JP7300660B2 - 大腸がんの検出方法 - Google Patents
大腸がんの検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7300660B2 JP7300660B2 JP2022021851A JP2022021851A JP7300660B2 JP 7300660 B2 JP7300660 B2 JP 7300660B2 JP 2022021851 A JP2022021851 A JP 2022021851A JP 2022021851 A JP2022021851 A JP 2022021851A JP 7300660 B2 JP7300660 B2 JP 7300660B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- seq
- acid sequence
- sequence represented
- peptide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
がんであり、がん死の原因としては2番目に多く、生涯における罹患率は約7%にのぼって
いる。我が国でも、胃がんを抜き、肺がんに次いで多いがんとなっている。大腸がんは、早期に検出と治療が行われれば治癒が十分に望める病気である。したがって、早期発見を心がけることが重要である。
[1]被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する
1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出方法。
[2]被験者の生物試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出方法。
[3]配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを測定することからなる、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記生物試料が血液、血漿、血清、唾液、尿、髄液、骨髄液、胸水、腹水、関節液、涙液、眼房水、硝子体液およびリンパ液からなる群より選択される体液からなる、[1]~[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]生体試料を質量分析にかけることを含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]質量分析に内部標準物質を用いる[5]に記載の方法。
[7]内部標準物質が[1]に記載の1種又は2種以上のペプチドの安定同位体からなる[6]に記載の方法。
[8]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドを特異的に認識する抗体を用いることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の方法。
[9]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を含む大腸がん検出キット。
[10]配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤。
[11]被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するための、コンピュータにより実行される方法であって、被験者の生物試料中の、配列番号1で表されるアミノ酸配列、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表される
アミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2種以上のペプチドについての定量的データを取得する工程と、前記取得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測確率を求める工程とを含む方法。[12]配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2種以上のペプチドの定量的データを取得し、前記取得したデータを、前記2種以上のペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用する[11]に記載の方法。
[13]配列番号1~14のいずれかで表されるアミノ酸配列からなるペプチド。
なお、本明細書において、大腸がんの「検出」には、大腸がんの判定、予防効果の判定、治療効果の判定、診断(特には早期診断)のための検査方法、及び治療(特には早期治療)のための検査方法が含まれる。大腸がんの「判定」には、大腸癌の有無を判定することのみならず、予防的に大腸がんの罹患可能性を判定することや、治療後の大腸がんの予後を予測すること、及び大腸癌の治療剤の治療効果を判定することが含まれる。
あり、配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドは血液凝固第XIII因子の部分配列であり、配列番号10で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはビンキュリンの部分配列であり、配列番号11で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはプロトロンビンの部分配列であり、配列番号12で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはビンキュリンの部分配列であり、配列番号13で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはα-1-アンチキモトリプシンの部分配列であり、又は配列番号14で表されるアミノ酸配列からなるペプチドはフィブリノーゲンα鎖の部分配列である。
配列番号1~14で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの質量分析による見かけの分子量[M+H]+は、それぞれ約1465.66、約1616.66、約2390.26、約2739.53、約2768.23、約2858.42、約3622.78、約7759.18、約3949.98、約4038.05、約4089.02、約4152.99
、約4352.34、約5078.35である。
本発明においては、上記のインタクトなペプチドをマーカーとして用いるが、配列番号1~14に表されるアミノ酸配列において、1個または数個(好ましくは1ないし3個,
より好ましくは1または2個)のアミノ酸が欠失、置換、付加したアミノ酸配列からなるペプチドも含み、これらの修飾ペプチドも本発明の方法においてバイオマーカーとして用いることができる。さらに、本発明のペプチドは、特定のアミノ酸に酸素原子が結合して酸化されたり、リン酸化されたり、N-アセチル化されたり、S-システイン化されたりしている場合があるが、このような場合も、配列番号1~14で表されるアミノ酸配列を有するペプチドである限り、本発明の範囲に包含される。
