JP2019156019A - 車両用換気空調システム及び換気方法 - Google Patents

車両用換気空調システム及び換気方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過不足のない適切な換気を行うことができる車両用換気空調システム及び換気方法を提供する。【解決手段】空調制御装置は、鉄道車両1の乗降扉3が開状態にあるか否かを判定する。空調制御装置は、乗降扉3が開状態にないと判定した場合に、鉄道車両1の走行速度が基準速度を下回ると、必要換気量で鉄道車両1の客室2を換気し、鉄道車両1の走行速度が基準速度を上回り、かつ、客室2の室内温度と目標温度との差が基準値を越えると、必要換気量よりも多い換気量で客室2を換気する。空調制御装置は、乗降扉3が開状態にあると判定した場合に、必要換気量よりも自然換気量だけ少ない換気量で客室2を換気する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用換気空調システム及び換気方法に関する。
鉄道車両用の空調装置では、調和空気を客室内に送風するのみならず、新鮮な外気を車内に導入するため、換気運転を行う場合がある。従来、このような空調装置の換気運転においては、換気量は常に一定であるのが一般的である。また、特許文献1には、トンネルに入る直前に換気量を上げて客室内に流入する外気量を増やすことが開示されている。
特開2001−88699号公報
上記特許文献1では、鉄道車両の乗降扉が開状態であるときには換気を停止することが開示されている。しかしながら、乗降扉が開いているときに換気を停止すれば、十分な換気ができなくなるおそれがある。一方で、換気量を常に一定とした場合には、乗降扉が開いているときに空調装置が過負荷となり、客室内の温度が目標温度から大きくずれたままとなって乗客が不快に感じるようになるおそれがあるうえ、消費電力が増大するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、過不足のない適切な換気を行うことができる車両用換気空調システム及び換気方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両用換気空調システムは、鉄道車両の換気及び空調を行う車両用換気空調システムであって、換気部と、空調部と、駆動部と、監視部と、制御部と、を備える。換気部には、外気を取り入れる換気送風機が設けられている。空調部は、換気部と一体化して設けられ、換気送風機で取り入れられた外気と鉄道車両の客室から排出された戻り空気とを混合して取り込み、取り込んだ空気に対して熱交換を行った後で客室に送ることにより、客室の室内温度を目標温度に制御する。駆動部は、入力される指令に従って、換気送風機をインバータにより周波数駆動する。監視部は、客室における開状態にある扉枚数を含む乗降扉の開閉状態と、鉄道車両の走行速度とを監視する。制御部は、監視部で監視される客室における乗降扉の開閉状態と、鉄道車両の走行速度とに基づいて、換気送風機に強制的に換気させる強制換気量に応じた指令を駆動部に出力する。制御部は、監視部で監視される乗降扉の開閉状態に基づいて、乗降扉が開状態にあるか否かを判定する。制御部は、乗降扉が開状態にないと判定した場合に、監視部で監視される鉄道車両の走行速度が基準速度を下回ると、第1の換気量に応じた指令を駆動部に出力し、鉄道車両の走行速度が基準速度を上回り、かつ、室内温度と目標温度との差が基準値を越えると、第1の換気量よりも多い第2の換気量に応じた指令を駆動部に出力する。制御部は、乗降扉が開状態にあると判定した場合に、第1の換気量よりも少ない第3の換気量に応じた指令を駆動部に出力する。
本発明によれば、鉄道車両の走行速度が基準速度を上回り、かつ、客室の室内温度と空調の目標温度との差が大きい場合には、制御部が換気送風機による換気量を多くする。さらに、鉄道車両の乗降扉が開状態にある場合には、制御部が換気送風機による換気量を少なくする。このように、換気送風機による換気量を、鉄道車両の客室の状況に応じて増減することができるので、過不足のない適切な換気を行うことができる。
(A)は、低速走行中の鉄道車両を示す模式図、(B)は、高速走行中の鉄道車両を示す模式図、(C)は、乗降扉が開状態にある鉄道車両を示す模式図 本発明の実施の形態1に係る車両用換気空調システムを構成する換気空調装置の構成及び空気の流れを示す模式図 本発明の実施の形態1に係る車両用換気空調システムの制御系の構成を示すブロック図 空調制御装置の換気制御処理のフローチャート 乗降扉の開閉状態を判定する処理に関するタイミングチャート 鉄道車両の走行速度と換気量との関係を示すグラフ 本発明の実施の形態2に係る車両用換気空調システムの制御系の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る車両用換気空調システムを構成する空調制御装置の換気制御処理のフローチャート 本発明の実施の形態4に係る車両用換気空調システムを構成する空調制御装置の換気制御処理のフローチャート
