JP2019166806A - 撥水撥油性積層体 - Google Patents

撥水撥油性積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡便な方法により製造することができ、高い撥水性および撥油性を有する撥水撥油性積層体の提供。【解決手段】基材11と、基材11上の撥水撥油層12とを備え、撥水撥油層12が、ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を含んでなり、撥水撥油層表面の算術平均粗さSaが、2.2μm以上、20μm以下である撥水撥油性積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、撥水撥油性積層体に関する。
食品、飲料、医薬品、および化学品などの多くの商品分野では、それぞれの内容物に応じ、耐水性、耐油性、ガスバリア性、防湿性等の様々な機能を有する包装材料が開発されている。
また、液体や半固体、ゲル状物質等高い粘性を有する内容物の包装材料の内面への付着を防止すべく、撥水性や撥油性を有する包装材料が開発されているが、包装材料に優れた撥水性および撥油性を共にもたせることは困難であった。
特許文献1においては、凹凸形状層、ならびに疎水性酸化物微粒子およびフッ素系共重合体樹脂を含む撥液層を備える樹脂シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1において開示される樹脂シートは、その製造方法において凹凸系状層を形成する工程を含むため、その製造方法は煩雑であった。さらに、その撥水性および撥油性には改善の余地があった。
国際公開第2016/047548号
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は、より簡便な方法により製造することができ、高い撥水性および撥油性を有する積層体を提供することである。
本発明の撥油性積層体は、基材と、基材上の撥水撥油層とを備え、
撥水撥油層が、ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を含んでなり、
撥水撥油層表面の算術平均粗さSaが、2.2μm以上、20μm以下であることを特徴とする。
一実施形態において、上記ナノ粒子は、親水性ナノ粒子である。
一実施形態において、上記ナノ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上、30nm以下である。
一実施形態において、上記ナノ粒子は、シラノール基を有する親水性酸化物粒子である。
一実施形態において、上記撥水撥油層におけるナノ粒子の含有量は、30質量%以上、70質量%以下である。
一実施形態において、上記撥水撥油層における前記フッ素含有樹脂の含有量は、20質量%以上、70質量%以下である
本発明の上記積層体の製造方法は、
基材を準備する工程と、
ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を含む混合物に対し、発振周波数10kHz以上、100kHz以下、高周波出力強度10W以上、500W以下の超音波を10秒以上、200秒以下照射し、撥水撥油層形成用塗工液を得る工程と、
撥水撥油層形成用塗工液を、基材上に塗布し、撥水撥油層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする
本発明によれば、簡便な方法により製造することができ、高い撥水性および撥油性を有する積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態による撥水撥油性積層体の断面模式図である。 実施例3により得られた撥水撥油性積層体断面の500倍SEM画像である。 実施例3により得られた撥水撥油性積層体断面の2000倍SEM画像である。 比較例5により得られた撥水撥油性積層体断面の500倍SEM画像である。 比較例5により得られた撥水撥油性積層体断面の2000倍SEM画像である。
<撥水撥油性積層体>
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態による撥水撥油性積層体の断面模式図を示したものである。一実施形態において、撥水撥油性積層体10は、基材11と、撥水撥油層12とを備えてなる。
以下、本発明による撥水撥油性積層体(以下、場合により、単に積層体という。)を構成する各層について説明する。
(基材)
基材として、例えば、コート紙、印刷用紙、上質紙およびクラフト紙などの紙材であったり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩酸ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂、並びにセロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)であったり、例えば、アルミ箔等の金属箔を使用することができる。
また、上記した材料を積層したものを基材として使用することもできる。
一実施形態において、紙材や樹脂フィルムは、アルミニウムや酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機酸化物からなる蒸着膜を備える。これにより、酸素および水蒸気に対するバリア性ならびに遮光性を基材に持たせることができる。
また、基材表面は、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理などの表面処理が施されていることが好ましい。これにより、基材と、隣接する層との密着性を向上させることができる。
基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷が施されていてもよい。印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの従来公知の方式を用いることができる。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、5μm以上、200μm以下とすることができる。
(撥水撥油層)
本発明の撥水撥油層は、ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を含んでなる。
ナノ粒子は、親水性ナノ粒子であってもよく、疎水性ナノ粒子であってもよい。
親水性ナノ粒子としては、表面に、シラノール基等の水酸基、スルホン酸基やカルボン酸基等の親水性官能基を有するものが挙げられ、例えば、親水性官能基を有する酸化物粒子を使用することができる。
