JP2019172842A - 捺染用樹脂組成物及び印捺物 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、反応性界面活性剤と、ラジカル重合可能なエチレン性単量体(例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類)と、カルボン酸系単量体とを乳化重合した水性樹脂分散体が開示されている。
特許文献3には、カルボキシ基含有単量体、エポキシ基含有単量体等を、コハク酸エステル型アニオン系共重合性界面活性剤の存在下で乳化共重合させたアクリル系共重合体の微粒子であって、かつ、特定のガラス転移温度(Tg)及び平均粒子径を有する微粒子を含有する捺染加工用アクリル系共重合体水性組成物が開示されている。
しかし、従来の(メタ)アクリル樹脂のエマルションでは、耐洗濯性及び摩擦堅牢性の両方に優れた印捺画像の形成を実現することは困難であった。
また、本発明が解決しようとする課題は、耐洗濯性及び摩擦堅牢性に優れる印捺画像を備える印捺物を提供することである。
<1> (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子と、
架橋剤と、
水性媒体と、
を含む捺染用樹脂組成物。
<2> 上記樹脂の粒子の平均粒子径が70nm以上200nm以下である<1>に記載の捺染用樹脂組成物。
<3> 上記樹脂のガラス転移温度が−30℃以上50℃以下である<1>又は<2>に記載の捺染用樹脂組成物。
<4> 布基材と、
上記布基材上に設けられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子同士が、架橋剤により架橋された架橋体を含む膜と、
を備える印捺物。
また、本発明によれば、耐洗濯性及び摩擦堅牢性に優れる印捺画像を備える印捺物が提供される。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本発明の捺染用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤(以下、単に「アニオン型反応性界面活性剤」ともいう。)に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤(以下、単に「ノニオン型反応性界面活性剤」ともいう。)に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子(以下、「樹脂粒子」ともいう。)と、架橋剤と、水性媒体と、を含む樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物によれば、耐洗濯性及び摩擦堅牢性に優れる印捺画像を形成し得る。
本発明の樹脂組成物は、そのまま捺染用のインク組成物として、また、捺染用のインク組成物の原料(所謂、バインダー)として、好適に使用できる。
また、本発明の樹脂組成物に含まれる樹脂粒子は、オキシアルキレン基を有する反応性界面活性剤に由来する構成単位を含んでいる。オキシアルキレン基は、親水性が高く、樹脂粒子の表面に密度の高い水和層を形成できる。これにより、本発明の樹脂組成物では、樹脂粒子が水性媒体中に非常に安定した状態で分散し得ると考えられる。
水性媒体中における樹脂粒子の分散性が良好であると、布の表面に均一な塗布膜を形成しやすくなるため、塗布膜の表面に微細な凹凸構造が生じ難くなり、塗布膜の表面が平滑になる。その結果、形成される印捺画像は、摩擦堅牢性に優れると考えられる。
本発明の樹脂組成物に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である。
まず、樹脂の構成単位について説明する。
樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を有する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位は、樹脂のガラス転移温度(Tg)の調整に寄与する。また、形成される印捺画像の靭性の向上に寄与する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基の炭素数は、例えば、1〜12の範囲が好ましく、1〜8の範囲がより好ましく、1〜6の範囲が更に好ましい。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、n−ブチルアクリレート(n−BA)、メチルメタクリレート(MMA)、及びエチルメタクリレート(EMA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、エチルアクリレート(EA)、n−ブチルアクリレート(n−BA)、及びメチルメタクリレート(MMA)からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、n−ブチルアクリレート(n−BA)とメチルメタクリレート(MMA)との組み合わせ、又は、n−ブチルアクリレート(n−BA)とエチルアクリレート(EA)との組み合わせが更に好ましく、n−ブチルアクリレート(n−BA)とメチルメタクリレート(MMA)との組み合わせが特に好ましい。
樹脂における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して20質量%以上であると、カルボキシ基を有する単量体及びシアン化ビニル単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、樹脂における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)は、例えば、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して、97質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。
樹脂における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合が多いと、相対的に架橋性官能基を有する単量体(即ち、カルボキシ基を有する単量体)の割合が減少するため、形成される膜の架橋密度が低下する。
樹脂における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が97質量%以下であると、形成される膜の架橋密度が架橋性官能基を有する単量体の割合の減少の影響を受け難いため、印捺画像の耐洗濯性がより優れる傾向がある。
樹脂は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する。
カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位は、形成される印捺画像の耐洗濯性及び摩擦堅牢性の向上に寄与する。
カルボキシ基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、架橋剤との反応性及び架橋密度の観点から、アクリル酸(AA)、イタコン酸(IA)、及びメタクリル酸(MAA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ドライクリーニング耐性の観点から、メタクリル酸(MAA)がより好ましい。
樹脂におけるカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して0.1質量%以上であると、形成される印捺画像の耐洗濯性及び摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、樹脂におけるカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合(含有率)は、例えば、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
樹脂におけるカルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して20質量%以下であると、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びシアン化ビニル単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
樹脂は、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位を有する。
シアン化ビニル単量体に由来する構成単位は、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性の向上に寄与する。
