JP2019161104A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

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輝幸 石原
俊輔 酒井
Shunsuke Sakai
俊輔 酒井
正志 粟津
Masashi Awazu
正志 粟津
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Abstract

【課題】狭ピッチ部品の実装に適した、接続信頼性の高いキャビティ付き配線板の提供。【解決手段】実施形態の配線板は、第1面10Fと第2面10Sとを備えるビルドアップ層10と、第2面10S側に接合されている補強層5と、第2面10Sに形成されている部品実装パッドを含み、第2面10Sを構成する絶縁層内に埋め込まれて一面を第2面10S側に露出している第1導体層11と、第2面10S側の最表層の絶縁層21を覆うと共に部品実装パッドの一面を露出する第1の開口41aを含む被覆層41と、補強層5上の第4導体層14と、補強層5を貫通し、部品実装パッドおよび被覆層41を露出させるキャビティ7と、補強層5に形成され、第1導体層11と第4導体層14とを接続しているビア導体6と、を備え、複数の部品実装パッドが、被覆層41の第1の開口41a内において第1の開口41aの縁部と離間して形成される複数のパッドを含む。【選択図】図1

Description

本発明はプリント配線板およびその製造方法に関する。
特許文献1には、第1回路基板と第2回路基板とが積層されたプリント配線板が開示されている。第1回路基板には、第1回路基板を貫通し、第2回路基板の電子部品実装エリアを露出させる開口(キャビティ)が形成されている。キャビティの底面には、電子部品への接続用のパッドを構成する実装用ビア導体のボトムが底面よりも凹んで露出している。
特開2016−86024号公報
特許文献1のプリント配線板のように、電子部品への接続用のパッドがキャビティの底面より凹んでいるだけでは、ショート不良発生が十分に抑制されないおそれがあると推察される。
本発明のプリント配線板は、第1面および前記第1面と反対側の第2面を備え、1または2以上の絶縁層および前記絶縁層を挟んで両面に積層される2以上の導体層によって構成されるビルドアップ層と、前記ビルドアップ層の前記第2面側に接合されている補強層と、前記ビルドアップ層の前記第2面に形成されている複数の部品実装パッドを含み、前記ビルドアップ層の前記第2面を構成する絶縁層内に埋め込まれて一面を前記第2面側に露出している第1導体層と、前記ビルドアップ層の前記第2面側の最表層の絶縁層を覆うと共に前記部品実装パッドの一面を露出する第1の開口を含む被覆層と、前記補強層上に形成されている第4導体層と、前記補強層を貫通し、前記部品実装パッドおよび前記被覆層を露出させるキャビティと、前記補強層に形成され、前記第1導体層と前記第4導体層とを電気的に接続しているビア導体と、を備える。そして、前記複数の部品実装パッドが、前記被覆層の前記第1の開口内において前記第1の開口の縁部と離間して形成されている複数のパッドを含んでいる。
本発明のプリント配線板の製造方法はキャビティを備えるプリント配線板の製造方法であって、前記製造方法は、補強層と、一面に被覆層が設けられていて、1または2以上の絶縁層および前記絶縁層を挟んで両面に積層される2以上の導体層を含むビルドアップ層と、前記補強層の一部と前記ビルドアップ層との剥離を容易にする剥離膜と、を少なくとも含む積層体を用意することと、前記剥離膜の全周に前記剥離膜の周縁に沿って前記補強層を貫通する溝を前記補強層の前記ビルトアップ層と反対側の表面から形成することと、前記補強層における前記溝に囲まれている部分を前記剥離膜と共に除去することによってキャビティを形成することと、を含んでいる。そして、前記積層体を用意することは、前記ビルドアップ層における前記補強層と対向する側の最表層の第1導体層に複数のパッドを形成することと、前記被覆層に第1の開口を形成することによって前記複数のパッドを一括して前記第1の開口から露出させることを含んでいる。
本発明の実施形態によれば、被覆層によってキャビティ内でのはんだなどの過剰な濡れ広がりが抑制され、しかも狭ピッチで並ぶ端子を有する電子部品の実装にも適した、接続信頼性の高いプリント配線板を提供することができる。
本発明の一実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図。 図1のプリント配線板の平面図。 本発明の他の実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図。 図3のプリント配線板の平面図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。 本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法の一例を示す図。
つぎに、本発明の一実施形態のプリント配線板が図面を参照しながら説明される。図1には、一実施形態のプリント配線板の一例であるプリント配線板1(以下、プリント配線板は、単に「配線板」とも称される)の断面図が示され、図2にはプリント配線板1の平面図が示されている(図1は図2のI−I線での断面図である)。図1および図2に示されるように、プリント配線板1は、第1面10Fおよび第1面10Fと反対側の第2面10Sを備えるビルドアップ層10と、ビルドアップ層10の第2面10Sに形成されている被覆層41と、を備えている。ビルドアップ層10の第1面10Fは、ビルドアップ層10の積層方向の一方側に露出する絶縁層(図1の例では第2絶縁層22)および導体層(図1の例では第3導体層13)の面からなる。また、ビルドアップ層10の第2面10Sは、積層体10の積層方向の他方側に露出する絶縁層(図1の例では第1絶縁層21)および導体層(図1の例では第1導体層11)の面からなる。プリント配線板1は、さらに、ビルドアップ層10の第2面10S側に接合されている補強層5と、補強層5上に形成されている第4導体層14と、補強層5および被覆層41を貫通するビア導体6と、を備えている。
