JP2019153637A - 硬化性重合体、重合液及び樹脂、並びにこれらを用いた有機発光素子 - Google Patents

硬化性重合体、重合液及び樹脂、並びにこれらを用いた有機発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の一態様は、有機発光素子の製造に用いる有機高分子材料として、高い架橋性による高い耐溶媒特性を有する硬化性重合体を提供することを目的とする。また、本発明の別の一態様は、長寿命且つ高効率の有機発光素子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様は、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第一の高分子と、第一の高分子の主鎖とは異なる主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第二の高分子と、を有する硬化性重合体に関する。本発明の別の一態様は、前記硬化性重合体を含む重合液、前記硬化性重合体を重合して得られる樹脂、並びに前記樹脂を正孔輸送層に含む有機発光素子にも関する。【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性重合体、重合液及び樹脂、並びにこれらを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子は、厚さ数十nmの有機固体材料を積層した構造であり、薄型、軽量で且つフレキシブルな照明及び/又はディスプレイを提供する素子として注目されている。また、自発光であるため、高視野角が可能であるだけでなく、発光体自体の応答速度も高いため、高速動画表示に適している。それ故、有機発光素子を用いたディスプレイは、次世代のフラットパネルディスプレイ又はシートディスプレイとして期待されている。さらに、有機発光素子は、大面積からの均一発光が可能であるため、次世代照明としても注目されている。
有機発光素子においては、陽極及び陰極の間に挟持された有機積層膜に電圧を印可することにより、陽極から正孔が、陰極から電子が、それぞれ有機積層膜に注入される。そして、発光層で電子及び正孔が再結合することにより、発光する。
有機発光素子は、通常は、陽極と、陽極から発光層へ正孔を輸送するための正孔輸送層と、発光層と、陰極から発光層へ電子を輸送するための電子輸送層と、陰極とからなる。電子及び正孔を発光層に効率的に注入するために、正孔輸送層及び電子輸送層として、それぞれ複数の異なる膜を積層する場合もある。有機発光素子においては、発光層だけでなく、正孔輸送層及び電子輸送層も、有機固体を積層することによって形成される。
有機発光素子の有機固体材料を積層する方法は、真空蒸着法及び湿式プロセスに大別される。真空蒸着法と比較して、印刷法又はインクジェット法に代表される湿式プロセスは、量産性、製造プロセスの低コスト化又は大画面化等の利点を有することから、期待されている。
しかしながら、湿式プロセスにおいては、有機膜を積層して新たな層を成膜する際、既に成膜した層が有機溶媒に溶解するという問題が存在した。前記問題を解決するための手段として、有機高分子の主鎖と硬化性の架橋基を含む側鎖とを含む硬化性重合体を、溶媒に溶解して重合液を得て、湿式プロセスによって該重合液を基板に塗布した後に、熱又は光処理により架橋反応を開始させて、重合体を硬化及び重合させる方法が開発された。架橋反応によって硬化した硬化性重合体の膜は、有機溶媒に溶けにくい性質を有するため、湿式プロセスによる積層が容易になる。
有機発光素子の製造に用いる従来技術の硬化性重合体として、例えば、特許文献1は、正孔輸送層として、アリールアミンと正孔輸送核のモノマーとが直鎖状に結合した高分子に、架橋基としてベンゾシクロブテンが、溶媒抵抗性の架橋基としてビニル基が、それぞれ結合した2種類の高分子を用いることにより、発光層の塗布に対する良質な膜を形成できることを記載する。
特許文献2は、特許文献1に記載の正孔輸送核のモノマーをフルオレンとすることで、より良質な膜を形成できることを記載する。
特許文献3は、(1)芳香族共役繰り返し単位及び架橋基を有し、発光性及び電荷輸送性の少なくとも一方の性質を有する第一の架橋性高分子化合物、並びに、(2)芳香族共役繰り返し単位及び架橋基の少なくとも一方が、第一の架橋性高分子化合物中の芳香族共役繰り返し単位及び第一の架橋性高分子化合物中の架橋基と異なる、芳香族共役繰り返し単位及び架橋基を有し、発光性及び電荷輸送性の少なくとも一方の性質を有する第二の架橋性高分子化合物を含み、且つ、第一の架橋性高分子化合物及び第二の架橋性高分子化合物の少なくとも一方が特定の式で表される架橋基を有する、組成物を記載する。
特開2017-112122号公報 特開2017-076811号公報 特開2011-149013号公報
特許文献1及び2に記載のように、異なる架橋基を含む2種類の高分子の組み合わせを用いることにより、湿式プロセスを用いて有機発光素子の発光層を形成する際、高分子を重合して得られる樹脂の耐溶媒特性が向上し得る。しかしながら、従来技術の高分子にはさらなる課題が存在した。例えば、特許文献1及び2に記載の高分子の組み合わせの場合、高分子の主鎖に含まれる共役モノマーが、2種類の高分子において同一の分子構造である。このような場合、有機発光素子の発光層を構成する材料又は所望の発光色に基づき、高分子の主鎖を、適正な構造に変更する必要がある。さらに、特許文献1〜3に記載の高分子の組み合わせの場合、高分子の主鎖に含まれる共役モノマーは、直鎖状の主鎖を形成するように重合する。このような場合、この高分子を重合して得られる樹脂は、架橋性が低い。
それ故、本発明の一態様は、有機発光素子の製造に用いる有機高分子材料として、高い架橋性による高い耐溶媒特性を有する硬化性重合体を提供することを目的とする。また、本発明の別の一態様は、長寿命且つ高効率の有機発光素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様の硬化性重合体は、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第一の高分子と、第一の高分子の主鎖とは異なる主鎖と、1個以上の架橋基の架橋基を含む側鎖とを有する第二の高分子と、を有する。
本発明の一態様により、有機発光素子の製造に用いる有機高分子材料として、高い架橋性による高い耐溶媒特性を有する硬化性重合体を提供することが可能となる。また、本発明の別の一態様により、長寿命且つ高効率の有機発光素子を提供することが可能となる。
前記以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本発明の一態様の硬化性重合体の一実施形態を示す模式図である。A:本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子の模式図;B:本発明の一態様の硬化性重合体の第二の高分子の模式図。 図2は、本発明の一態様の硬化性重合体の別の一実施形態を示す模式図である。A:本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子の模式図;B:本発明の一態様の硬化性重合体の第二の高分子の模式図。 図3は、本発明の一態様の有機発光素子の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<1. 硬化性重合体>
本明細書において、「硬化性重合体」は、熱又は光のような硬化処理によって、架橋基を側鎖に含む高分子の架橋反応を開始させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させることにより、硬化した樹脂(以下、「硬化樹脂」とも記載する)を形成することのできる高分子又は重合体を意味する。すなわち、本明細書において、「硬化性重合体」は、架橋反応によって硬化する前の状態の高分子又は重合体を意味する。
本明細書において、「有機発光素子」は、有機化合物からなる有機材料を用いて作製される素子を意味する。有機発光素子は、例えば、照明又はディスプレイを提供する素子として使用することができる。本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を有機発光素子に適用することにより、長寿命且つ高効率の有機発光素子を得ることができる。
有機発光素子の製造に適用し得る従来技術の硬化性重合体においては、異なる架橋基を含む2種類の高分子の組み合わせを用いることにより、湿式プロセスを用いて有機発光素子の発光層を形成する際、高分子を重合して得られる樹脂の耐溶媒特性を向上し得ることが知られていた(例えば、特許文献1及び2)。しかしながら、例えば、2種類の高分子の組み合わせであって、高分子の主鎖に含まれる共役モノマーが、2種類の高分子において同一の分子構造である場合、有機発光素子の発光層を構成する材料又は所望の発光色に基づき、高分子の主鎖を、適正な構造に変更する必要があった。さらに、高分子の主鎖に含まれる共役モノマーが直鎖状の主鎖を形成するように重合する場合、この高分子を重合して得られる樹脂は、架橋性が低いことが知られていた。
