JP2019156982A - プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】強化繊維基材層内に樹脂組成物を十分に含浸することができ、常温におけるプリプレグの取扱性が高く、短時間で成形が可能であり、且つ硬化後の硬化体の耐吸水特性が高いプリプレグを提供する。さらには、このプリプレグを用いて作製される、耐吸水特性が高い炭素繊維強化複合材料を提供する。【解決手段】炭素繊維から成る繊維強化基材と、前記繊維強化基材内に一部又は全部が含浸したエポキシ樹脂組成物と、を含んで成るプリプレグであって、前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、所定の芳香族アミンとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、プリプレグ、及びこのプリプレグを用いて得られる炭素繊維強化複合材料に関する。特に、短時間で成形が可能であり、且つ得られる成形体が高い耐吸水性を有するプリプレグ、及びこのプリプレグを用いて得られる高い耐吸水性を有する炭素繊維強化複合材料に関する。
繊維強化複合材料(以下、「FRP」という。)は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、釣り竿やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用途、自動車や航空機等の産業用途等の幅広い分野で用いられている。FRPの製造には、強化繊維等の長繊維からなる繊維補強材層に樹脂を含浸した中間材料(プリプレグ)を使用する方法が好適に用いられる。プリプレグを所望の形状に切断した後に賦形し、加熱加圧硬化させることによりFRPからなる成形品を得ることができる。
航空機分野では、耐熱、耐衝撃特性等の高い力学特性が要求される。一般にエポキシ樹脂を用いるプリプレグは、高い力学特性を有する成形体を得ることができる。しかし、エポキシ樹脂を用いるプリプレグは成形時間が長い。また、エポキシ樹脂を用いるプリプレグを硬化して得られる成形体は、耐吸水性が不十分であり、高温時に吸水して、耐衝撃特性等の力学特性が低下する場合があった。
短時間成形が可能なプレス成形では、通常、100〜150℃、1〜15MPaの高温高圧条件が用いられる(特許文献1)。この高温高圧条件は、プリプレグを構成する樹脂の硬化時間を短縮できる。また、金型内においてプリプレグを構成する樹脂を適度に流動させることにより、プリプレグ内に含まれるガスを排出することができる。しかし、高温高圧条件でプレス成形する場合、プリプレグを構成する樹脂の温度が上昇して樹脂粘度が著しく低下する。その結果、金型の構造によっては、シアエッジ部からの樹脂の流出が激しく生じる(以下、成形工程における加熱及び加圧により、プリプレグ内から樹脂が流出する現象を「樹脂フロー」ともいう)。そのため、得られるFRPは、樹脂組成物の未含浸部分(樹脂枯れ)や繊維蛇行のような外観不良、及びこれらに起因する性能不良が生じる。
特許文献2には、樹脂フローを抑制する方法として、高粘度のエポキシ樹脂を用いたり、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂を添加したりする方法が記載されている。しかし、高粘度のエポキシ樹脂を用いる場合、常温(25℃)における樹脂粘度も高くなる。そのため、積層作業が困難になる等、プリプレグの取扱性が著しく低い。
特許文献3〜5には、常温時におけるプリプレグの取扱性を改善し、Tg及び硬化速度を低下させることなく、樹脂フローを抑制したハイサイクルプレス成形用のプリプレグが記載されている。特許文献3〜5に記載のプリプレグに用いられる樹脂は、液状エポキシ樹脂に熱可塑樹脂を溶解させ、樹脂粘度を上昇させたものである。しかし、プリプレグ製造時における樹脂粘度も高くなるため、強化繊維基材層内への樹脂の含浸性が低下し、成形後のFRPにボイドを生じる場合がある。
航空機分野では、高い耐熱性、耐衝撃特性等の力学特性が必要であり、耐衝撃性、層間靭性を改良することを目的として種々の方法が提案されている。特に層間にマトリックス樹脂とは異なる材料を配置し、破壊エネルギーを吸収させる手法が多く提案されている(特許文献6)。しかし、樹脂の硬化時間は一般に120分以上かかり、短時間成形を行うことが困難である。
また、特許文献1〜6においては、得られるFRPの耐吸水性については何も言及されていない。
国際公開第2004/48435号 特開2005−213352号 特開2009−292976号 特開2009−292977号 特開2010−248379号 特開2011−190430号
本発明の課題は、強化繊維基材層内に樹脂組成物を十分に含浸することができ、短時間で成形が可能であり、且つ耐吸水性が高い硬化体を製造できるプリプレグを提供することである。さらには、このプリプレグを用いて作製される、耐吸水性が高い炭素繊維強化複合材料を提供することである。
本発明者は、プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物中に、所定の芳香族アミンを配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 炭素繊維から成る繊維強化基材と、
前記繊維強化基材内に一部又は全部が含浸したエポキシ樹脂組成物と、
を含んで成るプリプレグであって、
前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、下記式(1)
Figure 2019156982
(但し、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの水素以外の置換基を有する。また、化学式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1〜6の脂肪族置換基である。Xは−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−S−、−O−、−CO−、−CONH−、−C(=O)−のいずれかである。)で表される芳香族アミンを含むことを特徴とするプリプレグ。
〔2〕 前記エポキシ樹脂組成物が、ウレア系促進剤をさらに含む〔1〕に記載のプリプレグ。
〔3〕 エポキシ樹脂100質量部に対する前記ジシアンジアミドと前記ウレア系促進剤の含有量が、下記式を満たすことを特徴とする〔2〕に記載のプリプレグ。
2≦(ジシアンジアミドの含有量)+(ウレア系促進剤の含有量)≦12
〔4〕 前記エポキシ樹脂組成物が、メタクリル酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系化合物及びビニル系化合物から成る群から選択される1種又は2種以上の重合単位を有する重合体から成る増粘粒子をさらに含む〔1〕に記載のプリプレグ。
〔5〕 前記エポキシ樹脂組成物が、熱可塑性樹脂をさらに含む〔1〕に記載のプリプレグ。
〔6〕 前記エポキシ樹脂組成物の150℃におけるゲルタイムが300秒以下である〔1〕に記載のプリプレグ。
〔7〕 〔1〕乃至〔6〕の何れかに記載のプリプレグを硬化して得られる炭素繊維強化複合材料であって、0°圧縮強度低下率が30%以下であることを特徴とする炭素繊維強化複合材料。
〔8〕 吸水率が1.5質量%以下である〔7〕に記載の炭素繊維強化複合材料。
