JP2021023257A - 分離不安障害の予防又は改善のための組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】分離不安障害を予防又は改善する技術の提供。【解決手段】ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、分離不安障害の予防又は改善のための組成物に関する。
分離不安障害とは、愛着のある人物や場所から離れることに対し不安を感じることをいい、精神医学的障害の一種である。分離不安障害の予防には様々な研究がなされている。例えば、乳児期のストレスに起因する成長期の不安行動の予防にはラクトフェリンが有効であるとの報告がされている(特許文献1)。
ビフィドバクテリウム属細菌は、ヒトの腸内に最も多く存在する善玉菌として知られており、プロバイオティクスの一種として様々な活用がなされている。
分離不安障害とビフィドバクテリウム属細菌との関係については、マウスにおいて、ビフィドバクテリウム・シュードカテニュラータム(Bifidobacterium pseudocatenulatum
)CECT 7765が、乳児期の母子分離によって生じたHPA系へのストレスの調整に対して、その成長後も有効であるとの報告がされている(非特許文献1)。
また、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999を含む食用組成物が、不安及び/又は不安関連障害の治療又は予防に有効であるとの報告がされている(特許文献2)。該文献には、不安関連障害として、うつ病、アルコール乱用、コカイン乱用、アヘン剤乱用等の物質乱用、過食症、並びに睡眠障害及び認識機能障害等のストレスの悪影響が挙げられている。
また、認知能力や行動能力等を改善し、特に不安レベルを低減するのに有効な、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)と非消化性オリゴ糖とを含む、乳幼児
用の栄養組成物が報告されている(特許文献3)。
しかし、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスのいずれについても、分離不安障害の予防又は改善に有効であるとの報告はされていない。
特開2018−70502号公報 特表2011−517568号公報 国際公開第2014/070016号
Brain Behav. Immun., 65:43-56 (2017)
本発明は、分離不安障害を予防又は改善する技術の提供を課題とする。
本発明者らは、ビフィドバクテリウム属細菌における特定の種が、対象の分離不安障害の予防又は改善に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又
は改善のための組成物を提供する。
前記組成物は、前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベNITE BP−02622であることを好ましい態様としている。
前記組成物は、前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスが、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスNITE BP−02623であることを好ましい態様としている。
前記組成物は、飲食品組成物であることを好ましい態様としている。
前記組成物は、飼料組成物であることを好ましい態様としている。
前記組成物は、医薬組成物であることを好ましい態様としている。
本発明の組成物は、それを摂取した又は投与された対象の分離不安障害を予防又は改善することができる。
本発明の実施例1の結果を示すグラフ。 本発明の実施例2の結果を示すグラフ。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書では、本発明に係る、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための組成物を、「本発明の組成物」と記載することがある。本発明の組成物は混合物を含む概念であり、その成分が均一であるか不均一であるかを問わない。
また、本明細書では、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを、「本発明の細菌」と記載することがある。
本発明の組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分として含む。いずれもビフィドバクテリウム属細菌であり、グラム陽性の偏性嫌気性桿菌である。
尚、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスは、単にビフィドバクテリウム・インファンティスと表記される場合がある。
ビフィドバクテリウム・ブレーベの具体例としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベNITE BP−02622、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP−11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベBb−03(DuPont Danisco)、ビフィドバクテリウム・ブレーベHA−129(Lallemand)、ビフィドバクテリウム・ブレーベB63
2(Probiotical)、ビフィドバクテリウム・ブレーベBR03(Probiotical)、ビフィドバクテリウム・ブレーベMB113(Probiotical)が挙げられる。
ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスの具体例としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスNITE
BP−02623、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスBi−26(DuPont Danisco)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスR0033(Lallemand)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・
サブスピーシーズ・インファンティスCECT7210(Biopolis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスCECT2710(Biopolis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスEVC001(
Evolve BioSystems)が挙げられる。
NITE BP−02622の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP−02622の受託番号で、ブダ
ペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ブレーベM−16Vと同一の細菌である。
FERM BP−11175の受託番号が付与された細菌は、2009年8月25日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター、〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120
号室)にブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274と同一の細菌である。
NITE BP−02623の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP−02623の受託番号で、ブダ
ペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。同細菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM−63と同一の細菌である。
ビフィドバクテリウム・ブレーベNITE BP−02622は、上記寄託菌に制限されず、上記寄託菌と実質的に同等の細菌であってもよい。上記寄託菌と実質的に同等の細菌とは、ビフィドバクテリウム・ブレーベに分類される細菌であって、それを摂取した又は投与された対象の分離不安障害を予防又は改善することができ、さらにその16SrRNA遺伝子の塩基配列が、上記寄託菌の16SrRNA遺伝子の塩基配列に対して、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、より好ましくは100%の相同性を有し、且つ、好ましくは上記寄託菌と同一の菌学的性質を有する細菌である。また、ビフィドバクテリウム・ブレーベNITE BP−02622には、同細菌を親株とする変異株及び遺伝子組換え株も含まれる。
このことは、上記の他の菌にも同様に適用される。
本発明では、ビフィドバクテリウム・ブレーベとビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスのうちいずれかを用いることが必要であり、また、両者を用いてもよい。
また、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌は1株を用いてもよく、2株以上を用いてもよい。同様に、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスに属する細菌は1株を用いてもよく、2株以上を用いてもよい。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスはいずれも、同細菌を培養することにより容易に増殖させることができる。培養する方法は、同細菌が増殖できる限り特に限定されず、ビフィドバクテリウム属細菌(ビフィズス菌)の培養に通常用いられる方法を必要により適宜修正して用いることができる。例えば、培養温度は25〜50℃でよく、30〜40℃であることが好ましい。また、培養は好ましくは嫌気条件下で行われ、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
培養に用いる培地としては、特に限定されず、ビフィドバクテリウム属細菌の培養に通常用いられる培地を必要により適宜修正して用いることができる。すなわち、炭素源としては、例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトース、マンノース、セロビオース、
マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。また、調製済みの培地としては、例えばMRS培地を好適に用いることができる。
本発明の細菌は、培養後、得られた培養物をそのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよく、培養物から回収した菌体を用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、培養後に加熱、及び凍結乾燥等の種々の追加操作を行うことができる。尚、本発明の細菌は、生菌であっても死菌であってもよい。死菌としては、加熱等により殺菌された死菌が挙げられる。
