JP2019171813A - 積層体、包装材料及び包装体 - Google Patents

積層体、包装材料及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】高い開封容易性、強度及び耐内容物性を有する包装体を作製することのできる積層体の提供。【解決手段】本発明の積層体は、基材と、ラミネート層及びシール層を備えるシーラント層とを備え、ラミネート層が、C−4LLDPE及びLDPEを含み、シール層が、C−4LLDPE及びC−6LLDPEを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は積層体、並びに該積層体を構成材料とする包装材料及び包装体に関する。
食品、飲料、洗剤及び漂白剤等を充填する容器として、樹脂フィルム等をヒートシールすることにより作製され、内容物充填用の開口部を備える包装材料が利用されている。
包装材料を構成する樹脂フィルムの種類によっては、容易に引き裂くことができず、包装材料の開口部をヒートシールし、作製した包装体を開封する際、内容物の漏れ等を生じさせてしまう場合がある。そのため、開封容易性向上のため、従来より様々な加工が包装体に施されている。
例えば、特許文献1においては、包装体が内側に湾曲した湾曲部が設けられている。
しかしながら、従来の湾曲部を備える包装体は、落下時等の衝撃が、該湾曲部に集中する傾向にあり、破袋しやすいという問題があり、包装体の強度改善が求められていた。
また、従来の包装材料に、界面活性剤や過酸化水素を含む内容物を充填した場合、時間経過と共に、ヒートシール部分が浸食されてしまい、内容物が漏れてしまうという問題があり、包装材料の耐内容物性の改善が求められていた。
特開2015−147582号公報
驚くべきことに、本発明者らは、基材と、ラミネート層及びシール層を備えるシーラント層を備える積層体において、ラミネート層にC−4LLDPE及びLDPEを含有させ、シール層にC−4LLDPE及びC−6LLDPEを含有させることにより、該積層体を用いて作製される包装体の開封容易性、強度及び耐内容物性を顕著に改善できるとの知見を得た。
したがって、本発明の解決しようとする課題は、高い開封容易性、強度及び耐内容物性を有する包装体を作製することのできる積層体を提供することである。
また、本発明の解決しようする課題は、該積層体を構成材料とする包装材料及び包装体を提供することである。
本発明の積層体は、基材と、ラミネート層及びシール層を備えるシーラント層とを備え、ラミネート層が、C−4LLDPE及びLDPEを含み、シール層が、C−4LLDPE及びC−6LLDPEを含むことを特徴とする。
上記態様においては、シール層の形成に用いられる樹脂組成物のMFRが、0.1g/10分以上、3.5g/10分以下であることが好ましい。
上記態様においては、ラミネート層におけるC−4LLDPEと、LDPEとの含有量比(C−4LLDPE/LDPE)は、質量基準で、25/75以上、75/25以下であることが好ましい。
上記態様においては、シール層におけるC−4LLDPEと、C−6LLDPEとの含有量比(C−4LLDPE/C−6LLDPE)は、質量基準で、25/75以上、75/25以下であることが好ましい。
上記態様においては、シール層と、ラミネート層との厚さの比(シール層の厚さ/ラミネート層の厚さ)は、5/100以上、40/100以下であることが好ましい。
上記態様においては、ラミネート層の厚さは、25μm以上、190μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、シール層の厚さは、5μm以上、55μm以下であることが好ましい。
本発明の包装材料は、上記積層体を構成材料とすることを特徴とする。
本発明の包装体は、上記積層体を構成材料とし、充填される内容物が、界面活性剤及び過酸化水素の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高い開封容易性、強度及び耐内容物性を有する包装体を作製することのできる積層体を提供することができる。
図1は、本発明の積層体の模式断面図を表す。 図2は、本発明の積層体を構成材料とする包装体の正面図を表す。
(積層体)
本発明の積層体10は、図1に示すように、基材11と、ラミネート層12及びシール層13とを備えるシーラント層14とを備える。
(基材)
基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂、並びにセロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用することができる。
上記した樹脂の中でも、包装体としたときの強度及び開封容易性という観点から、PET等のポリエステル系樹脂及びナイロン6等のポリアミド系樹脂が好ましい。また、これら樹脂は、本発明の積層体により作製された包装材料又は包装体に対し、炭酸ガスレーザーが照射された際、該レーザー光線を吸収し、部分的に消失して切り取り部を形成させることができるため好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。
また、樹脂フィルムは、無延伸のものであっても、一軸延伸のものであっても、二軸延伸のものであってもよいが、機械的強度という観点からは、二軸延伸のものであることが好ましい。
また、基材として、上記した樹脂フィルムの積層体を使用してもよく、例えば、PETフィルムと、ポリアミド系樹脂フィルムとを、従来公知の接着剤を介して積層したものが挙げられる。
基材は、蒸着膜を備えていてもよく、これにより、本発明の積層体のガスバリア性を向上させることができる。
蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物を含む蒸着膜を使用することができる。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMO(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ素(B)は、0〜1.5、チタン(Ti)は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜2、ジルコニウム(Zr)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用することができる。
本発明において、上記のような無機物または無機酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する無機物または無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
また、隣接する層の接着性を向上させるために、基材の表面に対し、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、またはフレーム処理などの表面活性化処理を行うことが好ましい。
また、基材は、その表面に、文字、柄、記号等の画像が形成されていてもよい。画像の経時的な劣化を防止することができるため、基材のラミネート層を積層する側に画像を形成することが好ましい。
画像の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、生産性の観点から、グラビア印刷法が好ましい。
また、画像形成に使用する着色剤についても特に限定されるものではなく、例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(あるいは染料も含む)、アルミニウム、真鍮、等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を用いることができる。
基材の厚さは、5μm以上、60μm以下であることが好ましく、6μm以上、40μm以下であることがより好ましい。基材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性及び強度をより向上することができる。
上記した樹脂フィルムは、インフレーション法やTダイ法等の従来公知の方法により作製したものであってもよく、市販されるものであってもよい。
(シーラント層)
シーラント層は、ラミネート層及びシール層を備える。
シーラント層の厚さは、30μm以上、200μm以下であることが好ましく、80μm以上、150μm以下であることがより好ましい。シーラント層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性及び強度をより向上することができる。
また、シール層と、ラミネート層との厚さの比(シール層/ラミネート層)は、5/100以上、40/100以下であることが好ましく、10/100以上、30/100以下であることがより好ましい。これらの厚さの比を上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性、強度及び耐内容物性をより向上することができる。
シーラント層は、従来公知の接着剤を介して、基材と積層することができる。なお、この積層は、基材と、ラミネート層とが接するように行われる。
(ラミネート層)
シーラント層が備えるラミネート層は、C−4LLDPE及びLDPEを含む。本発明において、C−4LLDPEとは、エチレンと、炭素数が4個のα−オレフィンとの共重合体を指す。
また、本発明において、LDPE及びC−4LLDPEの密度は0.931g/cm未満とする。
ラミネート層におけるC−4LLDPEの含有量は、25質量%以上、75質量%以下であることが好ましく、50質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。ラミネート層におけるC−4LLDPEの含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性を維持しつつ、落下強度をより向上することができる。
ラミネート層におけるLDPEの含有量は、25質量%以上、75質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、50質量%以下であることがより好ましい。ラミネート層におけるLDPEの含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の強度を維持しつつ、開封容易性をより向上することができる。
ラミネート層におけるC−4LLDPEと、LDPEとの含有量比(C−4LLDPE/LDPE)は、質量基準で、25/75以上、75/25以下であることが好ましく、50/50以上、70/30以下であることがより好ましい。これにより、包装体の開封容易性及び強度をより向上することができる。
ラミネート層は、本発明の特性を損なわない範囲において、C−4LLDPE及びLDPE以外の樹脂材料を含むことができる。樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂及びセルロース系樹脂等が挙げられる。
ラミネート層は、スリップ剤を含むことが好ましい。ラミネート層がスリップ剤を含むことにより、包装体の加工容易性を向上することができる。
スリップ剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、べへニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