本発明のプリプレグを用いて作製する炭素繊維強化複合材料は、耐吸水性が高い。また、ウレア系促進剤を含んで構成される本発明のプリプレグは、ゲルタイムが短いため、短時間で成形可能である。さらには、増粘粒子を含んで構成される本発明のプリプレグは、高いプレス成形性を有し、CFRPの品質を安定させることができる。
本発明のプリプレグは、
炭素繊維から成る繊維強化基材と、
この繊維強化基材内に一部又は全部が含浸したエポキシ樹脂組成物と、
から成る。エポキシ樹脂組成物は繊維強化基材の層内に一部又は全部が含浸して、繊維強化基材と一体化している。
このエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂[A]と、ジシアンジアミド[C]と、下記式(1)
Figure 2019156982
(但し、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの水素以外の置換基を有する。また、化学式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1〜6の脂肪族置換基である。Xは−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−S−、−O−、−CO−、−CONH−、−C(=O)−のいずれかである。)
で表される芳香族アミンと、を含んで成る。
本発明のプリプレグにおけるエポキシ樹脂組成物の含有率(RC)は、プリプレグの全質量を基準として、15〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましく、25〜45質量%であることが特に好ましい。含有率が15質量%未満である場合は、得られるCFRPに空隙などが発生し、機械特性等を低下させる場合がある。含有率が60質量%を超える場合は、強化繊維による補強効果が不十分となり、得られるCFRPの機械特性等を低下させる場合がある。
エポキシ樹脂組成物の含有率(RC)は、プリプレグを硫酸に浸漬して、プリプレグ内に含浸している樹脂組成物を溶出させることにより求められる。具体的には以下の方法により求められる。
先ず、プリプレグを100mm×100mmに切り出して試験片を作製し、その質量を測定する。次いで、このプリプレグの試験片を硫酸中に浸漬して必要により煮沸する。これにより、プリプレグ内に含浸している樹脂組成物を分解して硫酸中に溶出させる。その後、残った繊維をろ別して硫酸で洗浄後、乾燥させて繊維の質量を測定する。硫酸による分解操作の前後の質量変化から樹脂組成物の含有率を算出する。
本発明のプリプレグの形状は、炭素繊維がシート状に形成されたプリプレグシートであっても良く、炭素繊維がストランド状に形成されたストランドプリプレグであっても良い。
本発明のプリプレグの形態は、繊維強化基材と、この繊維強化基材の層内に含浸されたエポキシ樹脂組成物とからなる強化層と、この強化層の表面に被覆された樹脂被覆層とからなる構造を有していても良い。樹脂被覆層の厚みは2〜50μmが好ましい。樹脂被覆層の厚みが2μm未満の場合、タック性が不十分となり、プリプレグの成形加工性が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みが50μmを超える場合、プリプレグを均質な厚みでロール状に巻き取ることが困難となり、成形精度が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みは、5〜45μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
(1) 繊維強化基材
繊維強化基材は、炭素繊維から成る基材が用いられる。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
繊維強化基材としてPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は、100〜600GPaであることが好ましく、200〜500GPaであることがより好ましく、230〜450GPaであることが特に好ましい。また、引張強度は2000〜10000MPa、好ましくは3000〜8000MPaである。炭素繊維の直径は4〜20μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、得られるFRPの機械特性を向上できる。
繊維強化基材はシート状に形成して用いることが好ましい。繊維強化基材シートとしては、例えば、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙を挙げることができる。
シート状の繊維強化基材の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。これらの繊維強化基材は、公知のサイズ剤を公知の含有量で含んでいても良い。
本発明のプリプレグは、炭素繊維がストランド状に形成されたストランドプリプレグを用いることができる。ストランドプリプレグは、シート状の一方向プリプレグを分繊することにより作製される。ストランドプリプレグの幅は、3〜20mmが好ましく、6〜10mmがより好ましい。また、ストランドプリプレグを長さ方向にカットし、短繊維プリプレグとすることが好ましい。繊維長は、5〜100mmが好ましく、10〜50mmがより好ましい。カット後の短繊維プリプレグは、マット状に形成してプリプレグマットとすることが好ましい。
(2) エポキシ樹脂組成物
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂[A]と、ジシアンジアミド[C]と、芳香族アミン[B]と、を含んで成る。エポキシ樹脂組成物は、ウレア系促進剤や増粘粒子[E]、熱可塑性樹脂[D]を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂組成物の150℃におけるゲルタイムは、300秒以下であることが好ましく、280秒以下であることがより好ましく、250秒以下であることがさらに好ましい。300秒以下であることにより、成形の速度を高くすることができる。ゲルタイムは、ウレア系促進剤を添加することにより調整できる。
(2−1) エポキシ樹脂[A]
本発明に用いるエポキシ樹脂[A]としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂;テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
さらには、フェノール型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂が挙げられる。また、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などの各種変性エポキシ樹脂も用いることができる。
特に、分子内に芳香族基を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造のいずれかを有するエポキシ樹脂がより好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−3−メチル−4−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が例示される。
