JP2019172868A - セルロース系樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 位相差特性および波長分散特性に優れた樹脂組成物を用いたフィルムであって、高温高湿下において安定性の高い光学フィルムを提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で示される置換度が1.5〜2.95であるセルロ−ス系樹脂50〜98.99重量%と、負の複屈折性を示すエステル系樹脂1〜49.99重量%と、ヒドロキシ基反応性架橋剤0.01〜5重量%とを含有することを特徴とする樹脂組成物。【化1】(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12の置換基を示す。)【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物およびそれを用いたフィルムに関するものであり、より詳しくは、位相差特性および波長分散特性並びに耐湿熱性に優れた液晶ディスプレイおよび有機EL用の光学フィルムに好適な樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルムに関する。
近年、種々のディスプレイにおいて、表示性能や耐久性に対する要求がより高くなり、応答速度の向上や、表示画像に対して斜め方向から観察した場合のコントラストやカラーバランスといった視野角をより広範囲で補償することが課題となっている。これらの課題を解決すべく、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式、またはIPS(In−Plane Swiching)方式の表示素子が開発され、それぞれの液晶方式に応じた、様々なレターデーション発現性を有する光学補償フィルム材料が要求されている。
従来の光学補償フィルムとしては、セルロース系樹脂、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。特にセルロースアシレートなどのセルロース系樹脂からなる延伸フィルムは、その透明性、強靭性、プロセス上必要である透湿性や低い波長分散性から、液晶表示装置向けの光学補償フィルムとして広く利用されている。
しかしながら、セルロ−ス系樹脂からなる光学補償フィルムはいくつかの課題がある。例えば、セルロ−ス系樹脂フィルムは延伸条件を調整することで各種ディスプレイにあわせた位相差値を持つ光学補償フィルムに加工されるが、セルロ−ス系樹脂フィルムの一軸または二軸延伸により得られるフィルムの三次元屈折率は、ny≧nx>nzであり、それ以外の3次元屈折率、例えば、ny>nz>nxや、ny=nz>nxなどの3次元屈折率を有する光学補償フィルムを製造するためには、フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルムを接着し、その積層体を加熱延伸処理して、高分子フィルムの厚み方向に収縮力をかけるなど特殊な延伸方法が必要であり屈折率(位相差値)の制御も困難である(例えば、特許文献1〜3参照)。ここでnxはフィルム面内の進相軸方向(最も屈折率の小さい方向)の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向(最も屈折率の大きい方向)の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示す。
また、セルロ−ス系樹脂フィルムは一般に溶剤キャスト法により製造されるが、キャスト法により成膜したセルロ−ス系樹脂フィルムはフィルム厚み方向に40nm程度の面外位相差(Rth)を有するため、IPSモ−ドの液晶ディスプレイなどではカラ−シフトが起こるなどの問題がある。ここで面外位相差(Rth)は以下の式で示される位相差値である。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルム(光学補償フィルム)が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、フマル酸エステル系樹脂からなる延伸フィルムの3次元屈折率は、nz>ny>nxであり、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムを得るためには他の光学補償フィルム等との積層などが必要である。
そこで、上記3次元屈折率を示す光学補償フィルムとして、樹脂組成物およびそれを用いた光学補償フィルムが提案されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照)。特許文献5〜特許文献7は光学補償フィルムとして優れた性能を有するものの、より薄い膜で目的とするReを発現させる光学補償フィルムが求められている。
ここで、一般に光学補償フィルムは反射型液晶表示装置、タッチパネルや有機ELの反射防止層としても用いられるものであり、該用途では、特に長波長域ほどレタ−デ−ションが大きい光学補償フィルム(以下、「逆波長分散フィルム」という)が求められるものである。例えば、有機EL用円偏光板の光学補償フィルムとして逆波長分散フィルムが用いられる場合、位相差は測定波長λの1/4程度が好ましく、450nmにおけるレタ−デ−ションと550nmにおけるレタ−デ−ションの比Re(450)/Re(550)は0.81に近いことが好ましい。そして、表示装置の薄型化を鑑みた場合、使用される逆波長分散フィルムも薄いことが求められる。上記のような要求特性に対し、種々の光学補償フィルムが開発されている。
上記3次元屈折率を示し、かつ、逆波長分散フィルムとして用いられる位相差フィルム(光学補償フィルム)としてセルロース系樹脂およびフマル酸エステル重合体を含有する位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、特許文献8に記載の位相差フィルムは、得られるフィルムの高温高湿環境に対する耐久性に課題を有し、より高温高湿下において安定性の高い光学補償フィルムが求められている。