ラミネート層におけるスリップ剤の含有量は、0.01質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。ラミネート層におけるスリップ剤の含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の加工容易性をより向上することができる
また、ラミネート層は、本発明の特性を損なわない範囲において、ワックス、充填材、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、顔料及び染料等の着色剤並びに蛍光発色材料等の添加材を含んでいてもよい。
ラミネート層の厚さは、25μm以上、190μm以下であることが好ましく、60μm以上、140μm以下であることがより好ましい。ラミネート層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性及び強度をより向上することができる。
ラミネート層は、上記した材料を含む樹脂組成物と、後記するシール層の形成に用いられる樹脂組成物とを、加熱溶融し、共押出し、製膜することにより作製することができる。
また、本発明の積層体は、ラミネート層を2層以上備えていてもよく、この場合、これらは同一の構成のものであっても異なる構成のものであってもよい。
(シール層)
シーラント層が備えるシール層は、C−4LLDPE及びC−6LLDPEを含む。本発明において、C−6LLDPEとは、エチレンと、炭素数が6個のα−オレフィンとの共重合体を指す。また、本発明において、C−6LLDPEの密度は0.931g/cm未満とする。
シール層におけるC−4LLDPEの含有量は、25質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、40質量%以上、75質量%以下であることがより好ましい。シール層におけるC−4LLDPEの含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の強度及び耐内容物性を維持しつつ、開封容易性をより向上することができる。
シール層におけるC−6LLDPEの含有量は、25質量%以上、75質量%以下であることが好ましく、25質量%以上、60質量%以下であることがより好ましい。シール層におけるC−6LLDPEの含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性を維持しつつ、強度及び耐内容物性をより向上することができる。
シール層におけるC−4LLDPEと、C−6LLDPEとの含有量比(C−4LLDPE/C−6LLDPE)は、質量基準で、25/75以上、75/25以下であることが好ましく、50/50以上、70/30以下であることがより好ましい。これにより、包装体の開封容易性、強度及び耐内容物性をより向上することができる。
また、シール層におけるLDPEの含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。シール層におけるLDPEの含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の強度をより向上することができる。
シール層は、上記スリップ剤を含むことが好ましい。シール層がスリップ剤を含むことにより、包装体の加工容易性を向上することができる。
シール層におけるスリップ剤の含有量は、0.01質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、3質量%以下であることがより好ましい。シール層におけるスリップ剤の含有量を上記数値範囲内とすることにより、包装体の加工容易性をより向上することができる
シール層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂材料及び添加材を含むことができる。
シール層の厚さは、5μm以上、55μm以下であることが好ましく、10μm以上、40μm以下であることがより好ましい。シール層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、包装体の開封容易性、強度及び耐内容物性をより向上することができる。
シール層は、上記した材料を含む樹脂組成物と、前記したラミネート層の形成に用いられる樹脂組成物とを、加熱溶融し、共押出し、製膜することにより作製することができる。
シール層の形成に用いられる樹脂組成物のMFRは、0.1g/10分以上、3.5g/10分以下であることが好ましく、0.1g/10分以上、3.3g/10分以下であることがより好ましい。シール層の形成に用いられる樹脂組成物のMFRを上記数値範囲内とすることにより、包装体の耐内容物性をより向上することができる。
なお、本発明において、樹脂組成物のMFRは、JIS K 6922−1に準拠して測定する。
また、本発明の積層体は、シール層を2層以上備えていてもよく、この場合、これらは同一の構成のものであっても異なる構成のものであってもよい。
(その他の層)
本発明の積層体は、基材と、シーラント層との間に、その他の層を備えていてもよい。
本発明の積層体は、その他の層として、ガスバリア層を備えていてもよく、例えば、アルミニウムやマグネシウム等の金属箔や、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂等のガスバリア性樹脂を含む樹脂層等が挙げられる。
(包装材料)
本発明の包装材料は、上記積層体を構成材料として含む。
