JP2016210860A - エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料用プリプレグ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温硬化性を有するにもかかわらずポットライフが長く、しかも硬化物の耐熱性および機械特性にも優れるエポキシ樹脂組成物、およびこれを用いた繊維強化複合材料用プリプレグを提供する。
【解決手段】エポキシ基を2つ以上有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A)と、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(B)(ただし、前記エポキシ樹脂(A)を除く。)と、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを含み、前記錯体(D)の含有量が、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、1.5〜4質量部である、エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維強化複合材料用プリプレグに用いられるエポキシ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物を含む繊維強化複合材料用プリプレグに関する。
強化繊維とマトリックス樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量で優れた機械特性を有するため、航空宇宙用途(航空機部材等)、自動車用途(自動車部材)、スポーツ用途(自転車部材等)、一般産業用途等に広く用いられている。繊維強化複合材料は、中間材料である繊維強化複合材料用プリプレグを成型することによって得られる。
プリプレグは、強化繊維に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含浸させたものである。プリプレグ用の樹脂としては、繊維強化複合材料の耐熱性等の点から、主として熱硬化性樹脂が用いられ、耐熱性、弾性率、低硬化収縮性、耐薬品性等に優れた繊維強化複合材料が得られる点から、エポキシ樹脂が最もよく用いられる。特に、航空宇宙用途等の耐熱性が求められる用途においては、180℃硬化型エポキシ樹脂がよく用いられる。
しかしながら、180℃硬化型エポキシ樹脂は、硬化のために180℃で2時間以上の加熱が必要である。そのため、プリプレグの成型に用いる副資材にも同程度の耐熱性が要求され、繊維強化複合材料の製造コストが高くなるという問題がある。
この問題を解決する方法としては、プリプレグを比較的低温で一次硬化させて脱型した後、一次硬化物をポストキュアする方法が知られている。この方法を適用するためには、プリプレグには、120〜140℃の比較的低温の加熱によって、脱型できる程度の硬さに硬化する性質(一次硬化性)が求められる。そのために、エポキシ樹脂の硬化剤である芳香族ポリアミンに、硬化促進剤であるウレア系触媒やイミダゾール触媒を組み合わせることが行われている。
しかしながら、芳香族ポリアミンにウレア系触媒やイミダゾール触媒を組み合わせた場合、硬化物の耐熱性が大きく低下するという問題がある。特に、イミダゾール触媒は、硬化物の耐熱性の低下に加え、硬化物の靱性が大きく低下するという問題もある。
低温硬化性および硬化物の耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物としては、例えば、下記のものが提案されている。
(1)芳香族ポリアミンと、三フッ化ホウ素のアミン錯体とを含むエポキシ樹脂組成物(特許文献1)。
しかしながら、芳香族ポリアミンを含む(1)のエポキシ樹脂組成物は、ポットライフが短いため、通常、室温で2週間以上のシェルフライフが要求されるプリプレグに用いることは困難である。
ポットライフの長いエポキシ樹脂組成物としては、例えば、下記のものが提案されている。
(2)エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂と、ハロゲン化ホウ素のアミン錯体と、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物(特許文献2)。
しかしながら、(2)のエポキシ樹脂組成物では、180℃で2時間加熱して得られた硬化物が、航空機部材、自動車部材、自転車部材等において要求される耐熱性および機械物性を達成することが困難である。
特開2001−261783号公報 特開平6−49176号公報
本発明は、低温硬化性を有するにもかかわらずポットライフが長く、しかも硬化物の耐熱性および機械特性にも優れるエポキシ樹脂組成物;および比較的低温で硬化させても脱型できる程度の硬さに硬化する一次硬化性を有するにもかかわらずシェルフライフが長く、しかも成型後に得られる繊維強化複合材料の耐熱性および機械特性にも優れる繊維強化複合材料用プリプレグを提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
[1]繊維強化複合材料用プリプレグに用いられるエポキシ樹脂組成物であり、エポキシ基を2つ以上有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A)と、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(B)(ただし、前記エポキシ樹脂(A)を除く。)と、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを含み、前記錯体(D)の含有量が、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、1.5〜4質量部である、エポキシ樹脂組成物。
[2]前記エポキシ樹脂(B)の軟化点が、60℃以上である、[1]のエポキシ樹脂組成物。
[3]前記エポキシ樹脂組成物を135℃で30分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度が、45%以上である、[1]または[2]のエポキシ樹脂組成物。
