JP2019160723A - 非水電解液二次電池用電解液および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電解液および非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム塩を高濃度で含むリチウム塩高濃度電解液であって、優れたサイクル特性が得られる非水電解液二次電池用電解液を提供する。【解決手段】リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)と添加剤(C)とを含有し、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であり、前記添加剤(C)が式1で表される芳香族スルホンイミドとアセチレンアルコール類とを含む非水電解液二次電池用電解液。[R1;H、Li、Na]【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池用電解液、およびこれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、一般に、正極と、負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、電解液から構成されている。
近年、電解液として、リチウム塩と溶媒とのモル比を1:0.8〜1:2程度としたリチウム塩高濃度電解液が報告されている。リチウム塩高濃度電解液は、硫黄系正極を用いた場合の懸念点の一つである硫黄の溶解を抑制できるため、注目されている。
従来、リチウムイオン二次電池のエネルギー密度を向上させるために、負極活物質として金属リチウムを用いることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、負極活物質として金属リチウムを用いたリチウムイオン二次電池では、負極に金属リチウムがデンドライト状(樹状)に析出するため、サイクル特性が悪いという欠点があった。
また、非水電解液二次電池として、非水電解液中に正極及び/又は負極での金属イオンの集中析出を抑制するレベリング剤を含有させたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、レベリング剤として、1,5−ナフタリン−ジスルホン酸ナトリウム、1,3,6ナフタリン−トリスルホン酸ナトリウム、サッカリン、アルデヒド、ゼラチン、2ブチン−1,4ジオール、キナルジン、ピリジウム化合物、エチレンシアンヒドリン、アゾ染料、チオシアン酸カリウム及びピロ燐酸カリウムが記載されている。
特開2001−357874号公報
Chem.Rev.,2017,117(15),pp10403−10473
しかしながら、リチウム塩高濃度電解液を有する従来の非水電解液二次電池では、さらにサイクル特性を向上させることが要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リチウム塩を高濃度で含むリチウム塩高濃度電解液であって、優れたサイクル特性が得られる非水電解液二次電池用電解液を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記非水電解液二次電池用電解液を用い、優れたサイクル特性を有する非水電解液二次電池を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、以下に示すように鋭意検討を重ねた。
その結果、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であるリチウム塩高濃度電解液あって、非水電解液二次電池において析出物が析出した電極上の形状が平滑となるレベリング作用を有する第1添加剤と、第1添加剤の分解を抑制して第1添加剤によるレベリング作用を維持する第2添加剤とを含む電解液とすればよいことが分かった。
本発明者は、さらに検討を重ね、第1添加剤として芳香族スルホンイミドを用い、第2添加剤としてアセチレンアルコール類を用いたリチウム塩高濃度電解液を含む非水電解液二次電池とすることで、長期にわたって優れたレベリング作用が得られ、優れたサイクル特性が得られることを見出し、本発明を想到した。すなわち、本発明は、以下の発明に関わる。
[1] リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)と添加剤(C)とを含有し、
リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であり、
前記添加剤(C)が芳香族スルホンイミドとアセチレンアルコール類とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電解液。
[2] 前記芳香族スルホンイミドが、式(1)で表される化合物であることを特徴とする[1]に記載の非水電解液二次電池用電解液。
[式(1)中、Rは、H、Li、Naのいずれかである。]
[3] 前記アセチレンアルコール類が、式(2)で表される化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の非水電解液二次電池用電解液。
−C≡C−R・・・(2)
[式(2)中、RおよびRは、水素原子、または水酸基を有してもよい炭素数1〜3の飽和炭化水素であり、RとRのうちの一方または両方が水酸基を有する。]
[4] 前記溶媒(B)が、カチオン成分と、イミドアニオンを含むアニオン成分とを含む常温溶融塩であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電解液。
[5] 前記溶媒(B)が、下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電解液。
R−O(CHCHO)−R'・・・(3)
[式(3)中、R及びR'は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の飽和炭化水素であり、nは1〜4の整数である。]
[6] 正極と、負極と、セパレータと、電解液とを有し、
前記電解液が、[1]〜[5]のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電解液であることを特徴とする非水電解液二次電池。
[7] 前記負極が金属リチウムからなる負極活物質を含むことを特徴とする[6]に記載の非水電解液二次電池。
[8] 前記正極と前記セパレータとの間と、前記負極と前記セパレータとの間のうち、一方または両方に、セラミック粒子を含むセラミック層が配置されていることを特徴とする[6]または(7)に記載の非水電解液二次電池。
本発明の非水電解液二次電池用電解液は、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であり、芳香族スルホンイミドとアセチレンアルコール類とを含む添加剤(C)を含有する。このため、本発明の非水電解液二次電池用電解液を電解液として用いることで、サイクル特性の良好な非水電解液二次電池が得られる。特に、本発明の非水電解液二次電池用電解液は、金属リチウムからなる負極活物質を含む非水電解液二次電池の電解液として用いた場合に、負極上における金属リチウムのデンドライト状(樹状)の析出を抑制して、サイクル特性を向上させることができ、好ましい。
