JP5904521B2 - 繊維強化樹脂複合材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は繊維強化樹脂複合材及びその製造方法に係り、特に航空機、自動車、船舶等の構造用部材として用いられる繊維強化樹脂複合材及びその製造方法に関する。
従来、繊維強化樹脂複合材(FRP:Fiber Reinforced Plastics)は、航空機、自動車、船舶等の構造用部材として広く用いられている。このような繊維強化樹脂複合材には、単純形状部として、炭素繊維に樹脂を含浸させたシート状のプリプレグ材を積層してなる外板部と、複雑形状部として、外板部の内側に一体的に設けられた繊維強化樹脂製の桁、小骨、縦通材等の補強部やブラケット等の補助部材とが備えられている。
近年、上述のような単純形状部と複雑形状部とを効率的に一体化するために、真空樹脂含浸法(VaRTM:Vacuum-assisted Resin Transfer Molding)により、繊維強化樹脂複合材を形成する技術が開発されている(例えば非特許文献1参照)。
柏木俊祐著,「ハイブリッド成形CFRPの層間特性評価」,第1回日本複合材料合同会議講演論文集,日本材料学会,日本複合材料学会,2010年3月,p.426−429
ところで、上述した製造方法で繊維強化樹脂複合材を形成した場合、単純形状部と複雑形状部との接合面が界面となってしまう。界面が存在していると、その界面に起因して繊維強化樹脂複合材の強度が低下してしまうおそれがあった。
このため、本発明の課題は、単純形状部と複雑形状部との界面を起因とした強度低下を抑制することである。
請求項1記載の発明に係る繊維強化樹脂複合材は、
強化繊維に樹脂を含浸させた少なくとも一枚の平面状若しくは曲面状のプリプレグ材によって形成された第一部材と、
前記第一部材の補強が必要な面に配置された立体形状の強化繊維と、該強化繊維に含浸された樹脂とによって、前記第一部材と一体化するように設けられた立体形状の第二部材と、を備え、
前記プリプレグ材に用いられる樹脂と、前記第二部材に用いられる樹脂とが同じ成分であることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の繊維強化樹脂複合材において、
前記プリプレグ材に用いられる樹脂と、前記第二部材に用いられる樹脂とが、ベンゾオキサジン樹脂組成物であることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の繊維強化樹脂複合材において、
前記ベンゾオキサジン樹脂組成物は、
分子中に式(1)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、靭性向上剤とを含むことを特徴としている。
Figure 0005904521
(式中、Rは炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基を示す。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素原子が結合している。)
請求項4記載の繊維強化樹脂複合材の製造方法は、
強化繊維に樹脂を含浸させた少なくとも一枚の平面状若しくは曲面状のプリプレグ材から、第一部材を形成する第一部材形成工程と、
前記第一部材の補強が必要な面に、強化繊維を立体形状に形成したものを配置し、該強化繊維に樹脂を流入させることにより、立体形状の第二部材を形成するとともに該第二部材を第一部材と一体化させる第二部材一体化工程と、を含み、
前記プリプレグ材に含浸させる樹脂と、前記第二部材に流入させる樹脂とが同じ成分であることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の繊維強化樹脂複合材の製造方法において、
前記プリプレグ材に含浸させる樹脂と、前記第二部材に流入させる樹脂とが、ベンゾオキサジン樹脂組成物であることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の繊維強化樹脂複合材の製造方法において、
前記ベンゾオキサジン樹脂組成物は、
分子中に式(1)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、靭性向上剤とを含むことを特徴としている。
Figure 0005904521
(式中、R1は炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基を示す。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素原子が結合している。)
請求項7記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載の繊維強化複合材の製造方法において、
前記第二部材一体化工程では、型内に前記第一部材と強化繊維とをセットし、前記型内に樹脂を圧送させて前記第二部材を形成することを特徴としている。
本発明者らは、既存のプリプレグに用いられる樹脂と複雑形状部に用いられる樹脂(RTM用樹脂)では、各々の材料に要求される特性が異なるために、先行技術のような真空樹脂含浸法では単純形状部と複雑形状部とが異なる成分の樹脂が用いられていると、両者の接合面が界面になってしまうことに着目した。そこで、本発明者らは、同一成分の樹脂で単純形状部と複雑形状部とを形成すれば、一体化後に両者の接合面が界面とならずに強度低下を抑制できることを見出した。すなわち、本発明によれば、単純形状部と複雑形状部との界面を起因とした強度低下を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る繊維強化樹脂複合材の概略構成を示す模式斜視図である。 図1の繊維強化複合材に備わる補強部を形成する際の各工程を示す説明図である。 図1の繊維強化複合材を形成するための一工程である補強部一体化工程の状態を示す説明図である。 実施例と比較例それぞれの層間せん断強度を示すグラフである。 実施例と比較例それぞれの四点曲げ強度を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は本実施形態に係る繊維強化樹脂複合材の概略構成を示す模式斜視図である。この図1に示すように繊維強化樹脂複合材1には、単純形状部としての外板部2と、外板部2に対して一体的に形成された複雑形状部としての補強部3とが設けられている。