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図中、同一又は対応する部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。本実施の形態に係る車両用換気空調システムは、高速鉄道に用いられる鉄道車両の換気及び空調を行う。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)に示すように、鉄道車両1には、内部に客室2が設けられている。客室2には、定員人数が定められている。定員人数は、一般的には、客室2の床面積の大きさによって決まる。図1(A)、図1(B)及び図1(C)では、便宜的に、鉄道車両1の定員人数を5人として示しており、3人が実際に乗車していることを表している。
鉄道車両1の下部には、台車4が2台設けられている。台車4には、それぞれ車軸が2本設けられている。台車4が、鉄道車両1を支持しつつ車軸が線路S上で回転することにより、鉄道車両1が線路S上を走行する。台車4には、鉄道車両1の台車4にかかる客室2の荷重を検出する荷重センサ5が設けられており、荷重センサ5で検出される荷重の増分から、乗車人数を推定することができる。図1(A)、図1(B)及び図1(C)では、荷重センサ5での荷重の増分を人間の平均体重で除算すれば、乗車人数が3人であることを割り出すことができる。
また、鉄道車両1には、乗降扉3が設けられている。乗降扉3は開閉して、乗客が客室2に出入りするのに用いられる。鉄道車両1は高速に走行する車両であるため、乗降扉3は、鉄道車両1の進行方向に向かって前後左右にのみ設けられている。
鉄道車両1の2台の台車4の間には、換気空調装置10及び空調装置11が設けられている。換気空調装置10は、客室2の換気及び空調制御を行い、空調装置11は、客室2の空調制御を行う。高速車両である鉄道車両1は、一般の通勤用の鉄道車両と比較して、乗客の呼気により客室2の二酸化炭素の濃度が増えやすい傾向があり、より多くの新鮮な空気による換気を必要とする。このため、鉄道車両1には、換気と空調とを同時に行う換気空調装置10が取り付けられている。
図1(A)に示すように、乗降扉3が閉状態にあり、鉄道車両1が低速で走行している場合、換気空調装置10は、客室2の乗車人数に応じた換気制御を行う。図1(A)に示すように、客室2に3人乗車している場合には、換気空調装置10は、定員人数である5人が乗車していた場合よりも小さい5分の3の換気量で換気制御を行う。
ここで、低速とは、後述する基準速度を下回る走行速度で鉄道車両1が走行する状態をいう。また、換気量とは、単位時間当たりで換気される空気の量であり、換気速度ともいう。なお、以下では、客室の換気に必要な換気量を必要換気量という。
また、図1(B)に示すように、乗降扉3が閉状態で、鉄道車両1が高速で走行し、客室2の室内温度と、換気空調装置10及び空調装置11の目標温度との乖離が大きい場合には、換気空調装置10は、客室2の乗車人数に応じた換気量より多い換気量で換気を行う。
ここで、高速とは、後述する基準速度を越える走行速度で鉄道車両1が走行する状態をいう。換気空調装置10では、換気量を一定にした場合であっても、鉄道車両1が高速で走行しているときには、低速に走行しているときよりも客室2に供給される新鮮な空気の量が減る。このため、空調された客室2の室内温度が目標温度に到達することが難しくなり、乗客に不快感を与えるおそれがある。そこで、本実施の形態では、鉄道車両1が高速で走行し、客室2の室内温度と目標温度との乖離が大きい場合に、換気空調装置10は、換気量を増やしている。
さらに、図1(C)に示すように、鉄道車両1が駅のホームHに到着し、乗降扉3が開状態にある場合には、換気空調装置10は、乗降扉3を介して出入りする空気の分だけ、乗車人数に応じた換気量よりも小さい換気量で換気を行う。換気空調装置10が必要以上に客室2の換気を行うのを防ぐためである。ここで、開状態にある乗降扉3を介して自然に換気される換気量を自然換気量ともいう。
上述の制御を行う換気空調装置10は、図2に示すように、客室2の空調を行う室内機20と、室内機20と協働して動作する室外機21とを備える。室内機20は、客室2の換気を行う換気部20Aと、客室2の空調を行う空調部20Bと、を備える。
換気部20Aには、外部と連通する開口である外気吸入口20aと、外気を取り入れる換気送風機20bとが設けられている。換気送風機20bが動作すると、新鮮な空気である外気は、外気吸入口20aから取り込まれて換気送風機20bにより室内機20に送られる。
空調部20Bは、換気部20Aと一体化して設けられている。空調部20Bには、客室2と連通する戻り空気口20cと、空調部20B内に取り込まれた空気を送る室内送風機20dと、熱交換を行う熱交換器20eとが設けられている。室内送風機20dは、換気送風機20bで取り入れられた外気と、鉄道車両1の客室2から戻り空気口20cを介して排出された戻り空気とを混合して取り込み、その混合空気を熱交換器20eに送る。熱交換器20eは、空調部20Bと室外機21との間を循環する冷媒回路の一部であり、混合空気と熱交換を行う。熱交換が行われた混合空気は、冷気として吹き出し口20fを介して客室2に送られる。このように、空調部20Bは、取り込んだ混合空気に対して熱交換を行った後に客室2に送ることにより、客室2の室内温度を目標温度に制御する。客室2の車内温度は、温度センサ7で検出され、フィードバック制御に用いられる。
