JP2018163291A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
位相差フィルム等に好適に用いることのできる光学フィルムの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
ガラス転移温度TgAが100℃以上のポリマーAと、ガラス転移温度TgBがTgAよりも高いポリマーBとを含有する樹脂組成物を溶剤に溶解した後、基材にキャストし、20〜79℃の第1の乾燥工程と80〜200℃の第2の乾燥工程の少なくとも2段階以上の乾燥工程を有し、第一の乾燥工程終了後の樹脂溶液成分に対する残溶剤量を3〜50重量%とすることで、3次元屈折率および波長分散性を制御する製造方法を提供する。
【選択図】 なし
位相差フィルム等に好適に用いることのできる光学フィルムの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
ガラス転移温度TgAが100℃以上のポリマーAと、ガラス転移温度TgBがTgAよりも高いポリマーBとを含有する樹脂組成物を溶剤に溶解した後、基材にキャストし、20〜79℃の第1の乾燥工程と80〜200℃の第2の乾燥工程の少なくとも2段階以上の乾燥工程を有し、第一の乾燥工程終了後の樹脂溶液成分に対する残溶剤量を3〜50重量%とすることで、3次元屈折率および波長分散性を制御する製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は樹脂組成物を溶剤に溶解した後、基材にキャストし、所定の乾燥条件で乾燥することを特徴とする透明光学フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイには表示特性向上のため多くの光学フィルムが用いられている。特に位相差フィルムは、正面や斜めから見た場合のコントラスト向上、色調の補償など大きな役割を果たしている。
従来の位相差フィルムとしては、セルロース系ポリマー、ポリカーボネートや環状ポリオレフィンなどの延伸フィルムが用いられている。特にトリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系ポリマーからなるフィルムは、偏光子であるポリビニルアルコールとの接着性も良好なことから幅広く使用されている。
しかしながら、セルロース系ポリマーからなる光学フィルムはいくつかの課題がある。例えば、セルロース系フィルムは延伸条件を調整することで各種ディスプレイにあわせた位相差値を持つ光学フィルムに加工されるが、セルロ−ス系フィルムの一軸または二軸延伸により得られるフィルムの三次元屈折率は、ny≧nx>nzであり、それ以外の3次元屈折率、例えば、ny>nz>nxや、ny=nz>nxなどの3次元屈折率を有する光学フィルムを製造するためには、フィルムの片面または両面に熱収縮性フィルムを接着し、その積層体を加熱延伸処理して、フィルムの厚み方向に収縮力をかけるなど特殊な延伸方法が必要であり屈折率(位相差値)の制御も困難である(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。ここでnxはフィルム面内の進相軸方向(最も屈折率の小さい方向)の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向(最も屈折率の大きい方向)の屈折率、nzはフィルム面外(厚み方向)の屈折率を示す。
また、セルロース系フィルムは一般に溶剤キャスト法により製造されるが、キャスト法により成膜したセルロース系フィルムはフィルム厚み方向に40nm程度の面外位相差(Rth)を有するため、IPSモ−ドの液晶ディスプレイなどではカラーシフトが起こるなどの問題がある。ここで面外位相差(Rth)は以下の式で示される位相差値である。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
また、フマル酸エステル系樹脂からなる位相差フィルムが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、フマル酸エステル系樹脂からなる延伸フィルムの3次元屈折率は、nz>ny>nxであり、上記3次元屈折率を示す光学フィルムを得るためには他の光学補償フィルム等との積層などが必要である。
そこで、上記3次元屈折率を示す光学フィルムとして、樹脂組成物およびそれを用いた光学フィルムが提案されている(例えば、特許文献5〜特許文献7参照)。
また、一般に位相差フィルムは反射型液晶表示装置、タッチパネルや有機ELの反射防止層としても用いられるものであり、該用途では、特に長波長域ほどレタ−デ−ションが大きい位相差フィルム(以下、「逆波長分散フィルム」という)が求められるものである。
例えば、有機EL用円偏光板の位相差フィルムとして逆波長分散フィルムが用いられる場合、位相差は測定波長λの1/4程度が好ましく、450nmにおけるレタ−デ−ションと550nmにおけるレタ−デ−ションの比Re(450)/Re(550)は0.81に近いことが好ましい。
特許文献5〜特許文献7では単層でny<nz<nxと逆波長分散を有するフィルムが提案されているが、負の複屈折性を有する材料の組成およびブレンド比のみを変えることで3次元屈折率及び逆波長分散を制御しており、合成上の理由によりポリマーの選択に制限があることや、ブレンド比のみでは所望の位相差特性の発現が困難な場合があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は位相差フィルム等に好適に用いることのできる透明光学フィルムの製造方法を提供することにある。特に、本発明の製造方法により得られた透明光学フィルムに延伸等の加工を施すことで3次元屈折率および波長分散性が制御されたフィルムを作製することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリマーを含有する樹脂組成物を溶剤に溶解し、特定の乾燥条件で製膜することが、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ガラス転移温度TgAが100℃以上のポリマーAと、ガラス転移温度TgBがTgAよりも高いポリマーBとを含有する樹脂組成物を溶剤に溶解した後、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、20〜79℃の第1の乾燥工程と80〜200℃の第2の乾燥工程の少なくとも2段階以上の乾燥工程を有し、第一の乾燥工程終了後の樹脂溶液成分に対する残溶剤量が3〜50重量%であることを特徴とする製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる樹脂組成物は、TgAが100℃以上のポリマーAと、TgBがTgAよりも高いポリマーBとを含有する。ここで、本発明では、ポリマーAが正の複屈折性を有するポリマーであり、ポリマーBが負の複屈折性を有するポリマーであることで、透明光学フィルムとする際の位相差特性を制御できるものである。TgAが100℃未満のとき、透明光学フィルムの耐熱性が不十分となり、TgBがTgA以下のとき、位相差特性の制御が困難となる。
本発明に用いることの出来るポリマーAは、ガラス転移温度TgAが100℃以上であれば特に制限はない。
ポリマーAは、ポリマーBとの高い相溶性を付与するため、異分子間で水素結合的な相互作用を発現することが好ましい。そのため、水酸基、カルボン酸基、カルボニル基、エーテル基、アミノ基、シアノ基、ウレア基など水素結合を形成可能な官能基を有することが好ましい。
熱的安定性からポリマーAのTgAは、120℃以上が好ましい。
ポリマーAとしては、例えば、セルロース系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリエチレン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー等を挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。これらのうち本発明に係るポリマーとしては、汎用溶剤への溶解性が良好で、相溶域が広いことからセルロース系ポリマーおよびアクリル系ポリマーが好ましく、セルロースエーテルがさらに好ましく、下記一般式(1)で示されるセルロース系ポリマーが特に好ましい。
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12の置換基を示す。)
