JP2019167625A - 水系金属表面処理剤、金属表面処理皮膜及び金属表面処理皮膜付き金属材料 - Google Patents

水系金属表面処理剤、金属表面処理皮膜及び金属表面処理皮膜付き金属材料 Download PDF

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Abstract

【課題】金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて両者の密着性を向上させ、金属材料の耐食性を向上させることができる表面処理皮膜形成用の水系金属表面処理剤及び金属表面処理皮膜を提供する。【解決手段】平均粒径が1nm以上500nm以下の範囲内であるジルコニウム、チタン若しくはハフニウムの酸化物から選ばれる1種又は2種以上の金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有する水系金属表面処理剤によって上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて、そのラミネートフィルムの密着性を向上させることができるとともに、金属材料の耐食性を向上させることができる表面処理皮膜を形成するための、水系金属表面処理剤、その水系金属表面処理剤で形成される金属表面処理皮膜、及びその金属表面処理皮膜付き金属材料に関する。
アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、ニッケル又はこれらの合金等の金属材料は、それらの保護性能や意匠性を向上させる目的で、表面に種々の樹脂被覆層が設けられており、自動車部品、家電部品、建築部材及び飲料用容器等の分野に広く利用されている。こうした分野に利用される金属材料には、種々の特性が要求されている。また、樹脂被覆層を形成する手段としては、塗装、フィルムラミネート加工及び印刷等の方法が挙げられる。
なかでもフィルムラミネート加工は、樹脂製のフィルム(以下、ラミネートフィルムという。)を金属材料の表面に加熱圧着する加工手段であり、表面を保護すること又は意匠性を付与することを目的とした金属材料表面への被覆方法の一つとして様々な分野で使用されている。このフィルムラミネート加工は、樹脂組成物が溶媒中に溶解又は分散したものを金属材料表面に塗布乾燥して行う樹脂塗膜の形成方法に比べ、乾燥時に発生する溶剤や二酸化炭素等の廃棄ガス又は温暖化ガスの発生量が少ない。そのため、フィルムラミネート加工は、環境保全の観点から好ましく適用され、その用途は拡大し、例えば、アルミニウム薄板材、スチール薄板材、銅薄板材、ニッケルめっき銅薄板材、包装用アルミニウム箔又はステンレス箔等を素材とした建材、食品用缶のボディー若しくは蓋材、食品用容器、又は、乾電池容器等に対するラミネートフィルムの被覆方法として用いられている。
金属材料の下地処理においては、安価であることから6価クロムを含有した表面処理剤を用いるクロメート下地処理が多用されていた。近年、6価クロム、鉛、カドミウム等の有害金属(化合物、イオン)の欧州における使用規制、国内のPRTR(環境汚染物質排出移動登録制度)、又は、環境ホルモン物質のリスト公開等、人体への影響のみならず地球環境保全を目的とした動向は、世界的規模で一層大きくなってきている。こうした状況下で、人体や環境に悪影響を及ぼすことに対する危機認識が非常に高まっており、金属材料の下地処理剤として一般的に使用される6価クロム含有表面処理剤の代替技術、すなわち6価クロムを一切使用しない表面処理剤が提案されてきている。
さらに最近、3価クロムも含まないクロムフリー処理剤の開発が望まれている。例えばクロムフリーのラミネート用下地処理剤として、特許文献1では、特定量の水溶性ジルコニウム化合物と、特定構造の水溶性又は水分散性アクリル樹脂と、水溶性又は水分散性熱硬化型架橋剤とを含有する下地処理剤が提案されている。また、特許文献2では、水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物と、有機ホスホン酸化合物と、タンニンとからなる金属表面処理剤が提案されている。また、特許文献3では、塩基性ジルコニウム化合物及び/又はセリウム化合物と、カルボキシル基含有樹脂と、オキサゾリン基含有アクリル樹脂とを含み、フッ素を含有しない下地処理剤が提案されている。
特開2002−265821号公報 特開2003−313680号公報 特開2009−84516号公報
上記したように、金属材料の表面にラミネートフィルムを設けたラミネートフィルム付き金属材料は、多方面で広く使用され、種々の内容物を収容する容器用素材又は包装用素材として利用されている。特に食品容器等の食品包装の分野では、食生活の向上及び簡便性の観点から、充填される食品も多種になり、ソース類、食酢、動物性油脂、各種香辛料、柑橘系飲料、アルコール含有物等、内容物の多様化は止まることを知らない。そのため、収容した内容物によって、ラミネートフィルムの密着性が低下したり金属材料の耐食性が低下したりしない容器用素材又は包装用素材が要求されている。また、食品の殺菌温度も、100℃(ボイル食品)、120℃(レトルト食品)、135℃(ハイレトルト食品)へと上昇し、高温時における容器用素材又は包装用素材の耐久性が要求されている。また、その他の産業分野でも同様の性能が要求されている。
しかしながら、上記した特許文献1〜3に記載の下地処理に対しては、金属材料とラミネートフィルムとの間の耐久密着性のより一層の向上が望まれ、また、厳しい環境下での金属材料の耐食性に対してもより一層の向上が望まれている。
本発明は、こうした要求に応えるためになされたものであって、その目的は、金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて、そのラミネートフィルムの密着性を向上させることができるとともに、金属材料の耐食性を向上させることができる表面処理皮膜を形成するための、水系金属表面処理剤、その水系金属表面処理剤で形成される金属表面処理皮膜、及びその金属表面処理皮膜付き金属材料を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係る水系金属表面処理剤は、平均粒径が1nm以上500nm以下の範囲内であるジルコニウム、チタン若しくはハフニウムの酸化物から選ばれる1種又は2種以上の金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有することを特徴とする。
本発明に係る水系金属表面処理剤において、前記金属化合物(A)の含有量が、全固形分に対して5質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る水系金属表面処理剤において、前記水系樹脂(C)の含有量が、全固形分に対して5質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る水系金属表面処理剤において、pHが3以上11以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る水系金属表面処理剤は、ラミネート下地用に用いることが好ましい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係る金属表面処理皮膜は、平均粒径が1nm以上500nm以下の範囲内であるジルコニウム、チタン若しくはハフニウムの酸化物から選ばれる1種又は2種以上の金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有する水系金属表面処理剤で形成された皮膜であることを特徴とする。
(3)上記課題を解決するための本発明に係る金属表面処理皮膜付き金属材料は、金属材料と、該金属材料の表面に設けられた上記本発明に係る金属表面処理皮膜とを有することを特徴とする。
本発明に係る金属表面処理皮膜付き金属材料において、前記金属表面処理皮膜上に設けられたラミネートフィルムをさらに有するように構成される。
本発明に係る水系金属表面処理剤によれば、金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて、そのラミネートフィルムの密着性を向上させることができるとともに、金属材料の耐食性を向上させることができる金属表面処理皮膜を形成することができる。
本発明に係る金属表面処理皮膜は、金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて、そのラミネートフィルムの密着性を向上させることができるとともに、金属材料の耐食性を向上させることができる。
本発明に係る金属表面処理皮膜付き金属材料は、金属表面処理皮膜を介した金属材料とラミネートフィルムとの密着性に優れ、金属材料の耐食性にも優れている。