本発明の非水電解液二次電池の一例を示した斜視図である。 本発明の非水電解液二次電池の一例を示した断面模式図である。 100サイクル後の実施例10の非水電解液二次電池における負極の表面の写真である。 100サイクル後の比較例1の非水電解液二次電池における負極の表面の写真である。
以下、本実施形態について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[非水電解液二次電池用電解液]
本実施形態の非水電解液二次電池用電解液(以下、「電解液」と略記する場合がある。)は、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)と添加剤(C)とを含有する。
本実施形態の電解液は、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であるリチウム塩高濃度電解液である。リチウムイミド塩(A)1モルに対する溶媒(B)の含有量が、0.8モル以上であると、電解液の粘度が高くなりすぎることがない。リチウムイミド塩(A)1モルに対する溶媒(B)の含有量が、2.0モル以下であると、高いレート特性を有する非水電解液二次電池となる。リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比は、1:0.9〜1:1.5であることが好ましく、1:0.95〜1:1.1であることがより好ましい。
(リチウムイミド塩(A))
リチウムイミド塩(A)としては、LiN(SOF)(LiFSI:リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、LiN(SOCF(LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、LiN(SO(LiBETI:リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)、LiN(SOF)(SOCF)、LiN(SOCF)(SO)などを使用できる。これらのリチウムイミド塩(A)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
これらの中でも、高い溶解性を有するため、リチウムイミド塩(A)としてLiFSI、LiTFSI、LiBETIから選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
(溶媒(B))
溶媒(B)としては、特に限定されない。
溶媒(B)としては、例えば、常温溶融塩を用いることができる。常温溶融塩は、イオン液体とも呼ばれている。常温溶融塩は、カチオン成分とアニオン成分とを含み、常温において溶融状態であって流動性を有する塩である。常温溶融塩は、不揮発性で蒸気圧を持たず、引火しにくい。このため、常温溶融塩を電解液の溶媒として用いることで、安全性の高い非水電解液二次電池が得られる電解液となる。
また、溶媒(B)として常温溶融塩を用いた場合、例えば、溶媒(B)としてカーボネート系溶媒を用いた場合と比較して、アルキルカーボネートなどの副生成物の生成が抑制され、充放電効率が高く、より優れたサイクル特性を有する非水電解液二次電池が得られる。
常温溶融塩は、リチウムイミド塩(A)を含む電解液の状態において、常温で液体であることが好ましい。例えば、常温溶融塩であるSBP−FSI(5−アゾニアスピロ[4,4]ノナンビス(フルオロスルホニル)イミド)は、単体では常温で固体であるが、リチウムイミド塩(A)を含む電解液の状態では常温で液体となる。
なお、常温とは、非水電解液二次電池が通常使用される温度であり、日本工業規格(JIS Z 8703)では5℃以上35℃以下とされているが、この温度範囲に限定されない。
常温溶融塩のカチオン成分としては、窒素を含む窒素系カチオン、リンを含むリン系カチオン、硫黄を含む硫黄系カチオンなどが挙げられる。これらのカチオン成分は、1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
窒素系カチオンとしては、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、アゾニアスピロカチオンなど鎖状または環状のアンモニウムカチオンが挙げられる。
リン系カチオンとしては、鎖状または環状のホスホニウムカチオンが挙げられる。
硫黄系カチオンの例としては、鎖状または環状のスルホニウムカチオンが挙げられる。
カチオン成分としては、特に、リチウムイミド塩を溶解させた際に、高いリチウムイオン伝導を有し、かつ広い酸化還元耐性をもつため、窒素系カチオンであるN−メチル−N−プロピル−ピロリジニウム(P13)が好ましい。
常温溶融塩のアニオン成分としては、AlCl 、NO 、NO 、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF)2.3 、p−CHPhSO 、CHCO 、CFCO 、CHSO 、CFSO 、(CFSO、CCO、CSO 、(FSO(ビス(フルオロスルホニル)イミド)(FSI)、(CFSO(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(TFSI)、(CSO(ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)、(CFSO)(CFCO)N((トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミド)、(CN)(ジシアノイミド)等が挙げられる。これらのアニオン成分は、1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上を組合せて含んでいてもよい。
常温溶融塩のアニオン成分は、イミドアニオンを含むことが好ましく、特に、リチウムイミド塩を溶解させた際に、高いリチウムイオン伝導を有し、かつ広い酸化還元耐性をもつため、(FSO(ビス(フルオロスルホニル)イミド)(FSI)または、(CFSO(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(TFSI)を含むことが好ましい。アニオン成分がイミドアニオンを含む場合、リチウムイミド塩(A)と常温溶融塩との親和性が良好となる。
溶媒(B)としては、下記式(3)で表される化合物を用いてもよい。
R−O(CHCHO)−R'・・・(3)
[式(3)中、R及びR'は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の飽和炭化水素であり、nは1〜4の整数である。]
式(3)で表される化合物は、グライム分子である。式(3)中、R及びR'は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の飽和炭化水素であり、炭素数1〜2の飽和炭化水素であることが好ましく、1であることがより好ましい。また、式(3)中、nは1〜4の整数であり、1〜3であることが好ましい。
式(3)で表される化合物としては、具体的には、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
式(3)で表される化合物を電解液の溶媒として用いることで、リチウム塩高濃度電解液の場合、溶媒の蒸気圧を極端に抑える効果が得られる。