さらに好ましい一つの実施形態では、被験者における大腸がんの検出又は判定方法は、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドを測定することからなる。
ど)、表面プラズモン共鳴法、イオン化法(例:電子衝撃イオン化法、フィールドディソープション法、二次イオン化法、高速原子衝突法、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、エレクトロスプレーイオン化法など)、および質量分析計(例:二重収
束質量分析計、四重極型分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換質量分析計、イオンサイクロトロン質量分析計、免疫質量分析計、安定同位体ペプチドを内部標準にした質量分析計、免疫顕微鏡計など)を組み合わせる方法等に供し、該ペプチドの分子量と一致するバンドもしくはスポット、あるいはピークを検出することにより行うことができるが、これらに限定されない。
マト法、表面プラズモン共鳴法、ウェスタンブロッティング、免疫質量分析法や各種イムノアッセイ、免疫顕微鏡法により該ペプチドを検出する方法もまた、好ましく用いられ得る。さらに上記方法のハイブリッド型検出法も有効である。
ポリマーのコーティング)を有している限り、いかなるものであってもよい。
緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液など)。
重極型等の質量分析装置を用いて分析する。標的分子の安定同位体標識ペプチドを合成して、それを既知量の内部標準品として被験試料に混合し、逆相固相担体等でペプチド画分の粗精製を実施する。高速液体クロマトグラフィーに導入後、分離された各ペプチドは質量分析装置内でイオン化され、その後コリジョンセル内で断片化、得られたペプチドフラグメントをmultiple reaction monitoring法により定量する。この際、安定同位体標識ペプチドを内部標準として用いることでCV値が5%以下の実測データを取得できる。安定同位体標識ペプチドは、Cambridge Isotope Laboratory(MA, USA)より購入した安定同位体
標識アミノ酸(アミノ酸a(13C6,15N2)は、安定同位体炭素(原子量13)6個と、安定同位
体窒素(原子量15)2個で置換された質量数が元のアミノ酸より8原子量増加したアミノ
酸aを例示)を元のアミノ酸の配列位置に置換して既存の合成法(たとえばF-mocによる固相反応)により得られる。質量分析は株式会社プロトセラ社のBLOTCHIP(登録商標)システムでも実施可能であり、これらの方法は抗体を使用しない検出装置として臨床使用できる。
を同定することができ、かかる同定法としては、MS/MSスペクトルを解析してアミノ酸配
列を決定するde novo sequencing法と、MS/MSスペクトル中に含まれる部分的な配列情報
(質量タグ)を用いてデータベース検索を行い、ペプチドを同定する方法等が挙げられる。また、MS/MS法を用いることにより、直接本発明のペプチドのアミノ酸配列を同定し、
該配列情報に基づいて該ペプチドの全部もしくは一部を合成し、これを以下の抗体に対する抗原として利用することもできる。
ル抗体を調製するための技法の説明は、Stites et al, Basic and Clinical Immunology.
(Lang Medical Publications Los Altos. CA. 4th Edition) and references therein,
、in particular Koehler, G. & Milstein, C. Nature 256, 495-497 (1975).に見出さ
れ得る。例えば、本発明のペプチドを市販のアジュバントと共にマウスに2~4回皮下あるいは腹腔内に投与し、最終投与後に脾臓あるいはリンパ節を採取し、白血球を採取する。この白血球と骨髄腫細胞(例えば、NS-1, P3X63Ag8など)を細胞融合して該ペプチドに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得る。所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、周知のEIAまたはRIA法等を用いて抗原と特異的に結合する抗体を、培養上清中から検出することにより選択できる。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの培養は、インビトロ、またはマウスもしくはラット、このましくはマウス腹水中等のインビボで行うことができ、抗体はそれぞれハイブリドーマの培養上清および動物の腹水から取得することができる。
できる。これら個々の免疫学的測定法は、当業者の通常の技能により、本発明の定量方法に適用可能である。
2007, 21: 352-358を参照)。免疫質量分析法によれば、未分解のタンパク質も類似ペプチドも、質量分析計で完全に分離され、バイオマーカーの正確な分子量を基準に高い特異性と感度で定量が可能となる。
正診率)をより高めることができる。
場合に大腸がんでないと判定し、いずれかのペプチドについてレベルが有意に変動した場合に大腸がんであると判定する方法、(3) 測定対象であるn個のペプチドのうち、例えば
、2~(n-1)個以上のペプチドについて、レベルが有意に変動する場合に大腸がんであると判定する方法、さらに各ペプチド間で重みを持たせる方法、ならびに(4) バギング法、ブースティング法、ランダムフォレスト法などの機械学習法、などが考えられるが、特には複数のマーカーペプチドを1つのマーカーセットとして取り扱うことが出来る解析手法である多変量ロジスティック回帰分析を用いることが好ましい。この場合、マーカーとして用いるペプチドの数は特に限定されないが、好ましくは2~14種、より好ましくは3~10
種、さらにより好ましくは5種である。
号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2390.26)、配列番号6で表され
るアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2858.42)、配列番号7で表されるアミノ酸配
列からなるペプチド(分子量3622.78)、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からな
るペプチド(分子量3949.98)の5つのペプチドの血中濃度の関数であるロジスティック
回帰モデル(式1):
予測罹患確率=1/{1+exp(-(3.836581e-05×[m/z 1616.66]-5.079913e-04×[m/z 2390.26]-3.288524e-05×[m/z 2858.42]+5.243605e-04×[m/z 3622.78]-5.477792e-05×[m/z 3949.98]+4.379456)} ・・・ (式1)
