JP2019157005A - 接着性樹脂組成物、積層体及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂層と、ポリビニルアルコール系樹脂層との双方に対する層間接着強度が十分に高く、かつ安定的に接着強度を発現する接着性樹脂組成物を提供する。【解決手段】脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位並びに芳香族ジカルボン酸単位を含む芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によりグラフト変性してなる変性ポリエステル系樹脂(A)を含有する接着性樹脂組成物であって、該変性ポリエステル系樹脂(A)の酸価が40当量/トン以上である接着性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、層間接着性に優れる接着性樹脂組成物に関するものであり、より詳細には、生分解性を有する接着性樹脂組成物、並びにこの接着性樹脂組成物を用いた積層体及び成形体に関する。
プラスチックは、成形性、強度、耐水性、透明性などに優れることから、包装材料として広く使用されている。かかる包装材料に用いられるプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステル系樹脂が挙げられるが、これらのプラスチックは生分解性に乏しく、使用後に自然界に投棄されると、長期間残存して景観を損ねるなど、環境破壊の原因となる場合がある。
これに対し、近年、土中や水中で生分解あるいは加水分解され、環境汚染の防止に有用である生分解性樹脂が注目され、実用化が進められている。かかる生分解性樹脂としては、例えば、ポリブチレンサクシネート(以下、PBSと略記することがある)、ポリブチレンサクシネートアジペート(以下、PBSAと略記することがある)といった脂肪族カルボン酸単位と脂肪族ジオール単位とを含む脂肪族ポリエステル系樹脂やポリ乳酸(以下、PLAと略記することがある)といった脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレートといった芳香族ジカルボン酸単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位を有する芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂がある。
しかしながら、これらの樹脂は、酸素ガスバリア性が不十分であるため、単独で食品や薬品などの酸化劣化のおそれがある内容物の包装材料として用いることはできない。そこで、これらの生分解性樹脂からなる層の片方の面に、上述の生分解性ポリエステル系樹脂にα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重合して得られる接着剤層を介して、ガスバリア性に優れかつ生分解性でもあるポリビニルアルコール系樹脂層を積層する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−212682号公報
脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂又は芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂では表面特性が大きく異なることから、特許文献1に記載の積層体における、生分解性ポリエステル系樹脂にα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物をグラフト重合して得られる接着剤層では、実用上十分に満足し得る層間接着強度を得ることができなかった。また、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂に関しては、使用する芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂の種類によって、層間接着強度のばらつきが多いことから、安定的に高い強度を発現することが希求されていた。
本発明の目的は、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂といった生分解性樹脂層と、ポリビニルアルコール系樹脂層との双方に対する層間接着強度が十分に高く、かつ安定的に接着強度を発現する接着性樹脂組成物と、この接着性樹脂組成物を用いた積層体及び成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、生分解性樹脂の中で、芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によりグラフト変性して得られる、特定の酸価を有する変性ポリエステル系樹脂が、生分解樹脂層とポリビニルアルコール層との双方に対して安定的な層間接着強度を発現する接着性樹脂組成物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位並びに芳香族ジカルボン酸単位を含む芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によりグラフト変性してなる変性ポリエステル系樹脂(A)を含有する接着性樹脂組成物であって、該変性ポリエステル系樹脂(A)の酸価が40当量/トン以上である接着性樹脂組成物。
[2] 前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル樹脂(a)が生分解性を有する、[1]に記載の接着性樹脂組成物。
[3] 前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル樹脂(a)がポリブチレンアジペートテレフタレートである、[1]又は[2]に記載の接着性樹脂組成物。
[4] 変性剤としての前記不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の配合量が、前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)100質量部に対し、0.01質量部〜3質量部である、[1]〜[3]のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の接着性樹脂組成物からなる接着層を含む積層体。
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載の接着性樹脂組成物からなる接着層を含む固相圧空成形体。
[7] [6]に記載の成形体からなる食品用包装材。