また、溶媒(B)として式(3)で表される化合物を用いた場合、例えば、溶媒(B)としてカーボネート系溶媒を用いた場合と比較して、アルキルカーボネートなどの副生成物の生成が抑制され、より優れたサイクル特性を有する充放電効率の高い非水電解液二次電池が得られる。
溶媒(B)としては、環状溶媒を用いてもよい。環状溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状エーテルなどが挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートが挙げられる。これらの中でも特に、リチウム塩高濃度電解液の場合、溶媒の蒸気圧を抑える効果が得られるため、プロピレンカーボネート(PC)が好ましい。
環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、メチルγ−ブチロラクトン、エチルγ−ブチロラクトン、エチルδ−バレロラクトン、β−プロピオラクトンなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも特に、リチウム塩高濃度電解液の場合、溶媒の蒸気圧を抑える効果が得られるため、テトラヒドロフラン(THF)が好ましい。
これらの環状溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
溶媒(B)としては、20℃における蒸気圧が1kPa以上である高蒸気圧溶媒を用いてもよい。高蒸気圧溶媒としては、二酸化炭素、1価アルコール、ケトン、ニトリル、エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状エーテルなどを用いることができる。高蒸気圧溶媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトンなどが挙げられる。
ニトリルとしては、アセトニトリルを挙げることができる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを挙げることができる。これらの中でも特に、リチウム塩高濃度電解液にした場合でも高いリチウムイオン伝導が得られるため、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
鎖状エーテルは炭酸原子数が6以下であることが好ましい。鎖状エーテルの酸素原子数は1個以上3個以下であることが好ましい。鎖状エーテルの炭素原子同士は飽和結合していることが好ましい。鎖状エーテルの水素原子は、フッ素で置換されていてもよい。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソペンチルエーテルなどが挙げられる。
(添加剤(C))
添加剤(C)は、芳香族スルホンイミド(C−1)とアセチレンアルコール類(C−2)とを含む。
芳香族スルホンイミド(C−1)は、本実施形態の電解液を含む非水電解液二次電池において、電極上での金属リチウムの集中析出を抑制し、金属リチウムが析出した電極上の形状を平滑にするレベリング作用を有する。
アセチレンアルコール類(C−2)は、本実施形態の電解液を含む非水電解液二次電池において、芳香族スルホンイミド(C−1)の分解を抑制し、芳香族スルホンイミド(C−1)によるレベリング作用を維持する機能を有する。
添加剤(C)に含まれる芳香族スルホンイミド(C−1)としては、サッカリン、N−メチルサッカリン、N−ホルミルサッカリン、サッカリンナトリウム、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1,2−ベンゾトリアゾール−1,1−オキシド、ジベンゼンスルホンイミド、1,2−ベンゼンスルホン酸イミド、o−スルホベンズイミドなどが挙げられる。
これらの中でも、より優れたサイクル特性が得られるため、芳香族スルホンイミド(C−1)として、式(1)で表される化合物を用いることが好ましく、特に、Rが水素原子であるサッカリンを用いることが好ましい。
[式(1)中、Rは、H、Li、Naのいずれかである。]
添加剤(C)に含まれるアセチレンアルコール類(C−2)としては、式(2)で表される化合物であることが好ましい。
−C≡C−R・・・(2)
[式(2)中、RおよびRは、水素原子、または水酸基を有してもよい炭素数1〜3の飽和炭化水素であり、RとRのうちの一方または両方が水酸基を有する。]
式(2)で表される化合物としては、2−ブチン−1,4−ジオール、2−プロピン−1−オール、2−ブチン−1−オール、3−ブチン−2−オール、3−ブチン−1−オール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)2−ブチンなどが挙げられる。
これらの中でも特に、優れたサイクル特性が得られるため、アセチレンアルコール類(C−2)として、2−ブチン−1,4−ジオールを用いることが好ましい。
ここで、本実施形態の電解液に含まれる添加剤(C)の機能について、芳香族スルホンイミド(C−1)としてサッカリンを用い、アセチレンアルコール類(C−2)として2−ブチン−1,4−ジオールを用いる場合を例に挙げて説明する。
本実施形態の電解液において、サッカリンは、電極上の電流が集中しやすい部分に付着して、金属リチウムの析出を抑制する。また、サッカリンは、電解液中のリチウムイオンと反応して、下記式(4)で示される錯体を形成する。その後、式(4)で示される錯体から、配位子であるサッカリンが脱配位子(解離)して拡散し、金属リチウムが析出する。これらのサッカリンの反応が、レベリング作用を生じさせると推定される。
また、本実施形態の電解液は、サッカリンと共に2−ブチン−1,4−ジオールを含む。このため、2−ブチン−1,4−ジオールとサッカリンとが相互作用することにより架橋し、下記式(5)で示される会合体が形成される。2−ブチン−1,4−ジオールとサッカリンとの相互作用は、サッカリンの二重結合と2−ブチン−1,4−ジオールの三重結合とがπ共役する力と、サッカリンの不対電子対(S=O:)とアセチレンアルコールの水酸基(−OH)とが水素結合する力とに起因する作用である。
式(5)で示される会合体は、式(4)で示される錯体からのサッカリンの脱配位子(解離)を容易にし、サッカリンが脱配位子する際におけるサッカリンの分解を抑制する。
その結果、本実施形態の電解液では、サッカリンによるレベリング作用が、長期にわたって得られるものと推定される。
これに対し、例えば、添加剤(C)がサッカリンを含み、アセチレンアルコール類(C−2)を含まない場合、サッカリンは電解液中のリチウムイオンと反応して、下記式(6)で示される錯体を形成する。その後、式(6)で示される錯体から配位子であるサッカリンが脱配位子(解離)して拡散し、金属リチウムが析出する。これらのサッカリンの反応が、レベリング作用を生じさせると推定される。
式(6)で示される錯体は、中心金属であるリチウムイオンと、配位子であるサッカリンの硫黄原子および酸素原子とによって形成される環が4員環である。このため、式(6)で示される錯体は、不安定であり、式(6)で示される錯体からのサッカリンの脱配位子は比較的容易である。しかし、式(6)で示される錯体からサッカリンが脱配位子する際に、サッカリンが分解されやすいため、電解液のレベリング作用は短時間で劣化する。
