JP2019152671A - 大腸がんの検出方法 - Google Patents

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【課題】高精度な大腸がんの検出方法を提供すること。【解決手段】被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ペプチドマーカーを用いた大腸がんの検出方法に関し、より詳細には、ペプ
チドマーカーを用いた大腸がんの判定、予防効果の判定、治療効果の判定、早期診断のた
めの検査方法、及び早期治療のための検査方法に関する。
大腸がんは大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生するがん腫であり、米国では3番目に多い
がんであり、がん死の原因としては2番目に多く、生涯における罹患率は約7%にのぼって
いる。我が国でも、胃がんを抜き、肺がんに次いで多いがんとなっている。大腸がんは、
早期に検出と治療が行われれば治癒が十分に望める病気である。したがって、早期発見を
心がけることが重要である。
生体内のタンパク質発現を網羅的に解析するプロテオミクス研究の進展に伴い、プロテ
オミクスを利用した新規バイオマーカーの探索が精力的に行われている。例えば、特許文
献1又は2には特定のアミノ酸配列を有するポリペプチドを用いた大腸がんの検出方法が
開示されている。
特開2009-168686 再表WO2009/025080
しかしながら、上記の従来技術では、がんの段階が相当進行した患者でしか検出が有効
でないという問題があった。大腸がんと相関する複数のマーカーペプチドから検出精度の
高いペプチド又はその組み合わせを特定できれば、早期大腸がんの検出に資する。
本発明の目的は、大腸がんと相関する1種又はロジスティック回帰法を含む機械学習法
等の統計学的手法で選択された2種以上のペプチドを用いた、高精度な大腸がんの検出方
法、該ペプチドに対する抗体を含む大腸がん検出キット、該ペプチドに対する抗体を検出
試薬として含む大腸がん検出剤、及び被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するた
めの、その他統計学的方法を提供することにある。
本発明は、大腸がん患者の生体試料にて健常者と発現の差異が見出される複数のペプチ
ドをマーカーとして用いたところ、ROC曲線下面積(AUC)が高い(特に5つのマー
カーペプチドを用いると0.9を超える)極めて信頼性の高い大腸がんの検出又は判定が
可能であることを見出した。すなわち、本発明は、以下の大腸がん以下の[1]〜[13
]に記載の発明を提供するものである。
[1]被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表され
るアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配
列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号
7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表される
アミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸
配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及
び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する
1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出
方法。
[2]被験者の生物試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表され
るアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配
列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有
する1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの
検出方法。
[3]配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミ
ノ酸配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列
番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配
列からなるペプチドを測定することからなる、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液
、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、[1
]〜[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]生体試料を質量分析にかけることを含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の
方法。
[6]質量分析に内部標準物質を用いる[5]に記載の方法。
[7]内部標準物質が[1]に記載の1種又は2種以上のペプチドの安定同位体からなる
[6]に記載の方法。
[8]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番
号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表され
るアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配
列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号
10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表
されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表され
るアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドを特異的に認識
する抗体を用いることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[9]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番
号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表され
るアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配
列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号
10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表
されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表され
るアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプ
チドに対する抗体を含む大腸がん検出キット。
[10]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列
