本発明は、ゲーム媒体にロックを施す機能を備えたゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
デジタルカードゲームやロールプレイングゲーム等のオンラインゲームには、キャラクタやアイテム等のゲーム媒体をダウンロードしてゲームに使用するものがある。特許文献1〜特許文献4には、ベースのキャラクタ(ゲーム媒体)に素材キャラクタ等(ゲーム媒体)を合成することによって、ベースのキャラクタに設定されている各種パラメータ(攻撃力、防御力等)を変動させるものが開示されている。
特許第5777781号公報
特開2016−22377号公報
特開2015−112365号公報
特開2017−124180号公報
通常、ダウンロードされたゲーム媒体には、前記特許文献1〜4にも示されているように、ロックをかける処理がなされる。合成や売却等の消費行動によってゲーム媒体が誤って消去されないようにするためである。
しかしながら、ゲーム媒体について、例えば「売却」は避けたいが「合成」には使用することをユーザが希望するケースがある。ところが、前記特許文献1〜4では、前記ロック処理によって全ての消費行動が一律的に制限される。それ故、ユーザは、ゲーム媒体を「合成」に使用する際には、そのゲーム媒体のロックを外す処理の実行指示を、「合成」を行う都度ゲーム装置に入力する必要がある。従って、ユーザは煩わしさを覚える。
本発明の目的は、煩わしさを覚える操作をユーザが行うことなく、所望の消費行動をゲーム媒体に行わせることができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
第1の発明は、コンピュータを、
ゲームに関するゲーム媒体の消費指示を取得する指示取得手段と、
前記消費指示に基づいて、前記ゲーム媒体が前記ユーザの所有しない状態となるように前記ゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段と、
前記消費処理が実行される前の前記ゲーム媒体に対し、前記ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段と、
として機能させることを特徴とするゲームプログラムである。
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記ゲーム媒体が記憶された記憶部から前記ゲーム媒体を取得するゲーム媒体取得手段、
として更に機能させ、
前記ロック手段は、前記保護登録処理を、前記ゲーム媒体取得手段が前記ゲーム媒体を取得した時に自動的に行う
ことができる。
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記ゲーム媒体の種類およびレアリティの少なくとも1つに応じて、前記ゲーム媒体の前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを表した消費可否情報、を設定する設定手段、
として更に機能させ、
前記ロック手段は、前記消費可否情報に基づいて前記保護登録処理を行う
ことができる。
また、第1の発明において、前記ロック手段は、前記ゲーム媒体の前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを予め表した消費可否情報に関係なく、個々の前記ゲーム媒体に対して前記保護登録処理を行うことができる。
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記保護登録処理が実行された後の前記ゲーム媒体を、前記保護登録処理の実行結果に従って分類する分類手段、
として更に機能させ、
前記消費実行手段は、前記指示取得手段が前記消費指示を取得した場合、前記分類手段による分類結果のうち、前記消費指示に対応する前記消費行動が許可された前記ゲーム媒体に対して前記消費処理を実行する
ことができる。
第2の発明は、
上記第1の発明のゲームプログラムを記憶した記憶部と、上記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えるゲーム装置である。
本発明によれば、ゲーム媒体の消費行動の種類に応じて、消費処理の実行が許可または禁止される。そのため、消費指示がなされた場合、その消費指示における消費行動が許可された状態であれば、ゲーム媒体にかかっているロック(禁止状態)をその都度解除する操作をユーザが行わずとも、ゲーム媒体の消費処理が行われる。従って、ゲーム操作の快適性が向上する。
本実施形態のゲームシステムにおけるサーバ装置およびゲーム装置それぞれのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
本実施形態における消費可否情報を概念的に表した模式図である。
本実施形態におけるゲーム装置の動作の流れを表すフローチャートである。
図3の保護登録処理におけるディスプレイの画面例である。
図3のステップS18で記憶部に記憶されたデータの概念図である。
図3の消費処理におけるディスプレイの画面例である。
図3の分類・ソート処理におけるディスプレイの画面例である。
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲーム装置5を備えたゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示す実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置5とが、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを敵キャラクタと対戦させたりする。
特に、前記ゲームでは、ユーザは、ゲーム媒体をサーバ装置2から取得したり、所有するゲーム媒体を消費する行動(以下、消費行動)をとったりすることができる。
ここで、ゲーム媒体は、ゲームに関する要素を表した電子データである。前記ゲーム媒体には、プレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具等)、プレイヤキャラクタやアイテムの特性パラメータ(攻撃力、防御力等)を強化するための素材等が含まれる。
ゲーム装置5のユーザは、前記ゲーム媒体を、例えばガチャと呼ばれる仕組みを用いた方法によって取得する。ガチャとは、サーバ装置2にて、複数のゲーム媒体について所定の抽選確率に基づき抽選が行われ、抽選によって選択された任意のゲーム媒体がユーザのゲーム装置5に付与される仕組みである。
前記ゲーム媒体の消費行動とは、ゲーム媒体をユーザが所有しない状態にすることである。具体的に、ゲーム媒体の消費行動には、「売却」(ゲーム媒体をゲーム内のローカルな通貨またはポイントに交換する動作)、「交換」(ゲーム媒体を他のゲーム媒体と交換する動作)、「合成」(同じ種類のゲーム媒体同士を合成して新たなゲーム媒体を生成する動作)、「強化」(メインのゲーム媒体をサブのゲーム媒体と合成してメインのゲーム媒体の特性パラメータを強化する動作)等が含まれる。
