JP7328659B2 - 支保工建込装置およびこれを用いた支保工の建て込み方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル施工における支保工の建て込み作業に用いられる支保工建込装置およびこれを用いた支保工の建て込み方法に関する。
支保工の建て込み作業は切羽直下で行なわれるため、肌落ち(落盤)による被災が多く発生し、省人化、無人化が強く望まれている。
これに対し、トンネル施工における支保工の建て込み作業に用いられる技術として、例えば特許文献1記載の技術が提案され実施されている。同文献には、トータルステーションを用いて、左右一対の支保工に取り付けた3つのターゲットを測量しつつ、支保工を建て込む技術が開示されている。
特許第4559346号公報
しかし、同文献記載の技術では、左右一対の支保工に取り付けた3つのターゲットを要する。そのため、図5に示すように、連結前の、各支保工Sに対して設けた二つのターゲット(同図の例では、Mu,Ms)での測量であると、二つのターゲットMu,Msを結ぶ線CLを軸として各支保工Sが回転した場合には、各支保工Sの姿勢を検出する上で更なる改善の余地がある。
つまり、例えば、左右一対の支保工を連結する前の天端ボルト合わせ作業工程においては、連結前の各支保工の傾きを検出し難く、各支保工の姿勢がオペレータに分かり難いという問題がある。そのため、同文献記載の技術では、左右一対の支保工相互の天端ボルト合わせ作業や根足位置合わせ作業での位置調整の自動化を推進する上で未だ解決する課題が残されている。
また、オペレータがどのような作業順序で、支保工建込用作業車両の支保工エレクタのブームを動かしたかなどの操作情報は、別途に設置されたカメラによる映像などでアナログデータとして残すことはできたものの、デジタルデータとして操作情報が保存されていないのが現状であった。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、トンネル施工における支保工の建て込み作業を一層確実に且つ効率良く施工し得る支保工建込装置およびこれを用いた支保工の建て込み方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る支保工建込装置は、トンネル工事における左右一対の支保工を支保工建込用作業車両等の作業機を用いて施工する際に、支保工の建て込み作業に用いられる支保工建込装置であって、建て込み作業の操作部に設置されたモニタと、該モニタに支保工の建て込み作業に必要な情報を表示させるコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記作業機に設けられて左右それぞれの支保工を支持するための支保工エレクタの姿勢情報と、左右それぞれの支保工に付設された二点のターゲット情報とに基づいて、左右それぞれの支保工の姿勢情報を生成し、左右それぞれの支保工の姿勢情報を、イメージ図および/または数値として前記モニタに表示させるように構成されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る支保工の建て込み方法は、本発明の一態様に係る支保工建込装置を用いて支保工を建て込む方法であって、オペレータは、前記モニタに表示された前記イメージ図および/または前記数値を確認しつつ、前記支保工の天端ボルト合わせ作業および/または根足位置合わせ作業を行うことを特徴とする。
本発明によれば、一層確実に且つ効率良く支保工の建て込み作業が可能となる。
本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両の一実施形態の説明図((a)、平面図、(b)、側面図、(c)正面図)であり、同図は、トンネル支保工の建込み時の状態を示している。 作業車両の操作部を説明する図であり、同図(a)は操作部全体を正面から見た図、(b)は、(a)のモニタ部分の拡大図である。 図1に示す作業車両に装備された支保工エレクタと支保工エレクタに装備されたブームセンサとを説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両を用いたトンネル支保工の建込み時の施工状態のイメージを示す斜視図である。 天端ボルト合わせ前の各支保工を説明する斜視図であり、同図では、支保工に二点のターゲットが付設された状態を示している。 コントローラで実行される建て込み制御処理の説明図であり、同図(a)は、建て込み制御処理で用いられる座標系の説明図、(b)は、込み制御処理のフローチャートである。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。 本発明の一態様に係る支保工建込装置を備える作業車両による支保工の建て込み方法を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
まず、本実施形態の支保工建込装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の支保工建込装置100は、左右一対の支保工エレクタ10L、10Rを備える作業車両1に装備されたものである。作業車両1は、台車2の前後に車輪3、4を有し、車輪3、4の前後にはアウトリガ9がそれぞれ配備されている。
作業車両1は、車両前後の車輪3、4によってトンネル内を走行可能とされている。台車2の上部前方には、一対の支保工エレクタ10L、10Rの操作部6が設けられている。台車2の後部には、油圧装置の他、エンジン、電動モータおよびコンプレッサ等を含む駆動部7が搭載されている。