特許2818983号公報 特開平5−297223号公報 特開平5−323120号公報 特開2008−64817号公報 特開2013−28741号公報 特開2014−125609号公報 特開2014−125610号公報 特開2015−157928号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相差特性および波長分散特性に優れた樹脂組成物を用いたフィルムであって、高温高湿下において安定性の高い光学フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のセルロース系樹脂組成物、およびそれを用いた光学フィルムが上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示される置換度が1.5〜2.95であるセルロ−ス系樹脂50〜98.99重量%と、負の複屈折性を示すエステル系樹脂1〜49.99重量%と、ヒドロキシ基反応性架橋剤0.01〜5重量%とを含有することを特徴とする樹脂組成物に関するものである。
Figure 2019172868
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12の置換基を示す。)
以下に、本発明の内容について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、特定のセルロース系樹脂と、負の複屈折性を示すエステル系樹脂と、ヒドロキシ基反応性架橋剤とを含有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物が含有するセルロース系樹脂は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2019172868
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12の置換基を示す。)
本発明のセルロ−ス系樹脂としては、例えば、セルロ−スエ−テル、セルロ−スエ−テルエステル等が挙げられる。そして、本発明の樹脂組成物は、これらのセルロ−ス系樹脂を1種または2種以上含有していてもよい。
本発明のセルロ−ス系樹脂におけるセルロ−スの水酸基の酸素原子を介して置換している置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロ−スの水酸基が置換している割合(100%置換している場合、置換度3)を意味し、溶解性、相溶性、延伸加工性の点から、1.5〜2.95であり、好ましくは1.8〜2.8である。
本発明のセルロ−ス系樹脂は、機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パ−ミエイション・クロマトグラフィ−(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10〜1×10であることが好ましく、5×10〜2×10であることがさらに好ましい。
本発明のセルロ−ス系樹脂としては、負の複屈折性を示すエステル系樹脂との相溶性に優れ、かつ面内位相差Reが大きく、更に延伸加工性に優れるため、セルロ−スエ−テルが好ましい。
以下、本発明においてセルロ−ス系樹脂として好ましいセルロ−スエ−テルについて説明する。
本発明のセルロ−ス系樹脂であるセルロ−スエ−テルは、β−グルコース単位が直鎖状に重合した高分子であり、グルコ−ス単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部をエ−テル化したポリマ−である。本発明のセルロ−スエ−テルとしては、例えば、メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、プロピルセルロ−ス等のアルキルセルロ−ス;ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス等のヒドロキシアルキルセルロ−ス;ベンジルセルロ−ス、トリチルセルロ−ス等のアラルキルセルロ−ス;シアノエチルセルロ−ス等のシアノアルキルセルロ−ス;カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシエチルセルロ−ス等のカルボキシアルキルセルロ−ス;カルボキシメチルメチルセルロ−ス、カルボキシメチルエチルセルロ−ス等のカルボキシアルキルアルキルセルロ−ス;アミノエチルセルロ−ス等のアミノアルキルセルロ−ス等が挙げられる。
該セルロ−スエ−テルにおけるセルロ−スの水酸基の酸素原子を介して置換している置換度(エ−テル化度)は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロ−スの水酸基がエ−テル化している割合(100%のエ−テル化は置換度3)を意味し、溶解性、相溶性、延伸加工性の点から、エ−テル基の全置換度DSは、好ましくは1.8〜2.8である。セルロ−スエ−テルは、溶解性、相溶性の点から、炭素数1〜12の置換基を有することが好ましい。炭素数1〜12の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デカニル基、ドデカニル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェノニル基、ベンジル基、ナフチル基等を挙げることができる。これらの中でも、溶解性、相溶性の点から、炭素数1〜5のアルキル基であるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましい。本発明で用いるセルロ−ス系ポリマ−のエ−テル基は1種類だけでもよいし、2種類以上のエ−テル基を有していてもよい。また、エ−テル基の他にエステル基を有していてもよい。
セルロ−スエ−テルは一般に、木材又はコットンより得たセルロ−スパルプをアルカリ分解し、アルカリ分解したセルロ−スパルプをエ−テル化することで合成される。アルカリとしては、リチウム,カリウム,ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やアンモニアなどが利用できる。前記アルカリ類は一般に、水溶液として使用される。そして、アルカリ性にされたセルロ−スパルプは、セルロ−スエ−テルの種類に応じて用いられるエ−テル化剤と接触されることによりエ−テル化されるものである。エ−テル化剤としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化アルキル;ベンジルクロライド、トリチルクロライド等のハロゲン化アラルキル;モノクロロ酢酸、モノクロロプロピオン酸等のハロカルボン酸;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド等が挙げられ、これらのエ−テル化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
