JP2019170371A - ゼリー剤造粒物、及び該ゼリー剤造粒物を含有する食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゼリー状食品の調製に加熱と冷却を必要とせず、食品にダマを作らず溶解し、速やかに食品をゼリー化させることができ、且つ、ゼリーむらの無い均質なゼリー状の食品を与えることができるゼリー剤造粒物、及び当該ゼリー剤造粒物を含有する食品を提供する。【解決手段】本発明のゼリー剤造粒物は、アルギン酸塩、カルシウム塩、クエン酸、及び糖類を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸の含有量(無水基準)が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、及び前記クエン酸の平均粒子径が150μm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼリー剤造粒物、及び当該ゼリー剤造粒物を含有する食品に関するものである。
ゼリー状食品は、特有の柔らかな弾力性や、滑らかな舌触りから、デザートとして広く利用されている。また、ゼリー状食品は、高齢や病気等を理由に飲み込む力が低下して上手に飲み込むことができなくなった人向けの調整食品としても利用されている。食品を柔らかいゼリー状にすることで、飲み込む力が低下した人でも飲み込みやすくすることができる。
ゼリー状食品は、従来から、ゼリー形成能を有する物質、例えば寒天やゼラチンを用いて調製されてきた。これらは、食品に異味を付与しない点では好適であるが、溶解温度が高いため、ゼリー状食品を作る際には、加熱による溶解工程を経た後に冷却してゼリー化させる必要があった。
上記のような加熱と冷却の手間を省くために、溶解温度を下げたゼラチンや、常温の水に溶けるアルギン酸塩やペクチン等を用いたゼリー剤(ゲル化剤)も開発されている。
また、加熱と冷却を必要としないゼリー剤として、アルギン酸ナトリウム、中性不溶・難溶カルシウム塩、及び中性可溶カルシウム塩を含有する固形状インスタントゼリーミックス(特許文献1)や、アルギン酸及びその塩、ペクチン並びにカラギーナンからなる群より選ばれる1種以上と、HLB値が8以下である界面活性剤とを含有するゼリー化組成物(特許文献2)が報告されている。
特開2009−232845号公報 特開2014−103872号公報
しかし、これまで利用されていたゼリー剤は、食品に均一に分散・溶解させることが難しく、ゼリー剤の利用に慣れていない者が使用すると、ゼリーの外観が斑模様となり、ゼリーが不均質な状態(以下、“ゼリーむら”ともいう。)になることがあった。特に、嚥下障害患者に対して、誤嚥を防ぐ観点から、安定した均質な物性の食事を提供することは非常に重要である。
従って、本発明の目的は、ゼリー状食品の調製に加熱と冷却を必要とせず、食品にダマを作らず溶解し、速やかに食品をゼリー化させることができ、且つ、ゼリーむらの無い均質なゼリー状の食品を与えることができるゼリー剤造粒物、及び当該ゼリー剤造粒物を含有する食品を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記(1)〜(4)及び(6)のゼリー剤造粒物、並びに下記(5)の食品を提供する。
(1)アルギン酸塩、カルシウム塩、クエン酸、及び糖類を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸の含有量(無水基準)が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、及び前記クエン酸の平均粒子径が150μm以下であるゼリー剤造粒物。
(2)前記カルシウム塩が、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上である(1)に記載のゼリー剤造粒物。
(3)前記アルギン酸塩が、アルギン酸ナトリウムである(1)又は(2)に記載のゼリー剤造粒物。
(4)前記糖類が、ショ糖及び/又はデキストリンである(1)〜(3)のいずれか1つに記載のゼリー剤造粒物。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つに記載のゼリー剤造粒物を含有する食品。
(6)アルギン酸塩、カルシウム塩、及び糖類を含有し、並びに、クエン酸、及び/又はリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸(無水基準)、及び前記リンゴ酸の合計含有量が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、前記クエン酸、及び前記リンゴ酸の平均粒子径が150μm以下であるゼリー剤造粒物。
