JP2019149946A - コーヒー粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ハーブの香りを抑え、ハーブの成分を多く含有させることができるハーブ入りコーヒーの製造方法を提供する。【解決手段】 本発明者らは、ハーブとコーヒー豆とを同時に挽いてコーヒー粉末にすることにより、ハーブを多く入れても香りが強すぎず、美味しいコーヒー飲料を調製することができることを見出した。本発明は、焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程を有する、コーヒー粉末の製造方法を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ハーブ入りのコーヒー飲料のためのコーヒー粉末の製造方法に関する。
コーヒーは、一般的に、焙煎したコーヒー豆を挽いて粉末にし、これに熱湯を加えて抽出することにより調製される飲料である。コーヒーには、カフェイン等の様々な成分が含まれ、覚醒作用、疲労回復作用および利尿作用などを有することが知られている。また、近年、コーヒーの制癌作用や抗酸化作用などが注目されてきている。また、コーヒーはブランドが存在し、バニラやシナモンのフレーバーが加えられたコーヒーも存在する。
また、ハーブの多くは、「香草」とも呼ばれ、芳香を有する。このようなハーブは、食品や飲料の香り付けや保存料として使用される。ハーブの香りには、鎮静作用など、様々な作用があることが知られている。
ハーブを添加したコーヒーとして、特許文献1には、コーヒーに所定量のハーブエキスを含ませたハーブ入りコーヒーが記載されている。特許文献1には、ある種のハーブエキスに、コーヒーに含まれるカフェインの効力を持続する作用があることが開示されている。特許文献1に記載のハーブ入りコーヒーは、レギュラーコーヒーに対し、ハーブエキス固形分を入れ、均一に混合することにより製造される。また、レギュラーコーヒー粉末に、ハーブエキス粉末を入れ、攪拌して均一に混合する製造方法も記載されている。
また、特許文献2には、可溶性コーヒー製品にハーブ成分を含有させることが記載されている。
その他、タンポポやチコリなどといったハーブを使うことにより、コーヒーに似た味わいの飲み物も存在している。
特開2000-245348号公報 特開2014-132910号公報
従来のハーブ入りコーヒーは、コーヒー粉末にハーブ粉末を混合させるか、あるいは抽出したコーヒー液にハーブエキス等を添加することにより製造される。しかし、これらの方法では、ハーブの香りが強すぎて飲みづらいという問題がある。そのため、従来の方法では、ハーブを少量しか入れることができない。
本発明は、ハーブの香りを抑え、ハーブの成分を多く含有させることができるハーブ入りコーヒーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ハーブとコーヒー豆とを同時に挽いてコーヒー粉末にすることにより、ハーブを多く入れても香りが強すぎず、美味しいコーヒー飲料を調製することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程を有する、コーヒー粉末の製造方法を提供する。
また本発明は、焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程と、コーヒー粉末からコーヒー抽出液を抽出する工程とを有する、コーヒー飲料の製造方法を提供する。
また本発明は、焙煎コーヒー豆とハーブとを同時に粉砕してなる、コーヒー粉末を提供する。
本発明に係るコーヒー粉末の製造方法であれば、ハーブを多く用いても香りを抑えることができ、ハーブの成分を多く含有した美味しいコーヒー飲料を提供することができる。
本発明の一実施例に係るコーヒー飲料の官能評価結果を示すグラフ。
本発明は、コーヒー粉末の製造方法を提供する。本発明の製造方法は、焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程を有する。
焙煎コーヒー豆は、コーヒーの生豆を焙煎したものである。焙煎方法には、特に限定されず、直火式、熱風式、半熱風式、遠赤外線式およびマイクロ波式などの方法を用いることができる。コーヒーの生豆を焙煎する際の温度および時間等は特に限定されない。