番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表さ
れるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸
配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番
号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で
表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表さ
れるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペ
プチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤。
[11]被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するための、コンピュータにより実
行される方法であって、被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配
列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表
されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ
酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列
番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で
表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表される
アミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミ
ノ酸配列を有する2種以上のペプチドについての定量的データを取得する工程と、前記取
得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデル
に適用し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測確率を求める工程とを含む方法。
[12]配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列
番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で
表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2種以上のペプチ
ドの定量的データを取得し、前記取得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数であ
る多変量ロジスティック回帰モデルに適用する[11]に記載の方法。
[13]配列番号1〜14のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるペプチド。
本発明によれば、大腸がんを迅速かつ極めて高い信頼性で判定できるため、該疾患の判
定、予防効果の判定、治療効果の判定、早期診断、及び早期治療が可能となる。
健常者、大腸がん患者群A(分類IIと分類IIIa)、及び大腸がん患者群B(分類IIIbと分類IV)における大腸がん罹患の予測確率(AUC95%信頼区間)を示すグラフ。
本発明は、新規かつ有用な大腸がんの検出マーカーペプチド(以下、包括して「本発明
のペプチド」という場合もある)を提供する。
なお、本明細書において、大腸がんの「検出」には、大腸がんの判定、予防効果の判定
、治療効果の判定、診断(特には早期診断)のための検査方法、及び治療(特には早期治
療)のための検査方法が含まれる。大腸がんの「判定」には、大腸癌の有無を判定するこ
とのみならず、予防的に大腸がんの罹患可能性を判定することや、治療後の大腸がんの予
後を予測すること、及び大腸癌の治療剤の治療効果を判定することが含まれる。
本発明の被験者における大腸がんの検出方法に用いられるペプチドは、ヒト血清中に見
出される、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号2で表される
アミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、
配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなる
ペプチド、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号10で表され
るアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなるペプチ
ド、配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号13で表されるア
ミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるペプチ
ドである。これらのペプチドの測定値は大腸がんへの罹患と相関する。
配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはフィブリノーゲンα鎖の部分配
列であり、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはフィブリノーゲンα鎖
の部分配列であり、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはα−1−アン
チトリプシンの部分配列であり、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるペプチドは
α−2−HS−糖タンパク質の部分配列であり、配列番号5で表されるアミノ酸配列から
なるペプチドはフィブリノーゲンα鎖の部分配列であり、配列番号6で表されるアミノ酸
配列からなるペプチドはα−2−HS−糖タンパク質の部分配列であり、配列番号7で表
されるアミノ酸配列からなるペプチドは血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質の部分配列
であり、配列番号8で表されるアミノ酸配列からなるペプチドは血小板因子4の全配列で
あり、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドは血液凝固第XIII因子の部分
配列であり、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはビンキュリンの部
分配列であり、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはプロトロンビン
の部分配列であり、配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはビンキュリ
ンの部分配列であり、配列番号13で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはα−1−
アンチキモトリプシンの部分配列であり、又は配列番号14で表されるアミノ酸配列から
なるペプチドはフィブリノーゲンα鎖の部分配列である。
