JP2019157968A - 回転伝達装置 - Google Patents

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Takahide Saito
隆英 齋藤
佐藤 光司
Koji Sato
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Abstract

【課題】クラッチ機構のローラが中立位置にある状態で入力側部材及び保持器と共に出力側部材の円筒面に対して高速回転することによるローラや円筒面の摩耗を防ぐ。【解決手段】保持器18が、周方向にローラ17と当接可能なポケット面24を有する。ポケット面24が、中立位置で円筒面15に接触するローラ17の中心軸よりも外方側の位置でローラ17に接触し、かつ内方側に向かって次第にローラ17から遠ざかる形状を有する。これにより、そのローラ17に対して内方側に向けた荷重が発生し、円筒面15に対するローラ17の引き摺りトルクが低減される。【選択図】図1

Description

この発明は、動力伝達経路における動力の伝達と遮断の切り替えに用いられる回転伝達装置に関する。
従来、回転伝達装置として、入力側部材と、この入力側部材の外方に配置された内周部を有する出力側部材と、それら入力側部材と出力側部材間で回転トルクの伝達と遮断を行うクラッチ機構とを備えるものが知られている。そのクラッチ機構は、出力側部材の内周部に設けられた円筒面と、入力側部材に設けられ前記円筒面との間にくさび空間を形成するカム面と、円筒面とカム面との間に配置されたローラと、ローラを保持する保持器とを有する。保持器は、周方向にローラと当接可能なポケット面を有する。ローラは、カム面に対する保持器の相対回転によって円筒面及びカム面に係合する係合位置と、当該係合を解除する中立位置との間を移動可能に配置されている。保持器とカム面間の相対回転を制御する手段として、電磁アクチュエータが利用されている。
例えば、特許文献1、2のような回転伝達装置は、スイッチばねと、電磁石と、ロータと、アーマチュアとを備える。スイッチばねは、入力側部材に対する保持器の相対回転により弾性変形させられ、その復元弾性によりローラが中立位置に移動するように保持器を復帰回転させる。アーマチュアは、軸方向に移動可能に支持されており、電磁石の電磁コイルに対する通電により、保持器に対して回り止めされる。ロータは、出力側部材に回り止めされている。アーマチュアが、前述の通電により、ロータに吸着されると、保持器が、アーマチュア、ロータを介して出力側部材に接続され、その保持器と入力側部材の相対回転により、ローラが出力側部材の円筒面および入力側部材のカム面に係合させられ、入力側部材と出力側部材間において回転トルクが伝達される。前述の通電を解除すると、スイッチばねのばね力により保持器が復帰回転させられ、この保持器のポケット面に周方向に押されるローラが中立位置に移動させられ、円筒面及びカム面に対するローラの係合が解除される。
特開2007−247713号公報 特開2005−90678号公報
上述のようなクラッチ機構においては、ローラが中立位置にある状態で入力側部材が高速に回転する場合、その入力側部材のカム面と保持器のポケット面に保持されたローラが入力側部材及び保持器と共に高速に回転する。このため、ローラに作用する遠心力によりローラが出力側部材の円筒面に押し付けられ、その状態で入力側部材及び保持器と共に円筒面に対して相対的に高速回転し続けるため、円筒面とローラの接触部で引き摺りトルクが増大し、ローラや円筒面が摩耗する可能性があった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、クラッチ機構のローラが中立位置にある状態で入力側部材及び保持器と共に出力側部材の円筒面に対して高速回転することによるローラや円筒面の摩耗を防ぐことである。