これらの中でも、シアン化ビニル単量体としては、例えば、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性がより向上し得るとの観点から、アクリロニトリル(AN)が好ましい。
樹脂におけるシアン化ビニル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して1質量%以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、樹脂におけるシアン化ビニル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)は、例えば、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
樹脂におけるシアン化ビニル単量体に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、後述するアニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計質量に対して20質量%以下であると、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシ基を有する単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、カルボキシ基を有する単量体、及びシアン化ビニル単量体以外の単量体に由来する構成単位(以下、「その他の単量体に由来する構成単位」ともいう。)を有していてもよい。
なお、本明細書でいう「単量体」には、反応性界面活性剤は含まれない。
その他の単量体の具体例としては、水酸基を有する単量体、ケトン基を有する単量体、アミド基を有する単量体、N−置換アミド基を有する単量体等が挙げられる。
水酸基を有する単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ケトン基を有する単量体の具体例としては、ジアセトンアクリルアミド(DAAD)等が挙げられる。
アミド基又はN−置換アミド基を有する単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド等が挙げられる。
樹脂は、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有する。
アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位は、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性の向上に寄与する。
オキシアルキレン基を有するアニオン型反応性界面活性剤は、単量体(特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体)との共重合性に優れる。
オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基を有するオキシアルキレン基が挙げられる。
これらの中でも、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基が好ましい。オキシエチレン基は、例えば、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基よりも親水性が高く、樹脂粒子の表面に密度の高い水和層を形成できるため、水性媒体中における樹脂粒子の分散性がより高まる。樹脂粒子の分散性がより高まることで、布の表面に均一な塗布膜を形成しやすくなるため、塗布膜の表面に微細な凹凸構造が生じ難くなり、塗布膜の表面が平滑になる。その結果、形成される印捺画像は、摩擦堅牢性により優れる傾向を示す。
また、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、例えば、電荷反発に基づく樹脂粒子の分散性がより向上し得るとの観点から、30以下が好ましく、20以下がより好ましい。
エチレン性不飽和二重結合を有する基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、アリルオキシ基、スチリル基等が挙げられる。
これらの中でも、エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、イソプロペニル基、1−プロペニル基、アリルオキシ基、及びスチリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
樹脂におけるアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して0.1質量%以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性がより優れる傾向がある。
また、樹脂におけるアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)は、例えば、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
アニオン型反応性界面活性剤が多量に含まれると、樹脂粒子の形成に寄与し得ない余剰のアニオン型反応性界面活性剤が可塑的に作用することで、形成される印捺画像の摩擦堅牢性が低下する場合がある。
樹脂におけるアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して15質量部以下であると、アニオン型反応性界面活性剤が多量に含まれることに起因する摩擦堅牢性の低下が生じ難い。
樹脂は、ノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有する。
ノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位は、ドライクリーニング耐性の向上に寄与する。
オキシアルキレン基を有するノニオン型反応性界面活性剤は、単量体(特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体)との共重合性に優れる。
オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等の炭素数2〜4のアルキレン基を有するオキシアルキレン基が挙げられる。
これらの中でも、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基が好ましい。オキシエチレン基は、例えば、オキシプロピレン基又はオキシブチレン基よりも親水性が高く、樹脂粒子の表面に密度の高い水和層を形成できるため、水性媒体中における樹脂粒子の分散性がより高まる。樹脂粒子の分散性がより高まることで、布の表面に均一な塗布膜を形成しやすくなるため、塗布膜の表面に微細な凹凸構造が生じ難くなり、塗布膜の表面が平滑になる。その結果、形成される印捺画像は、摩擦堅牢性により優れる傾向を示す。
ノニオン型反応性界面活性剤におけるエチレン性不飽和二重結合を有する基の具体例及び好ましい態様は、アニオン型反応性界面活性剤におけるエチレン性不飽和二重結合を有する基の具体例及び好ましい態様と同様であるため、ここでは説明を省略する。
樹脂におけるノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して0.1質量%以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性がより優れる傾向がある。
また、樹脂におけるノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)は、例えば、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
ノニオン型反応性界面活性剤が多量に含まれると、樹脂粒子の形成に寄与し得ない余剰のノニオン型反応性界面活性剤が可塑的に作用することで、形成される印捺画像の摩擦堅牢性が低下する場合がある。
樹脂におけるノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の割合(含有率)が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して25質量部以下であると、ノニオン型反応性界面活性剤が多量に含まれることに起因する摩擦堅牢性の低下が生じ難い。
樹脂粒子の平均粒子径は、70nm以上300nm以下であり、70nm以上250nm以下が好ましく、70nm以上200nm以下がより好ましく、70nm以上150nm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の平均粒子径が70nm以上であると、繊維中に樹脂粒子が入り込み難くなるため、布の表面に樹脂組成物の塗布膜を良好に形成できる。その結果、形成される印捺画像のウェットクリーニング耐性が向上し得る。