第1導体層11は複数の部品実装パッドを含んでいる。複数の部品実装パッドは、NSMD(Non Solder Mask Defined)タイプのパッド110aを含んでいる。図2に示されるように、NSMDパッド110aでは、NSMDパッド110aの一面110s全体が被覆層41の第1の開口41aから露出している。そして、プリント配線板1は、補強層5を貫通し、NSMDパッド110aの一面110sを露出させるキャビティ7を備えている。キャビティ7は、その底面にNSMDパッド110aの一面110sを露出させている。キャビティ7が形成される領域の第1絶縁層21上の、NSMDパッド110aが形成される領域以外には、被覆層41が形成されている。キャビティ7には、プリント配線板1に実装される、半導体装置などの外部の電子部品(図示せず)が収容される。NSMDパッド110aには、このような外部の電子部品の端子が、はんだなどの接合材を介して、または直接、接続される。
ビルドアップ層10は、1または2以上の絶縁層(図1の例では、第1絶縁層21、第2絶縁層22)、および、これらの絶縁層それぞれを挟んで積層される2以上の導体層(図1の例では、第1導体層11、第2導体層12、第3導体層13)によって構成されている。ビルドアップ層10は、三層より多い導体層を含んでいてもよい。ビルドアップ層10がより多くの導体層を含むことにより、プリント配線板1の平面サイズを大きくすることなく、より規模が大きく複雑な電気回路をプリント配線板1内に形成することが可能となる。第1導体層11は、第1絶縁層21内に埋め込まれて一面をビルドアップ層10の第2面10S側、すなわち被覆層41側に露出している。本実施形態では、第1導体層11における被覆層41側を向く面が、第1絶縁層21における被覆層41側を向く面よりも凹んでいる。したがって、キャビティ7の内部では、キャビティ7に露出するNSMDパッド110aの一面110sが、第1絶縁層21の一面21sよりも凹んでいる。さらに、本実施形態では、第1絶縁層21上の、NSMDパッド110aが形成されている領域以外には、被覆層41が形成されている。このため、NSMDパッド110a上に供されるはんだなどの接合材等によるショート不良の抑制効果が高いと考えられる。例えば、NSMDパッド110aの一面110sは、第1絶縁層21の一面21sから、1μm以上、6μm以下の深さで凹んでいる。NSMDパッド110a上に供されるはんだなどの接合材の濡れ広がりが効果的に抑制され得る。また、後述されるように、この凹みがエッチングで形成される際に過剰に長い時間を要しないと考えられる。
図2に示されるように、図1の例では、NSMDパッド110aはキャビティ7の底面において、キャビティ7の中央部の外周側にペリフェラル状に配列されている。すなわち、本実施形態では、上述のキャビティ7内に収容される外部の電子部品は、その外周でNSMDパッド110aと電子部品の端子とが接続されることによって、電気的に接続される。
ビルドアップ層10の第3導体層13は下側接続パッド13aを含んでいる。下側接続パッド13aは、例えば、プリント配線板1が用いられる電子機器のマザーボードや、積層構造を有する半導体装置のパッケージ基板などとの接続に用いられ得る。また、第4導体層14は、ビルドアップ層10の第2面10S側に配置される電子部品や外部の配線板(図示せず)との接続に用いられ得る上側接続パッド14aを含んでいる。上側接続パッド14aに接続されるこれらの配線板や電子部品は、例えば、キャビティ7を跨ぐように、第4導体層14上に配置され得る。
図1の例では、プリント配線板1は、さらに、第3導体層13および第2絶縁層22の表面上に形成されたソルダーレジスト層42と、第4導体層14および補強層5の表面上に形成されたソルダーレジスト層43とを備えている。ソルダーレジスト層42、43は、例えば、感光性のポリイミド樹脂やエポキシ樹脂を用いて形成されている。ソルダーレジスト層42は、下側接続パッド13aを露出させる開口42aを備え、ソルダーレジスト層43は、上側接続パッド14aを露出させる開口43aを有している。
各NSMDパッド110aは、配線300によって、キャビティ7の外側の接続パッドやビア導体などに電気的に接続されている。キャビティ7の底面は、第1の開口41aによって露出されているNSMDパッド110aの一面110s、配線300の一面300sおよび第1絶縁層21の一面21sと、被覆層41のキャビティ7への露出面41sと、を含んでいる。
被覆層41は、第1絶縁層21および第1導体層11上に形成され、NSMDパッド110aの一面110sの全体をその内部に露出する第1の開口41aを有している。すなわち、NSMDパッド110aは、第1の開口41a内において第1の開口の縁部と離間して形成されている。好ましくは、第1の開口41aは、その内部に複数のNSMDパッド110aを露出している。すなわち、第1の開口41aは、隣接するNSMDパッド110aが複数個連続して露出する所謂一括開口として形成されている。被覆層41に各部品実装パッドごとに露出する個別開口を形成する場合と比較して、部品実装パッドを高密度に形成することができる。
図1の例では、被覆層41の第1の開口41aは、枠状の形状の一括開口の構造で形成されており、その内部に、NSMDパッド110aが露出している。本実施形態では、NSMDパッド110aは、NSMDパッド110aが隣接する方向のNSMDパッド110aの幅が、NSMDパッド110aが隣接する方向と直角方向のNSMDパッド110aの幅よりも小さい矩形形状で形成されている。換言すると、NSMDパッド110aは、第1の開口41aの枠状の形状の内外を結ぶ方向に長手を有する矩形状である。上述の外部の電子部品等において接続端子のファインピッチ化により接続端子のピッチが狭くなった場合であっても、そのピッチに応じてNSMDパッド110a間の間隔を狭く形成することができる。例えば、各NSMDパッド110aは、その短手方向の幅は、20〜40μm程度、その間隔は、4〜20μm程度と、非常に細くて狭く、密集して、第1の開口41a内に形成される。キャビティ7底への高密度実装が可能となる。前述のように、NSMDパッド110aの一面110sは、第1絶縁層21の一面21sよりもキャビティ7側と反対側に凹んでいる。配線のファイン化により隣接するNSMDパッド110a間が狭くても、ショート不良を防ぐことができる。高密度に配列されたNSMDパッド110a上に、良好な品質で電子部品などが接続されると考えられる。NSMDパッド110aの形状は、上述の矩形形状に限定されない。また、NSMDパッド110aの配列も、図2に示される例に限定されない。例えば、NSMDパッド110aは、NSMDパッド110aが隣接する方向と交差する方向に、交互に千鳥状にずれた間隔だけ離れて形成されていてもよい。