以下、本発明の光学フィルムに用いられるポリマーAとして、特に好ましいセルロース系ポリマーであるセルロースエーテルについて説明する。
以下、本発明の光学フィルムに用いられるポリマーAとして、特に好ましいセルロース系ポリマーであるセルロースエーテルについて説明する。
本発明の樹脂組成物が含有するセルロースエーテルは、β−グルコース単位が直鎖状に重合した高分子であり、グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の一部または全部をエーテル化したポリマーであり、例えば、アルキルセルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース等)、ヒドロキシアルキルセルロース(ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、アラルキルセルロース(ベンジルセルロース、トリチルセルロース等)、シアノアルキルセルロース(シアンエチルセルロース等)、カルボキシアルキルセルロース(カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等)、カルボキシアルキルアルキルセルロース(カルボキシメチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等)、アミノアルキルセルロース(アミノエチルセルロース等)等が含まれる。
セルロースの水酸基の酸素原子を介して置換している置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースの水酸基がエーテル化している割合(100%のエーテル化は置換度3)を意味し、エーテル基の全置換度DSは、有機溶剤への溶解性が良好なことから、好ましくは1.5〜3.0(1.5≦DS≦3.0)であり、さらに好ましくは1.8〜2.8である。セルロースエーテルは、炭素数1〜12の置換基を有することが好ましい。炭素数1〜12の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デカニル基、ドデカニル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、フェノニル基、ベンジル基、ナフチル基等を挙げることができる。これらの中でも、炭素数1〜5のアルキル基であるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基がさらに好ましい。本発明で用いるセルロースエーテルのエーテル基は1種類だけでもよいし、2種類以上のエーテル基を有していてもよい。エーテル基の他にエステル基を有していてもよい。
セルロースエーテルは一般に、木材又はコットンより得たセルロースパルプをアルカリ分解し、アルカリ分解したセルロースパルプをエーテル化することで合成される。アルカリとしては、リチウム,カリウム,ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物やアンモニアなどが利用でき、特に水酸化ナトリウムが好ましい。前記アルカリ類は一般に、水溶液として使用される。アルカリ性にされたセルロースパルプは好ましくは、塩化メチル又は塩化メチルとプロピレンオキシドの混合物と接触されることによりエーテル化される。セルロースエーテルの種類に応じて、ハロゲン化アルキル(塩化メチル、塩化エチルなど)、ハロゲン化アラルキル(ベンジルクロライド、トリチルクロライドなど)、ハロカルボン酸(モノクロロ酢酸、モノクロロプロピオン酸など)、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど)などのエーテル化剤が用いられる。これらのエーテル化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。通常のエーテル化剤は、アルキルハロゲン化物及びエポキシド、例えば塩化メチル、塩化エチル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、及びこれらの混合物を含む。
なお、必要であれば、反応終了後、粘度調整のため塩化水素、臭化水素、塩酸、及び硫酸等で解重合処理してもよい。
セルロース系ポリマーは、機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103〜1×106であることが好ましく、5×103〜2×105であることがさらに好ましい。
本発明に用いることの出来るポリマーBは、ガラス転移温度TgBがTgAよりも高ければ特に制限はない。
ポリマーBとしては、例えば、エチレン性不飽和モノマーを重合して得られるポリマーが挙げられる。エチレン性不飽和モノマー単位としては:ビニルエステルとして、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、オクチル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等;アクリル酸エステルとして、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル(i−、n−)、アクリル酸ブチル(n−、i−、s−、t−)、アクリル酸ペンチル(n−、i−、s−)、アクリル酸ヘキシル(n−、i−)、アクリル酸ヘプチル(n−、i−)、アクリル酸オクチル(n−、i−)、アクリル酸ノニル(n−、i−)、アクリル酸ミリスチル(n−、i−)、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、アクリル酸(ε−カプロラクトン)、アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(3−ヒドロキシプロピル)、アクリル酸(4−ヒドロキシブチル)、アクリル酸(2−ヒドロキシブチル)、アクリル酸−p−ヒドロキシメチルフェニル、アクリル酸−p−(2−ヒドロキシエチル)フェニル等;メタクリル酸エステルとして、上記アクリル酸エステルをメタクリル酸エステルに変えたもの;不飽和酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸等;スチレン類として、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレンアセトキシスチレン、ビニルフェノール、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ニトロスチレン、シアノスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル等;2つ以上の芳香族環からなる縮合環などを側鎖に有するモノマーとして、例えば、ビニルナフタレン、ビニルピレン、ビニルアズレン、ビニルカルバゾール、ビニルフルオレン等;ケイ素含有ビニル系モノマーとして、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等;窒素含有ビニル系モノマーとして、例えば、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等;フマル酸エステル;ケイ皮酸エステル等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。上記モノマーで構成されるポリマーはコポリマーでもホモポリマーでもよい。これらのうち本発明に係るポリマーとしては、汎用溶剤への溶解性が良好で、相溶域が広いことから、エステル系ポリマーが好ましく、ケイ皮酸エステル残基単位および/またはフマル酸エステル残基単位を含むエステル系ポリマーがさらに好ましい。また、本発明において、ポリマーBにおける残基単位としては、(メタ)アクリル酸エステル残基単位、ケイ皮酸エステル残基単位、フマル酸エステル残基単位等が好ましい。これら残基単位のうち、側鎖にカルボン酸基または水酸基を有する樹脂がさらに好ましい。
以下、本発明の光学フィルムに用いられるポリマーBとして、特に好ましいケイ皮酸エステル残基単位および/またはフマル酸エステル残基単位を含むエステル系ポリマーについて説明する。
なお、本発明において、複屈折の正負は以下に示すように定義される。
負の複屈折とは延伸方向が進相軸方向となるものであり、正の複屈折とは延伸方向の垂直方向が進相軸方向となるものである。