上述のように、換気空調装置10では、換気部20Aで吸入された新鮮な空気が、空調部20Bで戻り空気と混合され、客室2に送られる。このようにして、換気空調装置10は、換気と空調とを同時に行う。なお、換気送風機20bにより、客室2に送られる換気量を以下では、強制換気量という。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)に戻り、空調装置11は、図2の換気空調装置10の構成のうち、換気部20Aを有しない構成となっている。
換気空調装置10による換気制御及び空調制御を行うため、図3に示すように、鉄道車両1には、空調制御装置50を中心とした換気及び空調制御の制御系、すなわち車両用換気空調システム100が構築されている。車両用換気空調システム100は、鉄道車両1の1両単位の構成要素として、上述の換気空調装置10及び空調装置11に加え、駆動部としての換気送風機20bを駆動する換気インバータ52と、室内送風機20dを駆動する室内インバータ53と、鉄道車両1の状態を監視する監視部51と、客室2の換気及び空調を制御する空調制御装置50と、を備える。
駆動部としての換気インバータ52は、換気空調装置10に組み込まれている。換気インバータ52は、入力される換気量に応じた指令に従って、換気送風機20bを周波数駆動する。換気インバータ52は、指令された換気量に対応する回転数で換気送風機20bのコンプレッサを回転させる可変周波数制御、PWM(Pulse Width Modulation)制御を行って、換気送風機20bの換気量を可変に駆動する。
室内インバータ53は、換気空調装置10に組み込まれている。室内インバータ53は、入力される換気量に応じた指令に従って、室内送風機20dを周波数駆動する。具体的には、室内インバータ53は、可変周波数制御を行って、室内送風機20dの換気量を可変に駆動する。
なお、換気空調装置10には、客室2の室内温度を検出する温度センサ7が設けられている。温度センサ7は、客室2内に設けられていてもよい。
監視部51は、この他、客室2における乗客の乗車率と、客室2における乗降扉3の開閉状態を監視する。具体的には、監視部51は、荷重センサ5によって検出される荷重と、自号車の定員人数とに基づいて、上述のようにして、鉄道車両1の客室2における乗車率を算出する。さらに、監視部51は、乗降扉3の開閉状態を制御する乗降扉制御部8からの信号に基づいて、乗降扉3の開閉状態を監視する。乗降扉3の開閉状態には、乗降扉3の開口面積、開状態にある乗降扉3の枚数の情報が含まれる。監視部51は、空調制御装置50から、空調に関する情報を受信する。このような情報には、室内温度、目標温度、湿度、気圧、換気に関する情報がある。
中央制御装置60は、鉄道車両1が連結された先頭車両に設けられており、複数の鉄道車両1で編成された列車全体を統括制御する。速度センサ6は、鉄道車両1の走行速度を検出して、中央制御装置60に送る。中央制御装置60は、速度センサ6から送られた鉄道車両1の走行速度を、監視部51に送る。監視部51は、中央制御装置60から送られる鉄道車両1の走行速度を空調制御装置50に送る。一方で、中央制御装置60は、監視部51からの監視情報を入力する。中央制御装置60は、編成された全ての号車の鉄道車両1の監視部51と、各種情報の送受信を行っている。
監視部51で監視される乗車率、乗降扉3の開閉状態、鉄道車両1の走行速度の情報は、空調制御装置50に送られる。空調制御装置50は、これらの情報に基づいて、換気送風機20bによって換気される強制換気量に応じた回転数の指令を換気インバータ52に出力して換気制御を行う。さらに、空調制御装置50は、室内送風機20dを駆動する回転数の指令を室内インバータ53に出力して空調制御を行う。
より具体的には、空調制御装置50は、監視部51で監視される乗降扉3の開閉状態に基づいて、乗降扉3が開状態にあるか否かを判定する。また、空調制御装置50は、乗降扉3が開状態にないと判定した場合に、監視部51で監視される鉄道車両1の走行速度が基準速度を下回ると、第1の換気量、すなわち必要換気量に応じた回転数の指令を換気インバータ52に指令する。なお、ここでの基準速度は、図6に示す第2の基準速度H2となる。
一方、空調制御装置50は、鉄道車両1の走行速度が基準速度を上回り、かつ、温度センサ7で検出される室内温度と空調の目標温度との差が基準値を越えると、必要換気量よりも多い第2の換気量に応じた回転数を、換気インバータ52に指令する。なお、ここでの基準速度は、図6に示す第1の基準速度H1となる。
さらに、空調制御装置50は、乗降扉3が開状態にあると判定した場合に、必要換気量よりも自然換気量だけ少ない第3の換気量に応じた回転数を換気インバータ52に指令する。
なお、空調制御装置50は、上述のように換気空調装置10を制御するとともに、空調装置11も制御している。
空調制御装置50は、ハードウエアの構成要素として、CPU(Central Processing Unit)50a、メモリ50b、記憶部50c及び入出力部50dを備える。メモリ50b、記憶部50c、入出力部50dはいずれも内部バス50eを介してCPU50aに接続されている。