被覆層41は、キャビティ7の底面を構成する第1導体層11および第1絶縁層21の表面に形成されており、枠状の形状の一括開口である第1の開口41aを含んでいる。さらに、被覆層41は、ビルドアップ層10の第2面10S側の表面である第1導体層11および第1絶縁層21と補強層5との界面の全体にも形成されている。したがって、本実施形態では、補強層5は、被覆層41を介してビルドアップ層10の第2面10S側に接合されている。プリント配線板1の製造方法は後述されるが、被覆層41は、第2面10S側の第1導体層11および第1絶縁層21の表面の全面を覆うように第1導体層11および第1絶縁層21上に形成される。その後、キャビティ7の形成領域内の所望の位置に第1の開口41aが設けられる。すなわち、被覆層41は、キャビティ7の形成領域の外側において、ビルドアップ層10の第2面10Sの全面を覆っている。そして、ビア導体6は、キャビティ7の形成領域の外側のこの被覆層41を貫通して第1導体層11に接続されるように形成される。したがって、図1に示されるように、ビア導体6の第1導体層11に接続されている端部の周壁は、被覆層41に覆われている。
被覆層41は、任意の絶縁性樹脂を用いて形成され得る。被覆層41の材料は、ビルドアップ層10内の各絶縁層と同じ材料であってもよい。例えば、被覆層41は、ビルドアップ層10の第1導体層11および第1絶縁層21の表面上への感光性のポリイミド樹脂やエポキシ樹脂層の形成によって形成され得る。ソルダーレジスト層42、43の材料と同じ組成の絶縁性樹脂などが、被覆層41の材料として選択されてもよい。すなわち、被覆層41はソルダーレジスト層であってもよい。そして、複数のNSMDパッド110aの一面110sの全体を露出させる第1の開口41aがフォトリソグラフィ技術を用いて一括で形成される。
図1および図2の例では、キャビティ7は、プリント配線板1の中央部に設けられ、四角形の開口形状を有している。本実施形態では、キャビティ7は、補強層5に対して略垂直な壁面を有している。しかし、キャビティ7の壁面は、例えば、キャビティ7の底面に向ってキャビティ7の開口形状が小さくなるようなテーパー面であってもよい。キャビティ7の壁面がこのようなテーパー面である場合、キャビティ7の開口面積は、底面側よりも開口部側(第4絶縁層14側)において大きくなる。従って、キャビティ7への外部の電子部品(図示せず)の配置作業が容易となることがある。このようなテーパーを有するキャビティ7の壁面は、後述のように、キャビティ7の形成時に用いるレーザー光を適宜調整することによって形成され得る。
図2に示されるように、キャビティ7内には、キャビティ7の中央部の外周側にペリフェラル状に配列された複数のNSMDパッド110aが露出している。上側接続パッド14aは、キャビティ7の周囲全周において二列にわたって配置されている。下側接続パッド13a(図1参照)は、図2に示されているプリント配線板1の上面と反対側の下面に、例えばマトリクス状の配列や、上側接続パッド14aと同様の周回状の配列で配置され得る。
図示されていないが、部品実装パッド(NSMDパッド110a)、ならびに、上側および下側の接続パッド14a、13aの露出面には、保護膜が形成されていてもよい。このような保護膜は、例えば、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどの複数または単一の金属めっき膜であってよく、また、OSP膜であってもよい。なお、キャビティ7の開口形状やプリント配線板1内での形成位置、NSMDパッド110aや上側および下側の各接続パッド14a、13aの数や配列パターン、ならびに、被覆層41の第1の開口41aの開口形状やキャビティ7内での形成位置は、図1および図2に示される例に限定されない。
補強層5は、任意の絶縁性樹脂を用いて形成されている。図1の例では、補強層5は、絶縁層51および絶縁層52の二層が接合されて構成されている。しかし、補強層5の構成は、図1の二層構造に限定されるわけではない。図1の例において、絶縁層51、52は共に、好ましくは、絶縁性樹脂を含浸された芯材51c、52cを含む。プリント配線板1の機械的強度が向上し得る。補強層5に用いられる樹脂としては、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材、および、芯材に含浸されたエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂などが例示される。例えば補強層5は、ガラス繊維などの芯材にエポキシ樹脂などの樹脂材料を含浸してなるプリプレグの硬化物で形成され得る。補強層5が複数の層で構成される場合、好ましくは、各層(図1の例では絶縁層51、52)は、同じ材料で形成される。各層が強固に密着し得る。したがって、補強層5内での層間剥離の発生や、補強層5を構成する各絶縁層がキャビティ7の壁面に露出される際の各層の界面でのクラックの発生などが生じ難いと考えられる。また、補強層5を構成する各絶縁層(絶縁層51、52)、および、前述の被覆層41は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。
ビルドアップ層10内の各絶縁層(図1の例では第1および第2の絶縁層21、22)も、エポキシ樹脂などの任意の絶縁性樹脂を用いて形成され得る。また、各絶縁層は、シリカなどの無機フィラーを含んでいてもよい。ただし、キャビティ7の製造時やプリント配線板1の使用時に被覆層41と第1絶縁層21との層間での剥離が起こるおそれがないように、第1絶縁層21の材料としては、被覆層41と強固に密着するような材料が好ましい。また、ビルドアップ層10内の各絶縁層が同一の材料を用いて形成されると、各絶縁層間の剥離が防止される場合がある。例えば、各絶縁層は、シリカフィラーを含むエポキシ樹脂を用いて形成され得る。
必要に応じて、ビルドアップ層10を構成する各絶縁層は、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材を含んでいてもよい。絶縁層が芯材を含むことによって、プリント配線板1の機械的強度がさらに向上する場合がある。例えば、ビルドアップ層10の第2面10S側(キャビティ7側)の最表層の絶縁層である第1絶縁層21が、芯材を含んでいてもよい。第2面10S側の最表層の絶縁層が芯材を含んでいると、キャビティ7の底面のコーナー部に応力が集中することがあっても、クラックなどが生じ難いと考えられる。