本発明の接着性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂といった生分解性樹脂層と、ポリビニルアルコール系樹脂層との双方に対する層間接着強度が十分に高く、かつ安定的に接着強度を発現することができる。
本発明の接着性樹脂組成物の接着成分である変性ポリエステル系樹脂(A)の基材樹脂である芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は、それ自体生分解性とすることができ、このような生分解性の成分を含む本発明の接着性樹脂組成物を用いて、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂といった生分解性樹脂層とポリビニルアルコール系樹脂層とを積層一体化して生分解性の積層体及び成形体とすることができ、自然環境下における分解性が期待できる。
本発明の接着性樹脂組成物を含む接着層を用いた積層体やその延伸フィルム等は、ハムやソーセージ等の畜肉包装フィルムやコーヒーカプセルの容器等の食品包装材、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品等の医療用包装材として好適に使用することが期待できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明の実施態様の例(代表例)であり、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。また、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
[接着性樹脂組成物]
本発明の接着性樹脂組成物は、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位並びに芳香族ジカルボン酸単位を含む芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によりグラフト変性してなる変性ポリエステル系樹脂(A)を含有する接着性樹脂組成物であって、該変性ポリエステル系樹脂(A)の酸価が40当量/トン以上であることを特徴とする。
<芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)>
本発明で用いる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位、並びに芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とする。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に含まれる脂肪族又は脂環式ジオール単位は、下記式(1)で表され、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位は下記式(2)で表され、芳香族ジカルボン酸単位は下記式(3)で表されることが好ましい。
−O−R−O− (1)
−OC−R−CO− (2)
−OC−R−CO− (3)
(上記式(1)中、Rは2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(2)中、Rは直接結合、2価の脂肪族炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基を表し、式(3)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を表す。)
式(1)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でもエチレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
式(2)のカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸が好ましい。
式(3)の芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。
なお、上記ジオール成分、ジカルボン酸成分、芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明において使用される芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は生分解性を有することが好ましく、生分解性を発現させるためには、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の芳香環の合間に脂肪族鎖が存在することが必要である。そのため、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)中の芳香族ジカルボン酸単位の量は、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の合計に対し、好ましくは5モル%以上、好ましくは10モル%以上、特に好ましくは15モル%以上であり、一方で、好ましくは50モル%以下、より好ましくは48モル%以下である。この量が少なすぎると、芳香族ジカルボン酸単位によるフィルムにした際の引き裂き強度等の力学強度改良効果が低くなる傾向がある。また多すぎると生分解性が不十分となる傾向がある。
本発明で用いる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)には、更に脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。
脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸成分の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。又は、これらの低級アルキルエステル、分子内エステルであってもよい。また、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、又は水溶液のいずれであってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸成分は1種単独でも、2種以上の混合物としても使用することができる。
この脂肪族オキシカルボン酸単位の量は、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を構成する全構成単位中、通常0モル%以上、好ましくは、0.01モル%以上であり、一方、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また、生分解性に影響を与えない範囲で、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)にはウレタン結合、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合等を導入することができる。