これに対し、本発明者らは、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第一の高分子と、第一の高分子の主鎖とは異なる主鎖と、1個以上の架橋基の架橋基を含む側鎖とを有する第二の高分子を組み合わせて使用することにより、結果として得られる硬化性重合体の特性を容易に調整し得ることを見出した。また、本発明者らは、前記構成を有する硬化性重合体は、高い架橋性による高い耐溶媒特性を有することを見出した。
それ故、本発明の一態様の硬化性重合体は、
直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第一の高分子と、
第一の高分子の主鎖とは異なる主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第二の高分子と、
を有する。
本発明の各態様において、「直鎖状共役モノマー」は、直鎖状の重合体形成に使用されるモノマーであって、電荷輸送能力を発現する共役構造を有するものを意味する。前記の直鎖状共役モノマーは、以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される1個又は2個の反応点を導入することにより、互いに重合させて、本態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子において、直鎖状の主鎖を形成させることができる。また、本発明の各態様において、「分岐状共役モノマー」は、分岐状の重合体形成に使用されるモノマーであって、電荷輸送能力を発現する共役構造を有するものを意味する。前記の分岐状共役モノマーは、以下で説明する硬化性重合体の重合に使用される3個以上の反応点を導入することにより、互いに重合させて、本態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子において、分岐状の主鎖を形成させることができる。前記の共役モノマーを本態様の硬化性重合体の主鎖形成に用いることにより、結果として得られる樹脂に直鎖状又は分岐状の構造を導入し、且つ電荷輸送能力を付与することができる。
図1は、本態様の硬化性重合体の一実施形態を示す模式図である。図中、Aは、本態様の硬化性重合体の第一の高分子の模式図であり、Bは、本態様の硬化性重合体の第二の高分子の模式図である。図1Aに示すように、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子101は、直鎖状共役モノマー4及び分岐状共役モノマー5を繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基3を含む側鎖とを有する。また、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子の主鎖は、第一の高分子の主鎖とは異なる構造を有する。ここで、第二の高分子の主鎖は、第一の高分子の主鎖に含まれる繰り返し単位である直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーの少なくともいずれかと異なる構造を有していればよい。例えば、図1Bに示すように、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子102は、第一の高分子101に含まれる直鎖状共役モノマー4及び分岐状共役モノマー5とは異なる構造を有する直鎖状共役モノマー7及び分岐状共役モノマー8を繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基6を含む側鎖とを有することができる。或いは、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子は、第一の高分子に含まれる直鎖状共役モノマーと同一の構造を有する直鎖状共役モノマー、及び第一の高分子に含まれる分岐状共役モノマーとは異なる構造を有する分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有することができる。或いは、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子は、第一の高分子に含まれる直鎖状共役モノマーとは異なる構造を有する直鎖状共役モノマー、及び第一の高分子に含まれる分岐状共役モノマーと同一の構造を有する分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有することができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子において、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーの構成比率は、硬化性重合体に付与すべき特性に応じて適宜設定すればよい。本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子の主鎖の繰り返し単位である直鎖状共役モノマーに対する分岐状共役モノマーの構成比率は、1:0.8〜1:10の範囲であることが好ましく、1:0.8〜1:2の範囲であることがより好ましい。直鎖状共役モノマーに対する分岐状共役モノマーの構成比率が前記範囲未満である場合、該硬化性重合体を重合して得られる樹脂の硬化性が低くなる可能性がある。また、直鎖状共役モノマーに対する分岐状共役モノマーの構成比率が前記範囲を超える場合、結果として得られる樹脂の柔軟性が低くなる可能性がある。それ故、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子の主鎖の繰り返し単位である直鎖状共役モノマーに対する分岐状共役モノマーの構成比率を前記範囲とすることにより、結果として得られる樹脂の硬化性及び耐溶媒特性を向上させることができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子において、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーの構成比率は、例えば、硬化性重合体の1H-核磁気共鳴(1H-NMR)スペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される各モノマーに由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク等)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
一実施形態において、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子は、該硬化性重合体を重合して得られる樹脂の硬化性を損なわない範囲であれば、直鎖状共役モノマーのみを繰り返し単位として含む主鎖を有してもよい。図2は、本態様の硬化性重合体の別の一実施形態を示す模式図である。図中、Aは、本態様の硬化性重合体の第一の高分子の模式図であり、Bは、本態様の硬化性重合体の第二の高分子の模式図である。図2Bに示すように、本実施形態の硬化性重合体に含まれる第二の高分子112は、直鎖状共役モノマー7のみを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基6を含む側鎖とを有することができる。ここで、第二の高分子に含まれる直鎖状共役モノマーは、第一の高分子に含まれる直鎖状共役モノマーと同一の構造を有していてもよく、異なる構造を有していてもよい。いずれの場合も、本実施形態の範囲に包含される。
本態様の硬化性重合体において、第一の高分子の含有量は、第二の高分子の含有量を超えることが好ましい。第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、2:1〜1300:1の範囲であることが好ましく、14:1〜300:1の範囲であることがより好ましい。本態様の硬化性重合体において、第一の高分子の含有量が、第二の高分子の含有量を超えるように第一の高分子及び第二の高分子を含有させることにより、結果として得られる樹脂の硬化性及び耐溶媒特性を向上させることができる。