酸化物としては、例えば、Al、Si、Ti、Sb、ZrおよびSnからなる群より選択される元素の酸化物が挙げられる。より具体的には、Al、Al・nHO、SiO、SiO・HO、TiO、TiO・nHO、Sb、Sb・nHO、ZrO、ZrO・nHO、SnO、SnO・nHO等が挙げられる。
なお、本発明において、親水性ナノ粒子の「親水性」の程度は、M値が0〜20vol%程度のものを示す。
M値とは疎水性を表す指標であり、攪拌している水に物質(親水性ナノ粒子)を浮かべ、そこに徐々にメタノールを加え、完全に物質が湿潤した時のメタノールの水に対する割合を意味する。なお、M値が大きいほうが疎水性が高く、小さければ親水性が高い。
本発明の撥水撥油層は、上記親水性ナノ粒子を2種以上含んでいてもよい。
疎水性ナノ粒子としては、表面に、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルシロキサン基、アミノアルキルシリル基、アルキルシリル基及び(メタ)アクリルシリル基等の疎水性官能基を有するものを挙げることができる。
より具体的には、これら疎水性官能基を有する上記酸化物粒子を使用することができる。
ナノ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上、30nmであることが好ましく、3nm以上、25nm以下であることがより好ましい。ナノ粒子の平均一次粒子径を上記数値範囲とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。また、撥水撥油層の成形性を向上させることができる。
なお、本発明において平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって画像を取得した後、ソフトウェアで粒子径を測定することにより算出した。
ナノ粒子のBET比表面積は、100m/g以上、500m/g以下であることが好ましく、150m/g以上、500m/g以下であることがより好ましい。ナノ粒子のBET比表面積を上記数値範囲内とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。
なお、本発明においてBET比表面積は、ガス吸着法により測定することができる。
撥水撥油層におけるナノ粒子の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましい。また、撥水撥油層におけるナノ粒子の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましい。
撥水撥油層におけるナノ粒子の含有量を上記数値範囲とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができ、また、撥水撥油層の基材に対する密着性を向上することができる。
本発明において、フッ素含有樹脂とは、分子中にフッ素を含有する樹脂のことを指す。
具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のポリエステル系フッ素含有樹脂、ポリフッ化ビニリデン等のビニル系フッ素含有樹脂、ポリフルオロアルキルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系フッ素含有樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ヘキサフルオロエチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
撥水撥油層におけるフッ素含有樹脂の含有量は、20質量%以上、70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、65質量%以下であることがより好ましい。
フッ素含有樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。また、撥水撥油層の成形性を向上させることができる。また、撥水撥油層の基材に対する密着性を向上することができる。
一実施形態において、撥水撥油層は、加熱することにより軟化し、密着性を発揮する熱可塑性樹脂を含んでなる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、並びにスチレン系樹脂等が挙げられる。
撥水撥油層における熱可塑性樹脂の含有量は、10質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。
撥水撥油層表面の算術平均粗さSaは、2.2μm以上、20μm以下であり、2.3μm以上、6μm以下であることがより好ましく、3.0以上、5.0以下であることがさらに好ましい。
撥水撥油層表面の算術平均粗さSaを上記数値範囲内とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。
撥水撥油層表面の算術平均粗さSaは、該層を構成する材料を変更したり、後記する該層を形成する塗工液を作製する際の攪拌の程度を変更することにより、調整することができる。
なお、本発明において算術平均粗さSaは、JIS B 0601に準拠し、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製、商品名 : 形状解析レーザー顕微鏡コントローラーVK―X150)を用いて測定することができる。
撥水撥油層の厚さは、1g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、1.5g/m以上、8g/m以下であることがより好ましい。撥水撥油層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、本発明の積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。
(その他の層)
本発明の積層体は、基材と、撥水撥油層との間に、その他の層を有していてもよい。その他の層としては、例えば、ヒートシール層、バリア層、印刷層およびアンカー層等が挙げられる。
ヒートシール層は、熱可塑性樹脂を含み、例えば、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、並びにスチレン系樹脂等が挙げられる。
バリア層としては、例えば、金属箔を使用することができ、より具体的には、アルミニウム箔、ステンレス箔およびチタン箔等が挙げられる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔が好ましい。