本発明で使用する芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は、公知の方法で製造することができる。例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分と芳香族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分とジオール成分、それらに加えて、必要に応じて脂肪族オキシカルボン酸成分や3官能以上の成分を導入する場合には、それらの成分も含めたジカルボン酸単位とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によって製造することができる。経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合法が好ましい。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜14族金属元素を含む化合物が挙げられる。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物及びゲルマニウム化合物が好ましい。
また、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成する芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に対する金属量として、通常5ppm以上、好ましくは10ppm以上であり、一方で、通常30000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下、特に好ましくは130ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく得られるポリマーの熱安定性が低くなるのに対し、逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの分解が誘発されやすくなる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、通常150℃以上、好ましくは180℃以上、一方で、通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
反応時間は、通常1時間〜10時間、好ましくは2時間〜4時間である。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応後の重縮合反応は、圧力を、通常0.01×10Pa以上、好ましくは0.01×10Pa以上であり、通常1.4×10Pa以下、好ましくは0.4×10Pa以下の真空度下として行う。この時の反応温度は、通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは10時間以下である。
本発明において芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、同一又は異なる反応装置を用いて、溶融重合のエステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には凝縮器を結合し、該凝縮器にて重縮合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーを回収する方法が好んで用いられる。
本発明において、目的とする重合度の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、ジカルボン酸成分1モルに対するジオール成分の量は、下限が通常0.8モル以上、好ましくは0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。
なお、上述の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の製造工程の途中、又は製造された芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)には、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を添加してもよい。
本発明で用いる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は、酸価が10当量/トン以上であることが好ましい。より好ましくは、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価は13当量/トン以上であり、より好ましくは15当量/トン以上である。この値が大きくなるほど、接着性樹脂組成物としたときの変性ポリエステル系樹脂(A)の生分解性樹脂層とポリビニルアルコール系樹脂層との層間接着強度が増加する傾向にある。芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の値を制御する方法としては、具体的には次のような方法が挙げられる。
即ち、上述の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を製造する際の溶融重合反応温度を上げると、得られる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価を上げることができ、逆に溶融重合反応温度を下げると酸価を下げることができる。また、使用する原料として、ジオール成分とジカルボン酸成分の割合を調整することでも、得られる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価を制御することができる。即ち、ジカルボン酸成分に対してジオール成分の割合を大きくすることで酸価を上げることができる、一方で、ジカルボン酸成分に対してジオール成分の割合を小さくすることで、酸価を下げることができる。目的とする重合度の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の数値にもよるが、ジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比の調整が酸価の制御に寄与する。また、上述の重合反応に使用する触媒の量をコントロールすることによっても、酸価を制御することができる。具体的には、触媒の量を増やすほど、酸価は上がる傾向にあり、逆に触媒の量を減らすほど、酸価は下がる傾向にある。