樹脂粒子の平均粒子径が300nm以下であると、布の表面に形成される塗布膜の厚みが樹脂粒子の大きさの影響を受け難いため、樹脂粒子同士の架橋のバラツキが生じ難くなる。その結果、形成される印捺画像の摩擦堅牢性が向上し得る。
樹脂組成物を蒸留水で希釈し、十分に撹拌混合した後、10mm角のガラスセル中にパスツールピペットを用いて5mL採取し、これを動的光散乱光度計(例えば、シスメックス(株)のゼータサイザー 1000HS)にセットする。減衰率(Attenuator)の設定値をx16(16倍)に設定し、減衰率のCount Rateが150kCps〜200kCpsになるように、樹脂組成物の希釈液の濃度を調整した後、測定温度25℃±1℃、及び光散乱角90°の条件で測定した結果をコンピュータ処理することにより、樹脂組成物中の樹脂粒子の平均粒子径を求める。また、平均粒子径の値は、Z平均の値を用いる。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、例えば、−30℃以上70℃以下が好ましく、−30℃以上50℃以下がより好ましく、捺染により布の風合いが損なわれ難いとの観点から、−30℃以上30℃以下が更に好ましい。
また、樹脂のガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であると、印捺画像を指触した際にタック感が生じ難く、印捺画像の支持体を変形させた場合でも破断等が生じ難い傾向がある。
剥離紙上に、樹脂を、4ミル(101.6μm)のアプリケーターを用いて塗布する。次いで、塗布した樹脂を乾燥(乾燥温度:105℃、乾燥時間:10分間)させ、樹脂の乾燥物を得る。この得られた乾燥物を測定用サンプルとする。次いで、測定用サンプルである乾燥物10mgをアルミ製のサンプルパン〔商品名:Tzero Pan、TA Instrument(株)〕に詰め、アルミ製の蓋〔商品名:Tzero Hermetic Lid、TA Instrument(株)〕で封をした後、示差走査熱量計を用いて、ガラス転移温度(Tg)を測定する。測定条件を以下に示す。測定は、同一サンプルについて2回行い、2回目の測定で得られる値を樹脂のガラス転移温度として採用する。
示差走査熱量計としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)の示差走査熱量計(商品名:DSC6220)を用いることができる。
雰囲気条件:大気下
測定温度範囲:−90℃〜100℃
昇温速度:20℃/分
標準物質:空のサンプルパン
本発明の樹脂組成物における樹脂粒子の含有率は、特に制限されず、例えば、樹脂組成物の全質量に対して、15質量%以上65質量%以下が好ましく、25質量%以上55質量%以下がより好ましく、30質量%以上45質量%以下が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物における樹脂粒子の含有率が、樹脂組成物の全質量に対して、上記範囲内であると、工業的な生産性がより良好となる傾向がある。また、樹脂粒子同士の凝集がより生じ難い傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、架橋剤を含む。
本発明の樹脂組成物では、架橋剤を含むため、例えば、布の表面に樹脂組成物を塗布し、形成した塗布膜を乾燥することで、樹脂組成物中の樹脂の粒子同士が架橋剤によって架橋し、布の表面に架橋体が形成される。本発明の樹脂組成物を用いて形成される印捺画像は、このような架橋体を含むため、耐洗濯性(特に、ウェットクリーニング耐性)及び摩擦堅牢性に優れる傾向を示す。
ヒドラジド系架橋剤としては、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、セバシン酸ジヒドラジド(SDH)、ドデカンジオヒドラジド(DDH)、イソフタル酸ジヒドラジド(IDH) サリチル酸ヒドラジド(SAH)等のヒドラジド基を有する化合物が挙げられる。
オキサゾリン系架橋剤としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−アクリロイル−オキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−メタクリロイルオキシメチル−2,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−フェニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−(4−ビニルフェニル)−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン、4−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、4−エチル−4−カルボエトキシメチル−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
架橋剤の市販品の例としては、アジピン酸ジヒドラジド[ヒドラジド系架橋剤、(株)日本ファインケム]、エポクロス(登録商標)WS−300[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒]、エポクロス(登録商標)WS−500[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒]等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物における架橋剤の含有量は、例えば、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
樹脂組成物中に架橋剤が多量に含まれると、密な架橋構造を有する印捺画像が形成されるため、印捺画像の伸縮性(可撓性)が低下し、印捺画像の摩擦堅牢性が低下する場合がある。本発明の樹脂組成物における架橋剤の含有量が、樹脂の構成単位(但し、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤を含む反応性界面活性剤に由来する構成単位を除く。)の合計100質量部に対して、20質量部以下であると、樹脂組成物中に架橋剤が多量に含まれることに起因する印捺画像の摩擦堅牢性の低下が生じ難い。
本発明の樹脂組成物は、水性媒体を含む。
本発明の樹脂組成物に含まれる水性媒体は、樹脂粒子の分散媒として機能し得る。
水性媒体は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。
水性媒体としては、水、水とアルコール系溶剤との混合液等が挙げられる。
水性媒体としては、例えば、樹脂粒子の分散性の観点から、水が好ましい。
本発明の樹脂組成物における水性媒体の含有率は、特に制限されず、例えば、樹脂組成物の全質量に対して、35質量%以上85質量%以下が好ましく、45質量%以上75質量%以下がより好ましく、55質量%以上70質量%以下が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物における水性媒体の含有率が、樹脂組成物の全質量に対して、上記範囲内であると、工業的生産性により優れる傾向がある。また、樹脂粒子の分散性がより良好となる傾向がある。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、既述した成分以外の成分(所謂、その他の成分)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、pH調整剤、消泡剤等の各種添加剤が挙げられる。
本発明の樹脂組成物のpHは、例えば、水性媒体中における樹脂粒子の分散性の観点から、2〜10が好ましい。
本発明の樹脂組成物のpHの測定方法は、特に制限されない。
本発明の樹脂組成物のpHは、pHメーターを用い、JIS Z 8802:2011に準拠した方法により、液温25℃の条件にて測定した値を採用する。測定装置としては、例えば、(株)堀場製作所のpHメーター(商品名:F−51)を使用できる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、既述の樹脂組成物を製造できればよく、特に制限されない。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、樹脂組成物を製造しやすいとの観点から、以下で説明する、本実施形態の樹脂組成物の製造方法が好ましい。
乳化重合工程は、アニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、及び水性媒体の存在下、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、カルボキシ基を有する単量体と、シアン化ビニル単量体と、を重合させて、樹脂の粒子を得る工程である。