第1〜第4の導体層11〜14は、銅やニッケルなどの、適切な導電性を備えている任意の材料を用いて形成され得る。図1では、第1〜第4の導体層11〜14は、それぞれ一層で表されているが、第1〜第4の導体層11〜14は、それぞれ、銅箔、電解銅めっき膜、もしくは無電解銅めっき膜、またはそれらの組み合わせによって形成され得る。例えば、第1導体層11は、一層だけで構成されている。好ましくは、第1導体層11は電解銅めっき膜によって形成されている。第2および第3の導体層12、13は、無電解銅めっき膜層および電解銅めっき膜層によって形成されている二層構造を有している。第4導体層14は、銅箔層、無電解銅めっき膜層、電解銅めっき膜層によって形成されている三層構造を有している。しかし、各導体層の構成は、この例に限定されるわけではない。例えばビルドアップ層10を構成する各絶縁層の構成に応じて、それぞれの導体層が形成され得る。例えば、上述の例のようにビルドアップ層10の第2面10S側の最表層の絶縁層である第1絶縁層21が芯材を含む場合、第2導体層12は三層構造で形成され得る。各導体層は、適宜、単層構造または多層構造で形成され得る。
プリント配線板1は、補強層5および第4導体層14の上に、さらに、絶縁層および絶縁層の上に形成されている導体層を含んでいてもよい。より複雑な電気回路がプリント配線板1の中に形成され得ると共に、補強層5におけるビルドアップ層10側とその反対側との間の導体層および絶縁層の層数の違いが少なくされ、プリント配線板1の反りが抑制される場合がある。
ビア導体6は、前述のように、補強層5および被覆層41を貫通している。ビア導体6は、第4導体層14と第1導体層11とを相互に電気的に接続している。本実施形態では、図1に示されるように、第4導体層14が形成されている補強層5が被覆層41を介してビルドアップ層10に接合されているだけでなく、ビア導体6を介しても接続されている。そのため、各層間での剥離がいっそう抑制されると考えられる。
ビア導体6は、第1導体層11に向って縮径するテーパー形状を有している。そのため、ビア導体6を接続するために第1導体層11に設けられるパッド(ビア導体接続用パッド111)は小さくてよい。すなわち、ビア導体6が第1導体層11との接続面においてこのような小さな径を有しているので、ビア導体6が接続される第1導体層11においてビア導体6との接続用のスペースを過剰に要することがない。さらに、本実施形態では、後述されるように、第1導体層11は、ファインピッチパターンの形成に有利な、アディティブ法で形成され得る。従って、ビア導体6は、ファインピッチパターンで形成される第1導体層11を他の導体層に接続する層間接続体として好ましいことがある。なお、便宜上、「縮径」という文言が用いられているが、ビア導体6および後述の他の各ビア導体の開口形状は、必ずしも円形に限定されない。「縮径」は、単に、ビア導体6または後述される他の各ビア導体の水平断面における外周上の最長の2点間の距離が小さくなることを意味している。
ビルドアップ層10内の第1絶縁層21および第2絶縁層22には、それぞれ、第1導体層11と第2導体層12とを接続するビア導体31、第3導体層13と第2導体層12とを接続するビア導体32が形成されている。そして、各ビア導体は、第1導体層11に向って縮径するテーパー形状を有している。
図1では、各ビア導体は、それぞれ一層で表されているが、ビア導体6、31、32は、好ましくは、無電解銅めっき膜と電解銅めっき膜とで形成される。例えば、ビア導体6、31、32は、それぞれ、第4導体層14を構成する無電解銅めっき膜層および電解銅めっき膜層、第2導体層12を構成している無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜、第3導体層13を構成している無電解銅めっき膜および電解銅めっき膜と一体的に形成され得る。
複数の部品実装パッドは、NSMDパッド110aに加え、さらに、SMD(Solder Mask Defined)タイプのパッド210aを含んでいてもよい。このような例であるプリント配線板1aの断面図および上面図がそれぞれ、図3および図4に示されている(図4のIII−III線での断面図が図3である)。プリント配線板1aは、部品実装パッドを除いて、図1に示されているプリント配線板1の例と同じである。この例では、図4に示されるように、キャビティ7の底面においてキャビティ7の中央部の外周側にペリフェラル状に配列されている複数のNSMDパッド110aの内周側に、SMDパッド210aが3行3列のマトリクス状に配列されている。被覆層41は、枠状の第1の開口41aの内周側に、第2の開口241aを含んでいる。SMDパッド210aは、被覆層41の第2の開口241aに外縁を定められてSMDパッド210aの一面210sを第2の開口241a内に露出している。SMDパッド210aの一面210sは、NSMDパッド110aの一面110sと同様に、キャビティ7の底面に露出すると共に第1絶縁層21の一面21sよりも凹んでいる。
プリント配線板1aのSMDパッド210aは、例えば、上述の外部の電子部品の電源端子やグランド端子等の電極パッドと電気的に接続され得る。第2の開口241aは、部品実装パッドをパッドごとに露出する個別開口の構造で形成されている。SMDパッド210a間に被覆層41が形成されているため、近接するSMDパッド210a同士の間のショート不良が高い確率で防止されると考えられる。
本実施形態では、SMDパッド210aは、マトリクス状に整列配置されているが、SMDパッド210aの数や配列パターンは、図3および図4に示される例に限定されない。SMDパッド210aの配置は、マトリクス状でなくともよい。なお、図3では、図1に示される主要な構成要素と同一の構成要素には図1と同じ符号が付されるか省略されており、またその更なる説明も省略されている。
つぎに、図1に示されるプリント配線板1を例に、一実施形態の、キャビティを備えるプリント配線板の製造方法が図5A〜5Lを参照して以下に説明される。