なお、必要であれば、反応終了後、粘度調整のため塩化水素、臭化水素、塩酸、及び硫酸等で解重合処理してもよい。
本発明の樹脂組成物が含有する負の複屈折性を示すエステル系樹脂(以下、負の複屈折性を示すエステル系樹脂という)は、負の複屈折性を示すエステル残基単位を有する樹脂であれば特に制限はなく、該残基単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル残基単位、ケイ皮酸エステル残基単位、フマル酸エステル残基単位等が挙げられ、これらの1種または2種以上が挙げられる。
なお、本発明において、複屈折の正負は以下に示すように定義される。
負の複屈折とは延伸方向が進相軸方向となるものであり、正の複屈折とは延伸方向の垂直方向が進相軸方向となるものである。つまり、一軸延伸すると延伸軸と直交する軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向の垂直方向)なるものを正の複屈折を示す樹脂、一軸延伸すると延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)なるものを負の複屈折を示す樹脂という。
負の複屈折性を示すエステル系樹脂としては、負の複屈折の発現性が大きく、光学補償フィルムの薄膜化が図れるため、下記一般式(2)で示されるケイ皮酸エステル残基単位および/または下記一般式(3)で示されるフマル酸エステル残基単位を含むエステル系樹脂であることが好ましい。
Figure 2019172868
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。XおよびYはそれぞれ独立して水素、ニトロ基、ブロモ基、ヨード基、シアノ基、クロロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、フルオロ基、フェニル基、水酸基または炭素数1〜12のアルコキシ基を示す。)
Figure 2019172868
(式中、R5、はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
負の複屈折性を示すエステル系樹脂は、負の複屈折性を示すエステル残基単位に係る単量体を100mol%として、該単量体と共重合可能な単量体の残基単位0〜20mol%を含んでいてもよい。
負の複屈折性を示すエステル残基単位に係る単量体と共重合可能な単量体の残基単位としては、例えば、スチレン残基、α−メチルスチレン残基などのスチレン類残基;アクリル酸残基;メタクリル酸残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基などのビニルエステル類残基;メチルビニルエ−テル残基、エチルビニルエ−テル残基、ブチルビニルエ−テル残基などのビニルエ−テル残基;N−メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基などのN−置換マレイミド残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;ケイ皮酸残基;エチレン残基、プロピレン残基などのオレフィン類残基;ビニルピロリドン残基;ビニルピリジン残基;2つ以上の芳香族環からなる縮合環などを側鎖に有するモノマー、例えば、ビニルナフタレン、ビニルピレン、ビニルアズレン、ビニルカルバゾール、ビニルフルオレン等の1種または2種以上を挙げることができる。
負の複屈折性を示すエステル系樹脂は、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パ−ミエイション・クロマトグラフィ−(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×10〜5×10のものであることが好ましく、5×10〜2×10であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるセルロ−ス系樹脂と負の複屈折性を示すエステル系樹脂の組成の割合は、セルロ−ス系樹脂30〜98.99重量%および負の複屈折性を示すエステル系樹脂1〜69.99重量%が好ましい。セルロ−ス系樹脂が30重量%未満の場合、またはセルロ−ス系樹脂が98.99重量%を超える場合は、位相差の制御が困難である。好ましくは、セルロ−ス系樹脂30〜98.99重量%および負の複屈折性を示すエステル系樹脂10〜69.99重量%であり、さらに好ましくはセルロ−ス系樹脂40〜79.99重量%および負の複屈折性を示すエステル系樹脂20〜59.99重量%である。
負の複屈折性を示すエステル系樹脂の製造方法としては、該エステル系樹脂が得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。
ラジカル重合の方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法等のいずれもが採用可能である。
本発明におけるヒドロキシ基反応性架橋剤は、ヒドロキシ基と反応してセルロース系樹脂同士の架橋構造を形成するものである。そして、本発明では、該架橋構造により得られるフィルムの弾性が向上し、該フィルムが高温高湿環境において優れた耐久性を有するものである。
本発明に用いられるヒドロキシ基反応性架橋剤としては、セルロース系樹脂中のフリーのヒドロキシ基と反応しうる基を分子中に2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、該反応しうる基としては、例えば、イソシアネート基、カルボジイミド基、ビニルスルホン基、エポキシ基、オキサゾリン基、メラミン基、ジアルデヒド基、エチレンイミン基等を挙げることができる。