本発明の細菌は、それを摂取した又は投与された対象の分離不安障害を予防又は改善する作用を有する。したがって、本発明の細菌は、分離不安障害を予防又は改善のための組成物の有効成分として使用することができる。
本発明の組成物を摂取する又は投与される対象としては、ヒト、ヒト以外の哺乳動物が挙げられる。ヒト以外の哺乳動物としては、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サル、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等が例示される。
本発明における分離不安障害としては、対象がヒトの場合、母親との分離に起因する子における分離不安障害(すなわち、母子分離に起因する子における分離不安障害)、父親との分離に起因する子における分離不安障害、父親及び母親以外の保育者との分離に起因する子における分離不安障害、両親の離婚に起因する子における分離不安障害などが例示できる。また、対象がヒト以外の哺乳動物の場合、飼育者との分離に起因する子(仔)の分離不安障害などが例示できる。対象がヒトの場合、好ましくは、母親との分離に起因する子における分離不安障害である。
対象がヒトの場合における、母親との分離に起因する子における分離不安障害としては、好ましくは、母親と子の分離が短時間ではあるが日常生活における母親と子の分離に起因する、子における分離不安障害である。例えば、1日の大部分を共に生活する母親と子が、1日の数時間だけ子が保育園等に預けられることにより分離して生活する時間がある場合、その分離に起因して子において生ずる分離不安障害が挙げられる。母親と子が分離する時間としては、例えば、1日あたり3時間以上、12時間以下が挙げられる。また、母親と子が1日の中で分離する時間がある時期としては、例えば、乳幼児期(乳児期及び幼児期)が挙げられる。
本発明の組成物は、対象が乳幼児期に摂取する又は投与されるものであることが好ましい。
本発明の「乳幼児期」とは、「乳児期及び幼児期」を指すものとする。
本発明の「乳児期」とは、対象がヒトである場合には、出生時から満1歳未満(満1歳を迎える日の前日まで)を指すものとする。「乳児期」とは、母乳などの乳を主な栄養源としている時期を指すものとする。
本発明の「幼児期」とは、対象がヒトである場合には、満1歳を迎えた日から学童期に入る前までを指すものとする。好ましくは、満1歳を迎えた日から、満6歳を迎える日及び小学校就学日のいずれか早い日の前日までを指すものとする。
よって、本発明の組成物は、対象がヒトである場合には、出生時から学童期に入る前までに摂取する又は投与されるものであることが好ましい。尚、対象がヒト以外の哺乳動物である場合には、「学童期」を「成長期」と読み替えるものとする。
また、本発明の組成物は、対象がヒトである場合には、出生時から満3歳未満(満3歳を迎える日の前日まで)に摂取する又は投与されるものであることがより好ましく、乳児期に摂取する又は投与されるものであることがさらに好ましく、満3か月から満1歳未満(満1歳を迎える日の前日まで)に摂取する又は投与されるものであることがよりさらに好ましい。
対象がヒト以外の哺乳動物である場合の当該時期については、これらに相当する時期に換算すればよい。
例えば、後述する実施例ではラットを用いた実験結果を示す。
対象がヒトである場合の「乳児期」は、ラットにおいては出生時から満20日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては出生時から満10週齢となる日の前日に相当する。ヤギにおいては出生時から満10週齢となる日の前日に相当する。ヒツジにおいては出生時から満12週齢となる日の前日に相当する。ブタにおいては出生時から満8週齢となる日の前日に相当する。サルにおいては出生時から満14週齢となる日の前日に相当する。イヌにおいては出生時から満6週齢となる日の前日に相当する。ネコにおいては出生時から満6週齢となる日の前日に相当する。マウスにおいては出生時から満20日齢に相当する。ハムスターにおいては出生時から満20日齢に相当する。モルモットにおいては出生時から満20日齢に相当する。
対象がヒトである場合の「幼児期」は、ラットにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。以下同様に、ウシにおいては満10週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ヤギにおいては満10週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ヒツジにおいては満12週齢から満1歳となる日の前日に相当する。ブタにおいては満8週齢から満4か月齢となる日の前日に相当する。サルにおいては満14週齢から満1.5歳となる日の前日に相当する。イヌにおいては満6週齢から満6か月齢となる日の前日に相当する。ネコにおいては満6週齢から満6か月齢となる日の前日に相当する。マウスにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。ハムスターにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。モルモットにおいては満21日齢から満5週齢となる日の前日に相当する。
対象がヒトである場合の「満3歳」は、ラットにおいては満4週齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満6か月齢に相当する。ヤギにおいては満6か月齢に相当する。ヒツジにおいては満6か月齢に相当する。ブタにおいては満3か月齢に相当する。サルにおいては満9か月齢に相当する。イヌにおいては満3か月齢に相当する。ネコにおいては満3か月齢に相当する。マウスにおいては満4週齢に相当する。ハムスターにおいては満4週齢に相当する。モルモットにおいては満4週齢に相当する。