によれば、特異度に対して感度をプロットしたROCの曲線下面積(AUC)が0.9を超え、高い精度で大腸がんを検出することができる。なお、[mz1616.66] は配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz2390.26]は配列番号3で表され
るアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz2858.42] は配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz3622.78] は配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度、[mz3949.98] は配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの血中濃度を表す。
とが望ましく、例えば、血漿もしくは血清を試料として用いる場合、約1日~約1月間の間隔で採血を行うことが好ましい。本発明のペプチドは、大腸がんが進行するに従って血清・血漿レベルが各ペプチドで低下又は上昇する傾向にある。従って、これらのマーカーのレベルが経時的に上昇又は低下した場合には、該患者における大腸がんが改善または悪化している可能性が高いと判定することができる。
別の実施形態において、本発明は、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を含む大腸がん検出キットを包含する。
で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号4で表されるアミノ酸配列、配列番号5で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、配列番号8で表されるアミノ酸配列、配列番号9で表されるアミノ酸配列、配列番号10で表されるアミノ酸配列、配列番号11で表されるアミノ酸配列、配列番号12で表されるアミノ酸配列、配列番号13で表されるアミノ酸配列、及び配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤を包含する。
別の実施形態において、本発明は、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドに対する抗体を検出試薬として含む大腸がん検出剤を包含する。
別の実施形態において、本発明は、被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するための、コンピュータにより実行される方法であって、被験者の生物試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列、配列番号3で表されるアミノ酸配列、配列番号6で表されるアミノ酸配列、配列番号7で表されるアミノ酸配列、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する1種又は2種以上のペプチドについての定量的データを取得する工程と、前記取得したデータを、前記1種又は2種以上のペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測確率(予測罹患確率)を求める工程とを含む方法を包含する。
好ましい実施形態において、定量的データを取得するペプチドは、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの5つのペプチドである。
は10~250mgの上記化合物が含有され、生物学的製剤の注射剤では10~50000mgの上記化合物が含有されていることが好ましい。
することができる。生物学的製剤の注射剤では10~5000mg/kg, 好ましくは約10~約2000
mg/kgの範囲であり、これを1回もしくは数回に分けて投与することができる。
(1)検体
京都府立医科大学でサンプリングした大腸がん(UICC7分類、ステージIIからIV)患者
の血清72例および健常者の血清63例1.5μLをドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供し、ペプチドをタンパク質と分離した。
電気泳動終了後、ゲルを切り出し、BLOTCHIP(登録商標)(Protosera, Inc.)に電気
転写した。転写終了後、チップの表面を超純水でリンスし、チップ全体にマトリックス(α-Cyano-4-hydroxy cinnamic acid, Sigma-Aldrich Co., アメリカ合衆国ミズーリ州)
を塗布後、matrix-assisted laser desorption ionization time-of-flight (MALDI-TOF)
mass spectrometer (Bruker Daltonics社製 UltraFlexII)で、Proteomics 11:2727-2737.に記載された通りに質量分析を行った。積算スペクトルをClinProTools2.2(Bruker Daltonik GmbH) を用いて、大腸がん患者血清と非大腸がん対照血清の間でディファレンシャルプロファイリング解析を行った。解析手法は以下の通りである。
解析ソフトClinProTools 2.2を使用し、2群間で比較を行い、有意差のあったピークを
抽出した。ClinProTools 2.2にてノーマライゼーション(標準化)後、各ピークについてウィルコクソン検定を実施し、p値が0.05以下の場合に有意差ありと判定した。
解析ソフトFlexAnalysis2.4を用いて一検体あたり4回繰り返し測定により得られた4つ
の積算スペクトルをさらに積算し、全平均積算スペクトルを得た。一つの全平均積算スペクトルは一つの血清検体に対応している。解析ソフトBlotMate2.0を用いて、全平均積算
スペクトルのノーマライゼーションを行った後、前項目にて実施したClinProTools2.2の
有意差検定により有意差ありとなったピークについて、MSスペクトルを描画した。目視によりピーク形状、ピーク強度について精査を実施し、ノイズを含むピークを除外した。
その後の目視による精査により14個のピークをピックアップし、下記の分子量Mを有する14種のペプチドをバイオマーカー候補(ターゲットペプチド)群とした(表1は分子量([M+H]+)で示す)。
約1465.66、約1616.66、約2390.26、約2739.53、約2768.23、約2858.42、約3622.78、約7759.18、約3949.98、約4038.05、約4089.02、約4152.99、約4352.34、約5078.35
上記の番号1~14のペプチドのアミノ酸配列を周知のペプチド配列決定法により同定した(表2)。なお、配列番号12と配列番号14のペプチドは質量分析中にメチオニンが酸化された可能性がある。
(4)多変量ロジスティック回帰モデル
ここで、表3に示される14個のペプチドでは、最もAUCが高い9番目の血液凝固第XIII因子 A鎖由来のペプチドでも、この一つのペプチドではAUCが0.803以下で