本態様の硬化性重合体における第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、例えば、硬化性重合体の1H-NMRスペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される第一の高分子及び第二の高分子の主鎖に含まれる各モノマー又は側鎖に含まれる1個以上の架橋基に由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク等)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーは、有機発光素子の製造、例えば有機発光素子の正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び/又は発光層を形成する樹脂を製造するために使用される公知のモノマーであればよい。前記直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーとしては、限定するものではないが、例えば、アリールアミン、スチルベン、ヒドラゾン、カルバゾール、アニリン、オキサゾール、オキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾキノン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアジアゾール、ベンゾジアゾール、ベンゾチアジアゾール、トリアゾール、ペリレン、キナクリドン、ピラゾリン、アントラセン、ルブレン、クマリン、ナフタレン、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、アントラセン、テトラセン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ピリジン、ピラジン、アクリジン、フェナントロリン、フラン及びピロール、並びにこれらの誘導体を骨格として有する化合物を挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれを単独で使用してもよく、2個以上のモノマーを組み合わせて使用してもよい。
好ましくは、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーは、以下の式(I)〜(IV):
Figure 2019153637
で表される骨格を有する化合物から選択される。
より好ましくは、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーは、以下の式(I)、(II)及び(IV):
Figure 2019153637
で表される骨格を有する化合物から選択される。
一実施形態において、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の少なくともいずれかの主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーは、以下の式(I)及び(II):
Figure 2019153637
で表される骨格を有する化合物から選択されることが好ましく、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の両方の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーが、前記式(I)及び(II)で表される骨格を有する化合物から選択されることがより好ましい。
別の一実施形態において、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子は、以下の式(IV):
Figure 2019153637
で表される骨格を有する化合物を繰り返し単位として含むことが好ましい。本実施形態の場合、本態様の硬化性重合体に含まれる第二の高分子は、式(IV)で表される骨格を有する直鎖状共役モノマーのみを繰り返し単位として含む主鎖を有する。
式(I)〜(IV)において、R1〜R11は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択されることが好ましく、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール及び炭素数7〜21のアラルキルからなる群より選択されることがより好ましく、水素、ハロゲン、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル及び炭素数6〜10のアリールからなる群より選択されることがさらに好ましく、水素、臭素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びフェニルからなる群より選択されることが特に好ましい。
前記で例示した各基は、非置換又は1個若しくは複数個のハロゲンで置換されていることが好ましく、非置換であることがより好ましい。
式(I)において、m1、m2及びm3は、互いに独立して、0〜5の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
式(II)において、n1及びn2は、互いに独立して、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
式(III)において、k1及びk2は、互いに独立して、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
式(IV)において、pは、0〜4の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
本明細書において、「アラルキル」は、アルキルの水素原子の1個がアリールに置換された基を意味する。好適なアラルキルは、限定するものではないが、例えばベンジル、1-フェネチル及び2-フェネチル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールアルケニル」は、アルケニルの水素原子の1個が前記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルは、限定するものではないが、例えばスチリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリール」は、アリールの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素原子(N)、硫黄原子(S)及び酸素原子(O)から選択される複素原子に置換された基を意味する。例えば、「炭素数12〜20のヘテロアリール」及び「(環の)員数12〜20のヘテロアリール」は、少なくとも12個且つ多くても20個の炭素原子を含む芳香族基の1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して前記の複素原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロアリールは、限定するものではないが、例えばフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル及びインドリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」は、アルキルの水素原子の1個が前記ヘテロアリールに置換された基を意味する。
本明細書において、「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
特に好ましくは、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーは、トリフェニルアミン、N-(4-ブチルフェニル)-N’,N’’-ジフェニルアミン、9,9-ジオクチル-9H-フルオレン、N-フェニル-9H-カルバゾール、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン及びN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス(2-ナフチル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン、並びにこれらの誘導体を骨格として有する化合物から選択される。