左右一対の支保工エレクタ10L、10Rは、本実施形態においては同一構造とされ、台車2の前方であって車両幅方向での中心線を挟んで対象に装備されている。なお、本実施形態の作業車両1は、台車2には、一対の支保工エレクタ10L、10Rに加え、例えば図4に示す吹付け機構8に加えまたはこれに替えて、バケット機構、削孔機構等が装備されていてもよい。また、車輪3、4に換えて、例えばクローラ機構等によって走行可能とされていてもよい。
操作部6には、図2にオペレータ側から見た図を示すように、操作テーブル63と、中央の操作パネル61とが設けられている。操作パネル61の左右には、各支保工エレクタ10L、10Rそれぞれに対応して、オペレータPの正面に位置するように、モニタ62が設けられている。
また、操作テーブル63上には、支保工建込み作業に必要な操作を行うための傾倒動作がなされる複数の操作レバー64が配置されている。操作パネル61の筐体内には、支保工の建て込みに必要な処理を実行するコントローラ(コンピュータ)65が配置されている。
各操作レバー64は、所定方向に傾倒操作をすることで、油圧パイロット方式の操作弁に操作量を指示可能に付設されている。これにより、オペレータPは、複数の操作レバー64を所定方向に傾倒操作し、各支保工エレクタ10L、10Rを所期の位置に誘導して、左右一対の支保工エレクタ10L、10Rを、予め入力されている建込位置や建込角度に合致させる建込操作が可能になっている。
次に、上記一対の支保工エレクタ10L、10Rの構成についてより詳しく説明する。なお、本明細書では、左右の支保工エレクタは同一構造なので、以下、特に区別しない場合には、代表符号を10とも表記する。同様に、クランプ機構については代表符号を30とも表記する。
各支保工エレクタ10は、図3に示すように、エレクタブーム13と、エレクタブーム13の先端に装備されたエレクタ本体28と、を備える。エレクタブーム13は、基端部11aが、エレクタベース82に支持されたアウターブーム11と、アウターブーム11に対して伸縮可能な入れ子状のインナーブーム12と、を有する。
アウターブーム11の基端部11aは、エレクタベース82の前面に、起伏及び旋回可能に支持されている。エレクタベース82は、上記台車2の前部に固定される。アウターブーム11の起伏動作は、ブーム起伏シリンダ16の伸縮によって行われる。
また、アウターブーム11の旋回動作は、各アウターブーム11の基端部左右に設けられた一対のブーム旋回シリンダ15の伸縮によって行われる。インナーブーム12は、アウターブーム11の先端開口からアウターブーム11内に挿入され、ブーム伸縮シリンダ17の伸縮によって軸方向に伸縮可能になっている。
エレクタ本体28は、クランプ機構30、スライド機構40及び姿勢調整機構50を有する。スライド機構40は、クランプ機構30の部分を、図4に示す切羽Kの前面側との対向方向にスライド移動可能に支持するものであり、クランプ機構30とエレクタブーム13との間に機能的に介装されている。
本実施形態では、姿勢調整機構50とクランプ機構30との間に装備され、不図示のスライドシリンダの伸縮により、軸方向に沿ってスライダ26がスライド移動可能に構成されている。
スライダ26の上面には、クランプ機構30が姿勢傾動シリンダ21の伸縮により傾動可能に支持されている。クランプ機構30は、支持ブラケット26の先端に傾動可能に支持された把持部本体31を有する。把持部本体31は、中央に設けられた把持シリンダの伸縮駆動により、対向する二つの把持爪を開閉させることで、弓状の支保工Sを把持可能になっている。
エレクタ本体28の各可動部分には、その作動量を検出する検出器としてセンサがそれぞれ設置されており、本実施形態では、基部回動角θ1、基部起伏角θ2、アーム起伏角θ3、アーム回動角θ4、アームロータリ角θ5、ブームスライド長L1、アームスライド長L2が作業機側の支保工エレクタ10の姿勢情報としてそれぞれ検出可能になっている。
作業車両1において、左右一対の支保工エレクタ10は、図3に示すように、エレクタベース82の回転中心線上にある基準点Jに対するエレクタ本体28先端の把持部本体31の位置を、支保工エレクタ10の姿勢情報である、各検出値(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,L1,L2)の関数として、また、作業車両1の基準方向に対するエレクタ本体28の方向が、検出値(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5)の関数として、上記コントローラ65で演算してそれぞれ求めることができるように構成されている。
さらに、図4に斜視図を示すように、台車2の後部には、互いに所定距離を隔てて、3個の位置検出用のプリズムP1、P2、P3が配置されている。各プリズムP1、P2、P3には、開閉されるシャッタが付設されている。
そして、トンネルTには、作業車両1の台車2の後方に、自動追尾式測量機90が設置される。自動追尾式測量機90は、鉛直方向と水平方向に回転可能な、赤外線を利用した追尾機構と、送信機と、を備えており、3個の位置検出用のプリズムP1、P2、P3のシャッタを順次に開閉する。
これにより、自動追尾式測量機90は、開となったプリズムP1、P2、P3を自動的に追尾して正確に視準し、距離測定および三次元座標測定ができるように構成されている。自動追尾式測量機90によって測定されたデータは、送信機から台車2上の受信機に送信され、受信機から操作部6のコントローラ65に入力される。
コントローラ65は、台車2上に互いに所定距離を隔てて配置された3個の位置検出用のプリズムP1、P2、P3の各三次元座標(x1,y1,z1)、(x2,y2,z2)、(x3,y3,z3)が測定されると、その測定データからトンネルTに対する台車2の位置と姿勢を特定する。