コーヒー豆には、アラビカ種、ロブスタ種およびリベリカ種などの任意の種類のコーヒー豆を使用することができる。また、コーヒー豆には、カフェインレスのコーヒー豆を使用することもできる。コーヒー豆として、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類をブレンドして用いてもよい。また、コーヒー豆は、カカオマスとあらかじめ混合した豆を使用してもよい。これにより、コーヒーの味および風味を改善することができる。
ハーブには、種々のハーブを含む。ハーブは、たとえばイチョウ葉、ルイボス、ミント、カモミール、セントジョーンズワート、パッションフラワー、レモングラス、レモンバーム、ラベンダー、バレリアン、オレンジブロッサム、リンデン、ヒソップ、ホップ、ディルシード、バーベイン、ローズマリー、タイム、レモンバーベナ、ホーソンベリー、ゴツコラ、マテ、ローズヒップ、ハイビスカス、アシュワガンダ、ボリジ、オート麦、セージ、ヤロウ、マーシュマロウ、イエロードックルート、ダンデリオン、アニスシード、マリーゴールド、キャラウェイ、ターメリック、ミルクシスル、アーティチョーク、オリーブの葉、チェストツリー、ネトル、バレリアン、レディスマントル、マジョラム、エキナセア、フェンネル、アンゼリカ、ジンジャー、シナモンなどの種々のハーブおよびスパイスを使用することができる。ハーブは、生のままのハーブ、乾燥させたハーブ、荒く挽いたハーブおよびハーブから抽出したハーブエキスを使用してもよい。ハーブは、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類をブレンドして用いてもよい。また、ハーブには、スパイスを含む。複数のハーブをブレンドすることにより、より複雑かつ調和のとれた味および風味のコーヒーを提供することができる。
ハーブの量は、使用するハーブの種類に応じて適宜調節することができる。たとえば、ハーブの量は、コーヒー豆1キロ当たり0.1〜1000gおよび1〜500gなどであることができる。本発明の製造方法であれば、ハーブの量が多くても、ハーブの香りを抑え、飲みやすいコーヒー飲料を提供することができる。そのため、1杯のコーヒーで、より多くのハーブの成分を摂取することができる。また、本発明の製造方法であれば、コーヒー豆1キロ当たり50g以上、たとえば100g以上、200g以上のハーブやスパイスを混合してハーブの量を多くしたコーヒーであっても、味のバランスがよいコーヒーを提供することができる。
本明細書において「焙煎コーヒー豆およびハーブを粉砕する」とは、焙煎コーヒー豆およびハーブを挽くことを意味する。粉砕方法は、特に限定されず、一般的なコーヒー豆の粉砕方法を用いることができる。たとえば、手挽きコーヒーミルおよび全自動コーヒーミルなどの一般的なコーヒー豆の粉砕装置を使用することができる。粉砕後のコーヒー粉末の粒径は特に限定されず、たとえば、いわゆる極細挽き、細挽き、中挽きおよび粗挽きなどであることができる。
「焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕する」とは、焙煎コーヒー豆およびハーブを混合して一緒にコーヒーミルなどで挽くことを含む。
本発明の製造方法において、焙煎コーヒー豆は、粉砕する前に、ハーブまたはハーブエキスと共に一定時間混合して馴染ませておいてもよい。ハーブと混合して馴染ませるために、静置しおく時間は1時間以上、好ましくは6時間以上、より好ましくは12〜24時間以上であってもよい。また、本発明の製造方法において、焙煎コーヒー豆は、あらかじめ純カカオマス等のさらなる成分と共に混合しておいてもよい。純カカオマスと混合して混合して静置しおく時間は、1時間以上、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜72時間以上であってもよい。また、純カカオマスは、通常の焙煎コーヒーに使用されるように粉末のものを使用すればよい。たとえば、焙煎コーヒー豆は、純カカオマスの粉末と混合して、室温にて2日間馴染ませ、次いで荒く挽いたハーブと混合してさらに室温にて約12時間静置して馴染ませることにより、抽出した際に味および風味のよいコーヒー飲料を得ることができる。
本発明はまた、焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程と、コーヒー粉末からコーヒー抽出液を抽出する工程とを有する、コーヒー飲料の製造方法を提供する。