ゲーム媒体の消費行動として、ユーザは、例えばプレイヤキャラクタを示すオブジェクト(ゲーム媒体)をゲーム内の合成場所に2つ以上配置し、その合成場所でオブジェクト同士を「合成」することができる。また、ゲーム媒体の消費行動として、ユーザは、合成や強化に不要な素材を示すオブジェクト(ゲーム媒体)をゲーム内の仮想店舗にて「売却」することができる。
特に、本実施形態に係る前記ゲームでは、ゲーム媒体の消費行動の際に、誤ってゲーム媒体が消費されることを防ぐため、ゲーム媒体にロックをかける処理が施される。この処理では、如何なる消費行動も禁止されるのではなく、消費行動の種類に応じて前記処理が行われる。これについては、“<ゲーム媒体のロックおよび消費処理について>”で詳述する。
このようなゲームは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等のゲーム装置5を用いて実行される。
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。本実施形態では、ゲームシステム1が、いわゆるネイティブアプリである場合を例示する。
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、各ゲーム装置5(下記のアカウント情報毎)のゲームデータの管理を行う。
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。また、ゲーム装置5は、サーバ装置2からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。
なお、ゲーム装置5は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインする。各ユーザには、異なるアカウント情報が割り当てられており、アカウント情報には、ユーザ毎の識別情報(ユーザID)およびパスワードが含まれる。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5から通信ネットワーク6を介してサーバ装置2に送信される。
サーバ装置2は、送信されたアカウント情報に基づき、アクセスのあったゲーム装置5に対してユーザ認証を行う。
ユーザ認証が完了したゲーム装置5は、サーバ装置2と通信が可能となり、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)がサーバ装置2から送られる。ゲーム装置5は、前記データを受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
なお、ゲーム進行状況に関するデータは、ゲーム装置5のログイン時およびゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費、ゲーム課題クリア等のデータ更新時)において、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。
このように、ゲームシステム1では、所定のタイミングでサーバ装置2とゲーム装置5とが通信ネットワーク6を介して相互に通信を行う。これにより、サーバ装置2とゲーム装置5とで同期を取りながらゲームが進行される。
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成、および、ゲーム装置5のハードウェア構成について説明する。
<サーバ装置2の構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム装置5へのゲームデータやゲームプログラム等の送信、およびアカウント情報等のゲーム装置5からの受信が行われる。
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。具体的に、記憶部22には、各ユーザを照合するためのアカウント情報、各ユーザのログイン履歴、ゲームプログラム、ゲームデータ、ゲームプログラム以外の各種プログラム等が格納されている。ゲームデータには、アカウント情報毎のゲーム進行状況に関する情報の他、ユーザが課金した際に新たに使用可能となる前記ゲーム媒体(アイテム等)が含まれる。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2自身の動作を制御する。
<サーバ装置2の制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選選択手段233および配信手段234として機能する。
情報処理手段231は、ゲームプログラムの配信に必要なデータを、各ゲーム装置5との間で送受信する。情報処理手段231が受信する前記データとしては、ダウンロード要求情報およびアカウント情報が挙げられる。情報処理手段231が送信する前記データとしては、例えばゲームプログラムをゲーム装置5が受信したかを確認するための情報が挙げられる。
前記ダウンロード要求情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求、前記ゲーム媒体のダウンロード要求が挙げられる。
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
抽選選択手段233は、前記ゲーム媒体のダウンロード要求を情報処理手段231が受信した場合、所定の抽選確率に基づいて、ゲームに関する複数の前記ゲーム媒体の中から任意のゲーム媒体を抽選により選択する。
配信手段234は、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を情報処理手段231が受信した後、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、ゲーム装置5に配信(送信)する。また、配信手段234は、抽選選択手段233が抽選して選択した任意のゲーム媒体を、ゲーム装置5に配信(送信)する。
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、サーバ装置2から受信したゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。なお、ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク6または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース51は、各ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。例えば、ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。記憶部55には、他のゲーム装置5に送信するための、自装置5および他のゲーム装置5のアカウント情報や、フレンドに関する情報等も記憶される。特に、記憶部55には、サーバ装置2から受信した前記ゲーム媒体も記憶される。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