このことから、芳香族スルホンイミド(C−1)を含みアセチレンアルコール類(C−2)を含まない添加剤(C)を含む電解液を用いた非水電解液二次電池では、良好なサイクル特性が得られなかったものと推定される。
また、添加剤(C)としてアセチレンアルコール類(C−2)を単独で使用した場合、アセチレンアルコール類(C−2)が金属リチウムの析出と同時に分解するため、添加剤(C)によるレベリング作用は得られない。
しかも、添加剤(C)としてアセチレンアルコール類(C−2)を単独で使用した電解液を用いた非水電解液二次電池は、添加剤(C)を含まない電解液と比較して、サイクル特性が顕著に劣るものとなる。
添加剤(C)に含まれる芳香族スルホンイミド(C−1)とアセチレンアルコール類(C−2)とのモル比(C−1:C−2)は、1:0.001〜1:0.05であることが好ましい。上記のモル比(C−1:C−2)が上記範囲内であると、本実施形態の電解液を含む非水電解液二次電池の負極活物質として金属リチウムを用いた場合に、金属リチウムのデンドライト状(樹状)の析出を抑制する効果が、より一層顕著となり、優れたサイクル特性が得られる。
芳香族スルホンイミド(C−1)1モルに対するアセチレンアルコール類(C−2)の含有量が、0.001モル以上であると、上記式(5)で示される会合体が電極近傍に十分に形成される。その結果、アセチレンアルコール類(C−2)による芳香族スルホンイミド(C−1)の分解を抑制する効果がより高くなり、非水電解液二次電池の負極活物質として金属リチウムを用いた場合におけるレベリング効果がより効果的に得られる。
芳香族スルホンイミド(C−1)1モルに対するアセチレンアルコール類(C−2)の含有量が、0.05モル以下であると、電解液全体に上記式(5)で示される会合体が効率よく形成されることにより、電解液のリチウムイオン伝導性が低下することを防止でき、好ましい。
リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)との合計100質量部に対する添加剤(C)の含有量は、0.05〜2.0質量部であることが好ましく、0.1〜2.0質量部であることがより好ましく、0.4〜1.2質量部であることがさらに好ましい。添加剤(C)の含有量が0.05質量部以上であると、長期にわたって優れたレベリング作用が得られる電解液となる。添加剤(C)の含有量が2.0質量部以下であると、添加剤(C)を過剰に含むことによって電解液中のリチウムイミド塩(A)の濃度が相対的に低くなって、電解液を含む非水電解液二次電池の特性に悪影響を来すことを防止できる。
(電解液の調製方法)
本実施形態の電解液は、例えば、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)と添加剤(C)とを混合することによって調製できる。電解液の組成は、ガスクロマトグラフィーを用いて同定できる。
[非水電解液二次電池]
図1は、本発明の非水電解液二次電池の一例を示した斜視図である。図2は、本発明の非水電解液二次電池の一例を示した断面模式図である。
本実施形態の非水電解液二次電池100は、図1に示すように、発電素子10と、二つの端子20(正極端子21と負極端子22)と、外装体30とを備える。発電素子10は、外装体30に設けられた収容空間K内に収容される。図1では、理解を容易にするために、発電素子10が外装体30内に収容される前の状態を図示している。
(発電素子)
発電素子10は、図2に示すように、正極1と負極2とセパレータ3とセラミック層4とが積層された積層型の構造を有する。図2に示すように、正極1と負極2との間にセパレータ3が配置され、正極1とセパレータ3との間と、負極2とセパレータ3との間に、それぞれセラミック層4が配置されている。
図2に示す発電素子10では、セラミック層4が、セパレータ3の両方の表面上に形成されている。また、セラミック層4が、正極1および負極2のセパレータ3側の表面に接して配置されている。
正極1の正極活物質層1Bと、負極2の負極活物質層2Bと、セパレータ3には、上述した本実施形態の電解液が含浸されている。発電素子10では、電解液を介して、正極1と負極2とがイオンの授受を行う。
「正極」
正極1は、板状(膜状)の正極集電体1Aと正極活物質層1Bとを有する。正極活物質層1Bは、正極集電体1Aの少なくとも一面に形成されている。
正極集電体1Aは、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
正極活物質層1Bに用いる正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x<1、0≦y<1、0≦z<1、0≦a<1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセンなどを用いることができる。
正極活物質層1Bは、導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。正極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、正極活物質層1Bは導電材を含んでいなくてもよい。
正極活物質層1Bは、バインダーを含む。バインダーとしては、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂などが挙げられる。
上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
「負極」
負極2は、板状(膜状)の負極集電体2Aと負極活物質層2Bとを有する。負極活物質層2Bは、負極集電体2Aの少なくとも一面に形成されている。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な、公知の非水電解液二次電池用の負極活物質を用いることができる。具体的には、例えば、金属リチウム、炭素材料、リチウムと化合する金属、酸化物を主体とする化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等が挙げられる。
負極活物質層2Bにおいて負極活物質として用いられる炭素材料としては、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等が挙げられる。リチウムと化合する金属としては、アルミニウム、シリコン、スズ等が挙げられる。酸化物を主体とする化合物としては、酸化シリコン(SiO(0<x<2))、二酸化スズ等が挙げられる。
これらの中でも特に、負極活物質として、シリコンまたは酸化シリコンを用いることが好ましい。シリコンおよび酸化シリコンは、理論容量の大きい材料であるため、非水電解液二次電池100の高容量化に寄与する。また、負極活物質は、エネルギー密度の高い非水電解液二次電池が得られるため、金属リチウムを含むことが好ましい。
負極2に含まれる負極集電体2A、導電材およびバインダーとしては、それぞれ、正極1に含まれる正極集電体1A、導電材およびバインダーと同様のものを用いることができる。なお、負極活物質のみで十分な導電性を確保できる場合は、負極活物質層2Bは導電材を含んでいなくてもよい。
また、負極2に用いられるバインダーとしては、正極1に用いられるバインダーとして挙げたものの他に、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