本発明によると、ゼリー状の食品を調製する際に、分散性に優れ、速やかにゼリー化させることができ、かつ、ゼリーむらの無い均質なゼリー状の食品を与えることができるゼリー剤造粒物、及び当該ゼリー剤造粒物を含有する食品を提供することができる。
〔ゼリー剤造粒物〕
本発明のゼリー剤造粒物は、アルギン酸塩、カルシウム塩、クエン酸、及び糖類を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸の含有量(無水基準)が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、及び前記クエン酸の平均粒子径が150μm以下であることを特徴とする。
また、本発明のゼリー剤造粒物は、アルギン酸塩、カルシウム塩、及び糖類を含有し、並びに、クエン酸、及び/又はリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸(無水基準)、及び前記リンゴ酸の合計含有量が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、前記クエン酸、及び前記リンゴ酸の平均粒子径が150μm以下であることを特徴とする。
ここで本発明における造粒物とは、粉末状の原料が、結着・凝集して顆粒化している状態を指す。本発明のゼリー剤造粒物の平均粒子径は、好ましくは100〜400μm、より好ましくは130〜350μm、最も好ましくは150〜300μmである。平均粒子径が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物は分散性に優れる。
なお、本発明のゼリー剤造粒物の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%の粒径である。
〔アルギン酸塩〕
本発明のゼリー剤造粒物は、アルギン酸塩を含有する。アルギン酸塩は、アルギン酸のカルボキシル基の一部が金属イオンと結合した中性塩である。アルギン酸とは、2種類のウロン酸(マンヌロン酸及びグルロン酸)がランダムに直鎖重合した構造を有する多糖類であり、コンブ、ワカメ等の天然の褐藻類に豊富に含まれている。
アルギン酸塩は、公知の方法に従い、得ることができる。例えば、酸による加水分解等の方法で褐藻類等から抽出・精製して得られたアルギン酸を、アルカリ金属塩等によって中和した後、精製することでアルギン酸塩を得ることができる。本発明で使用するアルギン酸塩は、具体的にはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等が挙げられるが、アルギン酸ナトリウムがより好ましい。
本発明のゼリー剤造粒物にアルギン酸ナトリウムを使用する場合は、食用に使用されるものであれば特に限定されることなく使用できる。例えば、(株)キミカ製のキミカアルギンIシリーズ、キミカアルギンHigh・Gシリーズ等が使用できる。アルギン酸ナトリウムの分子量は特に限定されるものではないが、アルギン酸ナトリウム1質量%水溶液としたときの20℃における粘度が50〜900mPa・sであるものを使用することが好ましく、200〜700mPa・sであるものを使用することがより好ましく、300〜500mPa・sであるものを使用することがさらに好ましい。
アルギン酸塩の粘度は、粘度計(例えば、TOKIMEC社製、型番:VISCOMETER(MODEL:BM))のローターNo.1(回転数30rpm)を用いて、アルギン酸塩の1質量%水溶液について、20℃における粘度を測定することで特定される。
また、本発明のゼリー剤造粒物中のアルギン酸塩の含有量は、5〜25質量%が好ましく、5.5〜20質量%がより好ましく、6〜15質量%がさらにより好ましく、6.5〜10質量%が最も好ましい。アルギン酸塩含量が上記の範囲にあると、速やかにゼリー化し、適切な硬さのゼリーが得られる。25質量%より大きくなると、溶解時にダマができ、溶けにくい。
〔カルシウム塩〕
本発明のゼリー剤造粒物中に含まれるカルシウム塩は、食用に使用される水溶性のカルシウム塩であれば特に限定されることなく使用できる。例えば、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等が挙げられるが、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウムから選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましく、クエン酸カルシウムを含有することがより好ましい。
〔クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウム〕