上記の課題を達成するため、この発明は、入力側部材と、前記入力側部材の外方に配置された内周部を有する出力側部材と、前記入力側部材と前記出力側部材間で回転トルクの伝達と遮断を行うクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構が、前記出力側部材の前記内周部に設けられた円筒面と、前記入力側部材に設けられ前記円筒面との間にくさび空間を形成するカム面と、前記円筒面と前記カム面との間に配置されたローラと、前記ローラを保持する保持器とを有し、前記保持器が、周方向に前記ローラと当接可能なポケット面を有し、前記ローラが、前記保持器の相対回転によって前記円筒面及び前記カム面に係合する係合位置と、当該係合を解除する中立位置との間を移動可能に配置されている回転伝達装置において、前記ポケット面が、前記中立位置で前記円筒面に接触する前記ローラの中心軸よりも外方側の位置で当該ローラに接触可能であってかつ内方側に向かって次第に当該ローラから遠ざかる形状を有する構成を採用したものである。
上記構成によれば、中立位置のローラが遠心力によって円筒面に接触する状態のとき、そのローラの中心軸よりも外方側の位置でローラとポケット面が接触する。そのポケット面が内方側に向かって次第にそのローラから遠ざかる形状を有するため、そのローラに対して内方側に向けた荷重が発生する。このため、遠心力によりローラが円筒面に押付けられる荷重が低減される。これにより、ローラと円筒面間の引き摺りトルクが低減されるので、ローラや円筒面の摩耗を防止することができる。
具体的には、前記ポケット面が、一定の傾斜角を有する斜面からなることが好ましい。このようにすると、遠心力による保持器の拡径変形でポケット面が変位しても、ポケット面とローラが一定の角度で接触するため、空転速度に応じた荷重を発生させることができる。
また、前記保持器が、周方向に並ぶ複数の柱部と、これら柱部の軸方向一方側に連続する第一環部と、これら柱部の軸方向他方側に連続する第二環部とを有し、前記ポケット面が、前記柱部に形成されており、前記ローラが、周方向に隣り合う前記柱部間に収容されているとよい。このような保持器は、両持ち梁の柱部になるので、ローラに対する内方側に向けた荷重の発生時に柱部の撓み変形を抑えて当該荷重の損失を防ぐことができる。
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、クラッチ機構のローラが中立位置にある状態で入力側部材及び保持器と共に出力側部材の円筒面に対して高速回転する際、ローラと円筒面間の引き摺りトルクが低減されるので、ローラや円筒面の摩耗を防ぐことができる。
この発明の実施形態に係る回転伝達装置のローラと保持器の接触態様を示す断面図 図1の回転伝達装置の全体的な構造を示す断面図
この発明の一例としての実施形態を図1〜図2に基づいて説明する。図1、図2に示すように、実施形態に係る回転伝達装置は、入力側部材1と、入力側部材1と同軸上に配置された出力側部材2と、入力側部材1と出力側部材2間で入力側部材1から出力側部材2への回転の伝達と遮断とを行なうクラッチ機構3とを備える。
以下、入力側部材1と出力側部材2の軸線(回転中心線)に沿った方向を「軸方向」という。また、その軸方向に直交する方向を「径方向」という。また、その軸線回りの円周方向を「周方向」という。
クラッチ機構3は、筒状のハウジング4によって覆われている。
入力側部材1は、動力伝達経路の構成要素となる軸である。入力側部材1は、中空軸状に形成されている。入力側部材1の内周側には、外部から回転トルクを伝達する入力軸Sが連結されている。入力軸Sは、ハウジング4の軸方向一方側(図2において左側)の開口部5に挿通されている。ハウジング4の開口部5と入力軸Sとの間にシールないし軸受6が設けられている。シール6の場合、軸Sとハウジング4間を密封するためのものである。軸受6の場合、入力軸Sをハウジング4に対して回転自在に支持するためのものであり、シール付転がり軸受を採用してシールを兼ねてもよい。
出力側部材2は、動力伝達経路の構成要素となる軸であって、クラッチ機構3から回転トルクを伝達される部材である。出力側部材2は、入力側部材1の外方に配置された内周部7と、ハウジング4の軸方向他方側(図2において右側)から外部へ延びる軸部8とを有する。出力側部材2の外周とハウジング4の内周との間に軸受9が設けられている。軸受9は、出力側部材2をハウジング4に対して回転自在かつ軸方向に非可動に支持するためのものである。軸部8は、動力伝達経路の他の構成要素に連結される。