つまり、一軸延伸すると延伸軸と直交する軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向の垂直方向)なるものを正の複屈折を示す樹脂、一軸延伸すると延伸軸方向の屈折率が小さく(進相軸:延伸方向)なるものを負の複屈折を示す樹脂という。
光学フィルム用途として用いる場合、エステル系ポリマーとしては、負の複屈折の発現性が大きく、光学補償フィルムの薄膜化が図れるため、下記一般式(2)で示されるケイ皮酸エステル残基単位および/または下記一般式(3)で示されるフマル酸エステル残基単位を含むエステル系ポリマーであることが好ましい。
(式中、R4は水素または炭素数1〜12のアルキル基を示す。Xはニトロ基、ブロモ基、ヨード基、シアノ基、クロロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、フルオロ基、フェニル基または炭素数1〜12のアルコキシ基を示す。)
(式中、R5、R6はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
負の複屈折性を示すエステル系ポリマーは、負の複屈折性を示すエステル残基単位に係る単量体を100モル%として、該単量体と共重合可能な単量体の残基単位0〜20モル%を含んでいてもよい。
負の複屈折性を示すエステル系ポリマーは、負の複屈折性を示すエステル残基単位に係る単量体を100モル%として、該単量体と共重合可能な単量体の残基単位0〜20モル%を含んでいてもよい。
負の複屈折性を示すエステル残基単位に係る単量体と共重合可能な単量体の残基単位としては、例えば、スチレン残基、α−メチルスチレン残基などのスチレン類残基;アクリル酸残基;メタクリル酸残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基などのビニルエステル類残基;メチルビニルエ−テル残基、エチルビニルエ−テル残基、ブチルビニルエ−テル残基などのビニルエ−テル残基;N−メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基などのN−置換マレイミド残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基;ケイ皮酸残基;エチレン残基、プロピレン残基などのオレフィン類残基;ビニルピロリドン残基;ビニルピリジン残基等の1種または2種以上を挙げることができる。
負の複屈折性を示すエステル系ポリマーは、特に機械特性に優れ、製膜時の成形加工性に優れたものとなることから、ゲル・パーミエ-ション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した溶出曲線より得られる標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が1×103〜5×106のものであることが好ましく、5×103〜2×105であることがさらに好ましい。
負の複屈折性を示すエステル系ポリマーの製造方法としては、該エステル系ポリマーが得られる限りにおいて如何なる方法により製造してもよく、ラジカル重合を行うことにより製造することができる。負の複屈折性を示すエステル類と共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸;メタクリル酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、ブチルビニルエ−テルなどのビニルエ−テル;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;ケイ皮酸;エチレン、プロピレンなどのオレフィン類;ビニルピロリドン;ビニルピリジン等の1種または2種以上を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物におけるポリマーAとポリマーBの組成の割合は、位相差特性の発現に好適であるため、ポリマーA30〜99重量%およびポリマーB70〜1重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、熱安定性を向上させるために酸化防止剤を含有していても良い。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤、その他酸化防止剤が挙げられ、これら酸化防止剤はそれぞれ単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の樹脂組成物は、耐候性を高めるためヒンダ−ドアミン系光安定剤や紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾ−ル、ベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエ−ト等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、発明の主旨を超えない範囲で、その他ポリマ−、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、顔料、染料、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤等を含有していてもよい。
ポリマーAとポリマーBとのブレンドの方法としては、溶液ブレンド法を用いることができる。溶液ブレンド法とは樹脂等を溶剤に溶解しブレンドする方法である。溶液ブレンドに用いる溶剤としては、ポリマーAおよびポリマーBを溶解できる溶剤であればいかなる溶剤であっても構わないが、製膜工程にて、残溶剤が残りにくい様、溶剤の沸点は200℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
該溶剤としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;フェノール、バラクロロフエノールなどのフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、メシチレン、1,2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどを単独または混合した溶媒が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムを製造する際の樹脂溶液は、ポリマーAおよびポリマーBを溶剤に溶解し調製することができる。
樹脂溶液の粘度は、重合体の分子量、重合体の濃度、溶剤の種類で調整可能である。樹脂溶液の粘度としては特に制限はないが、フィルム塗工性をより容易にするため、好ましくは50〜30000cps、さらに好ましくは100〜20000cps、特に好ましくは300〜10000cpsである。
該樹脂溶液は、粘度の点より、溶媒100重量%に対して、上記ポリマーAおよびポリマーBが合計で5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがさらに好ましい。
樹脂等を溶剤に溶解したのちブレンドすることも可能であり、各樹脂の粉体、ペレット等を混練後、溶剤に溶解させることも可能である。得られたブレンド樹脂溶液を貧溶剤に投入し、樹脂組成物を析出させることも可能であり、またブレンド樹脂溶液のまま光学フィルムの製造に用いることも可能である。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの製造方法としては、如何なる方法を用いてもよいが、溶液キャスト法により製造することが好ましい。ここで、溶液キャスト法とは、樹脂溶液(一般にはド−プと称する。)を支持基材上に流延した後、加熱することにより溶媒を蒸発させてフィルムを得る方法である。塗工方法は特に制限されず、通常の方法を採用できる。例えば、Tダイ法、ドクターブレード法、バーコーター法、スロットダイ法、リップコーター法、リバースグラビアコート法、マイクログラビア法、スピンコート法、刷毛塗り法、ロールコート法、フレキソ印刷法などがあげられる。また、用いられる支持基材としては、特に制限はないが、例えばポリエステルやポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン、トリアセチルセルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリアリレート、ポリスルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂等からなる高分子基材、ガラス板や石英基板などのガラス基材、アルミやステンレスやフェロタイプ等の金属基材、セラミックス基板などの無機基材等が挙げられる。上記基材として好ましくは、高分子基材または金属基材である。