前記の骨格を有する直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを、第一の高分子及び第二の高分子の主鎖の繰り返し単位として含むことにより、本態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂の硬化性を向上させ、且つ電荷輸送能力を向上させることができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の側鎖に含まれる1個以上の架橋基は、有機発光素子の製造、例えば有機発光素子の正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び/又は発光層を形成する樹脂を製造するために使用される公知の架橋基であればよい。1個以上の架橋基としては、限定するものではないが、例えば、エポキシ基又はオキセタン基のような環状エーテル基、及びディールス・アルダー型の架橋反応を進行し得る架橋基を挙げることができる。ディールス・アルダー型の架橋反応を進行し得る架橋基としては、限定するものではないが、例えば、チオフェン、スチレン、ビニル、ピロール及びベンゾシクロブテンを骨格として有する架橋基を挙げることができる。第一の高分子及び第二の高分子の側鎖が2個又はそれ以上の架橋基を含む場合、該架橋基は、それぞれ2個又はそれ以上の同一の架橋基であってもよく、異なる架橋基の組み合わせであってもよい。本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子の側鎖に含まれる1個以上の架橋基は、オキセタン基であることが好ましい。前記で例示した1個以上の架橋基を第一の高分子及び第二の高分子の側鎖に含むことにより、本態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂の硬化性を向上させ、且つ電荷輸送能力を向上させることができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子において、主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーに対する、側鎖に含まれる1個以上の架橋基の構成比率は、1:0.01〜1:100の範囲であることが好ましく、1:0.1〜1:10の範囲であることがより好ましい。主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーに対する側鎖に含まれる1個以上の架橋基の構成比率が前記範囲未満である場合、該硬化性重合体を重合して得られる樹脂の導電性が低くなる可能性がある。また、主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーに対する側鎖に含まれる1個以上の架橋基の構成比率が前記範囲を超える場合、結果として得られる樹脂の硬化性が低くなる可能性がある。それ故、本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子において、主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーに対する、側鎖に含まれる1個以上の架橋基の構成比率を前記範囲とすることにより、結果として得られる樹脂の導電性及び硬化性を向上させることができる。
本態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子において、主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーに対する、側鎖に含まれる1個以上の架橋基の構成比率は、例えば、硬化性重合体の1H-NMRスペクトルを測定し、該1H-NMRスペクトルにおいて観測される各モノマー及び1個以上の架橋基に由来する特徴的なピーク(例えば、芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及び/又はメチル基のピーク等)のピーク積分値から計算することにより、決定することができる。
本態様の硬化性重合体の特定の実施形態において、第二の高分子の電子伝導エネルギー値又は正孔伝導エネルギー値のいずれかが、第一の高分子の正孔伝導エネルギー値又は電子伝導エネルギー値と異なることが好ましく、第二の高分子の電子伝導エネルギー値が、第一の高分子の正孔伝導エネルギー値及び電子伝導エネルギー値の間の値であることがより好ましい。本実施形態の場合、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、前記で例示した範囲であることが好ましい。有機発光素子の正孔輸送層及び/又は正孔注入層に使用される硬化性重合体において、正孔伝導エネルギーとして、イオン化エネルギーで表される最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital、以下、「HOMO」とも記載する)エネルギーを、電子伝導エネルギーとして、イオン化エネルギーとバンドギャップとの差で表される最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、以下、「LUMO」とも記載する)エネルギーを、それぞれ定義することができる。単一の主鎖の構造を有する従来技術の硬化性重合体の場合、HOMO及びLUMOエネルギー値を調整するためには、例えば、主鎖等の構造を改変する必要がある。これに対し、本態様の硬化性重合体において、第一の高分子及び第二の高分子は、主鎖の構造が異なるため、通常は、互いに異なる正孔伝導エネルギー値及び電子伝導エネルギー値、すなわちHOMO及びLUMOエネルギー値を有する。それ故、本態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に適用する場合、発光層に使用される材料のHOMO及びLUMOエネルギー値に基づき、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比を調整することにより、正孔輸送層及び場合により正孔注入層のHOMO及びLUMOエネルギー値を所望の範囲に容易に調整することができる。
本発明の各態様において、第一の高分子及び第二の高分子の電子伝導エネルギー値及び正孔伝導エネルギー値は、例えば、以下の手順で決定することができる。光電子収量分光装置(例えば、理研計器製表面分析装置AC-1、照射光量50 nW)を用いて、各高分子を重合して得られる樹脂の仕事関数を決定する。仕事関数を負符号で表したエネルギー値を、HOMOエネルギー値、すなわち電子伝導エネルギー値として定義することができる。また、各高分子を重合して得られる樹脂の光吸収スペクトルから、バンドギャップを測定する。仕事関数値からバンドギャップ値を減じて得られた値を負符号で表した値を、LUMOエネルギー値、すなわち正孔伝導エネルギー値として定義することができる。
<2. 硬化性重合体の製造>
本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子は、前記で説明した直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマー、並びに1個以上の架橋基を含むモノマーを、当該技術分野で公知の方法によって重合させることにより、それぞれ製造することができる。例えば、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマー、並びに1個以上の架橋基を含むモノマーがいずれも芳香環を有する場合、例えば、ヤマモトらの方法(T. Yamamotoら, Bull. Chem. Soc. Jap., 51巻, 7号, 2091頁(1978))、ゼンバヤシらの方法(M. Zembayashiら, Tet. Lett., 47巻, 4089頁(1977))又はスズキの方法(A. Suzuki, Synthetic Communications, 11巻, 7号, 513頁 (1981))を用いて、各モノマーに含まれる芳香環同士をクロスカップリングさせて、該モノマーを重合させることができる。本発明の一態様の硬化性重合体の製造においては、スズキの方法を用いることが好ましい。スズキの方法は、芳香族ボロン酸(boronic acid)誘導体と芳香族ハロゲン化物との間で、Pd触媒クロスカップリング反応(以下「鈴木反応」とも記載する)を起こさしめるものである。鈴木反応を用いて、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマー、並びに1個以上の架橋基を含むモノマーの芳香環同士を結合させることにより、該モノマーを重合させて、本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子体を製造することができる。
直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマー、並びに1個以上の架橋基を含むモノマーを重合させる場合、1個以上の反応点が導入された前記モノマーの誘導体(以下、「架橋性モノマー」とも記載する)を用いればよい。この場合、前記で説明した骨格を有する共役モノマーに1個又は2個の反応点を導入することにより、架橋性の直鎖状共役モノマーを、3個以上の反応点を導入することにより、架橋性の分岐状共役モノマーを、それぞれ調製することができる。例えば、鈴木反応を用いて、直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマー、並びに1個以上の架橋基を含むモノマーを重合させる場合、前記モノマーに含まれる芳香環の1個以上の水素原子をボロン酸又はハロゲンで置換することによって1個以上の反応点が導入された、前記モノマーの架橋性モノマーを用いることが好ましい。前記架橋性モノマーを用いて鈴木反応を行うことにより、各モノマーに含まれる芳香環同士を結合させて、本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子体を製造することができる。