外板部2は、複数積層されたシート状のプリプレグ材4により形成されている。プリプレグ材4は、強化繊維に樹脂を含浸させて形成されている。
補強部3は、外板部2に固定される台座部31と、台座部31の中央から立設するリブ32とを備えている。この補強部3も、強化繊維を樹脂に含浸させて形成されている。外板部2をなすプリプレグ材4で用いられる樹脂と、補強部3で用いられる樹脂とは同成分である。
以下、プリプレグ材4及び補強部3で用いられる樹脂について説明する。
この樹脂は、ベンゾオキサジン樹脂組成物であり、分子中に式(1)で表されるベンゾオキサジン環を有する(A)化合物と、(B)エポキシ樹脂と、(C)硬化剤と、(D)靭性向上剤とを含んでいる。
(A)化合物は、上記式(1)で表されるベンゾオキサジン樹脂である。式(1)において、Rは、炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基、又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基を示す。
炭素数1〜12の鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
炭素数3〜8の環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基としては、例えば、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル基、p−エチルフェニル基、o−t−ブチルフェニル基、m−t−ブチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、o−クロロフェニル基、o−ブロモフェニル基が挙げられる。
としては、上記例示の中でも良好な取り扱い性を与えることから、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、o−メチルフェニル基が好ましい。
(A)化合物であるベンゾオキサジン樹脂としては、例えば、以下の式で表されるモノマー、該モノマーが数分子重合したオリゴマー、これらモノマーとは異なる構造を有するベンゾオキサジン環を有する化合物とこれらモノマーの少なくとも1種との反応物が好ましく挙げられる。
Figure 0005904521
Figure 0005904521
Figure 0005904521
(A)化合物は、ベンゾオキサジン環が開環重合することにより、フェノール樹脂と同様の骨格をつくるために、難燃性に優れる。また、その緻密な構造から、低吸水率や、高弾性率といった優れた機械特性が得られる。
(B)エポキシ樹脂は、組成物の粘度をコントロールし、また組成物の硬化性を高める成分である。(B)エポキシ樹脂としては、例えば、アミン類、フェノール類、カルボン酸、分子内不飽和炭素等の化合物を前駆体とするエポキシ樹脂が好ましい。
アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノールや、グリシジルアニリンのそれぞれの位置異性体やアルキル基やハロゲンでの置換体が挙げられる。
以下、市販品を例示する場合、液状のものには、後述の動的粘弾性測定装置により得られる25℃における複素粘弾性率η*を粘度として記載している。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、例えば、「スミエポキシ」(登録商標。以下同じ)ELM434(住友化学(株)製)、「アラルダイト」(登録商標、以下同じ)MY720、「アラルダイト」MY721、「アラルダイト」MY9512、「アラルダイト」MY9612、「アラルダイト」MY9634、「アラルダイト」MY9663(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、「jER」(登録商標、以下同じ)604(三菱化学(株)製)が挙げられる。
トリグリシジルアミノフェノールの市販品としては、例えば、「jER」630(粘度:750mPa・s)(三菱化学(株)製)、「アラルダイト」MY0500(粘度:3500mPa・s)、MY0510(粘度:600mPa・s)(以上、ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、ELM100(粘度:16000mPa・s)(住友化学製)が挙げられる。
グリシジルアニリン類の市販品としては、例えば、GAN(粘度:120mPa・s)、GOT(粘度:60mPa・s)(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
フェノールを前駆体とするグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂やそれぞれの各種異性体やアルキル基、ハロゲン置換体が挙げられる。
また、フェノールを前駆体とするエポキシ樹脂をウレタンやイソシアネートで変性したエポキシ樹脂も、このタイプに含まれる。