<ゲーム装置5の制御部56の機能的構成>
制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム進行手段562、指示取得手段563、消費実行手段564、ロック手段565、設定手段566および分類手段567として機能する。
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、アカウント情報、および、ユーザの操作に基づく新たなゲームデータのダウンロード要求情報を、サーバ装置2に送信する。通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータや、サーバ装置2にて抽選選択されたゲーム媒体等を受信する。
なお、前記ゲーム媒体は、通信手段561が受信する毎に記憶部55内に逐次記憶される。これにより、記憶部55内には、ゲーム媒体が1以上格納される。
ゲーム進行手段562は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し且つゲームプログラムを実行して、二次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。
例えば、ゲーム進行手段562は、ゲーム画像上にプレイヤキャラクタを配置させる。ゲーム進行手段562は、ゲームの進行状況の下、ユーザのタッチパッド63の操作の内容を表す操作信号に応じて、前記プレイヤキャラクタを動かす制御を行う。
指示取得手段563は、前記タッチパッド63を介してユーザが入力した各種指示を取得する。例えば、ユーザによりゲーム媒体の抽選指示が入力された場合、指示取得手段563は、当該入力に応じて、サーバ装置2に送信するためのゲーム媒体のダウンロード要求を生成する。また、指示取得手段563は、ユーザによって入力されたゲーム媒体の消費指示やソート実行指示を取得する。
消費実行手段564は、指示取得手段563がゲーム媒体の消費指示を取得した場合、該当するゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるように、当該ゲーム媒体を消費する消費処理(売却、合成等)を実行することができる。特に、本実施形態に係る前記消費処理は、以下のロック手段565による保護登録処理の実行結果に従って実行されたりされなかったりする。
ロック手段565は、前記消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、特定の消費処理が実行されないように、ゲーム媒体に予めロックをかける保護登録処理を行う。特に、本実施形態に係るロック手段565は、以下に述べる消費可否情報を参照して、ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に、消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行う。
設定手段566は、前記保護登録処理の際に用いられる消費可否情報を、ユーザの操作に従って設定する。消費可否情報とは、どのような種類の消費処理は実行が許可され、どのような種類の消費処理は実行が禁止されるかを定義した情報である。
分類手段567は、保護登録処理が実行された後の複数のゲーム媒体を保護登録処理の実行結果(ロックがかかっているか否か)に従って分類する処理を行う。この分類処理は、例えば複数のゲーム媒体を一括して売却することをユーザが望む場合に、当該ユーザの入力操作をトリガとして実行される。特定の消費処理については実行が許可された状態(ロック解除状態)のゲーム媒体が同じフォルダに分類されれば、ユーザは、売却を指示する操作を、個々のゲーム媒体に対して行わずとも、そのフォルダ内のゲーム媒体全てに対して一度行えば済む。
<ゲーム媒体の保護登録処理(ロック処理)および消費処理について>
主に、消費実行手段564、ロック手段565および設定手段566によって行われるゲーム媒体の保護登録処理(ロック処理)および消費処理について詳述する。
ゲーム進行の過程において、ユーザは、所有しているゲーム媒体の消費指示(売却、合成等)を、タッチパッド63を介して入力することがある。一方、ゲーム媒体には、例えば高いレアリティを有するキャラクタのように、ユーザが所有を強く希望するものが存在する。それ故、ゲーム媒体にロックをかける保護登録処理が行われる。これにより、前記消費指示が誤って入力されたものであっても、ゲーム媒体の消費処理は禁止されるため、消費行動は行われない。
ところが、ゲーム媒体の消費行動には、既に述べたように「合成」「売却」等の様々な種類が含まれる。これらの消費行動の種類(具体的内容)に関係なく消費行動の種類全てについてロックがかかると、例えばゲーム媒体の「売却は望まない」が「合成を望む」場合、ユーザは、合成に利用するゲーム媒体のロックを一旦解除する操作を行わなければならない。これでは、ゲームの操作性が簡易とは言い難く、ユーザは、ロックを外す手間を煩わしいと感じる。
そこで、本実施形態に係るロック手段565は、設定手段566によって予め設定された消費可否情報570a〜570cに基づいて、消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、ゲーム媒体の消費行動の種類毎に消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行う。
図2に、消費可否情報570a〜570cの概念を表す。図2に示すように、本実施形態では、ゲーム媒体の種類「キャラクタ」「装備・武器」「強化素材」それぞれに対し、個々の消費可否情報570a,570b,570cが設定されている。
図2の各消費可否情報570a〜570cでは、消費行動の種類「売却」「交換(ないしは改造)」「合成」「強化」毎に、その消費行動を禁止する場合(ロック状態)を「×」、その消費行動を許可する場合(ロック解除状態)を「○」で表している。各消費可否情報570a,570b,570cでは、ゲーム媒体の種類のみならずレアリティに応じても、消費行動の種類毎に消費行動を禁止するか許可するかが異なっている。