[4]前記エポキシ樹脂組成物を135℃で60分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度が、55%以上である、[1]〜[3]のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
[5]前記エポキシ樹脂(B)が、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテルである、[1]〜[4]のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
[6]前記芳香族ポリアミン(C)が、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンまたは3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンである、[1]〜[5]のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
[7]前記錯体(D)が、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体である、[1]〜[6]のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
[8]前記エポキシ樹脂組成物を180℃で2時間加熱して得られる硬化物の、動的粘弾性測定によるガラス転移点が、200℃以上である、[1]〜[7]のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかのエポキシ樹脂組成物と、強化繊維とを含む、繊維強化複合材料用プリプレグ。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低温硬化性を有するにもかかわらずポットライフが長く、しかも硬化物の耐熱性および機械特性にも優れる。
本発明の繊維強化複合材料用プリプレグは、比較的低温で硬化させても脱型できる程度の硬さに硬化する一次硬化性を有するにもかかわらずシェルフライフが長く、しかも成型後に得られる繊維強化複合材料の耐熱性および機械特性にも優れる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「グリシジルアミン型エポキシ樹脂」とは、アミンにエピクロロヒドリンを反応させる等によってアミンをグリシジル化してなるエポキシ樹脂を意味する。
「芳香族ポリアミン」とは、芳香環と結合したアミン性窒素原子を複数個有し、複数の活性水素を有する化合物を意味する。ここで「活性水素」とは、アミン性窒素原子に結合した水素原子をいう。
「潜在性」とは、エポキシ樹脂組成物の20〜50℃の温度領域における硬化反応性が著しく低く抑えられる特性を意味する。具体的には、低温領域におけるポットライフやシェルフライフに反映される特性である。
「ポットライフ」とは、エポキシ樹脂組成物における低温領域における粘度安定性を意味する。
「シェルフライフ」とは、プリプレグにおける低温領域におけるタックやドレープが安定化する特性を意味する。
「エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度」は、粘弾性測定装置を用い、パラレルプレートの直径:25mm、プレートギャップ:0.5mm、角速度:10ラジアン/秒、ストレス:300Pa、温度:30℃の条件で測定した粘度である。
「エポキシ樹脂の軟化点」は、JIS K 7234:1986「エポキシ樹脂の軟化点試験方法」の環球法によって測定した軟化点である。
「硬化物の硬化度」は、エポキシ樹脂組成物を135℃で30分間または135℃で60分間加熱して得られた硬化物から1〜10mgの樹脂片を採取し、示差走査熱量計を用いて、樹脂片を10℃/分の昇温レートにて300℃まで昇温して残存発熱量を測定し、測定された発熱量から下記式(1)によって求めた硬化度である。
硬化度[%]=(硬化前樹脂の総発熱量[J/g]−残存発熱量[J/g])/硬化前樹脂の総発熱量[J/g]×100 ・・・(1)
「硬化物のガラス転移点」は、硬化物から長さ:55mm、幅:12.7mm、厚さ:2mmの試験片を切り出し、動的粘弾性測定装置を用い、周波数:1Hz、昇温レート:5℃/分の条件でねじりモードでの貯蔵弾性率G’を測定し、logG’を温度に対してプロットし、logG’の転移する前の平坦領域の近似直線とlogG’が転移する領域の近似直線との交点から求められる温度である。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ基を2つ以上有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A)と、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(B)(ただし、前記エポキシ樹脂(A)を除く。)と、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを含む。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、芳香族ポリアミン(C)および錯体(D)以外の他の成分を含んでもよい。
(エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を2つ以上有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂(A)は、硬化物に耐熱性を付与する成分である。
エポキシ樹脂(A)としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルキシリレンジアミン等が挙げられる。
エポキシ樹脂(A)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三菱化学社製のjER(登録商標)604、630、
住友化学工業社製のスミエポキシ(登録商標)ELM−434、ELM−100、
ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のAraldite(登録商標)MY720、MY721、MY9663、MY9634、MY9655、MY0500、MY0510、MY0600等。
