JP2019173203A - インクジェット記録体用支持体及びそれを用いたインクジェット記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が少ないインクジェット記録体用支持体、及び該支持体にインク受容層を設けることによって得られる、環境負荷が少なく、優れた発色性と画質を有するインクジェット記録体の提供。【解決手段】基紙と、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有し、該顔料成分のレーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmであり、該接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有し、該顔料成分の絶乾100質量部に対する該合成樹脂ラテックスの配合量が絶乾で8〜20質量部であることを特徴とするインクジェット記録体用支持体、及び、前記インクジェット記録体用支持体の塗工層上に、インク受容層を有するインクジェット記録体。【選択図】なし

Description

本発明は、インク受容層を有するインクジェット記録体に用いられるインクジェット記録体用支持体、及び、該インクジェット記録体用支持体にインク受容層を設けることによって得られるインクジェット記録体に関し、特に、環境負荷が少ない該インクジェット記録体用支持体に親水性樹脂を含有するインク受容層を設けることによって得られる、環境負荷が少なく、優れた発色性と画質を有するインクジェット記録体に関する。
近年、インクジェットプリンタの高性能化により、従来の銀塩写真並みの画質を得る事が可能なインクジェット記録用写真用紙が開発されており、これらの支持体としては、ポリオレフィン系樹脂等をラミネートしたものが多く用いられている。このような支持体を用いたインクジェット記録用写真用紙では、インク受容層がほとんど支持体に浸透しないため、均一なインク受容層を得る事が容易となり、印字ムラが無く、高画質のインクジェット記録画像が得られる。
一方、上記したポリオレフィン系樹脂等をラミネートした支持体は、樹脂部分がサステナブルな原料ではなく、また、離解ができないなどの理由から再生紙として再利用ができない。そのため、焼却処理では残渣や二酸化炭素排出の問題が、埋め立てた処理では生分解性がないため海洋ごみの原因となり、環境負荷が大きいという問題があった。
これらの問題を解決するため、特定のガラス転移温度であるポリマーラテックスを含有する耐水層及び特定の吸油量を有する填料を含有する吸水層を設けた支持体(特許文献1など)や、水分散性ラテックスを含有する塗布液を塗布、乾燥させた後に、表面平滑化処理した支持体(特許文献2など)などが開示されているが、これらの支持体は離解性が不十分であった。
特開2004−291520号公報 特開2004−347722号公報
そこで、本発明は、環境負荷が少ないインクジェット記録体用支持体、及び該支持体にインク受容層を設けることによって得られる、環境負荷が少なく、優れた発色性と画質を有するインクジェット記録体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕一方の面にインク受容層を有するインクジェット記録体を提供するためのインクジェット記録体用支持体において、該インクジェット記録体用支持体が、基紙と、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有し、該顔料成分のレーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmであり、該接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有し、該顔料成分の絶乾100質量部に対する該合成樹脂ラテックスの配合量が絶乾で8〜20質量部であることを特徴とするインクジェット記録体用支持体。
〔2〕前記合成樹脂ラテックスがスチレン・ブダジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする〔1〕に記載のインクジェット記録体用支持体。
〔3〕前記塗工層の塗工量が絶乾で8〜20g/mである〔1〕または〔2〕に記載のインクジェット記録体用支持体。
〔4〕〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のインクジェット記録体用支持体の塗工層上に、インク受容層を有するインクジェット記録体。
〔5〕前記インク受容層が親水性樹脂を含有する、〔4〕に記載のインクジェット記録体。
ただし、本発明において「絶乾」とは105℃で1〜2時間乾燥することをいい、以下、
本発明で使用する顔料成分及び合成樹脂ラテックスの質量部は「絶乾後の質量部」とする。
本発明によれば、環境負荷が少ないインクジェット記録体用支持体、及び該支持体にインク受容層を設けることによって得られる、環境負荷が少なく、優れた発色性と画質を有するインクジェット記録体を提供することができる。
さらに、本発明のインクジェット記録体用支持体及びインクジェット記録体は、主成分がサステナブルな原料であるバイオマス素材の紙であるため、カーボンニュートラルの考えから、化石資源由来のポリオレフィン系樹脂等に比べて、製造から廃棄までの二酸化炭素の排出量を削減でき、かつ生分解性を有するため廃棄時も環境汚染を引き起こす可能性が低い。また、ポリオレフィン系樹脂等を使用していないため、離解性が良好であり、古紙として容易にリサイクル可能である。