本発明に係る金属表面処理皮膜付き金属材料の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明に係る水系金属表面処理剤、金属表面処理皮膜及び金属表面処理皮膜付き金属材料について詳細に説明する。なお、本発明は、その要旨を含む範囲で任意に変更可能であり、下記の実施形態のみに限定されない。
[水系金属表面処理剤]
本発明に係る水系金属表面処理剤は、平均粒径が1nm以上500nm以下の範囲内であるジルコニウム、チタン若しくはハフニウムの酸化物から選ばれる1種又は2種以上の金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有する。
以下、水系金属表面処理剤の構成要素及び処理対象について詳しく説明する。
(金属化合物)
金属化合物(A)としては、平均粒径が1nm以上500nm以下の範囲内であるジルコニウム、チタン若しくはハフニウムの酸化物を挙げることができる。具体的には、ジルコニウムの酸化物、チタンの酸化物、ハフニウムの酸化物等を挙げることができる。それぞれの具体的としては、酸化ジルコニウム(IV)(ZrO)、酸化チタン(IV)(TiO)、酸化ハフニウム(HfO)等を挙げることができる。これらの金属化合物(A)は、それぞれ単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのなかでも、ジルコニウムの酸化物が特に好ましい。
金属化合物(A)は、その固体粒子を予め水性溶媒中に分散した分散溶液(例えばゾル等)として利用することが好ましい。この分散溶液は、金属化合物(A)の固体粒子そのものよりも取り扱いが容易であり、水系金属表面処理剤の製造が容易になるという利点がある。
水性溶媒とは、水を50質量%以上含有する溶媒のことである。水性溶媒に含まれる水以外の溶媒としては、ヘキサン、ペンタン等のアルカン系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホン系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン酸アミド系溶媒;等を挙げることができる。これらの水以外の溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記した分散溶液の調製方法は、例えば、金属化合物(A)の固体粒子を入手又は合成した後、水性溶媒中に分散剤を用いて分散する第1の方法と、金属化合物(A)の前駆体である水溶性塩を用い、水性溶媒中で、金属化合物(A)の分散液を製造する第2の方法がある。これらのうち、第2の方法が好ましく用いられる。
第2の方法は、具体的には、ジルコニウム、チタン又はハフニウムの水溶性塩の酸性水溶液にアルカリ剤を添加し、必要に応じて分散剤を添加して、ジルコニウム、チタン又はハフニウムの酸化物を水中で生成させ、その後、余分な不純物イオンを分離により除去する方法である。この第2の方法により、ジルコニウム、チタン又はハフニウムの酸化物の固体粒子を含む分散溶液を調製することができる。
ジルコニウム、チタン又はハフニウムの水溶性塩としては、従来公知の塩を使用することができる。具体的には、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、塩化ハフニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸チタン、硝酸ハフニウム、硫酸ジルコニウム、硫酸チタン、硫酸ハフニウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロチタン酸、フルオロハフニウム酸、酢酸ジルコニウム、酢酸チタン、酢酸ハフニウム、乳酸ジルコニウム、乳酸チタン、乳酸ハフニウム等を挙げることができる。また、これらの塩は、水和物であっても構わない。
前記したアルカリ剤としては、従来公知のアルカリ剤を使用することができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を使用できる。また、ゾルの使用目的によってはナトリウムやカリウムの含有を好まない場合があり、その場合には、アンモニア、炭酸水素アンモニウム又は尿素を使用することできる。
前記した分散剤としては、従来公知の分散剤を使用することができる。なかでもヒドロキシカルボン酸が好ましく、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ヒドロキシ吉草酸、グリセリン酸、トロパ酸、ベンジル酸等を挙げることができる。特に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の2価以上のカルボキシル基を有するヒドロキシカルボン酸は、少ない含有量で分散できることから、好ましく用いることができる。
前記した分離としては、イオン交換樹脂を用いた分離方法や、膜ろ過を用いた分離方法等があるが、限外ろ過膜を用いた分離方法が簡便であることからより好ましい。
金属化合物(A)の水系金属表面処理剤中での含有量は、全固形分に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上である。金属化合物(A)の含有量の上限は特に限定されないが全固形分に対して90質量%程度である。金属化合物(A)の含有量がこの範囲であることにより、金属表面処理皮膜を介した金属材料とラミネートフィルムとの初期密着性が良好であり、特に酸性液体に接触する環境下でも高い密着性(耐久密着性)が得られ、かつ、金属材料の耐食性を向上させることができる。
金属化合物(A)の作用機構は現時点では未だ未解明の部分もあるが、金属化合物(A)を含まず、代わりにジルコニウム、チタン、又はハフニウムの水溶性塩を含む水系金属表面処理剤で作製した金属表面処理皮膜は、性能発現しないことが本発明者の検討により判明している。ジルコニウム、チタン、又はハフニウムの酸化物である金属化合物(A)は水溶性塩と比較して耐酸性が高く、酸性液体等に接触した場合であっても溶解し難いために、その金属化合物(A)を含む水系金属表面処理剤で作製した金属表面処理皮膜は高い耐久密着性が得られるものと考えられる。
金属化合物(A)は、水系金属表面処理剤中で分散し、水系金属表面処理剤中で分散する金属化合物(A)の平均粒径は、1nm以上、500nm以下の範囲内であることが好ましい。平均粒径が1nm未満の場合は、耐酸性が低くなり、酸性液体に接触する環境下での金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の耐久密着性が低下してしまう。一方、平均粒径が500nmを超えると、成膜後の金属表面処理皮膜中で耐酸性のある金属化合物(A)の存在しない部分の体積率が増加するため、特に酸性液体に接触する環境下での耐久密着性が低下してしまうことがある。なお、平均粒径は、5nm以上、100nm以下の範囲内であることがより好ましい。
水系金属表面処理剤中に分散する金属化合物(A)の平均粒径は、動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法等の従来公知の測定方法を用いて測定することができる。具体的には、大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計(DLS−8000シリーズ)、株式会社堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布計(LA−920)等を用いて測定することができる。なお、後述する金属表面処理皮膜付き金属材料に設けられている金属表面処理皮膜中の金属化合物(A)の平均粒径は、金属表面処理皮膜の表面又は断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により直接観察することで測定することができる。
(リン又はフッ素含有化合物)
リン又はフッ素含有化合物(B)としては、リン化合物とフッ素化合物の一方又は両方、すなわちリン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