グリシジルエーテル構造を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基などのアルキル基;フェニル基などの芳香族基;アルコキシル基;アラルキル基;塩素や臭素などのハロゲン基が例示される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、ビスフェノールS型樹脂等が挙げられる。具体的には、三菱化学(株)社製のjER815、jER828、jER834、jER1001、jER807(商品名);三井石油化学製のエポミックR−710(商品名);大日本インキ化学工業製EXA1514(商品名)が例示される。
脂環型エポキシ樹脂としては、ハンツマン社製社製のアラルダイトCY−179、CY−178、CY−182、CY−183(商品名)が例示される。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)社製のjER152、jER154(商品名);ダウケミカル社製のDEN431、DEN485、DEN438(商品名);DIC社製のエピクロンN740(商品名)が例示される。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、ハンツマン社製のアラルダイトECN1235、ECN1273、ECN1280(商品名);日本化薬製のEOCN102、EOCN103、EOCN104(商品名);新日鉄住金化学製のエポトートYDCN−700−10、エポトートYDCN−704(商品名);DIC社製のエピクロンN680、エピクロンN695(商品名)が例示される。
グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂としては、住友化学(株)製のスミエポキシELM434、スミエポキシELM120、スミエポキシELM100(商品名);ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製のアラルダイトMY0500、アラルダイトMY0510、アラルダイトMY0600、アラルダイトMY720、アラルダイトMY721、アラルダイトMY9512、アラルダイトMY9612、アラルダイトMY9634、アラルダイトMY9663(商品名);三菱化学(株)製のjER604、jER630(商品名);Bakelite AG社製のBakelite EPR494、Bakelite EPR495、Bakelite EPR496、Bakelite EPR497(商品名)などが挙げられる。
各種変性エポキシ樹脂としては、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂として旭電化製のアデカレジンEPU−6、EPU−4(商品名)が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、適宜選択して1種又は2種以上を混合して用いることができる。この中で、ビスフェノール型に代表される2官能エポキシ樹脂は、分子量の違いにより液状から固形まで種々のグレードの樹脂がある。したがって、これらの樹脂は樹脂組成物の粘度調整を行う目的で配合すると好都合である。
CFRPの耐熱性を高めるためには、グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂[A]100質量部中、40〜85質量部が好ましく、45〜80質量部がより好ましい。グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂の配合量が40質量部未満である場合、十分な耐熱性が得られない場合がある。85質量部を超える場合、耐熱性は十分であるが、樹脂が脆くなるため、十分な衝撃特性を有するCFRPが得られない場合がある。
(2−2) 芳香族アミン[B]
本発明に用いる芳香族アミン[B]は、下記式(1)
Figure 2019156982
(但し、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの水素以外の置換基を有する。また、化学式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1〜6の脂肪族置換基である。Xは−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−S−、−O−、−CO−、−CONH−、−C(=O)−のいずれかである。)
で表される化合物である。
具体的には、下式(2)〜(5)で表される化合物が例示できる。
Figure 2019156982
Figure 2019156982
Figure 2019156982
Figure 2019156982
エポキシ樹脂[A]に対する芳香族アミン[B]の配合量は、エポキシ樹脂[A]100質量部に対して3〜20質量部であり、5〜15質量部であることが好ましい。芳香族アミン[B]の配合量が3質量部以上であれば、架橋密度が高くなり、硬化後の硬化体の耐吸水性を高くすることができる。芳香族アミン[B]の配合量が20質量部以下であれば、樹脂の速硬化性を阻害することなく、硬化後の硬化体の耐吸水性を高くすることができる。
(2−3) ジシアンジアミド[C]
硬化性や硬化後の物性が優れる点から、本発明では上記エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミド[C]を用いる。
ジシアンジアミド(DICY)の具体例としては、三菱化学(株)製のjERキュアーDICY7、DICY15(商品名)等が挙げられる。
DICYは、ウレア系の硬化促進剤と併用することが好ましい。DICYはエポキシ樹脂への溶解性がそれほど高くないため、十分に溶解させるためには160℃以上の高温に加熱する必要がある。しかし、ウレア系の硬化促進剤と併用することにより溶解温度を下げることができる。
ウレア系の硬化促進剤としては、例えば、フェニルジメチルウレア(PDMU)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMU)等が挙げられる。
エポキシ樹脂[A]に対するジシアンジアミド[C]の配合量は、エポキシ樹脂[A]100質量部に対して2〜5質量部であることが好ましく、2〜4質量部であることがより好ましい。ジシアンジアミド[C]の配合量が2質量部以上であれば、架橋密度が十分になり、また十分な硬化速度が得られる。ジシアンジアミド[C]の配合量が5質量部以下であれば、硬化剤が過剰に存在することによる硬化体の機械物性の低下や硬化体の濁り等の不具合を抑制することができる。
ジシアンジアミド[C]と、ウレア系硬化促進剤(PDMU、TBDMU等)とを併用する場合、それらの配合量は、エポキシ樹脂[A]100質量部に対して、ジシアンジアミド[C]が2〜5質量部、ウレア系硬化促進剤が2〜7質量部であることが好ましい。ただし、ジシアンジアミド[C]とウレア系硬化剤の合計量は2〜12質量部である。ジシアンジアミド[C]とウレア系硬化促進剤の合計量が2質量部以上であれば、架橋密度が十分になり、また十分な硬化速度が得られる。ジシアンジアミド[C]とウレア系硬化促進剤の合計量が12質量部以下であれば、硬化剤が過剰に存在することによる硬化体の機械物性の低下や硬化体の濁り等の不具合を抑制することができる。
(2−4) 熱可塑性樹脂[D]
熱可塑性樹脂[D]としては、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルスルホンポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルホルマールのようなエンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく用いられる。耐熱性や靭性、取り扱い性に優れることから、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリビニルホルマールなどが特に好ましく使用される。