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、導体層と絶縁層との積層体2(図5J参照)を用意することを含んでいる。また、本実施形態のプリント配線板の製造方法は、積層体2に含まれる剥離膜8の全周に剥離膜8の周縁に沿って補強層5を貫通する溝71を形成することと(図5K参照)、溝71に囲まれている補強層5部分を剥離膜8と共に除去することによってキャビティ7(図5L参照)を形成することと、を含んでいる。まず、積層体2の形成方法が説明される。
まず、図5Aおよび図5Bに示されるように、ベース板90上に複数のNSMDパッド110aを含む第1導体層11が形成される。図5Aに示されるように、コア材93およびその表面に金属箔91を有するベース板90が用意される。金属箔91は一面に接着されたキャリア金属箔92を備えており、キャリア金属箔92とコア材90とが熱圧着などにより接合されている。金属箔91とキャリア金属箔92とは、例えば、熱可塑性接着剤などの分離可能な接着剤で接着されるか、縁部だけで固着されている。コア材93には、例えばガラスエポキシ基板が用いられる。両面銅張積層板が、キャリア金属箔92を備えたコア材90として用いられてもよい。金属箔91およびキャリア金属箔92は好ましくは銅箔である。なお、図5A〜5Lにおいて各構成要素の厚さの正確な比率を示すことは意図されていない。
図5Bに示されるように、ベース板90上に第1導体層11が形成される。例えば、図示されないめっきレジストが金属箔91上に形成される。めっきレジストには、第1導体層11が有するべきNSMDパッド110aや配線300などの導体パターンに応じた開口が設けられる。そして、めっきレジストの開口部に、金属箔91をシード層とする電解めっきにより電解銅めっき膜が形成され、その後、めっきレジストが除去される。それにより、NSMDパッド110aなどの所望の導体パターンを含む第1導体層11が形成される。セミ・アディティブ法を用いるので、ファインピッチでNSMDパッド110aなどの導体パターンを形成することができる。第1導体層11は、無電解めっきなどの他の方法で形成されてもよい。なお、図5B〜5Dと異なり、ベース板90の片方の面だけが、第1導体層11などの形成に用いられてもよい。図5Cおよび図5Dでは、各図面上、ベース板90の上側の構成要素についての符号は適宜省略される。
前述の図3に示されるプリント配線板1aが製造される場合、第1導体層11は、複数のNSMDパッド110aに加え、SMDパッド210aを含む導体パターンを含むように形成される。
図5C〜5Eに示されるように、ベース板90上および第1導体層11上に絶縁層および導体層が積層され、それにより第1導体層11を覆う絶縁層(第1絶縁層21)を含むビルドアップ層10が形成される。その後、ベース板90が除去される。一般的なビルドアップ配線板の製造方法が用いられ得る。図5Cに示されるように、第1絶縁層21が、例えば、第1導体層11および金属箔91の露出部分上へのフィルム状のエポキシ樹脂などの熱圧着によって形成される。つぎのステップで形成される第2導体層12の一部を構成する金属箔が第1絶縁層21上に積層されてもよい。第1絶縁層21は、NSMDパッド110aを含む第1導体層11を、金属箔91側の一面を除いて被覆するように形成される。その後、ビア導体31の形成場所に対応する位置の第1絶縁層21に、例えばCO2レーザー光の照射によって導通用孔31aが形成される。そして、導通用孔31a内および第1絶縁層21(またはその上に積層された金属箔)の表面上に、無電解銅めっきなどによって金属膜が形成される。さらに、この金属膜をシード層として用いて、パターンめっき法を用いて銅などからなる電解めっき膜が形成される。その後、パターンめっきに用いられたレジストが除去され、その除去により露出する金属膜(および金属箔)が除去される。その結果、所望の導体パターンを含む第2導体層12が形成される。また、導通用孔31a内にビア導体31が形成される。
図5Dに示されるように、第1絶縁層21、第2導体層12およびビア導体31の形成方法と同様の方法で、第2絶縁層22、第3導体層13およびビア導体32が形成される。その結果、ビルドアップ層10が、ベース板90上に形成される。次いで、ソルダーレジスト層42が、第3導体層13および第2絶縁層22の表面上への感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂層の形成によって形成される。そして、フォトリソグラフィ技術により、下側の接続パッド13aを露出させる開口42aがそれぞれ形成される。
その後、ベース板90が除去される。具体的には、キャリア金属箔92と金属箔91とが分離され、それにより露出する金属箔91が、例えばエッチングによって除去される。金属箔91とキャリア金属箔92との分離は、例えば、両者を接着している熱可塑性接着剤を加熱により軟化させることや、両者を縁部において固着している接合部の切除によって行われ得る。ベース板90の除去によって、第1導体層11および第1絶縁層21が露出する。エッチングにより金属箔91が除去されるが、このエッチングは、第1導体層11内の個々の導体パターン同士が確実に分離されるように、金属箔91の消失後も継続される。その結果、図5Eに示されるように、金属箔91の消失後に露出する第1導体層11の露出面は、エッチングされることによって第1絶縁層21の露出面よりも凹んでいる。ビルドアップ層10の第2面10Sに、第1絶縁層21と、第1絶縁層21よりも凹んでいる第1導体層11と、が形成される。
第1絶縁層21および第1導体層11の露出面に、図5Fに示されるように、被覆層41が設けられる。例えば、第1導体層11および第1絶縁層21の表面上に感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂層が形成される。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、NSMDパッド110aの一面110sの全体を露出する第1の開口41aが形成される。
前述の図3に示されるプリント配線板1aが製造される場合、被覆層41は、第1の開口41aと、SMDパッド210aの外縁を定めると共にSMDパッド210aの一面210sを露出する第2の開口241a(図3参照)と、を含むように形成される。