本発明のインクジェット記録用支持体は、基紙と、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有し、該顔料成分のレーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmであり、該接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有し、該顔料成分の絶乾100質量部に対する該合成樹脂ラテックスの配合量が絶乾で8〜20質量部である。
(基紙)
本発明において基紙とは、主としてパルプからなるシートであり、填料、各種助剤を含んでもよい。
パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ、リファイナーグラインドパルプなどの機械パルプ、脱墨パルプ、古紙パルプ、再生パルプなどの木材繊維、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などを用いることができ、適宜配合して用いることが可能である。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
基紙の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマーマシン、オントップハイブリッドフォーマーマシン、ギャップフォーマーマシン、ヤンキーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して基紙を製造することができる。また、基紙は1層であってもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい。
さらに、基紙の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
基紙の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリングサイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
この様にして得られる基紙としては、上質紙、中質紙、塗工紙、片艶紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、晒クラフト紙、グラシン紙、板紙、白板紙、ライナーなどの各種公知のものが例示可能である。
本発明の基紙の坪量は、インクジェット記録体用支持体として用いることができる坪量であればいずれでもよいが、一般的には80g/m〜300g/m程度であり、100g/m〜220g/mのものが用いられることが多い。
(塗工層)
本発明のインクジェット記録用支持体は、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有する。
本発明では、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有する支持体とすることにより、インク受容層が支持体に浸透することを抑制する。特に、インク受容層中の親水性樹脂の浸透を効果的に抑制するため、均一なインク受容層を設けることが可能となり、インクジェット記録した際に、発色性が良好で、画質の良好なインクジェット記録体を得る事が可能となる。
本発明の塗工層が含有する顔料成分は、レーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmである。D50は3.0μm以上であることが好ましい。また、5.0μm以下であることが好ましい。
顔料成分のD50が2.0μm未満であると、基紙表面の繊維間の空隙を埋める効果は得られるものの、接着剤成分が顔料間を十分に接着することができず、微細な空隙が多くなるため、インク受容層中の親水性樹脂等が塗工層へ浸透することを抑制することができない。そのため、均一なインク受容層を得る事が困難となり、発色性と画質が劣る。また、D50が7.0μmを超えると、得られるインクジェット記録用支持体の表面の凹凸が大きくなり、やはり均一なインク受容層を得る事が困難となり、発色性と画質が劣る。
ここで、レーザー回折/散乱法の測定装置としては、例えば、堀場製作所社の粒子径分布測定装置「Partica」、マルバーン社の粒度分布測定装置「MASTER SIZER S」などが例示可能である。
顔料成分は、レーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmであれば特に限定されず、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、及び、密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを例示することが可能であり、これらの顔料成分を単独または2種類以上混合して使用することができる。
これらの顔料成分の中でも、インク受容層中の親水性樹脂等が塗工層へ浸透することを抑制する効果が大きく、また、得られるインクジェット記録用支持体の表面の凹凸が小さくなるため、平板顔料であるカオリン、クレーを単独または他の顔料と混合して使用することが好ましい。
本発明の塗工層が含有する接着剤成分は、少なくとも合成樹脂ラテックスを含有する。
