JP2019156038A - 側引戸の気密保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ装置の作動により回動して側引戸を押圧するリンク部材を設けた側引戸の気密保持装置において、開口縁から出入りするリンク部材の乗客への安全性を高めること。【解決手段】鉄道車両Sの側構体1に開口され側引戸2によって開閉する出入口3の周縁部4内に設置され、流体圧を受けて作動するシリンダ装置5と、シリンダ装置の作動により車両内外方向へ回動して閉じ位置2aにある側引戸を出入口に装着した気密パッキング部材61と密着させる密着位置2bへ押圧するリンク部材7とを備えた側引戸の気密保持装置10である。リンク部材には、周縁部の車両外方に位置する開口縁41から出没して側引戸を押圧するローラ部材8を備え、当該ローラ部材が装着された先端部71から回動中心部72側へ延設され、ローラ部材の外周面より回動方向前方R1に向けて突出する前方規制部74が形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、側引戸の気密保持装置に関し、詳しくは、高速鉄道車両における閉じ位置の側引戸を側構体に押付けて、車内の気密を保つ側引戸の気密保持装置に関する。
一般に、高速鉄道車両の側引戸は、車内の気密を保つために、閉じ位置の側引戸を側構体に押付けて固定することが行われている。例えば、特許文献1には、閉じ位置にある扉(側引戸)を側構体の出入口周縁部に装着した気密パッキン側に押圧して、車内の気密を保持する側引戸の気密保持装置が開示されている。
図4、図5に示すように、上記気密保持装置100には、流体圧を受けて作動するシリンダ装置103と、このシリンダ装置103の作動により回動して側引戸101を押圧作用するリンク部材104とを設け、このリンク部材104は、基部が回動自在に軸支され、その基部から外方へ伸延し、その伸延端に側引戸101を側構体102の気密パッキン102a側に押圧する押さえ部105を有している。また、この押さえ部105は、リンク部材104の回動により側引戸押圧方向に最大に突出した回動位置又は最大に突出した回動位置近傍の位置が気密作用位置となるように形成されている。
また、側引戸101を閉じる場合、側引戸101は、側構体102の戸袋109内にある開位置101aから、図示していない扉開閉装置により、仮想線で示す途中位置101bに矢印106で示す方向に引き出され、続いて案内部に案内されて斜めに矢印107で示す方向に移動した閉じ位置101cに移動する。その後、押さえ部105が閉じ位置101cにある側引戸101を押して気密パッキン102aを圧縮した死点位置を経て、側引戸101は密閉位置101dとなる。したがって、出入口の周縁部108に設置されたリンク部材104の押さえ部105は、その開口縁108aから出入りする構造となっている。
特開平9−11895号公報
しかしながら、上記気密保持装置100は、乗客が頻繁に出入りする鉄道車両の出入口の周縁部108に設置され、リンク部材104の押さえ部105は、側引戸101が開位置101aで通過し、閉じ位置まで移動可能な大きさの開口を有する開口縁108aから出入りする構造となっているので、乗客に対して十分な安全対策を講じる必要があった。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、シリンダ装置の作動により回動して側引戸を押圧するリンク部材を設けた側引戸の気密保持装置において、開口縁から出入りするリンク部材の乗客への安全性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る側引戸の気密保持装置は、以下の構成を備えている。
(1)鉄道車両の側構体に開口され側引戸によって開閉する出入口の周縁部内に設置され、流体圧を受けて作動するシリンダ装置と、前記シリンダ装置の作動により車両内外方向へ回動して閉じ位置にある前記側引戸を前記出入口に装着した気密パッキング部材と密着させる密着位置へ押圧するリンク部材とを備えた側引戸の気密保持装置であって、
前記リンク部材には、前記周縁部の車両外方に位置する開口縁から出没して前記側引戸を押圧するローラ部材を備え、当該ローラ部材が装着された先端部から回動中心部側へ延設され、前記ローラ部材の外周面より回動方向前方に向けて突出する前方規制部が形成されていることを特徴とする。ここで、「回動方向前方」とは、ローラ部材が閉じ位置にある側引戸を密着位置へ押圧するとき、リンク部材が回動する方向を意味する。