次いで、ビルドアップ層10の第2面10S側のキャビティ7の形成領域に、剥離膜8が設けられる。剥離膜8は、第1導体層11および被覆層41と強固に接着せず、しかし、これらと密着し得る材料を少なくとも用いて設けられる。すなわち、剥離膜8と第1導体層11および被覆層41との界面へのプリプレグ520(図5H参照)の構成材料などの浸透が、剥離膜8の密着性によって防がれる。しかし、剥離膜8と第1導体層11および被覆層41とは、比較的弱い力で容易に分離され得る。後述のように、後工程において、ビルドアップ層10の上に設けられている被覆層41の上に、剥離膜8を介して補強層5(図5H参照)が積層され、その後、補強層5におけるキャビティ7(図5L参照)の形成領域の部分が除去される。剥離膜8は、この補強層5の一部の剥離を容易にする。
図5Gの例では、剥離膜8は、ビルドアップ層10側の粘着層81と、粘着層81に積層された接合層82とを有している。粘着層81は、前述のように、第1導体層11および被覆層41とは強固に接着せず、しかし、これらと密着し得る材料で形成される。粘着層81には、例えばアクリル樹脂が用いられる。一方、接合層82は、補強層5を構成する絶縁層52に対して十分な接着性を発現し得る材料で形成される。接合層82には、例えばポリイミド樹脂が用いられる。
例えば、第2面10S側の第1導体層11および被覆層41の表面の全面に粘着層81および接合層82が設けられる。その後、粘着層81および接合層82におけるキャビティ7の形成領域以外の部分を除去することによって、キャビティ7の開口形状に基づく平面形状を有している剥離膜8が形成され得る。あるいは、キャビティ7の開口形状に基づく形状に事前に成形された剥離膜8が、キャビティ7の形成領域に対応する第2面10S側の第1導体層11および被覆層41の表面上に載置されてもよい。本実施形態では、第1の開口41aを除いて、ビルドアップ層10の第2面10Sの全面が被覆層41によって覆われている。そのため、第1の開口41aから第2面10S側に露出しているNSMDパッド110aの一面110s、およびNSMDパッド110aに接続されている配線300の一面300sの一部以外の第1導体層11の表面は、粘着層81と接触しない。したがって、第2面10S側の表面の全面に粘着層81および接合層82が設けられて、その後、キャビティ7の形成領域以外の粘着層81および接合層82が除去される場合であっても、第1導体層11上に密着されていた粘着層81の残渣などが残るおそれがない。第1導体層11のビア導体接続用パッド111における接続不良が防止され得る。一方、キャビティ7の形成領域においては、被覆層41と被覆層41の第1の開口41aと第1の開口41aから露出している第1絶縁層21の一面21sおよびNSMDパッド110aの一面110sおよび配線300の一面300sの一部とによって、凹部が形成されている。図5Gに示されるように、粘着層81の一部はこの凹部に入り込み得る。この結果、剥離膜8と第1導体層11との界面へのプリプレグ520(図5H参照)の浸入がより確実に防止され得る。しかしながら、第1絶縁層21の上には被覆層41が形成されているため、被覆層41が形成されていない場合と比較して、第2面10S側の表面からのNSMDパッド110aの一面110sおよび配線300の一面300sまでの深さは深くされている。したがって、粘着層81の一部はこの凹部に入り込み得るものの、凹部に入り込んだ粘着層81は凹部の底面すなわちNSMDパッド110aの一面110sおよび配線300の一面300sの一部ならびに凹部の壁面と強固には密着しない。
図3に示されるプリント配線板1aの場合、被覆層41は、第1の開口41aに加えて、SMDパッド210aを露出する第2の開口241aを有する。この場合、SMDパッド210a上にも粘着層81が積層される。しかしながら、NSMDパッド110aと同様に、SMDパッド210aの一面210sまでの第2面10S側の表面(被覆層41の表面)からの深さが深く形成されている。このため、粘着層81の一部は、被覆層41と被覆層41の第2の開口241aと第2の開口241aから露出しているSMDパッド210aの一面210sとによって形成される凹部に入り込み得る。しかし、凹部に入り込んだ粘着層81は凹部の底面すなわちSMDパッド210aの一面210sおよび凹部の壁面と強固には密着しない。
この結果、補強層5の一部の剥離によるキャビティ7の形成(図5L参照)の際に補強層5の一部と共に粘着層81および接合層82が除去される時に、粘着層81がNSMDパッド110aの一面110s(プリント配線板1aの場合、NSMDパッド110aの一面110sおよびSMDパッド210aの一面210s)から容易かつ良好に剥離する。密着していた粘着層81の残渣などが部品実装パッド上に残らない。補強層5の一部の剥離により、清浄な部品実装パッドがキャビティ7に露出される。部品実装パッドにおける接続不良が起こり難い。
剥離膜8は、キャビティ7の形成領域の略全域に及ぶように設けられる。図1の例のプリント配線板1では、前述のように、キャビティ7は四角形の開口形状を有しているため、好ましくは、四角形の平面形状の剥離膜8が設けられる。剥離膜8の厚さは、後工程でビルドアップ層10に積層されるプリプレグ520(図5H参照)の厚さに基づいて選択され得る。また、剥離膜8は、例えば粘着層81だけの一層で構成されてもよく、粘着層81と接合層82との間に中間層を含む三層構造を有していてもよい。例えば、中間層の厚さを調節することによって剥離膜8の厚さが所望の厚さに調整されてもよい。
続いて、図5Hに示されるように、剥離膜8の平面形状に基づく開口521を有するプリプレグ520が用意される。プリプレグ520は、ガラス繊維やアラミド繊維などの芯材52c、および、芯材52cに含浸されたエポキシ樹脂などの絶縁性樹脂によって主に構成される。開口521は、金型加工などによって形成され得る。
プリプレグ520の厚さは、補強層5のうちのプリプレグ520によって形成される絶縁層52(図5I参照)の厚さに基づいて選択される。また、前述のように、剥離膜8の厚さは、プリプレグ520の厚さに基づいて選択される。剥離膜8の厚さは、例えば、15μm以上、50μm以下である。
さらに、ビルドアップ層10の平面形状と略同じ形状のプリプレグ510が用意される。プリプレグ510はプリプレグ520と同様の樹脂材料で構成され得、同様の芯材51cを含み得る。プリプレグ510の厚さは、補強層5のうちのプリプレグ510によって形成される絶縁層51(図5I参照)の厚さに基づいて選択される。プリプレグ510の一面上には銅などからなる金属箔が積層される。