具体的に、ゲーム媒体の種類「キャラクタ」「装備・武器」「強化素材」の中で、「キャラクタ」のゲーム媒体は入手難度(レアリティ)が最も高く、「強化素材」のゲーム媒体は入手難度(レアリティ)が最も低い。ゲーム媒体の種類それぞれに対応する消費可否情報570a〜570cでは、入手難度(レアリティ)が高いゲーム媒体の種類ほど、消費行動が禁止されているケース(ロック状態「×」)の数が多い。
ゲーム媒体の種類が同種類であっても、個々のゲーム媒体のレアリティには高低差がある。レアリティが高いゲーム媒体ほど、禁止されている消費行動の種類が多い。例えば、種類「強化素材」に対応する消費可否情報570cに着目すると、レアリティ“□3”のゲーム媒体では、消費行動「売却」「強化」が禁止されている。レアリティ“□1”のゲーム媒体では、禁止されている消費行動が存在せず、「売却」「強化」を含む全ての消費行動が許可される。
前記消費可否情報570a〜570cは、基本的にはデフォルト設定がされているが、例えばゲームのオプション画面から、ユーザによってタッチパッド63を介して自由に変更(入力)されることができる。設定手段566は、ユーザの入力に従って消費可否情報570a〜570cの生成および更新を行い、記憶部55に格納する。
ロック手段565は、ゲーム媒体の種類を判定すると、その種類に応じた消費可否情報570a〜570cを参照して、当該ゲーム媒体に対し消費行動の種類毎に消費処理の実行を禁止(ロック状態)または許可(ロック解除状態)する保護登録処理を行う。これにより、ゲーム媒体は、保護登録処理が施された状態となり(図5参照)、記憶部55に格納される。
なお、前記保護登録処理は、通信手段561がゲーム媒体をサーバ装置2から受信した時に自動的に行われる。ゲーム媒体の消費指示が直ちに入力される可能性があるためである。
ユーザが消費指示を入力した場合、消費実行手段564は、消費対象となるゲーム媒体の保護登録処理の実行結果を参照し、消費指示が示す消費行動の種類(内容)については消費処理の実行が許可されているか否かを判定する。消費実行手段564は、判定結果に基づいて消費処理を実行または実行を禁止する。従って、ユーザが消費指示を入力したからといって、必ずしも消費処理が実行されるのではない。
<ゲーム装置5が行う処理の流れについて>
上述したゲーム装置5が行う処理の流れについて、図3〜図7を用いて説明する。
なお、消費可否情報570a〜570cは、デフォルト設定または設定手段566によって設定されているものとする。
−保護登録処理(ロック処理)−
ユーザがゲーム装置5のタッチパッド63を介して「ガチャを引く」旨の入力を行ったとする。すると、指示取得手段563は、ゲーム媒体のダウンロード要求を生成し、通信手段561は、これをサーバ装置2に送信する(ステップS11のYes)。この場合、サーバ装置2の抽選選択手段233ではゲーム媒体の抽選が行われ、ゲーム装置5では当該ゲーム媒体についての保護登録処理(ロック処理)が行われる(ステップS12〜S18)。
具体的に、通信手段561がゲーム媒体を受信すると(ステップS12)、ディスプレイ61上には図4(a)の画面sc1が表示される。この画面sc1には、受信したゲーム媒体が描写されると共に、OKボタンb1aとロック個別設定ボタンb1bとが選択可能に表示される。
ユーザによってロック個別設定ボタンb1bが選択され押下されると(ステップS13のYes)、ロック手段565は、消費可否情報570a〜570cに関係なく、受信したゲーム媒体に対し、ユーザの入力操作に従って消費行動の種類毎に保護登録処理を実行する(ステップS14)。
例えば、ロック個別設定ボタンb1bの押下直後、ディスプレイ61上には図4(b)の画面sc2が表示される。ユーザは、この画面sc2上から、対象のゲーム媒体に対し、消費行動の種類(売却、改造等)それぞれをロック状態またはロック解除状態にする設定を、自由に行うことができる。ロック手段565は、この設定に従って保護登録処理を実行する。
一方、図4(a)においてOKボタンb1aが選択され押下されると(ステップS13のNo)、ロック手段565は、受信されたゲーム媒体の種類を判定し(ステップS15)、判定したゲーム媒体の種類に対応する消費可否情報570a〜570cを選択する(ステップS16)。ロック手段565は、選択した消費可否情報570a〜570cを参照して、対象のゲーム媒体に対し消費行動の種類毎に保護登録処理を行う(ステップS17)。
ステップS14,S17で保護登録処理が実行された後のゲーム媒体は、記憶部55に格納される(ステップS18)。図5に、記憶部55に格納されたデータの概念を一例として表す。図5のデータでは、各ゲーム媒体の名称、種類、レアリティと共に、ステップS14,S17における保護登録処理の結果である保護登録情報(消費行動の種類毎にロック状態か否かが設定された情報)が、1レコードとして記憶されている。
−消費処理−
ユーザは、ゲーム媒体の売却や合成などの消費行動を希望する場合、ディスプレイ61に図6(a)に示す画面sc3を表示させる。画面sc3では、現在記憶部55内に格納されている(即ちユーザが所有する)未消費のゲーム媒体が、選択可能に一覧表示された場合を例示している。この画面sc3から、ユーザは、消費対象とするゲーム媒体とそのゲーム媒体をどのように消費したいか(売却等)を選択(入力)する操作を行う。
前記ユーザの操作に基づくゲーム媒体の消費指示を指示取得手段563が取得した場合(ステップS21のYes)、消費実行手段564は、図5の保護登録情報を参照し、当該ゲーム媒体では、消費指示が示す消費行動が許可されているか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、判定結果が「ロック状態」である場合(ステップS23のYes)、消費実行手段564は、消費指示が示す消費処理の実行を中止する(ステップS24)。この場合、ディスプレイ61上には、例えば図6(b)に示すように、消費行動が実行されない旨の画面sc4がポップアップ表示される。
ステップS22において、判定結果が「ロック解除状態」である場合(ステップS23のNo)、消費実行手段564は、消費指示が示す消費処理を実行する(ステップS25)。
−分類・ソート処理−
ユーザは、複数のゲーム媒体を一括して消費すること(ゲーム媒体の一括売却等)を希望する場合、ディスプレイ61に図7(a)に示す画面sc5を表示させる。画面sc5は、ソート実行指示およびソート条件(例えば、希望する消費行動“売却”にてソートをかける等)を入力するための画面である。
前記画面sc5に基づくソート実行指示等を指示取得手段563が取得した場合(ステップS31のYes)、分類手段567は、記憶部55内に格納されている未消費のゲーム媒体全てを対象として、入力されたソート条件および図5の保護登録情報に基づいて分類およびソートを行う(ステップS32)。