対象がヒトである場合の「満3か月」は、ラットにおいては満5日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満2.5週齢に相当する。ヤギにおいては満2.5週齢に相当する。ヒツジにおいては満3週齢に相当する。ブタにおいては満2週齢に相当する。サルにおいては満3週齢に相当する。イヌにおいては満1.5週齢に相当する。ネコにおいては満1.5週齢に相当する。マウスにおいては満5日齢に相当する。ハムスターにおいては満5日齢に相当する。モルモットにおいては満5日齢に相当する。
対象がヒトである場合の「満1歳」は、ラットにおいては満21日齢に相当する。以下
同様に、ウシにおいては満10週齢に相当する。ヤギにおいては満10週齢に相当する。ヒツジにおいては満12週齢に相当する。ブタにおいては満8週齢に相当する。サルにおいては満14週齢に相当する。イヌにおいては満6週齢に相当する。ネコにおいては満6週齢に相当する。マウスにおいては満21日齢に相当する。ハムスターにおいては満21日齢に相当する。モルモットにおいては満21日齢に相当する。
本発明の組成物は、それを摂取した又は投与された対象の分離不安障害を予防又は改善する作用を有する。対象において分離不安障害を予防又は改善する作用が発揮されるときの対象の齢は、特に制限されないが、対象がヒトである場合、例えば満3か月以上、より好ましくは満6か月以上とすることができ、また、例えば満12歳以下、より好ましくは満6歳以下とすることができる。また、乳幼児期であってもよく、よりさらに好ましくは出生時から満3歳未満(満3歳を迎える日の前日まで)であり、特に好ましくは満3か月から満1歳未満(満1歳を迎える日の前日まで)である。尚、該作用が発揮されるのは、本発明の組成物を摂取した又は投与された後であることは言うまでもない。
上記と同様に、対象がヒト以外の哺乳動物である場合の当該時期については、これらに相当する時期に換算すればよい。
対象がヒトである場合の「満6か月」は、ラットにおいては満11日齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満5週齢に相当する。ヤギにおいては満5週齢に相当する。ヒツジにおいては満6週齢に相当する。ブタにおいては満4週齢に相当する。サルにおいては満7週齢に相当する。イヌにおいては満3週齢に相当する。ネコにおいては満3週齢に相当する。マウスにおいては満11日齢に相当する。ハムスターにおいては満11日齢に相当する。モルモットにおいては満11日齢に相当する。
対象がヒトである場合の「満12歳」は、ラットにおいては満8週齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満2歳に相当する。ヤギにおいては満2歳に相当する。ヒツジにおいては満2歳に相当する。ブタにおいては満7か月齢に相当する。サルにおいては満3歳に相当する。イヌにおいては満1歳に相当する。ネコにおいては満1歳に相当する。マウスにおいては満8週齢に相当する。ハムスターにおいては満8週齢に相当する。モルモットにおいては満8週齢に相当する。
対象がヒトである場合の「満6歳」はラットにおいては満5週齢に相当する。以下同様に、ウシにおいては満1歳に相当する。ヤギにおいては満1歳に相当する。ヒツジにおいては満1歳に相当する。ブタにおいては満4か月齢に相当する。サルにおいては満1.5歳に相当する。イヌにおいては満6か月齢に相当する。ネコにおいては満6か月齢に相当する。マウスにおいては満5週齢に相当する。ハムスターにおいては満5週齢に相当する。モルモットにおいては満5週齢に相当する。
分離不安障害の予防又は改善は、後述する実施例のように、対象がラットのような動物であって、分離不安障害が母子分離による分離不安障害である場合には、例えば、超音波発声試験やオープンフィールド試験の解析により評価が可能である。
対象がヒトである場合には、例えば、DSM-5やICD-10に基づく診断、Spence Children's
Anxiety Scale (SCAS)による不安の測定により評価が可能である。
本発明の組成物における本発明の細菌の含量は、組成物の態様によって適宜設定されるが、総量で、1×104〜1×1013cfu/gまたは1×104〜1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfu/gまたは1×105〜1×1012cfu/mlの範囲内であることがより好ましく、1×106〜1×1010
fu/gまたは1×106〜1×1010cfu/mlの範囲内であることがさらに好まし
く、1×106〜1×109cfu/gまたは1×106〜1×109cfu/mlの範囲内であることがよりさらに好ましい。
尚、本明細書では、「cfu」は、colony forming unit(コロニー形成単位)を表す
。また、本明細書では、本発明の細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。
本発明の組成物の摂取量又は投与量は、組成物の形態、用法、対象、対象の齢、性別、及びその他の条件等により適宜設定されるが、それを摂取した又は投与された対象において分離不安障害を予防又は改善する作用が発揮される限り特に制限されない。本発明の細菌の総量として、1日当たりかつ100g体重当たり、1×104〜1×1013cfuの範囲
内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfuの範囲内であることがより好ま
しく、1×106〜1×1010cfuの範囲内であることがさらに好ましく、1×106〜1×109cfuの範囲内であることがさらに好ましい。