鈴木反応は、通常は、Pd(II)塩又はPd(0)錯体の形態の可溶性Pd化合物を触媒として使用する。鈴木反応の基質となる芳香族化合物、すなわち前記で説明した架橋性モノマーを基準として、0.01〜5モルパーセントのPd(Ph3P)4、3級ホスフィンリガンドとのPd(OAc)2錯体又はPdCl2(dppf)錯体をPd触媒として用いることが好ましい。鈴木反応は、塩基も使用する。水性アルカリカーボネート又はバイカーボネートを用いることが好ましく、炭酸カリウムを用いることがより好ましい。溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、アニソール、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン等を用いることが好ましく、トルエンを用いることがより好ましい。トルエンのような非極性溶媒を用いる場合、トリスカプリリルメチルアンモニウムクロリド(Aliquat(登録商標)336)のような相間移動触媒を用いて反応を促進することが好ましい。
前記条件で各架橋性モノマーを重合させることにより、高収率で本発明の一態様の硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子体を製造することができる。
<3. 硬化性重合体を含む重合液>
本発明の一態様の硬化性重合体は、適切な溶媒に溶解させて、重合液の形態とすることができる。それ故、本発明の別の一態様は、本発明の一態様の硬化性重合体を含む重合液に関する。
本態様の重合液において、溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、トルエン、アニソール、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン等を用いることが好ましく、トルエンを用いることがより好ましい。
<4.硬化性重合体を重合して得られる樹脂>
本発明の別の一態様は、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂に関する。
本態様の樹脂は、本発明の一態様の硬化性重合体を硬化処理することにより、該硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子に含まれる架橋基が分子間及び/又は分子内架橋を形成して、得ることができる。例えば、架橋基が芳香族基を有する場合、芳香環が開環することによって分子間及び/又は分子内架橋が形成されてもよく、芳香環が開環せず、環炭素原子が別の炭素原子又はヘテロ原子と共有結合することによって分子間及び/又は分子内架橋が形成されてもよい。本態様の樹脂は、前記分子間及び/又は分子内架橋が形成されることにより、網目構造が強固となるだけでなく、第一の高分子の主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーの繰り返し単位の間で電荷の移動が容易になる。それ故、本態様の樹脂は、例えば、有機発光素子の正孔輸送層の製造に用いる場合に高い耐溶媒特性を発現し、且つ湿式プロセスによる有機発光素子の生産性を向上させることができる。また、本態様の樹脂は、例えば、有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に用いる場合に、高い電荷輸送効率を発現することができる。
本発明の各態様において、「硬化処理」は、前記で説明した架橋基を反応させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させる処理を意味する。本発明の一態様の硬化性重合体に適用される硬化処理としては、例えば、加熱、並びに光、マイクロ波、放射線及び電子線等の照射を挙げることができる。前記硬化処理は、加熱処理が好ましい。
前記硬化処理は、本発明の一態様の硬化性重合体と架橋開始剤とを混合した混合物に対して実施することが好ましい。本発明の各態様において、「架橋開始剤」は、前記硬化処理によって活性化され、架橋基の架橋反応を促進する化合物を意味する。本発明の一態様の硬化性重合体の硬化処理に適用される架橋開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びフェロセン誘導体等のイオン性の架橋開始剤、公知の電子受容性化合物、ブレンステッド酸、並びにイミダゾール等のような光開始剤を挙げることができる。
好ましくは、前記架橋開始剤は、以下の式(XI)〜(XIII):
Figure 2019153637
で表される化合物から選択される。
式(XI)〜(XIII)において、X-は、SbF6 -、(C6F5)4B-、CF3SO3 -、PF6 -、BF4 -、C4F9SO3 -及びCH3C6H4SO3 -からなる群より選択される1価アニオンであることが好ましい。
式(XI)〜(XIII)において、R21〜R25は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択されることが好ましく、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール及び炭素数7〜21のアラルキルからなる群より選択されることがより好ましく、水素であることがさらに好ましい。
前記で例示した各基は、非置換又は1個若しくは複数個のハロゲンで置換されていることが好ましく、非置換であることがより好ましい。
式(XI)において、s1及びs2は、互いに独立して、0〜5の整数であることが好ましい。
式(XII)において、t1、t2及びt3は、互いに独立して、0〜5の整数であることが好ましい。
好ましくは、前記硬化処理は、本発明の一態様の硬化性重合体と前記で説明した架橋開始剤とを混合した混合物を加熱処理することによって架橋基を反応させて、分子間及び/又は分子内架橋を形成させる。この場合、加熱処理の温度は、100〜250℃の範囲であることが好ましい。また、加熱処理の時間は、10〜180分の範囲であることが好ましい。
通常、硬化性重合体と架橋開始剤とを混合した混合物に対して硬化処理を実施する場合、架橋基の架橋反応の終了後においても、使用した架橋開始剤の一部が架橋反応で消費されることなく、未反応の架橋開始剤が樹脂内に残存する可能性がある。或いは、未反応の架橋基が樹脂内に残存する可能性がある。架橋開始剤及び架橋基は反応性が高いことから、未反応の架橋開始剤又は架橋基が硬化性重合体を重合して得られる樹脂内に残存する場合、該樹脂を有機発光素子に適用すると、通常は、有機発光素子の駆動中に、該有機発光素子の劣化反応を引き起こし得る。例えば、未反応の架橋開始剤又は架橋基が、正孔注入層又は正孔輸送層のHOMO及びLUMOエネルギー値の間のエネルギー値を有する場合、樹脂内に残存する未反応の架橋開始剤又は架橋基が発光層からリークした電子を捕捉して、該架橋開始剤又は架橋基の反応が活性化し得る。この場合、有機発光素子の劣化反応が進行し得る。これに対し、本態様の樹脂の特定の実施形態において、本発明の一態様の硬化性重合体の第二の高分子の電子伝導エネルギー値が、第一の高分子の正孔伝導エネルギー値及び電子伝導エネルギー値の間の値である場合、該樹脂を正孔輸送層及び場合により正孔注入層に含む本発明の一態様の有機発光素子の寿命が向上することが判明した。本実施形態の場合、前記エネルギー値に基づき、発光層からリークした電子を第二の高分子が捕捉し得るため、樹脂内に残存する未反応の架橋開始剤又は架橋基によるリークした電子の捕捉を実質的に抑制し得る。これにより、樹脂内に残存する未反応の架橋開始剤又は架橋基の活性化に起因する有機発光素子の劣化反応を実質的に抑制し得る。それ故、本態様の樹脂を本発明の一態様の有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に適用することにより、該有機発光素子の寿命を向上させることができる。