熱可塑性樹脂[D]の配合形態としては、任意の形態を取ることができる。例えば、粉体状の熱可塑性樹脂[D]をエポキシ樹脂[A]中にニーダーなどを用いて混練、分散させても良いし、熱可塑性樹脂[D]をエポキシ樹脂[A]中で加熱するなどしてエポキシ樹脂[A]中に溶解させても良い。エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂[A]に溶解させる熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂[A]に分散させる熱可塑性樹脂と、を併用することが好ましい。
粉体状の熱可塑性樹脂[D]の粒径としては、0.2〜100μmであることが好ましく、0.5〜80μmであることがより好ましい。
熱可塑性樹脂[D]の配合量としては、エポキシ樹脂[A]100質量部に対して5〜45質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
(2−5) 増粘粒子[E]
本発明における増粘粒子[E]とは、エポキシ樹脂組成物に混合し、熱を加えた時に所定温度で膨潤してエポキシ樹脂組成物を増粘させる効果がある粒子である。具体的には、エポキシ樹脂組成物に対して10質量%混合することにより、その粘度(150℃で30秒間保持した後の粘度)を10倍以上、好ましくは50倍以上に上昇させる樹脂粒子をいう。
増粘粒子[E]としては、単独又は複数の不飽和化合物と架橋性モノマーとを共重合して得られる粒子が例示される。特に限定されないが、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、ビニル化合物の少なくとも1種を単量体単位とする樹脂を含むことが望ましい。
増粘粒子[E]を含む本発明のプリプレグは、本来の粘度が低い樹脂組成物を用いているため、繊維強化基材層内への樹脂含浸が容易である。そして、加熱成形時、その樹脂組成物の粘度を所定温度帯において増粘粒子[E]を用いて上昇させている。そのため、エポキシ樹脂組成物は、粘度変化が緩やかになる温度帯を有し、該温度帯において成形することにより、プリプレグ内からの樹脂フローを抑制できる。その結果、本発明のプリプレグを用いて作製されるCFRPは樹脂枯れ等の成形不良が生じ難い。
増粘粒子[E]に用いるアクリル酸エステル系化合物とは、アクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートが挙げられる。
増粘粒子[E]に用いるメタクリル酸エステル化合物とは、メタクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。
増粘粒子[E]に用いるビニル化合物とは、重合可能なビニル構造を有する化合物をいい、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン及びこれらの芳香環がアルキル基やハロゲン原子等の種々の官能基で置換された化合物が挙げられる。
また、増粘粒子[E]は、メタクリル酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系化合物、ビニル系化合物の1種又は2種以上の重合単位からなる重合体であってもよく、構造の異なる2種以上の樹脂を混合した樹脂であってもよい。さらに、
(i)アクリル酸エステル系化合物又はメタクリル酸エステル系化合物、ジエン系化合物の少なくとも1種からなる重合体と、
(ii)アクリル酸エステル系化合物又はメタクリル酸エステル系化合物とラジカル重合性不飽和カルボン酸とからなる重合体と、に、
(iii)金属イオンを添加することでイオン架橋させた複合樹脂であってもよい。
増粘粒子[E]としては、メタクリル酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系化合物及びビニル系化合物から成る群から選択される1種又は2種以上の重合単位からなる重合体が好ましく、メタクリル酸アルキル重合体がより好ましい。
増粘粒子[E]としては、平均重合度が4,000〜40,000であることが好ましい。
増粘粒子[E]としては、ゼフィアックF325やゼフィアックF320(いずれもアイカ工業(株))のような、コアシェル構造を有さないメタクリル酸アルキル重合体からなる市販品を用いることも好ましい。なお、コアシェル構造を有するメタクリル酸アルキル重合体は、シェル構造に起因して熱硬化性樹脂組成物中において膨潤し難く、粘度を上昇させる効果が低いため好ましくない。
増粘粒子[E]の粒径等については特に限定されないが、平均粒子径が0.3〜10μmであることが好ましく、0.5〜8μmであることがより好ましい。増粘粒子[E]を配合する場合の含有量は、エポキシ樹脂[A]100質量部に対して1〜15質量部であることが好ましく、2〜12質量部であることがより好ましく、3〜10質量部であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂[A]内に分散する増粘粒子[E]は、加熱によりエポキシ樹脂[A]内で膨潤する。該増粘粒子[E]の膨潤は、温度及び時間とともに進行し、増粘粒子[E]の膨潤に伴ってエポキシ樹脂[A]の粘度は急激に上昇する。
エポキシ樹脂[A]は、増粘粒子[E]の膨潤前においては粘度が低いため、強化繊維基材層内への含浸性が優れる。増粘粒子[E]が膨潤してエポキシ樹脂[A]の粘度が強化繊維基材層内で上昇すると、成形時における樹脂フローが抑制される。その結果、樹脂含浸性と、樹脂フローの抑制と、を高い次元で両立できる。
増粘粒子[E]を配合して成るエポキシ樹脂組成物の増粘開始温度(T1)は80〜110℃であることが好ましく、85〜110℃であることがより好ましい。増粘終了温度(T2)は85〜130℃であることが好ましく、90〜130℃であることがより好ましい。
また、T2−T1は5〜20℃であることが好ましく、7〜20℃であることがより好ましい。T2−T1が5℃未満である場合、成形時において、プリプレグ内に含浸されている樹脂組成物の粘度が急激に上昇し、プリプレグ内に含浸されている樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、得られるCFRPの内部にボイド等の欠陥が発生し、性能不良が生じ易い。T2−T1が20℃を超える場合、成形時において、プリプレグ内に含浸されている樹脂組成物の粘度が安定せず、該樹脂組成物が急激に流動することにより、得られるCFRPに樹脂枯れや繊維蛇行のような外観不良及び性能不良が生じ易い。
硬化開始温度(T3)は、90〜130℃が好ましく、90〜120℃がより好ましい。また、T3−T1は5〜80℃であることが好ましく、5〜50℃であることがより好ましく、5〜30℃がさらに好ましい。
また、T3−T1が5℃未満である場合、成形時において、増粘粒子[E]による樹脂の増粘が完了する前にエポキシ樹脂の硬化が始まり、樹脂のフローをコントロールができないため、得られるCFRPに樹脂枯れや繊維蛇行のような外観不良及び性能不良が生じ易い。T3−T1が80℃を超える場合、樹脂の硬化時間がかかり、CFRP成形時の生産性が低下する。
本発明において、エポキシ樹脂[A]と増粘粒子[E]との混合物は、2℃/分の昇温速度で温度を上げた際、増粘終了温度(T2)の時の粘度(η2)が以下の式(2)