本発明において、ヒドロキシ基反応性架橋剤としては、ヒドロキシ基と反応性を有する置換基が分子内に2個以上有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、ビニルスルホン基含有化合物、エポキシ基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、メラミン基含有化合物、ジアルデヒド基含有化合物、エチレンイミン基含有化合物が挙げられる。これらのうち、ポットライフの長さと反応性から、イソシアネート基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物が好ましく、イソシアネート基含有化合物がさらに好ましい。
ヒドロキシ基反応性架橋剤としては、低分子量体であっても、イソシアネート基、エポキシ基等のヒドロキシ基反応性の架橋性基を末端に有するポリマー;複数のイソシアネート基等を有する化合物などであってもよい。
本発明において用いられるイソシアネート基含有化合物としてはイソシアネート基を分子中に2個以上有する化合物であれば特に制限はない。イソシアネート基を分子中に2個以上有する化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネートなどのイソシアネート基を分子中に2個以上有し、かつ芳香環を有するイソシアネート;n−ブチルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート基を分子中に2個以上有する脂肪族系のイソシアネート;水素添加TDI、水素添加MDIなどのイソシアネート基を分子中に2個以上有し、かつ芳香環に水素添加したイソシアネートなどが挙げられ、特に着色性が低いことから、イソシアネート基を分子中に2個以上有する脂肪族系のイソシアネートおよび芳香環に水素添加したイソシアネートがさらに好ましい。
本発明において、イソシアネート基を有するヒドロキシ基反応性架橋剤としては、これらのイソシアネート基含有化合物と活性水素基含有化合物とを反応させたポリイソシアネートを用いてもよい。
また、該イソシアネート基含有化合物としては、イソシアネート基の反応活性が強く、活性水素を有する化合物と容易に常温で反応するため、取り扱いが容易な点から、活性なイソシアネート基をブロック剤でマスクしたブロックイソシアネート系化合物がさらに好ましい。
該ブロック剤としては、例えば、フェノールキシレノール酸、アセト酢酸エチル、メチルエチルケトオキシム、カプロラクタム、ジメチルピラゾール、マロン酸ジメチル、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。これらの中でも、比較的解離温度が低いため、ジメチルピラゾール、マロン酸ジメチル、ジイソプロピルアミン、アセト酢酸エチル、メチルエチルケトオキシムブロックイソシアネートが好ましい。
また、ブロックイソシアネート系化合物は、例えば、BI7991、BI7992、BI7951、BI7960、BI7961、BI7982(Baxendene社製)、コロネートBI−301、コロネート2507、コロネート2554(東ソー株式会社製)等の市販品としても入手可能である。
本発明において用いられるカルボジイミド基含有化合物は、該化合物中に官能基としてカルボジイミド基、またはその互変異性の関係にあるシアナミド基を分子内に2個以上有する化合物であれば特に制限はない。このようなカルボジイミド化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、ウレア変性カルボジイミド等を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
また、カルボジイミド基含有化合物は、例えば、カルボジライトV−05、カルボジライトV−05S、カルボジライトV−03、カルボジライトV−09GB(日清紡株式会社製)、Stabaxol P(ラインケミー社製)等の市販品としても入手可能である。
本発明において用いられるオキサゾリン基含有化合物は、該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、セルロース系樹脂との相溶性を良好なものとするため、オキサゾリン基を少なくとも1種含有するモノマーと少なくとも1種の他のモノマーとを共重合させて得られるオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。
オキサゾリン基を含有するモノマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2− オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
オキサゾリン基含有化合物において、オキサゾリン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などが挙げられ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
また、オキサゾリン基含有化合物は、例えば、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2010E、エポクロスK−2020E、エポクロスK−2030E、エポクロスWS−300、エポクロスWS−500、エポクロスWS−700、エポクロスRPS−1005等の市販品(日本触媒株式会社製)としても入手可能である。
本発明において用いられるメラミン基含有化合物は、該化合物中に官能基としてメラミン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、メラミン;メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体;メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的または完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物などが挙げられる。
また、メラミン基含有化合物としては、1量体であっても2量体以上の多量体からなる縮合物であってもよく、これらの混合物でもよい。具体的なメラミン基含有化合物としては、例えば、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。
本発明の樹脂組成物およびそれを用いたフィルムは、発明の主旨を超えない範囲で、その他ポリマ−、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等を含有していてもよい。
