー4の形状は特に限定されず、例えば半球形状、球形状であっても良いし、シート形状を有していても良い。
また、エレクタ装置100の前方には、予め定められた位置に複数のモーションキャプチャ用カメラ5が設置されている。複数のモーションキャプチャ用カメラ5は、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの連結作業及び建て込み作業を行う際に、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rに取り付けたモーションキャプチャ用マーカー4を時系列的に撮影するのに支障がない位置に設置されており、図10に示す例ではエレクタ装置100の前方における左側部、右側部、中央部にそれぞれモーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cが設置されている。また、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cは、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rに取り付けたモーションキャプチャ用マーカー4を互いに異なる角度から撮影することができるように配置されている。なお、本明細書ではモーションキャプチャ用カメラを総称して、単にモーションキャプチャ用カメラ5と略記する場合がある。本実施形態では、3つのモーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cによって撮影した撮影画像データに基づいてモーションキャプチャ用マーカー4の動きを三角測量の原理で計測し、モーションキャプチャ用マーカー4の3次元位置情報を取得することができる。
図12に示すように、モーションキャプチャ用カメラ5は、撮像素子5aと、モーションキャプチャ用マーカー4に光束を照射する光照射装置5bを備えている。また、図12における符号5cは、エレクタ装置100のカメラ設置部P2に取り付けられるカメラホルダである。図12に示す例では、エレクタ装置100のカメラ設置部P2に位置が固定されたカメラホルダ5cにモーションキャプチャ用カメラ5が支持されているが、エレクタ装置100のカメラ設置部P2に対してカメラホルダ5cは着脱式であっても良い。本実施形態におけるモーションキャプチャ用カメラ5は、光照射装置5bから赤外線を照射し、モーションキャプチャ用マーカー4からの反射光を撮像素子5aが受光する赤外線カメラである。各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの表面は、光照射装置5bから照射された赤外線を反射する素材によって形成されている。なお、モーションキャプチャ用カメラ5における撮像素子5aの光入射面には、光照射装置5bから放射される光束の分光特性に対応した光学フィルターが装着されていても良い。また、各モーションキャプチャ用カメラ5は、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rに取り付けられているモーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fがすべて撮影範囲に含まれるように、エレクタ装置100に設置する際のカメラの向きや画角等が調整されている。更に、各モーションキャプチャ用カメラ5は、エレクタ装置100に設置された状態において、その設置面から撮像素子5a中心までの高さは一定である。
また、モーションキャプチャ用カメラ5は、エレクタ装置100のエレクタ側アンテナ103との無線通信によりデータの送受信が可能であり、モーションキャプチャ用マーカー4を時系列的に撮影した撮影画像データは、モーションキャプチャ用カメラ5からエレクタ装置100の管理コンピュータ102に送信することができる。エレクタ装置100の管理コンピュータ102は、モーションキャプチャ用カメラ5から受信した撮影画像データに対して画像処理を行う画像処理装置として機能し、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rに取り付けられたモーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの各時間(フレーム毎)における3次元位置情報を求める。また、管理コンピュータ102とモーションキャプチャ用カメラ5相互の通信は、有線による通信であっても良い。
<建て込み方法>
次に、上述した建て込みシステムSを用いたトンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の建て込み方法について説明する。図13は、実施形態1に係るトンネル支保工10の建て込み手順を説明する図である。
まず、ステップS101において、エレクタ装置100を、右側ハンド18Rにそれぞれ左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを把持した状態で切羽8近傍まで自走
させ、左側ブーム17L及び右側ブーム17Rを伸長及び傾動させると共に、左側ハンド18L及び右側ハンド18Rを回転させることで、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rをトンネル軸と直交するように移動させる。