5 Pa・s ≦ η2 ≦ 300 Pa・s ・・・式(2)
の関係を満たすことが好ましい。
η2が5Pa・s未満である場合、成形時において、プリプレグ内に含浸されている樹脂組成物の粘度が安定せず、該樹脂組成物が急激に流動することにより、得られるCFRPに樹脂枯れや繊維蛇行のような外観不良及び性能不良が生じ易い。η2が300Pa・sを超える場合、成形時において、プリプレグ内に含浸されている樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎるため、得られるCFRPの内部にボイド等の欠陥が発生し易い。η2は10〜250Pa・sであることがより好ましく、25〜200Pa・sであることが特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に増粘粒子[E]を配合することにより、エポキシ樹脂組成物の粘度が略一定の温度帯を形成することができる。この温度帯における粘度は、プリプレグを成形するのに適した粘度である。即ち、成形に適した粘度を広い温度範囲で示す。そのため、増粘粒子[E]を配合する本発明のプリプレグは、成形時の温度条件や圧力条件を精密に制御しなくても、安定した品質のCFRPを製造することができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂組成物は、180℃で10分間加熱硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が160℃以上であることが好ましく、170℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が160℃以上であれば、塗装加工等の熱が掛かる条件下でCFRP製品を使用しても、製品に変形が生じ難いため好ましい。
エポキシ樹脂[A]と芳香族アミン[B]とジシアンジアミド[C]と増粘粒子[E]とを含んで成る本発明のエポキシ樹脂組成物は、50℃における粘度が、50〜1000Pa・sであることが好ましく、70〜700Pa・sであることがより好ましく、80〜500Pa・sであることが特に好ましい。50Pa・s未満の樹脂組成物を用いてプリプレグを作製する場合、樹脂組成物のベトつきによってプリプレグの取扱性が低下する。1000Pa・sを超える場合、強化繊維基材層内への樹脂組成物の含浸が不十分になる場合がある。
また、さらに熱可塑性樹脂[D]を含み、熱可塑性樹脂[D]の少なくとも一部がエポキシ樹脂[A]のエポキシ樹脂に溶解したエポキシ樹脂組成物は、50℃における粘度が、50〜1000Pa・sであることが好ましく、70〜700Pa・sであることがより好ましく、80〜500Pa・sであることが特に好ましい。50Pa・s未満の樹脂組成物を用いてプリプレグを作製する場合、樹脂組成物のベトつきによってプリプレグの取扱性が低下する。1000Pa・sを超える場合、強化繊維基材層内への樹脂組成物の含浸が不十分になる傾向がある。
(2−6) その他の添加剤
本発明のエポキシ樹脂組成物には、難燃剤や無機系充填剤、内部離型剤が配合されてもよい。
難燃剤としては、リン系難燃剤が例示される。リン系難燃剤としては、分子中にリン原子を含むものであれば特に限定されず、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸塩などの有機リン化合物、ポリリン酸塩などの有機リン化合物や赤リンが挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、グラファイト、硫酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸塩鉱物、金属水酸化物が挙げられる。特に、ケイ酸塩鉱物や金属水酸化物を用いることが好ましい。ケイ酸塩鉱物の市販品としては、THIXOTROPIC AGENT DT 5039(ハンツマン・ジャパン株式会社 製)が挙げられる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、又は水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、難燃特性を付与する場合は、熱分解温度及び分解時の吸熱量の点から、水酸化アルミニウムが好ましい。金属水酸化物は、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により合成したものを用いてもよい。例えば、市販の水酸化アルミニウムとして、住友化学製C−303、C−301、C−300GT、C−305、C−3250、若しくはCM−450、又は昭和電工製ハイジライトH−42、若しくはH−43等が挙げられる。
また、市販の水酸化マグネシウムとして、タテホ化学工業製マグスター#5、#4、#2、エコーマグPZ−1、又はZ−10等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物中の無機系充填材を配合する場合の含有率は、5〜30質量%であることが好ましく、7〜25質量%であることがさらに好ましい。無機系充填材の含有率が5質量%未満である場合、難燃効果が十分に得られないことがある。無機系充填材の含有率が30質量%を超える場合、力学特性、特に剛性やシャルピー衝撃値が低下したりする場合がある。
内部離型剤としては、例えば、金属石鹸類、ポリエチレンワックスやカルバナワックス等の植物ワックス、脂肪酸エステル系離型剤、シリコンオイル、動物ワックス、フッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができる。これら内部離型剤の配合量は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがさらに好ましい。この範囲内においては、金型からの離型効果が好適に発揮される。
内部離型剤の市販品としては、MOLD WIZ(登録商標) INT1846(AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES INC.製)、Licowax S、Licowax P、Licowax OP、Licowax PE190、Licowax PED(クラリアントジャパン社製)、ステアリルステアレート(SL−900A;理研ビタミン(株)製)が挙げられる。
(2−7) エポキシ樹脂組成物の製造方法
エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂[A]と、芳香族アミン[B]と、ジシアンジアミド[C]とを混合することにより製造できる。これらの混合の順序は問わない。
耐衝撃特性の向上を目的に、熱可塑性樹脂[D]を混合する場合には、エポキシ樹脂[A]と、芳香族アミン[B]と、ジシアンジアミド[C]と、熱可塑性樹脂[D]とを混合することにより製造でき、これらの混合の順序は問わない。
成形性の向上を目的に、増粘粒子[E]を混合する場合には、エポキシ樹脂[A]と、芳香族アミン[B]と、ジシアンジアミド[C]と、増粘粒子[E]とを混合することにより製造でき、これらの混合の順序は問わない。
エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。混合温度としては、40〜120℃の範囲が例示できる。120℃を超える場合、部分的に硬化反応が進行して強化繊維基材層内への含浸性が低下したり、得られる樹脂組成物及びそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下したりする場合がある。40℃未満である場合、樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混合が困難となる場合がある。好ましくは50〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃の範囲である。
