JP6240483B2 - 発泡樹脂シート、該発泡樹脂シートを用いる繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

発泡樹脂シート、該発泡樹脂シートを用いる繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、発泡樹脂シート、該発泡樹脂シートを用いる繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体及びその製造方法に関する。
近年、OA機器、パソコン筐体、自動車の内装や外板などに、軽量、高強度、高剛性の点から繊維強化樹脂複合材料が採用されている。さらに、ハニカム構造物や軽量発泡材を繊維強化樹脂層で挟み込んだサンドイッチ成形体は、極めて軽量かつ高剛性であるため用途が急激に拡大している。このような成形体は、アクリル樹脂発泡材、ポリプロピレン樹脂発泡材、ウレタン樹脂発泡材などを薄くスライスしてコア層を形成し、このコア層の表面に、熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを使用してスキン層を形成し、熱プレスによる成形法やオートクレーブ法などにより成形されている(特許文献1)。
しかしながら、これらのコア層は、発泡材から薄くスライスして使用するため、スライス加工に時間とコストがかかる問題がある。また、発泡材は3次元形状に沿わないため、発泡材を切削加工して3次元形状を作製する。そのため、材料の歩留りが悪く、且つ加工コストがかなり高価であった(特許文献1)。
特許文献2、3では、発泡性樹脂と液状成形樹脂とを使用し、発泡コアと繊維状補強材を含有する樹脂からなる表層部とを同時に成形する繊維強化熱硬化性樹脂サンドイッチ成形体の製造方法が開示されている。この方法では、効率良く3次元形状の成形物を得ることができる。しかし、発泡性樹脂の発泡時においてマトリックス樹脂の粘度が低く、気泡を巻き込んで樹脂が流動する。そのため、サンドイッチ成形体の表面にはボイドが多く形成され、表面外観が劣る課題がある。
特許文献4では、未発泡状態の発泡粒子を含んだ熱可塑性樹脂層を得た後、熱可塑性樹脂層中の発泡粒子を膨張させた炭素繊維強化熱可塑性樹脂サンドイッチ成形体が開示されている。しかし、マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂であるため、成形温度が高く、成形設備が高価である。
国際公開第2006/028107号パンフレット 特開平4−27532号公報 特開平6−143441号公報 特開2012−196899号公報
従来の発泡材を薄くスライスしてコア材を得る方法や、発泡材を切削加工して3次元形状のコア材を得る方法は、材料の歩留りが悪く、且つ、加工コストがかなり高価であり、低コストのFRP複合成形体の製造には向かない技術であった。また、発泡性樹脂と液状成形樹脂とを使用する方法では、成形物の表面外観が不十分であった。
本発明の課題は、軽量で高剛性であり、3次元形状を容易に成形でき、かつ表面品位が優れた繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体を製造するため用いる発泡樹脂シートを提供することである。さらに、本発明の他の課題は、該発泡樹脂シートを用いて作製する繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、熱硬化性樹脂組成物中に、所定温度に加熱することにより該熱硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させる増粘樹脂を配合するとともに、所定温度に加熱することにより膨張して該熱硬化性樹脂組成物を発泡させる発泡粒子を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 エポキシ樹脂及び硬化剤を含んで成る熱硬化性樹脂組成物と、
増粘開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させる増粘樹脂と、
発泡開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物を発泡させる発泡粒子と、
を含んで成る発泡樹脂シートであって、
前記発泡開始温度が前記増粘開始温度よりも高いことを特徴とする発泡樹脂シート。
上記〔1〕の発明には以下の〔2〕〜〔5〕の発明が含まれる。
〔2〕 前記発泡粒子の発泡開始温度が、90〜140℃である〔1〕に記載の発泡樹脂シート。
〔3〕 前記増粘樹脂が、ポリメチルメタクリレートである〔1〕に記載の発泡樹脂シート。
〔4〕 前記増粘樹脂が、前記硬化剤よりも低温で硬化を開始する硬化剤である〔1〕に記載の発泡樹脂シート。
〔5〕 前記発泡樹脂シート内に強化繊維基材が内設されている〔1〕に記載の発泡樹脂シート。
上記〔5〕の発明には以下の〔6〕〜〔7〕の発明が含まれる。
〔6〕 前記強化繊維基材が、有機繊維からなる〔5〕に記載の発泡樹脂シート。
〔7〕 前記強化繊維基材が、無機繊維からなる〔5〕に記載の発泡樹脂シート。
〔8〕 〔1〕に記載の発泡樹脂シートを発泡させて成る発泡コア層と、
前記発泡コア層の少なくとも一表面に形成される、繊維強化熱硬化性樹脂から成るスキン層と、
から構成される密度が0.4〜1.0g/cm3の繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体。
〔9〕 〔1〕に記載の発泡樹脂シートと、
硬化開始温度以上の温度に加熱することにより前記繊維強化熱硬化性樹脂を得るスキン層作製用プリプレグと、
を金型内に配置し、
前記発泡開始温度よりも20〜80℃高い温度に加熱することにより、前記発泡樹脂シートを発泡させるとともに、前記スキン層作製用プリプレグを硬化させることを特徴とする〔8〕に記載の繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体の製造方法。
〔10〕 前記スキン層作製用プリプレグがポリメチルメタクリレートを含む〔9〕に記載の繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体の製造方法。
本発明の発泡樹脂シートは、高温プレス成形時に短時間で発泡及び硬化を生じて、外観不良、性能不良等を抑えた高品質なFRP複合成形体を得るのに好適に用いられる。本発明の発泡樹脂シート用いると、低加圧条件で高精度のFRP複合成形体を得ることができる。そのため、FRP複合成形体の表面品位に優れており、意匠性が必要な部品にも適用できる。
図1の1(a)〜1(b)は、本発明の発泡樹脂シートを模式的に示す説明図である。 図2の2(a)〜2(b)は、本発明のFRP複合成形体の成形過程を模式的に示す説明図である。