「セパレータ」
セパレータ3は、正極1と負極2との間に介在するものである。セパレータ3は、電気絶縁性の多孔質構造を有する。セパレータ3としては、例えば、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体、或いはセルロース、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布などが挙げられる。
セパレータ3は、厚みが5〜16μmであることが好ましく、空隙率が20%〜50%であることが好ましい。
セパレータ3の厚みが5μm以上であると、正極1と正極2との短絡を好適に防止できる。また、セパレータ3の厚みが16μm以下であると、体積エネルギー密度を容易に高くできる。セパレータ3の厚みは、7〜14μmであることが好ましい。
セパレータ3の空隙率が20%以上であると、電解液(リチウム塩高濃度電解液)が含浸されやすいものとなる。しかも、セパレータ3の空隙率が50%以下であると、電解液を過剰に使用する必要はなく、容易に重量エネルギー密度を高くできる。セパレータ3の空隙率は、30〜45%であることが好ましい。
セパレータ3の空隙率は、以下に示す方法により求めることができる。
セパレータ3に含まれる材料の真密度から、セパレータ3の真密度を算出し、セパレータ3の質量で除することで、空隙率0%の場合のセパレータ3の厚みを求める。
そして、空隙率0%の場合のセパレータ3の厚みを、セパレータ3の厚みで除することにより、セパレータ3の空隙率を求めることができる。
また、セパレータ3の空隙率は、水銀圧入法などを用いて、空孔分布を求める方法により求めてもよい。
「セラミック層」
セラミック層4は、セパレータ3の両方の表面上に形成されている。このことにより、セラミック層4は、正極1とセパレータ3との間と、負極2とセパレータ3との間に配置されている。
セラミック層4は、多孔質であり、空隙率が1%〜80%であることが好ましく、40〜60%であることがより好ましい。セラミック層の空隙率が1%〜80%であると、電解液(リチウム塩高濃度電解液)がより一層含浸されやすいセラミック層4となる。
セラミック層4の空隙率は、以下に示す方法により求めることができる。
まず、マイクロメーターを用いて、セラミック層4の形成されたセパレータ3の厚みを9箇所測定し、その平均値を求める。そして、セラミック層4の形成されたセパレータ3の厚みの平均値からセパレータの厚みを減ずることにより、セラミック層4の厚みの寸法を算出する。セパレータ3の両面に、同じ方法で形成した同じ組成のセラミック層4が形成されている場合、算出したセラミック層4の厚み寸法の半分の値を求め、表裏各面に形成されたセラミック層の厚みとする。
また、セラミック層4の形成されたセパレータ3の質量を測定し、基材として用いたセパレータ3の質量を減ずることにより、セラミック層4の質量を算出する。セパレータ3の両面に、同じ方法で形成した同じ組成のセラミック層4が形成されている場合、算出したセラミック層4の質量の値の半分の値を求め、表裏各面に形成されたセラミック層の質量とする。
また、セラミック層4に含まれるセラミック粒子およびバインダーの真密度と、組成比から、セラミック層4の真密度を算出する。
得られたセラミック層4の真密度を、各面に形成されたセラミック層4の質量で除することで、空隙率0%の場合のセラミック層4の厚みを求める。このようにして求めた空隙率0%の場合のセラミック層4の厚みを、セラミック層4の厚みで除することで、セラミック層4の空隙率が得られる。
また、セラミック層4の空隙率は、水銀圧入法などを用いて、空孔分布を求める方法により求めてもよい。
セラミック層4の空隙の大きさは、0.5〜2μmであることが好ましく、0.1〜0.5μmであることがより好ましい。セラミック層4の空隙の大きさが上記範囲内であると、電解液(リチウム塩高濃度電解液)がより一層含浸されやすいセラミック層4となる。
表1に示すセラミック層の空隙の大きさは、以下に示す方法により測定できる。
セラミック層4の形成されたセパレータ3の断面の9カ所について、それぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)像を得る。各SEM像の視野10μm四方内において、セラミック層4の任意の空隙9点について画像処理を行い、空隙の形状から空隙分布を作成し、各視野内の空隙の大きさの平均値を求める。各視野内の空隙の大きさの平均値を平均し、得られた値をセラミック層4の空隙の大きさとする。
また、セラミック層4の空隙の大きさは、水銀圧入法などを用いて、空孔分布を求めて、その平均値を用いることによって測定してもよい。
セラミック層4の厚みは、0.5〜3μmであることが好ましく、1〜2μmであることがより好ましい。セラミック層4の厚みが0.5μm以上であると、電解液(リチウム塩高濃度電解液)を、正極1、負極2、セパレータ3に含浸させる効果がより一層高くなる。セラミック層4の厚みが3μm以下であると、体積エネルギー密度の高い非水電解液二次電池100が得られる。
セラミック層4は、セラミック粒子とバインダーとを含む。
セラミック粒子の材料としては、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO(チタニア)、ZrO(ジルコニア)、BaTiO(チタン酸バリウム)、MgOなどの金属酸化物、ベーマイトなどの水和物などが挙げられ、小粒径の均一な粒子が比較的安価に入手できることから、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアが好ましい。これらのセラミック粒子の中でも粒子の硬度が高く、リチウムの析出を抑制できるため、アルミナが特に好ましい。
セラミック粒子の粒径は、0.02〜2.0μmであることが好ましく、0.05〜1.0μmであることがより好ましい。セラミック粒子の粒径が上記範囲内であると、隣接するセラミック粒子間に形成される隙間(空隙)の大きさが適切となり、電解液(リチウム塩高濃度電解液)がより一層含浸されやすいセラミック層4となる。その結果、セラミック層4を介して、セラミック層4に接しているセパレータ3、正極1の正極活物質層1Bおよび負極2の負極活物質層2Bに、より一層電解液が含浸されやすくなる。
セラミック層4に含まれるバインダーとしては、公知のものを用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)などが挙げられる。
これらの中でも、リチウム塩高濃度電解液との親和性が高いため、セラミック層4に含まれるバインダーとしてCMCおよび/またはPAAを用いることが好ましい。
セラミック層4中のセラミック粒子の含有量は、50〜99重量%であることが好ましく、80〜98重量%であることがより好ましい。セラミック層4中のバインダーの含有量は、1〜50重量%であることが好ましく、2〜20重量%であることがより好ましい。セラミック層4中のセラミック粒子の含有量が50重量%以上であると、電解液(リチウム塩高濃度電解液)がより一層含浸されやすいセラミック層4となる。セラミック層4中のセラミック粒子の含有量が99重量%以下であると、バインダーの含有量を十分に確保することができ、十分な強度を有するセラミック層4が得られる。
(端子)