また、製造時に使用される末端封止剤や製造された後にも芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に末端封止剤を配合して保管することがあるが、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に少量の末端封止剤が含まれている場合は、酸価が下がる傾向にあり、含まれてない場合は酸価が上がる傾向にある。
末端封止剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられるが、イソシアネート化合物が好適に使用される。これら化合物は単独で用いても複数種併用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
上記イソシアネート化合物は、公知の方法で容易に製造することができ、また市販品を適宜使用することができる。
前記末端封止剤が使用される場合、その配合量は、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に対して、0.05〜15モル%、好ましくは0.1〜12モル%、より好ましくは0.3〜10モル%である。芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に末端封止剤が含有されているかどうかは、1H−NMR測定もしくはIR測定によって得られるスペクトルから求めることができる。
これらを組み合わせることで、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の値を制御することができる。
なお、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の上限には特に制限はないが、通常、耐水性や保存安定性の観点から50当量/トン以下である。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の測定方法は、後述の実施例の項に記載の通りである。
また、本発明で用いる芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)のメルトフローインデックス(MFR)は、成形性の観点から、JISK7210により、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分以上であり、上限が通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは30g/10分以下、特に好ましくは10g/10分以下である。
このような芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)は、1種を単独で用いても良く、構成成分の種類や成分比、製造方法や物性等の異なる2種以上の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)をブレンドして用いることもできる。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)としては、生分解性、柔軟性の観点から、ポリブチレンテレフタレートアジペートが好ましい。ポリブチレンアジペートテレフタレートは市販のものを使用することができる。例えば、BASF社製「Ecoflex」、Xinjiang Blue Ridge Tunhe Chemical Industry社製「TUNHE TH801H」等を用いることができる。
<変性ポリエステル系樹脂(A)>
本発明において、「変性ポリエステル系樹脂(A)」とは、上述の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体でグラフト変性した樹脂を意味する。ここで「グラフト変性」とは、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を結合させることを意味する。なお、変性ポリエステル系樹脂(A)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の結合位置は、特に限定されず、ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び側鎖の少なくとも一方に導入されていればよい。
ここでいう不飽和カルボン酸としては、特に限定されないが、代表的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。また不飽和カルボン酸の誘導体としては、特に限定されないが、代表的には酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N,N−モノブチルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、Nブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム等が挙げられる。
これらの不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合せ及び比率で用いることができる。
これらのうち、特にマレイン酸又はその無水物が、電子密度が低く反応性が高いことから好適である。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に対する不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の割合は限定されないが、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)100質量部に対し、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を通常0.01〜3質量部、好ましくは0.03〜0.2質量部の割合で配合することが望ましい。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の配合割合が上記上限以下であると、未反応の不飽和カルボン酸の残留を抑え、外観を損なわずに多層成形体を得ることができる。また、上記下限以上であれば、変性量を確保して得られる接着性樹脂組成物の接着性を高めることができる。
