JP2019167327A - ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、iii型インターフェロン産生促進用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、ラクトバチルス・ガセリSBT2055や同SBT10801が、それを摂取した対象の体内でIFN−λ遺伝子の発現量を増加させることが報告されている(特許文献3)。
前記組成物は、前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスから成る群から選択される一又は複数の細菌であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブ
レーベMCC1274(FERM BP−11175)、ビフィドバクテリウム・ブレーベM−16V(NITE BP−02622)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムBB536(NITE BP−02621)、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM−63(NITE BP−02623)から成る群から選択される一又は複数の細菌であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、前記ビフィドバクテリウム属細菌が死菌であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、ラクトフェリンを含むことを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、ウイルス感染症を予防又は治療するための組成物であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、医薬組成物であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、飲食品組成物であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、家畜用飼料組成物であることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、前記III型インターフェロンがインターフェロンλであることを好ましい態様としている。
また、前記組成物は、さらに、I型インターフェロンの産生を促進することを好ましい態様としている。
また、前記製造方法は、前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベであることを好ましい態様としている。
また、前記製造方法は、前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP−11175)であることを好ましい態様としている。
本発明のIII型インターフェロン産生促進用組成物は、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分として含む。以下、同細菌を「本細菌」と記載することがある。また、以下、同組成物を「本発明の組成物」と記載することがある。尚、本発明の組成物は、混合物を含む概念であり、その成分が均一であるか不均一であるかを問わない。
ビフィドバクテリウム属細菌は、当該細菌を哺乳動物に摂取させたときにIII型インターフェロンの産生を促進し得るものであれば特に制限されないが、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスから成る群から選択される一又は複数の細菌が好ましく、その中でも、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP−11175)、ビフィドバクテリウム・ブレーベM−16V(NITE BP−02622)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムBB536(NITE BP−02621)、及びビフィドバクテリウム
・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM−63(NITE BP−02623)から成る群から選択される一又は複数の細菌がより好ましい。
尚、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムは、単にビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)との略称で呼称される場合もあり、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスは、単にビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)との略称で呼称される場合もある。
NITE BP−02622の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP−02622の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ブレーベM−16Vと同一の細菌である。
NITE BP−02621の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP−02621の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムBB536と同一の細菌である。