ソート結果は、ディスプレイ61上に表示される(ステップS33)。図7(b)の画面sc6は、ソート結果の表示例である。例えば、希望する消費行動が「売却」であれば、売却が“ロック解除状態”であるゲーム媒体および売却が“ロック状態”であるゲーム媒体それぞれが、レアリティの高い順に並んで一覧表示される。ユーザは、画面sc6を確認後、希望する消費行動の実行指示(消費指示)を入力することができる。
指示取得手段563が前記消費指示を取得した場合(ステップS34のYes)、消費実行手段564は、指示された消費行動が“ロック解除状態”であるゲーム媒体全てについて、一括して消費処理を実行する(ステップS35)。
一方、指示取得手段563が前記消費指示を例えば一定時間内に取得しなかったり、画面sc6から「戻るボタン」がユーザにより選択されたりした場合(ステップS34のNo)、ディスプレイ61に表示される画面は画面sc6から他画面に遷移される。この際、ステップS32のソート結果は消去される(ステップS36)。
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲームに関するゲーム媒体(プレイヤキャラクタ、アイテム等)の消費指示(売却、合成等)を取得する指示取得手段563と、消費指示に基づいて、ゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるようにゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段564と、消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎(例えば売却、合成ごと)に消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段565と、として機能させるものである。
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、ゲーム媒体の消費行動の種類に応じて、消費処理の実行が許可または禁止される。そのため、消費指示がなされた場合、その消費指示における消費行動が許可された状態であれば、ゲーム媒体にかかっているロック(禁止状態)をその都度解除する操作をユーザが行わずとも、ゲーム媒体の消費処理が行われる。従って、ゲーム操作の快適性が向上する。
また、保護登録処理はゲーム媒体の取得時に行われる。そのため、ゲーム媒体の取得後、比較的早い段階で消費指示を指示取得手段563が取得しても、誤って消費処理が実行されることを回避できる。
また、保護登録処理にて用いられる消費可否情報570a〜570cは、設定手段566によって予め設定されている。それ故、図3のステップS15〜S17に示すように、ロック手段565は、ゲーム媒体の種類およびレアリティに応じて、自動的に保護登録処理を実行することができる。
また、図3のステップS13〜S14に示すように、ユーザは、前記消費可否情報570a〜570cに関係なく、個々のゲーム媒体に対して保護登録処理を行うこともできる。この場合、ユーザは、個々のゲーム媒体に対し、消費行動の種類に応じて保護登録情報(ロック状態またはロック解除状態)を自由に設定することができる。
また、図3のステップS35に示すように、消費実行手段564は、図5の保護登録情報に基づいて分類およびソートしたゲーム媒体のうち、指示された消費行動がロック解除状態であるゲーム媒体に対して、消費処理を実行する。これにより、ユーザは、同じ消費指示を個々のゲーム媒体について入力せずとも、1回の消費指示の入力によって一括で複数のゲーム媒体の消費処理を実行させることができる。従って、ゲーム操作の快適性は、より向上する。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
ゲーム装置5の種類は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータに限定されない。例えば、ゲーム装置5は、プレイステーション(登録商標)、Nintendo DS(登録商標)等であってもよい。
前記ゲームは、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、パズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
前記ゲーム媒体は、プレイヤキャラクタ、アイテム、強化素材等の他、カードやアバタ等を含むことができる。
前記ゲーム媒体の消費行動は、ユーザがゲームの進行に応じてゲーム媒体を利用する行動であればよい。従って、前記ゲーム媒体の消費行動の種類には、「売却」「交換」「合成」「強化」の他に、「廃棄」「贈与」「使用」等を含むことができる。
ゲーム装置5の台数は1台であってもよい。また、サーバ装置2は複数台設けられ、協働して同様の処理を行うようにしてもよい。
前記実施形態では、保護登録処理がゲーム媒体の取得時に行われる場合を例示した。しかし、保護登録処理は消費処理の実行前に行われれば良く、前記タイミングに限定されずともよい。
前記実施形態では、図2に示すように、ゲーム媒体およびレアリティの双方に応じて消費可否情報570a〜570cが設定されている場合を例示した。しかし、消費可否情報は、ゲーム媒体およびレアリティのいずれか一方に応じて設定されていてもよい。
前記実施形態では、図3のステップS13〜S17に示すように、保護登録処理が、予め設定された消費可否情報570a〜570cに応じて自動的に実行されるか(ステップS15〜S17)、または消費可否情報570a〜570cに関係なく個々のゲーム媒体に対して行われる(ステップS13〜S14)と説明した。しかし、保護登録処理は、ステップS15〜S17のみ、またはステップS13〜S14のみであってもよい。
前記実施形態では、図3のステップS31〜S36に示すように、分類・ソート処理が実行される場合を例示した。しかし、当該処理は必須ではない。また、当該処理においては、保護登録処理の実行結果に従って分類処理のみがなされ、ソート処理は行われずともよい。
ゲーム装置5の通信手段561は、サーバ装置2から同じゲーム媒体を複数回受信することができる。その場合、ロック手段565は、当該ゲーム媒体を、初めて受信した際と2回目以降に受信した際とで、保護登録処理の内容(どの消費処理は実行を許可し、どの消費処理は実行を禁止するか)を変更することができる。例えば、ロック手段565は、ゲーム媒体の受信が初回であれば、いかなる消費処理も実行を禁止する保護登録処理を行い、ゲー媒体の受信が2回目以降であれば、消費可否情報に応じて保護登録処理を行うことができる。
図3のステップS12では、通信手段561がゲーム媒体を受信すると、ディスプレイ61上には図4(a)の画面sc1が自動的に表示される場合を例示した。しかし、図4(a)の画面sc1の表示自体、特にロック個別設定ボタンb1を表示するか否かを、ユーザが選択できてもよい。