塗工溶液の乾燥工程における、乾燥方法は特に制限されず、通常の加熱手段を採用できる。例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等があげられる。
本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの製造方法では、第1の低温乾燥工程と第2の高温乾燥工程の2段階以上の乾燥工程を有し、3段階以上の乾燥工程が好ましい。第1の低温乾燥工程を2段階以上に分けてもよく、第2の高温乾燥工程を2段階以上に分けてもよい。具体的には第1の乾燥工程は20〜79℃であり、30〜79℃が好ましく、40℃〜79℃がさらに好ましい。20℃未満であると溶剤の揮発が遅く、生産性に劣り、79℃を超える場合、外観悪化の要因となったり、位相差制御が困難となる。また第1の乾燥工程終了後の樹脂溶液成分に対する残溶剤量は3〜50重量%であり、5〜30重量%が好ましい。該残溶剤量が3重量%未満である場合、乾燥時間が長時間化し、生産性が低下する。また、残溶剤量が50重量%を超える場合、外観悪化の要因となったり、位相差制御が困難となる。
このため、第2の乾燥工程の乾燥温度は80℃〜200℃である。本発明において、第2の乾燥工程以降の乾燥温度が低い場合、生産性が低下し、200℃よりも高い場合は樹脂の分解(フィルムの脆化、着色)が生じたり、外観が悪化する問題が生じる。第2の乾燥工程の前半を80〜120℃とし、後半を130℃以上とすることは乾燥時間の短縮と、位相差制御の点から好ましく選択できる。特に130℃以上の乾燥前の残溶剤としては3〜30重量%が好ましく、4〜20重量%がさらに好ましく、5〜15重量%が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いた透明光学フィルムの製造方法では、少なくとも2段階以上の乾燥工程の後、基材より剥離するものである。
本発明の透明光学フィルムは、フィルムの取扱い性及び光学部材の薄膜化への適合性の観点から、厚みが5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、20〜80μmが特に好ましい。
本発明の透明光学フィルムの位相差特性は、目的とする透明光学フィルムにより異なるものであり、例えば、下記式(1)で示される面内位相差(Re)が好ましくは60〜300nm、さらに好ましくは80〜300nm、特に好ましくは80〜280nmであって、下記式(2)で示されるNz係数が好ましくは0.30〜0.95、さらに好ましくは0.35〜0.65、特に好ましくは0.45〜0.55であるもの等が挙げられる。このときの位相差特性は全自動複屈折計(王子計測機器株式会社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い、測定波長589nmの条件で測定されるものである。
Re=(ny−nx)×d (1)
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明の透明光学フィルムの波長分散特性としては、色ずれ抑制のため、好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であり、さらに好ましくは0.70<Re(450)/Re(550)<1.02であり、特に好ましくは0.75<Re(450)/Re(550)<1.00である。
Nz=(ny−nz)/(ny−nx) (2)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
(式中、nxはフィルム面内の進相軸方向の屈折率を示し、nyはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し、nzはフィルム面外の屈折率を示し、dはフィルム厚みを示す。)
本発明の透明光学フィルムの波長分散特性としては、色ずれ抑制のため、好ましくは0.60<Re(450)/Re(550)<1.05であり、さらに好ましくは0.70<Re(450)/Re(550)<1.02であり、特に好ましくは0.75<Re(450)/Re(550)<1.00である。
本発明のポリマーAとしてセルロースエーテルを使用した場合、単独では、フラットな波長分散の光学フィルムになるが、ポリマーBとして延伸方向に対して負の複屈折性を示すポリマーをブレンドした樹脂組成物により、逆波長分散性を示す光学フィルムを提供することができる。
本発明の透明光学フィルムは、輝度向上のため、光線透過率が好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
本発明の透明光学フィルムは、コントラスト向上のため、ヘーズが好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
本発明の製造方法を用いて得られた透明光学フィルムは、面内位相差(Re)を発現するために一軸延伸またはアンバランス二軸延伸することが好ましい。透明光学フィルムを延伸する方法としては、ロ−ル延伸による縦一軸延伸法やテンタ−延伸による横一軸延伸法、斜め延伸法、これらの組み合わせによるアンバランス逐次二軸延伸法やアンバランス同時二軸延伸法等を用いることができるが、少なくとも一軸方法に延伸していれば如何なる延伸方法でもよい。
延伸する際の透明光学フィルムの厚みは、延伸処理のし易さおよび光学部材の薄膜化への適合性の観点から、10〜200μmが好ましく、15〜150μmがさらに好ましく、15〜110μmが特に好ましい。
延伸の温度は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜180℃である。一軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、良好な位相差特性が得られることから、1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましい。アンバランス二軸延伸の延伸倍率は特に制限はないが、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから長さ方向には1.05〜4.0倍が好ましく、1.1〜3.5倍がさらに好ましく、光学特性に優れた光学補償フィルムとなることから、幅方向には1.01〜1.2倍が好ましく、1.05〜1.1倍がさらに好ましい。延伸温度、延伸倍率により面内位相差(Re)を制御することができる。
本発明の樹脂組成物を用いた透明光学フィルムを延伸したフィルムは、光学補償フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の樹脂組成物を用いた透明光学フィルムは、必要に応じて他樹脂を含むフィルムと積層することができる。他樹脂としては、例えば、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、マレイミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド、セルロース系樹脂等が挙げられる。また、ハードコート層やガスバリア層を積層することも可能である。
本発明によれば、位相差フィルム等に好適に用いることのできる透明光学フィルムの製造方法を提供することができ、該透明光学フィルムは、液晶ディスプレイ用光学フィルムや有機ELなどに用いられる円偏光板用反射防止フィルム等に有用である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例により示す諸物性は、以下の方法により測定した。
<重合体の解析>
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
重合体の構造解析は核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名:JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
1H−NMRスペクトル分析より組成比解析が困難な場合はJIS K 2501(2003版)石油製品及び潤滑油−中和価試験方法に則ってフマル酸モノエステル濃度を求めた。