リン化合物群としては、リン酸類、リン酸エステル、有機ホスホン酸等の複数のリン含有化合物からなるグループを挙げることができる。リン酸類としては、具体的には、リン酸(オルトリン酸)、メタリン酸、ポリリン酸を包含する縮合リン酸、及びその塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩等)を挙げることができる。なお、メタリン酸は、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸等を包含する。また、ポリリン酸は、鎖状のリン酸縮合物であって、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等を包含する。リン酸エステルとしては、具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、エチルホスフェート、ジエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、フィチン酸及びその塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩等)、リボフラビンりん酸エステル等を挙げることができる。有機ホスホン酸としては、具体的には、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等を挙げることができる。リン含有化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
なかでも、リン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩及びリチウム塩;ポリリン酸(ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等を包含する。)を包含する縮合リン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩及びリチウム塩;フィチン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩及びリチウム塩;並びに、有機ホスホン酸(アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸を包含する。)のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩及びリチウム塩から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。これらのリン含有化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なお、縮合リン酸塩には、ポリリン酸塩、メタリン酸塩及びウルトラリン酸等があり、金属とリンの原子比率MeO/P(これをRと表記し、Meは一価の金属として計算する。)によって分類される。ポリリン酸塩は2≧R>1の場合であり、メタリン酸塩はR=1の場合であり、ウルトラリン酸塩はR<1の場合であるとされている。
フィチン酸や有機ホスホン酸は、リン酸塩と比較して1分子中にホスホン基を2個以上有しているので、より架橋密度が増加し、より耐久接着性が高くなると考えられる。一方、縮合リン酸塩は、リン酸塩と比較して1分子あたりのホスホン基量が多いが、比較的容易に加水分解してしまい、結局はリン酸塩になりやすい。そのため、縮合リン酸塩と、フィチン酸や有機ホスホン酸とを比較した範囲では、縮合リン酸塩はフィチン酸や有機ホスホン酸ほど耐久接着性は高くないものと考えられる。
フッ素化合物群としては、フッ酸、ケイフッ酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化リチウム、酸性フッ化ナトリウム、酸性フッ化カリウム、酸性フッ化アンモニウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロジルコニウム酸アンモニウム、フルオロチタン酸、フルオロチタン酸アンモニウム等の複数のフッ素含有化合物からなるグループを挙げることができる。これらのフッ素含有化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
なかでも、フッ化水素酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及びリチウム塩から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
これらのリン又はフッ素含有化合物(B)の含有量は、金属化合物(A)を構成する金属原子(ジルコニウム原子、チタン原子、ハフニウム原子)のモル量の総和に対する、リン又はフッ素含有化合物(B)を構成するリン原子及びフッ素原子のモル量の総和の割合(B/A)が、0.005以上、5.0以下の範囲内となるように調整することが好ましい。なお、リン又はフッ素含有化合物(B)の含有量は、初期密着性と耐久密着性の点で、前記した割合が0.01以上、2.0以下の範囲内となるように調整することがより好ましく、0.02以上、0.5以下の範囲内となるように調整することが特に好ましい。
リン又はフッ素含有化合物(B)の作用機構は、現時点では未だ未解明の部分があるが、水系金属表面処理剤中にリン含有化合物及び/又はフッ素含有化合物が溶解していることにより、水系金属表面処理剤が金属材料に接液した時に、金属材料の表面がそのリン含有化合物やフッ素含有化合物で僅かにエッチングされて微細凹凸が形成し、その微細凹凸によるアンカー効果によって初期密着性と耐久密着性が向上したものと考えられる。また、金属表面処理皮膜中にリン含有化合物やフッ素含有化合物が存在することで、腐食因子であるアニオンの透過性が低くなり、その結果、金属材料の耐食性が向上したものと考えられる。リン含有化合物とフッ素含有化合物は、皮膜中において金属化合物(A)の粒子表面に化学吸着し、架橋剤としても作用する。特にリン含有化合物は、酸等の薬品に曝されたときに架橋が切れにくく、フッ素含有化合物と比べて耐久接着性が高くなると考えられる。
微細凹凸によるアンカー効果は、既述した金属化合物(A)の平均粒径が5nm以上100nm以下の範囲内である場合に特に効果的である。金属化合物(A)の平均粒径が細かくなりすぎると、粒子が微細凹凸に入り込みやすくなり、基材に樹脂が接する余地が少なくなって、初期密着性と耐久密着性の向上効果が抑えられることがある。
(水系樹脂)
水系樹脂(C)としては、従来公知の水系樹脂が適用可能である。具体的には、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂を挙げることができる。
水系樹脂(C)は、水溶性又は水分散性(エマルション、ディスパーション)のいずれであっても構わない。また、水系樹脂(C)の水系金属表面処理剤中での極性も、処理剤の安定性を損なわない限り、カチオン性、ノニオン性、アニオン性のいずれであっても構わない。
ポリエステル樹脂としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,4−CHDM、1,6−ヘキサンジオール等のポリオールとを縮合させたポリエステルポリオール;前記した多塩基酸と、ポリマーポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタジオール等のポリオールとを縮合させた縮合樹脂;等を挙げることができる。
また、モノマーの一部にトリメリット酸やピロメリット酸等のカルボキシル基を3個以上持つモノマーを使用し、未反応のカルボン酸をアルカリで中和して可溶化又は水分散化させた水系樹脂、或いは、モノマーの一部にスルホフタル酸等のスルホン化したモノマーを使用して可溶化又は水分散化させた水系樹脂、も使用することができる。
ウレタン樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールと、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族イソシアネート及び/又は芳香族ポリイソシアネート化合物との縮重合物であるウレタン樹脂であって、前記ポリオールの一部としてポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリオキシエチレン鎖を有するポリオールを用いて得られたポリウレタン等を挙げることができる。
こうしたポリウレタンは、ポリオキシエチレン鎖の導入割合を高くすることより、非イオンの状態で水溶化又は水分散化させることができる。また、ポリイソシアネートとポリオールとから、両端にイソシアナト基を有するウレタンプレポリマーを製造し、これにヒドロキシル基を2個以上有するカルボン酸又はその反応性誘導体を反応させて両端にイソシアネート基を有する誘導体とし、次いで、トリエタノールアミン等を加えてアイオノマー(トリエタノールアミン塩)とし、そのアイオノマーを水に加えてエマルジョン又はディスパージョンとし、さらに必要に応じてジアミンを加えて鎖延長を行うことにより、アニオン性のウレタン樹脂を得ることができる。