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)のグラフト変性は、従来公知の種々の方法で行うことができる。変性方法としては、溶融させた芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を添加してグラフト共重合させる溶融変性法、溶媒に溶解させた芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を添加してグラフト共重合させる溶液変性法等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらのうち、衛生性の観点から、溶媒を使用しなくてもよい溶融変性法が好ましく、押出機を用いてグラフト変性することがより好ましい。なお、効率よくグラフト変性するためには、ラジカル開始剤の存在下に変性することが好ましい。
ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物又はアゾ化合物が好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(トルイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類;ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等が挙げられるが、これらに特に限定されない。ラジカル開始剤は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合せ及び比率で用いることができる。
これらの中でも、半減期が1分となる分解温度が100℃以上であるラジカル開始剤がグラフト変性効率の観点から好ましい。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、又は、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類が好ましい。
ラジカル開始剤の使用量は、特に限定されないが、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)100質量部に対して、0.001〜1質量部の割合が好ましい。
本発明で用いる変性ポリエステル樹脂(A)の酸価は40当量/トン以上であることを特徴とするが、好ましくは、50当量/トン以上であり、より好ましくは、60当量/トン以上である。この値が低くなるほど、接着強度が低下する恐れがある。変性ポリエステル樹脂(A)の酸価は、上述の芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の値と変性ポリエステル樹脂(A)の酸価の値とが相関を有するので、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の酸価の値を制御することによって、変性ポリエステル樹脂(A)の酸価の値を制御することもできる。また、グラフト変性させるために使用する不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の使用量によっても、変性ポリエステル樹脂(A)の酸価を制御することができる。芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に末端封止剤が含まれる場合は、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)をグラフト変性させても、その変性した部分が末端封止剤によって封止されることにより、接着強度を発現しにくくなるため、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)に末端封止剤が含まれないものを使うことが好ましい。
なお、変性ポリエステル樹脂(A)の酸価の上限には特に制限はないが、通常、耐水性や保存安定性の観点から200当量/トン以下である。
変性ポリエステル樹脂(A)の酸価の測定方法は、後述の実施例の項に記載の通りである。
変性ポリエステル樹脂(A)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の含有量は限定されないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上であり、一方、通常3.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体による含有量が前記下限値以上であれば、本発明の接着性樹脂組成物の接着性を高めることができ、上記上限以下であれば未反応の不飽和カルボン酸量を抑えて外観を損なわずに多層成形体を得ることができると共に、熱溶融成形時の安定性が低下するなどの不具合を防止することができる。
ここで変性ポリエステル樹脂(A)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の含有量は、1H−NMR測定もしくはIR測定によって得られるスペクトルから求めることができる。
本発明の接着性樹脂組成物は変性ポリエステル系樹脂(A)の1種のみを含むものであってもよく、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)の組成や物性、変性に用いた不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の種類や変性量等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。
<その他の成分>
本実施形態の接着性樹脂組成物は、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の変性ポリエステル系樹脂(A)以外に、添加剤や他の樹脂等(以下、これらを総称して「その他の成分」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分は、1種類のみ単独で、又は2種類以上を任意の組み合せ及び比率で用いることができる。
添加剤の具体例としては、プロセス油、加工助剤、可塑剤、結晶核剤、衝撃改良剤、難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤、相溶化剤、熱安定剤、耐候安定剤(酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等)、カーボンブラック、着色剤(顔料、染料等)等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これら添加剤を用いる場合のその含有量は、特に限定されないが、接着性樹脂組成物の総量に対して、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、5質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以下である。
