JP2019165141A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を停止することなくリアルタイムで石英窓の汚染を確認することができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。【解決手段】チャンバー6内に半導体ウェハーが存在していないときに、ハロゲンランプHLが点灯する。ハロゲンランプHLから出射された光は石英の下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を順に透過して分光光度計91によって受光される。分光光度計91は、透過光の分光強度を測定する。判定部31は、測定された透過光の分光強度と汚染が発生していないときの基準強度とを比較することによって下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の汚染の有無を判定する。また、分光光度計92によってハロゲンランプHLの経時劣化を監視する。【選択図】図8

Description

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するフラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。
このようなフラッシュランプアニールは、極短時間の加熱が必要とされる処理、例えば典型的には半導体ウェハーに注入された不純物の活性化に利用される。イオン注入法によって不純物が注入された半導体ウェハーの表面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射すれば、当該半導体ウェハーの表面を極短時間だけ活性化温度にまで昇温することができ、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
特許文献1には、チャンバーの下方に配置されたハロゲンランプによって半導体ウェハーを予備加熱した後、チャンバーの上方に配置されたフラッシュランプから半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプアニール装置が開示されている。特許文献1に開示のフラッシュランプアニール装置においては、半導体ウェハーを収容するチャンバーの上下に石英製のチャンバー窓を設け、フラッシュランプからは上側チャンバー窓を介してフラッシュ光照射を行い、ハロゲンランプからは下側チャンバー窓を介して光照射を行っている。
特開2016−58668号公報
フラッシュランプアニール装置にて処理対象となる半導体ウェハーにはデバイスパターンが形成されるとともに種々の膜が成膜されていることが多い。このような半導体ウェハーをチャンバー内にて加熱すると膜の一部が融解または燃焼によって飛散してチャンバーを汚染することがある。特に、最近の最先端デバイスの製造工程では、膜の低融点化が進んでおり、加熱処理時のチャンバー汚染が顕著な問題となっている。
フラッシュランプアニール装置でチャンバー汚染が生じると、上下の石英窓が汚染されて透過率が低下することとなるため、フラッシュランプおよびハロゲンランプから半導体ウェハーに到達する光の強度が低下する。石英窓の汚染は半導体ウェハーの処理枚数が増えるにつれて蓄積され、ある程度石英窓の汚染が進行すると、加熱処理時に光強度の低下に起因して半導体ウェハーが目標温度に到達せずに処理不良となる。このため、石英窓の汚染が一定程度以上に進行したときには、メンテナンスを行って石英窓を清掃する必要がある。
従来のフラッシュランプアニール装置においては、石英窓の汚染状況を目視確認または処理後のシート抵抗値をモニタすることで管理していた。しかし、目視確認はフラッシュランプアニール装置を停止して行う必要があるため、ダウンタイムが増加するという問題が生じる。また、シート抵抗値のモニタは石英窓の汚染を事後的に確認することとなるため、結果が判明するまでの間に無駄に処理不良となる半導体ウェハーが発生することがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置を停止することなくリアルタイムで石英窓の汚染を確認することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、前記チャンバーに設けられた石英窓と、前記石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する光源と、前記光源から出射されて前記石英窓を透過した光を受光して当該光の強度を測定する光測定部と、前記光源が点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記石英窓の汚染の有無を判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記石英窓が汚染されていないときに前記光源が点灯して前記光測定部が受光した光の強度を基準強度とし、前記判定部は、前記光測定部によって取得された測定強度と前記基準強度との比較から前記石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、前記光測定部は、前記連続点灯ランプから出射されて前記第1石英窓および前記第2石英窓を透過した光を受光して当該光の強度を測定し、前記判定部は、前記連続点灯ランプが点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る熱処理装置において、前記連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記判定部は、前記光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、前記光測定部は、前記保持部に基板が保持されている状態にて前記フラッシュランプから出射されて前記第1石英窓を透過して前記基板で反射された光を受光して当該光の強度を測定し、前記判定部は、前記保持部に基板が保持されている状態で前記フラッシュランプが点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記第1石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、石英窓が設けられたチャンバー内にて保持部に保持された基板に対して光源から前記石英窓を介して光を照射する照射工程と、前記光源から出射されて前記石英