NITE BP−02623の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP−02623の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM−63と同一の細菌である。
物のIII型インターフェロンの産生を促進し得る条件であれば特に制限されないが、加熱温度は、65〜85℃の範囲内であることが好ましく、68〜82℃の範囲内であることがより好ましく、70〜75℃の範囲内であることがさらに好ましい。尚、当該加熱温度とは、当該溶液を加熱したときの到達温度を指すものとする。
また、加熱時間は、1〜5分の範囲内であることが好ましく、2〜4分の範囲内であることがより好ましく、2〜3分の範囲内であることがさらに好ましい。
尚、前記死菌は、その調製法によっても死菌とならなかった損傷菌を含んでもよい。
菌体の破砕物は、生菌を破砕したものでも死菌を破砕したものでもよく、破砕後に加熱や凍結乾燥等を施したものでもよい。破砕は、当技術分野で公知の方法及び機器を使用した、例えば、物理的破砕、酵素溶解処理、薬品処理、自己溶解処理などによる破砕を選択することができる。
物理的破砕は、菌体懸濁液の状態での処理、菌体粉末の状態での処理のいずれによってもよい。物理的破砕の例として、超音波ホモジナイザー、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ダイノミル、遊星ミル等を使用した撹拌による破砕、ジェットミル、フレンチプレス、細胞破砕機等を使用した圧力による破砕、フィルター濾過処理により菌体を損傷させることによる破砕を選択することができる。
酵素溶解処理としては、例えばリゾチームなどの酵素を用いて、本細菌菌体の細胞構造を破壊することができる。
薬品処理としては、ダイズリン脂質、グリセリン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を使用して、本細菌菌体の細胞構造を破壊することができる。
自己溶解処理としては、一部のビフィドバクテリウム属細菌自身の酵素により本細菌菌体を溶解することができる。
なお、本発明においては、他の薬品や化合物を添加する必要がないため物理的破砕が好ましい。
使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。また、調製済みの培地としては、例えばMRS培地を好適に用いることができる。
III型インターフェロン産生促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等としては、例えば、ウイルス感染症、B型肝炎、C型肝炎、腫瘍、癌等が挙げられる。したがって、本発明の組成物は、ウイルス感染症、B型肝炎、C型肝炎、腫瘍の形成、癌等を予防又は治療するために使用することができる。
供することができる。以下、それぞれを「本発明の医薬組成物」、「本発明の飲食品組成物」、「本発明の飼料組成物」と記載することがある。本発明の飼料組成物としては、例えば、家畜用飼料組成物等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
や症候、症状又は障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、通常、1×104〜1×1013cfu/gまたは1×104〜1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×107〜1×1011cfu/gまたは1×107〜1×1011cfu/mlの範囲内であることがより好ましい。本細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。本細菌が破砕物等の菌体処理物の場合、cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlは、該cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlの生菌又は死菌の破砕物等の菌体処理物と置き換えることができる。
また、本発明の飲食品組成物は、サプリメントであってもよく、例えばタブレット状のサプリメントであってもよい。サプリメントである場合には、一日当りの食事量及び摂取カロリーについて他の食品に影響されることなく、本細菌を摂取できる。
本発明の飲食品組成物の原料としては、通常の飲食品に用いられる原料を使用することができる。製造された飲食品組成物は、経口的に摂取することが可能である。
具体的には、本発明の飲食品組成物又は飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が例示でき、特に包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が好ましい。
を含む、III型インターフェロン産生促進能を有するビフィドバクテリウム属細菌の死菌の製造方法である。以下、同製造方法を「本発明の製造方法」と記載することがある。
また、本実施態様における好ましい実施態様は、III型インターフェロン産生促進能を有するビフィドバクテリウム属細菌を含有する溶液を加熱する工程を含む、III型インターフェロン産生促進能が高められたビフィドバクテリウム属細菌の死菌の製造方法である。当該実施態様におけるビフィドバクテリウム属細菌のIII型インターフェロン産生促進能は、加熱工程を経る前よりも加熱工程を経た後の方が高い。加熱工程を経る前のIII型インターフェロン産生促進能に対する、加熱工程を経た後のIII型インターフェロン産生促進能は、好ましくは1.2倍以上であり、より好ましくは1.5倍以上である。
〔1〕III型インターフェロン産生促進用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム属細菌の使用。