これにより、コントローラ65は、トンネルT内の作業車両1の基準点Jの位置及び基準点Jに対するエレクタ本体28先端の把持部本体31の位置、並びに、トンネル計画線に対する作業車両1の基準方向のずれを演算可能である。この演算を行う演算手段として、コントローラ65に用いられるコンピュータには、基準位置および姿勢演算用プログラムが常駐している。
ここで、図1に示す支保工Sを構成する左右の支保工SL,SRは、図5に斜視図を示すように、左右対称な円弧状の鋼製部材であり、各支保工SL,SRは、アーチ状の本体部の上端に天端継手板Suを有し、本体部の下端に底板Ssを有する。天端ボルト合わせ作業では、左右の支保工SL,SR相互の天端継手板Su、Suを、切羽Kの上部中央の位置で連結した状態で組み立ててアーチ形の支保工Sとする。
その際、各支保工SL,SRは、アーチの両端に近い左右の2箇所をターゲットポイントとするために、支保工SL,SRの内周面に、その2箇所に相当する位置にターゲットポイントとなる印が予めペンキ等で標示され、これら2箇所のターゲットポイントを目印として、作業者が二つのターゲットMu、Msを支保工Sの内周面に着脱自在に取り付けるようになっている。
詳しくは、二つのターゲットMu、Msとしては、ホルダの基端部に磁石を備え、ホルダ先端にプリズムを取り付けた共通のものを使用する。従って、各ターゲットMu、Msは、鋼製の支保工Sの内周面に対して磁石の磁力により着脱自在であり、各支保工SL,SRに対する設置高さは一定となる。
建て込み作業を行う場合には、作業車両1の台車2を施工対象となるトンネル切羽付近に設置した後に、自動追尾式測量機90で3個のプリズムP1、P2、P3を順次に自動追尾し、各プリズムP1、P2、P3の位置を測定するとともに、各支保工SL,SRの2箇所のターゲットMu、Msを順次に自動追尾して各ターゲットMu、Msの位置を測定する。
コントローラ65は、3個のプリズムP1、P2、P3の位置が測定されると、その測定データに基づいて、基準演算用プログラムを実行し、トンネル覆工面に対する作業車両1の基準点Jの位置と、トンネル計画線に対する作業車両1の基準方向のずれとを求め、得られた基準点Jの位置及び基準方向のずれのデータは、コントローラ65の建て込み制御プログラムに初期値として設定される。
同時に、自動追尾式測量機90で各支保工SL,SRの2箇所のターゲットMu、Msの位置が測定されると、コントローラ65は、その測定データと、上述した、基準点Jに対するエレクタ本体28先端の把持部本体31の位置と、に基づいて、各支保工SL,SRの鉛直、水平、前後方向の角度を左右それぞれの支保工SL,SRの姿勢情報として演算し、また、各支保工SL,SRの現在の姿勢情報に対する計画された建込位置とのずれ量を演算する。
建て込み作業を開始すると、コントローラ65により、作業前に計測されたトンネル断面データ中の施工対象区域のデータが、予め設定された基準点Jの位置及び基準方向のずれのデータに基づいて、トンネル断面データから各建て込み位置での各支保工SL,SRの最適建て込み量が求められて、各支保工SL,SRの建て込み作業が制御される。このとき、コントローラ65は、左右それぞれの支保工Sの姿勢情報を、イメージ図および/または数値としてモニタ62に表示させるようになっている。
また、支保工建込装置100は、作業車両1の支保工エレクタ10の作動順序、作動時間、制御値などの操作情報を記憶する記録装置(操作情報記憶部)を備え、記録装置は、これら操作情報をコントローラ65との間で授受可能に構成されている。これにより、各支保工エレクタ10L,10Rの随時の動きは、各ブームセンサから取得したセンサ情報としてコントローラ65ないし他の情報処理機器によって随時に呼び出し可能な状態で記録装置内に保存可能になっている。
特に、本実施形態の支保工建込装置100での建て込み制御処理のプログラムは、3種の座標系と、図3に示したエレクタ10の姿勢とを定義し、各測定値に基づく数値を合成して所望の建て込み情報に変換する。
本実施形態の支保工建込装置100では、3種の座標系として、図6(a)に示すように、エレクタ座標系Σ、絶対座標系Σ、および、トンネル座標系Σを定義している。
トンネル座標系Σは、トンネル内での支保工Sの建込作業および建込状態の評価を行う座標系である。トンネル座標系Σでは、原点Oを路線の基点に置き、トンネル進行方向をX軸、X軸との直交方向をY軸、鉛直方向をZ軸として設定する。トンネル座標系Σでは、路線にカーブが存在する場合であっても、任意の切羽Kにおける路線の接線の方向をX軸方向と考える。
本実施形態の支保工建込装置100では、誘導が開始されると、図6(b)に示すように、トンネル座標系Σ上のYZ平面に仮想切羽面と呼ぶ基準平面を設定するように切羽距離Dが入力され、建込位置の基準を実切羽面ではなく仮想切羽面として管理する(図6(b)のS1)。
エレクタ座標系Σは、エレクタ内における系であり、エレクタ本体上の原点Oより基準方向を前方のX軸とし、X軸に直交するY軸、X軸およびY軸と直交するZ軸により設定する。
支保工エレクタ10を備える作業車両1の後方には、上述した、プリズムP1、P2、P3が3箇所に取り付けられ、エレクタ座標系ΣJ内におけるP1、P2、P3および、図3に示したθ1回転中心JをZ軸とするΣθ1の原点Oθ1の座標値を定数として支保工建込装置100のシステムに記憶させておく(図6(b)のS3)。エレクタ座標系Σ内における検出要素毎の各座標は、事前測量による部材長、オフセット長を考慮して相対把持位置と姿勢情報を算出する。
エレクタ座標系Σ内におけるエレクタブームの姿勢は、図3に示すように、回転部と伸縮部の要素をそれぞれθおよびL、Hとすると、回転部はθ1:ブームスイング(BS)、θ2:ブームチルト(BT)、θ3:ガイドチルト(GT)、θ4:ガイドスイング(GS)、θ5:ガイドロータリ(GR)、の5箇所で、伸縮部はL1:ブームスライド(BSL)、L2:ガイドスライド(GSL)、H:フィードの3箇所である。よって建込時のブームの持つ自由度を、5θ+3L、Hにて表すことができる。