窓を透過した光を光測定部が受光して当該光の強度を測定する光強度測定工程と、前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記石英窓の汚染の有無を判定する判定工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る熱処理方法において、前記石英窓が汚染されていないときに前記光源が点灯して前記光測定部が受光した光の強度を基準強度とし、前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度と前記基準強度との比較から前記石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、前記光強度測定工程では、前記連続点灯ランプから出射されて前記第1石英窓および前記第2石英窓を透過した光を前記光測定部が受光して当該光の強度を測定し、前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項9の発明に係る熱処理方法において、前記連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視工程をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項9または請求項10の発明に係る熱処理方法において、前記判定工程では、前記光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項7または請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、前記光強度測定工程では、前記保持部に基板が保持されている状態にて前記フラッシュランプから出射されて前記第1石英窓を透過して前記基板で反射された光を前記光測定部が受光して当該光の強度を測定し、前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記第1石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする。
請求項1から請求項6の発明によれば、光源から出射されて石英窓を透過した光の強度に基づいて石英窓の汚染の有無を判定するため、目視で石英窓の汚染を確認する必要がなくなり、装置を停止することなくリアルタイムで石英窓の汚染を確認することができる。
特に、請求項4の発明によれば、連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視部をさらに備えるため、連続点灯ランプの経時劣化を監視することができる。
特に、請求項5の発明によれば、光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて第1石英窓および第2石英窓の汚染の有無を判定するため、フラッシュランプから照射される光の障害となる汚染をより正確に確認することができる。
請求項7から請求項12の発明によれば、光源から出射されて石英窓を透過した光の強度に基づいて石英窓の汚染の有無を判定するため、視で石英窓の汚染を確認する必要がなくなり、装置を停止することなくリアルタイムで石英窓の汚染を確認することができる。
特に、請求項10の発明によれば、連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視工程をさらに備えるため、連続点灯ランプの経時劣化を監視することができる。
特に、請求項11の発明によれば、光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて第1石英窓および第2石英窓の汚染の有無を判定するため、フラッシュランプから照射される光の障害となる汚染をより正確に確認することができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 サセプタの平面図である。 サセプタの断面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 第1実施形態における石英窓の汚染確認を模式的に示す図である。 分光光度計によって測定された透過光の分光強度の一例を示す図である。 第2実施形態における石英窓の汚染確認を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓(第1石英窓)63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓(第2石英窓)64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。以下、単に石英窓と記載するときには、上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の双方を含む。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
さらに、チャンバー側部61には、貫通孔61aが穿設されている。チャンバー側部61の外壁面の貫通孔61aが設けられている部位には放射温度計20が取り付けられている。貫通孔61aは、後述するサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射された赤外光を放射温度計20に導くための円筒状の孔である。貫通孔61aは、その貫通方向の軸がサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの主面と交わるように、水平方向に対して傾斜して設けられている。貫通孔61aの熱処理空間65に臨む側の端部には、放射温度計20が測定可能な波長領域の赤外光を透過させるフッ化バリウム材料からなる透明窓21が装着されている。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N)等の不活性ガス、または、水素(H)、アンモニア(NH)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガス)。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、処理ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。
サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形の平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。
保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。
保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。
図2に戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。
チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。
また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計20が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計20が開口部78およびチャンバー側部61の貫通孔61aに装着された透明窓21を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して当該半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して保持部7に保持された半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLが配列される領域は半導体ウェハーWの平面サイズよりも大きい。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された円筒形状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して保持部7に保持された半導体ウェハーWに光照射を行ってその半導体ウェハーWを加熱する。
図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。
図1に戻り、フラッシュ加熱部5とチャンバー6の上側チャンバー窓63との間には分光光度計91が設けられている。分光光度計91は、受光した光のスペクトルの各波長について、その強度を測定する装置である。分光光度計91は、少なくとも可視光域(約380nm〜約810nmの波長範囲)の各波長の強度(分光強度)を測定することができる。分光光度計91は、チャンバー6内の熱処理空間65から上側チャンバー窓63を透過した光の分光強度を測定する。
一方、ハロゲン加熱部4の近傍には分光光度計92が設けられている。分光光度計92は、上記の分光光度計91と同じく、少なくとも可視光域の分光強度を測定することができる。分光光度計92は、ハロゲン加熱部4のハロゲンランプHLから出射された光を直接受光して当該光の分光強度を測定する。
制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、制御部3には判定部31が設けられる(図8)。判定部31は、制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって実現される機能処理部である。判定部31の処理内容についてはさらに後述する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における処理動作について説明する。まず、処理対象となる半導体ウェハーWに対する典型的な熱処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する半導体ウェハーWの処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して処理対象となる半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。
搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7のサセプタ74によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が放射温度計20によって測定されている。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を透明窓21を通して放射温度計20が受光して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計20による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計20によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。
フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計20によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計20の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
熱処理装置1にて処理対象となる半導体ウェハーWには種々の膜が成膜されていることが多い。膜が形成された半導体ウェハーWに対してチャンバー6内にて予備加熱およびフラッシュ加熱を行うと、膜の一部が融解または燃焼によって熱処理空間65に飛散して上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64に付着することがある。そうすると、上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64が汚染されることとなる。上側チャンバー窓63が汚染されると、上側チャンバー窓63の透過率が低下し、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWに照射されるフラッシュ光の強度が低下する。また、下側チャンバー窓64が汚染されると、下側チャンバー窓64の透過率が低下し、ハロゲンランプHLから半導体ウェハーWに照射される光の強度が低下する。
このため、本実施形態においては、以下のようにして上側チャンバー窓63および下側チャンバー窓64の汚染状況を確認している。以下に説明する汚染の確認を行うタイミングは適宜のものとされるが、例えば、半導体ウェハーWの処理の合間に行うようにしても良いし、異なるロット処理の合間に行うようにしても良いし、1日に1回定期的に行うようにしても良い。