本発明の樹脂組成物およびそれを用いたフィルムは、熱安定性を向上させるために酸化防止剤を含有していても良い。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の樹脂組成物およびそれを用いたフィルムは、耐候性を高めるためヒンダ−ドアミン系光安定剤や紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾ−ル、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエ−ト系吸収剤等が挙げられる。
セルロース系樹脂、負の複屈折性を示すエステル系樹脂及びヒドロキシ基反応性架橋剤のブレンドの方法としては、溶融ブレンド、溶液ブレンド等の方法を用いることができる。溶融ブレンド法とは、加熱により樹脂とヒドロキシ基反応性架橋剤を溶融させて混練することにより製造する方法である。溶液ブレンド法とは樹脂とヒドロキシ基反応性架橋剤を溶剤に溶解しブレンドする方法である。ブレンド時の架橋による架橋の不均一性を抑制できることから、溶液ブレンド法が好ましい。溶液ブレンドに用いる溶剤としては、樹脂や架橋剤等を溶解できる溶剤であればいかなる溶剤であっても構わないが、製膜工程にて、残溶剤が残りにくい様、溶剤の沸点は200℃以下が好ましく、170℃以下がさらに好ましい。
該溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;フェノール、バラクロロフエノールなどのフェノール類; ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、メシチレン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ キサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリ セリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒド ロフランのようなエーテル系溶媒;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどを単独または混合した溶媒が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの製造方法としては、如何なる方法を用いてもよいが、溶液キャスト法により製造することが好ましい。ここで、溶液キャスト法とは、樹脂溶液(一般にはド−プと称する。)を支持基材上に流延した後、加熱することにより溶媒を蒸発させてフィルムを得る方法である。塗工方法は特に制限されず、通常の方法を採用できる。例えば、Tダイ法、ドクタ−ブレ−ド法、バ−コ−タ−法、スロットダイ法、リップコ−タ−法、リバースグラビアコート法、マイクログラビア法、スピンコート法、刷毛塗り法、ロールコート法、フレキソ印刷法などがあげられる。また、用いられる支持基材としては、特に制限はないが、例えばポリエステルやポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリアリレート、ポリスルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂等からなる高分子基材、ガラス板や石英基板などのガラス基材、アルミやステンレスやフェロタイプ等の金属基材、セラミックス基板などの無機基材等が挙げられる。上記基材として好ましくは、高分子基材または金属基材である。
本発明のフィルムは、透明性に優れることから、光学フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物を用いた光学フィルムを製造する際の樹脂溶液の粘度は、各成分の分子量、濃度、溶媒の種類で調整可能である。樹脂溶液の粘度としては特に制限はないが、フィルム塗工性をより容易にするため、好ましくは100〜30000cps、さらに好ましくは300〜20000cps、特に好ましくは500〜10000cpsである。
本発明では、流延製膜時にセルロース系樹脂を架橋させる。即ち、ヒドロキシ基反応性架橋剤を、ドープ中に添加し、流延してフィルム形成し、加温・乾燥等により反応を促進させるものである。
塗工溶液の乾燥工程における、乾燥方法は特に制限されず、通常の加熱手段を採用できる。 例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等があげられる。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの製造方法では、乾燥温度が1段のみの条件でも構わないし、外観保持や乾燥時間短縮のため、1段階目に低温で乾燥し、2段階目以降に高温で乾燥するような多段階乾燥でも構わない。架橋反応を促進するため、乾燥温度範囲は80℃〜200℃の乾燥工程を含むことが好ましい。
本発明においてセルロース系樹脂、負の複屈折性を示すエステル系樹脂およびヒドロキシ基反応性架橋剤の濃度は、溶解、製膜が可能な限り特に限定されない。セルロース系樹脂、負の複屈折性を示すエステル系樹脂およびヒドロキシ基反応性架橋剤の溶解を実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液として作製した後に濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予めセルロース系樹脂及び負の複屈折性を示すエステル系樹脂の高濃度の樹脂溶液とした後に、ヒドロキシ基反応性架橋剤や種々の添加物を添加することで所定の低濃度の樹脂溶液としてもよい。
本発明の光学フィルムは、位相差特性に優れることから、光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムの製造方法は、レターデーションを発現する方法として特に制約はないが、セルロース系樹脂の分子鎖を効果的に配向させ高いレターデーションを発現させるため、一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが好ましい。光学補償フィルムを延伸する方法としては、ロール延伸による縦一軸延伸法やテンター延伸による横一軸延伸法や斜め延伸法、これらの組み合わせによるアンバランス逐次二軸延伸法やアンバランス同時二軸延伸法等を用いることができる。