1.発泡樹脂シート
本発明の発泡樹脂シートは、
エポキシ樹脂及び硬化剤を含んで成る熱硬化性樹脂組成物と、
増粘樹脂と、
未発泡の発泡粒子と、
を含んで成る。
未発泡の発泡粒子は、発泡開始温度以上に加熱することにより膨張し、発泡樹脂シートを構成する熱硬化性樹脂組成物を発泡させる。増粘樹脂は増粘開始温度以上に加熱されることにより、熱硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させて発泡樹脂シートの形態を保持するとともに、発泡粒子の発泡により形成される気泡が発泡樹脂シートの表面に移動することを抑制する。その結果、発泡粒子が膨張した発泡樹脂シートは、見かけの体積が増大する。本発明の発泡樹脂シートは、発泡粒子を未発泡状態で含むものであるが、発泡粒子の一部は発泡が始まっていても良い。
増粘樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物は、30〜130℃に加熱することによって増粘する。本発明の発泡樹脂シートは、発泡粒子が未発泡の状態であり、且つ増粘樹脂によって熱硬化性樹脂組成物が増粘していることが好ましい。
図1(a)〜1(b)は、本発明の発泡樹脂シートを模式的に示す説明図である。図1(a)、1(b)中、100は未発泡の発泡樹脂シートであり、熱硬化性樹脂組成物51と未発泡の発泡粒子53とを含んで構成される。発泡粒子53の発泡開始温度以上に加熱されることにより、発泡粒子53は発泡済発泡粒子53aとなる。これにより、図1(b)に示すとおり、発泡樹脂シート100はその見かけ体積が増大して発泡済発泡樹脂シート101となる。この発泡済発泡樹脂シート101は、後述のFRP複合成形体のコア層を構成する。
1−1. 熱硬化性樹脂組成物
本発明において熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物である。
1−1−1. エポキシ樹脂
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂などの2官能エポキシ樹脂;テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
さらには、フェノール型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。またさらに、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂などの各種変性エポキシ樹脂も用いることができる。
中でも、分子内に芳香族基を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造のいずれかを有するエポキシ樹脂がより好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
グリシジルアミン構造を有するエポキシ樹脂としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−3−メチル−4−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が例示される。
グリシジルエーテル構造を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどの芳香族基、アルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などのハロゲン基が例示される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビスフェノールAD型樹脂、ビスフェノールS型樹脂等が挙げられる。具体的には、三菱化学(株)社製jER815(商品名)、jER828(商品名)、jER834(商品名)、jER1001(商品名)、jER807(商品名)、三井石油化学製エポミックR−710(商品名)、大日本インキ化学工業製EXA1514(商品名)等が例示される。
脂環型エポキシ樹脂としては、ハンツマン社製社製アラルダイトCY−179(商品名)、CY−178(商品名)、CY−182(商品名)、CY−183(商品名)等が例示される。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)社製jER152(商品名)、jER154(商品名)、ダウケミカル社製DEN431(商品名)、DEN485(商品名)、DEN438(商品名)、DIC社製エピクロンN740(商品名)等、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、ハンツマン社製アラルダイトECN1235(商品名)、ECN1273(商品名)、ECN1280(商品名)、日本化薬製EOCN102(商品名)、EOCN103(商品名)、EOCN104(商品名)等が例示される。
各種変性エポキシ樹脂としては、例えば、ウレタン変性ビスフェノールAエポキシ樹脂として旭電化製アデカレジンEPU−6(商品名)、EPU−4(商品名)等が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、適宜選択して1種又は2種以上を混合して用いることができる。この中で、ビスフェノール型に代表される2官能エポキシ樹脂は、分子量の違いにより液状から固形まで種々のグレードの樹脂がある。したがって、これらの樹脂は熱硬化性樹脂組成物の粘度調整を行う目的で配合すると好都合である。
1−1−2. 硬化剤
本発明で用いる硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体、イミダゾール化合物が挙げられる。硬化性や硬化後の物性が優れる点から、アミド系の硬化剤であるジシアンジアミド(DICY)やイミダゾール化合物が好ましい。
ジシアンジアミド(DICY)の具体例としては、三菱化学(株)製のjERキュアーDICY7、DICY15等が挙げられる。
また、DICYを用いる場合には、ウレア系の硬化剤と併用することがより好ましい。DICYはエポキシ樹脂への溶解性がそれほど高くなく、充分に溶解させるためには160℃以上の高温に加熱する必要があるが、ウレア系の硬化剤と併用することにより溶解温度を下げることができる。
ウレア系の硬化剤としては、例えば、フェニルジメチルウレア(PDMU)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMU)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物における硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して5〜30質量部である。硬化剤の使用量が5質量部以上であれば、架橋密度が充分になり、また十分な硬化速度が得られる。エポキシ硬化剤が30質量部以下であれば、硬化剤が過剰に存在することによる硬化樹脂の機械物性の低下や硬化樹脂の濁り等の不具合を抑制することができる。