配列番号1〜14で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの質量分析による見かけの
分子量[M+H]+は、それぞれ約1465.66、約1616.66、約2390.26、約2739.53、約2768.
23、約2858.42、約3622.78、約7759.18、約3949.98、約4038.05、約4089.02、約4152.99
、約4352.34、約5078.35である。
本発明においては、上記のインタクトなペプチドをマーカーとして用いるが、配列番号
1〜14に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1ないし3個,
より好ましくは1または2個)のアミノ酸が欠失、置換、付加したアミノ酸配列からなる
ペプチドも含み、これらの修飾ペプチドも本発明の方法においてバイオマーカーとして用
いることができる。さらに、本発明のペプチドは、特定のアミノ酸に酸素原子が結合して
酸化されたり、リン酸化されたり、N-アセチル化されたり、S-システイン化されたりして
いる場合があるが、このような場合も、配列番号1〜14で表されるアミノ酸配列を有す
るペプチドである限り、本発明の範囲に包含される。
本発明はまた、被験者の生物試料中の、上記の14個の本発明のペプチドのうちの1種
、又は2種以上を測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出又は判定方法
を包含する。
さらに好ましい一つの実施形態では、被験者における大腸がんの検出又は判定方法は、
配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7
で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列から
なるペプチドを測定することからなる。
被験者は、大腸がんに罹患していると疑われる患者を含み、「大腸がんに罹患している
と疑われる被検者」は、被検者本人が主観的に疑いを抱く者(何らかの自覚症状がある者
に限らず、単に予防検診の受診を希望する者を含む)であっても、何らかの客観的な根拠
に基づく者(例えば、従来公知の臨床検査(例、便潜血検査)および/または診察の結果
、大腸がんへの合理的な罹患可能性があると医師が判断した者)であってもよい。「ペプ
チドを測定する」とはペプチドの濃度、量、又はシグナル強度を測定することを指す。
被験試料となる被検者由来の生体試料は特に限定されないが、被検者への侵襲が少ない
ものであることが好ましく、例えば、血液、血漿、血清、唾液、尿、涙液など生体から容
易に採取できるものや、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、眼房水、硝子体液、リンパ
液など比較的容易に採取されるものが挙げられる。一実施形態では、生物試料が血液、血
漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およ
びリンパ液からなる群より選択される体液からなる。血清や血漿を用いる場合、常法に従
って被検者から採血し、前処理を施さず直接、又は液性成分を分離することにより分析に
かける被験試料を調製することができる。検出対象である本発明のペプチドは必要に応じ
て、抗体カラムやスピンカラムなどを用いて、予め高分子量の蛋白質画分などを分離除去
しておくこともできる。
生体試料中の、本発明のペプチドの検出は、例えば、生体試料を各種の分子量測定法、
例えば、ゲル電気泳動や、各種の分離精製法(例:イオン交換クロマトグラフィー、疎水
性クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーな
ど)、表面プラズモン共鳴法、イオン化法(例:電子衝撃イオン化法、フィールドディソ
ープション法、二次イオン化法、高速原子衝突法、マトリックス支援レーザー脱離イオン
化(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化法など)、および質量分析計(例:二重収
束質量分析計、四重極型分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換質量分析計、イオ
ンサイクロトロン質量分析計、免疫質量分析計、安定同位体ペプチドを内部標準にした質
量分析計、免疫顕微鏡計など)を組み合わせる方法等に供し、該ペプチドの分子量と一致
するバンドもしくはスポット、あるいはピークを検出することにより行うことができるが
、これらに限定されない。
本発明のペプチドを精製してそれらを認識する抗体を作製し、ELISA, RIA,イムノクロ
マト法、表面プラズモン共鳴法、ウェスタンブロッティング、免疫質量分析法や各種イム
ノアッセイ、免疫顕微鏡法により該ペプチドを検出する方法もまた、好ましく用いられ得
る。さらに上記方法のハイブリッド型検出法も有効である。
本発明の検出又は判定方法における特に好ましい測定法の1つは、飛行時間型質量分析
に使用するプレートの表面に被験試料を接触させ、該プレート表面に捕捉された成分の質
量を飛行時間型質量分析計で測定する方法が挙げられる。飛行時間型質量分析計に適合可
能なプレートは、検出対象である本発明のペプチドを効率よく吸着し得る表面構造(例:
官能基付加ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、改質シリコン、種々のゲルまたは
ポリマーのコーティング)を有している限り、いかなるものであってもよい。
好ましい実施態様においては、質量分析用プレートとして用いられる支持体は、ポリビ
ニリデンジフロリド(PVDF)、ニトロセルロースまたはシリカゲル、特に好ましくはPVDF
で薄層コーティングされた基材である(WO 2004/031759を参照)。かかる基材は、質量分
析用プレートにおいて使用されているものであれば、特に限定されず、例えば、絶縁体、
金属、導電性ポリマー、それらの複合体などが挙げられる。かかるPVDFで薄層コーティン
グされた質量分析用プレートとして、好ましくは株式会社プロトセラ社のブロットチップ
(BLOTCHIP,登録商標)などが挙げられる。代わりに、質量分析用プレートは、支持体表
面を塗布、噴霧、蒸着、浸漬、印刷、スパッタリング等の公知の手段でコーティングする
ことにより、公知の方法により調製することもできる。また、質量分析用プレート上の分
子を質量分析する方法自体は公知である(例えばWO 2004/031759)。WO 2004/031759に記
載の方法を、必要に応じて適宜改変して使用することができる。
被験試料の質量分析用プレート(支持体)への移行は、被験試料となる被検者由来の生
体試料を未処理のままで、あるいは抗体カラムその他の方法で高分子タンパク質を除去、
濃縮した後に、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動もしくは等電点電気泳動に付し、泳
動後ゲルをプレートと接触させて転写(ブロッティング)することにより行われる。転写
の方法自体は公知であり、好ましくは電気転写が用いられる。電気転写時に使用する緩衝
液としては、pH 7〜9、低塩濃度の公知の緩衝液を用いることが好ましい(例えばトリス
緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液など)。
上記の方法により支持体表面上に捕捉された被験試料中の分子を質量分析することによ
り、分子量に関する情報から、標的分子である本発明のペプチドの存在および量を同定す