延伸する前の未延伸フィルムの厚みは、延伸処理のし易さおよび光学部材の薄膜化への適合性の観点から、5〜200μmが好ましく、5〜150μmがさらに好ましく、5〜100μmが特に好ましい。
また、延伸後の光学補償フィルムの厚みは、画像表示装置の薄型化のため、5〜100μmが好ましく、5〜60μmがさらに好ましい。
延伸の温度は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜200℃である。一軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましい。アンバランス二軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、光学特性に優れることから長さ方向には1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましい。延伸温度、延伸倍率によりレターデーションを制御することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムにおいては、セルロース樹脂の含有率、含有するセルロース樹脂の総置換度、置換基の2位、3位、及び6位の置換度分布、並びに延伸倍率によってレターデーションを調整することができる。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムは、光学補償フィルムとして用いるのに好適であり、該光学補償フィルムは、優れた位相差特性および優れた波長分散特性を有することを特徴とする。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムの位相差特性は、目的とする光学補償フィルムにより異なるものであり、例えば、1)下記式(1)で示されるレタ−デ−ション(Re)が好ましくは50〜300nm、さらに好ましくは100〜300nm、特に好ましくは120〜280nmであって、下記式(2)で示されるNz係数が好ましくは0.3〜1.0、さらに好ましくは0.4〜0.8であるもの等が挙げられる。このときの位相差特性は全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い、測定波長589nmの条件で測定されるものである。
これらは、従来のセルロ−ス系樹脂からなる光学補償フィルムでは発現が困難な位相差特性を有している。
Re=(ny−nx)×d (1)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明の光学フィルムの波長分散特性としては、色ずれ抑制のため、好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であり、さらに好ましくは0.70<Re(450)/Re(550)<1.02であり、特に好ましくは0.75<Re(450)/Re(550)<1.00である。
本発明のセルロ−ス系樹脂を使用した場合、単独では、低波長分散の光学フィルムを提供することができる。このフィルムに、延伸方向に対して負の複屈折性を示すエステル系樹脂をブレンドした樹脂組成物は、一般的に逆波長分散性を示す光学フィルムを提供することができるものである。
これらの位相差特性および波長分散特性を同時に満足することは、一般にセルロ−ス系樹脂を用いた光学補償フィルムでは発現が困難であるが、本発明に係る光学補償フィルムはこれらの特性を同時に満足するものである。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、フィルムの取扱い性及び光学部材の薄膜化への適合性の観点から、厚みが5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、20〜80μmが特に好ましく、10〜60μmがもっとも好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、画像表示装置の光量低下を避けるため、フィルムにしたときの透過率が好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、ヘーズが好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。前記範囲にヘーズを制御することにより、位相差フィルムとして表示装置に組み込んだ際に高コントラストの画像が得られる。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、高温高湿度の環境における画面表示装置の光量低下をさけ、高コントラストの画像を維持するため、65℃相対湿度90%環境下120時間後におけるヘーズが3%以下であり、透過率が85%以上であることが好ましく、90%であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、必要に応じて他樹脂を含むフィルムと積層することができる。他樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、マレイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド等が挙げられる。また、液晶層やハードコート層、ガスバリア層、屈折率を制御した層(低反射層)を積層することも可能である。
本発明の樹脂組成物を用いた光学補償フィルムは、液晶表示装置用、有機EL表示装置用等の用途に用いられる偏光板において、好適に用いられる。また、該偏光板は画像表示装置として好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物およびそれを用いたフィルムは、偏光板、液晶表示装置、有機EL表示装置等に好適に用いることができ、優れた表示性能および高温高湿下における高い安定性を発揮することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて位相差フィルムの位相差特性を測定した。
<位相差フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作成したフィルムの光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