本発明においては、リンク部材には、周縁部の車両外方に位置する開口縁から出没して側引戸を押圧するローラ部材を備え、当該ローラ部材が装着された先端部から回動中心部側へ延設され、ローラ部材の外周面より回動方向前方に向けて突出する前方規制部が形成されているので、リンク部材が車両外方へ回動してローラ部材によって閉じ位置にある側引戸を密着位置へ押圧するとき、開口縁から出没するローラ部材の動作付近に異物が存在する場合、ローラ部材が近づく前に、前方規制部が異物を先行して排除させることができる。例えば、開口縁と側引戸との隙間に、乗客が手や指等を挿入していた場合でも、ローラ部材の外周面より回動方向前方に向けて突出する前方規制部が、ローラ部材に先行して乗客の手や指等を押し退けてくれる。したがって、開口縁と側引戸との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、ローラ部材が当該異物を挟み込むような事態を回避することができる。
よって、本発明によれば、シリンダ装置の作動により回動して側引戸を押圧するリンク部材を設けた側引戸の気密保持装置において、開口縁から出入りするリンク部材の乗客への安全性を高めることができる。
(2)(1)に記載された側引戸の気密保持装置において、
前記前方規制部には、山形状に突出する山形頂部から回動中心寄り端部へ向けて傾斜状に形成された上規制面を備え、当該上規制面と前記開口縁とが前記密着位置でなす内角は、90度以上であることを特徴とする。
本発明においては、前方規制部には、山形状に突出する山形頂部から回動中心寄り端部へ向けて傾斜状に形成された上規制面を備え、当該上規制面と前記開口縁とが前記密着位置でなす内角は、90度以上であるので、開口縁と側引戸との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、前方規制部の上規制面と開口縁とがなす内角が鋭角となることはない。そのため、前方規制部の上規制面と開口縁との間にも異物を挟み込むような事態を回避することができる。
(3)(1)又は(2)に記載された側引戸の気密保持装置において、
前記リンク部材には、前記先端部から前記回動中心部側へ延設され、前記リンク部材の後端面より回動方向後方に向けて突出する後方規制部が形成されていることを特徴とする。ここで、「回動方向後方」とは、ローラ部材が密着位置にある側引戸を押圧解除するとき、リンク部材が回動する方向を意味する。
本発明においては、リンク部材には、先端部から回動中心部側へ延設され、リンク部材の後端面より回動方向後方に向けて突出する後方規制部が形成されているので、リンク部材が車両内方へ回動して密着位置にある側引戸を押圧解除するとき、リンク部材の動作付近に異物が存在する場合、リンク部材が近づく前に、後方規制部が異物を先行して排除させることができる。例えば、開口縁と側引戸との隙間に、乗客が手や指等を挿入していた場合でも、リンク部材の後端面より回動方向後方に向けて湾曲状に突出する後方規制部が、リンク部材に先行して乗客の手や指等を押し退けてくれる。したがって、開口縁と側引戸との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、リンク部材と開口縁との間に異物を挟み込むような事態を回避することができる。
本発明によれば、シリンダ装置の作動により回動して側引戸を押圧するリンク部材を設けた側引戸の気密保持装置において、開口縁から出入りするリンク部材の乗客への安全性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る側引戸の気密保持装置の横断面図である。 図1に示すA―A断面図である。 図1に示す側引戸の気密保持装置の動作説明図であって、(A)は、リンク部材が作動前の格納状態を表す断面図を示し、(B)は、リンク部材が回動してローラ部材が閉じ位置にある側引戸と当接した状態を表す断面図を示し、(C)は、ローラ部材によって押圧された側引戸が車両外方へ移動する途中状態を表す断面図を示し、(D)は、ローラ部材によって押圧された側引戸が気密パッキング部材と密着する密着位置へ移動した状態を表す断面図を示す。 特許文献1に記載された側引戸の気密保持装置の縦断面図である。 図4に示すB−B断面図である。
次に、本発明の実施形態に係る側引戸の気密保持装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。具体的には、本実施形態に係る側引戸の気密保持装置の構造を説明した上で、その動作方法を簡単に説明する。
<側引戸の気密保持装置の構造>
まず、本実施形態に係る側引戸の気密保持装置の構造について、図1、図2を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係る側引戸の気密保持装置の横断面図を示す。図2に、図1に示すA―A断面図を示す。
図1、図2に示すように、本実施形態に係る側引戸の気密保持装置10は、鉄道車両Sの側構体1に開口され側引戸2によって開閉する出入口3の周縁部4内に設置され、流体圧を受けて作動するシリンダ装置5と、シリンダ装置5の作動により車両内外方向へ回動して閉じ位置2aにある側引戸2を出入口3に装着した気密パッキング部材61と密着させる密着位置2bへ押圧するリンク部材7とを備えている。シリンダ装置5は、鉄道車両Sが発車後、所定の速度(例えば、25km/h程度)に達したときに作動してリンク部材7を車両外方へ回動させ、側引戸2を密着位置2bに押圧する。また、シリンダ装置5は、鉄道車両Sが完全に停止したときに作動してリンク部材7を車両内方へ回動させ、側引戸2を密着位置2bから解除する。
側引戸2を閉じる場合、側引戸2は、側構体1の戸袋11内にある開き位置2cから、図示しない扉開閉装置により、出入口3を閉じる閉じ位置2aに移動し、出入口3の側構体端縁12に固着された止め部材62に当接して停止する。気密パッキング部材61は、中空部を有するゴム部材である。シリンダ装置5は、圧縮空気によってロッド51が車両上下方向に作動し、ロッド51の先端部にリンク部材7の作用部73が連結されている。シリンダ装置5及びリンク部材7は、側引戸2の前端側と後端側とに対応して上下で複数個配置され、それぞれ周縁部4内に形成された側構体1のフレーム部材42に回動自在に支持されている。側引戸2が開き位置2cにある時は、リンク部材7の先端部71は、周縁部4内に格納されている。
また、リンク部材7には、周縁部4の車両外方に位置する開口縁41から出没して側引戸2を押圧するローラ部材8を備え、当該ローラ部材8が装着された先端部71から回動中心部72側へ延設され、ローラ部材8の外周面より回動方向前方R1に向けて山形状に突出する前方規制部74が形成されている。ここで、「回動方向前方」とは、ローラ部材8が閉じ位置2aにある側引戸2を密着位置2bへ押圧するとき、リンク部材7が回動する方向を意味する。開口縁41には、ローラ部材8及び前方規制部74が形成されたリンク部材7が通過する通孔411が形成されている。ローラ部材8が押圧する側引戸2の車両内面には、スリ板21が固着されている。
前方規制部74には、山形状に突出する山形頂部741から回動中心寄り端部742へ向けて傾斜状に形成された上規制面743を備え、当該上規制面743とローラ部材8が出没する開口縁41とが側引戸2の密着位置2bでなす内角α0(α)は、90度以上である。また、前方規制部74には、山形頂部741に対して上規制面743と反対方向へ傾斜状に形成された下規制面744を備えている。また、密着位置2bでは、側引戸2のスリ板21に対するリンク部材7の回動中心部72を通る垂直線TL上又は該垂直線TLとの微小な傾斜角θの範囲内に、ローラ部材8の中心位置が存在する。傾斜角θは、例えば、2〜3度程度が好ましい。
また、リンク部材7には、先端部71から回動中心部72側へ延設され、リンク部材7の後端面76より回動方向後方R2に向けて湾曲状に突出する後方規制部75が形成されている。ここで、「回動方向後方」とは、ローラ部材8が密着位置2bにある側引戸2を押圧解除するとき、リンク部材7が回動する方向を意味する。後方規制部75の先端位置751で湾曲面に接する接線752と開口縁41とが、側引戸2の密着位置2bでなす内角β0(β)は、90度以上である。また、後方規制部75が開口縁41から外方へ出るときになす内角β1でも、90度未満にならないことが好ましい(図3(C)を参照)。リンク部材7の戻り動作の途中における異物等の挟み込みを回避できるからである。
<側引戸の気密保持装置の動作方法>
次に、本実施形態に係る側引戸の気密保持装置の動作方法について、図3を用いて説明する。図3に、図1に示す側引戸の気密保持装置の動作説明図であって、(A)は、リンク部材が作動前の格納状態を表す断面図を示し、(B)は、リンク部材が回動してローラ部材が閉じ位置にある側引戸と当接した状態を表す断面図を示し、(C)は、ローラ部材によって押圧された側引戸が車両外方へ移動する途中状態を表す断面図を示し、(D)は、ローラ部材によって押圧された側引戸が気密パッキング部材と密着する密着位置へ移動した状態を表す断面図を示す。