図3のステップS13〜S14で示した、個々のゲーム媒体に対するロック/ロック解除の設定タイミングは、前記実施形態のようにゲーム媒体の受信時には限定されない。例えば、ゲーム装置5がゲーム媒体を実際に受信する前に、ユーザが入手可能なゲーム媒体がディスプレイ61上に一覧表示され、その画面上から、ユーザが各ゲーム媒体の保護登録処理の内容を自由に設定することができる。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
5 ゲーム装置
56 制御部(コンピュータ)
561 通信手段(ゲーム媒体取得手段)
563 指示取得手段
564 消費実行手段
565 ロック手段
566 設定手段
567 分類手段
570a,570b,570c 消費可否情報
本発明は、ゲーム媒体にロックを施す機能を備えたゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
デジタルカードゲームやロールプレイングゲーム等のオンラインゲームには、キャラクタやアイテム等のゲーム媒体をダウンロードしてゲームに使用するものがある。特許文献1〜特許文献4には、ベースのキャラクタ(ゲーム媒体)に素材キャラクタ等(ゲーム媒体)を合成することによって、ベースのキャラクタに設定されている各種パラメータ(攻撃力、防御力等)を変動させるものが開示されている。
特許第5777781号公報
特開2016−22377号公報
特開2015−112365号公報
特開2017−124180号公報
通常、ダウンロードされたゲーム媒体には、前記特許文献1〜4にも示されているように、ロックをかける処理がなされる。合成や売却等の消費行動によってゲーム媒体が誤って消去されないようにするためである。
しかしながら、ゲーム媒体について、例えば「売却」は避けたいが「合成」には使用することをユーザが希望するケースがある。ところが、前記特許文献1〜4では、前記ロック処理によって全ての消費行動が一律的に制限される。それ故、ユーザは、ゲーム媒体を「合成」に使用する際には、そのゲーム媒体のロックを外す処理の実行指示を、「合成」を行う都度ゲーム装置に入力する必要がある。従って、ユーザは煩わしさを覚える。
本発明の目的は、煩わしさを覚える操作をユーザが行うことなく、所望の消費行動をゲーム媒体に行わせることができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
第1の発明は、コンピュータを、
ゲームに関するゲーム媒体の消費指示を取得する指示取得手段と、
前記消費指示に基づいて、前記ゲーム媒体が前記ユーザの所有しない状態となるように前記ゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段と、
前記消費処理が実行される前の前記ゲーム媒体に対し、前記ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段と、
前記ゲーム媒体の種類およびレアリティの少なくとも1つに応じて、前記ゲーム媒体の前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを表した消費可否情報、を設定する設定手段と、
として機能させ、
前記ロック手段は、前記消費可否情報に基づいて前記保護登録処理を行うことを特徴とするゲームプログラムである。
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記保護登録処理が実行された後の前記ゲーム媒体を、前記保護登録処理の実行結果に従って分類する分類手段、
として更に機能させ、
前記消費実行手段は、前記指示取得手段が前記消費指示を取得した場合、前記分類手段による分類結果のうち、前記消費指示に対応する前記消費行動が許可された前記ゲーム媒体に対して前記消費処理を実行する
ことができる。
また、第1の発明において、コンピュータを、
前記ゲーム媒体を受信することが可能な受信手段、
として更に機能させ、
前記設定手段は、前記受信手段が前記ゲーム媒体を受信した時に、前記ユーザの操作に基づいて前記消費可否情報を設定する
ことができる。
第2の発明は、コンピュータを、
ゲームに関するゲーム媒体の消費指示を取得する指示取得手段と、
前記消費指示に基づいて、前記ゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるように前記ゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段と、
前記消費処理が実行される前の前記ゲーム媒体に対し、前記ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段と、
前記保護登録処理が実行された後の前記ゲーム媒体を、前記保護登録処理の実行結果に従って分類する分類手段と、
として機能させ、
前記消費実行手段は、前記指示取得手段が前記消費指示を取得した場合、前記分類手段による分類結果のうち、前記消費指示に対応する前記消費行動が許可された前記ゲーム媒体に対して前記消費処理を実行することを特徴とするゲームプログラムである。
また、第2の発明において、コンピュータを、
前記ゲーム媒体を受信することが可能な受信手段と、
前記受信手段が前記ゲーム媒体を受信した時に、前記ゲーム媒体の種類およびレアリティの少なくとも1つに応じて前記ゲーム媒体の前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを表した消費可否情報を、前記ユーザの操作に基づいて設定する設定手段と、
として更に機能させる
ことができる。
第3の発明は、コンピュータを、
ゲームに関するゲーム媒体のうち、同一の前記ゲーム媒体である同一ゲーム媒体を、複数回受信することが可能な受信手段と、
前記同一ゲーム媒体の消費指示を取得する指示取得手段と、
前記消費指示に基づいて、前記同一ゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるように前記同一ゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段と、
前記消費処理が実行される前の前記同一ゲーム媒体に対し、前記同一ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段と、
として更に機能させ、
前記ロック手段は、前記受信手段が最初に受信した前記同一ゲーム媒体と、2回目以降に受信した前記同一ゲーム媒体とで、前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを示す前記保護登録処理の内容、を異ならせることを特徴とするゲームプログラムである。
第3の発明において、コンピュータを、