前記したアニオン性を有する水分散性のウレタン樹脂を製造する際に用いるカルボン酸及び反応性誘導体は、ウレタン樹脂に酸性基を導入するため、及びウレタン樹脂を水分散性にするために用いる。カルボン酸としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジメチロールヘキサン酸等のジメチロールアルカン酸を挙げることができる。また、反応性誘導体としては、酸無水物のような加水分解性エステル等を挙げることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン;ポリエチレン;プロピレンとエチレンとα−オレフィンとの共重合体;等のポリオレフィンを、不飽和カルボン酸(例えばアクリル酸やメタクリル酸)で変性した変性ポリオレフィン;エチレンとアクリル酸(メタクリル酸)との共重合体;等を挙げることができる。これらのポリオレフィン樹脂に、さらに他のエチレン性不飽和モノマーを少量、共重合させたものでもよい。水性化の手段としては、ポリオレフィン樹脂に導入したカルボン酸を、アンモニアやアミン類で中和する手段を挙げることができる。
アクリル樹脂としては、アクリルモノマーの単独重合物又は共重合物、さらにはこれらのアクリルモノマーと共重合し得る付加重合性モノマーとの共重合物、等を挙げることができる。こうしたアクリル樹脂は、水系金属表面処理剤に安定して存在し得るものであれば特に重合形態は限定されない。
前記したアクリルモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、スルホエチルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等を挙げることができる。アクリルモノマーと共重合し得る付加重合性モノマーとしては、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、ビニルスルホン酸等を挙げることができる。
上記モノマーの重合は、溶媒中で、開始剤の存在下、不活性ガス気流下で30℃以上80℃以下の範囲内で、好ましくは40℃以上75℃以下の範囲内、さらに好ましくは50℃以上75℃以下の範囲内で行なうことができる。重合温度が低い場合は重合が進行しないことがあり、重合温度が高い場合はゲル状物が生成したりすることがある。
重合時間は、1時間以上24時間以下の範囲内が適当である。溶剤は、水溶性のものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等を挙げることができる。
このなかで、連鎖移動剤としての作用を有するイソプロピルアルコールを好ましく使用することができる。イソプロピルアルコールは、水100質量部に対して20質量部以上90質量部以下の範囲内、好ましくは25質量部以上65質量部以下の範囲内、さらに好ましくは30質量部以上60質量部以下の範囲内である。イソプロピルアルコール添加量が少ないと重合が進行しないことがあり、イソプロピルアルコール添加量が多いと重合中にゲル化の抑制できずゲル状物が生成するおそれがある。
開始剤としては、水溶性ラジカル開始剤が好ましい。上記共重合工程における重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等のアゾ系開始剤等を挙げることができる。この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。衛生性の観点から、水溶性ラジカル開始剤は、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムがより好ましい。ラジカル開始剤は、室温下で反応系中に初期から混合、溶解してもよく、数時間かけて反応系中に滴下してもよい。
ポリビニル系樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物若しくは完全ケン化物、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
前記したポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物及び完全ケン化物、並びに、酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合物の部分ケン化物及び完全ケン化物を包含する。さらに、重合後のポリマーに、例えばカルボン酸、スルホン酸、リン酸等のアニオン基を導入した変性ポリマー;又は、ジアセトンアクリルアミド基、アセトアセチル基、メルカプト基、シラノール基等の架橋反応性を有する官能基を導入した変性ポリマー;等も適用することができる。
なお、酢酸ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸及びそのエステル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;(メタ)アクリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、スルホン酸マレート等のオレフィンスルホン酸;(メタ)アリルスルホン酸ソーダ、エチレンスルホン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート等のオレフィンスルホン酸アルカリ塩;N−メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩等のアミド基含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルピロリドン誘導体;等を挙げることができる。
ポリアミド樹脂及びポリイミド樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂を挙げることができる。水性化の手段は、構造中にカルボキシル基を導入させて行われる。
天然多糖類としては、キトサン及びその誘導体等の天然多糖類、及びその誘導体を挙げることができる。キトサンとは、カニやエビ等の甲殻類より抽出される天然高分子であるキチンを60〜100モル%脱アセチル化することで得られる。例えば、100モル%脱アセチル化したキトサンは、N−アセチル−β−D−グルコサミンが1位と4位で結合した高分子物質である。
前記したキトサン誘導体は、キトサンが持つ水酸基及び/又はアミノ基に対して、カルボキシル化、グルコール化、トシル化、硫酸化、リン酸化、エーテル化又はアルキル化した反応生成物である。具体的には、キトサン、カルボキシメチルキトサン、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、グリセリル化キトサン及びそれらの酸との塩等を挙げることができる。また、3級若しくは4級アミノ基又はその両方を持つ化合物を用い、キトサンにその3級化若しくは4級化アミノ基を導入した反応生成物;キトサンの持つアミノ基を直接アルキル化剤でアルキル化し、直接3級化若しくは4級化した3級又は4級アミノ基、又は、その両方を分子内に有する所謂カチオン化キトサン;及びそれらの酸との塩;であってもよい。
エポキシ樹脂としては、2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物;2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物にエチレンジアミン等のジアミンを作用させてカチオン化して得られるエポキシ樹脂;2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物の側鎖にポリエチレングリコールを付加させたノニオン性エポキシ樹脂;等を挙げることができる。
前記したエポキシ化合物の具体例としては、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2以上を併用して用いてもよい。
エラストマーとしては、従来公知のエラストマーを使用することができる。具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴムなどジエン系ゴム;ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロスルフォン化ゴム、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ふっ素ゴム、等の、水に分散させることができるものを挙げることができる。これらのエラストマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらのエラストマーは、アミノ基、ヒドロキシル基、メチロール基等のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、等の官能基で変性したものであってもよい。これらのエラストマーのうち、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム、アクリルゴム等を用いることが好ましい。