<数平均分子量の測定>
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソ−製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR−Hを装着)を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<Tgの測定>
ガラス転移温度は示差走査熱量計(SII製、商品名:DSC6220)を用い、走査範囲−40℃〜200℃で、JIS K 7121(2012版)プラスチックの転移温度測定方法に則って求めた。
<残溶剤量の測定>
対象乾燥工程終了後のフィルムを溶剤に溶解し、ガスクロマトグラフィー(GC)装置(島津製、商品名:GC−14A)を用いて測定した。
<フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作成したフィルムの光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)装置(東ソ−製、商品名:C0−8011(カラムGMHHR−Hを装着)を用い、テトラヒドロフラン、またはジメチルホルムアミドを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。
<Tgの測定>
ガラス転移温度は示差走査熱量計(SII製、商品名:DSC6220)を用い、走査範囲−40℃〜200℃で、JIS K 7121(2012版)プラスチックの転移温度測定方法に則って求めた。
<残溶剤量の測定>
対象乾燥工程終了後のフィルムを溶剤に溶解し、ガスクロマトグラフィー(GC)装置(島津製、商品名:GC−14A)を用いて測定した。
<フィルムの光線透過率およびヘーズの測定>
作成したフィルムの光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名:NDH2000)を使用し、光線透過率の測定はJIS K 7361−1(1997版)に、ヘーズの測定はJIS−K 7136(2000年版)に、それぞれ準拠して測定した。
<位相差特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学フィルムの位相差特性を測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用いて波長589nmの光を用いて光学フィルムの位相差特性を測定した。
<波長分散特性の測定>
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学フィルムの波長分散特性を測定した。
試料傾斜型自動複屈折計(王子計測機器製、商品名:KOBRA−WR)を用い、波長450nmの光による位相差Re(450)と波長550nmの光による位相差Re(550)の比として光学フィルムの波長分散特性を測定した。
合成例1
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル42g、フマル酸モノエチル7.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.66gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体27gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は53,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。Tgは175℃であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル42g、フマル酸モノエチル7.7gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.66gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを55℃の恒温槽に入れ、24時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体27gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は53,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位82モル%、フマル酸モノエチル残基単位18モル%であった。Tgは175℃であった。
合成例2
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸モノエチル6.7g、フマル酸ジイソプロピル37g、4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル6.1gおよび重合開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン1.48gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを60℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン50gで溶解させた。このポリマー溶液をメタノール/水=70/30(重量%/重量%)中に滴下して析出、メタノール/水=70/30(重量%/重量%)2kgで洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル共重合体26gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は32,000、フマル酸モノエチル残基単位15モル%、フマル酸ジイソプロピル残基単位72モル%、4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル残基単位13モル%であった。走査範囲内でTgは観測されず、200℃以上であると推測される。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸モノエチル6.7g、フマル酸ジイソプロピル37g、4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル6.1gおよび重合開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン1.48gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを60℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン50gで溶解させた。このポリマー溶液をメタノール/水=70/30(重量%/重量%)中に滴下して析出、メタノール/水=70/30(重量%/重量%)2kgで洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル共重合体26gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は32,000、フマル酸モノエチル残基単位15モル%、フマル酸ジイソプロピル残基単位72モル%、4−メトキシケイ皮酸n‐プロピル残基単位13モル%であった。走査範囲内でTgは観測されず、200℃以上であると推測される。
合成例3
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル33g、フマル酸モノイソプロピル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.57gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体17gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は26,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位65モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位35モル%であった。Tgは140℃であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸ジイソプロピル33g、フマル酸モノイソプロピル17gおよび重合開始剤であるtert−ブチルパーオキシピバレート0.57gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを46℃の恒温槽に入れ、84時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン200gで溶解させた。このポリマー溶液を4Lのヘキサン中に滴下して析出させた後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体17gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は26,000、フマル酸ジイソプロピル残基単位65モル%、フマル酸モノイソプロピル残基単位35モル%であった。Tgは140℃であった。