図1に示すように、端子20は2つある。一方の端子が正極端子21であり、他方が負極端子22である。端子20の一端(内側端部)は、発電素子10に接続され、他端(外側端部)は外装体30の外部に延出している。2つの端子20は、それぞれ同じ方向に延出していてもよいし、異なる方向に延出していてもよい。
図2に示すように、正極端子21は正極集電体1Aに接続され、負極端子22は負極集電体2Aに接続されている。接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶接、ネジ止め等の方法を用いることができる。端子20には、アルミニウム、ニッケル等の導電材料を用いることができる。
(外装体)
外装体30は、内部に発電素子10及び電解液を密封する。外装体30の材料としては、例えば、金属箔を高分子膜で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔としては、例えばアルミ箔を用いることができる。外側の高分子膜の材料としては、融点の高い高分子である、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましい。内側の高分子膜の材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
図1に示す外装体30は、凹部を内面側に有する第1面30Aと、凹部を内面側に有する第2面30Bとが折りたたまれて、収容空間Kを構成する。第1面30Aと第2面30Bとは、外周をシールして密着される。
外装体30は、図1に示すように、第1面30Aと第2面30Bとが折りたたまれて収容空間Kを形成するものに限られず、二枚のフィルムを接合したものでもよい。凹部は、図1に示すように、二枚のフィルムのそれぞれに設けてもよいし、一方のフィルムのみに設けてもよい。
[非水電解液二次電池の製造方法]
次に、非水電解液二次電池100を製造する方法について説明する。
はじめに、正極1と負極2をそれぞれ形成する。
正極1を製造するには、まず、正極活物質、バインダー及び溶媒を混合して塗料を作製する。塗料には、必要に応じて導電材を更に加えても良い。溶媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。正極活物質と導電材とバインダーの構成比率は、質量比で80質量%〜98質量%:0.1質量%〜10質量%:0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100質量%となるように調整される。塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されず、混合順序も特に制限されない。
次に、上記塗料を、正極集電体1Aに塗布する。塗料の塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
正極1と負極2は活物質となる物質が異なるだけであるため、正極1と負極2は同様の製造方法で作製できる。したがって、負極2についても正極1と同様にして塗料を作製し、得られた塗料を負極集電体2A上に塗布する。
続いて、正極集電体1A上及び負極集電体2A上にそれぞれ塗布された塗料中の溶媒を除去する。溶媒の除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体1A及び負極集電体2Aを、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させる。
以上の工程により、正極1及び負極2が得られる。
次に、本実施形態では、セパレータ3の両方の表面上にセラミック層4を形成する。
まず、セラミック粒子とバインダーと溶媒とを混合して塗料を作製する。溶媒としては、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。塗料を構成するこれらの成分の混合方法は特に制限されない。
次に、上記塗料をセパレータ3の両方の表面に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、スプレー塗布法、ノズル塗布法、凸版印刷法、グラビア印刷法、などが挙げられる。続いて、セパレータ3の両方の表面上に塗布された塗料中から、溶媒を除去する。
以上の工程により、セパレータ3の両方の表面にセラミック層4が形成される。
次に、正極1と負極2との間に、両面にセラミック層4が形成されたセパレータ3が配置されるように積層し、発電素子10とする。その後、正極1および負極2に、それぞれ端子を溶接する。次いで、発電素子10を外装体30に封入する。最後に、電解液を外装体30内に注入し、外装体30の外周を熱圧着(ヒートシール)する。
以上の工程により、非水電解液二次電池100が作製される。
なお、外装体30に電解液を注入する工程を行わず、発電素子10を電解液に含浸させてから外装体30内に入れてもよい。
本実施形態の非水電解液二次電池100は、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であるリチウム塩高濃度電解液であって、芳香族スルホンイミドとアセチレンアルコール類とを含む添加剤(C)を含有する電解液を含む。このため、本実施形態の非水電解液二次電池100は、良好なサイクル特性を有する。
特に、本実施形態の非水電解液二次電池が、金属リチウムからなる負極活物質を含む場合、負極上にデンドライト状(樹状)に金属リチウムが析出することを抑制でき、好ましい。
本実施形態の非水電解液二次電池100は、正極1とセパレータ3との間と、負極2とセパレータ3との間の両方に、セラミック粒子を含むセラミック層4が配置されている。このため、本実施形態の非水電解液二次電池100では、セラミック層4を介して、セパレータ3、正極1、負極2にリチウム塩高濃度電解液が含浸されやすい。
この理由は、次のように考えられる。すなわち、セラミック層4に含まれるセラミック粒子は、従来、セパレータとして使用されているポリオレフィンフィルムなどと比較して、リチウム塩高濃度電解液に対する濡れ性が高く、馴染みやすい。また、セラミック層4に含まれるセラミック粒子は、隣接するセラミック粒子間に隙間を形成する。この隙間は、セラミック層4に浸透したリチウム塩高濃度電解液の流路となる。このため、セラミック層4は、リチウム塩高濃度電解液が含浸されやすいものと推定される。
また、セラミック層4と接して配置されているセパレータ3、正極1、負極2には、セラミック層4に含浸されたリチウム塩高濃度電解液が、セラミック層4から供給される。このことによって、セパレータ3、正極1、負極2にも、リチウム塩高濃度電解液が容易に浸透するものと推定される。
その結果、本実施形態の非水電解液二次電池100によれば、リチウム塩高濃度電解液が、セパレータ3、正極1、負極2の少なくともいずれか1つに含浸しないことによる電池特性への影響を抑制でき、高いエネルギー密度が得られる。
また、本実施形態の非水電解液二次電池100は、正極1と負極2とセパレータ3とセラミック層4とが積層された積層型の構造を有する。このため、例えば、捲回型の構造を有する非水電解液二次電池である場合と比較して、リチウム塩高濃度電解液が、セパレータ3、正極1、負極2の少なくともいずれか1つに含浸しないことによる電池特性への影響が、より効果的に抑制される。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述した。上述した各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