本発明の各態様において、第一の高分子に対する第二の高分子の含有量の比は、本発明の一態様の硬化性重合体に含まれる高分子全体に対する未反応の架橋開始剤又は架橋基のモル比よりも大きいことが好ましい。例えば、本発明の一態様の硬化性重合体に含まれる第一の高分子及び第二の高分子が、2分岐及び3分岐の共役モノマーと架橋基を含むモノマーとで構成され、これらのモノマーの構成比率が1:1:1である場合を検討する。例えば、全ての架橋基が未反応のままである場合、高分子全体に対する未反応の架橋基のモル比は、1/3となる。この場合、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、2:1であることが好ましい。例えば、架橋反応が正常に進行する場合、通常は、少なくとも80%の架橋基が架橋する。この場合、2分岐及び3分岐の共役モノマーと架橋した架橋基を含むモノマーと未反応の架橋基を含むモノマーとの比率は、2:0.8:0.2となる。この場合、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、2.8:0.2=14:1であることが好ましい。例えば、99%の架橋基の架橋反応が進行する場合、2分岐及び3分岐の共役性モノマーと架橋した架橋基を含むモノマーと未反応の架橋基を含むモノマーとの比率は、2:0.99:0.01となる。この場合、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、2.99:0.01=300:1であることが好ましい。それ故、本発明の各態様において、第一の高分子及び第二の高分子の含有量の比は、前記で例示した範囲であることが好ましい。前記範囲の含有量の比で第一の高分子及び第二の高分子を有する本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる本態様の樹脂を本発明の一態様の有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に適用することにより、発光層からリークした電子を第二の高分子が捕捉し、樹脂内に残存する未反応の架橋開始剤又は架橋基によるリークした電子の捕捉を実質的に抑制して、該有機発光素子の寿命を向上させることができる。
<5. 有機発光素子>
本発明の別の一態様は、有機発光素子に関する。本態様の有機発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に配置された発光層と、陽極及び発光層の間に配置された、本発明の一態様の樹脂を含む正孔輸送層とを備える。
図3は、本発明の一態様の有機発光素子の一実施形態を示す断面図である。図3に示すように、本態様の有機発光素子301は、陽極32と、陰極38と、陽極32及び陰極38の間に配置された発光層35と、陽極32及び発光層35の間に配置された正孔輸送層34とを備える。本態様の有機発光素子301は、さらに、陽極32及び正孔輸送層34の間に配置された正孔注入層33と、発光層35及び陰極38の間に配置された電子輸送層36と、電子輸送層36及び陰極38の間に配置された電子注入層37とを備えることができる。電子注入層は、例えば、フッ化リチウム(LiF)層であればよい。本態様の有機発光素子は、電子注入層として、LiF層と同様に作用し得る別の材料からなる層を備えていてもよい。正孔注入層は、正孔輸送層と同一の層であってもよい。また、前記で説明した各層は、それぞれ1層であってもよく、2層以上(例えば、3層)であってもよい。
陽極32は、例えば、ガラス基板31の上に、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide、以下、「ITO」とも記載する)をパターニングすることによって形成される。陰極38は、例えば、ITOガラス基板31の陽極32の上に、正孔注入層33、正孔輸送層34、発光層35、電子輸送層36及び電子注入層37を順次形成させた後、該電子注入層37の上にアルミニウム(Al)を蒸着させることによって形成される。本態様の有機発光素子301は、前記各層を、ガラス基板31及び封止ガラス板39で挟持した後、ガラス基板31と封止ガラス板39とを、例えば光硬化性エポキシ樹脂のような硬化樹脂を用いて貼り合わせることによって封止されることが好ましい。
本態様の有機発光素子において、正孔輸送層及び場合により正孔注入層は、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を用いて製造される。前記正孔輸送層及び場合により正孔注入層は、当該技術分野で通常使用される手段を用いて製造することができる。前記正孔輸送層及び場合により正孔注入層は、例えば、ガラス基板上にパターニングされた陽極の上に、スピンコート法、印刷法又はインクジェット法等の湿式プロセスによって本発明の一態様の硬化性重合体を含む重合液を塗布した後、前記で説明した硬化処理により樹脂を形成させることによって製造すればよい。本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂は、硬化性が高く、耐溶媒特性に優れる。このため、前記樹脂を用いて製造された正孔輸送層及び場合により正孔注入層の表面に、例えば前記の湿式プロセスによって発光層を積層させる場合、発光層の重合体溶液に含まれる有機溶媒によって正孔輸送層及び場合により正孔注入層が溶解することを実質的に抑制することができる。例えば、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を用いて製造される正孔輸送層及び場合により正孔注入層は、通常は、残膜率が60〜100%の範囲であり、典型的には80〜99%の範囲である。前記範囲の残膜率で表される耐溶媒特性を有する樹脂は硬化性が高い。それ故、本態様の有機発光素子は、本発明の一態様の樹脂を正孔輸送層及び場合により正孔注入層に用いることにより、湿式プロセスによる本態様の有機発光素子の生産性を向上させることができる。
本態様の有機発光素子において、残膜率は、例えば、以下の手順で評価することができる。ITOガラス基板の陽極の上に、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を用いて正孔輸送層を作製する。エリプソメーターを用いて前記正孔輸送層の初期膜厚を測定した後、正孔輸送層が形成されたITOガラス基板を、有機溶媒(例えばトルエン)に20〜250℃、10〜60秒間の条件で浸漬させる。その後、ITOガラス基板を有機溶媒中から取り出し、エリプソメーターを用いて該ITOガラス基板上に残存する正孔輸送層の残膜の膜厚を測定する。初期膜厚に対する残膜の膜厚の比を残膜率(%)と定義する。残膜率が高い程、耐溶媒特性が高く、硬化性が高いと評価される。
以上、詳細に説明したように、本発明の一態様の硬化性重合体は、高い架橋性による高い耐溶媒特性を有する。それ故、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に適用することにより、湿式プロセスによる有機発光素子の生産性を向上させることができる。また、本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を有機発光素子の正孔輸送層及び場合により正孔注入層に適用することにより、樹脂内に残存する未反応の架橋開始剤又は架橋基の活性化に起因する有機発光素子の劣化反応を実質的に抑制して、長寿命且つ高効率の有機発光素子を得ることができる。それ故、本発明の一態様の有機発光素子を、例えば、照明又はディスプレイ等の機器を提供する素子として使用することにより、該機器の寿命及び効率を向上させることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<高分子aの合成及び正孔注入層の形成>
[高分子aの合成]
直鎖状トリフェニルアミンモノマー(1)、分岐状トリフェニルアミンモノマー(2)及びオキセタン架橋モノマー(3)を、鈴木反応で重合して、正孔注入層の硬化性重合体である高分子aを合成した。直鎖状トリフェニルアミンモノマー(1)は、鈴木反応の反応点を2個有しており、重合によって主鎖を形成する。分岐状トリフェニルアミンモノマー(2)は、鈴木反応の反応点を3個有しており、重合によって主鎖を形成する。オキセタン架橋モノマー(3)は、鈴木反応の反応点を1個有しており、重合によって側鎖を形成する。架橋性のオキセタン架橋モノマー(3)は、フェニレン及びオキシメチレンの組み合わせからなる二価の架橋基に、1-エチルオキセタン-1-イル基が結合した構造を有するモノマーである。
Figure 2019153637