図8は、第1実施形態における石英窓の汚染確認を模式的に示す図である。まず、チャンバー6内に半導体ウェハーWが存在していないときに、予め定められたランプパワーにてハロゲンランプHLが点灯する。ハロゲンランプHLから出射された光は石英の下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を順に透過してチャンバー6の上側に放射される。そして、上側チャンバー窓63を透過した光の一部は分光光度計91によって受光され、その光の分光強度が測定される。分光光度計91によって測定された透過光の分光強度は制御部3に伝達される。
制御部3の記憶部(例えば、磁気ディスク)には、下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63が汚染されていないときにハロゲンランプHLが点灯して分光光度計91が受光した光の分光強度が基準強度として予め格納されている。このような基準強度の測定は、例えば熱処理装置1のメンテナンス時に下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を清掃した直後に行うのが好ましい。下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を清掃して汚染を除去した直後にハロゲンランプHLが点灯し、ハロゲンランプHLから出射されて下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を透過した光が分光光度計91によって受光され、その光の分光強度が測定される。そして、取得された分光強度が基準強度として制御部3の記憶部に格納される。
制御部3の判定部31は、分光光度計91によって測定された透過光の分光強度と基準強度とを比較することによって下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の汚染の有無を判定する。図9は、分光光度計91によって測定された透過光の分光強度の一例を示す図である。図9に点線で示すのが基準強度であり、一点鎖線で示すのが汚染確認時に分光光度計91によって測定された透過光の分光強度である。下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63が汚染されると、下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の透過率が低下するため、分光光度計91によって測定される透過光の分光強度は汚染の程度に応じて基準強度よりも低くなる。
判定部31は、例えば、可視光域での基準強度の平均値に対する可視光域での測定された分光強度の平均値の比率が所定の閾値以下となった場合には、下側チャンバー窓64および/または上側チャンバー窓63が汚染されていると判定する。判定部31によって下側チャンバー窓64および/または上側チャンバー窓63が汚染されていると判定された場合には、例えば制御部3のタッチパネル等の表示部にメンテナンスが必要である旨が発報される。そのような発報がなされたときには、早急に熱処理装置1のメンテナンスを行って下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63を清掃するのが好ましい。
一方、判定部31は、可視光域での基準強度の平均値に対する可視光域での測定された分光強度の平均値の比率が所定の閾値より大きい場合には、下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63が汚染されていないと判定する(より厳密には、処理に支障が生じる程度には汚染されていないと判定する)。判定部31によって下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63が汚染されていないと判定された場合には、半導体ウェハーWに対する通常の処理を続行する。
第1実施形態においては、例えば半導体ウェハーWの処理の合間にハロゲンランプHLを点灯し、分光光度計91が受光した透過光の強度に基づいて下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の汚染の有無を判定している。従って、熱処理装置1を停止する必要はなく、しかもリアルタイムで下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の汚染を確認することができる。
ところで、上述した技術は石英窓が汚染されていないときの基準強度が常に一定であることを前提としたものであるが、実際にはハロゲンランプHLの経時劣化によって基準強度自体が変動する。すなわち、ハロゲンランプHLの経時劣化によって出射する光の強度が低下し、それによっても分光光度計91が受光する透過光の強度は低下するのである。そうすると、石英窓が汚染されていないにもかかわらず、判定部31が汚染有りと誤判定する可能性が生じる。
そこで、第1実施形態においては、分光光度計92によってハロゲンランプHLから出射された光を直接受光して当該光の分光強度を測定し、ハロゲンランプHLの経時劣化を監視している。図9に実線で示すのが分光光度計92によって測定されたハロゲンランプHLからの直接光の分光強度である。分光光度計92が受光する光は、石英窓を透過したものではなく、ハロゲンランプHLから直接に照射された光である。従って、分光光度計92によって測定された光の強度には石英窓の汚染は全く影響していない。そして、分光光度計92によって測定された強度に基づいて基準強度をキャリブレーションする。具体的には、例えば、基準強度を取得したときに比較して分光光度計92によって測定されたハロゲン光の強度が20%低下していたときには、基準強度も20%低下するように補正する。これにより、ハロゲンランプHLの経時劣化を反映した基準強度となり、その経時劣化の影響を排除して下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の汚染を正確に確認することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置1の構成は第1実施形態と全く同じである。また、第2実施形態の熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、石英窓の汚染確認方法である。