〔2〕III型インターフェロン産生促進のためのビフィドバクテリウム属細菌の使用。〔3〕III型インターフェロン産生促進に用いられるビフィドバクテリウム属細菌。
〔4〕III型インターフェロン産生促進によって緩和、予防又は治療され得る疾患の予防又は治療に用いられるビフィドバクテリウム属細菌。
〔5〕ビフィドバクテリウム属細菌又はIII型インターフェロン産生促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、III型インターフェロンの産生を促進する方法。
〔6〕ビフィドバクテリウム属細菌又はIII型インターフェロン産生促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、III型インターフェロン産生促進によって予防又は治療され得る疾患の予防又は治療方法。
[1]試験試料の調製
(1)Bifidobacterium breveの試料調製
凍結保存されたビフィドバクテリウム属細菌(Bifidobacterium breve MCC1274(FERM BP-11175))の菌液を、0.05%L-cysteine含有MRSブロス(シカメデイアM.R.S.ブイヨン、関東化学株式会社)に添加した後、37℃、16時間嫌気培養した。
前記16時間嫌気培養後の培養液2mlを冷却遠心処理(2,900×G、10分、4℃)しPBSにて洗浄後、2mlのDEPC-Treated water (RNase除去済滅菌水)に懸濁させ、生菌懸濁液を調製した。当該懸濁液中の生菌数は、市販のバクテリア計算盤にてカウントした。
前記16時間嫌気培養後の培養液2mlをオートクレーブ機にて70℃で2分加熱し、加熱処理後45℃まで冷却する設定で加熱処理を施し、PBSにて洗浄し、同容量のDEPC-Treated waterにて懸濁し死菌懸濁液を調製した。当該懸濁液中の死菌数は、市販のバクテリア計算盤にてカウントした。
前記死菌懸濁液2mlを15mlチューブにて氷水中で超音波ホモジナイザー(BRANSON ADVANCED SONIFIER MODEL450A)を用いて超音波発生ホーン(針様部)先端が検体希釈液最下端から2〜3mm程度上になるようにテストチューブをセットし、ホーン周波数19.90kHzにてデユーテイサイクル60-アウトプットコントロール6設定にて150回の超音波処理を繰り返し、死菌体の超音波処理液を調製した。
ビフィズス菌の菌種をBifidobacterium animalis ssp. lactis DSM10140に変更した以外は、前記(1)と同様の手順で、死菌懸濁液及び超音波処理液を調製した。
市販の乳酸菌飲料である「植物性乳酸菌ラブレ」(カゴメ株式会社)から単離培養したLactobacillus brevisの菌液を、15ml滅菌チューブ中の0.5%ラクトース含有MRSブロスに添加して16時間嫌気培養した。当該16時間嫌気培養後の培養液を用いて、前記(1)と同様の手順で、死菌懸濁液及び超音波処理液を調製した。
ATCC(American Type Culture Collection)から購入したHT-29細胞株を、75cm2培養フラスコにて、10%ウシ胎児血清(FCS)、ペニシリン100units/ml、ストレプトマイシン100μg/mlを添加したDMEM-GlutaMAX(ライフテクノロジーズジャパン株式会社)培地10mlを用いて、CO2インキュベーター(CO2濃度5%)内で37℃にて培養され70-80%コンフルエント状態になるまで培養した。次いで、Corning製48ウェル組織培養用プレート(平底)の各ウェルに、予め37℃に加温した前記培地200μlを加えた後、前記培養されたHT-29セルラインを各ウェル当たり5.0×105cells/wellの濃度で播種し、CO2インキュベーター(CO2濃度5%)内で37℃にて2日間培養し100%コンフルエント状態を得た。その後、培養液を除去し、抗生物質無添加のDMEM-GlutaMAX(10%FCSを含有し、抗生物質を含まないDMEM-GlutaMAX培地)500μlにて1回洗浄した。
洗浄された100%コンフルエント状態のHT-29セルラインに37℃加温した前記抗生物質無添加のDMEM-GlutaMAXを200μl添加し、前記[1]にて調製した生菌懸濁液、死菌懸濁液、又は超音波処理液60μlを加え、1ウェル当たりの菌体数として、又は超音波処理液については処理前の菌体に換算した菌体数として、1.08×108cells/wellになるよう添加した。
菌体等を一切添加しないサンプルにはDEPC-Treated Waterを60μl添加し、これをコントロールとした。37℃にて1.5時間培養後、合成二本鎖RNA(dsRNA)を当該HT-29セルラインに添加した。すなわち、1mg/ml polyI:C(インビトロジェン社)を前記抗生物質無添加のDMEM-GlutaMAXにて10μg/mlに希釈し、1mg/ml Lipofectamine2000(インビトロジェン社)を前記抗生物質無添加のDMEM-GlutaMAXにて3.33%(v/v)に希釈した後、当該希釈10μg/ml PolyI:C水溶液と希釈3.3% Lipofectamine2000を1:1の割合にて混合した混合液60μlを各ウェルに添加し、合計320μlの容量にて37℃、37.5時間インキュベーションした。すな
わち、菌体等の添加後から合計39時間インキュベーションした。
その結果、各検体中のインターフェロンλの産生量は、表1のとおりとなった。
[1]試験試料の調製
15ml滅菌チューブに予め6ml DMEM-GlutaMAXを入れ、前記試験例1の[1]の(1)で調製したBifidobacterium breve MCC1274(FERM BP-11175)の生菌懸濁液を1.0×108cells/mlの濃度にて接種し、37℃、24時間嫌気培養した。培養液を冷却遠心処理(2,900×G、10分、4℃)し上清を回収した。当該培養上清は、pH試験紙にておおよそpH5.5 (pH5〜6)であった。