丸底フラスコに、4,4’-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’’-n-ブチルトリフェニルアミン(1)(0.4 mmol)、4,4’,4’’-トリブロモトリフェニルアミン(2)(1.0 mmol)、3-(4-ブロモフェノキシメチル)3-エチルオキセタン(3)(1.2 mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.008 mmol)、2 M炭酸カリウム水溶液(5.3 mmol)、Aliquat(登録商標)336(0.4 mmol)及びアニソール(4 ml)を入れ、窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌した。前記の方法で、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマー(1):架橋性分岐状トリフェニルアミンモノマー(2):架橋性オキセタン架橋モノマー(3)=20:50:40のモル比で合成したところ、分子量40 kDaの架橋基を有する高分子aを得た。分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算で測定したときの数平均分子量として決定した。1H-NMRによって芳香族領域、オキセタン基、メチレン基及びメチル基のピーク積分値から計算したところ、生成物中のモノマー構成比率は、トリフェニルアミンモノマー(直鎖状+分岐状):オキセタン+ベンゼン=3:1であった。
[重合液の調製]
前記手順で合成した正孔注入層の硬化性重合体(高分子a)(10.0 mg)を、式(XIa)で表される架橋開始剤(式中、Xは、(C6F5)4Bである)(0.1 mg、正孔注入層の硬化性重合体に対して、1重量%)とともに、2.4 mlのトルエンに溶解させることにより、硬化性重合体(高分子a)を含む重合液を得た。
Figure 2019153637
[硬化性重合体を含む正孔注入層の形成]
酸化インジウムスズ(ITO)を、1.6 mm幅でガラス基板上にパターンニングした。このITOガラス基板上に、前記で調製した重合液を300 回転/分の条件でスピンコートした。その後、硬化性重合体(高分子a)をコートしたITOガラス基板を、ホットプレート上で200℃、10分間加熱することで硬化処理して、高分子aを重合して得られる樹脂を含む正孔注入層20 nmを形成した。正孔注入層に含まれる樹脂は、カチオン重合によって架橋反応を進行させる架橋開始剤により、硬化重合される。このため、この樹脂を含む正孔注入層には、正孔がドープされる。静電容量の周波数スペクトルから、正孔密度として、1.0×1018個/cm3の値を得た。
本明細書の実施例においては、正孔注入層を形成する樹脂は、1種類の高分子aのみを含む硬化性重合体から得られる。以下の実施例において、2種類の高分子を含む本発明の一態様の硬化性重合体を用いて正孔輸送層を形成することで、本発明の各態様の効果を説明する。しかしながら、本発明の一態様の有機発光素子においては、正孔輸送層だけでなく、正孔注入層も、2種類の高分子を含む本発明の一態様の硬化性重合体によって形成してもよい。
以下の実施例において、第一の高分子及び第二の高分子は、それぞれ別の工程で合成する。架橋基を含む高分子に関して、高分子a又は高分子b等と記載した。
<実施例1:硬化性重合体1の合成>
[高分子bの合成]
高分子aの合成で説明した手順において、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマー(1)を、架橋性直鎖状カルバゾールモノマーである2,7-ビス(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-N-フェニル-9H-カルバゾール(4)に変更した他は、高分子aと同様の手順で高分子bを得た。
Figure 2019153637
[硬化性重合体1の調製]
高分子b(第一の高分子)と高分子a(第二の高分子)とを10:1の比率で混合することにより、硬化性重合体1を得た。
[硬化性重合体1を含む重合液の調製]
前記手順で得られた硬化性重合体1(10 mg)を、1.2 mlのトルエンに溶解させることにより、硬化性重合体1を含む重合液を得た。以下、本重合液を、重合液1と記載する。
[正孔輸送層の形成]
ITOを、1.6 mm幅でガラス基板上にパターンニングした。このITOガラス基板上に、前記で調製した重合液1を300 回転/分の条件でスピンコートした。その後、硬化性重合体1をコートしたITOガラス基板を、ホットプレート上で200℃、10分間加熱することで硬化処理して、硬化性重合体1を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層40 nmを、ITOガラス基板上に形成した。
[正孔輸送層の残膜率の評価]
前記手順で得られた正孔輸送層を、ITOガラス基板ごとトルエン中でリンスし、リンス前後の正孔輸送層の薄膜の吸光度(可視光から紫外線の波長領域のスペクトル)を測定した。リンス前後の薄膜の吸光度が最大となる波長における吸光度の比より、薄膜の残存率(残膜率)を求めた。吸光度は、膜厚に比例するので、吸光度の比(トルエン浸積前/トルエン浸積後)は、正孔輸送層の薄膜の残膜率(トルエン浸積前/トルエン浸積後)に一致する。その結果、本正孔輸送層の薄膜の残膜率は、90%以上であった。
<実施例2:硬化性重合体2の合成>
[高分子cの合成]
高分子aの合成で説明した手順において、架橋性直鎖状トリフェニルアミンモノマー(1)を、直鎖状チオフェンモノマー(5)に変更した他は、高分子aと同様の手順で高分子cを得た。
Figure 2019153637
[硬化性重合体2の調製]
高分子b(第一の高分子)と高分子c(第二の高分子)とを10:1の比率で混合することにより、硬化性重合体2を得た。
[硬化性重合体2を含む重合液の調製]
前記手順で得られた硬化性重合体2(2.1 mg)を、1.2 mlのトルエンに溶解させることにより、硬化性重合体2を含む重合液を得た。以下、本重合液を、重合液2と記載する。
[正孔輸送層の形成及び正孔輸送層の残膜率の評価]
実施例1と同様の手順で、硬化性重合体2を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層を、ITOガラス基板上に形成した。実施例1と同様の手順で、得られた正孔輸送層の薄膜の残膜率を測定したところ、本正孔輸送層の薄膜の残膜率は、90%以上であった。
<実施例3:硬化性重合体3の合成>
[高分子dの合成]
高分子cの合成で説明した手順において、分岐状トリフェニルアミンモノマー(2)を、直鎖状トリフェニルアミンモノマー(6)に変更した他は、高分子cと同様の手順で高分子dを得た。
Figure 2019153637
[硬化性重合体3の調製]
高分子a(第一の高分子)と高分子d(第二の高分子)とを10:1の比率で混合することにより、硬化性重合体3を得た。
[硬化性重合体3を含む重合液の調製]
前記手順で得られた硬化性重合体3(2.1 mg)を、1.2 mlのトルエンに溶解させることにより、硬化性重合体3を含む重合液を得た。以下、本重合液を、重合液3と記載する。
[正孔輸送層の形成及び正孔輸送層の残膜率の評価]
実施例1と同様の手順で、硬化性重合体3を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層を、ITOガラス基板上に形成した。実施例1と同様の手順で、得られた正孔輸送層の薄膜の残膜率を測定したところ、本正孔輸送層の薄膜の残膜率は、90%以上であった。
<比較例1:1種類の高分子のみからなる硬化性重合体の調製>
[1種類の高分子のみからなる硬化性重合体を含む重合液の調製]
前記手順で得られた高分子a〜dのみからなる単独硬化性重合体a〜d(各2.1 mg)を、1.2 mlのトルエンにそれぞれ溶解させることにより、単独硬化性重合体a〜dを含む重合液を得た。
[正孔輸送層の形成及び正孔輸送層の残膜率の評価]
実施例1と同様の手順で、単独硬化性重合体a〜dを重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層を、ITOガラス基板上に形成した。実施例1と同様の手順で、得られた正孔輸送層の薄膜の残膜率を測定したところ、本正孔輸送層の薄膜の残膜率は、90%以上であった。
[仕事関数及びバンドギャップの評価]
光電子収量分光装置(理研計器製表面分析装置AC-1、照射光量50 nW)を用いて、単独硬化性重合体a〜dを重合して得られる樹脂の仕事関数を決定した。仕事関数を負符号で表したエネルギー値を、HOMOエネルギー値として定義した。また、単独硬化性重合体a〜dを重合して得られる樹脂の光吸収スペクトルから、バンドギャップを測定した。仕事関数値からバンドギャップ値を減じて得られた値を負符号で表した値を、LUMOエネルギー値として定義した。各単独硬化性重合体のHOMO及びLUMOエネルギー値として、以下の値を得た。
単独硬化性重合体a:HOMO=-5.1 eV、LUMO=-2.4 eV
単独硬化性重合体b:HOMO=-5.2 eV、LUMO=-2.2 eV
単独硬化性重合体c:HOMO=-5.3 eV、LUMO=-2.6 eV
<比較例2:硬化性重合体4の合成>
[高分子eの合成]
高分子aの合成で説明した手順において、分岐状トリフェニルアミンモノマー(2)及びオキセタン架橋モノマー(3)を、直鎖状トリフェニルアミンモノマー(6)に変更した他は、高分子aと同様の手順で高分子eを得た。