印刷層は、文字、情報、模様および絵柄等の意匠性を積層体に付与するために設けられる層である。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルーチタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料、アルミニウム、真鍮等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなるパール顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
アンカー層は、基材と、撥水撥油層との密着性を向上させると共に、撥水撥油層に含まれるナノ粒子の滑落を防止するように機能する層である。
アンカー層は、(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、やこれらの樹脂の共重合体(例えば、アクリルポリエステル系樹脂)を含むことができる。
また、硬化剤、シランカップリング剤、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤およびイオン交換剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
(撥油性積層体の製造方法)
本発明の撥油性積層体の製造方法は、
基材を準備する工程と、
ナノ粒子および前記フッ素含有樹脂を含む混合物を攪拌し、撥水撥油層形成用塗工液を得る工程と、
撥水撥油層形成用塗工液を、基材上に塗布し、撥水撥油層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
以下、本発明の方法の各工程について説明する。
(基材を準備する工程)
基材が樹脂フィルムである場合、Tダイ法やインフレーション法等の従来公知の方法により、基材を作製することができる。
また、基材が、2以上の樹脂フィルム等からなる積層体である場合、その積層は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより行うことができる。
なお、市販される基材を使用してもよい。
(撥水撥油層形成用塗工液を得る工程)
ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を、所望により適当な水または溶媒に加え混合物とし、攪拌することにより撥水撥油層形成用塗工液を得ることができる。
混合物の攪拌は、手で行ってもよく、超音波等を発生する装置を用いて行ってもよい。
混合物の攪拌を超音波を発生する装置を用いて行う場合、その発振周波数は、10kHz以上、100kHz以下であることが好ましく、20kHz以上、80kHz以下であることがより好ましい。超音波の周波数を上記数値範囲内とすることにより、本発明の撥水撥油性積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。また、超音波の高周波出力強度は、10W以上、500W以下であることが好ましく、20W以上、300W以下であることがより好ましい。超音波の強度を上記数値範囲内とすることにより、本発明の撥水撥油性積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。また、超音波の照射時間は、10秒以上、200秒以下であることが好ましく、20秒以上、150秒以下であることがより好ましい。超音波の照射時間を上記数値範囲内とすることにより、撥水撥油層形成用塗工液中における、ナノ粒子等の分散が良好となり、本発明の撥水撥油性積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。
(撥水撥油層を形成する工程)
撥水撥油層は、上記した塗工液を、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成することができる。
撥水撥油層形成用塗工液の乾燥後塗工量は、1g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、1.5g/m以上、8g/m以下であることがより好ましい。
乾燥後塗工量を上記数値範囲内とすることにより、本発明の撥水撥油性積層体の撥水性および撥油性を良好なものとすることができる。
また、乾燥時の温度は、80℃以上、200℃以下であることが好ましく、100℃以上、160℃以下であることがより好ましい。
(用途)
本発明の撥水撥油性積層体は、成形容器、包み紙、トレー、チューブ、パウチ等の成形容器の作製に使用することができる。
また、これら容器に充填される内容物についても何ら限定されるものではなく、ソース、ケチャップ等の食品や、シャンプーやリンス等のトイレタリー製品、化粧品等が挙げられる。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
下記の材料を混合し、手で振ってよく攪拌し、撥水撥油層形成用塗工液を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径:12nm、BET比表面積:200m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 50質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
厚さ12μmのユニチカ製PETフィルム(PTJC)の一方の面に、上記撥水撥油層形成用塗工液を、乾燥後塗工量が、2g/mとなるようにミヤバーを用いて塗布し、次いで140℃により1分間乾燥させ、撥水撥油層を形成させ、撥水撥油性積層体を得た。
(実施例2)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径:12nm、BET比表面積:200m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 40質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(実施例3)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。該積層体断面のSEM画像(500倍および2000倍)を図2および図3に示す。