難燃剤は、ハロゲン系難燃剤と非ハロゲン系難燃剤に大別される。これらの中でも、非ハロゲン系難燃剤が好ましい。具体的には、金属水酸化物、リン系難燃剤、窒素含有化合物(メラミン系、グアニジン系)難燃剤及び無機系化合物(硼酸塩、モリブデン化合物)難燃剤等が挙げられる。
熱安定剤及び酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物等が挙げられる。
充填剤は、有機充填剤と無機充填剤に大別される。有機充填剤としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等が挙げられる。また、無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等が挙げられる。
その他の成分として用いる他の樹脂の具体例としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン66、ナイロン11等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、及びポリメチルメタクリレート系樹脂等のアクリル/メタクリル系樹脂等が挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物がこれらの他の樹脂を含有する場合、本発明に係る変性ポリエステル系樹脂(A)による効果を十分に発揮させるために、接着性樹脂組成物中の全樹脂成分中の他の樹脂の割合は50質量%以下、特に30質量%以下であることが好ましい。
<接着性樹脂組成物の製造方法>
本発明の接着性樹脂組成物は、上記各成分を従来公知の方法、たとえば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、このような方法で混合して得られた混合物を、さらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した後、造粒或いは得られた樹脂塊を粉砕する方法等によって得ることができる。また、ニーダーやロールを用いて混合することもできる。これらの方法で接着性樹脂組成物を製造する際の製造条件は特に限定されず、常法にしたがって行えばよい。
[積層体]
次に、本発明の積層体について説明する。
本発明の積層体は、上述した本発明の接着性樹脂組成物からなる接着層(以下、「本発明の接着性樹脂組成物層」という場合がある。)を含むものである。好ましい態様としては、接着層と他の層とを少なくとも有し、これらが接するように配置された2層又は3層以上の積層構造を有する積層体である。
特に、本発明の接着性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂層と、ポリビニルアルコール系樹脂層との双方に対する接着性に優れるため、本発明の積層体としては、本発明の接着性樹脂組成物層と、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂層、或いはポリビニルアルコール系樹脂等のガスバリア層とを少なくとも有し、これらが接するように配置された2層又は3層以上の積層構造を有する積層体、とりわけ脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂層/本発明の接着性樹脂組成物層/ポリビニルアルコール系樹脂層の3層積層構造部分を含む積層体が好ましい。
本発明の積層体の形状としては、特に限定されず、積層シート、積層フィルム、積層ボトル等のいずれの態様も採ることができる。
本発明の積層体を製造する方法としては、従来公知の種々の手法を採用することができる。例えば、押出機で溶融させた、個々の溶融樹脂を多層ダイスに供給し、ダイスの中で積層するインフレーションフィルム、T−ダイフィルム、シート、パイプ等を成形する共押出法や、溶融した個々の樹脂を同一金型内にタイムラグを付けインジェクションする、共インジェクション成形等が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、各層を構成する樹脂フィルム同士に熱をかけてラミネートすることで、本発明の積層体を得ることも可能である。
本発明の接着性樹脂組成物を用いた本発明の積層体は、延伸した場合でも、接着性と易引裂性が良好に保たれるという特性を有するため、延伸積層体(延伸成形体)の態様でも好適に用いることができる。積層体を延伸して延伸積層体を得る方法としては、従来公知の種々の方法を採用することができ、その製法は特に限定されない。また、延伸方向は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよく、また逐次延伸であっても、同時延伸であってもよい。
例えば、前記方法で得られた未延伸の積層体を冷却固化後、インライン、又はアウトラインで60〜160℃の延伸温度まで再加熱し、テンター、プラグ及び圧縮空気等を用い一軸方向、或いは二軸方向に少なくとも面積比で1.5倍以上延伸を行い、一軸又は二軸延伸成形したフィルム、カップ、ボトル等の延伸成形体を得る方法が挙げられる。インフレーションフィルムの場合、インフレーション同時二軸延伸法、ロール及びテンターによる逐次二軸延伸法等が、カップの場合には、金型内で圧縮空気等のみによる圧空成形、プラグと圧縮空気を併用するSPPF成形等が一般的に用いられている。
上記のように延伸して延伸積層体を得た後に、熱固定を行ってもよいし、熱固定をせずに製品としてもよい。すなわち、熱固定を行わない場合は、その後に加熱されたときに応力が開放されて熱収縮する、シュリンクフィルムとして用いることができる。
本発明の積層体ないしは延伸積層体の各層の厚みは、要求性能、例えば層構成、用途、最終製品の形状、要求される物性等に応じて、任意に設定することができ、特に限定されない。例えば食品包装用や工業製品包装用のフィルムとして用いる場合、無延伸の積層体の総厚みは、30〜400μmが好ましく、より好ましくは40〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。また、無延伸の積層体を構成する本発明の接着性樹脂組成物層の厚みは、1〜100μmが好ましく、より好ましくは2〜80μm、さらに好ましくは3〜50μmである。また、該用途に用いる場合の延伸積層体(延伸フィルム)の総厚みは、5〜400μmが好ましく、より好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。また、このとき延伸フィルムを構成する本発明の接着性樹脂組成物層の厚みは、0.1〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜30μm、さらに好ましくは0.5〜20μmである。