(エポキシ樹脂(B))
エポキシ樹脂(B)は、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(ただし、前記エポキシ樹脂(A)を除く。)である。
エポキシ樹脂(B)は、硬化物に耐熱性を付与し、かつエポキシ樹脂組成物にプリプレグ用の樹脂として必要な粘度を付与する成分である。
エポキシ樹脂(B)としては、トリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)としては、硬化物に十分に耐熱性を付与できる点から、トリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂(B)としては、硬化物の耐熱性および機械物性がさらに優れる点から、トリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂または多官能ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、トリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテルがさらに好ましい。
エポキシ樹脂(B)の軟化点は、60℃以上が好ましく、60〜150℃がより好ましい。エポキシ樹脂(B)の軟化点が60℃以上であれば、エポキシ樹脂組成物にプリプレグ用の樹脂として必要な粘度を十分に付与できる。エポキシ樹脂(B)の軟化点が150℃以下であれば、他成分との相溶が容易になる。
軟化点が60〜150℃のエポキシ樹脂(B)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
トリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂:ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のTactix(登録商標)742(軟化点:80−90℃)。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂:DIC社製のN−770(軟化点:65−75℃)、N−775(軟化点:70−80℃)。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:DIC社製のN−665(軟化点:65−74℃)、N−670(軟化点:69−77℃)、N−680(軟化点:82−92℃)、N−690(軟化点:88−98℃)、N−695(軟化点:90−100℃);ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のAraldite(登録商標)ECN1280(軟化点:75−85℃)、ECN1299(軟化点:85−100℃)。
多官能ノボラック型エポキシ樹脂:三菱化学社製のjER(登録商標)1032H60(軟化点:62℃)、157S70(軟化点:70℃)、1031S(軟化点:90℃)。
ビフェニル型エポキシ樹脂:三菱化学社製のjER(登録商標)YX4000(軟化点:105℃)、YX4000H(軟化点:105℃)。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂:DIC社製、HP−7200H(軟化点:78−88℃)等。
エポキシ樹脂(B)の市販品としては、硬化物の耐熱性および機械物性がさらに優れる点から、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のTactix(登録商標)742(トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル)または三菱化学社製のjER(登録商標)1032H60(多官能ノボラック型エポキシ樹脂)が特に好ましい。
(芳香族ポリアミン(C))
芳香族ポリアミン(C)は、エポキシ樹脂の硬化剤である。
芳香族ポリアミン(C)としては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(C)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
和歌山精化工業社製のセイカキュア−S、
三井化学ファイン社製の4,4’−DAS、3,3’−DAS、
ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のAradur(登録商標)MY9664−1、MY9719−1等。
芳香族ポリアミン(C)としては、室温でのポットライフに優れ、かつ硬化物の強靭性、耐熱性に優れる点から、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンまたは3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンが好ましい。
(錯体(D))
錯体(D)は、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体である。
錯体(D)は、エポキシ樹脂に対して潜在性を持つ硬化促進剤である。
錯体(D)としては、三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素・n−ヘキシルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジメチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジイソプロピルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジブチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジベンジルアミンアミン錯体、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素・トリエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・トリブチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ジメチルベンジルアミン錯体、三フッ化ホウ素・トリエタノールアミン錯体等が挙げられる。