次に、ステップS102において、トータルステーション300、モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fを予め定められた位置に設置する。上記のように、トータルステーション300は、エレクタ装置100の後方における所定の座標既知地点に設置する。また、モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Cが、左側鋼製支保工10Lの天端部(上端部)、下端部、中央部におけるウェブ111aの所定位置にそれぞれ取り付けられ、モーションキャプチャ用マーカー4D〜4Fが右側鋼製支保工10Rの天端部(上端部)、下端部、中央部におけるウェブ112aの所定位置にそれぞれ取り付けられる。なお、本実施形態において、エレクタ装置100に設置された各ターゲット9A〜9Cと、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5C相互における相対位置関係は既知であり、これらの位置に関するデータは管理コンピュータ102の記憶装置(メモリ、ストレージデバイス)に予め格納されている。なお、ターゲット9A〜9C及びモーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cは、エレクタ装置100に対して着脱式であっても良い。この場合は、本ステップにおいて、ターゲット9A〜9C及びモーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cがエレクタ装置100における所定の設置位置にそれぞれ設置される。また、その場合には、エレクタ装置100において各ターゲット9A〜9C及び各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cを設置するための設置位置には、予めペンキやシール等で目印が標示しておくことが好ましい。
次に、ステップS103において、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置をリアルタイムで計測しながら、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの天端部同士を連結する(連結工程)。本実施形態においては、管理コンピュータ102の記憶装置に「支保工モニタリング制御プログラム」が予めインストールされており、当該プログラムを実行することで支保工モニタリング制御が実行される。支保工モニタリング制御は、建て込み中における左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置を計測し、エレクタ装置100のモニタ101に左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置をリアルタイムで表示させる制御である。
本実施形態における支保工モニタリング制御は、「支保工連結モード」と「支保工建て込みモード」という2種類のモードを選択して実行することができる。「支保工連結モード」は、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの天端部同士を連結する際に左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置をリアルタイムにモニタリングする制御であり、「支保工建て込みモード」は、連結して一体となった状態の左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを設計位置に誘導する際に左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置をリアルタイムにモニタリングする制御である。例えば、モニタ101の画面上に、支保工連結モード及び支保工建て込みモードを表す2つのアイコンを表示させておき、ポンティングデバイス106によるクリック操作によって何れかのアイコンが選択された場合に、対応するモードの支保工モニタリング制御を開始しても良い。
<支保工連結モード>
左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結する際、エレクタ装置100のオペレータは、ポンティングデバイス106を介して「支保工連結モード」のアイコンを選択操作する。「支保工連結モード」が選択されると、管理コンピュータ102は、トータルステーションコントローラ400を介してトータルステーション300を無線遠隔操作し、各ターゲット9A〜9Cを自動追尾して、各ターゲット9A〜9Cの3次元座標を順次、自動測量する。上記の通り、トータルステーション300は、座標既知地点(x0
,y0,z0)に設置されているため、トータルステーション300からレーザ光を照射して各ターゲット9A〜9Cを視準して測距・測角を行うことで、各ターゲット9A〜9Cの3次元座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)を求めることができる。なお、トータルステーション300による各ターゲット9の3次元座標に関する測量データは、トータルステーションコントローラ400から管理コンピュータ102に順次無線送信される。
上記の通り、エレクタ装置100に設置された各ターゲット9A〜9Cと、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5C相互における相対位置関係に関するデータは、管理コンピュータ102の記憶装置に格納されているため、管理コンピュータ102は、トータルステーション300から取得した各ターゲット9A〜9Cの3次元座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)に基づいて、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cの3次元座標(x1´,y1´,z1´)、(x2´,y2´,z2´)、(x3´,y3´,z3´)を求めることができる。管理コンピュータ102は、各ターゲット9A〜9Cの3次元座標データ及び各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cの3次元座標データを、記憶装置に記憶させる。
本ステップにおいて、支保工モニタリング制御が開始された時点で、エレクタ装置100は既に切羽8近傍に停車されている状態のため、本ステップにおいてエレクタ装置100に設置された各ターゲット9及び各モーションキャプチャ用カメラ5の3次元座標を1回取得すれば、その後は、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)を建て込み完了するまで左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの動きに合わせて各ターゲット9A〜9Cの位置をトータルステーション300によって測量する必要は無い。管理コンピュータ102は、本ステップにおいて求めた各ターゲット9A〜9Cの3次元座標データ及び各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cの3次元座標データを、記憶装置に記憶させる。なお、各ターゲット9A〜9Cの3次元座標の演算は、トータルステーションコントローラ400で行わず、管理コンピュータ102側で行うようにしても良い。