エポキシ硬化剤として、DICY及びウレア系硬化剤(PDMU、TBDMU等)を併用する場合、それらの使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、DICYが4〜15質量部、ウレア系硬化剤が3〜10質量部(ただし、DICYとウレア系硬化剤の合計量が7〜20質量部である。)であることが好ましい。
イミダゾール化合物の例としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等の、1H−イミダゾールの5位の水素をヒドロキシメチル基で、かつ、2位の水素をフェニル基又はトルイル基で置換したイミダゾール化合物が挙げられる。このうち、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メタトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−パラトルイル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールがより好ましい。
また、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾールや、グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂と2−メチルイミダゾールを反応させて得られるアダクト化合物が挙げられる。中でもアリールグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂と2−メチルイミダゾールとを反応させて得られるアダクト化合物は、樹脂組成物の硬化物の物性を優れたものとすることができるので好ましい。硬化剤として、イミダゾール化合物を使用する場合、エポキシ樹脂100質量部に対して、イミダゾール化合物が2〜30質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることが好ましい。
1−2. 増粘樹脂
本発明で用いる増粘樹脂は、熱硬化性樹脂組成物に配合され、増粘開始温度以上に加熱されることにより、熱硬化性樹脂組成物中で溶解又は膨潤、反応してその粘度を上昇させる。増粘樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等からなる増粘粒子や前記硬化剤よりも低温で硬化を開始する硬化剤が挙げられる。
1−2−1. 増粘粒子
本発明で用いる増粘粒子としては、単独又は複数の不飽和化合物と架橋性モノマーとを共重合して得られる粒子が例示される。特に限定されないが、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル系化合物、ビニル化合物の少なくとも1種を単量体単位とする樹脂を含むことが望ましい。
増粘粒子に用いるアクリル酸エステル系化合物とは、アクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。
増粘粒子に用いるメタクリル酸エステル化合物とは、メタクリル酸エステル構造を有する化合物とその誘導体をいい、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
増粘粒子に用いるビニル化合物とは、重合可能なビニル構造を有する化合物をいい、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン及びこれらの芳香環がアルキル基やハロゲン原子等の種々の官能基で置換された化合物が挙げられる。
また、増粘粒子は、メタクリル酸エステル系化合物、アクリル酸エステル系化合物、ビニル系化合物の1種類又は複数種類の重合単位からなる重合体であってもよく、構造の異なる複数種類の樹脂を混合した樹脂であってもよい。さらに、(1)アクリル酸エステル系化合物又はメタクリル酸エステル系化合物、ジエン系化合物の少なくとも1種からなる重合体と、(2)アクリル酸エステル系化合物又はメタクリル酸エステル系化合物とラジカル重合性不飽和カルボン酸とからなる重合体と、に、(3)金属イオンを添加することでイオン架橋させた複合樹脂であってもよい。
増粘粒子としては、ゼフィアックF325やゼフィアックF320(いずれもアイカ工業(株)製)のような、コアシェル構造を有さないポリメチルメタクリレートからなる市販品を用いることもできる。なお、コアシェル構造を有するポリメチルメタクリレートは熱硬化性樹脂組成物中において膨潤し難く、粘度を上昇させる効果が低いため好ましくない。
増粘粒子の粒径等については特に限定されないが、平均粒子径が0.3〜10μm、好適には、0.5〜8μmであることが望ましい。該増粘粒子は、加熱により1〜50μmに膨潤する。増粘粒子の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して5〜40質量部であることが好ましく、6〜30質量部であることがより好ましく、8〜20質量部であることが特に好ましい。
1−2−2. 低温硬化剤
本発明で増粘樹脂として用いる硬化剤としては、前述の硬化剤のうち、熱硬化性樹脂組成物に配合される硬化剤よりも低温で硬化を開始する硬化剤(以下、「低温硬化剤」ともいう)である。例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、変性脂肪族アミン、変性脂環式アミン、芳香族アミン、ポリアミドアミン、メルカプタン、酸無水物、三級アミン触媒、潜在性硬化剤、などが挙げられる。前述の硬化剤より低温で反応する硬化剤であれば、特に限定されないが、脂肪族アミン、脂環式アミン、変性脂肪族アミン、変性脂環式アミン、三級アミン触媒が好ましい。
低温硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
1−3. 発泡粒子
本発明で用いる発泡粒子は、発泡開始温度以上に加熱することにより、発泡粒子が膨張する熱膨張性の発泡粒子である。発泡粒子は熱膨張性マイクロカプセルの発泡粒子であることが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの発泡粒子としては、揮発性液体から成る発泡剤を含む熱膨脹性熱可塑性重合体粒子を挙げることができる。この粒子は微細な粒子であることが、本発明の目的に特に好ましい。
該揮発性液体発泡剤としてはとくに限定はないが、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロテトラフロロエタン、1,1−ジクロロジフルオロエチレン等の各種ハロゲン化脂肪族炭化水素類等を用いることができる。発泡粒子は、固体に限定されず、樹脂組成物中に分散させた揮発性液体の微細な液滴であってもよい。