本実施形態の支保工建込装置100では、エレクタ10のブーム可動部に、回転角を検出する回転角計(θ1、θ4、θ5、θ6)、傾斜角を検出する傾斜計(θ2、θ3)、シリンダ油量に応じて3L、Hの各スライド量を検出するギアメータ(d1、d2、d3)を装備し、各部材の寸法からブーム全体をモデル化し、θ1軸からの相対把持位置および姿勢情報を算出する(図6(b)のS5)。
絶対座標系Σは、建込工事の際の測量を行う座標系である。
絶対座標系Σは、原点Oを各公共基準点に置き、南北をX軸、東西をY軸、鉛直方向をZ軸として設定する。絶対座標系Σ内では、各支保工SL,SRのターゲットMu、Msの測量が行われる(図6(b)のS6)。エレクタ10を切羽Kにセットしたのち、各プリズムターゲットMu、Msの絶対座標系Σ内での座標値を後方の自動追尾式測量機90から測量する。エレクタ座標系Σを絶対座標系Σに移す変換行列を介することにより、エレクタ座標系Σから絶対座標系Σへの変換を一義的に定めることができる。
左右の支保工SL,SRを正確な建込位置、建込姿勢に支持して高効率の建て込み作業を行うためには、左右それぞれの支保工SL,SRに付設された二点のターゲット情報(図6(b)のS6)と、各支保工エレクタ10L、10Rの各種センサから取得された作業機側の支保工エレクタの姿勢情報(図6(b)のS5)とを合成し(図6(b)のS4)、左右それぞれの支保工SL,SRのトンネル断面内での姿勢情報を生成し、左右それぞれの支保工SL,SRのトンネル断面内での姿勢情報を、イメージ図および/または数値として、図2に示すモニタ62に表示させる(図6(b)のS7)。
これにより、オペレータは、図2(b)に示すようなモニタ62を見て、支保工姿勢のガイダンス表示を確認しつつ、所期の建て込み作業を行うことができる。建て込み作業の実績は、コントローラ65のROM,RAM等の記憶部に記憶される(図6(b)のS8)。
次に、上述した支保工建込装置100を備える作業車両1の動作および作用効果について説明する。
支保工建込み作業を行うにあたっては、まず、台車2を走行させて、図4に示すように、作業車両1を切羽近傍の所期位置に配置する。次いで、台車2前後のアウトリガ9を伸張して作業車両1の姿勢を安定させる。次いで、吹付け機構8により、コンクリート等の一次吹付けを行う。
次いで、左右の支保工エレクタ10L,10Rのエレクタブーム13と姿勢調整機構50とを用いて一対の支保工SL,SRを切羽Kに沿って所期のアーチ姿勢に配置する。各支保工エレクタ10L,10Rの基準点Jの位置および基準方向のずれを求めるための操作は、自動追尾式測量機90で3個のプリズムP1、P2、P3の位置を測定させるだけなので極めて容易であり、建て込み準備作業の時間を短縮して、作業能率を向上させることができる。
次いで、左右の支保工エレクタ10L,10Rにより一対の支保工SL,SRを所定のアーチ姿勢に配置したら、例えばバケット機構を前方に展開してそのリフトデッキ上にて作業員が一対の支保工SL,SR相互を連結する天端ボルト合わせ作業や、切羽Kに対する根足位置合わせを行う仮固定等の建込み作業を行う。
このようにして、支保工Sの建込み作業が終了したら、必要により支保工エレクタ10及びバケット機構を後方へ移動後に、吹付け機構を使用してコンクリート等の二次吹付けを行う。
特に、本実施形態の支保工建込装置100は、図5に示した、左右それぞれの支保工SL,SRの回転、傾き等の姿勢情報を、左右それぞれの支保工SL,SRに付設された二点のターゲットMu、Msから取得したターゲット情報と、図3に示した左右の支保工エレクタ10L,10Rのブームセンサの各検出値(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,L1,L2、H)による支保工エレクタ10L,10Rの姿勢情報と、に基づいてコントローラ65が算出することができる。また、これにより算出された随時の左右それぞれの支保工SL,SRの姿勢情報は、コントローラ65のROM,RAM等の記憶部に記憶される。
さらに、コントローラ65は、図3に示すモニタ62に、左右それぞれの支保工SL,SRの位置のイメージ図と左右の支保工SL,SRの設置角度値を表示させる(同図(b)参照)。本実施形態の例では、左右それぞれの支保工SL,SRの姿勢情報は、同図(b)の例では、左右それぞれの支保工SL,SRの鉛直、水平、前後方向の角度およびずれ量として示される。
オペレータPは、モニタ62に表示されたイメージ図および/または数値を確認しつつ、左右の支保工SL,SRの天端ボルト合わせ作業および/または根足位置合わせ作業を行う。オペレータPがブーム操作レバー64を操作すると、その操作量に応じて、各支保工エレクタ10L,10Rが作動する。各支保工エレクタ10L,10Rの動きに連動して、対応するモニタ62に表示された、左右それぞれの支保工SL,SRのイメージ画像の角度が変化する。
これにより、オペレータPは、モニタ62に表示されたイメージ図および/または数値を確認しつつ、各支保工エレクタ10L,10Rの操作により、左右それぞれの支保工SL,SRの姿勢を修正して、天端ボルト合わせおよび/または根足位置合わせを精度良く且つ迅速に行うことができる。したがって、基準設置位置に合わせた左右一対の支保工SL,SRの建て込み作業を効率良く行うことができる。
また、支保工建込装置100は、作業車両1の各支保工エレクタ10L,10Rの作動順序、作動時間、制御値などの操作情報を記憶してコントローラ65との間で授受可能に構成された記録装置(操作情報記憶部)を備えるので、各支保工エレクタ10L,10Rの随時の動きは、各ブームセンサから取得したセンサ情報としてコントローラ65ないし他の情報処理装置に利用化可能な状態で記録装置内に保存される。そのため、支保工Sの施工後の作業分析、作業改善、安全、管理に有効なデータとして活用できる。