合成例4
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸モノエチル6.3g、フマル酸ジイソプロピル15g、4−メトキシケイ皮酸エチル29gおよび重合開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン1.48gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを60℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン50gで溶解させた。このポリマー溶液をメタノール/水=60/40(重量%/重量%)2kg中に滴下して析出、メタノール/水=60/40(重量%/重量%)2kgで洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合体31gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は38,000、フマル酸モノエチル残基単位22モル%、フマル酸ジイソプロピル残基単位40モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位38モル%であった。走査範囲内でTgは観測されず、200℃以上であると推測される。
合成例5
特願平5−2058等に記載の公知の溶液重合法によって4‐シアノスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体(組成80:20(mol比)、数平均分子量28,000)合成した。Tgは141℃であった。
容量75mLのガラスアンプルにフマル酸モノエチル6.3g、フマル酸ジイソプロピル15g、4−メトキシケイ皮酸エチル29gおよび重合開始剤である2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン1.48gを入れ、窒素置換と抜圧を繰り返したのち減圧状態で熔封した。このアンプルを60℃の恒温槽に入れ、48時間保持することによりラジカル重合をした。重合反応終了後、アンプルから重合物を取出し、テトラヒドロフラン50gで溶解させた。このポリマー溶液をメタノール/水=60/40(重量%/重量%)2kg中に滴下して析出、メタノール/水=60/40(重量%/重量%)2kgで洗浄した後、80℃で10時間真空乾燥することにより、フマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合体31gを得た。得られた共重合体の数平均分子量は38,000、フマル酸モノエチル残基単位22モル%、フマル酸ジイソプロピル残基単位40モル%、4−メトキシケイ皮酸エチル残基単位38モル%であった。走査範囲内でTgは観測されず、200℃以上であると推測される。
合成例5
特願平5−2058等に記載の公知の溶液重合法によって4‐シアノスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体(組成80:20(mol比)、数平均分子量28,000)合成した。Tgは141℃であった。
合成例6
特願平5−2058等に記載の公知の溶液重合法によって4‐シアノスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−n−プロピルアクリレートランダム共重合体(組成50:15:35(mol比)、数平均分子量26,000)合成した。Tgは110℃であった。
<セルロースエーテル>
セルロースエーテルとしてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard) 100、分子量Mn=55,000、分子量Mw=176,000、Mw/Mn=3.2、全置換度DS=2.5、Tg:123℃、およびダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)300、分子量Mn=91,000、分子量Mw=284,000、Mw/Mn=3.1、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)を用いた。
<セルロースエステル>
セルロースエステルとしてセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル製、CAB―381−2、Mn=40,000、ブチリル基=57モル%、アセチル基=33モル%、全置換度DS=2.70、Tg:133℃)を用いた。
特願平5−2058等に記載の公知の溶液重合法によって4‐シアノスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−n−プロピルアクリレートランダム共重合体(組成50:15:35(mol比)、数平均分子量26,000)合成した。Tgは110℃であった。
<セルロースエーテル>
セルロースエーテルとしてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard) 100、分子量Mn=55,000、分子量Mw=176,000、Mw/Mn=3.2、全置換度DS=2.5、Tg:123℃、およびダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)300、分子量Mn=91,000、分子量Mw=284,000、Mw/Mn=3.1、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)を用いた。
<セルロースエステル>
セルロースエステルとしてセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル製、CAB―381−2、Mn=40,000、ブチリル基=57モル%、アセチル基=33モル%、全置換度DS=2.70、Tg:133℃)を用いた。
実施例1
セルロース系ポリマーとしてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)100、分子量Mn=55,000、分子量Mw=176,000、Mw/Mn=3.2、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)93gと合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体57gとをトルエン/アセトン=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブン(ESPEC製、商品名:SPH−201)で表1に示す条件で乾燥した後、膜厚60μm、幅150mmのフィルムを得た。
セルロース系ポリマーとしてエチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard)100、分子量Mn=55,000、分子量Mw=176,000、Mw/Mn=3.2、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)93gと合成例1により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノエチル共重合体57gとをトルエン/アセトン=8/2(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブン(ESPEC製、商品名:SPH−201)で表1に示す条件で乾燥した後、膜厚60μm、幅150mmのフィルムを得た。