[硬化性重合体4の調製]
いずれも直鎖状共役モノマーのみを繰り返し単位として含む主鎖を有する高分子e(第一の高分子)と高分子d(第二の高分子)とを10:1の比率で混合することにより、硬化性重合体4を得た。
[硬化性重合体4を含む重合液の調製]
前記手順で得られた硬化性重合体4(2.1 mg)を、1.2 mlのトルエンに溶解させることにより、硬化性重合体4を含む重合液を得た。以下、本重合液を、重合液4と記載する。
[正孔輸送層の形成及び正孔輸送層の残膜率の評価]
実施例1と同様の手順で、硬化性重合体4を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層を、ITOガラス基板上に形成した。実施例1と同様の手順で、得られた正孔輸送層の薄膜の残膜率を測定したところ、本正孔輸送層の薄膜の残膜率は、70%であった。この結果から、硬化性重合体の第一の高分子及び第二の高分子のいずれも直鎖状共役モノマーのみを繰り返し単位として含む主鎖を有する高分子である場合、該硬化性重合体を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層の薄膜は、残膜率が低下することが明らかとなった。
<実施例4:有機発光素子の作製>
ITOを、1.6 mm幅でガラス基板上にパターンニングした。このITOガラス基板上に、前記手順で、硬化性重合体(高分子a)を重合して得られる樹脂を含む正孔注入層20 nmを形成した。次いで、正孔注入層の上に、前記で調製した硬化性重合液1又は2を300 回転/分の条件でスピンコートした。その後、硬化性重合体をコートしたITOガラス基板を、ホットプレート上で200℃、10分間加熱することで硬化処理して、硬化性重合体1又は2を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層20 nmを形成した。得られたガラス基板を真空蒸着機に入れ、正孔輸送層の上に、CBP+Ir(piq)3(40 nm)、BAlq(10 nm)、Alq3(30 nm)、LiF(膜厚0.5 nm)、及びAl(膜厚100 nm)の順に蒸着した。Al電極形成後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中に基板を移動させた。0.7 mmの無アルカリガラスに0.4 mmのザグリを入れた封止ガラスと前記手順で得られたITO基板とを、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止して、多層構造高分子型の有機発光素子を作製した。硬化性重合体1又は2を重合して得られる樹脂を正孔輸送層に含む本有機発光素子を、それぞれ有機発光素子A及びBとする。
<比較例3:単独硬化性重合体を重合して得られる樹脂を正孔輸送層に含む有機発光素子の作製>
実施例4で作製した有機発光素子A及びBに対する比較例として、単独硬化性重合体2又は3を重合して得られる樹脂を正孔輸送層に含む有機発光素子を作製した。単独硬化性重合体2又は3を重合して得られる樹脂を正孔輸送層に含む本有機発光素子を、それぞれ有機発光素子C又はDとする。
<使用例:有機発光素子の性能評価>
実施例4の有機発光素子A及びB、並びに比較例の有機発光素子C及びDの性能評価は、大気中、室温(25℃)において、3000 cd/m2の輝度に要する電圧と、初期輝度3000 cd/m2となる電流値一定の条件下で輝度の変化を測定し、1500 cd/m2の輝度に低下するまでの時間(以下、「寿命」とも記載する)とを測定することによって行った。結果を表に示す。
Figure 2019153637
比較例の有機発光素子の場合、有機発光素子Cと比較して、有機発光素子Dにおいては、電圧が上昇する一方で、寿命が向上した。比較例の有機発光素子の場合、正孔輸送層には、架橋開始剤を添加していない。しかしながら、正孔注入層の架橋開始剤が、正孔輸送層にも拡散している可能性がある。単独硬化性重合体3は、LUMOレベルが低い。それ故、リークした電子による架橋開始剤の反応活性化を抑制し、寿命を向上させる効果があると推測される。
実施例の有機発光素子の場合、有機発光素子Aにおいては、比較例の有機発光素子Cと同等の電圧を維持しつつ、有機発光素子Cと比較して寿命が向上した。有機発光素子Bにおいては、有機発光素子Aと同等の電圧を維持しつつ、有機発光素子Cと比較して寿命がさらに向上した。
以上の結果から、第一の高分子に加えて第二の高分子を含む本発明の一態様の硬化性重合体を重合して得られる樹脂を含む正孔輸送層を有機発光素子に適用することにより、該有機発光素子の動作寿命を向上し得ることが示された。また、本発明の一態様の硬化性重合体において、LUMOエネルギー値の低い第二の高分子を用いることにより、結果として得られる有機発光素子の動作寿命がさらに向上することが示された。
なお、本発明は、前記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除及び/又は置換をすることが可能である。
101, 111…第一の高分子
102, 112…第二の高分子
3,6…架橋基
4,7…直鎖状共役モノマー
5,8…分岐状共役モノマー
301…有機発光素子
31…ガラス基板
32…陽極
33…正孔注入層
34…正孔輸送層
35…発光層
36…電子輸送層
37…電子注入層
38…陰極
39…封止ガラス板

Claims (9)

  1. 直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーを繰り返し単位として含む主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第一の高分子と、
    第一の高分子の主鎖とは異なる主鎖と、1個以上の架橋基を含む側鎖とを有する第二の高分子と、
    を有する硬化性重合体。
  2. 第二の高分子の電子伝導エネルギー値又は正孔伝導エネルギー値のいずれかが、第一の高分子の正孔伝導エネルギー値又は電子伝導エネルギー値と異なる、請求項1に記載の硬化性重合体。
  3. 第二の高分子の電子伝導エネルギー値が、第一の高分子の正孔伝導エネルギー値及び電子伝導エネルギー値の間の値である、請求項2に記載の硬化性重合体。
  4. 第一の高分子の含有量が、第二の高分子の含有量を超える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性重合体。
  5. 第一の高分子及び第二の高分子の少なくともいずれかの主鎖に含まれる直鎖状共役モノマー及び分岐状共役モノマーが、式(I)及び(II):
    Figure 2019153637
    [式中、
    R1〜R6は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択され(前記の基は、非置換又は1個若しくは複数個のハロゲンで置換されている)、
    m1、m2及びm3は、互いに独立して、0〜5の整数であり、
    n1及びn2は、互いに独立して、0〜4の整数である。]
    で表される骨格を有する化合物から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性重合体。
  6. 第二の高分子の主鎖が、式(IV):
    Figure 2019153637
    [式中、
    R11は、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、炭素数1〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルケニル、炭素数2〜22の直鎖状、分岐状又は環状のアルキニル、炭素数6〜21のアリール、炭素数12〜20のヘテロアリール、炭素数7〜21のアラルキル及び炭素数13〜20のヘテロアリールアルキルからなる群より選択され(前記の基は、非置換又は1個若しくは複数個のハロゲンで置換されている)、
    pは、0〜4の整数である。]
    で表される骨格を有する化合物を繰り返し単位として含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性重合体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性重合体を含む、重合液。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性重合体を重合して得られる、樹脂。
  9. 陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に配置された発光層と、陽極及び発光層の間に配置された、請求項8に記載の樹脂を含む正孔輸送層とを備える、有機発光素子。
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