<耐湿熱試験>
恒温恒湿器(ヤマト科学株式会社製、商品名:IG400)を用いて65℃相対湿度90%の高温高湿環境下とし、120時間後の全光線透過率、ヘーズを調べる(以下、「耐湿熱試験」という)ことで耐湿熱性の測定をした。
合成例1(負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)(フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル系樹脂)の合成)
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル42g、フマル酸モノエチル7.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.66gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)27gを得た。得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)の数平均分子量は53,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。
合成例2(負の複屈折性を示すエステル系樹脂(2)(フマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル系樹脂)の合成)
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた1リットル反応器に、蒸留水600g、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)3.4g、フマル酸ジイソプロピル212.3g、フマル酸モノエチル52.9g、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル134.7g及び油溶性ラジカル開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(T10=66℃)20.3gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら昇温を開始、一段階目を60℃で24時間保持した後、二段階目を73℃で48時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、反応器より内容物を回収し、重合物をろ別し、蒸留水2000gで6回洗浄を行った後、メタノール/水混合溶剤(重量比80/20)の2000gで6回洗浄し、80℃で12時間真空乾燥することにより負の複屈折性を示すエステル系樹脂(2)282g(収率70%)を得た。得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(2)の数平均分子量は41,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位56モル%、フマル酸モノエチル残基単位14モル%、4−メトキシケイ皮酸n−プロピル30モル%であった。
実施例1
セルロース系樹脂としてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)300、分子量Mn=85,000、分子量Mw=263,000、Mw/Mn=3.1、全置換度DS=2.51)23.95gと、合成例1により得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)15.95gと、ブロックイソシアネート架橋剤BI7951(BAXENDENE社製)0.10gとをトルエン/酢酸エチル=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度40℃の後155℃にて2段乾燥した後、幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロース系樹脂:59.88重量%、負の複屈折性を示すエステル系樹脂:39.87重量%、ヒドロキシ基反応性架橋剤:0.25重量%)。得られたフィルムは光線透過率92%、ヘーズ0.7%、耐湿熱試験後の光線透過率は91%、ヘーズは1.5%であった。
また、得られたフィルムを50mm角に切り出した後、140℃で2.0倍に一軸延伸し(延伸後の厚み30μm)、フィルムを得た。
得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性、耐湿熱性を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2019172868
得られたフィルムの光線透過率は高く、ヘーズは低く、耐湿熱性の高いものであった。
実施例2
実施例1で用いたエチルセルロース24.98gと合成例2により得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(2)14.82gとカルボジイミド系架橋剤 カルボジライトV-05(日清紡製)0.2gとをトルエン/酢酸エチル=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度40℃の後155℃にて2段乾燥した後、幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロース系樹脂:62.5重量%、負の複屈折性を示すエステル系樹脂:37.0重量%、ヒドロキシ基反応性架橋剤:0.5重量%)。得られたフィルムは光線透過率92%、ヘーズ0.8%、耐湿熱試験後の光線透過率は90%、ヘーズは2.1%であった。
また、得られたフィルムを50mm角に切り出した後、140℃で2.0倍に一軸延伸し(延伸後の厚み30μm)、光学補償フィルムを得た。
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性、耐湿熱性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムの光線透過率は高く、ヘーズは低く、耐湿熱性の高いものであった。
実施例3