図5Hに示されるように、ビルドアップ層10の第2面10S側の表面上にプリプレグ520が積層される。プリプレグ520は、その硬化後に、開口521の内部に剥離膜8が収まるように、開口521と剥離膜8とを対向させて積層される。さらに、プリプレグ510が、金属箔が積層されていない面がプリプレグ520と対向するようにプリプレグ520上に積層される。プリプレグ510、520は、加熱および加圧されることによって硬化する。その硬化物として絶縁層51および絶縁層52から構成される補強層5(図5I参照)が形成されると同時に、補強層5が、第2面10S側の表面に被覆層41を有するビルドアップ層10に、被覆層41を介して接合される。補強層5の表面上には、金属箔が積層されている。
次いで、図5Iに示されるように、補強層5上に第4導体層14が形成されると共に、ビア導体6が形成される。まず、ビア導体6の形成場所に対応する位置の補強層5に、例えばCO2レーザー光の照射によって導通用孔5aが形成される。導通用孔5aは、補強層5上の金属箔、補強層5、および被覆層41を貫通している。そして、導通用孔5a内および補強層5上の金属箔の表面上に、無電解銅めっきなどによって金属膜が形成される。さらに、この金属膜をシード層として用いて、パターンめっき法を用いて銅などからなる電解めっき膜が形成される。その後、パターンめっきに用いられたレジストが除去され、その除去により露出する金属膜および金属箔が除去される。その結果、第1導体層11に近い側から順に、金属箔(銅箔)層(図示せず、以下同様)、金属膜(無電解銅めっき膜)層、電解めっき膜(電解銅めっき膜)層を有していて、所望の導体パターンを含む第4導体層14が形成される。また、導通用孔5a内にビア導体6が形成される。ビア導体6は、第4導体層14と第1導体層11とを相互に電気的に接続している。積層体2が完成する。なお、図5Iに示されている例では、第4導体層14は、キャビティ7(図5L参照)の形成領域内に導体パターン140を含んでいる。製造途中のプリント配線板における反りの抑制に有利な場合がある。補強層5の一部の剥離によるキャビティ7の形成(図5L参照)が容易になる場合がある。
次いで、図5Jに示されるように、ソルダーレジスト層43が形成される。第4導体層14および補強層5の表面上への感光性のエポキシ樹脂やポリイミド樹脂層の形成によって、ソルダーレジスト層43が形成される。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、開口43aが形成される。
つぎに、図5Kに示されるように、剥離膜8の周縁に沿って、補強層5の絶縁層51を貫通する溝71が補強層5のビルドアップ層10とは反対側の表面側から形成される。溝71は、補強層5のビルドアップ層10側に向って形成され、剥離膜8の周囲全周に渡って、キャビティ7(図5L参照)の形成領域を囲むように形成される。例えば、レーザー光が、キャビティ7の形成領域を囲む軌跡で、補強層5のビルドアップ層10とは反対側の表面側から補強層5に照射される。レーザー光の種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどが例示されるが、レーザー光はこれらに限定されない。また、溝71は、ドリル加工などの切削加工によって形成されてもよい。
溝71は、好ましくは、溝71の対向する2つの内壁のうち外周側の内壁が剥離膜8の外縁8aと一致するように形成される。すなわち、溝71の外周側の内壁がキャビティ7(図5L参照)の側壁となる。キャビティ7の壁面が、キャビティ7の底面に向ってキャビティ7の開口形状が小さくなるようなテーパー面である場合には、レーザー光のスポット径が先端側ほど小さくなるように、集光されたレーザー光が使用される。このような集光されたレーザー光を照射して溝71を形成することにより、所望のテーパー形状の内壁で溝71が形成され得る。
図5Lに示されるように、溝71に囲まれた補強層5の一部が剥離膜8と共に除去される。この結果、NSMDパッド110aを底面に露出するキャビティ7が形成される。剥離膜8の粘着層81は、ビルドアップ層10や被覆層41などと強固に接着せずに単にその粘着性によって付着しているだけである。従って、除去は任意の方法で容易に行われ得る。例えば、除去される補強層5の表面が治工具などに吸着され、ビルドアップ層10と反対側に引き上げられることにより除去され得る。さらに、前述のように、第1の開口41aを形成するように設けられている被覆層41により、粘着層81がNSMDパッド110aの一面110sに強固に密着せずに付着しているため、粘着層81はNSMDパッド110aの一面110s上に残ることなく剥離され得る。
キャビティ7の形成後、キャビティ7内に残り得る剥離膜8や補強層5など樹脂材料の残渣が酸素プラズマや溶剤を用いて除去されてもよい。また、前述のように、部品実装パッド(NSMDパッド110aやSMDパッド210a)ならびに上側および下側の接続パッド14a、13aに、保護膜が形成されてもよい。例えば、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどからなる保護膜がめっきにより形成され得る。液状の有機材内への浸漬や有機材の吹付けなどによりOSPが形成されてもよい。以上の工程を経ることによって、図1に示される本実施形態の一例であるプリント配線板1が完成する。
実施形態のプリント配線板は、各図面に例示される構造や、本明細書において例示された構造や材料を備えるものに限定されない。プリント配線板1の補強層5は、二層のプリプレグから構成されていなくてもよい。例えば、補強層5が絶縁板と絶縁板をビルドアップ層10に接合させるためのプリプレグから構成されていてもよい。例えば、ビルドアップ層10は任意の数の導体層および絶縁層を有していてもよい。補強層5のビルドアップ層10と反対側に、任意の数の導体層と絶縁層とが積層されていてもよい。また、実施形態のプリント配線板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されず、その条件や順序などは適宜変更されてよい。現に製造されるプリント配線板の構造に応じて、一部の工程が省略されてもよく、別の工程が追加されてもよい。
1、1a プリント配線板
2 積層体
5 補強層
6 ビア導体
7 キャビティ
71 溝
8 剥離膜
81 粘着層
82 接合層
10 ビルドアップ層
10F 第1面
10S 第2面
11 第1導体層
110a NSMDパッド