混合機械装置としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な例としては、ロールミル、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を備えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混合は、大気中又は不活性ガス雰囲気下で行うことができる。大気中で混合が行われる場合は、温度、湿度が管理された雰囲気が好ましい。特に限定されるものではないが、例えば、30℃以下の一定温度に管理された温度や、相対湿度50%RH以下の低湿度雰囲気で混合することが好ましい。
(3) プリプレグの製造方法
本発明のプリプレグの製造方法は、特に制限がなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、ホットメルト法や溶剤法が好適に採用できる。
ホットメルト法は、離型紙の上に、樹脂組成物を薄いフィルム状に塗布して樹脂組成物フィルムを形成し、強化繊維基材に該樹脂組成物フィルムを積層して加圧下で加熱することにより樹脂組成物を強化繊維基材層内に含浸させる方法である。
樹脂組成物を樹脂組成物フィルムにする方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いることもできる。具体的には、ダイ押し出し、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーターなどを用いて、離型紙やフィルムなどの支持体上に樹脂組成物を流延、キャストをすることにより樹脂組成物フィルムを得ることができる。フィルムを製造する際の樹脂温度は、樹脂組成物の組成や粘度に応じて適宜決定する。具体的には、前述のエポキシ樹脂組成物の製造方法における混合温度と同じ温度条件が好適に用いられる。樹脂組成物の強化繊維基材層内への含浸は1回で行っても良いし、複数回に分けて行っても良い。
溶剤法は、エポキシ樹脂組成物を適当な溶媒を用いてワニス状にし、このワニスを強化繊維基材層内に含浸させる方法である。
本発明のプリプレグは、これらの従来法の中でも、溶剤を用いないホットメルト法により好適に製造することができる。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で強化繊維基材層内に含浸させる場合の含浸温度は、50〜120℃の範囲が好ましい。含浸温度が50℃未満の場合、エポキシ樹脂の粘度が高く、強化繊維基材層内へ十分に含浸しない場合がある。含浸温度が120℃を超える場合、エポキシ樹脂組成物の硬化反応が進行し、得られるプリプレグの保存安定性が低下したり、ドレープ性が低下したりする場合がある。含浸温度は、60〜110℃がより好ましく、70〜100℃が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で強化繊維基材層内に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
(4) 炭素繊維強化複合材料(CFRP)
本発明のプリプレグを加熱加圧して硬化させることにより、本発明のCFRPを得ることができる。
本発明のCFRPは、吸水率が低いことを特徴とする。ここで吸水率とは、121℃、100%RHの条件下で24時間保管した後の質量増加率をいう。吸水率は1.5質量%以下であることが好ましく、1.3質量%以下であることがより好ましく、1.2質量%以下であることがさらに好ましい。1.5質量%を超える場合、後述の0°圧縮強度低下率が大きくなり易い。
0°圧縮強度低下率は、25℃の乾燥条件下で測定した0°圧縮強度(a)と、70℃の水中に2週間保管した後に70℃環境下において測定した0°圧縮強度(b)と、から下記式(3)
(a−b)/a × 100 ・・・式(3)
によって求められる。
即ち、0°圧縮強度低下率が小さいほど、耐吸水性が高いと判断できる。
0°圧縮強度低下率は、30%以下であることが好ましく、28%以下であることがより好ましく、26%である以下であることがさらに好ましい。
本発明のプリプレグを用いて、CFRPを製造する方法としては、オートクレーブ成形、プレス成形、内圧成形及び真空アシスト圧空加圧成形等が挙げられる。
(4−1)オートクレーブ成形法
本発明のCFRPの製造方法としては、オートクレーブ成形法が好ましく用いられる。オートクレーブ成形法は、金型の下型にプリプレグ及びフィルムバッグを順次敷設し、該プリプレグを下型とフィルムバッグとの間に密封し、下型とフィルムバッグとにより形成される空間を真空にするとともに、オートクレーブ成形装置で、加熱と加圧をする成形方法である。成形時の条件は、昇温速度を1〜50℃/分とし、0.2〜0.7MPa、130〜180℃で10〜30分間、加熱及び加圧することが好ましい。
(4−2)プレス成形法
本発明のCFRPの製造方法としては、プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物の特徴を活かして、生産性が高く、良質なCFRPが得られるという観点から、プレス成形法が好ましい。プレス成形法によるCFRPの製造は、本発明のプリプレグ又は本発明のプリプレグを積層して形成したプリフォームを、金型を用いて加熱加圧することにより行う。金型は、予め硬化温度に加熱しておくことが好ましい。
プレス成形時の金型の温度は、130〜180℃が好ましい。成形温度が130℃以上であれば、十分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性でCFRPを得ることができる。また、成形温度が180℃以下であれば、樹脂粘度が低くなり過ぎることがなく、金型内における樹脂の過剰な流動を抑えることができる。その結果、金型からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制できるため、高品質のCFRPが得られる。
成形時の圧力は、0.2〜10MPaである。圧力が0.2MPa以上であれば、樹脂の適度な流動が得られ、外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。また、プリプレグが十分に金型に密着するため、良好な外観のCFRPを製造することができる。圧力が10MPa以下であれば、樹脂を必要以上に流動させることがないため、得られるCFRPの外観不良が生じ難い。また、金型に必要以上の負荷をかけることがないため、金型の変形等が生じ難い。
(4−3)内圧成形法
本発明のCFRPの製造方法としては、内圧成形法も好ましく採用される。内圧成形法とは、袋状の内圧バッグの外側にプリプレグを敷設して、内部に内圧バッグを有するプリプレグ積層体を得、このプリプレグ積層体を金型内に配置して型締し、該金型内で前記内圧バッグを膨張させることにより、プリプレグを該金型の内壁に内接させ、この状態で加熱硬化させる成形方法である。