(他の例)
上述した実施形態では、セラミック層4を有する非水電解液二次電池100を例に挙げて説明したが、セラミック層は設けられていなくてもよい。
上述した実施形態では、セラミック層4が、正極1とセパレータ3との間と、負極2とセパレータ3との間の両方に配置されている場合を例に挙げて説明したが、セラミック層は、正極とセパレータとの間と、負極とセパレータとの間のうち、一方のみに配置されていてもよい。
上述した実施形態では、セラミック層4が、セパレータ3、正極1、負極2に接して配置されている場合を例に挙げて説明したが、セラミック層は、セパレータ、正極、負極に一部または全部が接していなくてもよい。すなわち、非水電解液二次電池において正極とセパレータとの間にセラミック層が配置されている場合、セラミック層と、セパレータおよび正極とが接していなくても、セラミック層と、セパレータおよび正極とは近接配置される。その結果、セラミック層に含浸されたリチウム塩高濃度電解液と、セパレータおよび正極とが接触し、セラミック層に含浸されたリチウム塩高濃度電解液が、セラミック層からセパレータおよび正極に供給されるためである。非水電解液二次電池において負極とセパレータとの間にセラミック層が配置されている場合も同様である。
上述した実施形態では、セラミック層4がセパレータ3の両方の表面に形成されている場合を例に挙げて説明したが、セラミック層4はセパレータ3の表面に形成しなくてもよい。この場合、例えば、セラミック層を正極および/または負極の表面に形成してもよい。セラミック層を正極および/または負極の表面に形成する方法としては、セラミック層をセパレータの表面に形成する場合と同様の方法を用いることができる。なお、セラミック層は、正極および/または負極の表面に形成する場合よりも、セパレータの表面に形成する場合の方が、基材として用いるセパレータが、セラミック層を形成する際に使用する溶媒成分およびバインダー成分の影響を受けにくく、平滑であるため、容易に形成できる。
また、正極、負極、セパレータ、セラミック層を、それぞれ個別に形成してから積層することにより、正極とセパレータとの間と、負極とセパレータとの間のうち、一方または両方に、セラミック層を配置してもよい。セラミック層を、正極、負極、セパレータとは別に形成する場合、例えば、あらかじめポリエチレンテレフタレート(PET)などの剥離フィルムにセラミック層を形成したのちに転写する方法により形成できる。
上述した実施形態では、積層型の構造を有する非水電解液二次電池を例に挙げて説明したが、非水電解液二次電池は、積層型の構造に限定されるものではなく、正極と負極との間にセラミック層を介してセパレータが配置された積層体を捲回してなる捲回型の構造であってもよい。
(実施例1〜12、比較例1〜3)
「電解液の調製」
表1に示すリチウムイミド塩(A)と表1に示す溶媒(B)と表1に示す添加剤(C)とを、混合することによって、実施例1〜12、比較例1〜3の電解液を得た。
各電解液中のリチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)、添加剤(C)に含まれる芳香族スルホンイミド(C−1)とアセチレンアルコール類(C−2)とのモル比(C−1:C−2)、リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)との合計100質量部に対する添加剤(C)の含有量を表1に示す。
表1中の下記の記号は、以下に示す化合物である。
LiFSI:リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド
LiTFSI:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
LiBETI:リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)
DMC:ジメチルカーボネート
PC:プロピレンカーボネート
THF:テトラヒドロフラン
P13FSI:N−メチル−N−プロピル−ピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド
G1:エチレングリコールジメチルエーテル
G3:トリエチレングリコールジメチルエーテル
実施例1〜12、比較例1〜3の電解液をそれぞれ用いて、以下に示す方法により、実施例1〜12、比較例1〜3の非水電解液二次電池を作製した。
「正極の作成」
正極活物質としてのNCA(組成:LiNi0.80Co0.15Al0.05)と、バインダーとしてのPVDFと、溶媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)と、導電材としてのアセチレンブラックとを混合して塗料を作製した。
正極活物質と導電材とバインダーの構成比率は、質量比で98:1:1であった。
上記塗料を、アルミニウム箔からなる正極集電体1Aにノズル塗布法により塗布し、100℃の雰囲気下で乾燥させ正極1を得た。
「負極の作成」
負極活物質として金属リチウムを用い、バインダーとしてのポリアミドイミド(PAI)と、溶媒としてのNMPと、導電材としてのアセチレンブラックとを混合して塗料を作製した。
負極活物質と導電材とバインダーの構成比率は、質量比で90:5:5であった。
上記塗料を、銅箔からなる負極集電体2Aにノズル塗布法により塗布し、120℃の雰囲気下で乾燥させ負極2を得た。
「セラミック層の形成」
ポリエチレン(PE)からなり、厚み9μm、空隙率38%のセパレータ3を用意し、セパレータ3の両方の表面上に、以下に示す方法によりセラミック層4を形成した。
Al(アルミナ)からなり、粒径0.5μmのセラミック粒子と、バインダーとしてのCMCと、溶媒としての水とを混合して塗料を作製した。次に、上記塗料をセパレータ3の両方の表面にノズル塗布法により塗布し、100℃の雰囲気下で乾燥させて溶媒を除去し、厚み1.5μmおよび空隙率46%のセラミック層4を得た。セラミック層4中のセラミック粒子の含有量は、90重量%であった。
非水電解液二次電池に用いたセパレータの厚みおよび空隙率、セラミック層4の形成に使用したセラミック粒子の粒径、得られたセラミック層4の厚みおよび空隙率は、以下に示す方法により求めた。
(セパレータの厚み)
マイクロメーターを用いて、セパレータの厚みを9箇所測定し、その平均値を求めた。
(セパレータの空隙率)
セパレータに含まれる材料の真密度から、セパレータの真密度を算出し、セパレータの質量で除することで、空隙率0%の場合のセパレータの厚みを求めた。
そして、空隙率0%の場合のセパレータの厚みを、上記のセパレータの厚みの平均値で除することにより、セパレータの空隙率を得た。
(セラミック粒子の粒径)
セラミック粒子の粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いて粒度分布を測定し、D50を粒径とした。
(セラミック層の厚み)
マイクロメーターを用いて、両面にセラミック層の形成されたセパレータの厚みを9箇所測定し、その平均値を求めた。そして、両面にセラミック層の形成されたセパレータの厚みの平均値から上記のセパレータの厚みの平均値を減ずることにより、両面に形成されたセラミック層の厚みの合計寸法を算出し、その値の半分の値をセラミック層の厚みとした。