コーヒー粉末からコーヒー抽出液を抽出する方法としては、水または熱湯などの抽出溶媒を用いて、ボイリング式、サイフォン式、ドリップ式およびエスプレッソ式などの方法で抽出することができる。
コーヒー飲料は、抽出する工程において抽出されたコーヒー抽出液そのものであってもよい。また、コーヒー飲料は、コーヒー抽出液にミルク類および甘味料などが添加されたものであってもよい。
コーヒー飲料は、殺菌後に容器に充填された形態であってもよい。殺菌方法としては、加熱殺菌などの任意の方法を用いることができる。容器には、缶、瓶、プラスチックボトル、プラスチックパックおよび紙パックなどの任意の容器を用いることができる。
〔実施例1〕
(コーヒー豆の調製)
サナ ミクサージョ(Sana Miksajo)種のコーヒー豆を長時間低温方を使用して焙煎して、焙煎コーヒー豆を得た。焙煎したコーヒー豆を冷ました後、純カカオマスと混合して2日間馴染ませた。これにより、焙煎仕立ての新鮮な豆にカカオを浸透させた。純カカオマスは、粉末状の物を使用し、コーヒー豆1キロ当たり50gの量で混合した。これを焙煎コーヒー豆として使用した。
(ハーブと共に挽いたコーヒー粉末の調製)
上記焙煎コーヒー豆とハーブを混合した。ハーブとしては、カルダモン、シナモン、コリアンダーシード、からしの種、ナツメグ、ローリエの葉、ローズペタル、エルダーフラワー、チコリ、クローブおよびリコリスの11種類のハーブハーブを使用した。これらのハーブは、それぞれホールの状態から荒く挽いてからコーヒー豆と混合した。ハーブは、コーヒー豆1キロ当たり、カルダモン15g、からしの種40g、クローブ12g、シナモン20g、ローリエの葉3g、コリアンダーシード40g、ナツメグ8.5g、チコリ50g、エルダーフラワー15g、ローズペタル15gおよびリコリス15gの量で混合した。上記焙煎コーヒー豆とハーブを混合した後、室温にて約12時間静置した。
次いで、この焙煎コーヒー豆をハーブとともに粉砕してコーヒー粉末を得た。粉砕は、ハーブを混合した焙煎コーヒー豆をコーヒーミルで挽くことによって行った。
(焙煎コーヒー豆を挽いた後にハーブと混合したコーヒー粉末(後混合粉末)の調製)
上記焙煎コーヒー豆を単独で粉砕してコーヒー粉末を得た。粉砕は、焙煎コーヒー豆をコーヒーミルで挽くことによって行った。次いで、得られたコーヒー粉末と上記の荒く挽いたハーブを混合して後混合粉末を得た。混合は、コーヒー飲料の調製の直前に行った。
(コーヒー飲料の調製)
上記の焙煎コーヒー豆単独、ハーブと共に挽いたコーヒー粉末および後混合コーヒー粉末をそれぞれ約5gの量でコーヒーフィルターに入れ、約80〜90℃のお湯を注いでコーヒー抽出液を抽出し、それぞれのコーヒー飲料を得た(実施例1)。
すなわち、ハーブと共に挽いたコーヒー飲料(実施例1)、および比較例としてコーヒー抽出液を抽出した後にハーブを加えたコーヒー飲料(比較例1)およびハーブを入れていないコーヒー飲料(比較例2)を調製した。
(官能評価)
実施例1、比較例1および比較例2のコーヒー飲料について、25人のパネラーにより官能評価を行った。それぞれのコーヒー飲料の味(味覚)および香り(嗅覚)について、5段階で評価し、平均値を算出した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、ハーブおよびスパイスを混合して一定時間馴染ませたコーヒー豆から抽出した実施例1のコーヒー飲料の味(味覚)の評価は、3つのコーヒー飲料中最も高かった。一方、後からハーブを加えた比較例1のコーヒー飲料の味の評価は、最も低かった。実施例1のコーヒー飲料は、美味しく、味に違和感がなかった。しかし、比較例1のコーヒー飲料は、味に違和感があり、ハーブ茶かコーヒーか分からない味であった。比較例1のコーヒー飲料は、ハーブが入っていない比較例2のコーヒー飲料よりも、味の評価が低かった。
実施例1のコーヒー飲料は、香り(嗅覚)の評価も最も高かった。ハーブが入っている実施例1および比較例1のコーヒー飲料は、ハーブが入っていない比較例2のコーヒー飲料と比較して、複雑な面白い香りがした。また、実施例1のコーヒー飲料の香りは、比較例1のコーヒー飲料と比較して、リラックス効果があり、また初めて嗅いだ人でも懐かしさを感じる香りであった。
〔実施例2〕 ハーブ入りコーヒー飲料の成分試験