錯体(D)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体:ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製のアンカー1115。
三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体:いずれもステラケミファ社製。
錯体(D)としては、室温でのポットライフ、135℃での硬化性に優れ、かつ完全硬化した際にもガラス転移点の低下を起こさない点から、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体が好ましい。
(他の成分)
他の成分としては、熱可塑性樹脂、充填材、希釈剤、溶剤、顔料、可塑剤、酸化防止剤等の公知の添加剤が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物のべたつきを抑えて、プリプレグのタックを適正レベルに調整したり、タックの経時変化を抑制したりする。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
充填材としては、シリカ等が挙げられる。
シリカは、プリプレグの硬化直前の最低粘度領域においてエポキシ樹脂組成物の流動性を適度なものとする。
シリカの種類等は、特に制限されない。シリカの形状は、無定形であってもよく、球状であってもよい。シリカの表面性状は、疎水性であってもよく、親水性であってもよい。
(組成)
エポキシ樹脂(A)の割合は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計(100質量%)のうち、30〜70質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。エポキシ樹脂(A)の割合が30質量%以上であれば、硬化物の耐熱性がさらに優れる。
エポキシ樹脂(A)の割合が70質量%以下であれば、エポキシ樹脂組成物にプリプレグ用の樹脂として必要な粘度を十分に付与できる。また、硬化物の強度(特に破断伸度)が良好になる。
エポキシ樹脂(B)の割合は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計(100質量%)のうち、30〜70質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。エポキシ樹脂(B)の割合が30質量%以上であれば、エポキシ樹脂組成物にプリプレグ用の樹脂として必要な粘度を十分に付与できる。エポキシ樹脂(B)の割合が70質量%以下であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎることがない。
芳香族ポリアミン(C)の含有量Xは、エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、下記式(2−1)の範囲が好ましく、下記式(2−2)の範囲がより好ましい。
85Y≦X≦120Y ・・・(2−1)
90Y≦X≦110Y ・・・(2−2)
ただし、Yは、下記式(3)で表されれる。
Y=芳香族ポリアミン(C)の活性水素当量(AEW)/エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の平均エポキシ当量(EEW) ・・・(3)
芳香族ポリアミン(C)の含有量Xが85Y以上であれば、硬化物の耐熱性および機械特性がさらに優れる。芳香族ポリアミン(C)の含有量Xが120Y以下であれば、硬化物の耐熱性がさらに優れる。
錯体(D)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、1.5〜4質量部であり、2.5〜3質量部が好ましい。錯体(D)の含有量が2質量部以上であれば、硬化促進性が全温度領域において十分に高められる。錯体(D)の含有量が4質量部以下であれば、エポキシ樹脂組成物のポットライフが長くなり、また、硬化物の弾性率が高くなる。
エポキシ樹脂組成物がシリカを含む場合、シリカの含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、2〜7質量部が好ましい。シリカの含有量が2質量部以上であれば、プリプレグの硬化直前の最低粘度領域においてエポキシ樹脂組成物の流動性が高くなりすぎず、プリプレグの外にエポキシ樹脂組成物が流れにくくなるため、硬化物の量が不足しにくく、外観不良となりにくい。また、硬化物の強度が高くなる。シリカの含有量が7質量部以下であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、プリプレグの製造が容易である。
(粘度)
エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度は、5000Pa・s以上が好ましく、10000〜100000Pa・sがより好ましく、15000〜50000Pa・sがさらに好ましい。エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が5000Pa・s以上であれば、プリプレグとして十分なタックを与えることができる。エポキシ樹脂組成物の30℃における粘度が100000Pa・s以下であれば、プリプレグとして十分なドレープ性を与えることができる。
(硬化物)
エポキシ樹脂組成物を135℃で30分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度は、45%以上が好ましく、57〜100%がより好ましい。硬化度(135℃、30分間)が45%以上であれば、エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグが、120〜140℃の比較的低温、かつ比較的短時間の加熱によって、脱型できる程度の硬さに硬化する性質(一次硬化性)を十分に有する。