(セラミック層の空隙率)
両面にセラミック層の形成されたセパレータの質量を測定し、基材として用いたセパレータの質量を減ずることにより、両面に形成されたセラミック層の質量の合計を算出し、その値の半分の値をセラミック層の質量とした。また、セラミック層に含まれるセラミック粒子およびバインダーの真密度と、組成比から、セラミック層の真密度を算出した。
得られたセラミック層の真密度を、セラミック層の質量で除することで、空隙率0%の場合のセラミック層の厚みを求めた。このようにして求めた空隙率0%の場合のセラミック層の厚みを、上記のセラミック層の厚みで除することで、セラミック層の空隙率を得た。
「非水電解液二次電池の作製」
このようにして得られた正極1と、負極2と、両面にセラミック層4の形成されたセパレータ3とを、それぞれ所定の寸法に切断した。
次に、正極1と負極2との間に、両面にセラミック層4が形成されたセパレータ3が配置されるように積層し、発電素子10とした。その後、正極1にアルミニウムを主成分とするリード端子を溶接し、負極2にニッケルを主成分とするリード端子を溶接した。次いで、発電素子10を外装体30に封入した。最後に、表1に示す電解液を外装体30内に注入し、外装体30の外周を熱圧着(ヒートシール)した。
このようにして作製した実施例1〜12、比較例1〜3の非水電解液二次電池について、以下の方法によって100サイクル後のエネルギー密度を測定した。その結果を表1に示す。
二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用いて、非水電解液二次電池に、充電レート0.5Cで4.2Vまで定電流定電圧充電し、放電レート1Cで2.5Vまで定電流放電する充放電を100サイクル行い、100サイクル目のエネルギー密度を測定した。
表1に示すように、実施例1〜12の非水電解液二次電池は、100サイクル後のエネルギー密度が高かった。
これに対し、比較例1の非水電解液二次電池は、電解液が添加剤(C)を含まないため、添加剤(C)を含む実施例1と比較して、エネルギー密度が低かった。
また、比較例2の非水電解液二次電池は、電解液が芳香族スルホンイミド(C−1)を含むため、比較例1と比較して高いエネルギー密度であった。しかし、比較例2の非水電解液二次電池は、電解液がアセチレンアルコール類(C−2)を含まないため、添加剤(C)として芳香族スルホンイミド(C−1)とアセチレンアルコール類(C−2)を含む実施例1と比較して、エネルギー密度が低く、十分に高いエネルギー密度は得られなかった。これは、比較例2では、電解液がアセチレンアルコール類(C−2)を含まないため、芳香族スルホンイミド(C−1)の分解が抑制されなかったことによるものと推定される。
比較例3の非水電解液二次電池は、電解液が芳香族スルホンイミド(C−1)を含まないため、添加剤(C)として芳香族スルホンイミド(C−1)とアセチレンアルコール類(C−2)を含む実施例1と比較して、エネルギー密度が低かった。また、比較例3の非水電解液二次電池は、添加剤(C)を含まない比較例1よりもエネルギー密度が低かった。すなわち、添加剤(C)としてアセチレンアルコール類(C−2)を単独で含有する電解液を用いることで、非水電解液二次電池のサイクル特性が悪化することが分かった。
実施例1、比較例1〜比較例3の結果から、アセチレンアルコール類(C−2)は、芳香族スルホンイミド(C−1)との相互作用によってはじめてレベリング作用を発揮することが分かった。
実施例10と比較例1について、100サイクル後の非水電解液二次電池を解体し、負極の表面を観察した。その結果を図3および図4に示す。
図3は、実施例10の負極の表面の写真である。図4は、比較例1の負極の表面の写真である。図3および図4に示すように、実施例10では、比較例1と比較して、負極の表面の析出物が小さく、析出物の大きさのばらつきも小さく、析出物の成長が抑制されていることが確認できた。これは、実施例10の非水電解液二次電池における電解液が、添加剤(C)を含むことによるものであると推定される。
1 正極
1A 正極集電体
1B 正極活物質層
2 負極
2A 負極集電体
2B 負極活物質層
3 セパレータ
4 セラミック層
10 発電素子
20 端子
21 正極端子
22 負極端子
30 外装体
30A 第1面
30B 第2面
100 非水電解液二次電池
K 収容空間

Claims (8)

  1. リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)と添加剤(C)とを含有し、
    リチウムイミド塩(A)と溶媒(B)とのモル比(A:B)が1:0.8〜1:2.0であり、
    前記添加剤(C)が芳香族スルホンイミドとアセチレンアルコール類とを含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電解液。
  2. 前記芳香族スルホンイミドが、式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電解液。
    [式(1)中、Rは、H、Li、Naのいずれかである。]
  3. 前記アセチレンアルコール類が、式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非水電解液二次電池用電解液。
    −C≡C−R・・・(2)
    [式(2)中、RおよびRは、水素原子、または水酸基を有してもよい炭素数1〜3の飽和炭化水素であり、RとRのうちの一方または両方が水酸基を有する。]
  4. 前記溶媒(B)が、カチオン成分と、イミドアニオンを含むアニオン成分とを含む常温溶融塩であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電解液。
  5. 前記溶媒(B)が、下記式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電解液。
    R−O(CHCHO)−R'・・・(3)
    [式(3)中、R及びR'は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の飽和炭化水素であり、nは1〜4の整数である。]
  6. 正極と、負極と、セパレータと、電解液とを有し、
    前記電解液が、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電解液であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  7. 前記負極が金属リチウムからなる負極活物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の非水電解液二次電池。
  8. 前記正極と前記セパレータとの間と、前記負極と前記セパレータとの間のうち、一方または両方に、セラミック粒子を含むセラミック層が配置されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の非水電解液二次電池。
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