市販品として、松本油脂製薬社製の「マツモトマイクロスフェアー(登録商標)」や日本フィライト社製の「EXPANCEL(登録商標)」として入手可能である。
発泡樹脂シートにおける発泡粒子の含有量は、5〜20質量%であり、7〜15質量%が好ましい。発泡粒子の発泡開始温度は、通常90〜140℃であり、90〜130℃であることが好ましい。
1−4. 発泡樹脂シートに内設される強化繊維基材
本発明の発泡樹脂シートは、強度・剛性向上の目的で強化繊維基材が内設されていることが好ましい。強化繊維基材としては、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、高強度ポリエチレン繊維などの有機繊維;炭素繊維、グラファイト繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維などの無機繊維;で構成されていることが好ましい。これらの強化繊維基材は、織物、編物、組紐、不織布状のシート状物などの形態で用いることができる。
強化繊維基材の厚みは特に限定されず、発泡樹脂シートの厚さや用途に応じて適宜調整される。発泡樹脂シートに内設される強化繊維基材の含有量は、30〜500g/m2が好ましく、30〜300g/m2がより好ましい。この範囲である場合、発泡樹脂シートの取扱性が高い。
1−5. その他の添加剤
本発明において熱硬化性樹脂組成物には、難燃剤としてリン系難燃剤が配合されていてもよい。リン系難燃剤としては、分子中にリン原子を含むものであれば特に限定されず、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ポリリン酸塩などの有機リン化合物や赤リンなどが挙げられる。
リン酸エステルは、リン酸とアルコール化合物又はフェノール化合物とのエステル化合物をいう。本発明においてはリン酸エステルを配合することにより、繊維強化複合材料に難燃性を付与することができる。
リン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート並びにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができる。
縮合リン酸エステルとしては、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などが挙げられる。レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートの市販品としては、PX−200(大八化学工業(株)製)が挙げられる。レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−733S(大八化学工業(株)製)が挙げられる。ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−741(大八化学工業(株)製)が挙げられる。中でも、硬化性及び耐熱性に優れる点から、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートが好ましく用いられる。
ホスファゼン化合物は、分子中にリン原子と窒素原子とを含有することにより、FRPに難燃性を付与することができる。ホスファゼン化合物は、ハロゲン原子を含まず、分子中にホスファゼン構造を持つ化合物であれば特に限定されない。ホスファゼン化合物の市販品としては、SPR−100、SA−100、SPB−100、SPB−100L(以上、大塚化学(株)製)、FP−100、FP−110(以上、伏見製薬所製)が挙げられる。
リン原子の難燃効果はリン原子の炭化物形成の促進効果によるものと考えられており、熱硬化性樹脂組成物中のリン原子含有率に影響を受ける。本発明において、熱硬化性樹脂組成物中のリン原子の含有率は、1.2〜4.0質量%であることが好ましく、1.4〜4.0質量%であることがさらに好ましい。リン原子含有率が1.2質量%未満である場合、難燃効果が十分に得られないことがあり、4.0質量%を超える場合、FRPの耐熱性や力学特性、特に剛性やシャルピー衝撃値が低下する場合がある。ここでいうリン含有率(質量%)は、リン原子の質量(g)/全樹脂組成物の質量(g)×100で求められる。なお、熱硬化性樹脂組成物中のリン原子含有率は、上述の計算方法により求めることも、熱硬化性樹脂組成物やFRPの有機元素分析やICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)などにより求めることもできる。
上記リン系難燃剤の中でも、取扱性が良好であり、かつ透明な色味の樹脂硬化物が得られることから、リン酸エステル及びホスファゼン化合物が好ましく用いられる。
1−6. 発泡樹脂シートの製造方法
本発明の発泡樹脂シートは、エポキシ樹脂及び硬化剤を含んで成る熱硬化性樹脂組成物と、増粘樹脂と、未発泡の発泡粒子との混合物をシート化することにより製造できる。
先ず、エポキシ樹脂、硬化剤、未発泡の発泡粒子、増粘樹脂を所定温度で混練して樹脂組成物を調製する。
増粘樹脂として増粘粒子を用いる場合、混練時の温度は、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましく、50〜90℃が特に好ましい。120℃を超える場合、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応が進行し、得られる発泡樹脂シートの保存安定性が低下する場合がある。40℃未満である場合、樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混練が困難となる場合がある。
増粘樹脂として低温硬化剤を用いる場合、混練時の温度は、30〜80℃が好ましく、30〜70℃がより好ましい。80℃を超える場合、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応が進行し、得られる発泡樹脂シートの保存安定性が低下する場合がある。30℃未満である場合、樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混練が困難となる場合がある。
混練は、発泡粒子が発泡を開始しない条件で行う必要があり、発泡粒子の発泡開始温度よりも5℃以上低い温度で行うことが好ましく、10℃以上低い温度で行うことがより好ましい。
混練は従来公知の装置を用いて行うことができる。具体的には、ロールミル、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を供えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混練は、大気中又は不活性ガス雰囲気下で行うことができる。大気中で混練が行われる場合は、温度、湿度管理された雰囲気が好ましい。