乳化重合工程では、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、カルボキシ基を有する単量体と、シアン化ビニル単量体と、アニオン型反応性界面活性剤と、ノニオン型反応性界面活性剤と、が共重合して、アニオン型反応性界面活性剤及びノニオン型反応性界面活性剤による水和層が表面に形成された樹脂の粒子が得られる。
(1)温度計、撹拌棒、還流冷却器、滴下ロート等を備えた反応容器内に、少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、カルボキシ基を有する単量体と、シアン化ビニル単量体と、アニオン型反応性界面活性剤と、ノニオン型反応性界面活性剤と、水性媒体(例えば、水)と、を仕込み、反応容器内を昇温させた後、適宜、重合開始剤、還元剤等を加えて、乳化重合反応を進行させる方法(所謂、一括仕込み方式)、
(2)温度計、撹拌棒、還流冷却器、滴下ロート等を備えた反応容器内に、少なくとも、アニオン型反応性界面活性剤と、ノニオン型反応性界面活性剤と、水性媒体(例えば、水)と、を仕込み、反応容器内を昇温させた後、単量体成分〔少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、カルボキシ基を有する単量体、及びシアン化ビニル単量体〕を滴下し、適宜、重合開始剤、還元剤等を加えて、乳化重合反応を進行させる方法(所謂、モノマー滴下法)、
(3)単量体成分〔少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、カルボキシ基を有する単量体、及びシアン化ビニル単量体〕を予め、少なくとも、アニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、及び水性媒体(例えば、水)を用いて乳化させ、プレエマルションを得た後、得られたプレエマルションを、温度計、撹拌棒、還流冷却器、滴下ロート等を備えた反応容器内に滴下し、適宜、重合開始剤、還元剤等を加えて、乳化重合反応を進行させる方法(所謂、乳化モノマー滴下法)等が挙げられる。
これらの中でも、重合方法としては、例えば、工業的生産性の観点から、上記(3)の乳化モノマー滴下法が好ましい。
重合時間は、例えば、4時間〜10時間であり、好ましくは4時間〜8時間である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して20質量部以上であると、例えば、カルボキシ基を有する単量体及びシアン化ビニル単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用量は、例えば、単量体の総量100質量部に対して、97質量部以下が好ましく、95質量部以下がより好ましく、90質量部以下が更に好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用量が多いと、相対的に架橋性官能基を有する単量体(即ち、カルボキシ基を有する単量体)の割合が減少するため、形成される膜の架橋密度が低下する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して97質量部以下であると、形成される膜の架橋密度が架橋性官能基を有する単量体の割合の減少の影響を受け難いため、印捺画像の耐洗濯性がより優れる傾向がある。
カルボキシ基を有する単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して0.1質量部以上であると、形成される印捺画像の耐洗濯性及び摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、カルボキシ基を有する単量体の使用量は、例えば、単量体の総量100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
カルボキシ基を有する単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して20質量部以下であると、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びシアン化ビニル単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
シアン化ビニル単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して1質量部以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、シアン化ビニル単量体の使用量は、単量体の総量100質量部に対して20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。
シアン化ビニル単量体の使用量が、単量体の総量100質量部に対して20質量部以下であると、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体及びカルボキシ基を有する単量体との共重合性が低下することによる樹脂の分子量の低下が生じ難いため、形成される印捺画像の摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
アニオン型反応性界面活性剤の使用量が、単量体の総量100質量部に対して0.1質量部以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性がより優れる傾向がある。
また、アニオン型反応性界面活性剤の使用量は、例えば、単量体の総量100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
アニオン型反応性界面活性剤を多量に使用すると、樹脂粒子の形成に寄与し得ない余剰のアニオン型反応性界面活性剤が可塑的に作用することで、形成される印捺画像の摩擦堅牢性が低下する場合がある。
アニオン型反応性界面活性剤の使用量が、単量体の総量100質量部に対して15質量部以下であると、アニオン型反応性界面活性剤を多量に使用することに起因する摩擦堅牢性の低下が生じ難い。
ノニオン型反応性界面活性剤の使用量が、単量体の総量100質量部に対して0.1質量部以上であると、形成される印捺画像のドライクリーニング耐性がより優れる傾向がある。
また、ノニオン型反応性界面活性剤の使用量は、例えば、単量体の総量100質量部に対して、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
ノニオン型反応性界面活性剤を多量に使用すると、樹脂粒子の形成に寄与し得ない余剰のノニオン型反応性界面活性剤が可塑的に作用することで、形成される印捺画像の摩擦堅牢性が低下する場合がある。
ノニオン型反応性界面活性剤の使用量が、単量体の総量100質量部に対して25質量部以下であると、ノニオン型反応性界面活性剤を多量に使用することに起因する摩擦堅牢性の低下が生じ難い。
重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用できるものであれば、特に制限なく、使用できる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸カリウムに代表される過硫酸塩、t−ブチルヒドロパーオキサイド及びクメンヒドロパーオキサイドに代表される有機過酸化物、並びに過酸化水素が挙げられる。
乳化重合工程において重合開始剤を用いる場合、重合開始剤を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
重合開始剤の使用量は、原料である単量体の合計100質量部に対して、例えば、0.1質量部〜2質量部であり、好ましくは0.3質量部〜1.5質量部である。
乳化重合工程では、既述の重合開始剤とともに、還元剤を用いてもよい。
還元剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム(「二亜硫酸ナトリウム」ともいう。)、ピロリン酸ナトリウム、チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等が挙げられる。
乳化重合工程において還元剤を用いる場合、還元剤を1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
還元剤の使用量は、原料である単量体の合計100質量部に対して、例えば、0.1質量部〜2質量部であり、好ましくは0.3質量部〜1.5質量部である。