内圧成形法でCFRPを製造する方法について説明する。先ず、本発明のプリプレグを金型の上型及び下型にそれぞれ敷設する。次に、プリプレグが敷設されている上型と下型との間に内圧バッグを挟み込んで上型と下型とを型締する。これにより、内部に内圧バッグを有するプリプレグ積層体が得られる。その後、金型内の内圧バッグを膨張させることにより、金型内のプリプレグを金型の内壁に内接させるとともに、この状態で金型を加熱することによりプリプレグを加熱硬化させる。所定時間経過後、金型から成形体を取り出し、内圧バッグを除去してCFRPが得られる。
生産性の観点から、プリプレグを敷設する前に、金型を硬化温度に予熱しておくことが好ましい。
内圧バッグの材質は、ナイロンやシリコンゴムのような、可撓性があり且つ耐熱性に優れた材質であることが好ましい。
内圧成形時の金型内の温度は、130〜180℃が好ましい。成形温度が130℃以上であれば、十分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性でCFRPを得ることができる。また、成形温度が180℃以下であれば、樹脂粘度が低くなり過ぎることがなく、金型内における樹脂の過剰な流動を抑えることができる。その結果、金型からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制し、高品質のCFRPが得られる。
成形時の圧力は、0.2〜2MPaである。圧力が0.2MPa以上であれば、樹脂の適度な流動が得られ、外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。また、プリプレグが十分に金型に密着するため良好な外観のCFRPを得ることができる。圧力が2MPa以下であれば、ナイロンやシリコンゴムのような、可撓性がある内圧バッグが破壊され難い。
(4−4)真空アシスト圧空加圧成形法
本発明のCFRPの製造方法としては、真空アシスト圧空加圧成形法も好ましく用いられる。真空アシスト圧空加圧成形法とは、金型の下型にプリプレグ及びフィルムバッグを順次敷設し、該プリプレグを下型とフィルムバッグとの間に密封し、下型とフィルムバッグとにより形成される空間を真空にするとともに、上型と下型とを型締めして形成される金型のキャビティ内を空気加圧してプリプレグを加熱硬化させる成形方法である。
真空アシスト圧空加圧成形法でCFRPを製造する方法について説明する。先ず、本発明のプリプレグを金型の下型に敷設する。次に、該プリプレグの上にフィルムバッグを積重し、下型とフィルムバッグとの間に該プリプレグを密封する。その後、下型とフィルムバッグとにより形成される空間を真空にすることにより該プリプレグを下型に当接させる。さらに、金型を型締して形成される金型のキャビティ内を空気加圧して該プリプレグを下型にさらに密着させる。この状態で加熱することにより該プリプレグを加熱硬化させる。所定時間経過後、金型から成形体を取り出し、フィルムバッグを除去してCFRPが得られる。
生産性の観点から、下型は急速に加熱できるような加熱機構を有していることが好ましい。
フィルムバッグの材質は、ナイロンやシリコンゴムのような、可撓性があり且つ耐熱性に優れた材質であることが好ましい。
金型の温度は、20〜50℃でプリプレグ及びフィルムバッグを積重して真空状態とし、その後、昇温速度2〜100℃/分で130〜180℃まで加熱することが好ましい。成形温度が130℃以上であれば、十分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性でCFRPを得ることができる。また、成形温度が180℃以下であれば、樹脂粘度が低くなり過ぎることがなく、金型内における樹脂の過剰な流動を抑えることができ、金型からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制できるため、高品質のCFRPが得られる。
成形時の圧力は、0.2〜2MPaである。圧力が0.2MPa以上であれば、樹脂の適度な流動が得られ、外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。また、プリプレグが十分に金型に密着するため、良好な外観のCFRPを得ることができる。圧力が2MPa以下であれば、ナイロンやシリコンゴムのような、可撓性があるフィルムバッグが破壊され難い。
本発明の製造方法における硬化時間は10〜30分間であり、従来と比較して短時間である。即ち、優れた品質のCFRPを高い生産性で製造することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法を以下に説明する。
(炭素繊維)
・“テナックス(登録商標)”STS40−24K:(炭素繊維ストランド、引張強度4.2GPa、引張弾性率240GPa、東邦テナックス(株)製)
(エポキシ樹脂)
・“jER(登録商標)”154:(半固形フェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”828:(液状ビスフェニールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”834:(液状ビスフェニールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”604:(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”630:(p−アミノフェノール型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
(増粘粒子)
・“ゼフィアック(登録商標)”F320:(メタクリル酸アルキル重合体)、平均重合度30,000、アイカ工業(株)製)
(硬化剤、硬化促進剤)
・Dicy7:(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製)
・“オミキュア(登録商標)”24:(2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
・DCMU−99:(3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア、保土谷化学工業(株)製)
・2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
・3,3’−DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製の芳香族アミン系硬化剤)
・4,4’−DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製の芳香族アミン系硬化剤)
(芳香族アミン)
・キュアハードMED:上記化学式(2)の構造を有する(クミアイ化学工業(株)製)。
・M−DEA:上記化学式(3)の構造を有する(ロンザ社製)。
・M−MIPA:上記化学式(4)の構造を有する(ロンザ社製)。
・M−CDEA:上記化学式(5)の構造を有する(ロンザ社製)。
(熱可塑樹脂)
・Virantage VW−10700RFP(商品名):Solvay Specialty Polymers社製、平均粒子径20μm、重量平均分子量(Mw)22,000のポリエーテルスルホン
・PES 5003P:ポリエーテルスルホン(エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂)(以下、PES)、住友化学工業株式会社製、平均粒子径20μm
・PA12:(ポリアミド12、平均粒子径20μm、ダイセル・エボニック社製)
・PA1010:(ポリアミド1010、平均粒子径20μm、ダイセル・エボニック社製)