エポキシ樹脂組成物を135℃で60分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度は、55%以上が好ましく、60〜100%がより好ましい。硬化度(135℃、60分間)が55%以上であれば、エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグが、120〜140℃の比較的低温の加熱によって、脱型できる程度の硬さに硬化する性質(一次硬化性)を十分に有する。
エポキシ樹脂組成物を180℃で2時間加熱して得られる硬化物の、動的粘弾性測定によるガラス転移点は、200℃以上が好ましく、210℃以上がより好ましい。硬化物のガラス転移点が200℃以上であれば、硬化物の耐熱性がさらに優れる。
(作用機序)
以上説明した本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを組み合わせているため、低温硬化性を有する。具体的には、エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグが、135℃、30〜60分間の加熱によって、脱型できる程度の硬さに硬化する性質(一次硬化性)を有する。
また、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを組み合わせた場合、ポットライフが短くなる傾向があるが、本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、室温で固形であり、硬化前の状態ではエポキシ樹脂に溶解していない芳香族ポリアミンを用いることから、ポットライフが長い。具体的には、エポキシ樹脂組成物が、21℃で2週間以上のポットライフを有する。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、エポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを含むため、硬化物の耐熱性および機械特性に優れる。耐熱性については具体的には、180℃、2時間のポストキュアによって硬化物が200℃以上のガラス転移点を有する。
<繊維強化複合材料用プリプレグ>
本発明の繊維強化複合材料用プリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維とを含む。
強化繊維としては、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、高強度ポリエステル繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維等が挙げられ、難燃性の点から、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維が好ましく、比強度および比弾性に優れる点から、炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維の形態としては、一方向に引き揃えられたもの、織物、ノンクリンプファブリック等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物の含有率は、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましく、25〜35質量%がさらに好ましい。
本発明の繊維強化複合材料用プリプレグは、本発明のエポキシ樹脂組成物と強化繊維とを用いて、公知の方法で製造することができる。
(作用機序)
以上説明した本発明の繊維強化複合材料用プリプレグにあっては、本発明のエポキシ樹脂組成物を含んでいるため、比較的低温で硬化させても脱型できる程度の硬さに硬化する一次硬化性を有するにもかかわらずシェルフライフが長く、しかも成型後に得られる繊維強化複合材料の耐熱性および機械特性にも優れる。具体的には、135℃、30〜60分間の加熱によって、脱型できる程度の硬さに硬化する性質(一次硬化性)を有し、21℃で2週間以上のシェルフライフを有し、180℃、2時間のポストキュアによって硬化物(マトリックス樹脂)が200℃以上のガラス転移点を有する。
本発明の繊維強化複合材料用プリプレグは、従来のプリプレグに比べ、より低温領域で一次硬化でき、成型に要するエネルギーコスト、副資材コスト等を大幅に削減することができる。
<繊維強化複合材料>
本発明における繊維強化複合材料は、本発明の繊維強化複合材料用プリプレグを硬化して得られる。
本発明における繊維強化複合材料は、本発明の繊維強化複合材料用プリプレグを用いて、公知の方法で製造することができる。例えば、所定の表面形状を有する下型と上型との間にプリプレグを挟み、加圧および加熱して所定の形状の一次硬化物を得た後、脱型した一次硬化物をポストキュアする方法等が挙げられる。
本発明における繊維強化複合材料は、本発明の繊維強化複合材料用プリプレグを硬化してなるものであるため、耐熱性および機械特性に優れる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<評価>
(樹脂板の作製)
エポキシ樹脂組成物を、離型処理された2枚の4mm厚のガラス板の間に2mm厚のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製スペーサを介して注入し、135℃で30分間または135℃で60分間加熱して一次硬化樹脂板を得た。一次硬化樹脂板をガラス板から取り外した。135℃で60分間加熱して得られた方の一次硬化樹脂板をフリースタンドの状態で180℃で2時間加熱し、二次硬化樹脂板を得た。これを曲げ特性およびガラス転移点の評価用の樹脂板とした。
(硬化度)
一次硬化樹脂板から1〜10mgの樹脂片を採取し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q100)を用いて、樹脂片を10℃/分の昇温レートにて300℃まで昇温して残存発熱量を測定した。測定された発熱量から下記式(1)によって硬化度を求めた。
硬化度[%]=(硬化前樹脂の総発熱量[J/g]−残存発熱量[J/g])/硬化前樹脂の総発熱量[J/g]×100 ・・・(1)
(脱型性)
一次硬化樹脂板をガラス板から取り外す際の脱型性を、下記の5段階で評価した。