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」825(粘度:5000mPa・s)、「jER」826(粘度:8000mPa・s)、「jER」827(粘度:10000mPa・s)、「jER」828(粘度:13000mPa・s)、(以上、三菱化学(株)製)、「エピクロン」(登録商標、以下同じ)850(粘度:13000mPa・s)(DIC(株)製)、「エポトート」(登録商標、以下同じ)YD−128(粘度:13000mPa・s)(新日鐵化学(株)製)、DER−331(粘度:13000mPa・s)、DER−332(粘度:5000mPa・s)(ダウケミカル社製)が挙げられる。
固形もしくは半固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」834、「jER」1001、「jER」1002、「jER」1003、「jER」1004、「jER」1004AF、「jER」1007、「jER」1009(以上、三菱化学(株)製)が挙げられる。
液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」806(粘度:2000mPa・s)、「jER」807(粘度:3500mPa・s)、「jER」1750(粘度:1300mPa・s)、「jER」(以上、三菱化学(株)製)、「エピクロン」830(粘度:3500mPa・s)(DIC(株)製)「エポトート」YD−170(粘度:3500mPa・s)、「エポトート」YD−175(粘度:3500mPa・s)、(以上、新日鐵化学(株)製)が挙げられる。
固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、4004P、「jER」4007P、「jER」4009P(以上、三菱化学(株)製)、「エポトート」YDF2001、「エポトート」YDF2004(以上、新日鐵化学(株)製)が挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、例えば、EXA−1515(DIC(株)製)が挙げられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」YX4000H、「jER」YX4000、「jER」YL6616(以上、三菱化学(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「jER」152、「jER」154(以上、三菱化学(株)製)、「エピクロン」N−740、「エピクロン」N−770、「エピクロン」N−775(以上、DIC(株)製)が挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」N−660、「エピクロン」N−665、「エピクロン」N−670、「エピクロン」N−673、「エピクロン」N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「デナコール」(登録商標、以下同じ)EX−201(粘度:250mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」HP4032(DIC(株)製)、NC−7000、NC−7300(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、TMH−574(住友化学(株)製)が挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、「エピクロン」HP7200、「エピクロン」HP7200L、「エピクロン」HP7200H(以上、DIC(株)製)、「Tactix」(登録商標)558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)が挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成イーマテリアルズ(株)製)が挙げられる。
カルボン酸を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、フタル酸のグリシジル化合物や、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸のグリシジル化合物やそれぞれの各種異性体が挙げられる。
フタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「エポミック」(登録商標、以下同じ)R508(粘度:4000mPa・s)(三井化学(株)製)、「デナコール」EX−721(粘度:980mPa・s)(ナガセケムテックス(株)製)が挙げられる。
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「エポミック」R540(粘度:350mPa・s)(三井化学(株)製)、AK−601(粘度:300mPa・s)(日本化薬(株)製)が挙げられる。
ダイマー酸ジグリシジルエステルの市販品としては、例えば、「jER」871(粘度:650mPa・s)(三菱化学(株)製)、「エポトート」YD−171(粘度:650mPa・s)(新日鐵化学(株)製)が挙げられる。
分子内不飽和炭素を前駆体とするエポキシ樹脂としては、例えば、脂環式エポキシ樹脂
