JP2019152091A - 防火建具 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、近年、アルミの押出形材からなる枠材もしくは障子の框材を四周に組んでなる枠部材の内周にパネル体を配置してなる建具において、枠材もしくは框材のパネル間口内にスチール等からなる補強部材を配置して耐火性能を向上させた建具が公知となっている(特許文献1)。
本発明の一実施形態の建具について、図面を参考に説明する。
本発明の一実施形態の建具は、図1(a)に示すように、建物開口部の内周面に配置される枠体1と、枠体1の内側に開閉可能に支持された障子2とを備える。
なお、本実施形態では、枠体1の内側に障子2を縦すべり出し可能に組み付けた縦すべり出し窓の例を用いて説明する。
一方、障子2は、図1(a),(b)に示すように、上,下框(横材)21,22と右,左竪框(竪材)23,24を四周に框組して、内周にガラス等のパネル体25を配置してなる。上框21及び下框22は、両端部を右,左竪框23,24に対していんろう接合されている。
そして、上框本体211の底壁部211aと、室内側壁部212aと、室外側壁部212bとにより、パネル体25の上辺が保持されるパネル間口212が形成されている。
そして、下框本体221の底壁部221aと、室内側壁部222aと、室外側壁部222bとにより、パネル体25の下辺が保持されるパネル間口222が形成されている。
下框22のパネル間口222の底壁部221aの室外側には、パネル間口222内に侵入した結露等の水を排水する排水穴221bが設けられている。
そして、右竪框本体231の底壁部231aと、室内側壁部232aと、室外側壁部232bとにより、パネル体25の右(竪)辺が配置されるパネル間口232が形成されている。
なお、左竪框24は、右竪框23と同様の構成を備えており、ここではその説明を省略する。
パネル体(複層パネル)25は、グレイジングチャンネル26を介して、上、下框21,22および右,左竪框23,24の各パネル間口に保持されている。
ガラスライナー27は、通常時には、パネル体(複層パネル)25の下辺を支持しているが、火災時には熱によって溶融し、パネル体(複層パネル)25の下辺を下框22のパネル間口222の底壁部221aに向けて落とし込む。
まず、本発明の第1ないし第4の実施形態の建具は、上框(横材)21、下框(横材)22および右、左竪框(竪材)23,24の各パネル間口内に、框材より融点の高い材料からなりパネル体25の端辺を支持する長尺の補強部材が四周にわたって配置されていない点で共通している。
本発明の第1の実施形態の建具は、図2(a)に示すように、障子2の上框21および右、左竪框23,24のパネル間口内の見込壁の室外側に各框材の長手方向に沿って加熱膨張材が配置されている。そして、下框22のパネル間口222内には、パネル体(複層パネル)25の下辺を支持し、火災時には熱によって溶融するガラスライナー27が配置されている。
なお、左竪框24のパネル間口内の構成は、右竪框23とほぼ同様であるので、説明は省略する。
本発明の第2の実施形態の建具は、図3(a)ないし(c)に示すように、右竪框23(左竪框についても同様である。)のパネル間口232内に配置される加熱膨張材f3が、パネル間口232を構成する室外側壁部232bの外周側室内側面(見付面)に配置されている点で、上記第1の実施形態の建具と異なっている。
したがって、上框21(もしくは下框22)の端面を右竪框23のパネル間口232の底壁部231aに当接させていんろう結合するに際しても、ホルダー232cを切除する必要がなく、右竪框23の室外側壁部232bに形成したホルダー232cの室内側面を上框21(もしくは下框22)の室外側面に当接させていんろう接合することができる。
なお、左竪框24のパネル間口内に配置される加熱膨張材f4については、右竪框23の加熱膨張材f3とほぼ同様であるので、説明は省略する。
本発明の第3の実施形態の建具は、図4(a),(b)に示すように、上框21のパネル間口212内に配置される加熱膨張材f1が、パネル間口212を構成する室外側壁部212bの室内側面(見付面)の外周側に配置されている点で、第1の実施形態の建具と異なっている。
本発明の第4の実施形態の建具は、図5(a),(b)に示すように、上框21のパネル間口212内に配置される加熱膨張材f1が、パネル間口212を構成する室外側壁部212bの室内側面(見付面)の外周側に配置されている点、及び、右竪框23(左竪框についても同様である。)のパネル間口232内に配置される加熱膨張材f3が、パネル間口232を構成する室外側壁部232bの外周側室内側面(見付面)に配置されている点で、上記第1の実施形態の建具と異なっている。
第5の実施形態の防火建具は、上枠(横材)31、下枠(横材)32及び右,左竪枠(竪材)33,34を四周組みしてなる枠体3の内周にガラス等のパネル体35を配置してなるFIX窓である。
そして、第5の実施形態の防火建具は上枠(横材)31、下枠(横材)32及び右,左竪枠(竪材)33,34の各パネル間口内に、枠材より融点の高い材料からなりパネル体35の端辺を支持する長尺の補強部材が四周にわたって配置されていない点で、第1ないし第4の実施形態の防火建具と共通している。
本実施形態の防火建具の各枠材は、室外側の金属枠材と室内側の樹脂枠材を有する複合枠材として形成されている。
金属上枠材311は、上枠本体311aと、中空形状の上枠本体311aの室外側内周から下方に延設される室外側壁部311bと、上枠本体311aの内周壁が室内側に延設されて形成される室内側内周壁311cと、室内側内周壁311cの室内側に連設される室内壁部311dを有しており、金属上枠材311の内周側壁が後述するパネル間口の底壁部311eを構成している。