なお、出力側部材2として内周部7と軸部8とが一体の部材に形成された例を示したが、出力側部材に軸部は必須でなく、他の軸を出力側部材に連結するようにしてもよい。また、入力側部材1として入力軸Sに連結されるものを例示したが、入力側部材に軸部を一体に形成し、その軸部を他の構成要素に連結するようにしてもよい。それらの連結手段は特に限定されず、例えば、セレーション嵌合、スプライン嵌合、キーによる連結等が挙げられる。
出力側部材2の外周とハウジング4の軸方向他方側との間にシール10が設けられている。シール10は、外部からの異物侵入、ハウジング4内から外部への流動性潤滑剤の漏洩を防止するためのものである。
入力側部材1は、入力側部材1の軸方向中間位置で径方向に突き出たカムリング部11と、カムリング部11に対して軸方向一方側に位置する第一端部12と、カムリング部11に対して軸方向他方側に位置する第二端部13とを有する。第二端部13の外周と出力側部材2の内周部7との間に軸受14が設けられている。軸受14は、入力側部材1を出力側部材2に対して回転自在に支持するためのものである。
クラッチ機構3は、出力側部材2の内周部7に設けられた円筒面15と、入力側部材1のカムリング部11の外周に設けられたカム面16と、円筒面15とカム面16との間に配置されたローラ17と、ローラ17を保持する保持器18と、保持器18の位相をばね力で保持するスイッチばね19と、クラッチ機構3の係合、解除を制御する電磁アクチュエータ20とを有する。
円筒面15は、周方向全周に連続する。カム面16は、円筒面15との間にくさび空間を形成する。そのくさび空間は、カム面16の周方向中央から周方向両端に向かって次第に狭小となっている。すなわち、カム面16と円筒面15との間の径方向の距離は、カム面16の周方向中央に位置する図1のローラ17の位置から周方向の一方向(図1において左回り)に向かって次第に小さくなり、また、当該ローラ17の位置から周方向の他方向(図1において右回り)に向かって次第に小さくなっている。なお、カム面16を単一平面で構成した例を示したが、カム面を複数の面で構成してもよいし、単一の曲面で構成することも可能である。
入力側部材1の外周には、周方向に間隔をおいて複数のカム面16が形成されている。すなわち、複数のくさび空間が形成され、各くさび空間にローラ17が配置されている。
ローラ17は、円筒ころ状に形成されている。ローラ17は、カム面16に対する保持器18の相対回転によって円筒面15及びカム面16に係合する係合位置と、円筒面15及びカム面16との係合を解除する中立位置との間を移動可能に配置されている。ローラ17は、入力側部材1に対して保持器18が相対回転した際、円筒面15およびカム面16に係合して、入力側部材1と出力側部材2間で回転トルクを伝達する。
保持器18は、周方向に並ぶ複数の柱部21と、これら柱部21の軸方向一方側に連続する第一環部22と、これら柱部21の軸方向他方側に連続する第二環部23とを有する。周方向に隣り合う柱部21間の空間が、ローラ17を収容する空間になっている。
柱部21に外接する仮想円の直径(柱部21の外径)は、ローラ17の中心軸Oを通る仮想円の直径(ローラ17のピッチ円直径)よりも大径に設定され、柱部21に内接する仮想円の直径(柱部21の内径)は、ローラ17のピッチ円直径よりも小径に設定されている。
柱部21は、図1に示すように、ローラ17と周方向に当接可能なポケット面24を有する。ポケット面24は、各柱部21の周方向両側にそれぞれ形成されている。ローラ17は、周方向に対向するポケット面24との当接により、カム面16に対する周方向位置が制限され、また、保持器18と共に強制的に回転させられる。
ポケット面24は、中立位置で円筒面15に接触するローラ17の中心軸Oよりも外方側(径方向に関して保持器18の外径側)の位置で当該ローラ17に接触可能であってかつ内方側(径方向に関して保持器18の内径側)に向かって次第に当該ローラ17から遠ざかる形状を有する。
図の例では、ポケット面24が、一定の傾斜角θをもった傾斜面からなる。ここで、傾斜角θは、周方向に隣り合う柱部21間の空間を周方向に二等分する仮想アキシアル平面Pva(前述の軸線を含む平面)とポケット面24が成す鋭角である。