尚、本明細書では、本発明の細菌が死菌の場合、cfuは、個細胞と置き換えることができる。
また、本発明の組成物は、1日1回又は複数回に分けて摂取又は投与することができる。また、数日又は数週間に1回の摂取又は投与としてもよいが、毎日摂取又は投与することが好ましい。また、摂取又は投与期間は7日以上が好ましい。
本発明の組成物は、経口的に摂取する又は投与されることができるが、これに限られず、例えば経鼻的に摂取又は投与されるもの、胃瘻や腸瘻により摂取又は投与されるものでもよい。例えば、対象に対して経鼻胃栄養チューブ等によって摂取又は投与させてもよい。
本発明の組成物は、飲食品組成物、飼料組成物、又は医薬組成物として利用できる。
例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための飲食品組成物;
ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための飼料組成物;又は、
ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための医薬組成物を提供することができる。
以下、それぞれ、「本発明の飲食品組成物」、「本発明の飼料組成物」、「本発明の医薬組成物」と記載することがある。
本発明の飲食品組成物は、本発明の細菌を含有する限り特に制限されない。飲食品組成物としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、飲食品であってもよく、錠菓、流動食等のほか、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その
他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、グミ、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶漬けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品);栄養補助食品等が挙げられる。
また、本発明の飲食品組成物は、サプリメントであってもよく、例えばタブレット状のサプリメントであってもよい。サプリメントである場合には、一日当りの食事量及び摂取カロリーについて他の食品に影響されることなく、本発明の細菌を摂取できる。
本発明の飲食品組成物は、通常の飲食品の原料に、本発明の細菌を添加することにより製造することができ、本発明の細菌を添加すること以外は、通常の飲食品と同様にして製造することができる。本発明の細菌の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。また、添加した本発明の細菌による発酵工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。そのような飲食品組成物としては、乳酸菌飲料、及び発酵乳等が挙げられる。また、搾乳された母乳や調製乳に添加する態様も挙げられ、添加後の乳を乳幼児に摂取させることも想定される。
本発明の飲食品組成物には、飲食品組成物製造のための原料、及び食品添加物等、飲食品組成物の製造工程又は製造後に飲食品組成物に添加されるものも含まれる。例えば、本発明の細菌は、発酵乳製造用スターターとして使用することができる。また、本発明の細菌を、製造された発酵乳に後から添加することもできる。
また、本発明の飲食品組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の又は将来的に見出されるプレバイオティクス効果を有する成分又はプレバイオティクス効果を補助する成分を使用することができる。例えば、本発明の飲食品組成物は、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、大豆タンパク質、若しくはエンドウ豆タンパク質(ピープロテイン)等の各種タンパク質若しくはその混合物、分解物;ロイシン、バリン、イソロイシン若しくはグルタミン等のアミノ酸;ビタミンB6若しくはビタミンC等のビタミン類;クレアチン;クエン酸;フィッシュオイル;又は、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース等のオリゴ糖等の成分と、本発明の細菌とを配合して製造することができる。
本発明の飲食品組成物における本発明の細菌の含量は、飲食品組成物の態様によって適宜設定されるが、総量で、1×104〜1×1013cfu/gまたは1×104〜1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfu/gまた
は1×105〜1×1012cfu/mlの範囲内であることがより好ましく、1×106〜1×1010cfu/gまたは1×106〜1×1010cfu/mlの範囲内であることが
さらに好ましく、1×106〜1×109cfu/gまたは1×106〜1×109cfu/mlの範囲内であることがよりさらに好ましい。
本発明の飲食品組成物の摂取量は、飲食品組成物の形態、用法、対象、対象の齢、性別、及びその他の条件等により適宜設定されるが、それを摂取した対象の分離不安障害を予防又は改善する作用が発揮される限り特に制限されない。本発明の細菌の総量として、1日当たりかつ100g体重当たり、1×104〜1×1013cfuの範囲内であることが好ま
しく、1×105〜1×1012cfuの範囲内であることがより好ましく、1×106〜1×1010cfuの範囲内であることがさらに好ましく、1×106〜1×109cfuの範
囲内であることがさらに好ましい。