実施例1で用いたエチルセルロース24.98gと合成例2により得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(2)14.92gとブロックイソシアネート架橋剤BI7951(BAXENDENE社製)0.1gとをトルエン/酢酸エチル=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度40℃の後155℃にて2段乾燥した後、幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロース系樹脂:62.45重量%、負の複屈折性を示すエステル系樹脂:37.3重量%、ヒドロキシ基反応性架橋剤:0.25重量%)。得られたフィルムは光線透過率92%、ヘーズ0.8%、耐湿熱試験後の光線透過率は90%、ヘーズは1.7%であった。
また、得られたフィルムを50mm角に切り出した後、140℃で2.0倍に一軸延伸し(延伸後の厚み30μm)、光学補償フィルムを得た。
得られた光学補償フィルムの光線透過率、ヘーズ、位相差特性、波長分散特性、耐湿熱性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学補償フィルムの光線透過率は高く、ヘーズは低く、耐湿熱性の高いものであった。
比較例1
セルロース系樹脂として実施例1で用いたエチルセルロース22.0gと、合成例1により得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)14.0gと、ブロックイソシアネート架橋剤BI7951(BAXENDENE社製)4.0gとをトルエン/酢酸エチル=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度40℃の後155℃にて2段乾燥した後、幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロース系樹脂:55重量%、負の複屈折性を示すエステル系樹脂:35重量%、ヒドロキシ基反応性架橋剤:10重量%)。得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、耐湿熱性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2019172868
得られたフィルムは光線透過率82%、ヘーズ4.2%、耐湿熱試験後の光線透過率は85%、ヘーズは5.8%であり、耐湿熱性のひくいものであった。
比較例2
実施例1で用いたエチルセルロース24.0gと合成例1により得られた負の複屈折性を示すエステル系樹脂(1)16.0gとをトルエン/酢酸エチル=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、乾燥温度40℃の後155℃にて2段乾燥した後、幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を得た(セルロース系樹脂:60重量%、負の複屈折性を示すエステル系樹脂:40重量%)。
得られたフィルムの光線透過率、ヘーズ、耐湿熱性を測定した。その結果を表2に示す。
得られたフィルムは光線透過率92%、ヘーズ0.7%、耐湿熱試験後の光線透過率は88%、ヘーズは3.3%であり、耐湿熱性のひくいものであった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示される置換度が1.5〜2.95であるセルロ−ス系樹脂50〜98.99重量%と、負の複屈折性を示すエステル系樹脂1〜49.99重量%と、ヒドロキシ基反応性架橋剤0.01〜5重量%とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2019172868
    (式中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12の置換基を示す。)
  2. ヒドロキシ基反応性架橋剤が、イソシアネート基、カルボジイミド基、ビニルスルホン基、エポキシ基、オキサゾリン基、メラミン基、ジアルデヒド基、エチレンイミン基から選ばれる少なくとも一種の基を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 負の複屈折性を示すエステル系樹脂が下記一般式(2)で示されるケイ皮酸エステル残基単位および/または下記一般式(3)で示されるフマル酸エステル残基単位を含むエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2019172868
    (式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。XおよびYはそれぞれ独立して水素、ニトロ基、ブロモ基、ヨード基、シアノ基、クロロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、フルオロ基、フェニル基、水酸基または炭素数1〜12のアルコキシ基を示す。)
    Figure 2019172868
    (式中、R5、はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかの樹脂組成物を用いてなるフィルム。
  5. 65℃相対湿度90%環境下120時間後におけるヘーズが3%以下であり、かつ、全光線透過率が85%以上であることを特徴とする請求項4に記載のフィルム。
  6. 請求項4または請求項5に記載のフィルムを用いてなり、下記式(1)で示されるレタ−デ−ション(Re)が30〜300nmで、下記式(2)で示されるNz係数が0.3〜1.0であり、かつ、450nmにおけるレタ−デ−ションと550nmにおけるレタ−デ−ションの比Re(450)/Re(550)が0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であることを特徴とする光学フィルム。
    Re=(ny−nx)×d (1)
    Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
    (式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
  7. 請求項6に記載の光学フィルムを用いた偏光板。
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