CPU50aは、情報処理を行う中央処理装置である。空調制御装置50では、CPU50aが、記憶部50cに記憶されているプログラムを実行することにより、空調制御装置50の上述の機能が実現される。
メモリ50bは、RAM(Random-Access Memory)である。メモリ50bには、記憶部50cに記憶されているプログラムがロードされる。この他、メモリ50bは、CPU50aの作業領域(データの一時記憶領域)として用いられる。
記憶部50cは、フラッシュメモリ、ハードディスクの不揮発性メモリである。記憶部50cは、空調制御装置50における換気制御及び空調制御に必要な情報を記憶する。
入出力部50dは、外部機器との入出力インターフェイスである。入出力部50dは、監視部51、温度センサ7、換気インバータ52、室内インバータ53及び空調装置11と接続されており、これらとの間でデータ入力又はデータ出力を行う。
次に、本実施の形態に係る車両用換気空調システム100の動作について説明する。ここでは、車両用換気空調システム100を構成する空調制御装置50のCPU50aによる換気空調装置10を用いた換気制御処理の流れについて説明する。
図4に示すように、まず、CPU50aは、監視部51から送られる乗降扉3の開閉状態に基づいて、乗降扉3が開状態にあるか否かを判定する(ステップS10)。図5に示すように、監視部51から送られる乗降扉3の開閉状態の監視情報が、乗降扉3が閉状態から開状態に移行したことを示した時点t1で、CPU50aは、乗降扉3が開状態にあると判定する。
一方、乗降扉3が実際に開状態から閉状態に移行した時点t2でも、CPU50aは、乗降扉3が閉状態になったとは判定しない。時点t2経過後、走行速度が閾値αを越えるまで、CPU50aは、乗降扉3が開状態にあると判定する。時点t3において、走行速度が閾値αを越えると、CPU50aは、閉状態に移行したと判定する。なお、閾値αは、図6の第2の基準速度H2よりも低く設定されている。
乗降扉3が閉状態に移行した後は、客室2に乗り込んできた乗客の移動が発生する。このため、乗降扉3が実際に開状態から閉状態に移行した後、鉄道車両1の走行速度が閾値α以上に達するまでは客室2の換気状態は安定しない。そこで、本実施の形態では、CPU50aは、時点t3となり客室2の状態が安定するまでは乗降扉3が開状態にあるとみなす。このようにすることで、安定した換気制御が実現される。
なお、時点t4で鉄道車両1が再び停止後、乗降扉3が開いた時点t5で、CPU50aは、乗降扉3が開状態に移行したと判定する。
続いて、CPU50aは、乗降扉3が開状態にないと判定する場合(ステップS10;NO)、自然換気量に「0」を設定する(ステップS15)。閉状態となった乗降扉3からは、外気が換気されることはないためである。
次に、CPU50aは、客室2の乗車人数N(Nは0又は自然数)を、監視部51から送られた乗車率に基づいて算出する(ステップS20)。具体的には、CPU50aは、乗車率に定員人数を乗算することにより、乗車人数Nを算出する。なお、乗車率が0である場合には、換気量が0となるのを防ぐため、乗車人数Nを1以上の数値としてもよい。
続いて、CPU50aは、以下の式を用いて乗車人数Nに基づいて必要換気量Vを算出する(ステップS25)。
V=(a1/(n−p))×N…(1)
ここで、上記式(1)の各変数は、以下の通りに定義される。
V:必要換気量(m/h)
a1:1人あたりが吐き出すCOの量である。ただし、15.0×10−3(m/h)とする。空気調和・衛生工学会規格の中の換気基準では、エネルギー代謝率“0:安静時”の1人あたりが吐き出すCOの量は、13.2×10−3である。しかし、乗客には立っている人も含まれている。このため、この規格ではエネルギー代謝率“1:極軽作業の下限”に近い15.0×10−3を選択するのが望ましい。
n:車内の標準清浄度(体積濃度)である。ただし、15.0×10−3とする。空気の汚れを表す総合的な指標である二酸化炭素の設計基準濃度としては、一般には1.0×10−3が採用されている。しかし、これまで旅客車では“乗り心地環境を良好に保つための最低の基準濃度値”として1.5×10−3という数値が使われているので、この数値を採用するのが望ましい。
p:外気の清浄度(体積濃度)である。ただし、pの値を0.35×10−3とする。
N:乗車人数である。
次に、CPU50aは、鉄道車両1の走行速度と、客室2の温度とが、補正条件を満たす場合に、ステップS25で算出した必要換気量Vを補正する(ステップS30)。具体的には、CPU50aは、鉄道車両1の走行速度が、低速域にある場合と、高速域にある場合とで、必要換気量をV又はV+ΔVのいずれかに切り替える。
まず、図6に示すように、鉄道車両1の走行速度が、第1の基準速度H1より低い低速域にある場合には、CPU50aは、乗車人数Nに基づいて算出した必要換気量Vを強制換気量として、換気インバータ52を介して換気送風機20bを駆動させる。ここで、CPU50aは、鉄道車両1が加速し、走行速度が第1の基準速度H1を上回ると、空調される客室2の温度と目標温度を検出し、その差が基準値β以上である場合、必要換気量Vを補正値ΔVだけ減らしたV+ΔVに補正して、V+ΔVを強制換気量として、換気インバータ52を介して換気送風機20bを駆動させる。