また、実作業の支保工建て込みデータ記録は、自動化技術につながる発展性もある。このように、本実施形態に係る支保工建込装置100を装備した作業車両1を使用して安全に確実に施工でき、その後、施工管理にも生かすことができる。
以下、本発明の一態様に係る支保工建込装置100を備える作業車両1を用いた、先行一次吹付け工程、先行建込工程、天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程並びに後行建込工程の具体例について詳しく説明する。
なお、上記の例では、バケット機構を前方に展開してそのリフトデッキ上にて作業員が一対の支保工SL,SR相互を連結する天端ボルト合わせ作業や、切羽Kに対する根足位置合わせを行う仮固定等の建込み作業を行う例を示したが、ここでの具体例は、一対の支保工SL,SR相互の天端連結部に、ワンタッチ接手を採用することによって、作業員によるリフト作業を不要とした例について説明する。
まず、先行一次吹付け工程について説明する。
図7は、作業車両1の支保工エレクタ10を配置する工程が完了した直後におけるトンネルTの新設区間において、トンネル軸方向から切羽Kを眺めた状態を示している。同図中の符号WRは、トンネルTの上半部における地山Bの右側半分(右上半部)のトンネル坑壁面(以下、「右壁面」という)である。また、符号WLは、トンネル上半部における左側半分(左上半部)のトンネル坑壁面(以下、「左壁面」という)である。
本実施形態では、右壁面WRに沿って支保工右SRが建て込まれ、左壁面WLに沿って支保工左SLが建て込まれる。ここでは、右壁面WRを第一トンネル坑壁面とし、左壁面WLを第二トンネル坑壁面として、まず右壁面WRに対し、左壁面WLに先行して一次吹付けコンクリートを吹付ける例を説明する。
図8は、右壁面WRへの一次吹付けコンクリートの吹付けが完了した状況を示している。すなわち、同図に示す状態において、右壁面WRにだけ一次吹付けコンクリート層C1が形成され、先行一次吹付け工程が完了している。なお、上記の通り、右壁面WRへの一次吹付けコンクリートの吹付けは、吹付け機構8における、吹付けロボットの吹付けノズル8nからコンクリートを吐出させることで行われる。
図9は、先行建込工程を説明する図である。
先行建込工程では、一次吹付けコンクリートを吹付けた右壁面WRに沿って、第一上半鋼製支保工としての支保工右SRを、第一ハンドとしての右側のクランプ機構30Rに把持した状態で所定の第一建て込み位置に位置合わせすると共に、支保工右SRを第一建て込み位置に位置決め保持する先行支保工建込作業を行う。
更に、この先行建込工程においては、図7で説明した先行一次吹付け工程において、一次吹付けコンクリートを吹付けていない方の左壁面WL(すなわち、上半部における右壁面WRと反対側に位置する左壁面WL)に対して一次吹付けコンクリートを吹付ける後行一次吹付け作業を、先行支保工建て込み作業と併行して行う。
図9には、右壁面WRに沿った第一建て込み位置に支保工右SRを位置合わせしつつ、吹付け機構8の吹付けノズル8nによる左壁面WLへの一次吹付けコンクリートの吹付け作業(後行一次吹付け作業)を同時併行で行っている状況を概略的に示している。なお、支保工右SRの第一建て込み位置への位置合わせは、支保工右SRを把持する右側のクランプ機構30Rを駆動することで行われる。
図10は、左壁面WLに対する一次吹付けコンクリートの吹付け作業(後行一次吹付け作業)と、支保工右SRの第一建て込み位置への位置合わせ及び保持を行う先行支保工建て込み作業が完了した状態、すなわち、先行建込工程が完了した状態を示す。
同図に示す状態において、左壁面WLにも一次吹付けコンクリート層C1が形成され、且つ、支保工右SRは、右側のクランプ機構30Rに保持されることで、第一建て込み位置に位置決めされている。
なお、図9及び図10で説明した先行支保工建て込み作業において、エレクタコントローラ65は、自動追尾式測量機90のコントローラを介して自動追尾式測量機90を無線遠隔操作し、支保工右SRに取り付けた各ターゲットMu、Msを自動追尾して、各ターゲットMu、Msの座標を順次に自動測量する。
ここで、自動追尾式測量機90は、座標既知地点(x,y,z)に設置されている。このように座標既知地点に設置された自動追尾式測量機90からレーザ光を照射して各ターゲットMu、Msを視準して測距・測角を行うことで、各ターゲットMu、Msの位置座標を求めることができる。
そして、各ターゲットMu、Msの位置座標を含む測量データは、自動追尾式測量機90のコントローラ側からエレクタコントローラ65へと順次無線送信される。エレクタコントローラ65は、自動追尾式測量機90から取得した各ターゲットMu、Msの測量データに基づいて、支保工右SRを所定の第一建て込み位置へと誘導するための右側のクランプ機構30Rの駆動量を算出する。
なお、エレクタコントローラ65が算出した右側のクランプ機構30Rの移動量は、モニタ62に表示される。本実施形態における自動追尾式測量機90は、各ターゲットMu、Msを自動追尾して視準できる。
従って、右側のクランプ機構30Rの駆動によって支保工右SRを第一建て込み位置に位置合わせするために必要な右側のクランプ機構30Rの移動量は、モニタ62にリアルタイムで表示できる。これにより、オペレータPは、モニタ62を見ながら操作テーブル63の機器を順次に操作することで、支保工右SRの根足位置合わせを含む第一建て込み位置に、支保工右SRを簡単に誘導できる。
次に、図11を参照して、天端連結(天端ボルト合わせ)作業工程及び吹付け併行作業工程について説明する。