前記受信手段が前記同一ゲーム媒体を受信した時に、前記同一ゲーム媒体の種類およびレアリティの少なくとも1つに応じて前記同一ゲーム媒体の前記消費行動の種類毎に前記消費処理の実行を禁止するか否かを表した消費可否情報を、前記ユーザの操作に基づいて設定する設定手段、
として更に機能させる
ことができる。
第4の発明は、
上記第1から第3の発明のゲームプログラムを記憶した記憶部と、上記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えるゲーム装置である。
本発明によれば、ゲーム媒体の消費行動の種類に応じて、消費処理の実行が許可または禁止される。そのため、消費指示がなされた場合、その消費指示における消費行動が許可された状態であれば、ゲーム媒体にかかっているロック(禁止状態)をその都度解除する操作をユーザが行わずとも、ゲーム媒体の消費処理が行われる。従って、ゲーム操作の快適性が向上する。
本実施形態のゲームシステムにおけるサーバ装置およびゲーム装置それぞれのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
本実施形態における消費可否情報を概念的に表した模式図である。
本実施形態におけるゲーム装置の動作の流れを表すフローチャートである。
図3の保護登録処理におけるディスプレイの画面例である。
図3のステップS18で記憶部に記憶されたデータの概念図である。
図3の消費処理におけるディスプレイの画面例である。
図3の分類・ソート処理におけるディスプレイの画面例である。
[実施形態]
本発明の実施形態に係るゲーム装置5を備えたゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示す実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置5とが、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
本実施形態で説明するゲームは、前記ゲームシステム1にて実行されるオンラインゲームである。前記ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタを敵キャラクタと対戦させたりする。
特に、前記ゲームでは、ユーザは、ゲーム媒体をサーバ装置2から取得したり、所有するゲーム媒体を消費する行動(以下、消費行動)をとったりすることができる。
ここで、ゲーム媒体は、ゲームに関する要素を表した電子データである。前記ゲーム媒体には、プレイヤキャラクタ、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具等)、プレイヤキャラクタやアイテムの特性パラメータ(攻撃力、防御力等)を強化するための素材等が含まれる。
ゲーム装置5のユーザは、前記ゲーム媒体を、例えばガチャと呼ばれる仕組みを用いた方法によって取得する。ガチャとは、サーバ装置2にて、複数のゲーム媒体について所定の抽選確率に基づき抽選が行われ、抽選によって選択された任意のゲーム媒体がユーザのゲーム装置5に付与される仕組みである。
前記ゲーム媒体の消費行動とは、ゲーム媒体をユーザが所有しない状態にすることである。具体的に、ゲーム媒体の消費行動には、「売却」(ゲーム媒体をゲーム内のローカルな通貨またはポイントに交換する動作)、「交換」(ゲーム媒体を他のゲーム媒体と交換する動作)、「合成」(同じ種類のゲーム媒体同士を合成して新たなゲーム媒体を生成する動作)、「強化」(メインのゲーム媒体をサブのゲーム媒体と合成してメインのゲーム媒体の特性パラメータを強化する動作)等が含まれる。
ゲーム媒体の消費行動として、ユーザは、例えばプレイヤキャラクタを示すオブジェクト(ゲーム媒体)をゲーム内の合成場所に2つ以上配置し、その合成場所でオブジェクト同士を「合成」することができる。また、ゲーム媒体の消費行動として、ユーザは、合成や強化に不要な素材を示すオブジェクト(ゲーム媒体)をゲーム内の仮想店舗にて「売却」することができる。
特に、本実施形態に係る前記ゲームでは、ゲーム媒体の消費行動の際に、誤ってゲーム媒体が消費されることを防ぐため、ゲーム媒体にロックをかける処理が施される。この処理では、如何なる消費行動も禁止されるのではなく、消費行動の種類に応じて前記処理が行われる。これについては、“<ゲーム媒体のロックおよび消費処理について>”で詳述する。
このようなゲームは、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等のゲーム装置5を用いて実行される。
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。本実施形態では、ゲームシステム1が、いわゆるネイティブアプリである場合を例示する。
サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、各ゲーム装置5(下記のアカウント情報毎)のゲームデータの管理を行う。
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。また、ゲーム装置5は、サーバ装置2からアップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。
なお、ゲーム装置5は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインする。各ユーザには、異なるアカウント情報が割り当てられており、アカウント情報には、ユーザ毎の識別情報(ユーザID)およびパスワードが含まれる。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5から通信ネットワーク6を介してサーバ装置2に送信される。
サーバ装置2は、送信されたアカウント情報に基づき、アクセスのあったゲーム装置5に対してユーザ認証を行う。
ユーザ認証が完了したゲーム装置5は、サーバ装置2と通信が可能となり、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)がサーバ装置2から送られる。ゲーム装置5は、前記データを受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
なお、ゲーム進行状況に関するデータは、ゲーム装置5のログイン時およびゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費、ゲーム課題クリア等のデータ更新時)において、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信される。