また、鉄道車両1が減速し、走行速度が第2の基準速度H2を下回ると、必要換気量をVに戻す。このように、必要換気量の切換点となる基準速度には、ヒステリシスが設定されている。すなわち、鉄道車両1が加速し、走行速度が低速から高速に移行する場合には、CPU50aは、走行速度が第1の基準速度H1に達したことをもって、必要換気量を、VからV+ΔVに切り換える。一方、鉄道車両1が減速し、走行速度が第2の基準速度H2を越えて、高速から低速に移行する場合には、CPU50aは、走行速度が第2の基準速度H2に達した時点で、必要換気量を、V+ΔVからVに戻す。このようなヒステリシスを設けるのは、鉄道車両1が細かく加減速することによって、必要換気量の切り換えが頻繁に発生して、制御が不安定になることを防ぐためである。
図4に戻り、続いて、CPU50aは、必要換気量から自然換気量を差し引くことにより、強制換気量を算出する(ステップS35)。ここで、必要換気量は、ステップS25で求められた必要換気量Vか、ステップS30で補正された必要換気量V+ΔVかのいずれかである。一方、自然換気量は、ステップS15で設定された自然換気量「0」である。よって、ここでは、強制換気量は、必要換気量に等しくなる。そのため、ステップS35の処理は省略することができる。
次に、CPU50aは、ステップS35で算出された強制換気量に応じた回転数を算出して換気インバータ52にその回転数の指令を出力し、強制換気を実施する(ステップS40)。なお、強制換気量と換気インバータ52の回転数との関係は、予め試験にて算出されており、その関係が記憶部50cに記憶されている。CPU50aは、記憶部50cに記憶された強制換気量と換気インバータ52の回転数との関係に基づいて、強制換気量に対応する換気インバータ52の回転数を算出する。
一方、乗降扉3が開状態にあると判定する場合(ステップS10;YES)、CPU50aは、必要換気量Vを記憶部50cから呼び出す(ステップS50)。必要換気量Vは、直前にステップS25にて算出された値である。なお、この時点では、鉄道車両1は、駅のホームHで停止しているので、必要換気量はV+ΔVではなく、Vとなる。なお、ステップS50を実行する際に、ステップS25が実行されていなかった場合には、CPU50aは、上記式(1)の乗車人数Nに定員人数を入力して、必要換気量Vを求める。
続いて、CPU50aは、監視部51で監視されている乗降扉3の開閉状態に基づいて、開状態にある乗降扉3の枚数を検出する(ステップS55)。
続いて、CPU50aは、監視部51で監視される乗降扉3の開閉状態に基づいて、乗降扉3の開口面積を算出する(ステップS60)。具体的には、CPU50aは、開状態にある乗降扉3の枚数に、記憶部50cに記憶される乗降扉3の1枚当たりの開口面積を乗算して、乗降扉3の開口面積を算出する。
続いて、CPU50aは、以下の式(2)を用いて、すなわち算出された客室2の開口面積と客室2の床面積との比率に基づいて、開状態にある乗降扉3を介して自然に換気される自然換気量を算出する(ステップS65)。
自然換気量=開口面積/床面積×係数…(2)
ここで、係数としては、外気の温度と室内温度との偏差及び車外の風速に応じて異なる数値を用いることができる。外気の温度と室内温度との偏差及び車外の風速と、自然換気量を精度良く得ることができる係数との関係は、予め実験により求められ、それらの関係を示すテーブルが記憶部50cに記憶されている。CPU50aは、記憶部50cに格納されたテーブルを参照し、外気温及び車外の風速を検出するセンサの検出値に対応する係数を読み出し、その係数を上記式(2)の計算に用いる。また、係数として、所与の一定値を用いるようにしてもよい。
続いて、CPU50aは、以下の式(3)を用いて、必要換気量から、自然換気量を差し引くことにより、強制換気量を算出する(ステップS70)。
強制換気量=必要換気量−自然換気量…(3)
ここで、必要換気量は、ステップS50で得られた必要換気量であり、自然換気量は、ステップS65で求めた自然換気量である。
続いて、CPU50aは、強制換気の実施を行う(ステップS75)。具体的には、CPU50aは、ステップS35で算出された強制換気量に応じた回転数で換気する指令を算出して換気インバータ52に出力する。
続いて、CPU50aは、乗降扉3が閉状態にあるか否かを判定する(ステップS80)。乗降扉3が閉状態にあると判定した場合(ステップS80;YES)、CPU50aは、ステップS10に戻る。一方、CPU50aは、乗降扉3が閉状態にないと判定した場合(ステップS80;NO)、すなわち、鉄道車両1が停車状態にあり、乗降扉3が開いていると判定される場合、CPU50aは、ステップS55(開いた乗降扉の数の検出)に戻る。
なお、本実施の形態では、判定ステップ及び判定手段が、ステップS10に対応し、第1の換気ステップ及び第1の換気手段が、ステップS15〜ステップS40に対応し、第2の換気ステップ及び第2の換気手段が、ステップS50〜ステップS80に対応する。
図5に示すように、本実施の形態によれば、乗車人数Nに応じた必要換気量Vが算出され、客室2の全体の換気量は、基本的に必要換気量Vで一定となる。時点t1で乗降扉3が開状態になると、自然換気量が算出され、実際に換気送風機20bで換気されるのは、必要換気量Vと自然換気量の差分である強制換気量となる。しかしながら、客室2の総換気量は、必要換気量Vで変動しない。