上記した各種の水系樹脂(C)は、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
水系樹脂(C)の含有量は、水系金属表面処理剤の全固形分に対して、5質量%以上、95質量%以下の範囲内であることが好ましい。水系樹脂(C)の含有量がこの範囲にあると、金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の初期密着性及び耐久密着性が向上し、金属材料の耐食性がさらに向上する。水系樹脂(C)の好ましい含有量は、10質量%以上、90質量%以下の範囲内であり、より好ましい含有量は、30質量%以上、90質量%以下の範囲内である。
水系樹脂(C)の作用機構は現時点では未だ未解明の部分もあるが、金属表面処理皮膜中に水系樹脂(C)が存在することで、金属表面処理皮膜の緻密さが増し、かつ水系樹脂(C)自体が酸等に対する耐薬品性が高いことから性能に寄与しているものと考えられる。また、金属化合物(A)を皮膜において強固に固定する役割も担っていると考えられる。
(その他)
本発明に係る水系金属表面処理剤は、金属材料の表面に塗布する際の作業性の観点から、必要に応じて各種の溶媒を含有することができる。溶媒としては、具体的には、例えば、水;ヘキサン、ペンタン等のアルカン系;ベンゼン、トルエン等の芳香族系;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブ等のアルコール系;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチル等のエステル系;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系;ジメチルスルホキシド等のスルホン系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン酸アミド;等を挙げることができる。これらのうち、1種の溶媒を用いてもよいし、2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
この他に、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、架橋剤、可塑剤、防菌防黴剤、着色剤等を、本発明の趣旨及び皮膜性能を損なわない範囲で添加し得る。
なお、架橋剤としては、樹脂(C)と結合し強固な皮膜を形成するようなものであれば特に限定されないが、例えば、メラミン系、イソシアネート系、エポキシ系、多価金属イオン系等を挙げることができる。架橋剤を添加する場合、架橋を促進させるために適宜硬化触媒を更に加えても良い。
水系金属表面処理剤のpHは、3以上、11以下の範囲内にあることが好ましい。pHが3以上、11以下の範囲内から外れた場合は、金属化合物(A)が水系金属表面処理剤中で一部溶解してしまい、特に酸性液体と接触する環境下で金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の耐久密着性が低下してしまうことがある。より好ましいpHは、6以上、10以下の範囲内である。
(処理剤の製造)
水系金属表面処理剤の製造方法は特に制限されない。例えば、金属化合物(A)と、リン又はフッ素含有化合物(B)、水系樹脂(C)及びその他添加剤と、溶媒とを、混合ミキサー等の撹拌機を用いて十分に混合して水系金属表面処理剤を製造することができる。
(成分分析)
金属化合物(A)は、例えば、水系金属表面処理剤をアルミニウム板(A1050P)に塗工した後、80℃で乾燥して得られたサンプル皮膜を薄膜X線回折分析し、その回折パターンを解析することによって測定することができる。薄膜X線回折分析は、PANalytical製の薄膜X線回折装置(型番:Xpert−MPD)を用い、広角法、管電圧−電流:45kV−40mA、スキャン速度:0.025度/秒の条件で行う。
リン又はフッ素含有化合物(B)は、水系金属表面処理剤をアルミニウム板(A1050P)に塗工した後、80℃で乾燥して得られたサンプル皮膜をXPS分析することによって測定することができる。XPS分析は、株式会社島津製作所製のXPS分析装置(型番:ESCA−850)を用い、励起X線:Mg−Kα、出力:8kV−30mA、測定領域:F1s,P2p、スパッタリング時間:2分間(5秒間隔)の条件で、深さ方向分析を行う。
水系樹脂(C)は、水系金属表面処理剤の原液、又は必要に応じて水にて希釈したものを、FT−IR分析(ThermoFisherScientific社製、型番:NicoletiS10、正反射法)や、その他の分析方法によって測定し、同定することができる。
(処理対象)
水系金属表面処理剤は、金属材料を対象物として処理される。金属材料としては、例えば、純銅、銅合金(これらを「銅材料」ともいう。)、純アルミニウム、アルミニウム合金(これらを「アルミニウム材料」ともいう。)、普通鋼、合金鋼(これらを「鉄材料」ともいう。)、純ニッケル、ニッケル合金(これらを「ニッケル材料」ともいう。)、純亜鉛、亜鉛合金(これらを「亜鉛材料」ともいう。)等を挙げることができる。
金属材料の形状や構造等は特に限定されず、例えば、板状、箔状等を挙げることができる。さらに、金属材料は、別の金属材料、セラミックス材料、有機材料等の基材上に、例えばめっき、蒸着、クラッド等の手法によって上記した銅材料、アルミニウム材料、鉄材料、ニッケル材料又は亜鉛材料等を被覆したものであってもよい。
銅合金は、銅を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、黄銅等を挙げることができる。銅合金における銅以外の合金成分としては、例えば、Zn、P、Al、Fe、Ni等を挙げることができる。アルミニウム合金は、アルミニウムを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Al−Mg系合金等を挙げることができる。アルミニウム合金におけるアルミニウム以外の合金成分としては、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Ti等を挙げることができる。合金鋼は、鉄を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼等を挙げることができる。合金鋼における鉄以外の合金成分としては、例えば、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。ニッケル合金は、ニッケルを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Ni−P合金等を挙げることができる。ニッケル合金におけるニッケル以外の合金成分としては、例えば、Al、C、Co、Cr、Cu、Fe、Zn、Mn、Mo、P等を挙げることができる。亜鉛合金は、亜鉛を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Zn−Al系合金等を挙げることができる。アルミニウム合金におけるアルミニウム以外の合金成分としては、例えば、Al、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Ti等を挙げることができる。
[金属表面処理皮膜及びその形成方法]
本発明に係る金属表面処理皮膜は、上記した水系金属表面処理剤で形成された皮膜である。その形成方法は、水系金属表面処理剤を金属材料の表面に塗布する工程(塗布工程)と、その塗布工程の後に水洗することなく乾燥して金属表面処理皮膜を形成する工程(皮膜形成工程)とを有する。なお、金属材料を予め脱脂又は酸洗等する前処理工程を有していても構わない。
(塗布工程)
塗布工程は、水系金属表面処理剤を金属材料の表面に塗布する工程である。この塗布工程での塗布方法は特に限定されず、例えば、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、これらの組み合わせ等の方法で塗布することができる。
この塗布工程では、水系金属表面処理剤の使用条件は特に限定されない。例えば、水系金属表面処理剤を塗布する際の処理剤及び金属材料の温度は、10℃以上、90℃以下の範囲内であることが好ましく、20℃以上、60℃以下の範囲内であることがより好ましい。温度が60℃以下の場合は、無駄なエネルギーの使用を抑制することができるので、経済的な観点からより好ましい。また、塗布時間は適宜設定することができる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、塗布工程の後に水洗することなく乾燥する工程である。この工程によって、金属表面処理皮膜を形成することができる。乾燥条件としては、最高到達温度が50℃以上、250℃以下の範囲内であることが好ましい。最高到達温度が50℃未満の場合は、水系金属表面処理剤中の溶媒の蒸発に非常に長い時間を要してしまうことがあり、実用上好ましくない。一方、最高到達温度が250℃を超えると、エネルギーを無駄に使用してしまうことになり、経済的な観点から好ましくない。乾燥方法は特定されず、バッチ式の乾燥炉、連続式の熱風循環型乾燥炉、コンベアー式の熱風乾燥炉、又は、IHヒーターを用いた電磁誘導加熱炉等を利用した乾燥方法を適応できる。乾燥方法で設定する風量や風速等は任意に設定される。