天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程の支保工連結作業においては、第二上半鋼製支保工としての支保工左SLを、第二ハンドとしての左側のクランプ機構30Lによって把持した状態で左側のクランプ機構30Lを駆動させ、これにより、支保工左SLの第一天端継手板Suを、第一建て込み位置に保持されている支保工右SRの第二天端継手板Suに突き合わせ、一対の天端板Su、Suを相互に連結する。
図12は、左側のクランプ機構30Lを駆動して、支保工右SRの第二天端継手板Suに支保工左SLの第一天端継手板Suを接近させている状況を示している。
また、本実施形態の天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程においては、第一建て込み位置に保持されている支保工右SR、及び、右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業と、支保工左SLにおける第一天端継手板Su、及び、支保工右SRにおける第二天端継手板Suの連結作業(支保工連結作業)と、を同時併行して行う。
支保工右SR及び右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付けは、例えば、支保工右SRの脚部Sdから行い、順次に上方へ向けて二次吹付けコンクリートを吹付けてもよい。その際、支保工右SRの脚部Sdに設置されたターゲットMsを取り外した状態で、脚部Sdへの二次吹付けコンクリートの吹付けを行う。
なお、支保工連結工程においても、自動追尾式測量機90を無線遠隔操作し、各ターゲットMu、Msを自動追尾して、これらの座標を順次自動測量する。具体的には、自動追尾式測量機90からレーザ光を照射して各ターゲットMu、Msを視準して測距・測角を行うことで、各ターゲットMu、Msの位置座標を求める。
エレクタコントローラ65は、自動追尾式測量機90から取得した各ターゲットMu、Msの測量データに基づいて、左側のクランプ機構30Lを相対移動させるためのそれぞれの駆動量を設定し、支保工左SLの第一天端継手板Su及び支保工右SRの第二天端継手板Suが当接するように左側のクランプ機構30Lを駆動する。
ここで、上述したように、本実施形態における左右の支保工SL、SRの天端継手板Su、Su相互の連結構造は、支保工建込装置100のハンド操作によってワンタッチで連結されるワンタッチ継手として機能するように構成されている。
これによれば、従来のように、切羽近傍に組まれた作業足場や支保工建込装置のマンケージ等に人員を配置してトンネル天端付近まで人員を移動させ、一対の鋼製支保工の天端に位置する継手板同士をボルトとナットによって締結するといった切羽付近での人手作業を行う必要がない。そのため、従来よりも安全性や施工性を向上させることができる。
更に、本実施形態の天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程においては、第一建て込み位置に保持されている支保工右SR及び右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業を、支保工左SLにおける第一天端継手板Su及び支保工右SRにおける第二天端継手板Suの支保工連結作業と同時併行して行う。
そのため、支保工左SL及び支保工右SRの連結が完了した時点で、支保工右SR及び右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業の全部、或いは一部を残して完了した状態となっている。
なお、支保工右SR及び右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付け時において、支保工右SRを把持する右側のクランプ機構30Rや、上部のターゲットMuにコンクリートが掛らないようにする。これらの箇所については、右側のクランプ機構30Rによる支保工右SRの把持を解除した後、ターゲットMuを支保工右SRから取り外した後に二次吹付けコンクリートを吹付ければよい。
また、本実施形態においては、上記のように、支保工右SRの脚部Sd側から二次吹付けコンクリートの吹付けを行う。そのため、脚部Sd側に吹付けた二次吹付けコンクリートが凝結硬化後は、支保工連結作業の途中で支保工右SRを把持する右側のクランプ機構30Rの把持を解除してもよい。
図12は、天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程が完了した状態を示している。同図において、トンネルの新設区間における右上半部には、二次吹付けコンクリート層C2が形成されている。天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程が完了すると、次に、後行建込工程が行われる。
後行建込工程においては、左側のクランプ機構30Lを駆動させて、左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に沿って支保工左SL(第二上半鋼製支保工)を、支保工左SLの根足位置合わせを含む所定の第二建て込み位置に位置合わせすると共に、支保工左SLを第二建て込み位置に位置決め保持する。なお、後行建込工程を行う際に、左側のクランプ機構30Lが支保工左SLを把持する位置を変更してもよい。
具体的には、自動追尾式測量機90を無線遠隔操作し、支保工左SRに取り付けた各ターゲットMu、Msを自動追尾して、各ターゲットMu、Msの座標を順次自動測量する。そして、エレクタコントローラ65は、自動追尾式測量機90から取得した各ターゲットMu、Msの測量データに基づいて、支保工左SLを所定の第二建て込み位置へと誘導するための左側のクランプ機構30Lの駆動量を算出する。