なお、ポケット面は、傾斜面状に限定されず、例えば、ローラ17の転動面における曲率に比して小さな曲率を有する円弧面状にすることができる。また、ポケット面24が柱部21の径方向厚さの全域に形成された例を示したが、ポケット面は、中立位置のローラが円筒面に接触する状態で当該ローラと接触し得る範囲の保持器部分にあればよい。
図2に示すように、保持器18の第二環部23は、内向きのフランジを有する。第二環部23は、そのフランジの内周において入力側部材1の第二端部13の外周に回転自在に嵌合されている。保持器18は、第二環部23のフランジにおいて、カムリング部11と止め輪25とにより、軸方向に位置決めされている。止め輪25は、第二端部13に形成された止め輪溝に取り付けられている。
保持器18の全体的な形状は、例えば、金属板を素材としたプレス加工や、粉末冶金によって形成される。プレス加工で保持器18の全体的な形状を形成する場合、例えば、金属板として鋼板を用い、ポケット面24の形状は、例えば、柱部に対する面押し加工、削り出し等の方法で形成することができる。
図2に示すスイッチばね19は、入力側部材1に対する保持器18の相対回転により弾性変形し、その復元弾性によって当該保持器18を復帰回転させる弾性部材からなり、ローラ17が中立位置となるように保持器18を弾性的に保持する。スイッチばね19は、入力側部材1の第一端部12上に配置されている。クラッチ機構3は、スイッチばね19を第一端部12上に保つばね保持リング26を有する。
スイッチばね19は、C形のリング部の両端に一対の係合片27を外向きに形成した金属ばねからなる。スイッチばね19のリング部は、第一端部12の外周に通され、入力側部材1に形成された凹部28内に嵌合されている。凹部28は、カムリング部11の端面において軸方向に一定の深さをもっている。スイッチばね19の一対の係合片27は、凹部28の外側壁に形成された切欠部から、保持器18の第一環部22に形成された切欠部29内に挿入されている。スイッチばね19の一対の係合片27は、凹部28の切欠部、保持器18の切欠部29を周方向の相反する方向に向かって押圧する。その押圧によって、保持器18は、ローラ17が中立位置となる位相に保持される。
ばね保持リング26は、入力側部材1の第一端部12の外周および保持器18の第一環部22の内周に嵌合されている。ばね保持リング26は、第一端部12の外周に取り付けられた止め輪30により、軸方向一方側への移動が阻止されている。このため、凹部28からのスイッチばね19の脱出は、ばね保持リング26によって防止される。
電磁アクチュエータ20は、保持器18の第一環部22と軸方向に対向するアーマチュア31と、アーマチュア31と軸方向に対向するロータ32と、ロータ32と軸方向に対向する電磁石33と、アーマチュア31をロータ32から離反する方向に押圧する離反ばね34とを有する。
アーマチュア31は、入力側部材1の第一端部12の外周にスライド自在に嵌合されている。アーマチュア31は、保持器18に対して回り止めされている。アーマチュア31には、回り止め用の係合孔部43が形成されている。保持器18は、第一環部22から係合孔部43内へ延びる突片部44を有する。突片部44は、アーマチュア31のストロークの全範囲で係合孔部43と周方向に係合可能である。その係合により、アーマチュア31は、保持器18に対して軸方向に移動可能な状態で回り止めされている。なお、アーマチュアと保持器の回り止めは、特許文献2のようにコネクティングプレートを介在させる構造にしてもよい。
ロータ32は、内方円筒部と、この内方円筒部の外方に位置する外方円筒部とを有する。ロータ32は、その外方円筒部の外周においてロータガイド45内に圧入されている。ロータガイド45は、出力側部材2の外周端部に取り付けられている。ロータ32は、ロータガイド45を介して出力側部材2に対して回り止めされている。このため、ロータ32は、出力側部材2と一体に回転することができる。なお、ロータガイド45は、非磁性体によって形成されている。
ロータ32の内方円筒部の内周と入力軸Sの外周との間に軸受46が設けられている。軸受46は、ロータ32を入力軸Sに対して回転自在に支持するためのものである。