ることができる。質量分析装置からの情報を、任意のプログラムを用いて、非大腸がん患
者もしくは健常人由来の生体試料における質量分析データと比較して、示差的な(differ
ential)情報として出力させることも可能である。そのようなプログラムは周知であり、
また、当業者は、公知の情報処理技術を用いて、容易にそのようなプログラムを構築もし
くは改変することができることが理解されよう。
高精度な質量分析結果を得るためには、高速液体クロマトグラフィーに接続した三連四
重極型等の質量分析装置を用いて分析する。標的分子の安定同位体標識ペプチドを合成し
て、それを既知量の内部標準品として被験試料に混合し、逆相固相担体等でペプチド画分
の粗精製を実施する。高速液体クロマトグラフィーに導入後、分離された各ペプチドは質
量分析装置内でイオン化され、その後コリジョンセル内で断片化、得られたペプチドフラ
グメントをmultiple reaction monitoring法により定量する。この際、安定同位体標識ペ
プチドを内部標準として用いることでCV値が5%以下の実測データを取得できる。安定同位
体標識ペプチドは、Cambridge Isotope Laboratory(MA, USA)より購入した安定同位体
標識アミノ酸(アミノ酸a(13C6,15N2)は、安定同位体炭素(原子量13)6個と、安定同位
体窒素(原子量15)2個で置換された質量数が元のアミノ酸より8原子量増加したアミノ
酸aを例示)を元のアミノ酸の配列位置に置換して既存の合成法(たとえばF-mocによる固
相反応)により得られる。質量分析は株式会社プロトセラ社のBLOTCHIP(登録商標)シス
テムでも実施可能であり、これらの方法は抗体を使用しない検出装置として臨床使用でき
る。
上記の質量分析による検出において、タンデム質量分析(MS/MS)法を用いてペプチド
を同定することができ、かかる同定法としては、MS/MSスペクトルを解析してアミノ酸配
列を決定するde novo sequencing法と、MS/MSスペクトル中に含まれる部分的な配列情報
(質量タグ)を用いてデータベース検索を行い、ペプチドを同定する方法等が挙げられる
。また、MS/MS法を用いることにより、直接本発明のペプチドのアミノ酸配列を同定し、
該配列情報に基づいて該ペプチドの全部もしくは一部を合成し、これを以下の抗体に対す
る抗原として利用することもできる。
本発明のペプチドの測定は、それに対する抗体を用いて行うこともできる。よって、本
発明は、ペプチドを特異的に認識する抗体を用いた大腸がんの検出又は判定方法、かかる
抗体を含む大腸がん検出又は判定剤、ならびにかかる抗体を含む大腸がん検出又は判定キ
ットを含む。かかる方法は、最適化されたイムノアッセイ系を構築してこれをキット化す
れば、上記質量分析装置のような特殊な装置を使用することなく、高感度かつ高精度に該
ペプチドを検出することができる点で、特に有用である。
本発明のペプチドに対する抗体は、例えば、本発明のペプチドを、これを発現する患者
由来の生体試料から単離・精製し、該ペプチドを抗原として動物を免疫することにより調
製することができる。あるいは、得られるペプチドの量が少量である場合は、RT-PCRによ
る該ペプチドをコードするcDNA断片の増幅等の周知の遺伝子工学的手法によりペプチドを
大量に調製することができ、あるいはかかるcDNAを鋳型として、無細胞転写・翻訳系を用
いて本発明のペプチドを取得することもできる。さらに有機合成法により大量に調製する
ことも可能である。
本発明のペプチドに対する抗体(以下、「本発明の抗体」と称する場合がある)は、ポ
リクローナル抗体またはモノクローナル抗体のいずれであってもよく、周知の免疫学的手
法により作製することができる。また、該抗体は完全抗体分子だけでなくそのフラグメン
トをも包含し、例えば、Fab、F(ab')2、ScFv、およびminibody等が挙げられる。
例えば、ポリクローナル抗体は、本発明のペプチドを抗原として、市販のアジュバント
(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)とともに、動物の皮下あるいは腹
腔内に2〜3週間おきに2〜4回程度投与し、最終免疫後に全血を採取して抗血清を精製する
ことにより取得できる。抗原を投与する動物としては、ラット、マウス、ウサギ、ヤギ、
ヒツジ、ウマ、モルモット、ハムスターなど、目的の抗体を得ることができる哺乳動物が
挙げられる。
また、モノクローナル抗体は、細胞融合法により作成することができる。モノクローナ
ル抗体を調製するための技法の説明は、Stites et al, Basic and Clinical Immunology.
(Lang Medical Publications Los Altos. CA. 4th Edition) and references therein,
、in particular Koehler, G. & Milstein, C. Nature 256, 495-497 (1975).に見出さ
れ得る。例えば、本発明のペプチドを市販のアジュバントと共にマウスに2〜4回皮下ある
いは腹腔内に投与し、最終投与後に脾臓あるいはリンパ節を採取し、白血球を採取する。
この白血球と骨髄腫細胞(例えば、NS-1, P3X63Ag8など)を細胞融合して該ペプチドに対
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。所望のモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマは、周知のEIAまたはRIA法等を用いて抗原と特異的に結合する抗
体を、培養上清中から検出することにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマの培養は、インビトロ、またはマウスもしくはラット、このましくはマウス
腹水中等のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清および
動物の腹水から取得することができる。
抗体を用いる本発明の検出又は判定方法は、特に制限されるべきものではなく、被験試
料中の抗原量に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的
手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出
する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法
、イムノメトリック法およびサンドイッチ法等が好適に用いられる。測定に際し、抗体ま
たは抗原は、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、または発光物質等の標識剤と結合され得
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン-アビジン系を用いることも
できる。これら個々の免疫学的測定法は、当業者の通常の技能により、本発明の定量方法
に適用可能である。
本発明のペプチドはタンパク質分解産物からなるため、未分解のタンパク質や、切断部
位が共通の類似ペプチド等様々な分子が測定値に影響を与える可能性がある。そこで、第
1工程において、生体試料を抗体により免疫アフィニティ精製し、抗体に結合したフラク
ションを、第2工程において質量分析に付し、精緻な分子量を基準に同定、定量する、い
わゆる免疫質量分析法を利用することができる(例えば、Rapid Commun. Mass Spectrom.