本実施形態の製造方法は、必要に応じ、乳化重合工程以外の他の工程を有していてもよい。他の工程としては、懸濁重合工程等が挙げられる。
本発明の印捺物は、布基材と、上記布基材上に設けられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子(以下、「特定樹脂粒子」ともいう。)同士が、架橋剤により架橋された架橋体を含む膜と、を備える。
本発明の印捺物は、耐洗濯性及び摩擦堅牢性に優れる印捺画像を備える。
本発明の印捺物は、布基材を備える。
布基材としては、特に制限はない。
布基材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリオレフィン樹脂に代表される熱可塑性樹脂の繊維、綿及び麻に代表される天然繊維等により形成された織布、編布、不織布などが挙げられる。
布基材の厚みは、特に制限されず、例えば、ある程度の変形に耐え得る強度と折り曲げやすさとを両立する観点から、通常、100μm〜5000μmとする。
本発明の印捺物は、布基材上に設けられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子(即ち、特定樹脂の粒子)同士が、架橋剤により架橋された架橋体を含む膜(所謂、印捺画像)を備える。
本発明の印捺物が備える膜は、特定樹脂の粒子同士が架橋剤により架橋された架橋体を含むため、布基材から剥がれ難く、耐洗濯性及び摩擦堅牢性に優れる。
例えば、布基材上に、既述の本発明の樹脂組成物を塗布し、形成された塗布膜を乾燥することにより、膜(所謂、印捺画像)を形成できる。
布基材上に、樹脂組成物を塗布する方法としては、特に制限されず、例えば、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の公知の印刷方法を採用できる。
布基材上に形成された樹脂組成物の塗布膜を乾燥する方法は、特に制限されず、例えば、自然乾燥、加熱乾燥等の乾燥方法が挙げられる。
なお、実施例において、樹脂粒子の平均粒子径、樹脂のガラス転移温度(Tg)、及び樹脂組成物のpHは、既述の方法により測定した。また、測定装置には、例として記載したものと同様のものを使用した。
〔実施例1〕
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の1.5質量%(2.8質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.5質量%であった。
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.7質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.7質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、エチルアクリレート(EA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.1の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.8質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]20.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]64.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水41.7質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水58.0質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]43.0質量部と、エチルアクリレート(EA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]43.0質量部と、イタコン酸(IA)[カルボキシ基を有する単量体]1.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]12.3質量部と、ジアセトンアクリルアミド(DAAD)[その他の単量体]0.7質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の1.5質量%(2.8質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]1.7質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]1.7質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.5質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]8.2質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]8.2質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、6.9質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]1.6質量部と、8.0質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]1.6質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水0.8質量部を加えた後、架橋剤である「アジピン酸ジヒドラジド(ADH)」[ヒドラジド系架橋剤、(株)日本ファインケム、有効成分量:98質量%]0.2質量部を加え、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、45.2質量%であった。
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.6質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]17.5質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.2質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−40」[(株)ADEKA]19.0質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.2質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)SR−10」[(株)ADEKA]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.4質量%であった。
「脱イオン交換水58.0質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)AR−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.6質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]11.4質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]2.5質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]4.3質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の3.0質量%(5.3質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.5質量%であった。
実施例11において、反応容器内に添加するプレエマルションの量を「3.0質量%(5.3質量部)」から「4.5質量%(7.9質量部)」に変更したこと以外は、実施例11と同様にして、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.6質量%であった。
実施例11において、反応容器内に添加するプレエマルションの量を「3.0質量%(5.3質量部)」から「0.1質量%(0.2質量部)」に変更したこと以外は、実施例11と同様にして、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.4質量%であった。