一実施形態において、包装材料は、2枚の積層体を、シール層が向かい合うように重ね合わせ、開口部となる一辺を除く、周辺端部をヒートシールすることにより作製することができる。
また、他の形態においては、1枚の積層体をシール層が内側となるように折りたたみ、開口部となる一辺を除く、周辺端部をヒートシールすることにより作製することができる。
また、上記積層体をヒートシールすることにより、筒状の胴部を作製し、上記積層体又はその他の材料からなる底材とヒートシールすることにより、スタンディングパウチ型の包装材料を作製することができる。
包装体の形態は、特に限定されず、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型が挙げられる。
また、シール方式は、ヒートシールに限定されず、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等を利用することにより行うことができる。
(包装体)
本発明の包装体は、上記包装材料に内容物を充填し、開口部をヒートシールすることにより作製することができる。
包装体に充填される内容物は、特に限定されるものではなく、食品や飲料であってもよく、シャンプー、リンス、洗剤、漂白剤等の非食品であってもよい。本発明の積層体を構成材料とする包装体は耐内容物性に優れるため、界面活性剤や過酸化水素を含む内容物の包装体として特に適切である。
包装体20は、内容物が液体や粘調体や粉末である場合、図2に示されるような注出用ノズル部21を備えていてもよい。
また、開封容易性の観点から、図2に示されるような、包装体20が内側に湾曲した湾曲部22を備えていてもよい。
さらに、レーザー光線などにより形成される切り取り部23を備えていてもよい。
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがある場合を除き配合量、配合比は全て質量基準である。
実施例1
基材として、厚さ15μmのポリアミド系樹脂フィルム(ユニチカ(株)製、ON−RT)を用意した。
また、インフレーション法により、C4−LLDPE(プライムポリマー社製、ネオゼックス2012F、MFR:1.5g/10分、密度:0.920)と、LDPE(日本ポリエチレン社製、LF441MD1、MFR:2.0g/10分、密度:0.924)と、スリップ剤(住友化学社製、EMB−10)と、を65:34:1の割合で含む樹脂組成物(A)、及びC4−LLDPE(プライムポリマー社製、ネオゼックス2012F、MFR:1.5g/10分、密度:0.920)と、C6−LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP1520、MFR:2.0g/10分、密度:0.913)と、スリップ剤(住友化学社製、EMB−10)と、を68:31:1の割合で含む樹脂組成物(B)を、インフレーション法により、樹脂組成物(A)がラミネート層、樹脂組成物(B)がシール層を形成するように製膜し、厚さ100μmのラミネート層及び厚さ30μmのシール層からなる積層フィルムを作製した。
なお、樹脂組成物(A)のMFRは、1.7g/10分であり、その密度は、0.921であった。
また、樹脂組成物(B)のMFRは、1.7g/10分であり、その密度は、0.918であった。
基材と、上記のように作製した積層フィルムのラミネート層とを、接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−4)を介して積層し、本発明の積層体を作製した。
実施例2
積層フィルムが備えるラミネート層の厚さを110μmに、シール層の厚さを20μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体を作製した。
実施例3
ラミネート層形成に使用した樹脂組成物(A)を、C4−LLDPE(プライムポリマー社製、ネオゼックス2012F、MFR:1.5g/10分、密度:0.920)と、LDPE((日本ポリエチレン社製、LF441MD1、MFR:2.0g/10分、密度:0.924)と、スリップ剤(住友化学社製、EMB−10)と、を50:49:1の割合で含む樹脂組成物(C)に、シール層形成に使用した樹脂組成物(B)を、C4−LLDPE(プライムポリマー社製、ネオゼックス2012F、MFR:1.5g/10分、密度:0.920)と、C6−LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP1520、MFR:2.0g/10分、密度:0.913)と、スリップ剤(住友化学社製、EMB−10)と、を50:49:1の割合で含む樹脂組成物(D)に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層体を作製した。
なお、樹脂組成物(C)のMFRは、1.8であり、その密度は、0.922であった。
また、樹脂組成物(D)のMFRは、1.8であり、その密度は、0.917であった。
比較例1
シール層形成に使用した樹脂組成物(B)を、C6−LLDPE(プライムポリマー社製、エボリューSP1520、MFR:2.0g/10分、密度:0.913)と、スリップ剤と、を99:1の割合で含む樹脂組成物(E)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
比較例2
シール層形成に使用した樹脂組成物(B)を、樹脂組成物(A)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
比較例3
ラミネート層形成に使用した樹脂組成物(A)を、樹脂組成物(B)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