さらに、乗降扉3が閉状態となり、鉄道車両1の走行速度が閾値αを越えた時点t3で、自然換気量は0となり、再び、換気送風機20bで必要換気量Vでの換気が行われる。
さらに、鉄道車両1の走行速度が、第1の基準速度H1を越えた時点t6で、さらに、室内温度と目標温度との差が基準値βを越えると、必要換気量は、VからV+ΔVに切り換えられる。これにより、室内機20の動作による換気量の増加がΔVにより相殺され、実質的な客室2全体の換気量は、一定に保たれるようになる。
さらに、鉄道車両1の走行速度が、第2の基準速度H2を下回った時点t7で、必要換気量は、V+ΔVからVへ切り換えられる。なお、室内温度と目標温度との差が基準値βを下回った時点で、必要換気量をV+ΔVからΔVに戻すようにしてもよい。
その後、鉄道車両1が駅で停止し、時点t5で乗降扉3が再び開状態になると、自然換気量が算出され、実際に換気送風機20bで換気されるのは、必要換気量Vと自然換気量の差分である強制換気量となる。その後の必要換気量は、乗車人数の増減に従って増減する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、鉄道車両1の走行速度が第1の基準速度H1を上回り、かつ、室内温度と空調の目標温度との差が大きい場合には、換気送風機20bによる換気量を多くする。さらに、鉄道車両1の乗降扉3が開状態にあるときには、換気送風機20bによる換気量を少なくする。このように、換気送風機20bによる換気量を、鉄道車両1の客室2の状況に応じて変更することができるので、過不足のない適切な換気を行うことができる。
さらに詳細には、本実施の形態に係る車両用換気空調システム100は、以下の効果を有する。
(1)乗降扉3が開いており、自然換気が行われるときには、換気送風機20bによる強制換気量を減らすことができる。このため、電力使用量を低減することができる。
(2)乗降扉3の開閉状態に応じて、きめ細かい過不足のない換気制御を実現することができる。
(3)乗降扉3が開く直前の乗車人数に応じた必要換気量に基づいて換気を行っているため、乗客の不快感を低減することができるうえ、換気空調装置10、空調装置11の負荷が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
(4)必要以上の換気を行わないようになるので、換気送風機20bによる騒音を低減することができる。
(5)空調装置11の換気熱負荷を軽減できるので、高性能な空調装置が不要となり、製造コストを抑えることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記実施の形態1では、図4に示すように、ステップS25で記憶された、乗降扉3が開く直前の状態における乗客数に応じた必要換気量Vを、ステップS50で読み出して、乗降扉3が開状態での必要換気量として用いた。しかしながら、本発明は、これに限られるものではない。
図7に示すように、本実施の形態に係る車両用換気空調システム101では、乗降扉3が開状態にあるとき、鉄道車両1が入線しているホームH上の乗客数を検出する乗客数検出部70を備える。乗客数検出部70は、ホームH上を撮影するカメラ70Aと、カメラ70Aで撮影された映像に対する画像処理を行って映像に映る乗客を抽出し、抽出された乗客の数を検出する検出装置70Bと、を備える。車両用換気空調システム101のこの他の構成は、上記実施の形態1に係る車両用換気空調システム100と同じである。
ステップS50において、CPU50aは、乗客数検出部70で検出されたホームH上の乗客の数を乗車人数に、必要換気量を算出する。これにより、ホームHから客室2に新しく乗り込む乗客数に応じて適切な換気量を確保することができる。
車両用換気空調システム101のこの他の動作は、上記実施の形態1に係る車両用換気空調システム100(図4参照)と同じである。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上記実施の形態1では、図4のステップS65において、CPU50aが、自然換気量を、以下の式(2)を用いて算出した。
自然換気量=開口面積/床面積×係数…(2)
これに対して、本実施の形態3では、CPU50aは、予め設定された一定の値を用いて自然換気量を設定する。記憶部50cに、自然換気量として用いられる一定の値が記憶されている。図8に示すように、CPU50aは、ステップS55、S60、S65、S70を実行せず、代わりにステップS85を実行する。ステップS85において、CPU50aは、必要換気量から記憶部50cに記憶された一定値の自然換気量を差し引くことにより、強制換気量を算出する。そして、ステップS75において、その強制換気量に応じた指令が換気インバータ52に出力され、換気送風機20bによる客室2の強制換気が行われる。このようにすれば、CPU50aにおける制御演算量を減らし、演算時間を短縮することが可能となる。
本実施の形態に係る車両用換気空調システムにおけるこの他の構成及び動作は、上記実施の形態1に係る車両用換気空調システム100と同じである。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。上記実施の形態1では、乗降扉3が開状態にあると判定された場合(ステップS10;YES)、CPU50aは、記憶部50cから必要換気量を読み出し(ステップS50)、自然換気量を算出し(ステップS65)、必要換気量から自然換気量を減算して強制換気量を算出した(ステップS70)。これに対し、本実施の形態では、図9に示すように、CPU50aは、ステップS60、S65を実行することなく、代わりにステップS90、S95を実行する。
ステップS50実行後、CPU50aは、監視部51で監視される乗降扉3の開閉状態に基づいて、開状態にある乗降扉3の枚数を検出する(ステップS55)。続いて、CPU50aは、客室2における乗降扉3の総数に対する、開状態にある乗降扉3の枚数の比率rを求める(ステップS90)。なお、乗降扉3の総数は、記憶部50cに記憶されている。
続いて、CPU50aは、以下の式(4)を用いて、自然換気量を算出する(ステップS95)。
自然換気量=必要換気量×r…(4)
すなわち、CPU50aは、客室2における乗降扉3の総数に対する、開状態にある乗降扉3の枚数の比率と必要換気量とを乗算することにより、自然換気量を算出する。
続いて、CPU50aは、必要換気量から、自然換気量を差し引くことにより、強制換気量を算出する(ステップS70)。そして、CPU50aは、換気量に応じた回転数の指令を換気インバータ52に出力する(ステップS75)。
ここでは、鉄道車両1に設けられた乗降扉3の全枚数をM枚とし、そのうち、開状態にある乗降扉3の枚数がM枚である場合、乗降扉3を介した自然換気により必要な換気が実現されていると仮定して、CPU50aは、必要換気量に「0」を設定する。また、開状態にある扉枚数がN/2枚である場合、必要換気量の半分量が自然換気で確保されていると仮定して、CPU50aは、自然換気量を、ステップS50(図4)で算出された必要換気量×1/2に設定する。
本実施の形態に係る車両用換気空調システムにおけるこの他の構成及び動作は、上記実施の形態1に係る車両用換気空調システム100と同じである。
なお、上記各実施の形態では、乗車人数に応じた必要換気量で客室2の換気を行った。しかしながら、本発明はこれには限られない。常に、定員人数での必要換気量を基準として、客室2の換気を行うようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、換気空調装置10及び空調装置11を鉄道車両1の下部に設置したが、本発明はこれには限られない。換気空調装置10及び空調装置11を、鉄道車両1の上部に設置するようにしてもよい。
その他、空調制御装置50のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
CPU50a、メモリ50b、記憶部50c、入出力部50d及び内部バス50eなどを備える空調制御装置50の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する空調制御装置50を構成してもよい。また、インターネットの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードすることで換気制御装置を構成してもよい。
空調制御装置50の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体又は記憶装置に格納してもよい。
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行してもよい。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、鉄道車両、特に高速車両の客室の換気制御及び空調制御に適用することができる。
1 鉄道車両、2 客室、3 乗降扉、4 台車、5 荷重センサ、6 速度センサ、7 温度センサ、8 乗降扉制御部、10 換気空調装置、11 空調装置、20 室内機、20A 換気部、20B 空調部、20a 外気吸入口、20b 換気送風機、20c 戻り空気口、20d 室内送風機、20e 熱交換器、20f 吹き出し口、21 室外機、50 空調制御装置、50a CPU、50b メモリ、50c 記憶部、50d 入出力部、50e 内部バス、51 監視部、52 換気インバータ、53 室内インバータ、60 中央制御装置、70 乗客数検出部、70A カメラ、70B 検出装置、100,101 換気空調システム、H ホーム、H1 第1の基準速度、H2 第2の基準速度、S 線路

Claims (10)

  1. 鉄道車両の換気及び空調を行う車両用換気空調システムであって、
    外気を取り入れる換気送風機が設けられた換気部と、
    前記換気部と一体化して設けられ、前記換気送風機で取り入れられた外気と前記鉄道車両の客室から排出された戻り空気とを混合して取り込み、取り込んだ混合空気に対して熱交換を行った後で前記客室に送ることにより、前記客室の室内温度を目標温度に制御する空調部と、
    入力される指令に従って、前記換気送風機をインバータにより周波数駆動する駆動部と、