このようにして得られた樹脂の混合物は公知の方法でシート加工される。シート加工の方法は、特に制限がなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、ホットメルト法が好適に採用できる。ホットメルト法は、剥離紙や剥離フィルム等の支持体上に樹脂の混合物を薄いフィルム状に塗布して樹脂シートを製造する方法である。樹脂混合物をフィルム状に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いることもできる。具体的には、ダイ押し出し、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーターなどを利用して、支持体上に樹脂混合物を流延、キャストをすることにより、発泡樹脂シートを製造することができる。発泡樹脂シートを製造する際の樹脂混合物の温度としては、樹脂混合物の組成、粘度、発泡粒子の発泡開始温度に応じて適宜決定される。
発泡樹脂シートの樹脂量は特に規定されないが、取扱性を高くするためには、100〜2000g/m2が好ましく、100〜1000g/m2がより好ましい。
強化繊維基材が内設される発泡樹脂シートを製造する場合、上記で作製した樹脂シートを強化繊維基材に積層して加圧下に加熱することにより、樹脂混合物を強化繊維基材に含浸させることにより製造される。
本発明の発泡樹脂シートは、シート加工後に該樹脂混合物を増粘させることが好ましい。増粘の方法としては加熱が好ましい。加熱温度は、増粘樹脂が膨潤又は溶解、反応する温度(増粘開始温度)以上であって且つ発泡粒子の発泡開始温度未満であり、発泡粒子の発泡開始温度よりも5℃以上低い温度であることが好ましく、10℃以上低い温度であることがより好ましい。
1−7. 発泡樹脂シートの使用方法
本発明の発泡樹脂シートは、発泡粒子の発泡開始温度以上の温度に加熱することにより、発泡粒子がシート内で膨張する。発泡樹脂シート内の樹脂は、増粘粒子によって増粘されているため、シート内で膨張した発泡粒子はシート内部に留まり、シート外に離脱し難い。そのため、発泡樹脂シートは、発泡開始温度以上に加熱されると、その見かけの体積が増大する。発泡後の発泡樹脂シートの見かけ体積は、発泡前の発泡樹脂シートの1.5〜10倍であることが好ましく、2〜5倍であることがより好ましい。
本発明の発泡樹脂シートは、その表面に繊維強化熱硬化性樹脂(FRP)から成るスキン層を形成することにより、芯部に発泡コア層を有するFRP複合成形体を製造することができる。
2.FRP複合成形体
本発明のFRP複合成形品は、上記発泡樹脂シートを発泡させて成る発泡コア層と、この発泡コア層の少なくとも一表面に形成されるFRPから成るスキン層と、から構成される。FRPから成るスキン層は通常、スキン層作製用プリプレグを用いて作製される。
2−1. スキン層作製用プリプレグ
本発明においてスキン層作製用プリプレグは、特に限定されず、従来公知のプリプレグを用いることができる。特に、高温プレス成形時に短時間で硬化ができ、樹脂フローが制御されたプレス成形用のプリプレグが好ましい。以下、好ましいスキン層作製用プリプレグについて説明する。
スキン層作製用プリプレグは、強化繊維基材とエポキシ樹脂組成物[A]とから成る。エポキシ樹脂組成物[A]は強化繊維基材内に一部又は全部が含浸して、強化繊維基材と一体化している。エポキシ樹脂組成物[A]は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、増粘粒子とを含んでなる。
スキン層作製用プリプレグは、本来の粘度が低い樹脂組成物を用いており、その樹脂組成物の粘度を所定温度帯において増粘粒子を用いて増粘させている。そのため、エポキシ樹脂組成物[A]の粘度変化が緩やかになる領域(温度帯)が形成され、該領域においてプレス成形することにより、高い樹脂含浸性を得ることができ、かつスキン層作製用プリプレグ内からの樹脂フローを抑制できる。その結果、プリプレグを用いて作製されるFRPは樹脂枯れ等の成形不良が生じ難い。一方、使用するエポキシ樹脂等を適宜選択して樹脂組成物自体の粘度を高くする方法や、揺変剤等を用いて樹脂組成物の粘度を高くする従来の方法の場合、該樹脂組成物の粘度は全体的に上昇する。この場合、樹脂フローを抑制することはできるが、樹脂組成物の含浸性は低下する。その結果、このようにして粘度を上昇させた樹脂組成物を用いて作製されたプリプレグは、樹脂の未含浸部分が多く、該プリプレグを用いて作製するFRPにはボイドが多く形成される。
エポキシ樹脂組成物[A]の含有率(RC)は、スキン層作製用プリプレグの全質量を基準として、15〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましく、25〜45質量%であることが特に好ましい。含有率が15質量%未満である場合は、得られる繊維強化複合材料に空隙などが発生し、機械特性等を低下させる場合がある。含有率が60質量%を超える場合は、強化繊維による補強効果が不十分となり、機械特性等を低下させる場合がある。
ここで、エポキシ樹脂組成物の含有率(RC)は、プリプレグを硫酸に浸漬し、プリプレグ内に含浸している樹脂組成物を溶出させることにより求められる。具体的には以下の方法により求められる。
先ず、プリプレグを100mm×100mmに切り出して試験片を作製し、その質量を測定する。次いで、このプリプレグの試験片を硫酸中に浸漬して必要により煮沸する。これにより、プリプレグ内に含浸している樹脂を分解して硫酸中に溶出させる。その後、残った繊維をろ別して硫酸で洗浄後、乾燥させて繊維の質量を測定する。硫酸による分解操作の前後の質量変化からエポキシ樹脂組成物[A]の含有率を算出する。
スキン層作製用プリプレグの形態は、強化繊維と、前記強化繊維間に含浸されたエポキシ樹脂組成物[A]とからなる強化繊維層と、前記強化繊維層の表面に被覆された樹脂被覆層とからなることが好ましい。樹脂被覆層の厚みは2〜50μmが好ましい。樹脂被覆層の厚みが2μm未満の場合、タック性が不十分となり、プリプレグの成形加工性が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みが50μmを超える場合、プリプレグを均質な厚みでロール状に巻き取ることが困難となり、成形精度が著しく低下する場合がある。樹脂被覆層の厚みは、5〜45μmがより好ましく、10〜40μmが特に好ましい。
2−1−2. 強化繊維基材