実施例1において、架橋剤として、「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部加える代わりに、「エポクロス(登録商標)WS−300」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:10質量%]を26.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加えたこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.5の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、35.3質量%であった。
実施例1において、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部加える代わりに、2.5質量部(固形分換算で0.5質量部)加えたこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.1の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、37.3質量%であった。
実施例1において、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部加える代わりに、25.0質量部(固形分換算で5.0質量部)加えたこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、36.1質量%であった。
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.5の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.5質量%であった。
「脱イオン交換水58.0質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、架橋剤である「アクリエステル(登録商標)ED」[ジメタクリル酸エチレングリコール、三菱ケミカル(株)]2.0質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.4質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]16.4質量部と、イタコン酸(IA)[カルボキシ基を有する単量体]2.5質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.3質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、アクリル酸(AA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]10.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]74.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の1.5質量%(2.8質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.3質量%であった。
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水50.0質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水68.7質量部と、非反応性界面活性剤である「ハイテノール(登録商標)08E」[第一工業製薬(株)]0.1質量部及び「エマルゲン(登録商標)1135S−70」[花王(株)]4.1質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]43.0質量部と、エチルアクリレート(EA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]43.0質量部と、イタコン酸(IA)[カルボキシ基を有する単量体]1.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]12.3質量部と、ジアセトンアクリルアミド(DAAD)[その他の単量体]0.7質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の3.0質量%(5.1質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]1.7質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]1.3質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、5時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.5質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]8.2質量部と、2.5質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]8.2質量部と、を5時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]3.4質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]6.1質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水0.8質量部を加えた後、架橋剤である「アジピン酸ジヒドラジド(ADH)」[ヒドラジド系架橋剤、(株)日本ファインケム]0.2質量部を加え、pH7.1の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、40.6質量%であった。
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、37.5質量%であった。
「脱イオン交換水73.2質量部と、非反応性界面活性剤である「ネオペレックス(登録商標)G−65」[花王(株)]7.7質量部及び「エマルゲン(登録商標)1135S−70」[花王(株)]16.3質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]70.6質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]13.9質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、39.2質量%であった。
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.2質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]2.5質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]4.3質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の7.0質量%(12.3質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.4の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.7質量%であった。
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.2質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]2.5質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]4.3質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルション全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.4質量%であった。
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]10.1質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の0.5質量%(0.9質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、37.2質量%であった。
温度計、撹拌棒、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応容器内に、脱イオン交換水37.5質量部を仕込み、反応容器内を窒素置換しながら60℃に昇温させた。