図3(A)に示すように、リンク部材7が作動前の格納状態では、ローラ部材8の外周面、及びローラ部材8の外周面より回動方向前方に向けて山形状に突出する前方規制部74は、周縁部4の車両外方に位置する開口縁41の内方に格納されている。この状態では、前方規制部74の上規制面743と開口縁41とがなす内角α3(α)は、略150度程度である。
次に、図3(B)に示すように、リンク部材7が回動してローラ部材8が閉じ位置2aにある側引戸2のスリ板21と当接する状態に移動する。このとき、前方規制部74の下規制面744は、開口縁41と略同一の位置で、スリ板21と略平行となるように移動する。この段階では、前方規制部74の上規制面743は、まだ開口縁41の車両外方へ飛び出していないが、上規制面743と開口縁41とがなす内角α2(α)は、略130度程度である。
次に、図3(C)に示すように、リンク部材7が更に回動すると、ローラ部材8によって押圧された側引戸2が車両外方へ移動する。このとき、前方規制部74の上規制面743は、ローラ部材8の外周面より回動方向前方に位置しているので、開口縁41と側引戸2との間に異物があれば、上規制面743が先行して異物を押し退けることができる。また、前方規制部74の上規制面743と開口縁41とがなす内角α1(α)は、略110度程度である。なお、後方規制部75の先端位置751で湾曲面に接する接線752と開口縁41とが、後方規制部75が開口縁41から外方へ出るときになす内角β1(β)は、90度未満とならないように形成されている。そのため、リンク部材7の戻り動作の途中における異物等の挟み込みを回避できる。
次に、図3(D)に示すように、リンク部材7が更に回動すると、ローラ部材8によって押圧された側引戸2が、図1に示す気密パッキング部材61と密着する密着位置2bへ移動する。側引戸2の密着位置2bで、上規制面743と開口縁41とがなす内角α0(α)は、少なくとも90度以上である。したがって、開口縁41と側引戸2との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、前方規制部74の上規制面743と開口縁41との間で異物を挟み込むことを回避できる。なお、後方規制部75の先端位置751で湾曲面に接する接線752と開口縁41とが、側引戸2の密着位置2bでなす内角β0(β)は、略110度程度である。
以上、説明したように、本実施形態に係る側引戸の気密保持装置10では、リンク部材7が回動してローラ部材8によって閉じ位置2aにある側引戸2を密着位置2bへ押圧するとき、開口縁41から出没するローラ部材8の動作付近に異物が存在する場合、ローラ部材8が近づく前に、前方規制部74が異物を先行して排除させることができる。また、リンク部材7が回動して密着位置2bにある側引戸2を押圧解除するとき、リンク部材7の動作付近に異物が存在する場合でも、リンク部材7の後端面76が近づく前に、後方規制部75が異物を先行して排除させることができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係る側引戸の気密保持装置10によれば、リンク部材7には、周縁部4の車両外方に位置する開口縁41から出没して側引戸2を押圧するローラ部材8を備え、当該ローラ部材8が装着された先端部71から回動中心部72側へ延設され、ローラ部材8の外周面より回動方向前方R1に向けて山形状に突出する前方規制部74が形成されているので、リンク部材7が回動してローラ部材8によって閉じ位置2aにある側引戸2を密着位置2bへ押圧するとき、開口縁41から出没するローラ部材8の動作付近に異物が存在する場合、ローラ部材8が近づく前に、前方規制部74が異物を先行して排除させることができる。例えば、開口縁41と側引戸2との隙間に、乗客が手や指等を挿入していた場合でも、ローラ部材8の外周面より回動方向前方R1に向けて山形状に突出する前方規制部74が、ローラ部材8に先行して乗客の手や指等を押し退けてくれる。したがって、開口縁41と側引戸2との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、ローラ部材8が当該異物を挟み込むような事態を回避することができる。