・PA11:(ポリアミド11、平均粒子径20μm、アルケマ社製)
・グリルアミドTR−55:(非晶性ポリアミド、平均粒子径20μm、エムスケミージャパン社製)
(実施例1〜27、比較例1〜4)
(1) エポキシ樹脂組成物の調合
ニーダー中に、表1又は2に記載する割合でエポキシ樹脂[A]及びこのエポキシ樹脂[A]に溶解させる熱可塑性樹脂[D]を所定量加え、混練しながら150℃まで昇温させ、固形成分を完全に溶解させた。その後、混練しながら60℃の温度まで降温させ、増粘粒子[E]、ジシアンジアミド[C]、熱可塑性樹脂[D]等を表1又は2に記載する割合で加えて30分間撹拌することにより均一に分散させ、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2) プリプレグの作製
(2−1) 一方向プリプレグの作製
一方向プリプレグは、次のように作製した。リバースロールコーターを用いて、離型紙上に、上記で得られたエポキシ樹脂組成物を塗布して50g/m目付の樹脂フィルムを作製した。次に、単位面積当たりの繊維質量が190g/mとなるように炭素繊維を一方向に整列させてシート状の強化繊維基材層を作製した。この強化繊維基材層の両面に上記樹脂フィルムを積重し、温度100℃、圧力0.2MPaの条件で加熱加圧して、炭素繊維含有率が65質量%の一方向プリプレグを作製した。
(3) エポキシ樹脂組成物のゲルタイムの測定
エポキシ樹脂組成物3gをサンプルとして準備し、樹脂の硬化を追跡するためにキュラストメータIIF−120(JSRトレーディング(株)製)を用いて、150℃の温度でゲルタイムを測定した。
(4) ガラス転移温度の測定
上記一方向プリプレグを[0°]の方向に10枚積層した積層物をバッグ内に入れ、これをオートクレーブ内で2℃/分で昇温し、150℃にて30分間加熱し、硬化させて成形板(炭素繊維強化複合材料)を作製した。この間、オートクレーブ内を0.7MPaに加圧し、バッグ内を真空に保った。
SACMA 18R−94法に准じて、炭素繊維強化複合材料のガラス転移温度を測定した。上記成形板を長さ(繊維方向)55mm×幅12mmの試験片に加工し、レオメトリクス社製レオメーターARES−RDAを用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.01%の条件で、チャック間の距離を45mmとし、30℃からゴム弾性領域まで貯蔵弾性率G’を測定した。logG’を温度に対してプロットし、logG’の平坦領域の近似直線と、G’が転移する領域の近似直線との交点から求められる温度をガラス転移温度(Tg)として記録した。
(5) 吸水率の測定
上記一方向プリプレグを[0°]の方向に10枚積層した積層物をバッグ内に入れ、これをオートクレーブ内で2℃/分で昇温し、150℃にて30分間加熱し、硬化させて成形板(炭素繊維強化複合材料)を作製した。この間、オートクレーブ内を0.7MPaに加圧し、バッグ内を真空に保った。
上記成形版を50mm×50mmの試験片に加工し、プレッシャークッカーPC−422R8((株)平山製作所製)を用い、121℃、100%RH、2気圧の条件で24時間湿熱処理を行い、処理前後の重量を比較することにより吸水率の評価とした。
(6) 圧縮強度の測定
上記一方向プリプレグを[0°]の方向に5枚積層した積層物をバッグ内に入れ、これをオートクレーブ内で2℃/分で昇温し、150℃にて30分間加熱し、硬化させて成形板(炭素繊維強化複合材料)を作製した。この間、オートクレーブ内を0.7MPaに加圧し、バッグ内を真空に保った。
SACMA 1R−94法に准じて、試験速度1.0mm/minで炭素繊維強化複合材料の圧縮強度を測定した。サンプル数は5個とし、その平均値を用いた。
(7) プレス成形性の評価
上記一方向プリプレグを100mm×100mmの寸法にカットし、[0°/90°/0°/90°/0°/0°/90°/0°/90°/0°]の方向に10枚積層した積層体を得た。金型の上型及び下型を予め150℃に加熱し、下型上に前記プリプレグ積層体を配置し、すぐに上型を降ろして金型を閉め、0.1MPaで30秒間保持した後、2MPaの圧力をかけて、5分間加熱加圧してプリプレグ積層体を硬化させた。次いで、金型から成形品を取り出してFRPを得た。このFRPを超音波探傷装置(SDS−3600:日本クラウトクレイマー社製)を用い、二重透過法で、周波数5Hz、増幅度 25dBで測定を行った。測定した面積に対し、しきい値50%以下の割合を算出し、FRPの内部欠陥を評価した。
内部欠陥の判定
○:非常に良好:しきい値50%以下の割合が1.0%未満
△:良好 :しきい値50%以下の割合が1.0%以上3.0%未満
×:不良 :しきい値50%以下の割合が3.0%以上
Figure 2019156982
Figure 2019156982
Figure 2019156982
Figure 2019156982

Claims (8)

  1. 炭素繊維から成る繊維強化基材と、
    前記繊維強化基材内に一部又は全部が含浸したエポキシ樹脂組成物と、
    を含んで成るプリプレグであって、
    前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂と、ジシアンジアミドと、下記式(1)
    Figure 2019156982

    (但し、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの水素以外の置換基を有する。また、化学式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1〜6の脂肪族置換基である。Xは−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−S−、−O−、−CO−、−CONH−、−C(=O)−のいずれかである。)
    で表される芳香族アミンを含むことを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物が、ウレア系促進剤をさらに含む請求項1に記載のプリプレグ。
  3. エポキシ樹脂100質量部に対する前記ジシアンジアミドと前記ウレア系促進剤の含有量が、下記式を満たすことを特徴とする請求項2に記載のプリプレグ。
    2≦ジシアンジアミドとウレア系促進剤の合計量≦12
  4. 前記エポキシ樹脂組成物が、メタクリル酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系化合物及びビニル系化合物から成る群から選択される1種又は2種以上の重合単位を有する重合体から成る増粘粒子をさらに含む請求項1に記載のプリプレグ。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物が、熱可塑性樹脂をさらに含む請求項1に記載のプリプレグ。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物の150℃におけるゲルタイムが300秒以下である請求項1に記載のプリプレグ。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のプリプレグを硬化して得られる炭素繊維強化複合材料であって、0°圧縮強度低下率が30%以下であることを特徴とする炭素繊維強化複合材料。
  8. 吸水率が1.5質量%以下である請求項7に記載の炭素繊維強化複合材料。
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