× :エポキシ樹脂組成物がまったく硬化していない。
×〜△:エポキシ樹脂組成物はB−ステージ化しているが、一次硬化樹脂板を脱型できない(ぼろぼろに崩れる)。
△ :一次硬化樹脂板を脱型できるが、一次硬化樹脂板は手で簡単に割れる。
△〜○:一次硬化樹脂板を脱型できるが、一次硬化樹脂板は手で割れる。
○ :一次硬化樹脂板を脱型でき、通常の樹脂板と同様に扱える。
(曲げ特性)
樹脂板から長さ:60mm、幅:8mm、厚さ:2mmの試験片を切り出した。3点曲げ治具(圧子、サポートとも3.2mmR、サポート間距離:試験片の厚さの16倍、クロスヘッドスピード:2mm/分)を設置した万能試験機(インストロン社製)を用い、曲げ特性(曲げ強度、曲げ弾性率および曲げ伸度)を測定した。
(ガラス転移点)
樹脂板から長さ:55mm、幅:12.7mm、厚さ:2mmの試験片を切り出した。動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、ARES−RDA)を用いて、周波数:1Hz、昇温レート:5℃/分の条件でねじりモードでの貯蔵弾性率G’を測定した。logG’を温度に対してプロットし、logG’の転移する前の平坦領域の近似直線とlogG’が転移する領域の近似直線との交点から求められる温度をガラス転移点とした。
(ポットライフ)
エポキシ樹脂組成物を21℃、50RH%の環境下で保管し、そこから1〜10mgのサンプルを採取し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、Q100)を用いて1週間に1回の頻度でエポキシ樹脂組成物のガラス転移点を測定し、ガラス転移点が15℃を超えた週をポットライフ切れと判断した。
<各成分>
(エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A−1):N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(三菱化学社製、jER(登録商標)604)。
エポキシ樹脂(A−2):トリグリシジルp−アミノフェノール(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、Araldite(登録商標)MY0500)。
(エポキシ樹脂(B))
エポキシ樹脂(B−1):トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、Tactix(登録商標)742、軟化点:80−90℃)。
エポキシ樹脂(B−2):多官能ノボラック型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)1032H60、軟化点:62℃)。
エポキシ樹脂(B−3):ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学社製、jER(登録商標)828、室温で液状)。
(芳香族ポリアミン(C))
芳香族ポリアミン(C−1):4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化工業社製、セイカキュア−S)。
(錯体(D))
錯体(D−1):三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体(ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、アンカー1115)。
錯体(D−2):三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体(ステラケミファ社製)。
錯体(D−3):三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体(ステラケミファ社製)。
(他の硬化促進剤)
硬化促進剤(D’−4):マイクロカプセル型潜在硬化剤(旭化成イーマテリアルズ社製、Novacure(登録商標)HX3742)。
硬化促進剤(D’−5):フェニルジメチルウレア(ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、Omicure94)。
硬化促進剤(D’−6):アミンアダクト型潜在硬化剤(味の素ファインテクノ社製、アミキュアPN−50)。
硬化促進剤(D’−7):2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製、2PHZ−PW)。
硬化促進剤(D’−8):三塩化ホウ素・オクチルアミン錯体(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、DY9577)。
(他の成分(E))
シリカ(E−1):二酸化ケイ素(日本アエロジル社製、アエロジル(登録商標)A380)。
熱可塑性樹脂(E−2):ビスフェノールAポリヒドロキシポリエーテル(新日鉄住金化学社製、YP−50S)。
<エポキシ樹脂組成物>
(実施例1)
エポキシ樹脂(B−3)と熱可塑性樹脂(E−2)とを、ガラスフラスコを用いて150℃で溶解混合させ、マスターバッチを調製した。
マスターバッチと、エポキシ樹脂(A−1)と、エポキシ樹脂(B−1)と、シリカ(E−1)とを表1の組成にて100℃で撹拌混合した。これを60℃に徐冷し、芳香族ポリアミン(C−1)および錯体(D−1)を表1に示す量添加し、均一になるまで撹拌混合し、真空脱泡し、エポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
錯体(D−1)の量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
錯体(D−1)の代わりに錯体(D−2)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
錯体(D−1)の代わりに錯体(D−3)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5、6)
エポキシ樹脂(A−1)とエポキシ樹脂(B−1)との比率を変更した以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