図10は、第2実施形態における石英窓の汚染確認を模式的に示す図である。第2実施形態では、チャンバー6内にて保持部7に半導体ウェハーWが保持されている状態で石英窓の汚染確認を行う。このときに使用する半導体ウェハーWとしては、パターン形成や膜形成のなされていない表面がほぼ鏡面のウェハー(例えば、ベアウェハー)が好ましい。チャンバー6内にて保持部7に半導体ウェハーWが保持されている状態でフラッシュランプFLが発光する。フラッシュランプFLから出射された光は石英の上側チャンバー窓63を透過してから半導体ウェハーWの表面で反射され、再び上側チャンバー窓63を透過してチャンバー6の上側に放射される。そして、上側チャンバー窓63を透過した光の一部は分光光度計91によって受光され、その光の分光強度が測定される。分光光度計91によって測定された透過光の分光強度は制御部3に伝達される。その後、第1実施形態と同様に、制御部3の判定部31は、分光光度計91によって測定された透過光の分光強度と基準強度とを比較することによって上側チャンバー窓63の汚染の有無を判定する。
第1実施形態では下側チャンバー窓64および上側チャンバー窓63の双方の汚染を確認していたのに対して、第2実施形態では上側チャンバー窓63のみの汚染を確認している。熱処理装置1においては、以下の理由により、下側チャンバー窓64よりも上側チャンバー窓63の汚染の有無を確認する技術的意義の方が大きい。下側チャンバー窓64が汚染されると、下側チャンバー窓64の透過率が低下し、ハロゲンランプHLから半導体ウェハーWに照射される光の強度が低下する。ところが、ハロゲンランプHLによって半導体ウェハーWの予備加熱を行うときには、上述したように、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるように制御部3がハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御している。従って、下側チャンバー窓64が多少汚染されていたとしても、制御部3がハロゲンランプHLの出力を増加させることによって半導体ウェハーWを所定の予備加熱温度T1に加熱することができるのである。これに対して、発光時間の極めて短いフラッシュランプFLの照射をフィードバック制御することは困難であるため、上側チャンバー窓63が汚染されると、フラッシュ光照射時の半導体ウェハーWの表面における照度および当該表面の到達温度に大きな影響を与え、ひいてはデバイス性能のバラツキに直結する。このため、上側チャンバー窓63の汚染の有無を確認する技術的意義は大きい。
第2実施形態においては、上側チャンバー窓63のみを透過した光を分光光度計91によって受光し、その強度を測定している。すなわち、分光光度計91によって測定された透過光の分光強度には下側チャンバー窓64の汚染は全く影響していない。従って、第2実施形態のようにすれば、下側チャンバー窓64から分離して上側チャンバー窓63の汚染を正確に確認することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、分光光度計91,92によって光の分光強度を測定していたが、これに限定されるものではなく、単に光の強度を測定するようにしても良い。もっとも、フラッシュランプFLから出射されるフラッシュ光の分光分布は可視光域で強く、上記実施形態のように可視光域での分光強度に基づいて石英窓の汚染の有無を判定すれば、フラッシュ光に障害となる汚染をより正確に確認することができる。
また、第1実施形態においては、分光強度の平均値でもって基準強度と測定した分光強度との比較を行っていたが、これに限定されるものではなく、例えば分光強度のピーク値または積分値等でもって基準強度と測定した分光強度との比較を行うようにしても良い。
また、第1実施形態において、ハロゲンランプHLから出射された光を直接受光する分光光度計92は必ずしも必須の要素ではない。少なくとも、透過光の分光強度を測定する分光光度計91が設けられていれば、石英窓の汚染を確認することはできる。もっとも、ハロゲンランプHLの経時劣化を監視する分光光度計92を設けておいた方がより正確に石英窓の汚染を確認することができる。
また、第2実施形態において、フラッシュランプFLに代えてチャンバー6内の保持部7よりも上側に専用の測定用光源を設けるようにしても良い。チャンバー6内にて保持部7に半導体ウェハーWが保持されている状態で当該測定用光源が点灯し、上側チャンバー窓63を透過した光を分光光度計91によって受光する。このようにしても、第2実施形態と同様に、上側チャンバー窓63のみを透過した光を分光光度計91によって受光し、その強度を測定しているため、下側チャンバー窓64から分離して上側チャンバー窓63の汚染を正確に確認することができる。
また、判定部31が少なくとも上側チャンバー窓63が汚染されていると判定した場合には、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光の強度を高めるようにしても良い。具体的には、制御部3の制御によってフラッシュランプFLに電力を供給するコンデンサーへの蓄電電圧を高くする。より好ましくは、基準強度に対する測定された分光強度の比率とコンデンサーへの蓄電電圧との相関テーブルを制御部3の記憶部に格納し、その相関テーブルに基づいてコンデンサーへの蓄電電圧を設定する。このようにすれば、汚染により上側チャンバー窓63の透過率が低下していても、その低下分を相殺するようにフラッシュ光の強度が高くなるため、半導体ウェハーWの表面に照射されるフラッシュ光の照度は一定に維持することができる。
また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記実施形態においては、1秒以上連続して発光する連続点灯ランプとしてフィラメント方式のハロゲンランプHLを用いて半導体ウェハーWの予備加熱を行っていたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンランプHLに代えて放電型のアークランプ(例えば、キセノンアークランプ)を連続点灯ランプとして用いて予備加熱を行うようにしても良い。この場合、アークランプを点灯して石英窓の汚染の有無を判定する。
また、熱処理装置1によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、熱処理装置1による加熱処理は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
1 熱処理装置
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
31 判定部