前記生菌懸濁液を添加せずに、DEPC Treated Waterを添加したサンプルをコントロールとした。
試験例1の[2]と同様の手順にて、100%コンフルエント状態HT-29セルラインに37℃に加温したDMEM-GlutaMAX培地200μlを入れ、前記[1]にて調製した培養上清を1ウェル当たり60μl添加し、希釈10μg/ml PolyI:C水溶液と希釈3.3% Lipofectamine2000を1:1の割合にて混合した混合液60μlを各ウェルに添加して18.5時間(培養上清添加後合計20時間)インキュベーションし、インターフェロンλの産生量を測定した。
その結果、各検体中のインターフェロンλの産生量は、表2のとおりとなった。
下記(1)〜(3)の菌種について、加熱条件を「70℃、2分」、「90℃、15分」、及び「121℃、15分」の3通りに設定したこと以外は試験例1の[1]の(1)の<死菌懸濁液の調製>と同様の手順で、死菌懸濁液を調製した。
(1)Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)
(2)Bifidobacterium breve M-16V (NITE BP-02622)
(3)Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)
試験例1の[2]と同様の手順で、前記[1]で調製した各種死菌懸濁液を用いて細胞培養試験をし、インターフェロンλの産生量を測定した。但し、菌体の添加後からのインキュベーション時間は、加熱条件が「70℃、2分」の場合には14時間とし、加熱条件が「90℃、15分」又は「121℃、15分」の場合には20時間とした。なお、死菌懸濁液に代えて、DEPC-Treated Water 60μlを添加したサンプルをコントロールとした。
その結果、各検体中のインターフェロンλの産生量は、表3のとおりとなった。
下記(1)〜(4)の菌種についてラクトフェリン(LF)の共存下でのインターフェロンλの産生量を評価した。
(1)Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)
(2)Bifidobacterium breve M-16V (NITE BP-02622)
(3)Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)
(4)Bifidobacterium breve MCC1274 (FERM BP-11175)
0.05%システインを含むMRS(de Man Rogasa Sharpe)培地(Difco)で各菌体を16時間嫌気培養し、回収した菌体をPBSにて洗浄した。その後、培養液を100℃で30 分の加熱処理をして死菌懸濁液を調製した。
試験例1の[2]と同様の手順で、HT-29セルラインを用いた細胞培養試験を行い、インターフェロンλの産生量を測定した。前記[1]にて調製した死菌懸濁液及びラクトフェリンは、それぞれ終濃度が10μg/ml及び20μg/mlとなるように添加し、死菌懸濁液及びラクトフェリン無添加(試験群1)、死菌懸濁液のみ添加かつラクトフェリン無添加(試験群2)、並びに死菌懸濁液及びラクトフェリンの両方を添加(試験群3)の3パターンで試験し、死菌懸濁液又はラクトフェリンの添加から20時間インキュベートした。
その結果、各検体中のインターフェロンλの産生量は、以下の表4から表7のとおりとなった。
下記(1)〜(4)の菌種が、インターフェロンβを産生する能力について評価した。(1)Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)
(2)Bifidobacterium breve M-16V (NITE BP-02622)
(3)Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)
(4)Bifidobacterium animalis ssp. animalis ATCC25527
試験例1と同様に、上記(1)〜(4)の菌種の生菌懸濁液、死菌懸濁液及び超音波処理液を調製して細胞培養試験を行い、28時間インキュベーションしたHT-29セルライン培養上清に産生されたインターフェロンβをELISAアッセイキット(DuoSet ELISA Development System Human IFN-β、R&D Systems, Inc.製)を用いて定量した。該キットに添付のプロトコールに従って検体を調製し、450 nm波長にて各検体の吸光度測定し、あらかじめ作成した検量線を用いて、各検体のインターフェロンβの産生量を定量した。
その結果、各検体中のインターフェロンβの産生量は、以下の表8のとおりとなった。
試験例2と同様の手順で、Bifidobacterium breve MCC1274 (FERM BP-11175)の培養上清を添加して細胞培養を実施し、インターフェロンβの産生量を測定した。
その結果、各検体中のインターフェロンβの産生量は、表9のとおりとなった。
Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)、Bifidobacterium breve M-16V (NITE BP-02622)、Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)、及びBifidobacterium breve MCC1274 (FERM BP-11175)から成る群から選択される一又は複数の細菌をそれぞれ又は同一のMRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、当該細菌の菌末を得る。当該菌末と賦形剤等とを適宜混合して錠剤化する。当該錠剤を、菌の摂取量が1×106〜1×1012cfu/kg体重/日になるように、3ヶ月間毎日摂取する。