本発明では、上記したように塗工層が顔料成分を含有するが、更に接着剤成分として少なくとも合成樹脂ラテックスを含有することにより、インク受容層中の親水性樹脂の浸透を更に効果的に抑制することが可能となる。
合成樹脂ラテックスとしては、スチレン・ブタジエン系共重合体、スチレン・アクリル系共重合体、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン・メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系共重合体などの各種共重合体のラテックスなどを例示することが可能であり、これらの合成樹脂ラテックスを単独または2種類以上混合して使用することができる。本発明では、上記した平板顔料であるカオリン、クレーと使用するとインク受容層中の親水性樹脂の浸透を特に効果的に抑制するため、スチレン・ブダジエン系共重合体ラテックスを使用することが好ましい。
本発明では、顔料成分の絶乾100質量部に対する合成樹脂ラテックスの配合量は絶乾で8〜20質量部である。合成樹脂ラテックスの配合量は10質量部以上であることが好ましい。また、15質量部以下であることが好ましい。
合成樹脂ラテックスの配合量が8質量部未満であると、顔料の比率が高くなりすぎるため、顔料と顔料との空隙にラテックスが充分に充填されなくなり、微細な空隙が多くなるため、インク受容層中の親水性樹脂等が塗工層へ浸透することを抑制することができない。そのため、均一なインク受容層を得る事が困難となり、発色性と画質が劣る。また、合成樹脂ラテックスの配合量が20質量部を超えると、離解性が悪化する。
本発明の塗工層が含有する合成樹脂ラテックス以外の接着剤成分としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどが例示可能であり、これらの接着剤成分を単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明において、塗工層には、上記した顔料成分、接着剤成分の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、界面活性剤、防腐剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において、塗工層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、主として水を媒体とする水系塗工が好ましい。
塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、塗工層の塗工量は、絶乾で8〜20g/mであることが好ましい。塗工層の塗工量は10g/m以上であることが好ましい。また、15g/m以下であることが好ましい。
塗工層の塗工量が絶乾で8〜20g/mであると、均一な塗工層が得られやすく、所望する品質が経済的に得られるため好ましい。
本発明のインクジェット記録用支持体における塗工層の、JIS P 8155:2010に規定される平滑度(王研法)は、500〜2000秒であることが好ましく、700〜1500秒であることがより好ましい。平滑度が500秒〜2000秒であると、塗工層上に塗工されたインク受容層が均一となり、印字ムラが無く、高画質のインクジェット記録画像が得られると共に、インクジェット記録用支持体とインク受容層との密着性が良好となるため好ましい。
本発明のインクジェット記録用支持体の、JIS P 8117:2009に規定される透気抵抗度(王研式試験機法)は、10万秒以上であることが好ましい。透気抵抗度が10万秒以上であると、インク受容層中の親水性樹脂等が塗工層へ浸透することを抑制する効果が大きくなるため好ましい。
(インクジェット記録体)
本発明のインクジェット記録体は、本発明のインクジェット記録用支持体の塗工層上にインク受容層を設けることにより得る事ができる。
本発明のインクジェット記録体のインク受容層は、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムなどの親水性樹脂を含有することが好ましい。これらの親水性樹脂を単独または2種類以上混合して使用することができる。
一般的に、インクジェット記録用のインクは水溶性であることが多いため、インク受容層に親水性樹脂を含有すると、インクジェット記録した際に、印字ムラが無く、高画質のインクジェット記録画像が得られる。
更に、インク受容層に親水性樹脂を含有することで、インクジェット記録画像を他の媒体に転写する、転写用インクジェット記録体としても好適に使用することが可能となる。転写用インクジェット記録体として使用する場合は、インクジェット記録画像の上に耐水性を有するカバーコート層を設けた後に水に浸すと、基紙、塗工層を貫通して水が浸透し、インク受容層中の親水性樹脂が溶解する。これにより、カバーコート層と共にインクジェット記録画像が遊離するため、他の媒体に転写することが可能となる。
インク受容層中の親水性樹脂の塗工量は、絶乾で10〜25g/mであることが好ましい。親水性樹脂の塗工量が絶乾で10〜25g/mであると、発色性が良好で高画質のインクジェット記録画像が容易に得られるため好ましい。