が挙げられる。具体的には、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては、例えば、「セロキサイド」(登録商標、以下同じ)2021P(粘度:250mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)、CY179(粘度:400mPa・s)(ハンツマン・アドバンスドマテリアル社製)、(3’,4’−エポキシシクロヘキサン)オクチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの市販品としては、例えば、「セロキサイド」2081(粘度:100mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンの市販品としては、例えば、「セロキサイド」3000(粘度:20mPa・s)(ダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。
(B)エポキシ樹脂の配合量は、(A)化合物のベンゾオキサジン樹脂100質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。25℃で液状のエポキシ樹脂の25℃における粘度は、低ければ低いほどタックやドレープ性の観点から好ましく、エポキシ樹脂の市販品として得られる下限である5mPa・s以上20000mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15000mPa・s以下がより好ましい。20000mPa・sを超えると、タックやドレープ性が低下することがある。
25℃で固形のエポキシ樹脂としては、芳香族含有量の高いエポキシ樹脂が難燃性を高めるために好ましく、例えば、ビフェニル骨格をもつエポキシ樹脂や、ナフタレン骨格をもつエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂が挙げられる。
(C)硬化剤としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシレンジアミン、これらの各種誘導体等の芳香族アミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等のカルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジド等のカルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、単官能フェノールやビスフェノールAのような多官能フェノール化合物、ポリフェノール化合物、ポリメルカプタン、カルボン酸塩、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体名等のルイス酸錯体等の単独あるいは2以上の混合物が使用でき、なかでも芳香族アミン、スルホン酸エステル、単官能フェノールやビスフェノールAのような多官能フェノール化合物、ポリフェノール化合物の単独あるいは2以上の混合物が好ましい。
これら硬化剤は(A)化合物のベンゾオキサジンや(B)エポキシ樹脂と反応することで、耐熱・耐湿性に優れる樹脂組成物あるいは繊維強化複合材料を得ることができる。
(C)硬化剤の配合量は、(A)化合物+(B)エポキシ樹脂100質量部に対して、5〜30質量部が好ましく、7〜25質量部がより好ましい。5質量部未満では、硬化反応が進まないために、樹脂組成物全体の硬化度が不足するおそれがある。30質量部を超えると、硬化物のガラス転移温度等の機械物性が低下するおそれがある。
(D)靭性向上剤としては、有機微粒子あるいは無機微粒子として樹脂組成物中に分散させるもの、液状樹脂あるいは樹脂モノマーとして樹脂組成物中に溶解させるものがある。ただし分散するものでも一部が樹脂組成物中に溶解するものや、溶解するものでも一部が重合その他の理由によって溶解せずに微粒子として存在する場合もありいずれも使用可能である。
例えば、反応性エラストマー、ハイカーCTBN変性エポキシ樹脂、ハイカーCTB変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ニトリルゴム添加エポキシ樹脂、架橋アクリルゴム微粒子添加エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー添加エポキシ樹脂が使用できる。
無機微粒子フィラーとしては、例えば、マイカ、アルミナ、タルク、微粉状シリカ、ウォラストナイト、セピオライト、塩基性硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン粉末、亜鉛末、アルミニウム粉が使用できる。
有機微粒子としては、例えば、熱硬化性樹脂微粒子、熱可塑性樹脂微粒子またはこれらの混合物を用いることができる。
熱硬化性樹脂微粒子としては、例えば、エポキシ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、ウレア樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ウレタン樹脂微粒子またはこれらの混合物等が挙げられる。
熱可塑性樹脂微粒子としては、例えば、共重合ポリエステル樹脂微粒子、ポリイミド樹脂微粒子、ポリアミド樹脂微粒子、アクリル系微粒子、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂微粒子、スチレン系微粒子、オレフィン系微粒子、ナイロン系微粒子、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体またはこれらの混合物が挙げられる。中でもアクリル系微粒子はエポキシ樹脂への分散性が良好なため、好ましく用いることができる。
アクリル系微粒子の製法としては、(1)モノマーの重合、(2)ポリマーの化学処理法、(3)ポリマーの機械的粉砕法などがあるが、(3)の方法では微細なものが得られず、形状が不定形なため好ましくない。