エポキシ樹脂(A−1)の一部をエポキシ樹脂(A−2)に変更した以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
エポキシ樹脂(B−1)の代わりにエポキシ樹脂(B−2)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
錯体(D−1)の代わりに硬化促進剤(D’−4)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
錯体(D−1)の代わりに硬化促進剤(D’−5)を用い、かつ表2に示す量に変更した以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
錯体(D−1)の代わりに硬化促進剤(D’−6)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
錯体(D−1)の代わりに硬化促進剤(D’−7)を用いた以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5、6、7)
錯体(D−1)の代わりに硬化促進剤(D’−8)を用い、かつ比較例5、6については表2に示す量に変更した以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例8)
錯体(D−1)の量を表3に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例9)
錯体(D−1)の量を0にした以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表3に示す。
(比較例10、11)
錯体(D−1)の量を表3に示す量に変更した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂組成物を用いて評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2016210860
Figure 2016210860
Figure 2016210860
実施例1〜8は、エポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、芳香族ポリアミン(C)と、三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)とを含み、かつ錯体(D)の含有量が特定の範囲内であるため、低温硬化性を有するにもかかわらずポットライフが長く、しかも硬化物の耐熱性および機械特性にも優れていた。
比較例1〜3は、錯体(D)以外の硬化促進剤を含むため、低温硬化性に劣り、硬化物の耐熱性にも劣っていた。
比較例4は、イミダゾール系硬化促進剤を含むため、硬化物の耐熱性に劣っていた。
比較例5〜7は、錯体(D)以外のハロゲン化ホウ素のアミン錯体を含むため、低温硬化性に劣っていた。
比較例8は、錯体(D)の量が少ないため、低温硬化性に劣っていた。
比較例9は、錯体(D)を含まないため、低温硬化性に劣っていた。
比較例10、11は、錯体(D)の量が多いため、ポットライフが短かった。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて得られる繊維強化複合材料は、航空機部材、自動車部材、自転車部材、スポーツ用品部材、鉄道車両部材、船舶部材、建築部材、オイルライザ等に好適に用いられ、特に高度の耐熱性や強度特性が要求される航空機部材、自動車部材、自転車部材に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 繊維強化複合材料用プリプレグに用いられるエポキシ樹脂組成物であり、
    エポキシ基を2つ以上有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂(A)と、
    エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(B)(ただし、前記エポキシ樹脂(A)を除く。)と、
    芳香族ポリアミン(C)と、
    三フッ化ホウ素とアミンとの錯体(D)と
    を含み、
    前記錯体(D)の含有量が、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるすべてのエポキシ樹脂の100質量部に対して、1.5〜4質量部である、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂(B)の軟化点が、60℃以上である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物を135℃で30分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度が、45%以上である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂組成物を135℃で60分間加熱して得られる硬化物の、示差走査熱量測定による硬化度が、55%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(B)が、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記芳香族ポリアミン(C)が、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンまたは3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記錯体(D)が、三フッ化ホウ素・イソプロピルアミン錯体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記エポキシ樹脂組成物を180℃で2時間加熱して得られる硬化物の、動的粘弾性測定によるガラス転移点が、200℃以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維とを含む、繊維強化複合材料用プリプレグ。
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