強化繊維基材としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維から成る基材が例示される。これらの強化繊維の中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。比強度、比弾性率が良好で、軽量かつ高強度のFRPが得られる点で、炭素繊維がより好ましい。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維にPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は、100〜600GPaであることが好ましく、200〜500GPaであることがより好ましく、230〜450GPaであることが特に好ましい。また、引張強度は2000〜10000MPa、好ましくは3000〜8000MPaである。炭素繊維の直径は4〜20μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、得られるFRPの機械特性を向上できる。
強化繊維基材はシート状に形成して用いることが好ましい。強化繊維基材シートとしては、例えば、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙などを挙げることができる。
多軸織物とは、一般に、一方向に引き揃えた強化繊維の束をシート状にして角度を変えて積層したもの(多軸織物基材)を、ナイロン糸、ポリエステル糸、ガラス繊維糸等のステッチ糸で、この積層体を厚さ方向に貫通して、積層体の表面と裏面の間を表面方向に沿って往復しステッチした織物をいう。多軸織物の場合、400〜2000TEXの炭素繊維束を用い、各層間の繊維重量が50〜1000g/m2になるように織られたものであることが好ましい。
好ましい炭素繊維多軸織物の例としては、〔+45/−45〕、〔−45/+45〕、〔0/90〕、〔0/+45/−45〕、〔0/−45/+45〕、〔0/+45/90/−45〕等を挙げることができる。0、±45、90は、多軸織物を構成する各層の積層角度を表し、それぞれ一方向に引き揃えた強化繊維の繊維軸方向が、織物の長さ方向に対して0°、±45°、90°であることを示している。積層角度はこれらの角度に限定されず、任意の角度とすることができる。
シート状の強化繊維基材の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。これらの強化繊維基材は、公知のサイズ剤を公知の含有量で含んでいても良い。
2−1−3. エポキシ樹脂組成物[A]
スキン層作製用プリプレグのエポキシ樹脂組成物[A]は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、増粘粒子と、を含んで成る。これらの各成分の種類や配合量は、上記(1−1−1)、(1−1−2)、(1−2−1)において説明したとおりである。本発明で用いる増粘粒子としては、ポリメチルメタクリレートが好ましく、ゼフィアックF325やゼフィアックF320(いずれもアイカ工業(株))のような、コアシェル構造を有さないポリメチルメタクリレートからなる市販品を用いることもできる。
2−1−4. エポキシ樹脂組成物[A]の製造方法
エポキシ樹脂組成物[A]は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、増粘粒子と、を混合することにより製造できる。
エポキシ樹脂組成物[A]の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。混練温度としては、40〜120℃の範囲が例示できる。120℃を超える場合、部分的に硬化反応が進行し、得られる樹脂組成物及びそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下する場合がある。40℃未満である場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混練が困難となる場合がある。好ましくは50〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃の範囲である。
混練装置としては、(1−6)発泡樹脂シートの製造方法において説明したものと同じものを使用することができる。
2−1−5. スキン層作製用プリプレグの製造方法
本発明のスキン層作製用プリプレグの製造方法は、特に制限がなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、溶剤法や前述のホットメルト法が好適に採用できる。
エポキシ樹脂組成物[A]をホットメルト法で強化繊維基材に含浸させる場合の含浸温度は、50〜120℃の範囲が好ましい。含浸温度が50℃未満の場合、エポキシ樹脂組成物[A]は粘度が高く、強化繊維基材内へ十分に含浸しない場合がある。含浸温度が120℃以上の場合、エポキシ樹脂組成物[A]の硬化反応が進行し、得られるプリプレグの保存安定性が低下したり、ドレープ性が低下したりする場合がある。含浸温度は60〜110℃がより好ましく、70〜100℃が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物の樹脂シートをホットメルト法で強化繊維基材に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
2−2. FRP複合成形体の製造方法
本発明のFRP複合成形体は、未発泡状態の発泡樹脂シートの片面又は両面に、スキン層作製用プリプレグを積層して加熱することにより、発泡樹脂シート内の発泡粒子を膨張させるとともに、スキン層作製用プリプレグを硬化させて製造される。即ち、
(i)未発泡状態の発泡粒子を含んだ発泡樹脂シートを得た後、
(ii)スキン層作製用プリプレグを発泡樹脂シートの片面又は両面に積層し、
(iii)金型内に配置し、発泡粒子の発泡開始温度よりも20〜80℃高い温度に加熱することにより、発泡樹脂シート中の発泡粒子を膨張させるとともに、
(iv)スキン層作製用プリプレグ及び発泡樹脂シートのエポキシ樹脂を一体で加熱硬化することにより成形する方法である。
図2(a)〜2(b)は、本発明のFRP複合成形体の成形過程を模式的に示す説明図である。図2(a)、2(b)中、50は発泡樹脂シートであり、樹脂組成物51と未発泡の発泡粒子53とを含んで構成される。55a、55bはスキン層作製用プリプレグであり、発泡樹脂シート50の両面に積層されている。金型57a、57b内に配置された発泡樹脂シート50及びスキン層作製用プリプレグ55a、55bは、発泡粒子53の発泡開始温度以上に加熱されることにより、発泡粒子53が膨張し、53a(発泡済発泡粒子)となる。これにより、図2(b)に示すとおり、発泡樹脂シート50は、その見かけ体積が増大して発泡済樹脂シート52になるとともに、スキン層作製用プリプレグ55a、55bが金型に沿って変形する。さらに、発泡樹脂シート50及びスキン層作製用プリプレグ55a、55bの硬化温度以上に加熱することにより、発泡樹脂シート50及びスキン層作製用プリプレグ55a、55bは、内部のエポキシ樹脂が硬化する。これにより、FRP複合成形体が成形される。