当該錠剤の摂取により、III型インターフェロン産生促進効果が期待できる。
Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)、Bifidobacterium brev
e M-16V (NITE BP-02622)、Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)、及びBifidobacterium breve MCC1274 (FERM BP-11175)から成る群から選択される一又は複数の細菌をそれぞれ又は同一のMRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、当該細菌の菌末を得る。当該菌末を発酵乳原料に添加し、発酵乳を得る。当該発酵乳を、菌の摂取量が1×106〜1×1012cfu/kg体重/日になるように、少なくとも3ヶ月毎日摂取する。
当該発酵乳の摂取により、III型インターフェロン産生促進効果が期待できる。
脱塩牛乳乳清蛋白質粉末(ミライ社製)10kg、牛乳カゼイン粉末(フォンテラ社製)6kg、乳糖(ミライ社製)48kg、ミネラル混合物(富田製薬社製)920g、ビタミン混合物(田辺製薬社製)32g、ラクチュロース(森永乳業社製)500g、ラフィノース(日本甜菜製糖社製)500g、及びガラクトオリゴ糖液糖(ヤクルト薬品工業社製)900gを温水300kgに溶解し、さらに90℃で10分間加熱溶解し、調製脂肪(太陽油脂社製)28kgを添加して均質化する。その後、殺菌、濃縮の工程を行って噴霧乾燥し、調製粉乳約95kgを調製する。これに、Bifidobacterium longum ssp. longum BB536 (NITE BP-02621)、Bifidobacterium breve M-16V (NITE BP-02622)、Bifidobacterium longum ssp. infantis M-63 (NITE BP-02623)、及びBifidobacterium breve MCC1274 (FERM BP-11175)から成る群から選択される一又は複数の細菌をそれぞれ又は同一のMRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行った後にでん粉で倍散して得た菌末(1.8×1011cfu/g)100gを加えてビフィズス菌・オリゴ糖配合調製粉乳約95kgを調製する。上述のようにして得られた調整粉乳を摂取することにより、III型インターフェロン産生促進効果が期待できる。
Claims (14)
- ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、III型インターフェロン産生促進用組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスから成る群から選択される一又は複数の細菌である、請求項1に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP−11175)、ビフィドバクテリウム・ブレーベM−16V(NITE BP−02622)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムBB536(NITE BP−02621)、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM−63(NITE BP−02623)から成る群から選択される一又は複数の細菌である、請求項1又は2に記載のインターフェロン産生促進用組成物。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌が死菌である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- ラクトフェリンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- ウイルス感染症を予防又は治療するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- 医薬組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- 飲食品組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- 家畜用飼料組成物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- 前記III型インターフェロンがインターフェロンλである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- さらに、I型インターフェロンの産生を促進する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のIII型インターフェロン産生促進用組成物。
- ビフィドバクテリウム属細菌を含有する溶液を65〜85℃にて1〜5分間加熱する工程を含む、III型インターフェロン産生促進能を有するビフィドバクテリウム属細菌の死菌の製造方法。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベである、請求項12に記載の製造方法。
- 前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(
FERM BP−11175)である、請求項12又は13に記載の製造方法。
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