比較例4
ラミネート層形成に使用した樹脂組成物(A)を、樹脂組成物(B)に、シール層形成に使用した樹脂組成物(B)を、樹脂組成物(A)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
比較例5
ラミネート層形成に使用した樹脂組成物(A)を、C4−LLDPE(プライムポリマー社製、ネオゼックス2012F、MFR:1.5g/10分、密度:0.920)と、スリップ剤と、を99:1の割合で含む樹脂組成物(F)に変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
<<耐内容物性試験>>
各実施例及び比較例において得られた積層体を150mm×150mmのサイズにカットしたものを2枚準備した。これらをシール層同士が向かい合うように、を重ね合わせ、一辺を除いた三辺をヒートシール(ヒートシール温度:160℃、加熱時間:1秒、シール巾:10mm)し、耐内容物性試験用の包装材料を形成した。
上記のように作製した包装材料に、界面活性剤と過酸化水素を含む漂白剤(花王(株)製、ワイドハイター)70g充填し、残り一辺を上記同様ヒートシールし、包装体を作製した。
包装体の中央部に、5kgの錘を乗せ、65℃で12日間静置した。静置後、包装体を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、耐内容物性を評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:包装体からの内容物の漏れが確認されなかった。
NG:包装体からの内容物の漏れが確認された。
<<開封容易性試験>>
厚さ15μmのポリアミド系樹脂フィルム(ユニチカ(株)製、ON−RT)と、厚さ130μmのPEフィルム((株)アイセロ製、L−103)とを、接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−4)を介して積層し、底材を作製した。
実施例1で作製した、本発明の積層体をシール層が内側となるように、ヒートシールすることにより、筒状の胴部を作製した。該胴部のシール層と、底材として用意した積層体のPEフィルムとをヒートシールし、炭酸ガスレーザーを照射して切り取り部を形成し、打ち抜き加工により図2に示す、注出用ノズル部及び湾曲部を形成し、一辺の開口部を有する包装材料を作製した。この包装材料に水500gを充填し、残り一辺をヒートシールし、スタンディングパウチ型の包装体を作製した。
上記のようにして作製した包装体を開封し、その容易性を以下の評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:力をほとんど加えることなく、開封することができた。
NG:力を強く加える必要があり、伸びや千切れが発生する等、実用上問題があった
<<強度試験>>
上記開封容易性試験において作製した包装体を5℃で24時間冷却後、150cmの高さから、包装体の胴部を地面と水平にした状態で、硬い床に10回自由落下させた。該試験を10袋ずつ行い、破損の有無を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて、強度を評価した。評価結果を表1にまとめた。
A:10袋全てにおいて破損が確認できなかった
NG:10袋中1袋以上において破損が確認され、実用上問題があった。
Figure 2019171813
10:積層体、11:基材、12:ラミネート層、13:シール層、14:シーラント層、20:包装体、21:注出用ノズル部、22:湾曲部、23:切り取り部

Claims (9)

  1. 基材と、ラミネート層及びシール層を備えるシーラント層とを備え、
    前記ラミネート層が、C−4LLDPE及びLDPEを含み、
    前記シール層が、C−4LLDPE及びC−6LLDPEを含むことを特徴とする、積層体。
  2. 前記シール層の形成に用いられる樹脂組成物のMFRが、0.1g/10分以上、3.5g/10分以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ラミネート層におけるC−4LLDPEと、LDPEとの含有量比(C−4LLDPE/LDPE)が、質量基準で、25/75以上、75/25以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記シール層におけるC−4LLDPEと、C−6LLDPEとの含有量比(C−4LLDPE/C−6LLDPE)が、質量基準で、25/75以上、75/25以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記シール層と、前記ラミネート層との厚さの比(前記シール層の厚さ/前記ラミネート層の厚さ)が、5/100以上、40/100以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記ラミネート層の厚さが、25μm以上、190μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記シール層の厚さが、5μm以上、55μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体を構成材料とする、包装材料。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体を構成材料とし、内容物が、界面活性剤及び過酸化水素の少なくとも一方を含む、包装体。
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