あったため、14個のペプチドからランダムに選択した2~5個のペプチドを用いてモデルを構築した。モデルの構築には統計解析ソフトR(R Core Team (2013). R: A language
and environment for statistical computing. R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria. URL http://www.R-project.org/.)を使用した。ロジスティック
回帰モデル構築はRのパッケージである”ResourceSelection パッケージ“(http://cran.r-project.org/package=ResourceSelection)を使用した。15,302のペプチドの組の組み合わせを調べた後、以下の配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量1616.66)、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2390.26)、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量2858.42)、配列番号7で表
されるアミノ酸配列からなるペプチド(分子量3622.78)、及び配列番号9で表されるア
ミノ酸配列からなるペプチド(分子量3949.98)の5つのペプチドの血中濃度の関数であ
るロジスティック回帰モデルを得た:
予測罹患確率=1/{1+exp(-(3.836581e-05×[mz1616.66]-5.079913e-04×[mz2390.26]-3.288524e-05×[mz2858.42]+5.243605e-04×[mz3622.78]-5.477792e-05×[mz3949.98]+4.3794
56)}・・・ (1)
抽出を用いて推定し、サンプリング回数は10,000回、復元抽出によりサンプリングを行った。
実施例3において得られたロジスティック回帰モデルを用いて、健常者群(n=63)、大腸がん患者群(n=72)について、検出性能の評価を実施した。5個のマーカーの多変量ロジ
スティック予測モデルを用いた場合、大腸がん患者群全体におけるROCの曲線下面積(AUC)は0.924(95%信頼区間)であり、ステージIIとIIIaの患者ではAUCは0.917、ステージIIIbとIVの患者ではAUCは0.945であった(図1,表3)。
Claims (7)
- 被験者の血漿又は血清である生体試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなり、N末端から3番目のセリンがリン酸化されているペプチドを測定することからなる、該被験者における大腸がんの検出方法。
- 前記配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるペプチドの増加は、大腸がんの罹患可能性が高いことを示す請求項1に記載の方法。
- 被験者の生体試料の、配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択されるペプチドをさらに測定することからなる、請求項1に記載の方法。
- 生体試料を質量分析にかけることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 被験者における大腸がんの罹患可能性を判定するための、コンピュータにより実行される方法であって、被験者の血漿又は血清である生物試料中の、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなり、N末端から3番目のセリンがリン酸化されているペプチドについての定量的データを取得する工程と、前記取得したデータを、前記ペプチドの関数である多変量ロジスティック回帰モデルに適用し、被験者における大腸がんの罹患可能性の予測確率を求める工程とを含む方法。
- 配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるペプチド及び配列番号9で表されるアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から選択されるペプチドの定量的データを取得し、前記取得したデータを、前記多変量ロジスティック回帰モデルにさらに適用する請求項5に記載の方法。
- 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなり、N末端から3番目のセリンがリン酸化されているペプチドの、大腸がんの検出マーカーとしての使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022021851A JP7300660B2 (ja) | 2019-04-03 | 2022-02-16 | 大腸がんの検出方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019071466A JP7032764B2 (ja) | 2019-04-03 | 2019-04-03 | 大腸がんの検出方法 |
JP2022021851A JP7300660B2 (ja) | 2019-04-03 | 2022-02-16 | 大腸がんの検出方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019071466A Division JP7032764B2 (ja) | 2019-04-03 | 2019-04-03 | 大腸がんの検出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022070974A JP2022070974A (ja) | 2022-05-13 |
JP7300660B2 true JP7300660B2 (ja) | 2023-06-30 |
Family
ID=86938285
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022021851A Active JP7300660B2 (ja) | 2019-04-03 | 2022-02-16 | 大腸がんの検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7300660B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009168686A (ja) | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Toray Ind Inc | 大腸癌の診断又は検出のための組成物及び方法 |
JP2013533977A (ja) | 2010-07-14 | 2013-08-29 | コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション | 大腸癌の診断 |