本発明の製造方法によって製造したコーヒー粉末からに含まれる成分を調べるための試験を行った。
(ハーブと共に挽いたコーヒー粉末の調製)
上記焙煎コーヒー豆とハーブを混合した。ハーブとしては、カルダモン、シナモン、コリアンダーシード、からしの種、ナツメグ、ローリエの葉、ローズペタル、エルダーフラワー、チコリ、クローブおよびリコリスの11種類のハーブハーブを使用した。これらのハーブは、それぞれホールの状態から荒く挽いてからコーヒー豆と混合した。ハーブは、コーヒー豆1キロ当たり、カルダモン15g、からしの種40g、クローブ12g、シナモン20g、ローリエの葉3g、コリアンダーシード40g、ナツメグ8.5g、チコリ50g、エルダーフラワー15g、ローズペタル15gおよびリコリス15gの量で混合した。上記焙煎コーヒー豆とハーブを混合した後、室温にて約12時間静置した。
次いで、この焙煎コーヒー豆をハーブとともに粉砕してコーヒー粉末を得た。粉砕は、ハーブを混合した焙煎コーヒー豆をコーヒーミルで挽くことによって行った。
(ハーブ入りコーヒー飲料の成分試験方法)
上記のように調製したハーブと共に挽いたコーヒー粉末の成分を試験した。成分の試験検査は、株式会社日本食品機能分析研究所において実施した。試験した成分は、それぞれ表1〜表3の試験項目の欄に示してある。また、各成分を試験するための方法は、それぞれ表1〜表3の試験方法の欄に示してある。
(ハーブ入りコーヒーの成分の試験結果)
各成分の試験結果は、それぞれ表1〜表3の試験結果の欄に示してある。
Figure 2019149946
Figure 2019149946
Figure 2019149946
上記の表の通り、ハーブと共に挽いたコーヒー粉末は、100g当たり、エネルギー407kcal、タンパク質15.2g、脂質8.3g、炭水化物67.9g、ナトリウム14mg、カリウム1517mg、カルシウム199mg、マグネシウム227mg、リン200mg、鉄5.4mg、亜鉛1.2mg、マンガン6.33mg、ビタミンB10.09mg、ビタミンB20.11mg、ビタミンB60.13mg、ビタミンE(α−トコフェロール3.8mg)、(β‐トコフェロール7.5mg)、(γ‐トコフェロール0.6mg)葉酸23μgおよび総ポリフェノール4300μgを含んだ。
また、上記に加え、100g当たり以下のアミノ酸18種の値が検出された:アルギニン327mg、リジン220mg、ヒスチジン235mg、フェニルアラニン518mg、チロシン324mg、ロイシン855mg、イソロイシン320mg、メチオニン162mg、バリン440mg、アラニン495mg、グリシン680mg、プロリン569mg、グルタミン酸2140mg、セリン543mg、スレオニン385mg、アスパラギン酸1010mg、トリプトファン186mgおよびシスチン239mg。
一方、コーヒー豆のみから抽出したコーヒー飲料は、一般的に下記の成分である。
エネルギー 0kcal/100g
タンパク質 0g/100g
脂質 0g/100g
炭水化物 0.4〜0.8g/100g
ナトリウム 10〜20g/100g
本発明のハーブ入りコーヒーの製造方法によれば、上記のように種々の成分を含むコーヒー粉末からコーヒー飲料を抽出することができるため、種々のハーブの成分を多く含むコーヒー飲料を調製することができる。一方、本発明のハーブ入りコーヒーの製造方法によれば、多様なハーブ由来の成分を含むにもかかわらず、抽出した際にコーヒー飲料に含まれるハーブの香りを抑え、コーヒー飲料として望ましい味および風味を得ることができる。
本発明は、ハーブ入りのコーヒー飲料の製造に好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程を有する、コーヒー粉末の製造方法。
  2. 焙煎コーヒー豆およびハーブを同時に粉砕してコーヒー粉末を得る工程と、
    前記コーヒー粉末からコーヒー抽出液を抽出する工程とを有する、
    コーヒー飲料の製造方法。
  3. 焙煎コーヒー豆とハーブとを同時に粉砕してなる、コーヒー粉末。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111820308A (zh) * 2020-08-06 2020-10-27 杨发水 山药茯苓咖啡及其制作方法

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