一方、食品用や衛生品用、一般工業製品用のボトル等の厚みのある成形体として用いる場合、無延伸又は延伸された積層体の総厚みは、0.1〜7mmが好ましく、より好ましくは0.15〜6mm、さらに好ましくは0.2〜5mmである。また、このときの本発明の接着性樹脂組成物層の厚みは、3〜300μmが好ましく、より好ましくは4〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。
本発明の積層体を食品包装材等に適用する場合、用途に応じて、固相圧空成形(「SPPF成形」と称することがある)や真空成形等により、カップ、トレー等の製品形状に成形することもでき、その場合においても、本発明の接着性樹脂組成物によれば、SPPF成形や真空成形等の延伸工程を伴う二次加工を行っても高い層間接着性を維持することができる。
本発明の積層体である多層フィルムや多層シートから多層容器等を製造する方法(以下、「二次加工」と称す場合がある。)としては、従来より公知の種々の手法を採用することができる。例えば、上記一次加工により製造した積層体である多層フィルムや多層シートを加熱し、金型内で圧縮空気等のみにより成形する圧空成形、上記一次加工により製造した積層体である多層フィルムや多層シートを加熱軟化して型に密着させ、型に設けられた排気口から空気を排出させて、成形体を型に密着させ、その後これを冷却することにより二次加工成形する真空成形、真空引きする面と反対面を圧空で賦形させる真空圧空成形、プラグと圧縮空気を併用するSPPF成形等によるカップ等の容器成形、共インジェクション成形品を更に延伸成形するカップ、ボトル等の容器成形がある。
これら二次加工のうち、真空成形は、特に限定されるものではないが、成形体の表面温度が通常120〜250℃の範囲、好ましくは120〜220℃の温度範囲、より好ましくは120〜200℃の温度範囲で行われる。表面温度が上記範囲にある場合には、ドローダウン性、賦形性が良好となり、肉厚が均一となる。
また、SPPF成形等によるカップ等の容器成形は、特に限定されるものではないが、成形温度は300〜380℃の範囲、更には310〜370℃の範囲、特に320〜360℃の範囲で、成形体の表面温度が130〜180℃の範囲、更には140〜170℃の範囲、特に150〜160℃の範囲で成形されることが好ましい。
SPPF成形では、積層体である多層シートの主層を構成する樹脂の融解ピーク温度以下で行う際、好ましくは、融解ピーク温度との差が5〜30℃の範囲になるような温度で加熱をすることにより主層を軟化させ、次に、アシストプラグを押し下げることにより、多層シートを容器状に予備賦形し、引き続き、該予備賦形部分に対して、空気圧を付加して該多層シートを金型キャビティ表面に密着させることにより熱成形体を成形することができる。該成形により得られた容器は剛性、衝撃強度に優れたものとなる。
[用途]
本発明の接着性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂との双方に対して優れた接着強度特性を示し、二次加工後においても高い層間接着強度を維持する。このため、このような本発明の接着性樹脂組成物を接着層とする本発明の積層体は、優れた接着強度特性を示し、更に強度、耐熱性及びガスバリア性等にも優れたものとすることができる上に、その生分解性で環境負荷の低減を図ることができる。従って、本発明の積層体及びこの積層体から製造される多層容器等の成形体は、食用油のボトルやハム等の畜肉包装フィルム、ゼリーカップや米飯トレーなどの一般食品包装用材料、意匠包装やラベル等に好適に使用することができる。
特に好ましいのは、低温で二次加工を行うSPPF成形により作製されるゼリーカップや米飯トレーなどの一般食品包装材料に使用される用途である。
以下、実施例を用いて本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[物性の評価]
以下の実施例及び比較例で用いたポリブチレンアジペートテレフタレート及び製造された変性ポリエステル系樹脂の酸価と、ポリブチレンアジペートテレフタレートのMFRの測定、並びに芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂の末端封止剤含有の有無の確認は以下方法で実施した。
<酸価の測定>
試料を粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料を溶解させずに同様の操作を実施し、以下の式(1)によって末端カルボキシル基量である酸価を算出した。
酸価(当量/トン)=(a−b)×0.1×f/w ・・・(1)
(ここで、aは、滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、wはポリエステル樹脂の試料の量(g)、fは、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価である。)
なお、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価(f)は以下の方法で求めた。
試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液の指示薬として1〜2滴加え、0.lNの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。)。以下の式(2)によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl) ・・・(2)
<MFRの測定>
JISK7210に従って、190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
<芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂の末端封止剤含有の有無の確認>
外径5mmのNMR試料管中で試料約20mgをCDCl(0.03v/v%TMS含有)0.7mLにそれぞれ溶解した。Bruker社製AVANCE400分光計を用いて
NMRスペクトルを測定した。末端封止剤として含有されるヘキサメチレンジイソシアネートのピークの有無を確認した。
[実施例1]
<変性ポリエステル系樹脂(A−1)の製造>
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a−1)として、ポリブチレンアジペートテレフタレート(Xinjiang Blue Ridge Tunhe Chemical Industry社製「TUNHE TH801H)100質量部を用い、これに無水マレイン酸0.1質量部、ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサ25B」)0.014質量部をドライブレンドにより配合した混合物を、二軸押出機TEX25αIII−52.5CW−3V(D=25mmφ、L/D=53、(株)日本製鋼所製)を用いて、温度220℃、スクリュー回転数200rpm、押出量20kg/hで溶融混練した。その後、溶融混練物を紐状に押し出し、冷却後カッティングし、変性ポリエステル系樹脂(A−1)のペレットを得た。