得られたフィルムを50mm角に切り出し、自動二軸延伸装置(井元製作所製、商品名:IMC−16A1型)により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例2
表1に示した乾燥条件とした他は実施例1と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例1と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例3
表1に示した乾燥条件とした他は実施例1と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例1と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例4
実施例1で用いたエチルセルロース81gと合成例2により得られたフマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合体69gをトルエン/酢酸エチル/p−キシレン=5.5/1/3.5(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例1で用いたエチルセルロース81gと合成例2により得られたフマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸n−プロピル共重合体69gをトルエン/酢酸エチル/p−キシレン=5.5/1/3.5(重量比)溶液に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例5
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例6
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例7
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例3により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gをトルエン:シクロヘキサノン=7:3(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
実施例1で用いたエチルセルロース75g、合成例3により得られたフマル酸ジイソプロピル/フマル酸モノイソプロピル共重合体75gをトルエン:シクロヘキサノン=7:3(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎し、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例8
表1に示した乾燥条件とした他は実施例7と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例7と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例9
表1に示した乾燥条件とした他は実施例7と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例7と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例10
エチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard) 300、分子量Mn=91,000、分子量Mw=284,000、Mw/Mn=3.1、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)84g、合成例4により得られたフマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合体66gをトルエン:酢酸エチル:p−キシレン=4.5:2.0:3.5(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎しセーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。 得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
エチルセルロース(ダウ・ケミカル社製 エトセル スタンダード(ETHOCEL standard) 300、分子量Mn=91,000、分子量Mw=284,000、Mw/Mn=3.1、全置換度DS=2.5、Tg:123℃)84g、合成例4により得られたフマル酸モノエチル/フマル酸ジイソプロピル/4−メトキシケイ皮酸エチル共重合体66gをトルエン:酢酸エチル:p−キシレン=4.5:2.0:3.5(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、コーターによりポリエチレンテレフタレートフィルム上に流涎しセーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚75μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。 得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により140℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例11
表1に示した乾燥条件とした他は実施例10と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例10と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例12
表1に示した乾燥条件とした他は実施例10と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例10と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
実施例13
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル製、CAB―381−2、Mn=40,000、ブチリル基=57モル%、アセチル基=33モル%、全置換度DS=2.70、Tg:133℃)140g、合成例5により得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体10gをトルエン:メチルエチルケトン=8:2(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚110μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により130℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカル製、CAB―381−2、Mn=40,000、ブチリル基=57モル%、アセチル基=33モル%、全置換度DS=2.70、Tg:133℃)140g、合成例5により得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体10gをトルエン:メチルエチルケトン=8:2(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚110μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により130℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が高く、ヘーズが小さく、透明性に優れる、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有するものであった。
比較例1
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。得られた光学フィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性の低いフィルムであり、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。得られた光学フィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性の低いフィルムであり、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