尚、本発明の飲食品組成物は、1日1回又は複数回に分けて摂取することができる。また、数日又は数週間に1回の摂取としてもよいが、毎日摂取することが好ましい。また、摂取期間は7日以上が好ましい。
本発明の飲食品組成物は、単独で摂取してもよいし、他の飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬と共に摂取してもよい。例えば、分離不安障害の予防又は改善のための他の飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬等と共に摂取してもよい。
本発明の飲食品組成物は、分離不安障害の予防又は改善のため等との用途が表示された飲食品組成物又は飲食品として販売することができる。また、これ以外でも、上記用途によって二次的に生じる効果を表す文言であれば、使用できることはいうまでもない。
前記「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物及び媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。
具体的には、本発明の飲食品組成物又は飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が例示でき、特に包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が好ましい。
また、表示としては、行政等によって許可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましい。例えば、保健機能食品など、より具体的には保健機能食品、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができ、その他消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を例示することができる。さらに詳細には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示等を例示することができる。
さらに、対象がヒトである場合であって、対象が乳幼児期に摂取するものである場合の本発明の飲食品組成物の一例として、乳児用ミルク(例えば、乳児用調製粉乳等)や幼児用ミルク(例えば、幼児用調製粉乳等)が挙げられる。本発明におけるラクトフェリン;ヒトミルクオリゴ糖、フラクトオリゴ糖及びガラクトオリゴ糖などのプレバイオティクス;カゼイン、大豆、ホエイ又はスキムミルク由来のタンパク質;ラクトース、サッカロース、マルトデキストリン、デンプンまたはそれらの混合物などの炭水化物;脂質(例えば、パームオレイン、ヒマワリ油、ヒマワリ油);及び、日常の食物に不可欠なビタミン類及びミネラル等を含有することができ、また、これらの群から選択される1種又は2種以上を含有することができる。特に、当該「乳児用ミルク」は、好ましくは生後4〜12ヶ月、より好ましくは生後4〜6ヶ月の乳児が母乳の代わりとして飲むことができるように意図された、それだけで乳児の栄養的要求を満たす食品をいう。
本発明の飼料組成物としては、ペットフード、家畜飼料、及び養魚飼料等が例示される。本発明の飼料組成物は、一般的な飼料又はその原料、例えば、穀類、粕類、糠類、魚粉、骨粉、油脂類、脱脂粉乳、ホエー、鉱物質飼料、又は酵母類等に本発明の細菌を混合することにより製造することができる。製造された飼料組成物は、一般的な哺乳動物、家畜類、養魚類、及び愛玩動物等に投与することが可能である。
本発明の飼料組成物における本発明の細菌の含量は、飼料組成物の態様によって適宜設定されるが、総量で、1×104〜1×1013cfu/gまたは1×104〜1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfu/gまたは1
×105〜1×1012cfu/mlの範囲内であることがより好ましく、1×106〜1×1010cfu/gまたは1×106〜1×1010cfu/mlの範囲内であることがさら
に好ましく、1×106〜1×109cfu/gまたは1×106〜1×109cfu/mlの範囲内であることがさらに好ましい。
対象に対する本発明の飼料組成物の投与量は、飼料組成物の形態、用法、対象、対象の齢、性別、及びその他の条件等により適宜設定されるが、それが投与された対象において分離不安障害を予防又は改善する作用が発揮される限り特に制限されない。本発明の細菌の総量として、1日当たりかつ100g体重当たり、1×104〜1×1013cfuの範囲内
であることが好ましく、1×105〜1×1012cfuの範囲内であることがより好まし
く、1×106〜1×1010cfuの範囲内であることがさらに好ましく、1×106〜1×109cfuの範囲内であることがさらに好ましい。
尚、本発明の飼料組成物は、1日1回又は複数回に分けて対象に投与することができる。また、数日又は数週間に1回の投与としてもよいが、毎日投与することが好ましい。また、投与期間は7日以上が好ましい。
本発明の飼料組成物は、単独で対象に投与してもよいし、他の飼料組成物若しくは飼料又は医薬組成物若しくは医薬と共に投与してもよい。例えば、分離不安障害の予防又は改善のための他の飼料組成物若しくは飼料又は医薬組成物若しくは医薬等と共に投与してもよい。
本発明の医薬組成物は、本発明の細菌を含有する限り特に制限されない。本発明の医薬組成物としては、本発明の細菌をそのまま使用してもよく、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体を配合し製剤化して使用してもよい。