クエン酸カルシウムは、実際には、クエン酸三カルシウム四水和物であり、炭酸カルシウムは、実際には、炭酸カルシウム(無水)であり、リン酸カルシウムは、実際には、リン酸三カルシウムであって、これらのカルシウム塩は食用として使用可能なものを用いることができる。
本発明のゼリー剤造粒物中のカルシウム塩の含有量は、アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、該カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15である。また、前記ゼリー剤造粒物中の総カルシウム塩の含有量は、アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、該カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.06〜0.13が好ましく、0.07〜0.11がより好ましく、0.08〜0.10が最も好ましい。総カルシウムの含有量が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、速やか(溶解後15分以内)にゼリー化(流動性が失われた状態)する。
なお、カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量は、カルシウム塩の種類別に、{カルシウムの結合数×カルシウムの原子量/カルシウム塩の分子量}からカルシウム塩中のカルシウム含有量を算出し、カルシウム塩の含有量に乗じ、合算して求める。
また、本発明のゼリー剤造粒物中のカルシウム塩の含有量は、1〜8質量%が好ましく、1.5〜6質量%がより好ましく、2〜5質量%がさらにより好ましく、2.5〜4質量%が最も好ましい。
〔クエン酸〕
本発明のゼリー剤造粒物は、平均粒子径が150μm以下のクエン酸を含有する。クエン酸には、クエン酸(無水)とクエン酸(結晶)があるが、いずれも使用でき、食用として使用可能なものを用いればよいが、クエン酸(無水)を使用することが好ましい。
前記クエン酸の平均粒子径は、10〜150μmが好ましく、15〜120μmがより好ましく、40〜100μmが最も好ましい。平均粒子径が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、ゼリーむらの無い均質なゼリーになる。
クエン酸の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%の粒径を意味する。また、本発明で用いるクエン酸の粒度分布は、前記測定法で測定した時の積算値10%が平均粒子径の0.4倍以上、及び積算値90%が平均粒子径の3倍以下であることが好ましい。
本発明のゼリー剤造粒物中のクエン酸の含有量は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、該クエン酸の含有量(無水基準)が0.5〜3.0である。また、前記ゼリー剤造粒物中のクエン酸の含有量(無水基準)は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、0.6〜2.5が好ましく、0.8〜2.2がより好ましく、1.0〜2.0が最も好ましい。クエン酸の含有量(無水基準)が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、速やか(溶解後15分以内)にゼリー化(流動性が失われた状態)する。
なお、本発明のゼリー剤造粒物は、クエン酸(結晶)を含有する場合は、上記の各数値に{クエン酸(結晶)の分子量/クエン酸(無水)の分子量}を掛け算した値の数値範囲内となる量を秤量して配合することが好ましい。
また、本発明のゼリー剤造粒物中のクエン酸の含有量(無水基準)は、0.4〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.5質量%がより好ましく、0.6〜2.0質量%がさらにより好ましく、0.7〜1.6質量%が最も好ましい。
〔リンゴ酸〕
本発明のゼリー剤造粒物は、平均粒子径が150μm以下のリンゴ酸を含有する。リンゴ酸は、食用として使用可能なものを用いることができる。
前記リンゴ酸の平均粒子径は、10〜150μmが好ましく、30〜150μmがより好ましく、100〜150μmが最も好ましい。平均粒子径が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、ゼリーむらの無い均質なゼリーになる。