本発明のインク受容層には、コロイダルシリカ、気相法シリカ、沈降法シリカ、ゲル法シリカ、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、マイカ、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、及び、密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを含有してもよい。これらの顔料を単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明のインク受容層には、インクの滲みを抑制するためインク定着剤を配合してもよい。インク定着剤としては、ジシアンジアミド・アルキルアミン系高分子化合物、ジシアンジアミド・ホルマリン系高分子化合物、ポリエチレンイミン誘導体、アルキルアミン・エピクロルヒドリン系高分子化合物、アンモニア・エピクロルヒドリン系高分子化合物、ポリメタクリル酸系4 級アンモニウム塩誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド系重合体等が例示可能であり、これらのインク定着剤を単独または2種類以上混合して使用することができる。
本発明において、インク受容層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置及び塗工系で塗工することができる。例えば、塗工装置としてはブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工系としては、主として水を媒体とする水系塗工が好ましい。
塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。また、「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。
<インクジェット記録体用支持体の品質評価>
(1)透気抵抗度
JIS P 8117:2009に準じた方法(王研式試験機法)により測定した。
(2)平滑度
JIS P 8155:2010に準じた方法(王研法)により塗工層の塗工面を測定した。
(3)塗工層の均一性
染色液として、10%のオイルブルーのトルエン溶液を調製した。この染色液を塗工層の塗工面に均一に塗布し、5秒後にガーゼで拭き取った後、塗工層の欠陥(ピンホール等の抜け)を目視によって観察して評価した。
[評価基準]
○:ピンホール等の欠陥がほとんどなく、塗工層が均一に塗工されている
△:ピンホール等の欠陥が若干あるが、塗工層が概ね均一に塗工されている
×:ピンホール等の欠陥が多い
(4)離解性
絶乾重量40gのインクジェット記録体用支持体を用意し、インクジェット記録体用支持体の濃度が2.0%となるように水に浸漬させ、パルプ離解試験機(熊谷理機工業社製、JIS P 8220に準拠)で60分間離解したときの、水溶液中への離解の程度を評価した。評価が○であれば実用上問題がない。
[評価基準]
○:パルプ繊維が分散しており、離解性が良好
△:わずかにパルプ繊維の結束が残っている
×:パルプ繊維の塊やパルプ繊維の結束が残っており、離解性が不良
<インクジェット記録体の品質評価>
(1)発色性
インク受容層に、セイコーエプソン社製のカラーインクジェトプリンターPM−A940 (印刷条件:写真用紙/きれい)を用いて、高精細カラーディジタル標準画像の自転車画像(JIS X9201−1995準拠)をインクジェット記録した際の、カラーチャート部での画像の発色性を目視によって観察して評価した。評価が○であれば実用上問題がない。
[評価基準]
○:鮮やかな発色性
△:僅かに鮮やかさが劣る
×:全体的に鮮やかさが劣る
(2)画質
インク受容層に、セイコーエプソン社製のカラーインクジェトプリンターPM−A940 (印刷条件:写真用紙/きれい)を用いて、高精細カラーディジタル標準画像の自転車画像(JIS X9201−1995準拠)をインクジェット記録した際の、時計の文字盤の滲みを目視によって観察して評価した。評価が○であれば実用上問題がない。
[評価基準]
○:画像部の滲みがなく、均一な画像
△:画像部に僅かに滲みがみられる
×:画像部に滲みがみられ、画像がぼやけて見える
(3)離解性
絶乾重量40gのインクジェット記録体を用意し、インクジェット記録体の濃度が2.0%となるように水に浸漬させ、パルプ離解試験機(熊谷理機工業社製、JIS P 8220に準拠)で60分間離解したときの、水溶液中への離解の程度を評価した。評価が○であれば実用上問題がない。
[評価基準]
○:パルプ繊維が分散しており、離解性が良好
△:わずかにパルプ繊維の結束が残っている
×:パルプ繊維の塊やパルプ繊維の結束が残っており、離解性が不良
[実施例1]
(基紙の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)370mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)100重量部を原料パルプとした。紙力剤としてカチオン化澱粉を原料パルプ100質量部に対して0.3質量部添加し、次いで、硫酸バンドを1.5質量部添加した後、長網多筒式の抄紙機を用いて抄紙を行い、坪量120g/mの基紙を得た。
(塗工層用塗工液の調製)
顔料成分としてカオリン(イメリス社製、KCS、D50:4.6μm)を絶乾で100質量部、接着剤成分としてスチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(日本A&L社製、PA0330)を12質量部、更に、増粘剤(ソマール社製、ソマレックス270)を0.05部、分散剤(東亜合成社製、アロンA210)を0.03部、消泡剤(サンノプコ社製、ノプコ8034―L)を0.1部、潤滑剤(サンノプコ社製、ノプコートC−104)を0.1部配合して、塗工層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録体用支持体の作製)