2007, 21: 352-358を参照)。免疫質量分析法によれば、未分解のタンパク質も類似ペプ
チドも、質量分析計で完全に分離され、バイオマーカーの正確な分子量を基準に高い特異
性と感度で定量が可能となる。
あるいは、本発明の抗体を用いる別の本発明の検出又は判定方法として、該抗体を上記
したような質量分析計に適合し得るチップの表面上に固定化し、該チップ上の該抗体に被
検試料を接触させ、該抗体に捕捉された生体試料成分を質量分析にかけ、該抗体が認識す
るマーカーペプチドの分子量に相当するピークを検出する方法が挙げられる。
上記のいずれかの方法により測定された被検者由来試料中の本発明のペプチドのレベル
が、非大腸がん患者もしくは健常人由来の対照試料中の該ペプチドレベルに比べて有意に
変動している場合、該被検者は大腸がんに罹患している可能性が高いと判定することがで
きる。
本発明のペプチドは、それぞれ単独でも大腸がんの検出マーカーとして利用することが
できるが、2種以上を組み合わせることにより、感度(有病正診率)および特異度(無病
正診率)をより高めることができる。
2種以上のペプチドをマーカーとして用いる場合の検出手法としては、例えば、(1) 測
定対象であるすべてのペプチドについてレベルが有意に変動する場合に大腸がんであると
判定し、いずれかのペプチドについてレベルが有意に変動しない場合に大腸がんでないと
判定する方法、(2) 測定対象であるすべてのペプチドについてレベルが有意に変動しない
場合に大腸がんでないと判定し、いずれかのペプチドについてレベルが有意に変動した場
合に大腸がんであると判定する方法、(3) 測定対象であるn個のペプチドのうち、例えば
、2〜(n-1)個以上のペプチドについて、レベルが有意に変動する場合に大腸がんであると
判定する方法、さらに各ペプチド間で重みを持たせる方法、ならびに(4) バギング法、ブ
ースティング法、ランダムフォレスト法などの機械学習法、などが考えられるが、特には
複数のマーカーペプチドを1つのマーカーセットとして取り扱うことが出来る解析手法で
ある多変量ロジスティック回帰分析を用いることが好ましい。この場合、マーカーとして
用いるペプチドの数は特に限定されないが、好ましくは2〜14種、より好ましくは3〜10
種、さらにより好ましくは5種である。
一つの実施形態において、検出又は測定されるペプチドは、配列番号1〜配列番号14
で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの14種のペプチドのうちの少なくとも1種で
あり、好ましくは2種以上である。
好ましい実施形態において、検出又は測定されるペプチドは、配列番号2で表されるア
ミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配
列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列
からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドのうちの少
なくとも1種であり、好ましくは2種以上、より好ましくは3種以上、さらに好ましくは
4種以上である。
さらに好ましい実施形態において、検出又は測定されるペプチドは、配列番号2で表さ
れるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチ
ド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ
酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの5
種である。
本願では、質量分析により特定された候補ペプチドの多変量ロジスティック回帰モデル
を最尤法により構築したところ、ROCの曲線下面積(AUC)が高い(5つのマーカー
ペプチドで0.9を超える)極めて信頼性の高い大腸がんの検出又は判定が可能であるこ
とを見出した。検出又は測定されるペプチドの数が多いほど、検査の精度は向上する。例
えば、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量1616.66)、配列番
号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2390.26)、配列番号6で表され
るアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2858.42)、配列番号7で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド(分子量3622.78)、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からな
るペプチド(分子量3949.98)の5つのペプチドの血中濃度の関数であるロジスティック
回帰モデル(式1):

予測罹患確率=1/{1+exp(-(3.836581e-05×[m/z 1616.66]-5.079913e-04×[m/z 2390.
26]-3.288524e-05×[m/z 2858.42]+5.243605e-04×[m/z 3622.78]-5.477792e-05×[m/z 3
949.98]+4.379456)} ・・・ (式1)

によれば、特異度に対して感度をプロットしたROCの曲線下面積(AUC)が0.9を
超え、高い精度で大腸がんを検出することができる。なお、[mz1616.66] は配列番号2で
表されるアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz2390.26]は配列番号3で表され
るアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz2858.42] は配列番号6で表されるアミ
ノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz3622.78] は配列番号7で表されるアミノ酸配
列からなるペプチドの血中濃度、[mz3949.98] は配列番号9で表されるアミノ酸配列から
なるペプチドの血中濃度を表す。
検出又は測定されるペプチドの数は、本発明の検査方法におけるAUCが或る閾値を超
える値となる数であることが好ましい。通常、閾値は0.9であり、好ましくは0.92
である。ペプチドの数を増やすほど約1に近づけることが可能である。
本発明の検出方法は、患者から時系列で生体試料を採取し、各試料における本発明のペ
プチドの発現の経時変化を調べることにより行うこともできる。生体試料の採取間隔は特
に限定されないが、患者のQOLを損なわない範囲でできるだけ頻繁にサンプリングするこ
とが望ましく、例えば、血漿もしくは血清を試料として用いる場合、約1日〜約1月間の間
隔で採血を行うことが好ましい。本発明のペプチドは、大腸がんが進行するに従って血清
・血漿レベルが各ペプチドで低下又は上昇する傾向にある。従って、これらのマーカーの
レベルが経時的に上昇又は低下した場合には、該患者における大腸がんが改善または悪化
している可能性が高いと判定することができる。
さらに、上記時系列的なサンプリングによる大腸がんの検出方法は、前回サンプリング
と当回サンプリングとの間に、被検者である患者に対して該疾患の治療措置が講じられた
場合に、当該措置による治療効果を評価するのに用いることができる。即ち、治療の前後
にサンプリングした試料について、治療後の状態が治療前の状態と比較して病態の改善が
認められると判定された場合に、当該治療の効果があったと評価することができる。一方
、治療後の状態が治療前の状態と比較して病態の改善が認められない、あるいはさらに悪
化していると判定された場合には、当該治療の効果がなかったと評価することができる。
さらに、上記時系列的なサンプリングによる大腸がんの検出のための検査方法は、健康
食品等の摂取、禁煙、有機溶媒(ジクロロメタン等)等の有害環境からの隔離等大腸がん
罹患リスク低減措置後の大腸がんリスクの予防効果を評価するのに用いることができる。
即ち、罹患リスクの防止方法施行の前後にサンプリングした試料について、施行後の状態
が施行前の状態と比較して病態の発症もしくは進行が認められないと判定された場合に、
当該防止方法施行の効果があったと評価することができる。一方、治療後の状態が治療前
の状態と比較して病態の改善が認められない、あるいはさらに悪化していると判定された
場合には、当該防止方法施行の効果がなかったと評価することができる。
従って、本発明のペプチドならびに方法は、大腸がんを診断または検出するマーカーの
みならず、大腸がんの予後を予測するマーカー、ならびに治療効果判定のマーカーともな
り得る。すなわち、本発明のペプチドならびに方法は、大腸がん治療の創薬標的分子のス
クリーニングに、および/または患者(リスポンダー)の選別もしくは薬の投与量(用量
)の調節のためのコンパニオン診断薬として使用することができる。さらに、本発明のペ
プチドならびに方法は、健康食品等の摂取、禁煙、有機溶媒(ジクロロメタン等)等の有
害環境からの隔離等大腸がん罹患リスク低減措置後の大腸がんリスクの予防効果を評価す
るのに用いることができる。
一実施形態において、本発明は、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表
されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ
酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列
番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表さ
れるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミ
ノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列
、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有
する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を含む大腸がん検出キットを包含する。
別の実施形態において、本発明は、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で
表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミ
ノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を含む大腸がん検出キットを包含す
る。
別の実施形態において、本発明は、 配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2
で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるア
ミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、
配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で
表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表される
アミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸
配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列
を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤
を包含する。
別の実施形態において、本発明は、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で
表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミ
ノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出
剤を包含する。
また別の実施形態において、本発明は、被験者における大腸がんの罹患可能性を判定す
るための、コンピュータにより実行される方法であって、被験者の生物試料中の、配列番
号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表され
るアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配
列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号
8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表され
るアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ
酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配
列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2種以上のペプチドについての定量的
データを取得する工程と、前記取得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数である
多変量ロジスティック回帰モデルに適用し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測
確率を求める工程とを含む方法を包含する。ここで、ペプチドの定量的データとは、例え
ば質量分析やペプチドに対する抗体を用いて測定されたペプチドの発現量、血中濃度等の
定量的な測定値を指す。
別の実施形態において、本発明は、被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するた
めの、コンピュータにより実行される方法であって、被験者の生物試料中の、配列番号2
で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるア
ミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配
列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドについて
の定量的データを取得する工程と、前記取得したデータを、前記1種又は2種以上のペプ
チドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用し、被験者における大腸がんの
罹患可能性の予測確率(予測罹患確率)を求める工程とを含む方法を包含する。
好ましい実施形態において、定量的データを取得するペプチドは、配列番号2で表され
るアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸
配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの5つ
のペプチドである。
上記コンピュータにより実行される方法は、予測確率を求めた後で、該予測確率に基づ
いて被験者における大腸がんの罹患可能性を判定する工程をさらに含んでもよい。例えば
求めた予測確率が或る閾値を超えた場合に、その被験者を大腸がんに罹患していると判定
する。通常、閾値は0.5であり、好ましくは0.568である。
別の実施形態において、本発明のペプチドは、検出以外に積極的な大腸がんの創薬ター
ゲットを提供することもできる。即ち、該ペプチドそれ自体が該疾患の治療(寛解)方向
に生理機能を持つ(「治療ペプチド」という)場合、該ペプチドの量もしくは活性を増大
させる物質を患者に投与することにより、また、該ペプチドそれ自体が該疾患の増悪方向
に生理機能を持つ場合(「増悪ペプチド」という)、該ペプチドの量もしくは活性を低減
させる物質を投与することにより、それぞれ該疾患を治療することができる。
別の実施形態において、本発明はまた、本発明のペプチドが治療ペプチドとして作用す
る場合に、該ペプチドの量もしくは活性を増大させる、および/または、本発明のペプチ
ドが増悪ペプチドとして作用する場合に、該ペプチドの量もしくは活性を低減させること
による、大腸がんの治療方法を提供する。該治療方法は、具体的には、治療ペプチドとし
ての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質および/または増悪ペプチドと
しての本発明のペプチドの量もしくは活性を低減させる物質の有効量を、大腸がん患者に
投与することを含む。従って、本発明はまた、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの
量もしくは活性を増大させる物質および/または増悪ペプチドとしての本発明のペプチド
の量もしくは活性を低減させる物質を含有してなる、大腸がん治療剤を提供する。
具体的には、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの活性を増大させる物質としては
、該ペプチド自体あるいはそれと同様のアゴニスト作用を有する分子が挙げられる。ある
いは、治療ペプチドとしての本発明のペプチドの活性を増大させる物質として、該ペプチ
ドの非中和抗体、好ましくはアゴニスト抗体なども挙げることができる。一方、増悪ペプ
チドとしての本発明のペプチドの活性を低減させる物質としては、該ペプチドのアンタゴ
ニスト作用を有する分子、あるいは該ペプチドに対する中和抗体などが挙げられる。
治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質および増悪
ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を低減させる物質は、常套手段に従
って製剤化することができる。
例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(
糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカ
プセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自体公
知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形
剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗
糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は