リンゴ酸の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%の粒径を意味する。また、本発明で用いるリンゴ酸の粒度分布は、前記測定法で測定した時の積算値10%が平均粒子径の0.4倍以上、及び積算値90%が平均粒子径の3倍以下であることが好ましい。
本発明のゼリー剤造粒物中のリンゴ酸の含有量は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、該リンゴ酸の含有量が0.5〜3.0である。また、前記ゼリー剤造粒物中のリンゴ酸の含有量は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、0.6〜2.5が好ましく、0.8〜2.2がより好ましく、1.0〜2.0が最も好ましい。リンゴ酸の含有量が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、速やか(溶解後15分以内)にゼリー化(流動性が失われた状態)する。
また、本発明のゼリー剤造粒物中のリンゴ酸の含有量は、0.4〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.5質量%がより好ましく、0.6〜2.0質量%がさらにより好ましく、0.7〜1.3質量%が最も好ましい。
本発明のゼリー剤造粒物がクエン酸とリンゴ酸とを含む場合、本発明のゼリー剤造粒物中のクエン酸(無水基準)とリンゴ酸の合計含有量は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、該合計含有量が0.5〜3.0である。また、前記ゼリー剤造粒物中の前記合計含有量は、総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、0.6〜2.5が好ましく、0.8〜2.2がより好ましく、1.0〜2.0が最も好ましい。クエン酸(無水基準)とリンゴ酸の合計含有量が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、速やか(溶解後15分以内)にゼリー化(流動性が失われた状態)する。
また、本発明のゼリー剤造粒物がクエン酸とリンゴ酸とを含む場合、ゼリー剤造粒物中のクエン酸(無水基準)及びリンゴ酸の含有量は、合計で0.4〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.5質量%がより好ましく、0.6〜2.0質量%がさらにより好ましく、0.7〜1.6質量%が最も好ましい。
〔糖類〕
本発明のゼリー剤造粒物は、平均粒子径が150μm以下の糖類を含有する。本発明において、糖類とは、増粘多糖類以外の糖類及び糖アルコールのことを指す。具体的には、ショ糖(砂糖、粉糖、グラニュー糖)、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、デキストリン、還元澱粉、加工澱粉、オリゴ糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース等が挙げられる。
本発明のゼリー剤造粒物は、ショ糖及び/又はデキストリンを含有することが好ましい。クエン酸由来の酸味を抑制する観点では、ショ糖及びデキストリンを含有することが好ましい。
前記糖類の平均粒子径は、10〜150μmが好ましく、15〜120μmがより好ましく、40〜100μmが最も好ましい。平均粒子径が上記の範囲にあると、本発明のゼリー剤造粒物を溶解した食品は、ゼリーむらの無い均質なゼリーになる。
糖類の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%の粒径を意味する。また、本発明で用いる糖類の粒度分布は、前記測定法で測定した時の積算値10%が平均粒子径の0.3倍以上、及び積算値90%が平均粒子径の3倍以下であることが好ましい。
また、本発明のゼリー剤造粒物中の糖類の含有量は、65〜90質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましく、75〜90質量%がさらにより好ましく、80〜90質量%が最も好ましい。
〔その他の成分〕
本発明のゼリー剤造粒物は、本発明の効果を妨げない範囲で、着色料、香料、高甘味度甘味料等を含有することができる。
〔ゼリー剤造粒物の造粒方法〕
本発明のゼリー剤造粒物の造粒方法は、例えば、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動式造粒法、スプレードライ法、押し出し造粒法、転動造粒法、及びコーティング造粒法が挙げられる。流動層造粒法が特に好ましい。