支保工モニタリング制御において、管理コンピュータ102は、トータルステーションコントローラ400の遠隔操作と併行して、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cを遠隔操作し、モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fが装着された左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cに撮影させる。各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cは、全てのモーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fがそれぞれの撮影範囲に含まれるように左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを同時かつ時系列的に撮影する。以下、このようにして各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cによって撮影された画像を「モーションキャプチャ撮影画像」という。なお、管理コンピュータ102は、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cによるモーションキャプチャ撮影画像の撮影に際して、光照射装置5bから赤外線を発光させる。このようにして、赤外線を反射する素材によって表面が形成されている各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fからの反射光を撮像素子5aが受光することとなり、モーションキャプチャ撮影画像には各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fだけが明るく写るようになる(他の物体は暗く写る)。その結果、モーションキャプチャ撮影画像から、モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの位置の抽出を精度良く行うことができる。
管理コンピュータ102は、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cから受信したモーションキャプチャ撮影画像を記憶装置に記憶する。そして、管理コンピュータ102は、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cによって同時刻に撮影された各モーションキャプチャ撮影画像に対して画像処理を行い、各モーションキャプチャ撮影画像上で抽
出される各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの2次元座標と、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cの3次元座標に基づき、例えば三角測量の原理を利用して各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標を演算する。このような、モーションキャプチャシステムにおけるマーカーの3次元座標の算出手法自体は公知であり、ここでの詳細な説明は割愛するが、例えばモーションキャプチャ撮影画像を2値化処理した2値画像に対してラベリング処理を行い、エピポーラマッチングアルゴリズムを利用することでモーションキャプチャシステムにおけるマーカーの3次元座標の算出手法が知られており、本実施形態でもこのような算出手法に基づいて各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標を演算して求めることができる。
ここで、管理コンピュータ102の記憶装置には、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの各部形状及び寸法に関する設計データや、各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fを設置する位置に関するマーカー位置データが格納されている。管理コンピュータ102は、記憶装置からマーカー位置データ、設計データ等を読み出し、読み出した各データと各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標に基づいて、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの外形をモニタ101に表示する。また、支保工連結モードにおいて、管理コンピュータ102は、3次元座標系(例えば、トンネルTの軸方向、高さ方向、幅方向)における左側鋼製支保工10Lの第1天端継手板121と右側鋼製支保工10Rの第2天端継手板122のずれ量(δx,δy,δz)を算出し、そのずれ量(δx,δy,δz)を左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置と併せてモニタ101に表示する。