アングル部材313は、アングル部313aと、アングル部313aの室外側外周面に設けられる係合部313bを有している。
なお、本実施形態の防火建具は、金属上枠材311の室内壁部311dの室内側面を覆うように、樹脂カバー材314が、さらに設けられている。
金属下枠材321は、下枠本体321aと、中空形状の下枠本体321aの室外側内周から上方に延設される室外側壁部321bと、下枠本体321aの室内側に連設される室内側中空部321cを有している。
なお、本実施形態の防火建具は、金属下枠材321の室内側中空部321cの室内側面を覆うように、樹脂カバー材324が、さらに設けられている。
ガラスライナー37は、通常時には、パネル体(複層パネル)35の下辺を支持しているが、火災時には熱によって溶融し、パネル体(複層パネル)35の下辺を下枠32のパネル間口32aの底壁に向けて落とし込む。
金属右竪枠材331は、右竪枠本体331aと、右竪枠本体331aの室外側内周から内周(左)方向に延設される室外側壁部331bと、右竪枠本体331aの室内側内周面に形成される被係合部331cを有している。
アングル部材333は、アングル部333aと、アングル部333aの室外側外周面に設けられる係合部333bを有している。
固定片部材361は、枠材の内周面に固定される固定片361aと、固定片361aの内周側に対向する被取付片361bと、固定片361aから内周側に立ち上がる壁片361cを有しており、受け片部材362は、固定片部材361に固定される取付片362aと取付片362aから内周側に立ち上がる受け片362bを有している。受け片362bの室外側面には、加熱膨張材f33が取付られている。
さらに、ガラス受け金具36の室内側見付面(受け片362b)にパネル体35の室内側面に対向するように加熱膨張材f33が配置されている。
なお、左竪枠34は、右竪框33と同様の構成を備えており、ここではその説明を省略する
その後、ガラス受け金具36の固定片部材361の被取付片361bと壁片361cとの間に受け片部材362の取付片362aを挿入して固定することで、受け片部材362は、受け片362bがパネル体35の室内側面に対向するように取り付けられる。
以上、上記第1ないし第5の実施形態の建具においては、以下のような効果を奏することができる。
第1ないし第5の実施形態の建具は、耐火パネルを含むパネル体(複層パネル)を使用した防火建具において、パネル体の上辺と右、左の竪辺の三方の略全長にわたって熱により膨張する加熱膨張材を設けているので、火災時にはパネル体の上辺および左右竪辺の三方を加熱膨張材により塞くことができる。
パネル体の下辺は火災時に溶融するガラスライナーにより支持されているので、火災時にはガラスライナーが溶融することでパネル体25が自重等により降下してパネル体の下辺が下横材のパネル間口の底壁に接して隙間を塞ぐことができ、パネル間口にパネル体を保持するための補強部材等を設けることなく防火性能を維持することができる。
さらに、パネル体の下辺において、部品を設置するスペースが狭くなることがないため、設計自由度が向上できる。
なお、下横材のパネル間口に形成される排水穴を下横材の見付け方向端部もしくは端部近傍に設けることで、竪框に配置した加熱膨張材で下横材の排水穴を塞ぐことができるようにしてもよい。
また、パネル間口の排水穴を下横材の室外側、好ましくは室外側パネル(耐火パネル)の室内側面よりも室外側に配置することで、火災時の耐火パネルが降下した際に耐火パネルの下面によって下横材の排水穴をより確実に塞ぐことができる。
特に、第1の実施形態の建具においては、三方全てがそれぞれガラスの小口を押圧して、ガラスを左右だけでなく、上下でも挟持でき遮蔽性を向上できる。
また、上記各実施形態の建具においては、複層パネルの室内側に耐火パネルを配置しているが、室内側に耐火パネルを配置した複層パネルを用いてもよい。
また、3枚以上の複層パネルを用いる場合は、見込み方向で室外側端部のみなど、一方側端部のみのパネル一枚のみを高価な耐火パネルとし、残り全てのパネルを比較的安価な非耐火パネルとすることにより、低価格で効果を発揮できて好ましい。
また、複層パネルを保持する部材は、グレイジングチャンネルに限るものではなく、パネルの内外をそれぞれ室外ビードと室内ビードで挟持してもよく、または硬化性のコーキングやホットメルトなどの接着剤で接着しながら、パネルを内外で挟持してもよい。若しくはパネルの内外一方をビードで、他方に接着剤を配置してパネルを挟持してもよい。
11 :上枠
12 :下枠
13 :右竪枠
14 :左竪枠
2 :障子
21 :上框(横材)
212 :パネル間口
22 :下框(横材)
222 :パネル間口
22 :下框
23 :右竪框(竪材)
232 :パネル間口
24 :左竪框(竪材)
242 :パネル間口
25 :パネル体
251 :室外側パネル(耐火パネル)
252 :室内側パネル
27 :ガラスライナー
31 :上枠(横材)
32 :下枠(横材)
33 :右竪枠(竪材)
34 :左竪枠(竪材)
Claims (1)
- パネル間口を有する上下の横材及び左右の竪材の内周にパネル体を備えてなり、
下の横材のパネル間口を除く上の横材及び左右の竪材のパネル間口内に加熱により膨張する加熱膨張材が配置されており、
下の横材のパネル間口内に補強部材が配置されておらず、パネル体は、下の横材のパネル間口に配置された熱により溶融するガラスライナーにより支持されている
建具。
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