なお、エレクタコントローラ65が算出した左側のクランプ機構30Lの移動量は、モニタ62に表示される。オペレータPは、モニタ62を見ながら操作テーブル63を順次に操作することで、支保工左SLを簡単に第二建て込み位置へと誘導できる。
また、支保工左SL及び支保工右SRの連結が完了した時点で、支保工左SLは、既に第二建て込み位置の近傍に位置している。そのため、後行建込工程における支保工左SLの移動量を少なくすることができる。
そして、後行建込工程が完了すると、図13に示すように、左側のクランプ機構30Lによって支保工左SLを第二建て込み位置に位置決め保持した状態で、支保工左SL及び左壁面WLに二次吹付けコンクリートを吹付ける。
支保工左SL及び左壁面WLへの二次吹付けコンクリートの吹付けは、吹付け機構8における吹付けノズル8nからコンクリートを吐出させることによって行われ、例えば、支保工左SLの脚部Sdから行い、順次に上方へ向けて二次吹付けコンクリートを吹付けてもよい。
また、支保工左SL及び左壁面WLへの二次吹付けコンクリートの吹付けは、支保工左SLに設置されたターゲットMu、Msを取り外した状態で行われる。また、支保工左SL及び左壁面WLへの二次吹付けコンクリートの吹付け時において、支保工左SLの脚部Sdに先行して吹付けたコンクリートが凝結硬化した後は、支保工左SLを把持している左側のクランプ機構30Lの把持を解除してもよい。
図14は、支保工左SL及び左壁面WLへの二次吹付けコンクリートの吹付けが完了し、新設区間における左上半部に二次吹付けコンクリート層C2が形成された状態となっている。以上の工程により、同図に示すように、新設区間に対するアーチ状のトンネル支保工Sの建て込み、及び上半部におけるトンネル坑壁面への二次吹付けコンクリート層C2の構築が完了する。
その後は、必要に応じてロックボルトを二次吹付けコンクリート層C2及び一次吹付けコンクリート層C1を貫通させて地山Bに打設することで、トンネルTにおける支保構造の構築の1サイクル分が完了する。
以上、具体例を示したように、本実施形態における支保工の建て込み方法によれば、先行一次吹付け工程において、左右片側の上半部に対応する右壁面WR(第一トンネル坑壁面)に対して一次吹付けコンクリートを吹付けておき、その後の先行建込工程において、右壁面WRに沿って支保工右SR(第一上半鋼製支保工)を右側のクランプ機構30R(第一ハンド)に把持した状態で、所定の第一建て込み位置に位置合わせする。
さらに、支保工右SRを第一建て込み位置に位置決め保持する先行支保工建て込み作業と、先行一次吹付け工程において一次吹付けコンクリートを吹付けていない方の左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対して一次吹付けコンクリートを吹付ける後行一次吹付け作業と、を併行して同時に行うようにしたので、施工時間の短縮化を実現できる。
例えば、左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対して一次吹付けコンクリートを吹付けている間に、第一建て込み位置への支保工右SRの建て込みを完了させることで、後行する左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対する一次吹付けコンクリートの吹付け作業と別枠で支保工右SRを建て込むためだけに時間を費やす必要がなくなる。それゆえ、支保工右SRの建て込み作業に要する時間を実質的にゼロにできる。
あるいは、支保工右SRを第一建て込み位置に建て込んでいる間に左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対する一次吹付けコンクリートの吹付けを完了させることで、支保工右SRの建て込み作業と別枠で左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対して一次吹付けコンクリートを吹付けるためだけに時間を費やす必要がなくなる。それゆえ、左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対する一次吹付けコンクリートの吹付け作業に要する時間を実質的にゼロにできる。
更に、本実施形態の天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程においては、第一建て込み位置に保持されている支保工右SR(第一上半鋼製支保工)及び右壁面WR(第一トンネル坑壁面)に対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業を、支保工右SR及び支保工左SL相互の対向する天端継手板Su,Su同士の連結作業と併行して同時に行うようにしたので、施工時間の短縮化を実現できる。
例えば、支保工右SR及び右壁面WR(第一トンネル坑壁面)に対して二次吹付けコンクリートを吹付けている間に、支保工右SR及び支保工左SLの連結作業を完了させることで、上記二次吹付けコンクリートの吹付け作業と別枠で支保工右SR及び支保工左SLを連結するためだけに時間を費やす必要がなくなる。それゆえ、支保工右SR及び支保工左SLの連結作業に要する時間を実質的にゼロにできる。
あるいは、支保工右SR及び支保工左SLの連結作業を行っている間に、支保工右SR及び右壁面WRに対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業を完了させることで、上記連結作業と別枠で支保工右SR及び右壁面WRに二次吹付けコンクリートを吹付けるためだけに時間を費やす必要がなくなる。それゆえ、上記二次吹付けコンクリートの吹付け作業に要する時間を実質的にゼロにできる。