本発明のFRP複合成形体の密度は、0.4〜1.0g/cm3で、硬化後の発泡コア層の厚みは、0.5〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.0mmがより好ましい。
本発明の製造方法における硬化時間は1〜20分間が好ましい。これにより高い生産性で優れた品質のFRP複合成形体を製造することができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法を以下に記載する。
(炭素繊維)
・“テナックス(登録商標)”HTS40−12K(引張強度4.2GPa、引張弾性率240GPa、東邦テナックス(株)製)
(繊維強化基材)
・炭素繊維ペーパー BP−1030A−ES(東邦テナックス社製、重さ30g/m2
[熱硬化性樹脂組成物]
(エポキシ樹脂)
・“jER(登録商標)”154(半固形フェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”828(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”834(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”1001(固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製)
・“jER(登録商標)”1256(固形ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、三菱化学(株)製)
(硬化剤)
・Dicy7(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製)
・“オミキュア(登録商標)”24(2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
・DCMU−99(3,4−ジクロロフェニル−1,1−ジメチルウレア、保土谷化学工業(株)製)
・“アミキュア(登録商標)”VDH(ヒドラジド化合物、味の素ファインテクノ(株)製
(増粘粒子)
・“ゼフィアック(登録商標)”F320(メタクリル酸アルキル重合体)、平均重合度30,000、アイカ工業(株)製)
・“ゼフィアック(登録商標)”F325(メタクリル酸アルキル重合体)、平均重合度4,000、アイカ工業(株)製)
(低温で反応するエポキシ樹脂硬化剤)
・“アンカミンK−54”(トリスー2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール)、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)
(その他 難燃剤)
・PX−200(レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート、リン含有率9.0%、大八化学工業(株)製)
・SPB−100(ホスホニトリル酸フェニルエステル、リン含有率13.4%、大塚化学(株)製)
(発泡粒子)
・“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”F―48(松本油脂製薬社製、発泡開始温度100℃)
・“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”F―100M(松本油脂製薬社製、発泡開始温度130℃)
(1) 発泡樹脂シート用の熱硬化性樹脂組成物の調合
ニーダー中に、エポキシ樹脂を所定量加え、混練しつつ、150℃の温度まで昇温させ、固形成分を完全に溶解させることにより透明な粘調液を得た。混練を続けたまま、50〜60℃の温度まで降温させ、硬化剤、増粘剤、発泡粒子を所定量加えて均一に分散するように30分間撹拌して熱硬化性樹脂組成物を得た。
(2) 発泡樹脂シートの作製
リバースロールコーターを用いて、熱硬化性樹脂組成物の温度を60℃に保持し、離型紙上に上記で得られた熱硬化性樹脂組成物を塗布して600g/m2目付の樹脂シートを作製した。次に、表1に記載する温度で2分間加熱処理して樹脂シートを増粘させ、発泡樹脂シートを作製した。
(3)スキン層作製用プリプレグの作製
ニーダー中に、jER154を4kg、jER834を4kg、jER1001を2kg加え、混練しつつ、150℃の温度まで昇温させ、固形成分を完全に溶解させることにより透明な粘調液を得た。混練を続けたまま60℃の温度まで降温させ、Dicy7を0.5kg、オミキュア24を0.4kg、ゼフィアックF320を1.5kg加えて均一に分散するように30分撹拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。リバースロールコーターを用いて、離型紙上に、上記で得られたエポキシ樹脂組成物を塗布して50g/m2目付の樹脂フィルムを作製した。次に、単位面積当たりの炭素繊維質量が200g/m2となるように一方向にシート状に整列させた炭素繊維に上記の樹脂フィルムを両面から重ね、温度95℃、圧力0.2MPaの条件で加熱加圧してエポキシ樹脂組成物を含浸させ、Wfが67%の一方向プリプレグを作製した。
(4)CFRP複合成形体の製造
(2)で得られた発泡樹脂シートを縦299mm×横299mmに1枚切断し、(3)で得られたスキン層作製用プリプレグを縦299mm×横299mmに4枚切断した。次に発泡樹脂シートの両面に、面対称になるようにスキン層作製用プリプレグを0°と90°が交互になるように上下各2枚積層し、プリフォームを用意した。次に、16050℃に加熱した縦300mm×横300mm×厚み2mmの平板成形用金型に上記で準備したプリフォームをセットし、成形物の厚みが2mmになるよう、スペーサ−で厚みを制御し、面圧1.0MPaで型締めした。160℃で10分間保持した後、金型を開け、厚み2mmのCFRP複合成形体を得た。
(5)CFRP複合成形体の外観判定
上記で得られたCFRP複合成形体の外観を以下の判定基準で評価した。ボイドは目視で観察し、φ0.2mm以上の個数を測定した。
外観判定
◎ 成形状態が非常に良い :表面ボイド 0.10個/cm2以下
○ 成形状態が良好 :表面ボイド 0.11〜0.20個/cm2
△ 成形状態に支障がある :表面ボイド 0.21〜0.30個/cm2
× 成形状態が不良 :表面ボイド 0.31個/cm2以上
(6)CFRP複合成形体の密度測定