電磁石33は、フィールドコア47と、フィールドコア47に支持された電磁コイル48とからなる。電磁石33 は、ロータ32の内方円筒部と外方円筒部との間の空間に配置されている。フィールドコア47は、ハウジング4の閉塞端に回転不可な状態に支持されている。
離反ばね34は、アーマチュア31とロータ32の対向面間に介在している。アーマチュア31がロータ32から軸方向に離反する量は、止め輪30により制限される。なお、止め輪30は、ばね保持リング26の規制用と兼用にしたが、別途に設けてもよい。
実施形態に係る回転伝達装置の動作について説明する(図1、図2を適宜、参照)。先ず、電磁アクチュエータ20の電磁コイル48への通電が遮断されている状態では、ローラ17が中立位置にあり、保持器18は、スイッチばね19のばね力により、カム面16に対してローラ17を中立位置に保つ位相に保持される。このため、入力軸Sが図1における左回り又は右回りのいずれに回転したとしても、入力軸Sと一体に回転する入力側部材1の回転トルクは、出力側部材2に伝達されず、出力側部材2に対して入力側部材1が空転(フリー回転)する。つまり、クラッチ機構3は、入力側部材1から出力側部材2への回転トルクの伝達を遮断する係合解除状態にある。
この係合解除状態のとき、入力側部材1の回転は、スイッチばね19を介して保持器18に伝達され、保持器18及びローラ17が共に回転する。また、アーマチュア31は、保持器18に回り止めされているため、アーマチュア31も共に回転する。
入力側部材1が回転する状態において、電磁コイル48に通電すると、アーマチュア3 1 に吸引力が付与される。このため、アーマチュア31は、離反ばね34の弾性に抗して移動し、ロータ32に吸着される。
ロータ32とアーマチュア31の吸着面に作用する摩擦抵抗は、保持器18の回転抵抗となる。その摩擦抵抗は、スイッチばね19のばね力よりも予め大きな値に設定されている。このため、スイッチばね19が弾性変形を生じて、保持器18が入力側部材1に対して相対回転する。その相対回転により、ローラ17は、円筒面15とカム面16間のくさび空間の狭小部に押し込まれて円筒面15及びカム面16に係合する。このため、入力側部材1の回転トルクは、ローラ17を介して出力側部材2に伝達される。つまり、クラッチ機構3は、入力側部材1から出力側部材2への回転トルクを伝達する係合状態にある。
この係合状態において、電磁コイル48 に対する通電を遮断すると、離反ばね34の押圧により、アーマチュア31はロータ32から離反して、止め輪30に当接する位置まで移動する。また、アーマチュア31がロータ32から離反すると、スイッチばね19のばね力により、保持器18が入力側部材1に対して係合時の逆方向に回転し、柱部21のポケット面24に押されたローラ17が中立位置に戻る。このため、クラッチ機構3は、係合解除状態に戻る。
例えば、図1に示すように、クラッチ機構3が係合解除状態にあって入力側部材1が右回り(矢線A方向)に回転するとき、入力側部材1と保持器18がスイッチばね19によって弾性的に連結されているため、入力側部材1及び保持器18が共に右回りに回転する。その保持器18の柱部21のポケット面24に当接するローラ17も保持器18等と共に右回りに回転する。
このため、入力側部材1が高速に右回りに空転する場合、ローラ17は、遠心力により径方向外方へ移動して円筒面15に接触する。その接触部に作用する摩擦抵抗力μ・Nにより、ローラ17及び保持器18を円筒面15に対して引き摺る引き摺りトルクが発生する。この引き摺りトルクは、ローラ17を自転させようとすると共に、スイッチばね19のばね力に抗して作用し、入力側部材1に対して保持器18を相対回転させようとする。このとき、ローラ17は、右回りの回転において回転方向後ろ側となる図中左側の柱部21のポケット面24に接触する。
このとき、ポケット面24が、中立位置にあるローラ17の中心軸Oよりも外方側の位置でローラ17に接触し、かつ内方側に向かって次第にローラ17から遠ざかる形状であるため、そのポケット面24とローラ17の接触部において、ローラ17に対して内方側に向けた荷重(摩擦抵抗力μ・F)が発生する。このため、遠心力によりローラ17が円筒面15に押付けられる荷重が低減される。これにより、ローラ17と円筒面15間の引き摺りトルクが低減されるので、ローラ17や円筒面15の摩耗が防止される。