重合法としては、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、シード重合、懸濁重合またはこれらを互いに併用した方法があり、粒径が微細で、一部架橋構造、コア/シェル構造、中空構造、極性構造(エポキシ基、カルボキシル基、水酸基など)を有する微粒子が得られる、乳化重合、シード重合が用いられる。これらにより得られる一部架橋微粒子、コア/シェル型微粒子が好ましく用いられる。
コア/シェル型微粒子の市販されているものとして、スタフィロイドAC3355(商品名、ガンツ化成(株)製)、MX120(商品名、カネカ社製)等が挙げられる。
(D)靭性向上剤の配合割合は、(A)化合物のベンゾオキサジン樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。
そして、ベンゾオキサジン樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、例えば、ナノカーボンや難燃剤、離型剤等を配合することができる。
ナノカーボンとしては、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレンやそれぞれの誘導
体が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、赤燐、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホルフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノールビスフェニルホスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルホスフェート等のリン酸エステルや、ホウ酸エステル等が挙げられる。
離型剤としては、例えば、シリコンオイル、ステアリン酸エステル、カルナウバワックス等が挙げられる。
ベンゾオキサジン樹脂組成物の混練方法は、特に限定されない。例えば、ニーダーやプラネタリーミキサー、2軸押出機などが用いられる。難燃剤や無機充填剤などの粒子成分を用いる場合は、粒子の分散性の点から、予めホモミキサー、3本ロール、ボールミル、ビーズミルおよび超音波などで、粒子をベンゾオキサジン樹脂組成物中に配合する液状樹脂成分に拡散させておくことが好ましい。また、マトリックス樹脂との混合時や、粒子の予備拡散時等には、必要に応じて加熱・冷却、加圧・減圧しても良い。保存安定性の観点から、混練後は、速やかに冷蔵・冷凍庫で保管することが好ましい。
ベンゾオキサジン樹脂組成物の粘度としては、タックやドレープ性の観点から、50℃において、10〜3000Pa・sが好ましい。より好ましくは10〜2500Pa・s、最も好ましくは100〜2000Pa・sである。10Pa・s未満では、本発明の組成物の沈み込みによるタックの経時変化が大きくなることがある。また、3000Pa・sを超えると、タックが弱くなり、また、ドレープ性も低下することがある。
また、強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が好ましい。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わないが、より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るために、炭素繊維や黒鉛繊維を用いるのが良い。また、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能であるが、耐衝撃性に優れ、高い剛性および機械強度を有する複合材料を得られることから、ストランド引張試験における引張弾性率が150〜650GPaであることが好ましく、より好ましくは200〜550GPaであり、さらに好ましくは230〜500GPaである。なお、ストランド引張試験とは、束状の炭素繊維に下記組成の樹脂を含浸させ、130℃の温度で35分間硬化させた後、JISR7601(1986)に基づいて行う試験をいう。
また、強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、例えば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、10mm未満の長さにチョップした短繊維等が用いられる。ここで、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束である。短繊維とは10mm未満の長さに切断された繊維束である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には強化繊維束が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
次に、繊維強化樹脂複合材1の製造方法について説明する。
まず、外板部2を形成するプリプレグ材4と、補強部3とを準備する。
プリプレグ材4は、上述したベンゾオキサジン樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるものである。含浸させる方法としては、ベンゾオキサジン樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
ウェット法は、強化繊維をベンゾオキサジン樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加熱により低粘度化したベンゾオキサジン樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、又は一旦ベンゾオキサジン樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。
ホットメルト法においては、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