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径:12nm、BET比表面積:200m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 30質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(実施例4)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL380、平均一次粒子径:7nm、BET比表面積:380m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 50質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(実施例5)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL380、平均一次粒子径:7nm、BET比表面積:380m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 40質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(実施例6)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL380、平均一次粒子径:7nm、BET比表面積:380m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 30質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(実施例7)
下記の材料を混合し、アズワン株式会社製の超音波装置(US−2R)により、発振周波数40kHz、高周波出力強度80Wの条件にて、60秒攪拌し、撥水撥油層形成用塗工液を得た以外は、実施例2と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL200、平均一次粒子径:12nm、BET比表面積:200m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 40質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(比較例1)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL50、平均一次粒子径:30nm、BET比表面積:50m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 50質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(比較例2)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL50、平均一次粒子径:30nm、BET比表面積:50m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 40質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(比較例3)
撥水撥油層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
<撥水撥油層形成用塗工液>
・親水性ナノ粒子 10質量部
(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROSIL50、平均一次粒子径:30nm、BET比表面積:50m/g、表面官能基:シラノール基)
・フッ素含有樹脂 30質量部
(旭硝子(株)製、商品名:アサヒガードE100、固形分量:20%)
・イソプロピルアルコール 160質量部
(比較例4)
超音波による攪拌時間を300秒に変更した以外は、実施例87と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。
(比較例5)
超音波による攪拌時間を600秒に変更した以外は、実施例7と同様にして、撥水撥油性積層体を得た。該積層体断面のSEM画像(500倍および2000倍)を図4および図5に示す。
<撥水撥油層表面の算術平均粗さSa測定>
JIS B 0601に準拠し、形状解析レーザー顕微鏡(キーエンス株式会社製、商品名 : 形状解析レーザー顕微鏡コントローラーVK―X150)用いて、上記実施例および比較例の積層体が備える撥水撥油層表面の算術平均粗さSaを測定し、表1にまとめた。
<撥油性試験>
水平面に静置した上記実施例および比較例の積層体をが備える撥水撥油層上に、5μLのオリーブオイルを滴下し、該積層体を傾けていき、オリーブオイルが撥水撥油層上を滑落した角度を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<撥水性試験>
上記実施例および比較例の積層体を10°に傾け、撥水撥油層上に、5μLの水滴を滴下し、水滴の挙動を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、積層体の撥水性を評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価結果)
○:水滴が撥水撥油層に弾かれ、該層上を転がった。
×:水滴が撥水撥油層に付着した。
10:撥水撥油性積層体
11:基材
12:撥水撥油層

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上の撥水撥油層とを備え、
    前記撥水撥油層が、ナノ粒子およびフッ素含有樹脂を含んでなり、
    前記撥水撥油層表面の算術平均粗さSaが、2.2μm以上、20μm以下であることを特徴とする、撥水撥油性積層体。
  2. 前記ナノ粒子が、親水性ナノ粒子である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ナノ粒子の平均一次粒子径が、1nm以上、30nm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記ナノ粒子が、シラノール基を有する親水性酸化物粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記撥水撥油層におけるナノ粒子の含有量が、30質量%以上、70質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記撥水撥油層における前記フッ素含有樹脂の含有量が、20質量%以上、70質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
    前記基材を準備する工程と、
    前記ナノ粒子および前記フッ素含有樹脂を含む混合物に対し、発振周波数10kHz以上、100kHz以下、高周波出力強度10W以上、500W以下の超音波を10秒以上、200秒以下照射し、撥水撥油層形成用塗工液を得る工程と、
    前記撥水撥油層形成用塗工液を、前記基材上に塗布し、撥水撥油層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、方法。
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