CFRP複合成形体を、縦50mm、横50mmのサイズに切りだした後、水置換法により密度測定を行った。このとき、水温も同時に測定し、測定水温における水の密度を用いて算出する。これらの測定値から下記式を用いて樹脂硬化物の密度を算出した。
CFRP複合成形体の密度(g/cm3)=[(W1/(W1−W2)]×d
W1:CFRP複合成形体の大気中での質量(g)
W2:CFRP複合成形体の水中での質量(g)
d:測定水温での水の密度(g/cm3
(実施例1〜5、比較例1〜3)
表1に記載する割合で、(1)で説明したとおりの方法で熱硬化性樹脂組成物を製造した。得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて(2)に記載する方法で発泡樹脂シートを製造した。また、(3)〜(6)に記載する方法でCFRP複合成形体を作製し、各種性能を評価した。評価結果は表1に記載した。
(実施例6)
表1に記載する割合で、(1)で説明したとおりの方法で熱硬化性樹脂組成物を製造した。得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて(2)に記載する方法で発泡樹脂シートを製造した。この発泡樹脂シートを強化繊維基材に積層して、加圧(圧力0.2MPa)下に加熱(100℃)することにより樹脂を強化繊維基材に含浸させ、強化繊維基材が内設される発泡樹脂シートを製造した。また、(3)〜(6)に記載する方法でCFRP複合成形体を作製し、各種性能を評価した。評価結果は表1に記載した。
(実施例7)
表1に記載する割合で、(1)で説明したとおりの方法で熱硬化性樹脂組成物を製造した。得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて(2)に記載する方法で発泡樹脂シートを製造した。また、(4)の成形物の厚みを2.5mmになるよう、スペーサ−で厚みを制御した以外は、(3)〜(6)に記載する方法でCFRP複合成形体を作製し、各種性能を評価した。評価結果は表1に記載した。
(実施例8)
表1に記載する割合で、(1)で説明したとおりの方法で熱硬化性樹脂組成物を製造した。得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて(2)に記載する方法で発泡樹脂シートを製造した。また、(3)で得られたスキン層作製用プリプレグを縦299mm×横299mmに2枚切断し、次に発泡樹脂シートの両面に、面対称になるようにスキン層作製用プリプレグを0°に上下各1枚積層した以外は、(3)〜(6)に記載する方法でCFRP複合成形体を作製し、各種性能を評価した。評価結果は表1に記載した。
Figure 0006240483
比較例1は、増粘剤を含まないため樹脂粘度が低く、成形不良となった。比較例2は、増粘剤の増粘開始温度より、発泡粒子の発泡開始温度が低い。そのため、樹脂の増粘よりも先に発泡が開始し、発泡樹脂シートとして使用できなくなった。比較例3は、樹脂を増粘させないで使用したため、樹脂粘度が低く、成形不良となった。
本発明から得られたFRP複合成形体は、自動車用途、船舶用途、スポーツ用途、電子機器部品、パソコン筐体などの一般産業用途に広く使用できる。
50・・・発泡樹脂シート
51・・・熱硬化性樹脂組成物
53・・・未発泡の発泡粒子
53a・・・発泡済発泡粒子
55a、55b・・・スキン層作製用プリプレグ
57a、57b・・・金型
52・・・発泡済樹脂シート
100・・・未発泡の発泡樹脂シート
101・・・発泡済発泡樹脂シート。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5〜30質量部の硬化剤を含んで成る熱硬化性樹脂組成物と、
    増粘開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させるとともに、前記硬化剤よりも低温で硬化を開始する硬化剤を前記エポキシ樹脂100質量部に対して1〜15質量部と、
    発泡開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物を発泡させる発泡粒子と、
    を含んで成る発泡樹脂シートであって、
    前記発泡粒子の含有量が5〜20質量%であり、
    前記発泡開始温度が前記増粘開始温度よりも高いことを特徴とする発泡樹脂シート。
  2. エポキシ樹脂と、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5〜30質量部の硬化剤を含んで成る熱硬化性樹脂組成物と、
    増粘開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物の粘度を上昇させる増粘樹脂を前記エポキシ樹脂100質量部に対して8〜20質量部と、
    発泡開始温度以上の温度に加熱することにより前記熱硬化性樹脂組成物を発泡させる発泡粒子と、
    を含んで成る発泡樹脂シートであって、
    前記発泡粒子の含有量が5〜20質量%であり、
    前記発泡開始温度が前記増粘開始温度よりも高く、
    前記発泡樹脂シート内に強化繊維基材が内設されていることを特徴とする発泡樹脂シート。
  3. 前記発泡粒子の発泡開始温度が、90〜140℃である請求項1又は2に記載の発泡樹脂シート。
  4. 前記増粘樹脂が、ポリメチルメタクリレートである請求項に記載の発泡樹脂シート。
  5. 前記発泡樹脂シート内に強化繊維基材が内設されている請求項1に記載の発泡樹脂シート。
  6. 前記強化繊維基材が、有機繊維からなる請求項5に記載の発泡樹脂シート。
  7. 前記強化繊維基材が、無機繊維からなる請求項5に記載の発泡樹脂シート。
  8. 請求項1又は2に記載の発泡樹脂シートを発泡させて成る発泡コア層と、
    前記発泡コア層の少なくとも一表面に形成される、繊維強化熱硬化性樹脂から成るスキン層と、
    から構成される密度が0.4〜1.0g/cmの繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体。
  9. 請求項1又は2に記載の発泡樹脂シートと、
    硬化開始温度以上の温度に加熱することにより前記繊維強化熱硬化性樹脂を得るスキン層作製用プリプレグと、
    を金型内に配置し、
    前記発泡開始温度よりも20〜80℃高い温度に加熱することにより、前記発泡樹脂シートを発泡させるとともに、前記スキン層作製用プリプレグを硬化させることを特徴とする請求項8に記載の繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体の製造方法。
  10. 前記スキン層作製用プリプレグがポリメチルメタクリレートを含む請求項9に記載の繊維強化熱硬化性樹脂複合成形体の製造方法。
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