プリプレグ材4は、単位面積あたりの強化繊維量が70〜3000g/mであることが好ましい。強化繊維量が70g/m未満では、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑となることがある。一方、強化繊維量が3000g/mを超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある。なお、プリプレグ材4が平面若しくは単純な曲面であれば、強化繊維量は3000g/mを超えていてもよい。
また、繊維重量含有率は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、更に好ましくは40〜80質量%である。繊維重量含有率が30質量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られなかったり、繊維強化複合材料の成形の際、硬化時の発熱量が大きくなりすぎることがある。繊維重量含有率が90重量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる恐れがある。
プリプレグ材4の準備が完了すると、外板部形成工程(単純形状部形成工程)を実行する。外板部形成工程では、プリプレグ材4を積層することにより、外板部2を形成する。なお、積層する際には積層物の密着性を向上させるために加熱・加圧することにより積層してもよい。また、積層物は金型に設置する前、もしくは設置後にプレス成形法、ホットドレープ成形法、真空バギング成形法により賦形させても良い。
次に、図2に示すように、補強部3の形状となるように強化繊維33でプリフォーム34を形成する。プリフォームを形成する際には、形状を維持するために熱可塑材等(好ましくは樹脂に使われているものと同じ成分)を用いて熱融着しても良い。また、3次元織物等を用いても良い。
プリフォームが形成されると、補強部一体化工程(複雑形状部一体化工程)を実施する。補強部一体化工程では、雄雌型を用いたマッチドダイ成形法によりプリフォーム34を外板部2とともに一体的に形成する。図3は、補強部一体化工程の状態を示す説明図である。この図3に示すように、繊維強化樹脂複合材1を形成するための金型5内に外板部2とプリフォーム34とをセットし、金型5内に樹脂を圧送する。圧送される樹脂としては、上述のベンゾオキサジン樹脂組成物であることが望ましい。この圧送された樹脂は真空ポンプ51によって金型5外にフローアウトされる。そして、金型5を加熱・加圧することで、外板部2とプリフォーム34に圧送されたベンゾオキサジン樹脂組成物41が硬化して補強部3が形成されるとともに外板部2と補強部3とが一体化されることになる。
以上のように、本実施形態によれば、同一成分の樹脂(ベンゾオキサジン樹脂組成物)で外板部2と補強部3とが形成されているので、一体化後に両者の接合面が界面とならずに強度低下を抑制することができる。
ここで、外板部2と補強部3とをそれぞれなす樹脂の成分が異なる場合であって、樹脂が相容し界面層が観察されない場合には相容部はどのような樹脂であるかが不明確であり、設計する上で困難となる。また、樹脂の成分が異なると線膨張係数が異なるため、硬化後に金型から外した際に、繊維強化樹脂複合材1に反りを発生させる要因となる。
しかしながら、上述したように同一成分の樹脂で外板部2と補強部3とが形成されていれば、相容部の樹脂も特定することができ、線膨張係数の異なりも発生しないため、上述した不具合も防止することができる。さらに、同一成分の樹脂で外板部2と補強部3とが形成されていると、外板部2と補強部3とで設計許容値として同じデータを取得することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、補強部一体化工程でマッチドダイ成形法を用いる場合を例示して説明したが、外板部2と補強部3とを一体化できるのであればその他の成形法を用いてもよい。マッチドダイ成形法以外の成形法としては、例えば真空樹脂含浸法(VaRTM)が挙げられる。なお、マッチドダイ成形法であれば、真空樹脂含浸法では不可欠のバキュームパック等の副資材を省略することができ、副資材費や、副資材廃棄用の費用等を削減することが可能である。また、寸法精度についても真空樹脂含浸法と比して優れている。
また、上記実施形態では、複数のプリプレグ材4を積層してなる外板部2を例示して説明したが、外板部2は一枚のプリプレグ材4から形成されていてもよい。
さらに、上記実施形態では、複雑形状部として縦通材等の補強部3を例示して説明したが、複雑形状部としてはブラケット等単純形状部との接合強度が求められる他の部材であってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[実施例]
プリプレグ材4は、ベンゾオキサジン樹脂組成物(NF−34(商品名):JX日鉱日石エネルギー(株)社製)によって、厚さ0.14mm、幅420mm、奥行き210mmのシート状に形成されている。プリプレグ材4内の強化繊維は、炭素繊維(T700G(商品名):東レ(株)社製)であり、FAW(Fiber Areal Weight)が150g/m、RC25wt%となっている。このプリプレグ材4を炭素繊維の方向が45度ずつずれるように16枚積層し、一体成形することで外板部2が形成されている。これにより外板部2の厚みは2.24mmとなっている。