流動層造粒法では、例えば、粉体原料を流動層造粒コーティング装置(商品名:SFC−LABO)に入れ、下方から50〜100℃に加温した温風を送り込むことで、粉体原料を流動させて混合し、この混合粉体原料に、水等のバインダー液を上方よりノズル噴霧し、粉体表面に均一にバインダー液を3〜7mL/min、空気圧0.5〜1.5MPaで噴霧することで、凝集粒をつくり、これを乾燥させることにより造粒物を得る。
〔ゼリーの硬さ〕
本発明のゼリー剤造粒物を10℃の水に溶解して3質量%水溶液としたときの、溶解後15分後における10℃のゼリーの硬さは、700〜3000N/mであることが好ましく、800〜2500N/mであることがより好ましく、900〜2200N/mであることがさらに好ましく、1000〜2000N/mであることが最も好ましい。15分後のゼリーの硬さが上記の範囲にあると、ゼリーが硬すぎず、口腔内でゼリーを潰しやすく、飲み込みやすくなる。
ゼリーの硬さは、レオメーターを用いて、直径20mmの円柱状プランジャー、圧縮速度10mm/秒、クリアランス5mm、10℃の条件で測定したときの測定値である。なお、10℃の水に溶解するのは、一般的な使用例として、ゼリー状食品の調製前後で食品を約10℃の冷蔵庫で保管する実施形態を想定したものである。
〔用途〕
本発明のゼリー剤造粒物は、食品に溶解させることで、ゼリー状食品の調製に使用できる。特に咀嚼・嚥下困難者向けゼリー状食品の調製のために好適に使用できる。ゼリー剤造粒物を添加する対象食品は、特に限定されるものではないが、pH4以上、かつカルシウム濃度0.015w/v%以下の液状食品が好ましく、水、茶飲料が特に好ましい。これらに直接添加して液体をゼリー化させることができる。
〔本発明のゼリー剤造粒物を含有する食品〕
本発明のゼリー剤造粒物を含有する食品は、本発明のゼリー剤造粒物が均一に溶解してゼリー化した食品(ゼリー状食品)である。ゼリー剤造粒物を添加する対象食品としては、前述の通り、pH4以上、かつカルシウム濃度0.015w/v%以下の液状食品が好ましく、水、茶飲料が特に好ましいが、これらに限られない。
本発明のゼリー剤造粒物は溶解時に対象食品の加熱を必要としないため、常温の食品や温めた食品はもちろんのこと、冷たい食品(例えば5〜15℃)であってもゼリー状食品の調製が可能である。
本発明のゼリー剤造粒物を含有する食品中のゼリー剤造粒物の含有量は、対象食品によっても異なるが、例えば、水や茶飲料の場合、2〜4質量%であることが好ましく、2.5〜3.5質量%であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔ゼリー剤造粒物の製造−1〕
実施例及び比較例のゼリー剤造粒物を流動層造粒法により表1〜3に記載の配合に従って、以下の手順で製造した。
各原料を秤量後、すべての原料を流動層造粒コーティング装置(商品名:SFC−5、フロイント産業(株)製)に投入し、当該装置の底部から90℃に加温した温風を吹き込み、粉体原料を流動させて混合した。続いて、当該装置の上部のスプレーノズルよりバインダー液(水)を62mL/min、空気圧0.5MPaで粉体原料に噴霧して造粒し、乾燥することにより造粒物(ゼリー剤造粒物)を得た。
なお、配合原料はすべて市販品を使用した。アルギン酸ナトリウムは、1質量%水溶液としたときの20℃における粘度が352mPa・sであるものを使用した。クエン酸はクエン酸(無水)、クエン酸カルシウムはクエン酸三カルシウム四水和物、リン酸カルシウムはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウムは炭酸カルシウム(無水)を使用した。
〔ゼリー剤造粒物の評価−1〕
下記の方法で、上記で製造したゼリー剤造粒物のそれぞれについて、分散性、ゼリー化、及びゼリーむらを評価した。
(分散性の評価)
200mLのガラスビーカーに水(商品名:南アルプスの天然水、サントリー(株)製)97gと3cmのスターラーチップを投入する。スターラーチップを700rpmで回転させ、上記で製造したゼリー剤造粒物(実施例1〜6、及び比較例1〜8)を3g投入し、30秒間撹拌した後、5人の専門評価者が液面の状態を目視で確認して、下記の採点基準に従って採点し、5人の合計点から下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1〜3に示す。
(採点基準)
2点:ダマが発生していない
1点:ダマが若干発生している
0点:ダマが多数発生している
(評価基準)
9点以上10点以下:◎(非常に良好)
7点以上点8以下 :○(良好)
0点以上6点以下 :×(不良)
(ゼリー化の評価)
上記の分散性の評価において、撹拌を終了してから静置15分後にビーカーを90℃傾け、5人の専門評価者が溶液の状態を目視で確認して、下記の採点基準に従って採点し、5人の合計点から下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1〜3に示す。