(金属表面処理皮膜)
金属表面処理皮膜は、上記した形成方法で得ることができる。その金属表面処理皮膜の皮膜量は、5mg/m以上、5000mg/m以下の範囲内が好ましい。皮膜量が5mg/m未満では、金属表面処理皮膜のバリヤー性が低くなり、金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の耐久密着性、及び金属材料の耐食性が不十分になることがある。一方、皮膜量が5000mg/mを超えると、金属表面処理皮膜にクラックが多く入ってしまうことがあり、金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の初期密着性及び耐久密着性、及び金属材料の耐食性が不十分になることがある。これらの特性についてのより好ましい皮膜量は、10mg/m以上、3000mg/m以下の範囲内であり、特に好ましい皮膜量は、100mg/m以上、2500mg/m以下の範囲内である。
得られた金属表面処理皮膜中には金属化合物(A)が含まれている。なかでも酸化物が含まれていることが好ましい。この金属化合物(A)の存在の有無は、得られた金属表面処理皮膜付き金属材料について薄膜X線回折法により確認可能である。具体的には、金属表面処理皮膜を測定サンプルとして採取し、その測定サンプルを薄膜X線回折分析し(PANalytical製のXpert−MPD、広角法、管電圧電流:45kV−40mA、スキャン速度:0.025°/秒)、得られた回折パターンから金属化合物(A)の有無を確認することができる。
金属表面処理皮膜に含まれる金属化合物(A)の平均粒径は、1nm以上、500nm以下の範囲内にあることが好ましい。平均粒径が1nm未満の場合は、結晶サイズが小さいために、結晶性が低く、場合によってはアモルファス状態で存在してしまう可能性がある。そして、結果として耐酸性が低くなり、酸性液体に接触する環境下での金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の耐久密着性が低下してしまうことがある。一方、平均粒径が500nmを超えると、成膜後の金属表面処理皮膜中で耐酸性のある金属化合物(A)の存在しない部分の体積率が増加するため、特に酸性液体に接触する環境下での金属表面処理皮膜とラミネートフィルムとの間の耐久密着性が低下してしまうことがある。好ましい平均粒径は、1nm以上、100nm以下の範囲内である。この平均粒径は、金属表面処理皮膜の表面又は断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することができる。
こうして得られた金属表面処理皮膜は、金属材料とラミネートフィルムとの間に設けられて、そのラミネートフィルムの密着性を向上させることができるとともに、金属材料の耐食性を向上させることができる。
[金属表面処理皮膜付き金属材料]
本発明に係る金属表面処理皮膜付き金属材料10は、図1に示すように、金属材料1と、その表面に設けられた上記金属表面処理皮膜2とを有する。この金属材料10では、通常、その金属表面処理皮膜2上に設けられたラミネートフィルム3をさらに有する。なお、ラミネートフィルム3は任意であり、ラミネートフィルム3がラミネートされるまでの間は、ラミネートフィルム3が無くてもよい。こうした金属材料10は、ラミネートフィルム3との密着性に優れ、耐食性に優れている。
ラミネートフィルム3は、接着性、ガスバリアー性、導電性又は意匠性、金属材料10の耐食性等を考慮し、用途に応じて任意に選択され、特に限定されるものではない。ラミネートフィルム3の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができる。ラミネートフィルムは、これらの樹脂材料からなるフィルムを用い、金属表面処理皮膜2上にラミネートされる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[金属基材]
・「Al」…A1100P(純アルミニウム、JISH4000:1999)、厚さ0.3mm
・「ADC」…ADC12(Al−Si−Cu系のアルミニウム合金、JISH5302:2006)、厚さ2.0mm
・「Cu」…C1020P(無酸素銅板、JISH−3100)、厚さ0.3mm
・「Ni」…純ニッケル板(純度99質量%以上)、厚さ0.3mm
・「SUS」…SUS304板(オーステナイト系ステンレス)、厚さ0.3mm
・「EG」…電気亜鉛めっき鋼板(厚さ0.8mm、亜鉛めっき厚20μm)
[1.水系金属表面処理剤の作製]
溶媒を水として、下記に示す金属化合物ゾル(A)と、リン又はフッ素含有化合物(B)、水系樹脂(C)及び必要に応じて添加剤(D)とを組み合わせ、さらにアンモニア又は酢酸を用いてpH調整を行って、表1及び2に示す実施例1〜41の水系金属表面処理剤と、表3に示す比較例1〜15の水系金属表面処理剤とを準備した。なお、表中の「固形分比率」は、水系金属表面処理剤の全固形分を占める上記した各化合物の割合(質量%)を示す。
<金属化合物ゾル(A)>
用いた金属化合物ゾル(A)を以下に示す。なお、下記の金属化合物ゾル(A)の平均粒径は、大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計(DLC‐6500)を用いて測定した値である。
A1;酸化ジルコニウム(IV)ゾル(固形分20質量%、平均粒径30nm)
A2;酸化ハフニウム(IV)ゾル(固形分15質量%、平均粒径50nm)
A3;酸化チタン(IV)ゾル(固形分6質量%、平均粒径20nm)
A4;フルオロチタン酸(固形分40質量%)
A5;炭酸ジルコニウムアンモニウム(固形分31質量%)
A6;酸化銅(II)ゾル(固形分20質量%、平均粒径20nm)
A7;酸化ジルコニウム(IV)ゾル(固形分15質量%、平均粒径200nm)
<リン又はフッ素含有化合物(B)>
B1;リン酸アンモニウム[(NHPO
B2;トリポリリン酸ナトリウム[Na10
B3;ヘキサメタリン酸ナトリウム[(NaPO](Pとして65〜70%)
B4;フッ化アンモニウム[NHF]
B5;酸性フッ化ナトリウム[NaFHF]
B6;フィチン酸[C1824
B7;ヒドロキシエチリデンジホスホン酸[C
<水系樹脂(C)>
(C1;ポリエステル樹脂)
エチレングリコール(90mol%)及びトリメチロールプロパン(10mol%)からなるアルコール成分と、イソフタル酸(40mol%)、テレフタル酸(41mol%)、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム(2mol%)及び無水トリメリット酸(17mol%)からなる酸成分との縮合反応によるアニオン性のポリエステル樹脂(固形分(NVC.)30%)を次の方法で合成した。クライゼン管及び空気冷却器を取り付けた1000mLの丸底フラスコに、1molの全酸成分と2molの全アルコール成分と触媒(酢酸カルシウム0.25g、N−ブチルチタネート0.1g)とを入れ、系内を窒素置換し、180℃に加熱して内容物を融解させた。そして、浴温を200℃に上げ、約2時間加熱撹拌し、エステル化又はエステル交換反応を行わせた。次に、浴温を260℃に上げ、約15分後に系内を0.5mmHgまで減圧し、約3時間反応(重縮合反応)させた。反応終了後、窒素導入下で放冷し、内容物を取り出した。取り出した内容物に最終pHが6〜7になる適当量のアンモニア水(水は固形分25%になる量)を加え、オートクレーブ中で100℃で2時間加熱撹拌し、水系エマルジョンのポリエステル樹脂を得た。
(C2;ウレタン樹脂)
ポリエステルポリオール(アジピン酸/3−メチル−1,5−ペンタンジオール、数平均分子量1000、官能基数2.0、水酸基価112.2)100質量部、トリメチロールプロパン3質量部、ジメチロールプロピオン酸25質量部、イソホロンジイソシアネート85質量部をMEK中で反応させて、ウレタンプレポリマーを得た。これにトリエチルアミン9.4質量部を混合し、水に投入し、前記ウレタンプレポリマーを水に分散させ、エチレンジアミンで伸長させて、分散体を得た。メチルエチルケトンを留去して、不揮発分を30質量%含むウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られた水性分散体中に分散したカルボキシル基含有ポリウレタンの酸価は49(KOHmg/g)であった。