補強部3は、実施例においては実験を簡素化すべく上述した形状とは異なりシート状のものを用いている。補強部3をなす基材は、厚さ0.68mm、幅420mm、奥行き210mmのシート状の四層織NCF(Non Crimp Fabrics)である。この四層織NCFの強化繊維は、炭素繊維(T700G(商品名):東レ(株)社製)であり、FAWが692g/m(1層あたり173g/m)である。これ(四層織NCF)をプリプレグ材4の上に3枚積層し、金型内にセットした後に、ベンゾオキサジン樹脂組成物(NF−34(商品名):JX日鉱日石エネルギー(株)社製)を金型内に圧送し、フローアウト後に加熱・加圧成形し、一体成形することで実施例となる繊維強化樹脂複合材1が形成される。
[比較例1]
比較例1は、プリプレグ材4をなす樹脂をエポキシ樹脂(Y24S31R150(品番):JX日鉱日石エネルギー(株)社製)とし、補強部3をなす樹脂をエポキシ樹脂(EPOLAM5015(商品名):Axson社製)とした以外は実施例と同条件である。
[比較例2]
比較例2は、補強部3をなす樹脂をエポキシ樹脂(PR520(商品名):Cvtec社製)とした以外は比較例1と同条件である。
[比較方法]
実施例、比較例1、比較例2に対して、ASTM規格 D2344に準拠する手法で層間せん断強度を測定した。また、実施例、比較例1、比較例2に対して、ASTM規格 D6272に準拠する手法で四点曲げ強度を測定した。
なお、実施例、比較例1、比較例2の各プリプレグ材4を炭素繊維の方向が45度ずつずれるように32枚積層し、一体成形した外板部2のみのものに対しても、上記の手法で層間せん断強度と四点曲げ強度とを測定し比較した。
[比較結果]
Figure 0005904521
比較結果を表1、図4及び図5に示す。
外板部2のみのものでは、層間せん断強度及び四点曲げ強度が実施例、比較例1、比較例2では大きな向上は見られないが、繊維強化樹脂複合材1全体で比較すると、比較例1や比較例2に対して実施例は層間せん断強度及び四点曲げ強度のいずれもが大きく向上していることがわかる。
1 繊維強化樹脂複合材
2 外板部(単純形状部)
3 補強部(複雑形状部)
4 プリプレグ材
5 金型
6 金型
31 台座部
32 リブ
33 強化繊維
34 プリフォーム
51 真空ポンプ
61 ベンゾオキサジン樹脂組成物

Claims (7)

  1. 強化繊維に樹脂を含浸させた少なくとも一枚の平面状若しくは曲面状のプリプレグ材によって形成された第一部材と、
    前記第一部材の補強が必要な面に配置された立体形状の強化繊維と、該強化繊維に含浸された樹脂とによって、前記第一部材と一体化するように設けられた立体形状の第二部材と、を備え、
    前記プリプレグ材に用いられる樹脂と、前記第二部材に用いられる樹脂とが同じ成分であることを特徴とする繊維強化樹脂複合材。
  2. 請求項1に記載の繊維強化樹脂複合材において、
    前記プリプレグ材に用いられる樹脂と、前記第二部材に用いられる樹脂とが、ベンゾオキサジン樹脂組成物であることを特徴とする繊維強化樹脂複合材。
  3. 請求項2記載の繊維強化樹脂複合材において、
    前記ベンゾオキサジン樹脂組成物は、
    分子中に式(1)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、靭性向上剤とを含むことを特徴とする繊維強化樹脂複合材。
    Figure 0005904521
    (式中、R1は炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基を示す。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素原子が結合している。)
  4. 強化繊維に樹脂を含浸させた少なくとも一枚の平面状若しくは曲面状のプリプレグ材から、第一部材を形成する第一部材形成工程と、
    前記第一部材の補強が必要な面に、強化繊維を立体形状に形成したものを配置し、該強化繊維に樹脂を流入させることにより、立体形状の第二部材を形成するとともに該第二部材を第一部材と一体化させる第二部材一体化工程と、を含み、
    前記プリプレグ材に含浸させる樹脂と、前記第二部材に流入させる樹脂とが同じ成分であることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
  5. 請求項4に記載の繊維強化樹脂複合材の製造方法において、
    前記プリプレグ材に含浸させる樹脂と、前記第二部材に流入させる樹脂とが、ベンゾオキサジン樹脂組成物であることを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
  6. 請求項5記載の繊維強化樹脂複合材の製造方法において、
    前記ベンゾオキサジン樹脂組成物は、
    分子中に式(1)で表されるベンゾオキサジン環を有する化合物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、靭性向上剤とを含むことを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
    Figure 0005904521
    (式中、R1は炭素数1〜12の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、フェニル基又は炭素数1〜12の鎖状アルキル基若しくはハロゲンで置換されたフェニル基を示す。また、式中の芳香環の酸素原子が結合している炭素原子のオルト位とパラ位の少なくとも一方の炭素原子には水素原子が結合している。)
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の繊維強化複合材の製造方法において、
    前記第二部材一体化工程では、型内に前記第一部材と強化繊維とをセットし、前記型内に樹脂を圧送させて前記第二部材を形成することを特徴とする繊維強化複合材の製造方法。
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