比較例2
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性の低いフィルムであり、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
比較例3
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性の低いフィルムであり、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
比較例4
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
表1に示した乾燥条件とした他は実施例4と同様にフィルムを作成した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性の低いフィルムであり、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
比較例5
実施例13で用いたセルロースアセテートブチレート140gと合成例6より得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレート−n−プロピルアクリレートランダム共重合体10gを、トルエン:メチルエチルケトン=8:2(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚110μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により130℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
実施例13で用いたセルロースアセテートブチレート140gと合成例6より得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレート−n−プロピルアクリレートランダム共重合体10gを、トルエン:メチルエチルケトン=8:2(重量比)に溶解して15重量%の樹脂溶液とし、セーフティオーブンで表1の乾燥条件にて乾燥した後、膜厚110μm幅150mmのフィルム(樹脂組成物)を作製した。得られたフィルムを50mm角に切り出し、延伸機により130℃で2.0倍に一軸延伸した。得られた光学フィルムの位相差特性、波長分散特性を測定した。その結果を表1に合わせて示す。
得られた光学フィルムは、面内位相差(Re)およびNz係数が目的とする光学特性を有していなかった。
比較例6
実施例13で用いたセルロースアセテートブチレート140gと合成例5より得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体10gを、2軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX30−SS)により200℃で溶融混練し、ペレット化した。そして、得られたペレットを熱プレス成形することにより、厚み110μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性が低く、脆いフィルムであり、位相差を測定できなかった。
実施例13で用いたセルロースアセテートブチレート140gと合成例5より得られた4‐シアノスチレン−2‐ヒドロキシエチルメタクリレートランダム共重合体10gを、2軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX30−SS)により200℃で溶融混練し、ペレット化した。そして、得られたペレットを熱プレス成形することにより、厚み110μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、光線透過率が低く、ヘーズが大きく、透明性が低く、脆いフィルムであり、位相差を測定できなかった。
本発明は、位相差フィルム等に好適に用いることのできる透明光学フィルムの製造方法を提供する。特に、本発明の製造方法により得られたフィルムに延伸等の加工を施すことで3次元屈折率および波長分散性が制御されたフィルムを作製することができ、液晶ディスプレイ用光学フィルムや有機ELなどに用いられる円偏光板用反射防止フィルム等に有用である。
Claims (5)
- ガラス転移温度TgAが100℃以上のポリマーAと、ガラス転移温度TgBがTgAよりも高いポリマーBとを含有する樹脂組成物を、溶剤に溶解した後、得られた樹脂溶液を基材にキャストし、20〜79℃の第1の乾燥工程と80〜200℃の第2の乾燥工程の少なくとも2段階以上の乾燥工程を有し、第一の乾燥工程終了後の樹脂溶液成分に対する残溶剤量が3〜50重量%であることを特徴とする透明光学フィルムの製造方法。
- 樹脂組成物が、セルロース系ポリマーであるポリマーA30〜99重量%と、負の複屈折性を示すエステル系ポリマーであるポリマーB1〜70重量%とを含有する樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の透明光学フィルムの製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の透明光学フィルムを延伸して光学補償フィルムを得ることを特徴とする光学補償フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060992A JP2018163291A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 光学フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018163291A true JP2018163291A (ja) | 2018-10-18 |
Family
ID=63860475
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JP2017060992A Pending JP2018163291A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 光学フィルムの製造方法 |
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JP (1) | JP2018163291A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020076009A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 東ソー株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
JP2021031573A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | 東ソー株式会社 | 樹脂組成物およびそれからなるフィルム |
KR20230006144A (ko) | 2021-07-02 | 2023-01-10 | 효성화학 주식회사 | 광학 필름 및 이를 포함하는 패널 |
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2017
- 2017-03-27 JP JP2017060992A patent/JP2018163291A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020076009A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | 東ソー株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
JP2021031573A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | 東ソー株式会社 | 樹脂組成物およびそれからなるフィルム |
JP7287183B2 (ja) | 2019-08-23 | 2023-06-06 | 東ソー株式会社 | 樹脂組成物およびそれからなるフィルム |
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