一方、別の容器に、脱イオン交換水73.3質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]17.5質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]55.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。
次に、反応容器の内温を60℃に保ちながら、上記にて調製したプレエマルションの内の4.0質量%(7.5質量部)を反応容器内に添加した後、5.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]2.8質量部と、5.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]2.8質量部と、を加え、乳化重合反応を開始させた。
反応容器の内温が60℃であることを確認した後、上記にて調製したプレエマルションの残り全量を、3時間にわたって均一に逐次添加するとともに、2.0質量%の過硫酸カリウム水溶液[重合開始剤]18.0質量部と、2.0質量%の二亜硫酸ナトリウム水溶液[還元剤]18.0質量部と、を3時間30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合させた。
次に、プレエマルションの逐次添加終了の1時間後から、3.2質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液[商品名:パーブチル(登録商標)H、日油(株)、重合開始剤]10.8質量部と、2.1質量%の二酸化チオ尿素[商品名:テックライト、(株)ADEKA、還元剤]10.8質量部と、を30分にわたって均一に逐次添加し、乳化重合物を得た。
得られた乳化重合物を60℃で30分熟成させてから室温まで冷却し、12.5質量%のアンモニア水1.0質量部を加えた後、架橋剤である「エポクロス(登録商標)WS−500」[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒、有効成分量:39質量%]の有効成分量を脱イオン水で希釈して20質量%に調整したものを13.0質量部(固形分換算で2.6質量部)加え、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、36.8質量%であった。
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.2の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.1質量%であった。
「脱イオン交換水73.3質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]65.5質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、メタクリル酸(MAA)[カルボキシ基を有する単量体]5.0質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
実施例1において、プレエマルションの調製方法を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、pH7.3の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の固形分は、38.1質量%であった。
「脱イオン交換水58.0質量部と、アニオン型反応性界面活性剤である「アクアロン(登録商標)KH−10」[第一工業製薬(株)]5.0質量部と、ノニオン型反応性界面活性剤である「アデカリアソープ(登録商標)ER−10」[(株)ADEKA]5.7質量部及び「アデカリアソープ(登録商標)ER−30」[(株)ADEKA]8.8質量部と、を入れて撹拌した後、更に、n−ブチルアクリレート(n−BA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]60.0質量部と、メチルメタクリレート(MMA)[(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体]29.5質量部と、アクリロニトリル(AN)[シアン化ビニル単量体]10.5質量部と、を入れて撹拌することで、プレエマルションを調製した。」
1.捺染糊の調製
下記の組成に示す成分を混合し、捺染糊を調製した。なお、下記の組成に示す評価用樹脂組成物は、上記にて得られた実施例1〜実施例20及び比較例1〜比較例9の各樹脂組成物に対し、脱イオン水を加えて、固形分を30質量%に調整したものである。また、下記の組成に示すレデューサーは、ミネラルターペン65質量部を、ノニオン型界面活性剤[商品名:DKS−NL−70、第一工業製薬(株)]4質量部用いて、脱イオン水31質量部中に乳化分散させたものである。
・レデューサー 63.5質量部
・評価用樹脂組成物 30.0質量部
・5質量%アンモニア水 1.5質量部
・顔料ペースト 5.0質量部
[商品名:BLUE FL2B Conc、青色、大日精化工業(株)]
上記にて調製した捺染糊を用いて、綿ブロード(24cm×36cm)に対し、300メッシュのシルクスクリーンを用いて、幅10mm、長さ約160mmの縞模様を間隔10mmで10本捺染加工を施し、23℃、65%RHの室内にて24時間乾燥を行い、試験シートとした。
1.耐洗濯性
(1)ドライクリーニング耐性
試験シートに対し、ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法(JIS L 0860:2016)のB−2法に基づく試験を行い、試験シートの退色度合い、及び、添付白布の着色度合いを目視にて観察し、下記の評価基準に従って、ドライクリーニング耐性を評価した。結果を表3に示す。
ドライクリーニング耐性に優れる印捺画像を形成できる樹脂組成物は、「5」、「4」、又は「3」に分類されるものである。
5:試験シートの退色及び添付白布の着色のいずれも確認できなかった。
4:試験シートの退色は確認できなかったが、添付白布に僅かな着色が確認できた。
3:試験シートに僅かな退色が確認でき、かつ、添付白布に着色が確認できた。
2:試験シートに退色が確認できた。
1:試験シートに激しい退色が確認された。
40L(リットル)容量のうず巻き反転式家庭用洗濯機に、40℃の温水を30L入れ、洗剤[商品名:トッププラチナクリア、ライオン(株)」120gと、負荷布としての新品の綿製のタオル1kgと、試験シートを縫い付けた綿製のタオル1枚と、をいれ、洗濯15分間、すすぎ5分間、脱水1分間、及び室温乾燥を1サイクルとして、合計5サイクルの洗濯を行った。洗濯後の試験シートを目視にて観察し、下記の評価基準に従って、ウェットクリーニング耐性を評価した。結果を表3に示す。
ウェットクリーニング耐性に優れる印捺画像を形成できる樹脂組成物は、「3」に分類されるものである。
3:試験シートに損傷がほとんど確認されなかった。
2:試験シートに損傷が少し確認された。
1:試験シートの損傷が目立つ。
試験シートを水に10分間浸漬した後、学振型摩擦堅牢度試験機[商品名:RT−200、(株)大栄科学精器製作所]にセットし、下記の摩擦条件にて試験を行った。試験後、摩擦子を被覆した金巾を観察し、下記の評価基準に従って、摩擦堅牢性を評価した。結果を表3に示す。
摩擦堅牢性に優れる印捺画像を形成できる樹脂組成物は、「4」又は「3」に分類されるものである。
摩擦子:45R(水で十分に濡らした金巾で被覆したもの)
荷重:200g
摩擦回数:100回
4:摩擦子への色落ちが殆どない。
3:摩擦子への色落ちが少しある。
2:摩擦子への色落ちがやや多い。
1:摩擦子への色落ちが多い。
試験シートを手で触り、下記の評価基準に従って、風合いを評価した。結果を表3に示す。
「4」に分類されるものが、最も風合いに優れる。
4:試験シートが容易に折れ曲がり、綿布帛そのものの柔らかさが感じられる。
3:試験シートが容易に折れ曲がり、柔らかさを感じるものの、綿布帛そのものの柔らかさとは異なる。
2:試験シートが折れ曲がり難く、試験シートに若干のごわつきが感じられる。
1:試験シートが自由に折れ曲がらないほど固い。
表1及び表2に示す界面活性剤の配合量は、有効成分換算値である。
<アニオン型反応性界面活性剤>
「AR−10」:アクアロン(登録商標)AR−10[有効成分:ポリオキシエチレンスチレン化プロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基、平均付加モル数:10〕、有効成分量:99質量%、第一工業製薬(株)]
「KH−10」:アクアロン(登録商標)KH−10[有効成分:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基、平均付加モル数:10〕、有効成分量:99質量%、第一工業製薬(株)]