ここで、保持器18の回転速度は、回転が入力される入力側部材1の空転速度で決まり、一定であるとは限らない。回転速度に応じた遠心力によって保持器18に拡径変形が生じ、このため、ポケット面24は、ローラ17の円筒状転動面に対して径方向に僅かに変位する。ポケット面24が一定の傾斜角θをもった斜面からなる場合、空転速度が変化しても、中立位置で円筒面15に接触するローラ17の円筒状転動面と、保持器18のポケット面24とは、傾斜角θに基づく一定の角度をもって接触し、ローラ17に対する前述の荷重が空転速度に応じた大きさで発生する。
このように、図1〜図2に示す回転伝達装置は、クラッチ機構3のローラ17が中立位置にある状態で入力側部材1及び保持器18と共に出力側部材2の円筒面15に対して高速回転する際、前述の引き摺りトルクが低減されるので、ローラ17や円筒面15の摩耗を防止することができる。また、前述の引き摺りトルクの低減による副次的な効果として、実施形態に係る回転伝達装置は、入力側部材1に対する保持器18の不正回転を防止し、クラッチ機構3のミス係合の発生を防止することもできる。
また、実施形態に係る回転伝達装置は、遠心力による保持器18の拡径変形でポケット面24が変位しても、一定の傾斜角θを有するポケット面24とローラ17が一定の角度で接触するため、空転速度に応じた荷重を発生させることができる。
また、実施形態に係る回転伝達装置は、第一環部22と第二環部23による両持ち梁の柱部21を有するので、ローラ17に対する前述の荷重の発生時に柱部21の撓み変形を抑えて当該荷重の損失を防ぐことができる。
今回開示された各実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 入力側部材
2 出力側部材
3 クラッチ機構
7 内周部
15 円筒面
16 カム面
17 ローラ
18 保持器
21 柱部
22 第一環部
23 第二環部
24 ポケット面

Claims (3)

  1. 入力側部材(1)と、前記入力側部材(1)の外方に配置された内周部(7)を有する出力側部材(2)と、前記入力側部材(1)と前記出力側部材(2)間で回転トルクの伝達と遮断を行うクラッチ機構(3)とを備え、
    前記クラッチ機構(3)が、前記出力側部材(2)の前記内周部(7)に設けられた円筒面(15)と、前記入力側部材(1)に設けられ前記円筒面(15)との間にくさび空間を形成するカム面(16)と、前記円筒面(15)と前記カム面(16)との間に配置されたローラ(17)と、前記ローラ(17)を保持する保持器(18)とを有し、
    前記保持器(18)が、周方向に前記ローラ(17)と当接可能なポケット面(24)を有し、前記ローラ(17)が、前記保持器(18)の相対回転によって前記円筒面(15)及び前記カム面(16)に係合する係合位置と、当該係合を解除する中立位置との間を移動可能に配置されている回転伝達装置において、
    前記ポケット面(24)が、前記中立位置で前記円筒面(15)に接触する前記ローラ(17)の中心軸よりも外方側の位置で当該ローラ(17)に接触可能であってかつ内方側に向かって次第に当該ローラ(17)から遠ざかる形状を有することを特徴とする回転伝達装置。
  2. 前記ポケット面(24)が、一定の傾斜角(θ)を有する斜面からなる請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 前記保持器(18)が、周方向に並ぶ複数の柱部(21)と、これら柱部(21)の軸方向一方側に連続する第一環部(22)と、これら柱部(21)の軸方向他方側に連続する第二環部(23)とを有し、前記ポケット面(24)が、前記柱部(21)に形成されており、前記ローラ(17)が、周方向に隣り合う前記柱部(21)間に収容されている請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
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