(C3;ポリオレフィン樹脂)
4つ口フラスコに、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン成分68モル%、エチレン成分8モル%、ブテン成分24モル%、質量平均分子量60,000)100質量部、無水マレイン酸10質量部、メタクリル酸メチル10質量部、及びジクミルパーオキサイド1質量部を投入し、180℃にて2時間撹拌し、反応させた。質量平均分子量が45,000、無水マレイン酸のグラフト質量が8.4質量%の変性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。その後、4つ口フラスコに、前記変性ポリオレフィン100質量部、ジメチルエタノールアミン10質量部、及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩10質量部を投入し、撹拌羽根で100℃、2時間均一に撹拌し、溶融させた後、90℃のイオン交換水300質量部を加えてさらに1時間撹拌し、pH8.0の水性ポリオレフィン樹脂を得た。
(C4;アクリル樹脂1)
モノマーとしてブチルアクリレート、アクリルアミド、及びヒドロキシエチルアクリレートを用い、共重合させて得られたアクリル樹脂水溶液(不揮発分濃度:15.0質量%、粘度:3Pa・s、pH=3.5、Tg:130℃、アニオン)を用いた。
(C5;アクリル樹脂2)
セパラブル4口フラスコからなる反応容器に温度制御レギュレーター、冷却管及び撹拌装置を取り付けて、室温にて、イオン交換水390質量部と、イソプロピルアルコール210質量部と、アクリルモノマーとしてN−メチロールアクリルアミド120質量部と、アクリルアミド30質量部とを仕込み、溶解させた。さらに、過硫酸カリウム1.5質量部と、亜硫酸水素ナトリウム0.06質量部と、無水酢酸ナトリウム1.5質量部とを仕込み、溶解させた。次いで、反応容器を窒素置換した後、30分間で65℃まで昇温し、65℃で3時間反応させた。反応生成物は、室温まで冷却し、ろ過して取り出した。得られたアクリル樹脂水溶液は、不揮発分濃度が20質量%、粘度が2.86dPa・s、pH=5.6であった。
(C6;ポリビニルアルコール)
鹸化度:99%、粘度:12mPa・S、アセトアセチル化度:9.8%、平均分子量:50000のアセトアセチル化ポリビニルアルコールを用いた。
(C7;ポリアミドイミド樹脂)
無水トリメリット酸1106.2g、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート1455.8g、N−メチル−2−ピロリドン2562.0gを、温度計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら約2時間かけて徐々に昇温して130℃まで上げた。反応により生ずる炭酸ガスの急激な発泡に注意しながら130℃を保持し、このまま約6時間加熱を続けた後に反応を停止させ、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の不揮発分(200℃−2h)は約50質量%で、粘度(30℃)は約85.0Pa・sであった。また、ポリアミドイミド樹脂の数平均分子量は約17,000で、カルボキシル基及び酸無水物基を開環させたカルボキシル基を合わせた酸価は約40であった。このポリアミドイミド樹脂溶液2,700gを、温度計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに入れ、乾燥させた窒素気流中で撹拌しながら徐々に昇温して50℃まで上げた。50℃に達したところでトリエチルアミンを447.1g(4当量)添加し、50℃に保ちながら十分に撹拌した後、撹拌しながら徐々にイオン交換水を加えた。最終的にイオン交換水が1348.8g(30質量%)となるまで加えて、透明で均一な耐熱性のポリアミドイミド樹脂を得た。
(C8;天然多糖類)
下記構造式のグリセリル化キトサン(数平均分子量:1万〜10万、グリセリル化:1.1)を用いた。
Figure 2019167625
(C9;エポキシ樹脂)
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(n=9、2官能、エポキシ当量268WPE、粘度70mPa・s)を用いた。
(C10;エラストマー1)
カルボキシル基およびメチロール基を有するアクリロニトリルブタジエンスチレンゴムの水分散体(固形分濃度:47%、pH=8、粘度:45mPa・s、Tg:18℃、比重:1.01)を用いた。
(C11;エラストマー2)
カルボキシル基を有するスチレンブタジエンゴムの水分散体(固形分濃度:48.5%、pH=7.8、粘度:104mPa・s、粒径170nm、Tg:−5℃)を用いた。
(C12;アクリル樹脂3)
モノマーとしてメチルメタクリレート及びN−メチロールアクリルアミドを用い、共重合させて得られたアクリル樹脂水溶液(不揮発分濃度:20.0質量%、粘度:300mPa・s、pH=4.0、アニオン)を用いた。
(C13;エラストマー3)
窒素置換した重合容器に、水200部、ロジン酸石鹸4.5部、ブタジエン66部、スチレン26部、アクリロニトリル8部、t−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込んだ。その後、重合容器の温度を5℃に設定し、重合開始剤としてのp−メンタンハイドロパーオキサイド0.1部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.07部、硫酸第1鉄7水和物0.05部、及びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.15部を添加して重合を開始した。重合転化率が60%に達した時点でジエチルヒドロキシアミンを添加して重合を停止した。次いで、スチームストリッピングにより未反応単量体を回収して、固形分濃度21%のジエン系ゴムを含有する分散液を得た。
<その他添加剤(D)>
(D1;イソシアネート系硬化剤1)
ヘキサメチレンジイソシアネート−アセト酢酸エチルブロック体を用いた。
(D2;エポキシ系硬化剤1)
エチレングリコールジグリシジルエーテル(n=1、2官能、エポキシ当量113WPE、粘度20mPa・s)を用いた。
(D3;イソシアネート系硬化剤2)
トルエンジイソシアネート−ジエチレングリコールモノエチルエーテルブロック体を用いた。
(D4;エポキシ系硬化剤2)
グリセロールポリグリシジルエーテル(n=2、3官能、エポキシ当量141WPE、粘度150mPa・s)を用いた。
D5;アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトネート)
D6;乳酸チタン
D7;N−メチロールアクリルアミド
D8;ジメチロール尿素
D9;ポリグリセリン(平均分子量750、水酸基価890)
D10;トリエチレングリコール
[2.供試材の作製]
表1及び2に示した実施例1〜41並びに表3に示した比較例1〜15に記載した金属基材をファインクリーナー359E(日本パーカライジング株式会社製のアルカリ脱脂剤)の2%水溶液で50℃、10秒間スプレー脱脂した後、水洗して表面を清浄にした。続いて、金属基材の表面の水分を蒸発させるために、80℃で1分間、加熱乾燥した。脱脂洗浄した金属基材の表面に、表1及び2に示す実施例1〜41並びに表3に示す比較例1〜15の水系金属表面処理剤を#8SUSマイヤーバーを用い、バーコートによって塗布し、熱風循環式乾燥炉内で180℃、1分間乾燥し、金属基材の表面に金属表面処理皮膜を形成した。また、表3の比較例16〜21に記載の金属基材を上記のように脱脂、水洗の後に加熱乾燥したものも試験に用いた。表1〜3は、各実施例又は各比較例で使用した水系金属表面処理剤と、得られた金属表面処理皮膜の成膜量とをまとめたものである。
Figure 2019167625
Figure 2019167625
Figure 2019167625
[3.金属化合物ゾル(A)の平均粒径測定]
実施例3、実施例6、実施例13、で得られた金属表面処理皮膜付き金属材料について、透過型電子顕微鏡(TEM)で断面観察を行い、金属化合物(A)の平均粒径を見積もった。金属化合物(A)の平均粒径は、各々、約100nm、30nm、20nmであった。
[4.ラミネート性能評価]
その後、以下に示すラミネート法により、金属基材の金属表面処理皮膜上にラミネートフィルムを貼り合わせた。
(ラミネート1)
金属基材の金属表面処理皮膜が形成された面に、片面をコロナ処理したポリエステルフィルム(膜厚16μm)を250℃、面圧が5MPaで10秒間熱圧着することにより、ポリエステルフィルムを積層した金属表面処理皮膜付き金属材料を製造した。