なお、変性に供したポリブチレンアジペートテレフタレートは酸価17当量/トン、MFR3.1g/10分のものであり、得られた変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酸価は70当量/トンであった。
<多層フィルムの作製>
上記の変性ポリエステル系樹脂(A−1)のペレットを接着層の接着性樹脂組成物として用い、株式会社プラ技研社製、4種5層共押出Tダイフィルム成形機にて多層フィルム(積層体)を作製した。
ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製「Ingeo4032D」)、変性ポリエステル系樹脂(A−1)、ポリビニルアルコール系樹脂(日本合成化学工業社製「G−PolymerOKS−8049P」)を用いて、ポリ乳酸層/接着層/ポリビニルアルコール系樹脂層/接着層/ポリ乳酸層の3種5層構造の積層体を作製した。得られた積層体の総厚みは250μmであり、各層の厚みは、それぞれ90μm/20μm/30μm/20μm/90μmであった。成形温度は210℃、成形速度は10m/分に設定した。
<接着強度の測定>
上記で得られた積層体を幅15mmの短冊状に切り出して試験片とし、23℃雰囲気下、速度100mm/minにて、T−ピール剥離試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a−2)として、酸価9当量/トン、MFR3.1g/10分のポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製「Ecoflex C1200」)を用い、このポリブチレンアジペートテレフタレート100質量部と、無水マレイン酸0.05質量部、ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルオキシ)ヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサ25B」)0.014質量部をドライブレンドにより配合した混合物を、二軸押出機TEX25αIII−52.5CW−3V(D=25mmφ、L/D=53、(株)日本製鋼所製)を用いて、温度220℃、スクリュー回転数200rpm、押出量20kg/hで溶融混練した。その後、溶融紺練物を紐状に押し出し、冷却後カッティングし、変性ポリエステル系樹脂(A−2)のペレットを得た。この変性ポリエステル系樹脂(A−2)の酸価は23当量/トンであった。
接着層の接着性樹脂組成物として、この変性ポリエステル系樹脂(A−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、同様に接着強度の測定を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2019157005
表1より、酸価が40当量/トン以上の変性ポリエステル系樹脂(A−1)によれば、酸価が40当量/トン未満の変性ポリエステル系樹脂(A−2)を用いた場合に比べて生分解性樹脂層とポリビニルアルコール系樹脂層とに対して格段に優れた接着強度を得ることができることが分かる。
本発明の接着性樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル系樹脂、脂肪族オキシカルボン酸系樹脂、芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂といった生分解性樹脂とポリビニルアルコール系樹脂の双方に対して優れた接着強度特性を示す。また、本発明の積層体は、優れた接着強度特性を示し、さらに強度及びガスバリア性に優れ、しかも積層体全成分が生分解性を有するものとすることができる。したがって、本発明の積層体及びこれを二次加工して得られる成形体は、食用油のボトル、ハムやソーセージ等の畜肉包装フィルム等やコーヒーカプセルの容器等の一般食品用の包装材料、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品等の医療用或いは化粧品用の包装材料、外包装材料、ラベル等において、幅広く且つ有効に利用可能である。

Claims (7)

  1. 脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位、脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位並びに芳香族ジカルボン酸単位を含む芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によりグラフト変性してなる変性ポリエステル系樹脂(A)を含有する接着性樹脂組成物であって、該変性ポリエステル系樹脂(A)の酸価が40当量/トン以上である接着性樹脂組成物。
  2. 前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル樹脂(a)が生分解性を有する、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
  3. 前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル樹脂(a)がポリブチレンアジペートテレフタレートである、請求項1又は2に記載の接着性樹脂組成物。
  4. 変性剤としての前記不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の配合量が、前記芳香族−脂肪族共重合ポリエステル系樹脂(a)100質量部に対し、0.01質量部〜3質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の接着性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の接着性樹脂組成物からなる接着層を含む積層体。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の接着性樹脂組成物からなる接着層を含む固相圧空成形体。
  7. 請求項6に記載の成形体からなる食品用包装材。
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