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65 熱処理空間
74 サセプタ
91,92 分光光度計
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

Claims (12)

  1. 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持部と、
    前記チャンバーに設けられた石英窓と、
    前記石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する光源と、
    前記光源から出射されて前記石英窓を透過した光を受光して当該光の強度を測定する光測定部と、
    前記光源が点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記石英窓の汚染の有無を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記石英窓が汚染されていないときに前記光源が点灯して前記光測定部が受光した光の強度を基準強度とし、
    前記判定部は、前記光測定部によって取得された測定強度と前記基準強度との比較から前記石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
    前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、
    前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、
    前記光測定部は、前記連続点灯ランプから出射されて前記第1石英窓および前記第2石英窓を透過した光を受光して当該光の強度を測定し、
    前記判定部は、前記連続点灯ランプが点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項3記載の熱処理装置において、
    前記連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項3または請求項4記載の熱処理装置において、
    前記判定部は、前記光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項1または請求項2記載の熱処理装置において、
    前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、
    前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、
    前記光測定部は、前記保持部に基板が保持されている状態にて前記フラッシュランプから出射されて前記第1石英窓を透過して前記基板で反射された光を受光して当該光の強度を測定し、
    前記判定部は、前記保持部に基板が保持されている状態で前記フラッシュランプが点灯したときに前記光測定部が受光した光の強度に基づいて前記第1石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理装置。
  7. 基板に光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    石英窓が設けられたチャンバー内にて保持部に保持された基板に対して光源から前記石英窓を介して光を照射する照射工程と、
    前記光源から出射されて前記石英窓を透過した光を光測定部が受光して当該光の強度を測定する光強度測定工程と、
    前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記石英窓の汚染の有無を判定する判定工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  8. 請求項7記載の熱処理方法において、
    前記石英窓が汚染されていないときに前記光源が点灯して前記光測定部が受光した光の強度を基準強度とし、
    前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度と前記基準強度との比較から前記石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理方法。
  9. 請求項7または請求項8記載の熱処理方法において、
    前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、
    前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、
    前記光強度測定工程では、前記連続点灯ランプから出射されて前記第1石英窓および前記第2石英窓を透過した光を前記光測定部が受光して当該光の強度を測定し、
    前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項9記載の熱処理方法において、
    前記連続点灯ランプから出射された光を直接受光して当該光の強度を測定する光源監視工程をさらに備えることを特徴とする熱処理方法。
  11. 請求項9または請求項10記載の熱処理方法において、
    前記判定工程では、前記光測定部が受光した光の可視光域の分光強度に基づいて前記第1石英窓および前記第2石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理方法。
  12. 請求項7または請求項8記載の熱処理方法において、
    前記石英窓は、前記チャンバーの一方側に設けられた第1石英窓と他方側に設けられた第2石英窓とを含み、
    前記光源は、前記第1石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射するフラッシュランプと、前記第2石英窓を介して前記保持部に保持された基板に光を照射する連続点灯ランプとを含み、
    前記光強度測定工程では、前記保持部に基板が保持されている状態にて前記フラッシュランプから出射されて前記第1石英窓を透過して前記基板で反射された光を前記光測定部が受光して当該光の強度を測定し、
    前記判定工程では、前記光強度測定工程にて測定された光の強度に基づいて前記第1石英窓の汚染の有無を判定することを特徴とする熱処理方法。
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