110s 一面
111 ビア導体接続用パッド
111s 一面
210a SMDパッド
210s 一面
12 第2導体層
13 第3導体層
14 第4導体層
21 第1絶縁層
21s 露出面
22 第2絶縁層
41 被覆層

Claims (13)

  1. 第1面および前記第1面と反対側の第2面を備え、1または2以上の絶縁層および前記絶縁層を挟んで両面に積層される2以上の導体層によって構成されるビルドアップ層と、
    前記ビルドアップ層の前記第2面側に接合されている補強層と、
    前記ビルドアップ層の前記第2面に形成されている複数の部品実装パッドを含み、前記ビルドアップ層の前記第2面を構成する絶縁層内に埋め込まれて一面を前記第2面側に露出している第1導体層と、
    前記ビルドアップ層の前記第2面側の最表層の絶縁層を覆うと共に前記部品実装パッドの一面を露出する第1の開口を含む被覆層と、
    前記補強層上に形成されている第4導体層と、
    前記補強層を貫通し、前記部品実装パッドおよび前記被覆層を露出させるキャビティと、
    前記補強層に形成され、前記第1導体層と前記第4導体層とを電気的に接続しているビア導体と、を備えるプリント配線板であって、
    前記複数の部品実装パッドが、前記被覆層の前記第1の開口内において前記第1の開口の縁部と離間して形成されている複数のパッドを含む。
  2. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記第1の開口が、枠状の形状であり、かつ、前記第1の開口内に前記複数のパッドを露出している。
  3. 請求項2記載のプリント配線板であって、
    前記複数のパッドが、前記枠状の形状の内外を結ぶ方向に長手を有する矩形状である。
  4. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記被覆層は第2の開口を含み、
    前記複数の部品実装パッドが、さらに、前記第2の開口に外縁を定められて前記第2の開口内に一面を露出しているパッドを含む。
  5. 請求項2記載のプリント配線板であって、
    前記被覆層は第2の開口を含み、
    前記複数の部品実装パッドが、さらに、前記第2の開口に外縁を定められて前記第2の開口内に一面を露出しているパッドを含んでおり、
    前記第2の開口は、前記枠状の第1の開口の内周側に形成されている。
  6. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記被覆層が、さらに、前記ビルドアップ層の前記第2面と前記補強層とのあいだに形成されている。
  7. 請求項6記載のプリント配線板であって、
    前記ビア導体が、さらに、前記ビルドアップ層の前記第2面と前記補強層とのあいだに形成されている前記被覆層を貫通している。
  8. 請求項1記載のプリント配線板であって、
    前記第1導体層の前記一面は、前記ビルドアップ層の前記第2面よりも凹んでいる。
  9. 補強層と、一面に被覆層が設けられていて、1または2以上の絶縁層および前記絶縁層を挟んで両面に積層される2以上の導体層を含むビルドアップ層と、前記補強層の一部と前記ビルドアップ層との剥離を容易にする剥離膜と、を少なくとも含む積層体を用意することと、
    前記剥離膜の全周に前記剥離膜の周縁に沿って前記補強層を貫通する溝を前記補強層の前記ビルトアップ層と反対側の表面から形成することと、
    前記補強層における前記溝に囲まれている部分を前記剥離膜と共に除去することによってキャビティを形成することと、を含むキャビティを備えるプリント配線板の製造方法であって、
    前記積層体を用意することは、前記ビルドアップ層における前記補強層と対向する側の最表層の第1導体層に複数のパッドを形成することと、前記被覆層に第1の開口を形成することによって前記複数のパッドを一括して前記第1の開口から露出させることを含んでいる。
  10. 請求項9記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記溝は、前記剥離膜の外縁が平面視で前記溝の外周側の内壁に重なるように形成される。
  11. 請求項9記載のプリント配線板の製造方法であって、
    前記積層体を用意することは、
    ベース板上に前記第1導体層を形成することと、
    前記ベース板上および前記第1導体層上に絶縁層および導体層を積層することによって前記第1導体層を覆う絶縁層を含む前記ビルドアップ層を形成することと、
    前記ベース板を前記ビルドアップ層から除去することと、
    前記ベース板の除去によって露出する前記第1導体層の露出面を、前記ベース板の除去によって露出する前記一面側の最表層の絶縁層の露出面より凹ませることと、
    前記一面側の最表層の絶縁層の上に前記被覆層を形成することと、
    前記被覆層の上に、前記キャビティの開口形状に基づく平面形状を有する前記剥離膜を設けることと、
    第1プリプレグ、および、前記剥離膜の平面形状に基づく開口を有する第2プリプレグを用意することと、
    前記開口の内部に前記剥離膜が収まるように前記ビルドアップ層の前記一面側に前記第2プリプレグを積層し、さらに、前記第1プリプレグを前記第2プリプレグ上に積層することと、
    前記第1および第2のプリプレグを硬化させて前記補強層を形成すると共に、前記補強層を前記ビルドアップ層の前記一面側に前記被覆層を介して接合することと、
    前記補強層の前記ビルドアップ層と反対側の表面に第4導体層を形成することと、
    前記補強層および前記被覆層を貫通し、前記第1導体層と前記第4導体層とを接続するビア導体を形成することと、を含んでいる。
  12. 請求項11記載のプリント配線板の製造方法であって
    前記補強層を接合することが、前記補強層と前記ビルドアップ層の前記一面側の表面との界面の全体に被覆層を挟んで行われる。
  13. 請求項9記載のプリント配線板の製造方法であって
    前記積層体を用意することは、さらに、前記第1導体層にパッドを形成することと、前記パッドの外縁を定めると共に前記パッドの一面を露出させる第2の開口を前記被覆層に形成することによって前記パッドを前記被覆層から露出させることを含んでいる。
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