よって、本実施形態によれば、シリンダ装置5の作動により回動して側引戸2を押圧するリンク部材7を設けた側引戸の気密保持装置10において、開口縁41から出入りするリンク部材7の乗客への安全性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、前方規制部74には、山形頂部741から回動中心寄り端部742へ向けて傾斜状に形成された上規制面743を備え、当該上規制面743と開口縁41とが密着位置2bでなす内角α0は、90度以上であるので、前方規制部74の上規制面743と開口縁41とがなす内角αが鋭角となることはない。そのため、開口縁41と側引戸2との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、前方規制部74の上規制面743と開口縁41との間にも異物を挟み込むような事態を回避することができる。
また、本実施形態によれば、リンク部材7には、先端部71から回動中心部72側へ延設され、リンク部材7の後端面76より回動方向後方R2に向けて湾曲状に突出する後方規制部75が形成されているので、リンク部材7が回動して密着位置2bにある側引戸2を押圧解除するとき、リンク部材7の動作付近に異物が存在する場合、リンク部材7が近づく前に、後方規制部75が異物を先行して排除させることができる。例えば、開口縁41と側引戸2との隙間に、乗客が手や指等を挿入していた場合でも、リンク部材7の後端面76より回動方向後方R2に向けて湾曲状に突出する後方規制部75が、リンク部材7に先行して乗客の手や指等を押し退けてくれる。したがって、開口縁41と側引戸2との間に異物(例えば、乗客の手や指等)を挿入した場合でも、リンク部材7と開口縁41との間に異物を挟み込むような事態を回避することができる。
<変形例>
以上、本実施形態の側引戸の気密保持装置10を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態の側引戸の気密保持装置10では、リンク部材7に、ローラ部材8の外周面より回動方向前方に向けて山形状に突出する前方規制部74が形成され、また、リンク部材7の後端面76より回動方向後方に向けて湾曲状に突出する後方規制部75が形成されている。しかし、前方規制部74及び後方規制部75は、上記形状に限定される必要はない。例えば、前方規制部74及び後方規制部75は、円弧状に突出するように形成することもできる。
本発明は、例えば、高速鉄道車両における閉じ位置の側引戸を側構体に押付けて、車内の気密を保つ側引戸の気密保持装置として利用できる。
1 側構体
2 側引戸
2a 閉じ位置
2b 密着位置
3 出入口
4 周縁部
5 シリンダ装置
7 リンク部材
8 ローラ部材
10 気密保持装置
41 開口縁
61 気密パッキング部材
71 先端部
72 回動中心部
74 前方規制部
75 後方規制部
76 後端面
741 山形頂部
742 回動中心寄り端部
743 上規制面
S 鉄道車両
R1 回動方向前方
R2 回動方向後方
α、α0、α1、α2 内角

Claims (3)

  1. 鉄道車両の側構体に開口され側引戸によって開閉する出入口の周縁部内に設置され、流体圧を受けて作動するシリンダ装置と、前記シリンダ装置の作動により車両内外方向へ回動して閉じ位置にある前記側引戸を前記出入口に装着した気密パッキング部材と密着させる密着位置へ押圧するリンク部材とを備えた側引戸の気密保持装置であって、
    前記リンク部材には、前記周縁部の車両外方に位置する開口縁から出没して前記側引戸を押圧するローラ部材を備え、当該ローラ部材が装着された先端部から回動中心部側へ延設され、前記ローラ部材の外周面より回動方向前方に向けて突出する前方規制部が形成されていることを特徴とする側引戸の気密保持装置。
  2. 請求項1に記載された側引戸の気密保持装置において、
    前記前方規制部には、山形状に突出する山形頂部から回動中心寄り端部へ向けて傾斜状に形成された上規制面を備え、当該上規制面と前記開口縁とが前記密着位置でなす内角は、90度以上であることを特徴とする側引戸の気密保持装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された側引戸の気密保持装置において、
    前記リンク部材には、前記先端部から前記回動中心部側へ延設され、前記リンク部材の後端面より回動方向後方に向けて突出する後方規制部が形成されていることを特徴とする側引戸の気密保持装置。
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