本発明の医薬組成物の剤形は特に制限されず、具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、点眼剤、及び点鼻剤等を例示できる。また、製剤化にあたっては、製剤担体として通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、又は注射剤用溶剤等の添加剤を使用することができる。
また、前記製剤担体としては、剤形に応じて、各種有機又は無機の担体を用いることができる。固形製剤の場合の担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α‐デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;
軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
本発明の医薬組成物における本発明の細菌の含量は、剤形、用法、対象、対象の齢、性別、障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、総量で、1×104〜1×1013cfu/gまたは1×104〜1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfu/gまたは1×105〜1×1012cfu/mlの範囲内であることがより好ましく、1×106〜1×1010cfu/gまたは1
×106〜1×1010cfu/mlの範囲内であることがさらに好ましく、1×106〜1×109cfu/gまたは1×106〜1×109cfu/mlの範囲内であることがさら
に好ましい。
対象に対する本発明の医薬組成物の投与量は、剤形、用法、対象、対象の齢、性別、障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、それが投与された対象において分離不安障害を予防又は改善する作用が発揮される限り特に制限されない。本発明の細菌の総量として、1日当たりかつ100g体重当たり、1×104〜1×1013cf
uの範囲内であることが好ましく、1×105〜1×1012cfuの範囲内であることが
より好ましく、1×106〜1×1010cfuの範囲内であることがさらに好ましく、1
×106〜1×109cfuの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明の医薬組成物の投与時期は特に限定されず、適宜投与時期を選択することが可能である。また、予防的に投与してもよく、維持療法に用いてもよい。また、投与形態は製剤形態、対象の齢、性別、障害の種類、その程度、その他の条件等に応じて決定されることが好ましい。なお、本発明の医薬組成物は、いずれの場合も1日1回又は複数回に分けて投与することができる。また、数日又は数週間に1回の投与としてもよいが、毎日投与することが好ましい。また、投与期間は7日以上が好ましい。
本発明の医薬組成物は、単独で投与してもよいし、他の医薬組成物若しくは医薬、飲食品組成物若しくは飲食品、又は飼料組成物若しくは飼料と共に投与してもよい。例えば、分離不安障害の予防又は改善のための他の医薬組成物若しくは医薬、飲食品組成物若しくは飲食品、又は飼料組成物若しくは飼料等と共に投与してもよい。
さらに、本発明は、以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕分離不安障害の予防又は改善のための組成物を製造するための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスの使用。
〔2〕分離不安障害の予防又は改善における使用のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス。
〔3〕ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスの予防的又は改善的有効量を、予防又は改善を必要とする対象に投与することを含む、分離不安障害の予防方法又は改善方法。
〔4〕分離不安障害の予防又は改善のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスの使用。
〔5〕分離不安障害の予防又は改善に用いられる、ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス。
〔6〕ビフィドバクテリウム・ブレーベ若しくはビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス、又は本発明の組成物を対象に投与する段階を含む、分離不安障害を予防する方法又は改善する方法。
以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、被験動物としてSprague-Dawley (SD)系ラット(東京実験動物株式
会社)を用いた。当該ラットは、室温(22±3℃)、12時間の明暗周期(明期7:00-19:00
)の飼育室にて飼育し、摂食(CE-2、日本クレア株式会社)および飲水は自由とした。
〔実施例1〕
(被験動物の準備)
本実施例では、初回妊娠16日目の雌(F0)を、新生仔が生まれるまでの間は1ケージに1匹ずつ、外部が見えないプラスチック製の飼育ケージ(410mm×260mm)にて飼育した。出産後、新生仔(F1)は出生日をPostnatal day (PND) 0とし、PND1で同腹仔を最大10匹、
雄と雌がほぼ半数ずつになるよう間引きした。
本実施例ではF1の雄のみを使用した。母子分離(Maternal separation, MS)処置前に
体重測定およびアニマルマーカー(室町機械株式会社)による標識を行った。MS処置はPND5からPND21までの15時から18時の3時間行った。
MS処置の手順は次の通りである。MS処置開始の1時間前に、ホームケージを実験室(室