静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤、関節内注射剤などの剤
形を包含する。注射剤、坐剤などでは、有効成分(該ペプチド)の血中濃度の延長や吸収
効率の増加を目的に、既存の方法による化学修飾(糖鎖、PEGその他)体が使用される
。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記化合物またはその塩を通常注
射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調
製する。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記化合物またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製され
る。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単
位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤
、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当た
り非生物学的製剤では通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形で
は10〜250mgの上記化合物が含有され、生物学的製剤の注射剤では10〜50000mgの上記化
合物が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活
性を増大させる物質または増悪ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を低
減させる物質との配合により、好ましくない相互作用を生じない限り、他の活性成分を含
有してもよい。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトに対して経口的
にまたは非経口的に投与することができる。
治療ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を増大させる物質および増悪
ペプチドとしての本発明のペプチドの量もしくは活性を低減させる物質の投与量は、その
作用、投与ルート、患者の重篤度、年齢、体重、薬物受容性などにより差異はあるが、例
えば、成人1日あたり活性成分量として非生物学的製剤では約0.0008〜約25mg/kg、
好ましくは約0.008〜約2mg/kgの範囲であり、これを1回もしくは数回に分けて投与
することができる。生物学的製剤の注射剤では10〜5000mg/kg, 好ましくは約10〜約2000
mg/kgの範囲であり、これを1回もしくは数回に分けて投与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されな
いことは言うまでもない。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参
照により本明細書に組み込まれるものとする。
実施例1 BLOTCHIP(登録商標)を用いたプロファイリング解析
(1)検体
京都府立医科大学でサンプリングした大腸がん(UICC7分類、ステージIIからIV)患者
の血清72例および健常者の血清63例1.5μLをドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供し、ペプチドをタンパク質と分離した。
(2)BLOTCHIP(登録商標)による質量分析およびディファレンシャルプロファイリング
解析
電気泳動終了後、ゲルを切り出し、BLOTCHIP(登録商標)(Protosera, Inc.)に電気
転写した。転写終了後、チップの表面を超純水でリンスし、チップ全体にマトリックス(
α-Cyano-4-hydroxy cinnamic acid, Sigma-Aldrich Co., アメリカ合衆国ミズーリ州)
を塗布後、matrix-assisted laser desorption ionization time-of-flight (MALDI-TOF)
mass spectrometer (Bruker Daltonics社製 UltraFlexII)で、Proteomics 11:2727-273
7.に記載された通りに質量分析を行った。積算スペクトルをClinProTools2.2(Bruker Dal
tonik GmbH) を用いて、大腸がん患者血清と非大腸がん対照血清の間でディファレンシャ
ルプロファイリング解析を行った。解析手法は以下の通りである。
(a)ClinProTools 2.2(Bruker)による解析
解析ソフトClinProTools 2.2を使用し、2群間で比較を行い、有意差のあったピークを
抽出した。ClinProTools 2.2にてノーマライゼーション(標準化)後、各ピークについて
ウィルコクソン検定を実施し、p値が0.05以下の場合に有意差ありと判定した。
(b)BlotMate2.0(Protosera)によるMSスペクトルの作成と目視によるノイズピークの
除去
解析ソフトFlexAnalysis2.4を用いて一検体あたり4回繰り返し測定により得られた4つ
の積算スペクトルをさらに積算し、全平均積算スペクトルを得た。一つの全平均積算スペ
クトルは一つの血清検体に対応している。解析ソフトBlotMate2.0を用いて、全平均積算
スペクトルのノーマライゼーションを行った後、前項目にて実施したClinProTools2.2の
有意差検定により有意差ありとなったピークについて、MSスペクトルを描画した。目視に
よりピーク形状、ピーク強度について精査を実施し、ノイズを含むピークを除外した。
以上のディファレンシャルプロファイリング解析の結果、ClinProTools2.2の解析と、
その後の目視による精査により14個のピークをピックアップし、下記の分子量Mを有する
14種のペプチドをバイオマーカー候補(ターゲットペプチド)群とした(表1は分子量(
[M+H]+)で示す)。
約1465.66、約1616.66、約2390.26、約2739.53、約2768.23、約2858.42、約3622.78、約7
759.18、約3949.98、約4038.05、約4089.02、約4152.99、約4352.34、約5078.35
(3)ペプチドシーケンシング
上記の番号1〜14のペプチドのアミノ酸配列を周知のペプチド配列決定法により同定
した(表2)。なお、配列番号12と配列番号14のペプチドは質量分析中にメチオニン
が酸化された可能性がある。
(4)多変量ロジスティック回帰モデル
ここで、表3に示される14個のペプチドでは、最もAUCが高い9番目の血液凝固第
XIII因子 A鎖由来のペプチドでも、この一つのペプチドではAUCが0.803以下で
あったため、14個のペプチドからランダムに選択した2〜5個のペプチドを用いてモデ
ルを構築した。モデルの構築には統計解析ソフトR(R Core Team (2013). R: A language
and environment for statistical computing. R Foundation for Statistical Computi
ng, Vienna, Austria. URL http://www.R-project.org/.)を使用した。ロジスティック
回帰モデル構築はRのパッケージである”ResourceSelection パッケージ“(http://cran
.r-project.org/package=ResourceSelection)を使用した。15,302のペプチドの組の組み
合わせを調べた後、以下の配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量
1616.66)、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2390.26)、配
列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2858.42)、配列番号7で表
されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量3622.78)、及び配列番号9で表されるア
ミノ酸配列からなるペプチド(分子量3949.98)の5つのペプチドの血中濃度の関数であ
るロジスティック回帰モデルを得た:
予測罹患確率=1/{1+exp(-(3.836581e-05×[mz1616.66]-5.079913e-04×[mz2390.26]-3.28
8524e-05×[mz2858.42]+5.243605e-04×[mz3622.78]-5.477792e-05×[mz3949.98]+4.3794
56)}・・・ (1)
構築したモデルの診断能の評価のためにROC分析を実施した。Rのパッケージである”Ep
i パッケージ“(A package for statistical analysis in epidemiology、Version 1.14
9、http://cran.r-project.org/web/packages/Epi/index.html)を用いた。構築したモデ
ルの大腸がんステージ(II期+IIIa期、IIIb期+IV期、およびII〜IV期)のAUC、SN、SP、c