WO2013152989A2 (en) | 2012-04-10 | 2013-10-17 | Eth Zurich | Biomarker assay and uses thereof for diagnosis, therapy selection, and prognosis of cancer |
WO2014041185A2 (en) | 2012-09-17 | 2014-03-20 | Ait Austrian Institute Of Technology Gmbh | Colon cancer diagnostic method and means |
WO2015016036A1 (ja) | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 国立大学法人福井大学 | 卵子の受精可能性の検査のためのバイオマーカーおよびそれを用いた判定 |
-
2022
- 2022-02-16 JP JP2022021851A patent/JP7300660B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009168686A (ja) | 2008-01-17 | 2009-07-30 | Toray Ind Inc | 大腸癌の診断又は検出のための組成物及び方法 |
JP2013533977A (ja) | 2010-07-14 | 2013-08-29 | コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼイション | 大腸癌の診断 |
WO2013152989A2 (en) | 2012-04-10 | 2013-10-17 | Eth Zurich | Biomarker assay and uses thereof for diagnosis, therapy selection, and prognosis of cancer |
WO2014041185A2 (en) | 2012-09-17 | 2014-03-20 | Ait Austrian Institute Of Technology Gmbh | Colon cancer diagnostic method and means |
WO2015016036A1 (ja) | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 国立大学法人福井大学 | 卵子の受精可能性の検査のためのバイオマーカーおよびそれを用いた判定 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
BAKUN Magda 、他10名,An integrated LC-ESI-MS platform for quantitation of serum peptide ladders. Application for colon carcinoma study,Proteomics Clin Appl,2009年08月03日,Vol.8,No.932-946,doi: 10.1002/prca.200800111. Epub 2009 Jul 30.,PMID: 21136997 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022070974A (ja) | 2022-05-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011501133A (ja) | 心血管または脳血管主要有害事象を検出するための方法 | |
JP2011501133A5 (ja) | ||
JPWO2008072676A1 (ja) | 新規疾患マーカーおよびそれを用いた診断 | |
WO2010141469A2 (en) | Protein biomarkers and therapeutic targets for autoimmune and alloimmune diseases | |
JPWO2009088022A1 (ja) | 新規癌マーカーおよびそれを用いた診断 | |
JP5714285B2 (ja) | 妊娠高血圧症候群マーカーおよびそれを用いた診断 | |
JP7300660B2 (ja) | 大腸がんの検出方法 | |
JP2010071953A (ja) | 乳癌マーカーおよびそれを用いた診断 | |
JP2015108515A (ja) | 大腸癌の診断のための検査方法 | |
JP7032764B2 (ja) | 大腸がんの検出方法 | |
JP2016148623A (ja) | 大腸がんの検出方法 | |
JP5410997B2 (ja) | うつ病およびうつ状態のマーカーおよびそれを用いた検出・診断 | |
JP7336097B2 (ja) | 乳がんに関するペプチドマーカー | |
JP6830899B2 (ja) | 冠動脈疾患の診断マーカー | |
JP7457300B2 (ja) | 神経変性疾患の診断用ペプチドマーカー | |
WO2015083791A1 (ja) | 肺癌の検出方法および検出キット | |
JP6755649B2 (ja) | 虚血性疾患の診断マーカー | |
JP2014020941A (ja) | 大腸癌のマーカーおよびそれを用いた診断 | |
WO2015016036A1 (ja) | 卵子の受精可能性の検査のためのバイオマーカーおよびそれを用いた判定 | |
JP2014025868A (ja) | がん転移マーカーおよびそれを用いた診断 | |
JP2024117521A (ja) | 膵臓がんの検出方法 | |
JP2020016453A (ja) | 敗血症に関連する疾患のペプチドマーカー | |
JP2011080775A (ja) | 妊娠高血圧症候群マーカーおよびそれを用いた診断 | |
CN113721020B (zh) | Ctsf在非小细胞肺癌诊断中的应用 | |
US20200408780A1 (en) | Diagnostic for sjorgren's syndrome based on a biomarker |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220316 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220422 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230317 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230523 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230609 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7300660 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |