JP2019157286A - 表面サイズ液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印刷機を用いて印刷用紙に印刷した場合においてインク汚れの発生を抑制することおよび滲みの発生を抑制すること、並びに白色度が良好な印刷用紙を得ることができる、液の安定性に優れる表面サイズ液組成物を提供することである。【解決手段】課題は、非塗工紙型または塗工紙型の印刷用紙を得るために原紙へ付与する澱粉類を含む表面サイズ液組成物であって、水溶性カルシウム塩および蛍光増白剤を少なくとも含有し、前記蛍光増白剤がCAS番号68971−49−3、CAS番号76482−78−5、CAS番号41098−56−0、およびCAS番号99549−42−5を有するものからなる群から選ばれる少なくとも1種である表面サイズ液組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、原紙の表面サイズプレス処理に用いる表面サイズ液組成物に関し、インクジェット印刷機に使用する印刷用紙を得るための表面サイズ液組成物に関する。
インクジェット記録方式は、インクの液滴を微細なノズルから印刷用紙に吐出し、用紙に付着させることによってインクドットを形成して記録を行う方式である。
インクジェット記録方式は、家庭向けおよびSOHO向けの小型プリンター、POPやポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物の生産性および印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
インクジェット記録方式を使用するインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のPageWideWebPressなどがある。
このようなインクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンター、並びにワイドフォーマットインクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では100m/分を超える。このため、インクジェット印刷機は、家庭向けおよびSOHO向け小型インクジェットプリンターおよびワイドフォーマットインクジェットプリンターと区別される。
高品質インクジェット印刷に適した基材を光学増白させるためのサイジング組成物であって、(a)少なくとも1つのバインダー、(b)塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム、および前記化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1つの2価金属塩、(c)水、および(d)特定のスチルベン系の光学増白剤を含む、サイジング組成物が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−165106号公報
印刷速度が100m/分を超えるようなインクジェット印刷機では、インクジェット印刷機に対する印刷用紙の適性が十分でない場合、印刷用紙に着弾したインクが乾燥する前に排紙されることがある。印刷用紙に着弾した未乾燥のインクが、印刷機の搬送ロールを汚染することがある。さらに、汚染された印刷機の搬送ロールによって印刷物にインク汚れが発生することがある。また、印刷物は、印刷用紙に着弾したインクの乾燥が遅れることによって滲みを発生することがある。
さらに、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物に用いる印刷用紙は、白さが好まれるために、印刷用紙は良好な白色度が要求される。
特許文献1のサイジング組成物は、印刷速度が100m/分を超えるようなインクジェット印刷機に使用する印刷用紙において、インク汚れの発生および滲みの発生を十分に抑制することができない。
本発明の目的は、インクジェット印刷機を用いて印刷用紙に印刷した場合においてインク汚れの発生を抑制することおよび滲みの発生を抑制すること、並びに白色度が良好な印刷用紙を得ることができる、液の安定性に優れる表面サイズ液組成物を提供することである。
本発明者は鋭意研究を行った結果、本発明の目的は以下により達成される。
[1]非塗工紙型または塗工紙型の印刷用紙を得るために原紙へ付与する澱粉類を含む表面サイズ液組成物であって、水溶性カルシウム塩および蛍光増白剤を少なくとも含有し、前記蛍光増白剤が、CAS番号68971−49−3を有する2,2′−[1,2−ethenediylbis[(3−sulfo−4,1−phenylene)imino[6−[bis(2−hydroxyethyl)amino]−1,3,5−triazine−4,2−diyl]imino]]bis(1,4−benzenedisulfonic acid) hexasodium salt、CAS番号76482−78−5を有するhexasodium 2−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[[4−[(E)−2−[4−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[(2,5−disulfonatophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]−2−sulfonato−phenyl]ethenyl]−3−sulfonato−phenyl]amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzene−1,4−disulfonate、CAS番号41098−56−0を有する2,2′−(1,2−ethenediyl)bis[5−[[4−(diethylamino)−6−[(2,5−disulfophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzenesulfonic acid] hexasodium salt、およびCAS番号99549−42−5を有するFluorescent Brightener 263からなる群から選ばれる少なくとも1種である表面サイズ液組成物。
[2]前記澱粉類が、燐酸エステル化澱粉である前記[1]に記載の表面サイズ液組成物。
[3]前記水溶性カルシウム塩が、硝酸カルシウムおよび塩化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]または[2]に記載の表面サイズ液組成物。
本発明によって、インクジェット印刷機を用いて印刷用紙に印刷した場合においてインク汚れの発生を抑制することおよび滲みの発生を抑制すること、並びに白色度が良好な印刷用紙を得ることができる、液の安定性に優れる表面サイズ液組成物を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
澱粉類を含む表面サイズ液組成物は、印刷用紙がサイジング効果を得るために原紙へ付与する液組成物である。本発明の澱粉類を含む表面サイズ液組成物は、水溶性カルシウム塩および蛍光増白剤を少なくとも含有する。
表面サイズ液組成物が含む澱粉類は、表面サイズ剤として機能する。澱粉類は、グルコースがグリコシド結合によって重合した多糖類、およびグルコースがグリコシド結合によって重合した多糖類においてグルコースが有する水酸基を種々置換基によって変性した多糖類である。澱粉類の例としては、澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、エーテル化澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、ジアルデヒド澱粉、燐酸エステル化澱粉などのエステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、並びにヒドロキシブチル化澱粉などを挙げることができる。澱粉類は、これらからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。澱粉類は、燐酸エステル化澱粉が好ましい。この理由は、表面サイズ液の液の安定性が良化するからである。
燐酸エステル化澱粉は、燐酸エステル基をグルコースに有する澱粉である。燐酸エステル基を導入する方法の例としては、トリポリ燐酸ナトリウム等の燐酸塩を単独で添加して焙焼反応させる方法を挙げることができる。
表面サイズ液組成物は、澱粉類以外に従来公知の表面サイズ剤を、本発明の効果を阻害しない範囲において澱粉類に併用して含有することができる。従来公知のサイズ剤は、例えば、ポリビニルアルコールおよびその変性誘導体、ロジンおよびそのロジン誘導体、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、ワックス類、スチレン系、スチレン−アクリル系、アクリレート系、オレフィン系、並びに高級脂肪酸系を挙げることができる。
水溶性カルシウム塩は、20℃の水に最終的に1質量%以上溶解することができるカルシウム塩をいう。水溶性カルシウム塩の例としては、硝酸カルシウムおよび塩化カルシウムなどの無機酸のカルシウム塩、並びにギ酸カルシウムおよび酢酸カルシウムなどの有機酸のカルシウム塩を挙げることができる。水溶性カルシウム塩は、これらからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。水溶性カルシウム塩は、硝酸カルシウムおよび塩化カルシウムから選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。この理由は、インク汚れの発生を抑制することおよび滲みの発生を抑制することが良化するからである。
蛍光増白剤は、CAS番号68971−49−3を有する2,2′−[1,2−ethenediylbis[(3−sulfo−4,1−phenylene)imino[6−[bis(2−hydroxyethyl)amino]−1,3,5−triazine−4,2−diyl]imino]]bis(1,4−benzenedisulfonic acid) hexasodium salt、CAS番号76482−78−5を有するhexasodium 2−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[[4−[(E)−2−[4−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[(2,5−disulfonatophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]−2−sulfonato−phenyl]ethenyl]−3−sulfonato−phenyl]amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzene−1,4−disulfonate、CAS番号41098−56−0を有する2,2′−(1,2−ethenediyl)bis[5−[[4−(diethylamino)−6−[(2,5−disulfophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzenesulfonic acid] hexasodium salt、およびCAS番号99549−42−5を有するFluorescent Brightener 263からなる群から選ばれる少なくとも一種である。これらは、トリアジン環構造を有し且つスルホン酸基を6個有する蛍光増白剤である。特許文献1に記載されたスルホン酸基を6個有する光学増白剤は、トリアジン環の置換基がヒドロキシプロピル基である点で本発明の蛍光増白剤と異なる。
表面サイズ液組成物は、本発明の蛍光増白剤以外に従来公知の蛍光増白剤を、本発明の効果を阻害しない範囲において本発明の蛍光増白剤に併用して含有することができる。従来公知の蛍光増白剤は、例えば、ベンズイミダゾール系、イミダゾール系、イミダゾロン系、ピラゾリン系、クマリン系、ナフタルイミド系、および本発明の蛍光増白剤以外のスチルベン系を挙げることができる。
表面サイズ液組成物において、澱粉類は3質量%以上9質量%以下で含有することが好ましい。表面サイズ液組成物において、水溶性カルシウム塩は3質量%以上9質量%以下で含有することが好ましい。表面サイズ液組成物において、蛍光増白剤は0.3質量%以上0.9質量%以下で含有することが好ましい。特に、表面サイズ液組成物において、澱粉類は3質量%以上9質量%以下、水溶性カルシウム塩は3質量%以上9質量%以下および蛍光増白剤は0.3質量%以上0.9質量%以下で含有することが好ましい。
本発明の表面サイズ液組成物で原紙に表面サイズプレス処理を施すことによって、原紙の表面近傍に澱粉類、水溶性カルシウム塩および蛍光増白剤が存在することになる。本発明の表面サイズ液組成物によって本発明の効果が得られる理由は定かではないが、本発明者は以下であると推察する。
非塗工紙型の印刷用紙は、インク中の色材との相互作用に優れる水溶性カルシウム塩によってインク汚れの発生および滲みの発生を抑制することができ、蛍光増白剤によって白色度が良好になる。塗工紙型の印刷用紙は、水溶性カルシウム塩の凝集作用によって塗工層を設ける際に塗工層に空隙が形成され、その結果、塗工層のインク吸収能が向上することでインク汚れの発生および滲みの発生を抑制することができ、蛍光増白剤によって白色度が良好になる。
前記の推察から、水溶性カルシウム塩と蛍光増白剤とが共存する表面サイズ液組成物を発明できる。しかしながら、蛍光増白剤は一般的に水に対する親和性に乏しく、水溶性カルシウム塩などの水溶性無機塩と蛍光増白剤とを含有する安定した水溶液を得ることができない。本発明に係る蛍光増白剤であれば、水溶性カルシウム塩と蛍光増白剤とを含有する安定した表面サイズ液組成物を得ることができる。
本発明の表面サイズ液組成物を用いて原紙に表面サイズプレス処理して得られる印刷用紙は、非塗工紙型および塗工層を有する塗工紙型のいずれでもよい。原紙を得た後および/または表面サイズプレス処理を施した後に、各種カレンダー処理を施してよい。また、塗工紙型においては、塗工層を設けた後に各種カレンダー処理を施してよい。
表面サイズプレス処理は、従来公知のサイズプレス装置で表面サイズ液組成物を原紙に付与することである。従来公知のサイズプレス装置は、例えば、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファー方式としてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスではシムサイザー、オプティサイザー、スピードサイザー、フィルムプレスを、ロールメタリングサイズプレスではゲートロールコーターを挙げることができる。その他にも、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、カレンダーサイズプレス等を挙げることができる。好ましくは、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、ゲートロールコーター、シムサイザー、フィルムプレスである。
本発明の表面サイズ液組成物の塗工量に制限は無いが、片面当たり乾燥固形分で2g/m以上10g/m以下の範囲が好ましい。
表面サイズプレス処理を施した原紙に塗工層を設ける方法は、従来公知の塗工装置および乾燥装置を用いる方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、サイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、コンマコーター、グラビアコーター、バーコーター、Eバーコーター、カーテンコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
本発明の表面サイズ液組成物を付与した原紙に、塗工層を設ける場合、片面あたり乾燥固形分で4g/m以上20g/m以下が好ましい。塗工層は、樹脂からなる塗工層および白色顔料とバインダーとからなる塗工層のいずれであってもよい。インクジェット印刷機に用いる場合、白色顔料とバインダーとからなる塗工層が好ましい。樹脂、白色顔料およびバインダーは、塗工紙分野で従来公知のものである。
原紙は、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)、NBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)などの化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)、CGP(ChemiGroundwood Pulp)などの機械パルプ、およびDIP(DeInked Pulp)などの古紙パルプから選ばれる少なくとも1種のパルプに、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、さらに、内添サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力剤などの各種添加剤を必要に応じて配合した紙料を抄造した抄造紙である。
紙料中には、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの1種または2種以上を適宜配合することができる。
抄造は、紙料を酸性、中性またはアルカリ性に調整して、従来公知の抄紙機を用いて行われる。抄紙機の例としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機などを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。質量部および質量%は、乾燥固形分量または実質成分量を示す。
<原紙の作製>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム30質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤1.0質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、抄造後カレンダー処理をして原紙を得た。
<表面サイズ液組成物1の作製>
水に対して、塩化カルシウムが6.0質量%、燐酸エステル化澱粉が6.0質量%、CAS番号68971−49−3を有する蛍光増白剤が0.6質量%となるよう配合し、表面サイズ液組成物1を得た。
<表面サイズ液組成物2の作製>
表面サイズ液組成物1において、CAS番号68971−49−3を有する蛍光増白剤をCAS番号76482−78−5を有する蛍光増白剤に変更する以外は表面サイズ液組成物1と同様にして表面サイズ液組成物2を得た。
<表面サイズ液組成物3の作製>
表面サイズ液組成物1において、CAS番号68971−49−3を有する蛍光増白剤をCAS番号41098−56−0を有する蛍光増白剤に変更する以外は表面サイズ液組成物1と同様にして表面サイズ液組成物3を得た。
<表面サイズ液組成物4の作製>
表面サイズ液組成物1において、CAS番号68971−49−3を有する蛍光増白剤をCAS番号99549−42−5を有する蛍光増白剤に変更する以外は表面サイズ液組成物1と同様にして表面サイズ液組成物4を得た。
<表面サイズ液組成物5の作製>
表面サイズ液組成物3において、塩化カルシウムを硝酸カルシウムに変更する以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物5を得た。
<表面サイズ液組成物6の作製>
表面サイズ液組成物3において、燐酸エステル化澱粉をカチオン化澱粉に変更する以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物6を得た。
<表面サイズ液組成物7の作製>
表面サイズ液組成物3において、燐酸エステル化澱粉を酸化澱粉に変更する以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物7を得た。
<表面サイズ液組成物8の作製>
表面サイズ液組成物3において、塩化カルシウムを酢酸カルシウムに変更する以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物8を得た。
<表面サイズ液組成物9の作製>
表面サイズ液組成物3において、塩化カルシウムを添加しない以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物9を得た。
<表面サイズ液組成物10の作製>
表面サイズ液組成物3において、CAS番号41098−56−0を有する蛍光増白剤を添加しない以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物10を得た。
<表面サイズ液組成物11の作製>
表面サイズ液組成物3において、CAS番号41098−56−0を有する蛍光増白剤をCAS番号12224−06−5を有する蛍光増白剤に変更する以外は表面サイズ液組成物3と同様にして表面サイズ液組成物11を得た。
CAS番号12224−06−5を有する蛍光増白剤は、Benzenesulfonic acid,2,2′−(1,2−ethenediyl)bis[5−[[4−[(2−hydroxyethyl)amino]−6−(phenylamino)−1,3,5−triazin−2−yl]amino]−,disodium saltである。
<非塗工紙型の印刷用紙>
得られた原紙に表面サイズ液組成物をホリゾンタルサイズプレス方式で液量の塗工量が40g/mとなるように付与し、マシンカレンダー処理をして非塗工紙型の印刷用紙を得た。
<塗工層塗工液の作製>
水に対して、重質炭酸カルシウム(三共精粉社製、エスカロン#1500)100質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10質量部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA105)5質量部を混合して、乾燥固形分濃度が55質量%の塗工層塗工液を得た。
<塗工紙型の印刷用紙>
得られた原紙に表面サイズ液組成物をホリゾンタルサイズプレス方式で液量の塗工量が40g/mとなるように付与し、マシンカレンダー処理をして表面サイズプレス処理を施した原紙を得た。次に、この表面サイズプレス処理を施した原紙の片面に塗工層塗工液を塗工および乾燥して、塗工紙型の印刷用紙を得た。塗工層の塗工量は乾燥固形分で8g/mとした。塗工装置にはブレードコーターを用いた。乾燥装置には熱風乾燥機を用いた。
表1に各実施例および各比較例、並びに評価結果を記載した。
Figure 2019157286
各評価は以下のように行った。
<インク汚れおよび滲み並びに搬送ローラーの汚染>
水性顔料インクを使用するインクジェット印刷機:Hewlett−Packard社のT300PageWideWebPressを用いて印刷用紙に評価画像を印刷した。印刷速度は約150m/min、印刷長さは1000mとした。印刷後、印刷用紙を赤外線加熱ドライヤーを用いて乾燥した。得られた印刷物のインク汚れおよび滲みの有無、並びに印刷機の搬送ローラーの汚染の有無を目視観察し、下記の基準で評価した。本発明において評価3または4であれば印刷用紙は、インク汚れの発生を抑制できるおよび滲みの発生の抑制できるものとする。
4:印刷物にインク汚れおよび滲みが認められず、
並びに搬送ローラーの汚染が認められず、良好。
3:印刷物にインク汚れおよび滲みが殆ど認められず、
並びに搬送ローラーの汚染が殆ど認められず、概ね良好。
2:印刷物にインク汚れおよび滲みが僅かに認められ、
並びに搬送ローラーの汚染が僅かに認められるが、実用上問題ない。
1:印刷物にインク汚れおよび滲みが認められる。
および/または搬送ローラーの汚染が認められる。
<白色度>
印刷用紙の白紙部の白色度は、日本電色工業社製、SPECTRO COLOR METER MODEL PF−10を用い、C/2光源を使用してUVカットフィルターの使用無しで実施した。白色度の測定は、250μm以上の厚さになるように必要に応じて印刷用紙を重ね合わせて行った。本発明において評価3であれば印刷用紙は、白色度が良好であるものとする。
3:白色度が90%以上。
2:白色度が87%以上90%未満。
1:白色度が87%未満。
<表面サイズ液組成物の安定性>
表面サイズ液組成物を50℃湿度45%RHの環境下で48時間保管した。保管後の表面サイズ液を目視観察し、沈殿物の有無を評価した。また、B型粘度計を用いて表面サイズ液組成物の保管前後の粘度を測定し、時間経過による粘度上昇の有無を評価した。本発明において評価2または3であれば表面サイズ液組成物は、液の安定性に優れるものとする。
3:沈殿物が認められず且つ経時による粘度上昇がなく、良好。
2:沈殿物が僅かに認められる、
および経時による粘度上昇が若干認められるが、概ね良好。
1:沈殿物および/または経時による粘度上昇が認められる。
表1から、本発明に該当する表面サイズ液組成物1〜8は、液の安定性に優れることが分かる。さらに、本発明に該当する表面サイズ液組成物1〜8を用いて表面サイズプレス処理を施した原紙からなる非塗工紙型の印刷用紙または塗工紙型の印刷用紙は、インクジェット印刷機を用いて印刷用紙に印刷した場合においてインク汚れの発生および滲みの発生を抑制することができ、並びに白色度が良好であることが分かる。
また、本発明の表面サイズ液組成物に該当しない表面サイズ液組成物11は液の安定性を得ることができない。本発明の表面サイズ液組成物に該当しない表面サイズ液組成物9および10を用いて表面サイズプレス処理を施した原紙からなる非塗工紙型の印刷用紙または塗工紙型の印刷用紙は、インク汚れの発生を抑制および滲みの発生を抑制、並びに白色度のいずれかを満足することができないと分かる。

Claims (3)

  1. 非塗工紙型または塗工紙型の印刷用紙を得るために原紙へ付与する澱粉類を含む表面サイズ液組成物であって、水溶性カルシウム塩および蛍光増白剤を少なくとも含有し、前記蛍光増白剤が、CAS番号68971−49−3を有する2,2′−[1,2−ethenediylbis[(3−sulfo−4,1−phenylene)imino[6−[bis(2−hydroxyethyl)amino]−1,3,5−triazine−4,2−diyl]imino]]bis(1,4−benzenedisulfonic acid) hexasodium salt、CAS番号76482−78−5を有するhexasodium 2−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[[4−[(E)−2−[4−[[4−(bis(2−hydroxyethyl)amino)−6−[(2,5−disulfonatophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]−2−sulfonato−phenyl]ethenyl]−3−sulfonato−phenyl]amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzene−1,4−disulfonate、CAS番号41098−56−0を有する2,2′−(1,2−ethenediyl)bis[5−[[4−(diethylamino)−6−[(2,5−disulfophenyl)amino]−1,3,5−triazin−2−yl]amino]benzenesulfonic acid] hexasodium salt、およびCAS番号99549−42−5を有するFluorescent Brightener 263からなる群から選ばれる少なくとも1種である表面サイズ液組成物。
  2. 前記澱粉類が燐酸エステル化澱粉である請求項1に記載の表面サイズ液組成物。
  3. 前記水溶性カルシウム塩が硝酸カルシウムおよび塩化カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の表面サイズ液組成物。
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