    前記客室における開状態にある扉枚数を含む乗降扉の開閉状態と、前記鉄道車両の走行速度とを監視する監視部と、
    前記監視部で監視される前記客室における乗降扉の開閉状態と、前記鉄道車両の走行速度とに基づいて、前記換気送風機に強制的に換気させる強制換気量に応じた指令を前記駆動部に出力する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記監視部で監視される前記乗降扉の開閉状態に基づいて、前記乗降扉が開状態にあるか否かを判定し、
    前記乗降扉が開状態にないと判定した場合に、前記監視部で監視される前記鉄道車両の走行速度が基準速度を下回ると、第1の換気量に応じた指令を前記駆動部に出力し、前記鉄道車両の走行速度が前記基準速度を上回り、かつ、前記室内温度と前記目標温度との差が基準値を越えると、前記第1の換気量よりも多い第2の換気量に応じた指令を前記駆動部に出力し、
    前記乗降扉が開状態にあると判定した場合に、前記第1の換気量よりも少ない第3の換気量に応じた指令を前記駆動部に出力する、
    車両用換気空調システム。
  2. 前記制御部は、
    前記乗降扉が開状態から閉状態に移行しても、前記走行速度が前記基準速度よりも低い閾値を超えるまで、前記乗降扉が開状態にあると判定する、
    請求項1に記載の車両用換気空調システム。
  3. 前記制御部は、
    前記乗降扉が閉状態にあると判定した場合に、前記鉄道車両の走行速度が前記基準速度としての第1の基準速度を越え、かつ、前記室内温度と前記目標温度との差が基準値を越えると、前記第2の換気量を前記駆動部に指令し、
    前記鉄道車両が減速して走行速度が前記第1の基準速度よりも低い第2の基準速度を下回ると、前記第1の換気量を前記駆動部に指令する、
    請求項1又は2に記載の車両用換気空調システム。
  4. 前記制御部は、
    前記監視部で監視される前記乗降扉の開閉状態に基づいて、開状態にある前記乗降扉の枚数を求め、
    開状態にある前記乗降扉の枚数に基づいて、前記客室の開口面積を算出し、
    算出された前記客室の開口面積と前記客室の床面積との比率に基づいて、開状態にある前記乗降扉を介して自然に換気される自然換気量を算出し、
    前記第1の換気量から、前記自然換気量を差し引くことにより、前記第3の換気量を算出する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用換気空調システム。
  5. 前記制御部は、
    開状態にある前記乗降扉を介して自然に換気される自然換気量を一定の値に設定し、
    前記第1の換気量から、前記自然換気量を差し引くことにより、前記第3の換気量を算出する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用換気空調システム。
  6. 前記制御部は、
    前記監視部で監視される前記乗降扉の開閉状態に基づいて、開状態にある前記乗降扉の枚数を求め、
    前記客室における前記乗降扉の総数に対する、開状態にある前記乗降扉の枚数の比率と前記第1の換気量とを乗算して、開状態にある前記乗降扉を介して自然に換気される自然換気量を算出し、
    前記第1の換気量から、前記自然換気量を差し引くことにより、前記第3の換気量を算出する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用換気空調システム。
  7. 前記制御部は、前記客室の乗車人数に応じた換気量を、前記第1の換気量として算出する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用換気空調システム。
  8. 前記鉄道車両の台車にかかる前記客室の荷重を検出する荷重センサを備え、
    前記監視部は、前記荷重センサで検出される荷重と、前記客室の定員人数とに基づいて、前記客室の乗車率を算出し、
    前記制御部は、前記監視部で算出される前記乗車率に基づいて、前記乗車人数を算出する、
    請求項7に記載の車両用換気空調システム。
  9. 前記乗降扉が開状態にあるとき、前記鉄道車両が入線しているホーム上の乗客数を数える乗客数検出部を備え、
    前記制御部は、
    前記乗客数検出部で検出された乗客数に応じた換気量を、前記第1の換気量として算出する、
    請求項7に記載の車両用換気空調システム。
  10. コンピュータが、鉄道車両の乗降扉が開状態にあるか否かを判定する判定ステップと、
    コンピュータが、前記乗降扉が開状態にないと判定した場合に、前記鉄道車両の走行速度が基準速度を下回ると、第1の換気量で前記鉄道車両の客室を換気し、前記鉄道車両の走行速度が前記基準速度を上回り、かつ、前記客室の室内温度と空調の目標温度との差が基準値を越えると、前記第1の換気量よりも多い第2の換気量で前記客室を換気する第1の換気ステップと、
    コンピュータが、前記乗降扉が開状態にあると判定した場合に、前記第1の換気量よりも少ない第3の換気量で前記客室を換気する第2の換気ステップと、
    を含む換気方法。
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