「SR−10」:アデカリアソープ(登録商標)SR−10[有効成分:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基、平均付加モル数:10〕、有効成分量:100質量%、(株)ADEKA]
「ER−10」:アデカリアソープ(登録商標)ER−10[有効成分:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基(EO)、平均付加モル数:10〕、有効成分量:100質量%、(株)ADEKA]
「ER−30」:アデカリアソープ(登録商標)ER−30[有効成分:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基(EO)、平均付加モル数:30〕、有効成分量:65質量%、(株)ADEKA]
「ER−40」:アデカリアソープ(登録商標)ER−40[有効成分:ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基(EO)、平均付加モル数:40〕、有効成分量:60質量%、(株)ADEKA]
「G−65」:ネオペレックス(登録商標)G−65[有効成分:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、有効成分量:65質量%、花王(株)]
「08E」:ハイテノール(登録商標)08E[有効成分:ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル硫酸エステルアンモニウム〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基、平均付加モル数:10〕、有効成分量:95質量%、第一工業製薬(株)]
「1135S−70」:エマルゲン(登録商標)1135S−70[有効成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔オキシアルキレン基の種類:オキシエチレン基、平均付加モル数:40〕、有効成分量:70質量%、花王(株)]
「n−BA」:n−ブチルアクリレート
「EA」:エチルアクリレート
「MMA」:メチルメタクリレート
<カルボキシ基を有する単量体>
「AA」:アクリル酸
「IA」:イタコン酸
「MAA」:メタクリル酸
<シアン化ビニル単量体>
「AN」:アクリロニトリル
<その他の単量体>
「DAAD」:ジアセトンアクリルアミド
「ED」:アクリエステル(登録商標)ED[ジメタクリル酸エチレングリコール、三菱ケミカル(株)]
「ADH」:アジピン酸ジヒドラジド[ヒドラジド系架橋剤、(株)日本ファインケム、有効成分量:98質量%]
「WS−300」:エポクロス(登録商標)WS−300[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒]
「WS−500」:エポクロス(登録商標)WS−500[オキサゾリン系架橋剤、(株)日本触媒]
一方、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位のいずれの構成単位も有しない樹脂の粒子を含む比較例1の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の両方を有する樹脂の粒子を含む実施例(例えば、実施例5)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、ウェットクリーニング耐性に劣る傾向を示した。
このような結果は、樹脂を構成する単量体の組成及び架橋剤の種類が異なる比較例2の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像においても確認された。
架橋剤を含まない比較例3の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、架橋剤を含む実施例(例えば、実施例1)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、耐洗濯性(特に、ウェットクリーニング耐性)及び摩擦堅牢性に劣る傾向を示した。
樹脂粒子の平均粒子径が70nm未満である比較例4の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、樹脂粒子の平均粒子径が70nm以上300nm以下の範囲内である実施例(例えば、実施例12)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、ウェットクリーニング耐性に劣る傾向を示した。
樹脂粒子の平均粒子径が300nmを超える比較例5の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、樹脂粒子の平均粒子径が70nm以上300nm以下の範囲内である実施例(例えば、実施例13)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、摩擦堅牢性に劣る傾向を示した。
アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、ノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有しない樹脂の粒子を含む比較例6の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の両方を有する樹脂の粒子を含む実施例(例えば、実施例1)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、ドライクリーニング耐性に劣る傾向を示した。
ノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有しない樹脂の粒子を含む比較例7の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、アニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位及びノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位の両方を有する樹脂の粒子を含む実施例(例えば、実施例1)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、摩擦堅牢性に劣る傾向を示した。
シアン化ビニル単量体に由来する構成単位を有しない樹脂の粒子を含む比較例8の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位を有する樹脂の粒子を含む実施例(例えば、実施例1)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、ドライクリーニング耐性及び摩擦堅牢性に劣る傾向を示した。
カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有しない樹脂の粒子を含む比較例9の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像は、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する樹脂の粒子を含む実施例(例えば、実施例1)の樹脂組成物を用いて形成された印捺画像と比較して、耐洗濯性(特に、ウェットクリーニング耐性)及び摩擦堅牢性に劣る傾向を示した。
Claims (4)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子と、
架橋剤と、
水性媒体と、
を含む捺染用樹脂組成物。 - 前記樹脂の粒子の平均粒子径が70nm以上200nm以下である請求項1に記載の捺染用樹脂組成物。
- 前記樹脂のガラス転移温度が−30℃以上50℃以下である請求項1又は請求項2に記載の捺染用樹脂組成物。
- 布基材と、
前記布基材上に設けられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位、シアン化ビニル単量体に由来する構成単位、オキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するアニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位、及びオキシアルキレン基とエチレン性不飽和二重結合とを有するノニオン型反応性界面活性剤に由来する構成単位を有し、かつ、平均粒子径が70nm以上300nm以下である樹脂の粒子同士が、架橋剤により架橋された架橋体を含む膜と、
を備える印捺物。
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