得られた基紙の片面上に、塗工層用塗工液を乾燥重量で塗工量13g/mとなるようブレードコーターを用いて塗工、乾燥して、インクジェット記録体用支持体を得た。
[実施例2]
接着剤成分として、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(日本A&L社製、PA0330)を8質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[実施例3]
接着剤成分として、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(日本A&L社製、PA0330)を20質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[実施例4]
塗工層用塗工液を乾燥重量で塗工量8g/mとなるようブレードコーターを用いて塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[実施例5]
塗工層用塗工液を乾燥重量で塗工量20g/mとなるようブレードコーターを用いて塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[実施例6]
(インク受容層用塗工液の調製)
親水性樹脂として尿素リン酸エステル化澱粉(三和澱粉工業社製、PLV−500)70質量部とポリビニルピロリドン(日本触媒社製、K−85W)30質量部を混合して、インク受容層用塗工液を調製した。
(インクジェット記録体の作製)
実施例1で得たインクジェット記録用体支持体の塗工層上に、インク受容層用塗工液を乾燥重量で塗工量15g/mとなるようエアーナイフコーターを用いて塗工、乾燥して、インクジェット記録体を得た。
[比較例1]
顔料成分として、カオリン(イメリス社製、KCS、D50:4.6μm)100質量部を重質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、TP−SO−10、D50:8.0μm)100質量部に替えた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[比較例2]
接着剤成分として、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(日本A&L社製、PA0330)を5質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[比較例3]
接着剤成分として、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス(日本A&L社製、PA0330)を25質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録体用支持体を得た。
[比較例4]
実施例1で得たインクジェット記録用体支持体に替えて、比較例3で得たインクジェット記録用体支持体を使用した以外は、実施例6と同様にしてインクジェット記録体を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたインクジェット記録体用支持体について、前述した品質評価を行った。結果を表1に示す。
また、実施例6及び比較例4で得られたインクジェット記録体について、前述した品質評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019173203
Figure 2019173203
実施例1〜5及び比較例1〜3の結果から、本発明のインクジェット記録体用支持体は、塗工層の均一性と離解性が良好であることが確認された。また、実施例6及び比較例4の結果から、本発明のインクジェット記録体は、発色性と画質が良好であり、離解性も良好であることが確認された。

Claims (5)

  1. 一方の面にインク受容層を有するインクジェット記録体を提供するためのインクジェット記録体用支持体において、該インクジェット記録体用支持体が、基紙と、基紙のインク受容層を設ける面に、少なくとも顔料成分及び接着剤成分を含有する塗工層を有し、該顔料成分のレーザー回折/散乱法で測定した体積50%平均粒子径(D50)が2.0〜7.0μmであり、該接着剤成分が少なくとも合成樹脂ラテックスを含有し、該顔料成分の絶乾100質量部に対する該合成樹脂ラテックスの配合量が絶乾で8〜20質量部であることを特徴とするインクジェット記録体用支持体。
  2. 前記合成樹脂ラテックスがスチレン・ブダジエン系共重合体ラテックスであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録体用支持体。
  3. 前記塗工層の塗工量が絶乾で8〜20g/mである請求項1または2に記載のインクジェット記録体用支持体。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録体用支持体の塗工層上に、インク受容層を有するインクジェット記録体。
  5. 前記インク受容層が親水性樹脂を含有する、請求項4に記載のインクジェット記録体。
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