支保工連結モードに係る支保工モニタリング制御では、時系列的に各モーションキャプチャ用カメラ5から管理コンピュータ102に送信されるモーションキャプチャ撮影画像に基づいて各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置、第1天端継手板121及び第2天端継手板122のずれ量(δx,δy,δz)等が時々刻々と算出され、その変化がモニタ101にリアルタイムで表示されるようになっている。そのため、エレクタ装置100のオペレータは、モニタ101の表示画面を見ながら表示画面の表示情報に基づいて一対ハンド18L,18Rの何れか、或いは双方を動かして、第1天端継手板121及び第2天端継手板122が当接するように誘導することができる。その結果、第1天端継手板121の雌型連結部40と、第2天端継手板122の雄型連結部50(雄型係止部材51)の位置を円滑に合わせ、雌型連結部40に雄型係止部材51を挿入させることで雄型係止部材51を雌型連結部40に係止することができる。これにより、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを容易に連結することができ、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結する際の作業効率を向上することができる。
<支保工建て込みモード>
上記のように、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを連結が完了すると、ステップS104において、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置をリアルタイムで計測しながら、一体に連結された左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを設計位置に建て込む(建て込み工程)。本ステップにおい、エレクタ装置100のオペレータは、ポンティングデバイス106を介して「支保工建て込みモード」のアイコンを選択操作する。「支保工建て込みモード」が選択されると、管理コンピュータ102は、支保工連結モード時と同様、各モーションキャプチャ用カメラ5A〜5Cから受信したモーションキャプチャ撮影画像に基づいて各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標を求める。また、管理コンピュータ102は、支保工連結モード時と同様、記憶装置からマーカー位置データ、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの設計データ等を読み出し、読み出した各データと各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標に基づいて、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの外
形をモニタ101に表示する。
また、管理コンピュータ102の記憶装置には、トンネルTの線形データや断面データ、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)を建て込む際の目標となるトンネル支保工10毎の設計位置データが格納されている。管理コンピュータ102は、支保工建て込みモードに係る支保工モニタリング制御において、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの現在位置と設計位置とのずれ量(δx´,δy´,δz´)を算出し、モニタ101に画面表示する。例えば、左側鋼製支保工10Lについては、第1本体部111における第1底板131の現在の位置と設計位置とのずれ量をモニタ表示しても良い。また、右側鋼製支保工10Rについては、第2本体部112における第2底板132の現在の位置と設計位置とのずれ用をモニタ表示しても良い。
以上のように、支保工建て込みモードに係る支保工モニタリング制御では、時系列的に各モーションキャプチャ用カメラ5から管理コンピュータ102に送信されるモーションキャプチャ撮影画像に基づいて各モーションキャプチャ用マーカー4A〜4Fの3次元座標、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの現在位置と設計位置とのずれ量(δx´,δy´,δz´)等が時々刻々と算出され、その変化がモニタ101にリアルタイムで表示される。そのため、エレクタ装置100のオペレータは、モニタ101の表示画面を見ながら表示画面に表示されている情報に基づいて一対ハンド18L,18Rを動かして、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)を設計位置へと円滑に誘導し、当該設計位置に効率良く容易に建て込むことができる。
また、本実施形態におけるトンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の建て込み方法によれば、トンネル支保工10に取り付けたモーションキャプチャ用マーカー4をモーションキャプチャ用カメラ5によって撮影したモーションキャプチャ撮影画像に基づいてトンネル支保工10の位置をリアルタイムに精度よく計測することができる。
また、本実施形態におけるトンネル支保工10の建て込み方法によれば、各モーションキャプチャ用カメラ5によってトンネル支保工10に装着した複数のモーションキャプチャ用マーカー4を多点同時に撮影することができるため、モーションキャプチャ用マーカー4に対応する数のモーションキャプチャ用カメラ5を用いる必要は無い。すなわち、モーションキャプチャ撮影画像に基づいてモーションキャプチャ用マーカー4の位置を計測するために、複数(2台以上)のモーションキャプチャ用カメラ5によってモーションキャプチャ用マーカー4を異なる角度から撮影する必要があるが、トンネル支保工10に装着するモーションキャプチャ用マーカー4の数(言い換えると、トンネル支保工10の測量対象部位の数)が増えても、当該マーカー4の増量に応じてモーションキャプチャ用カメラ5の設置台数を増やす必要は無いという利点がある。なお、本実施形態において、エレクタ装置100に3台のモーションキャプチャ用カメラ5を設けているが、これはトンネル支保工10の建て込み時におけるモーションキャプチャ用マーカー4の位置検出精度をより一層高めるためのものであって、少なくとも2台のモーションキャプチャ用カメラ5によってモーションキャプチャ撮影画像することで、モーションキャプチャ用マーカー4の位置を検出することができる。