温25℃)に移動し、環境に馴化させ、母親をホームケージから別のケージに移動させた後、仔(雄のみ隔離)をホームケージから、プラスチック製の何も入っていない個別ケージ(245mm×160mm)に移し、母親を再びホームケージに戻した。個別ケージは、アクリル製の5段デシケーター(内寸法430mm×1330mm×500mm)内にある個別ケージであり、各ケー
ジの床下には保温マットを置いてケージの温度が25〜27℃となるようにした。MS処置を行わない仔は常時母親と同居させた。
(超音波発声(Ultrasonic Vocalization, USV)試験)
PND5からPND21まで、試験群には被験物質として、生理食塩水に懸濁したビフィドバク
テリウム・ブレーベNITE BP-02622(森永乳業株式会社)溶液を1日1回、5×108 CFU/10
0g体重(溶液として0.5mL/100g体重)を経口投与し、対照群にはコントロール物質として等量のSTスターチ(日澱化学株式会社)を懸濁した溶液を1日1回、経口投与した。PND5からPND21まで隔日(PND5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21)でUSVを測定した。
USVの測定は次のようにした。MS開始1時間後から仔1匹ずつ順にデシケーター(パソリ
ナステンレスデシケーター、内寸法375mm×375mm×400mm、アズワン株式会社)内に置い
た500mlビーカー(PND5からPND10の場合)、又は1000mlビーカー(PND11からPND21の場合)に入れ、それぞれ10分間USVを測定した。デシケーター内の温度は30±2℃(PND5からPND15の場合)、又は28℃(PND16からPND21の場合)に保たれるように調節した。USVは超音波用マイクロホン(計測用マイクロホンUC-54、測定周波数範囲20-100,000Hz、リオン株
式会社)で検出し、プリアンプ(プリアンプNH-17、測定周波数範囲10-100,000Hz、リオ
ン株式会社)により増幅を行った。さらに、騒音計(騒音計ユニットUN-14、リオン株式
会社)でUSVの測定を行い、アナログ信号をA/D変換装置(Powerlab 2/26、バイオリサー
チセンター株式会社)でデジタル信号に変換しパーソナルコンピューターで記録した。アナログ信号に対しては、デジタル信号変換前に騒音計内蔵の20kHzハイパスフィルタ処理
を行った。USVの計数は記録用ソフト(LabChart v7、バイオリサーチセンター株式会社)を用いて行った。尚、背景ノイズと区別するため、記録用ソフトの20kHzまたは40kHzの高域パス処理を行った。
結果を図1に示す。試験群及び対照群ともにピークはPND11であった。PND11において、
試験群では対照群に比べて低値であった。
試験群に被験物質としてビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスNITE BP-02623を用い、上記と同様の試験を行った場合も、上記と同様の傾向
を示した。
〔実施例2〕
(被験動物の準備)
PND21までは実施例1と同様にした。PND21で離乳させ、仔の数をケージあたり2匹から3
匹となるように分けた。5週齢(35日齢)で下記のオープンフィールド試験を実施した。
(オープンフィールド試験)
装置は全面に白い保護シート(ペット床保護シートS PETP-11S、リンテックコマース株式会社)を貼ったアクリルボックス(90cm×90cm×40cm)を用いた。
オープンフィールド試験は次のようにした。ラットを装置の中央に置き、5分間の行動
をビデオに記録した。Center area (20cm×20cm)からその外へ移動するまでの潜時を、ビデオ画像行動解析装置(SMART 3.0, Panlab Harvard Apparatus, Barcelona, Spain)に
より測定、解析し、評価を行った。
結果を図2に示す(Mean±SE, n=8)。Center areaを出るまでの潜時は、試験群では対
照群に比べて低値を示した。
試験群に被験物質としてビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスNITE BP-02623を用い、上記と同様の試験を行った場合も、上記と同様の傾向
を示した。

Claims (6)

  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベ又はビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスを有効成分とする、分離不安障害の予防又は改善のための組成物。
  2. 前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベNITE BP−02622である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスが、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスNITE BP−02623である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 飲食品組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 飼料組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 医薬組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
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