utoff値について95%信頼区間とともに表3に示した。95%信頼区間は、ブートストラップ
抽出を用いて推定し、サンプリング回数は10,000回、復元抽出によりサンプリングを行っ
た。
実施例4 検出性能の評価
実施例3において得られたロジスティック回帰モデルを用いて、健常者群(n=63)、大腸
がん患者群(n=72)について、検出性能の評価を実施した。5個のマーカーの多変量ロジ
スティック予測モデルを用いた場合、大腸がん患者群全体におけるROCの曲線下面積(AUC
)は0.924(95%信頼区間)であり、ステージIIとIIIaの患者ではAUCは0.917、ステージIIIb
とIVの患者ではAUCは0.945であった(図1,表3)。
本発明の新規な大腸がん検出マーカーを利用した臨床検査方法は、大腸がんを迅速且つ
的確に判断できるので、該疾患の早期発見、早期治療が可能となる点で有用である。

Claims (13)

  1. 被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるア
    ミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、
    配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で
    表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミ
    ノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列
    、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配
    列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種
    又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出方法
  2. 被験者の生物試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるア
    ミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、
    及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する
    1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出
    方法。
  3. 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸
    配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号
    7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列か
    らなるペプチドを測定することからなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙
    液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 生体試料を質量分析にかけることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 質量分析に内部標準物質を用いる請求項5に記載の方法。
  7. 内部標準物質が請求項1に記載の1種又は2種以上のペプチドの安定同位体からなる請
    求項6に記載の方法。
  8. 配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3
    で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるア
    ミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、
    配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10
    で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表され
    るアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるア
    ミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドを特異的に認識する
    抗体を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3
    で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるア
    ミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、
    配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10
    で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表され
    るアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるア
    ミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチド
    に対する抗体を含む大腸がん検出キット。
  10. 配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3
    で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるア
    ミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、
    配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10
    で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表され
    るアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるア
    ミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチド
    に対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤。
  11. 被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するための、コンピュータにより実行され
    る方法であって、被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号
    2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表される
    アミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列
    、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9
    で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表され
    るアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ
    酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配
    列を有する2種以上のペプチドについての定量的データを取得する工程と、前記取得した
    データを、前記2種以上のペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用
    し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測確率を求める工程と
    を含む方法。
  12. 配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6
    で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表され
    るアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2種以上のペプチドの定
    量的データを取得し、前記取得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数である多変
    量ロジスティック回帰モデルに適用する請求項11に記載の方法。
  13. 配列番号1〜14のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるペプチド。
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