また、本実施形態において、モーションキャプチャ用カメラ5及びターゲット9が、エレクタ装置100における予め定められた定点に設置されている。そのため、トータルステーション300によって計測したターゲット9の3次元座標と、ターゲット9及びモーションキャプチャ用カメラ5の相対位置関係に基づいて、モーションキャプチャ用カメラ5の3次元座標を精度良く計測することができ、その結果、モーションキャプチャ用マー
カー4の位置検出の精度向上に資することができる。
また、本実施形態において、モーションキャプチャ用マーカー4は、一対の左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの各々における少なくとも天端部と下端部に設置するようにしている。左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rのように円弧状に延伸する長尺部材の両端にモーションキャプチャ用マーカー4を装着することで、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの連結時やその後の建て込み時において、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの位置を精度良くモーションキャプチャ撮影画像に基づいて特定することができるという利点がある。更に、本実施形態では、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの各々における天端部と下端部の中間に位置する中間部にもモーションキャプチャ用マーカー4を装着するようにしている。これによれば、建て込み時における左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの捻じれを精度良く把握することができるため、建て込み時における左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの状態をより一層精度良く把握することができる。
また、従来のようにトンネル支保工10に非常に高価な測量用プリズムを取り付ける必要が無い。すなわち、本実施形態においては、安価なモーションキャプチャ用マーカー4をトンネル支保工10に取り付けるため、設計位置への建て込みが完了したトンネル支保工10からモーションキャプチャ用マーカー4を必ずしも回収する必要が無い。よって、本実施形態におけるトンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の建て込み方法によれば、モーションキャプチャ用マーカー4をトンネル支保工10から回収する手間を省き、作業効率を高めることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係るトンネル支保工10の建て込みシステムS2について説明する。図14は、実施形態2に係るトンネル支保工10の建て込みシステムS2の概略構成図である。図14に示す建て込みシステムS2は、モーションキャプチャシステムにおけるモーションキャプチャ用マーカー4の設置態様が実施形態1に係る建て込みシステムSと相違し、他の点については共通である。
実施形態2の建て込みシステムS2においては、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの中間部にモーションキャプチャ用マーカーを装着せず、各支保工10L,10Rにおける天端部及び下端部にそれぞれモーションキャプチャ用マーカー4A,4B,4D,4Eが取り付けられる。
また、実施形態2の建て込みシステムS2においては、エレクタ装置100における一対のハンド18L,18Rにそれぞれモーションキャプチャ用マーカー4が設けられている。一対のハンド18L,18Rにそれぞれ取り付けるモーションキャプチャ用マーカー4の数は特に限定されないが、図14に示す例では、それぞれに3つのモーションキャプチャ用マーカー4が設けられている。なお、一対のハンド18L,18Rにそれぞれ取り付けるモーションキャプチャ用マーカー4は、ハンド18L,18Rにおいて予め定められた定点に取り付けられるようになっている。また、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの建て込み時において、一対のハンド18L,18Rに左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rを把持した状態において、エレクタ装置100に設置されたモーションキャプチャ用カメラ5から、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R、一対のハンド18L,18Rにそれぞれ取り付けられたモーションキャプチャ用マーカー4が撮影範囲に含まれるように、モーションキャプチャ用カメラ5及びモーションキャプチャ用マーカー4の設置態様が調整されている。
本実施形態における建て込みシステムS2においては、各モーションキャプチャ用カメ
ラ5A〜5Cが撮影したモーションキャプチャ撮影画像に基づいて、一対のハンド18L,18Rにそれぞれ取り付けたモーションキャプチャ用マーカー4の3次元座標を求めることにより、一対のハンド18L,18Rの位置、角度を精度良く把握することができる。これにより、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rの建て込み時における連結作業や、設計位置への建て込み作業を円滑に行うことができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係るトンネル支保工10の建て込みシステムS3について説明する。図15は、実施形態3に係るトンネル支保工10の建て込みシステムS3の概略構成図である。ここでは、実施形態3に係る建て込みシステムS3と、実施形態1に係る建て込みシステムSとの相違点を中心に説明する。