(ラミネート2)
金属基材の金属表面処理皮膜が形成された面に、酸変性ポリプロピレンのディスパージョンをロールコーティングした後、熱風循環式乾燥炉内で200℃、1分間乾燥することにより、厚さ5μmの接着層を形成した。その後、その接着層と、厚さ30μmのポリプロピレンフィルムとを、250℃、0.1MPaで10秒間熱圧着することにより、ポリプロピレンフィルムを積層した金属表面処理皮膜付き金属材料を製造した。
<4.1.初期密着性>
ラミネート1及びラミネート2によりラミネートフィルムを設けた金属表面処理皮膜付き金属材料について、エリクセン試験機により5mm押し出した後に碁盤目テープ剥離試験(1mmピッチ)を実施し、ラミネートフィルムの初期密着性を下記のランク1〜3で評価した。
3:ラミネートフィルムの剥離が全くない。
2:ラミネートフィルムの一部が剥離した。
1:ラミネートフィルムが全面剥離した。
<4.2.耐久密着性>
ラミネート1によりラミネートフィルムを設けた金属表面処理皮膜付き金属材料について、プレッシャクッカー試験を実施した。条件は、125℃、2気圧で1時間であり、市販の滅菌装置を用いた。その後乾燥し、15mm幅に切出して180°ピール強度測定を行った。ラミネートフィルムと金属材料との間の密着性を下記のランク1〜9で評価した。
9:ピール強度が10N以上。
8:ピール強度が9N以上10N未満の範囲にある。
7:ピール強度が8N以上9N未満の範囲にある。
6:ピール強度が7N以上8N未満の範囲にある。
5:ピール強度が6N以上7N未満の範囲にある。
4:ピール強度が5N以上6N未満の範囲にある。
3:ピール強度が3N以上5N未満の範囲にある。
2:ピール強度が1N以上3N未満の範囲にある。
1:ラミネートフィルムが既に剥離している、又は1N未満。
<4.3.耐食性>
ラミネート2によりラミネートフィルムを設けた金属表面処理皮膜付き金属材料について、JIS H 8502に準拠し、CASS試験を24時間実施した後の外観を目視で観察し、下記のランク1〜9で評価した。
9:全く外観に変化なし。
8:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が0%を超え5%以下。
7:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が5%を超え10%以下。
6:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が10%を超え15%以下。
5:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が15%を超え20%以下。
4:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が20%を超え25以下。
3:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が25%を超え40%以下。
2:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が40%を超え60%以下。
1:ラミネートフィルムの剥離(浮き)及びラミネートフィルム下の腐食の発生面積率が60%を超えている。
<4.4.耐内容物性1>
ラミネート1によりポリエステルフィルムをラミネートした金属表面処理皮膜付き金属材料について、モデルジュース(クエン酸一水和物:塩化ナトリウム:脱イオン水=5:5:990(質量比))中に浸漬し、60℃で1週間経過させた後に取り出し、15mm幅に切出して180°ピール強度測定を行った。ラミネートフィルムと金属材料との間の密着性を下記のランク1〜9で評価した。
9:ピール強度が10N以上。
8:ピール強度が9N以上10N未満の範囲にある。
7:ピール強度が8N以上9N未満の範囲にある。
6:ピール強度が7N以上8N未満の範囲にある。
5:ピール強度が6N以上7N未満の範囲にある。
4:ピール強度が5N以上6N未満の範囲にある。
3:ピール強度が3N以上5N未満の範囲にある。
2:ピール強度が1N以上3N未満の範囲にある。
1:ラミネートフィルムが既に剥離している、又は1N未満。
<4.5.耐内容物性2>
ラミネート2によりポリプロピレンフィルムをラミネートした金属表面処理皮膜付き金属材料について、キシダ化学株式会社製の電解液(商品名:LBG−00015、電解質:1M−LiPF、溶媒:EC/DMC/DEC=1/1/1(容量%))中に浸漬した後、60℃の恒温槽中に7日間投入した。その後、供試材を取り出し、イオン交換水中に1分間浸漬しながら揺動して洗浄した後、熱風循環式乾燥炉内で100℃、10分間乾燥した。その後、15mm幅に切出して180°ピール強度測定を行った。ラミネートフィルムと金属材料との間の密着性を下記のランク1〜9で評価した。
9:ピール強度が10N以上。
8:ピール強度が9N以上10N未満の範囲にある。
7:ピール強度が8N以上9N未満の範囲にある。
6:ピール強度が7N以上8N未満の範囲にある。
5:ピール強度が6N以上7N未満の範囲にある。
4:ピール強度が5N以上6N未満の範囲にある。
3:ピール強度が3N以上5N未満の範囲にある。
2:ピール強度が1N以上3N未満の範囲にある。
1:ラミネートフィルムが既に剥離している、又は1N未満。
[結果]
結果を表4〜6に示す。
Figure 2019167625
Figure 2019167625
Figure 2019167625
表4及び5に示すように、実施例1〜41で得られた金属表面処理皮膜付き金属材料は、ラミネートフィルムを形成した後の初期密着性、耐久密着性及び耐食性等に優れることが確認された。表6に示すように、比較例1〜15で得られた金属表面処理皮膜付き金属材料は、実施例に比べて、初期密着性、耐久密着性、耐食性等に劣っていた。
本発明に係る水系金属表面処理剤、その水系金属表面処理剤で形成される金属表面処理皮膜、及びその金属表面処理皮膜付き金属材料は、家電、食品、建築等の幅広い分野で使用され、特にアルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル又はこれらの合金等の金属材料に対して適用可能である。そして、酢酸、クエン酸等の有機酸や、硫酸、フッ酸等の無機酸を収容する内容物充填用容器、具体的には、食品用容器、洗剤用容器、リチウムイオン2次電池用容器等として好ましく適用することができる。
1 金属材料
2 金属表面処理皮膜
3 ラミネートフィルム
10 金属表面処理皮膜付き金属材料

Claims (8)

  1. 平均粒径が20nm以上500nm以下の範囲内であるチタンの酸化物である金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有することを特徴とする水系金属表面処理剤。
  2. 前記金属化合物(A)の含有量が、全固形分に対して5質量%以上90質量%以下の範囲内である、請求項1に記載の水系金属表面処理剤。
  3. 前記水系樹脂(C)の含有量が、全固形分に対して5質量%以上90質量%以下の範囲内である、請求項1又は2に記載の水系金属表面処理剤。
  4. pHが3以上11以下の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤。
  5. ラミネート下地用に用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤。
  6. 平均粒径が20nm以上500nm以下の範囲内であるチタンの酸化物である金属化合物(A)と、リン化合物群及びフッ素化合物群から選ばれる1種又は2種以上のリン又はフッ素含有化合物(B)と、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、天然多糖類、エポキシ樹脂及びエラストマーから選ばれる1種又は2種以上の水系樹脂(C)とを少なくとも含有する水系金属表面処理剤で形成された皮膜であることを特徴とする金属表面処理皮膜。
  7. 金属材料と、該金属材料の表面に設けられた請求項6に記載の金属表面処理皮膜とを有することを特徴とする金属表面処理皮膜付き金属材料。
  8. 前記金属表面処理皮膜上に設けられたラミネートフィルムをさらに有する、請求項7に記載の金属表面処理皮膜付き金属材料。
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WO2023100451A1 (ja) * 2021-12-03 2023-06-08 三菱ケミカル株式会社 積層フィルム及び多層体、並びに包装体及び包装物品

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