(採点基準)
2点:ゼリー化し、流動性が完全に失われている
1点:ゼリー化しているが、流動性が失われていない
0点:ゼリー化していない
(評価基準)
9点以上10点以下:○
0点以上8点以下 :×
(ゼリーむらの評価)
上記のゼリー化の評価結果が“○”のサンプルについて、5人の専門評価者がゼリーの状態を目視で確認した後、ゼリーを食して食感を確認し、下記の採点基準に従って採点した。そして、5人の合計点から下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1〜3に示す。
(採点基準)
2点:ゼリーむらが認められず、均質な食感
1点:ゼリーむらが若干認められるが、均質な食感
0点:ゼリーむらが多数認められ、不均質(ゼリーの粒が感じられる)な食感
(評価基準)
9点以上10点以下:◎(非常に良好)
7点以上点8以下 :○(良好)
0点以上6点以下 :×(不良)
なお、表1〜3中のクエン酸、ショ糖、及びデキストリンの括弧内の数値は、平均粒子径を指す。平均粒子径の測定は、レーザー回折式粒度分布計(マイクロトラックMT3000II、日機装(株)製)を用いた。そして、求めた粒度分布における積算値50%の粒子径の測定値を、平均粒子径とした。
また、表1〜3中の「Ca塩中の総Ca」は、カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量(質量%)を指す。同様に、「総Ca/アルギン酸塩」は、アルギン酸塩の含有量を1とした時の、総カルシウムの含有量の質量比を指し、「クエン酸/総Ca」は、総カルシウムの含有量を1とした時の、クエン酸の含有量(無水基準)の質量比を指す。
Figure 2019170371
Figure 2019170371
Figure 2019170371
〔茶飲料での評価〕
10℃の市販の茶飲料(商品名:おーいお茶 ほうじ茶 伊藤園(株)製)97gをスパーテルで撹拌しながら、実施例2のゼリー剤造粒物を3g添加したところ、ただちに液中全体に分散し溶解した。また、上記の方法で、10℃で15分間静置後のゼリーの硬さをレオメーターで測定したところ、1059N/mであった。得られた茶飲料のゼリーは、外観にゼリーむらが認められず、食したところ、酸味を感じることなく風味は良好で、均質な食感のゼリーであり、舌でつぶしやすく飲み込みやすい物性であった。
〔ゼリー剤造粒物の製造−2〕
表4の配合に従い、上記の「ゼリー剤造粒物の製造−1」と同様にゼリー剤造粒物を製造した。なお、配合原料はすべて市販品(「ゼリー剤造粒物の製造−1」の使用原料と同等品)を使用した。表中のリンゴ酸は、平均粒子径が144μmのものを使用した。
〔ゼリー剤造粒物の評価−2〕
上記の「ゼリー剤造粒物の評価−1」と同様に、分散性、ゼリー化、及びゼリーむらを評価した。結果を表4に示す。
Figure 2019170371

Claims (6)

  1. アルギン酸塩、カルシウム塩、クエン酸、及び糖類を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸の含有量(無水基準)が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、及び前記クエン酸の平均粒子径が150μm以下であるゼリー剤造粒物。
  2. 前記カルシウム塩が、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載のゼリー剤造粒物。
  3. 前記アルギン酸塩が、アルギン酸ナトリウムである請求項1又は2に記載のゼリー剤造粒物。
  4. 前記糖類が、ショ糖及び/又はデキストリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゼリー剤造粒物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゼリー剤造粒物を含有する食品。
  6. アルギン酸塩、カルシウム塩、及び糖類を含有し、並びに、クエン酸、及び/又はリンゴ酸を含有し、前記アルギン酸塩の含有量を1とした時に、質量比で、前記カルシウム塩に由来する総カルシウムの含有量が0.05〜0.15、及び前記総カルシウムの含有量を1とした時に、質量比で、前記クエン酸(無水基準)、及び前記リンゴ酸の合計含有量が0.5〜3.0であり、且つ、前記糖類、前記クエン酸、及び前記リンゴ酸の平均粒子径が150μm以下であるゼリー剤造粒物。
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