実施形態3に係る建て込みシステムS3では、複数のモーションキャプチャ用カメラ5及びトータルステーション300によって測量するためのターゲット9がエレクタ装置100に設置されておらず、複数のモーションキャプチャ用カメラ5がトンネル内壁部に設置されている。例えば、トンネルTの新設区間より坑口側の既設区間において、二次吹付けコンクリート層6によって埋没されずに露出しているトンネル支保工10の内空側フランジ111c,112cに磁石等といった適宜の吸着部材を用いてモーションキャプチャ用カメラ5が設置されていても良い。モーションキャプチャ用カメラ5は、3次元座標が既知の地点に設置されても良い。また、図15に示す例では、各モーションキャプチャ用カメラ5にそれぞれターゲット9が設けられており、このターゲット9を事前にトータルステーション300によって測量しておくことで各モーションキャプチャ用カメラ5の3次元座標を取得することができる。
その他、トンネル支保工10(左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10R)の建て込み時における支保工モニタリング制御の概略については、実施形態1と同様である。なお、図15に示す例では、3台のモーションキャプチャ用カメラ5を用いているが、少なくとも2台のモーションキャプチャ用カメラ5を用いてモーションキャプチャ撮影画像を撮影することで、左側鋼製支保工10L及び右側鋼製支保工10Rに取り付けられているモーションキャプチャ用マーカー4の3次元座標を特定することができる。
また、上述した各実施形態では、トンネル支保工10を建て込む建て込み装置としてエレクタ装置100を例に説明したがこれには限定されず、トンネル支保工10を建て込むためのエレクタブームを備えたドリルジャンボやトンネルワークステーションによってトンネル支保工10の建て込みを行っても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明に係る鋼製支保工の建て込み方法はこれらに限られず、可能な限りこれらを組み合わせることができる。
1・・・トンネル支保構造
4・・・モーションキャプチャ用マーカー
5・・・モーションキャプチャ用カメラ
9・・・ターゲット
10・・・トンネル支保工
10L・・・左側鋼製支保工
10R・・・右側鋼製支保工
40・・・雌型連結部
46・・・雌型係止部材
50・・・雄型連結部
51・・・雄型係止部材
100・・・エレクタ装置
102・・・管理コンピュータ

Claims (8)

  1. トンネルの鋼製支保工を所定の設計位置に建て込む建て込み方法であって、
    3次元座標が既知又は測量機によって3次元座標が取得可能な複数のモーションキャプチャ用カメラによって前記鋼製支保工の予め定められた複数の定点に設置されたモーションキャプチャ用マーカーを撮影し、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて前記鋼製支保工を前記設計位置に建て込む、
    鋼製支保工の建て込み方法。
  2. 前記鋼製支保工を着脱自在に把持するハンドを有する建て込み装置を用いて、前記鋼製支保工の建て込みを行う、請求項1に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  3. 前記建て込み装置は、円弧状に分割された一対の鋼製支保工を着脱自在に把持する一対の前記ハンドを有し、
    前記モーションキャプチャ用マーカーは、前記一対の鋼製支保工の各々における少なくとも天端部と下端部に設置されており、
    前記一対のハンドの各々に前記一対の鋼製支保工の各々を把持した状態で前記一対の鋼製支保工の天端部に設けられた天端継手板同士を相互に連結することでアーチ状の鋼製支保工を形成する連結工程を有し、
    前記連結工程において、各モーションキャプチャ用カメラによって前記モーションキャプチャ用マーカーを撮影し、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて前記一対の鋼製支保工の前記天端継手板同士を当接させる、
    請求項2に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  4. 前記モーションキャプチャ用マーカーは、前記一対の鋼製支保工の各々における天端部と下端部の中間に位置する中間部に更に設置されている、請求項3に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  5. 前記モーションキャプチャ用マーカーは、更に、前記一対のハンドの各々に設置されている、請求項3又は4に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  6. 前記複数のモーションキャプチャ用カメラは、前記建て込み装置における予め定められた複数の定点に設置されている、請求項2から5の何れか一項に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  7. 前記建て込み装置における予め定められた定点に設置されているターゲットを3次元座標が既知の地点に設置された測量機によって自動追尾することで前記ターゲットの3次元座標を取得し、前記ターゲット及び各モーションキャプチャ用カメラの相対位置関係と、取得した前記ターゲットの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標を取得する、請求項6に記載の鋼製支保工の建て込み方法。
  8. トンネルの鋼製支保工を所定の設計位置に建て込む建て込みシステムであって、
    前記鋼製支保工を着脱自在に把持するハンドを有する建て込み装置と、
    前記鋼製支保工の予め定められた複数の定点に設置されたモーションキャプチャ用マーカーと、
    3次元座標が既知又は測量機によって3次元座標が取得可能な複数のモーションキャプ
    チャ用カメラと、
    前記ハンドを制御する管理コンピュータであって、各モーションキャプチャ用カメラによって取得した撮影画像及び各モーションキャプチャ用カメラの3次元座標に基づいて各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標を取得し、取得した各モーションキャプチャ用マーカーの3次元座標に基づいて前記鋼製支保工を前記設計位置に誘導する管理コンピュータと、
    を備える、鋼製支保工の建て込みシステム。
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