また、上記具体例に示した、本実施形態における支保工の建て込み方法によれば、支保工建込装置100を操作するオペレータPと、吹付け機構8を操作するオペレータP、すなわち、実質的に二人のオペレータPだけでトンネル支保構造を構築するための作業を行うことができる。従って、従来に比べて少ない作業員でトンネルを構築できる。
また、上記具体例に示した、本実施形態における支保工の建て込み方法によれば、作業車両1に搭載した支保工建込装置100の一対のクランプ機構30L,30Rに支保工左SL及び支保工右SRを把持した状態で、二次吹付けコンクリートの吹付け作業を行う。
そのため、新設した支保工右SR及び支保工左SLを既設の支保工右SR及び支保工左SLに対してつなぎ材を介して連結する作業を省略できる。これによれば、切羽Kの近傍に組まれた作業足場や支保工建込装置のマンケージ等に人員を配置して、つなぎ材の設置作業を行う必要がない。そのため、従来よりもトンネルを構築する際の安全性や施工性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態の支保工建込装置100およびこれを用いた支保工の建て込み方法によれば、従来では把握できなかった左右の支保工の傾き、ねじれを正確に検出し、また作業者が把握することができる。そのため、従来よりもトンネルを構築する際の安全性や施工性を向上させることができる。特に、支保工建込み作業の、天端ボルト合わせ作業および/または根足位置合わせ作業を行う段階での左右の支保工の位置決め操作をより確実に且つ迅速に行うことができる。
そのため、トンネル施工における支保工の建て込み作業を一層確実に且つ効率良く施工でき、作業効率の向上およびコストダウンを図ることができる。なお、本発明に係るトンネル用支保工建込装置およびこれを用いた支保工の建て込み方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
例えば、本実施形態においては、先行一次吹付け工程において右壁面WR(第一トンネル坑壁面)に対して一次吹付けコンクリートを吹付けておき、その後の先行建込工程において、支保工右SR(第一上半鋼製支保工)の先行支保工建て込み作業と、左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対する後行一次吹付け作業とを併行して行うようにしたが、これに限定されない。
例えば、先行一次吹付け工程において右壁面WR(第一トンネル坑壁面)及び左壁面WL(第二トンネル坑壁面)に対する一次吹付けコンクリートの吹付けを一斉に行ってもよい。
このような場合においても、天端連結作業工程及び吹付け併行作業工程において、第一建て込み位置に保持されている支保工右SR(第一上半鋼製支保工)及び右壁面WR(第一トンネル坑壁面)に対する二次吹付けコンクリートの吹付け作業と、支保工右SR及び支保工左SLを連結する支保工連結作業を併行して行うことで、従来に比べて支保構造を構築するための施工時間の短縮化を実現できる。
1 作業車両(作業機)
2 台車
3、4 車輪
6 操作部
7 駆動部
9 アウトリガ
10L、10R 支保工エレクタ
11 アウターブーム
11a 基端部
12 インナーブーム
12b 先端部
13 エレクタブーム
15 ブーム旋回シリンダ
16 ブーム起伏シリンダ
17 ブーム伸縮シリンダ
19 姿勢上下動シリンダ
20 姿勢水平動シリンダ
21 姿勢傾動シリンダ
22 スライドシリンダ
23 ガイドマウント
25 エレクタブーム
25g スライドガイド部
26 スライダ
26b 支持ブラケット
28 エレクタ本体
30L、30R クランプ機構
31 把持部本体
32 把持シリンダ
40 スライド機構
50 姿勢調整機構
61 操作パネル
62 モニタ
63 操作テーブル
64 操作レバー
65 コントローラ
90 自動追尾式測量機(トータルステーション)
100 支保工建込装置
B 地山
C1 一次吹付けコンクリート層
C2 二次吹付けコンクリート層
T トンネル
K 切羽
S 支保工
Mu、Ms 支保工のターゲット
P1、P2、P3 プリズム

Claims (3)

  1. トンネル工事における左右一対の支保工を支保工建込用作業車両等の作業機を用いて施工する際に、支保工の建て込み作業に用いられる支保工建込装置であって、
    建て込み作業を行うための操作部に設置されたモニタと、該モニタに支保工の建て込み作業に必要な情報を表示させるコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、前記作業機に設けられて左右それぞれの支保工を支持するための支保工エレクタにおける各可動部の作動量を検出する複数のセンサから取得された姿勢情報と、前記支保工エレクタに支持されているときの左右それぞれの支保工に付設された二点のターゲット情報とに基づいて、左右それぞれの支保工全体三次元空間での姿勢情報を生成し、左右それぞれの支保工全体の姿勢情報を、イメージ図および/または数値として前記モニタに表示させるように構成されていることを特徴とする支保工建込装置。
  2. 前記支保工エレクタの作動順序、作動時間または制御値などの操作情報を前記コントローラとの間で授受する操作情報記憶部を更に備える請求項1に記載の支保工建込装置。
  3. 請求項1または2に記載の支保工建込装置を用いて支保工を建て込む方法であって、
    オペレータは、前記モニタに表示された前記イメージ図および/または前記数値を確認しつつ、前記支保工の天端ボルト合わせ作業および/または根足位置合わせ作業を行うことを特徴とする支保工の建て込み方法。
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