このように、ゲームシステム1では、所定のタイミングでサーバ装置2とゲーム装置5とが通信ネットワーク6を介して相互に通信を行う。これにより、サーバ装置2とゲーム装置5とで同期を取りながらゲームが進行される。
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成、および、ゲーム装置5のハードウェア構成について説明する。
<サーバ装置2の構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLAN等の通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム装置5へのゲームデータやゲームプログラム等の送信、およびアカウント情報等のゲーム装置5からの受信が行われる。
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。具体的に、記憶部22には、各ユーザを照合するためのアカウント情報、各ユーザのログイン履歴、ゲームプログラム、ゲームデータ、ゲームプログラム以外の各種プログラム等が格納されている。ゲームデータには、アカウント情報毎のゲーム進行状況に関する情報の他、ユーザが課金した際に新たに使用可能となる前記ゲーム媒体(アイテム等)が含まれる。
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2自身の動作を制御する。
<サーバ装置2の制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選選択手段233および配信手段234として機能する。
情報処理手段231は、ゲームプログラムの配信に必要なデータを、各ゲーム装置5との間で送受信する。情報処理手段231が受信する前記データとしては、ダウンロード要求情報およびアカウント情報が挙げられる。情報処理手段231が送信する前記データとしては、例えばゲームプログラムをゲーム装置5が受信したかを確認するための情報が挙げられる。
前記ダウンロード要求情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求、前記ゲーム媒体のダウンロード要求が挙げられる。
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
抽選選択手段233は、前記ゲーム媒体のダウンロード要求を情報処理手段231が受信した場合、所定の抽選確率に基づいて、ゲームに関する複数の前記ゲーム媒体の中から任意のゲーム媒体を抽選により選択する。
配信手段234は、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を情報処理手段231が受信した後、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、ゲーム装置5に配信(送信)する。また、配信手段234は、抽選選択手段233が抽選して選択した任意のゲーム媒体を、ゲーム装置5に配信(送信)する。
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、サーバ装置2から受信したゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。なお、ゲーム装置5同士も、通信ネットワーク6または近距離無線通信装置(図示せず)を用いて、互いにデータ通信を行うことができる。
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
ネットワークインターフェース51は、各ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。例えば、ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。記憶部55には、他のゲーム装置5に送信するための、自装置5および他のゲーム装置5のアカウント情報や、フレンドに関する情報等も記憶される。特に、記憶部55には、サーバ装置2から受信した前記ゲーム媒体も記憶される。
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
<ゲーム装置5の制御部56の機能的構成>
制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム進行手段562、指示取得手段563、消費実行手段564、ロック手段565、設定手段566および分類手段567として機能する。
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。通信手段561は、アカウント情報、および、ユーザの操作に基づく新たなゲームデータのダウンロード要求情報を、サーバ装置2に送信する。通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータや、サーバ装置2にて抽選選択されたゲーム媒体等を受信する。
なお、前記ゲーム媒体は、通信手段561が受信する毎に記憶部55内に逐次記憶される。これにより、記憶部55内には、ゲーム媒体が1以上格納される。
ゲーム進行手段562は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを読み出し且つゲームプログラムを実行して、二次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。
例えば、ゲーム進行手段562は、ゲーム画像上にプレイヤキャラクタを配置させる。ゲーム進行手段562は、ゲームの進行状況の下、ユーザのタッチパッド63の操作の内容を表す操作信号に応じて、前記プレイヤキャラクタを動かす制御を行う。
指示取得手段563は、前記タッチパッド63を介してユーザが入力した各種指示を取得する。例えば、ユーザによりゲーム媒体の抽選指示が入力された場合、指示取得手段563は、当該入力に応じて、サーバ装置2に送信するためのゲーム媒体のダウンロード要求を生成する。また、指示取得手段563は、ユーザによって入力されたゲーム媒体の消費指示やソート実行指示を取得する。
消費実行手段564は、指示取得手段563がゲーム媒体の消費指示を取得した場合、該当するゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるように、当該ゲーム媒体を消費する消費処理(売却、合成等)を実行することができる。特に、本実施形態に係る前記消費処理は、以下のロック手段565による保護登録処理の実行結果に従って実行されたりされなかったりする。
ロック手段565は、前記消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、特定の消費処理が実行されないように、ゲーム媒体に予めロックをかける保護登録処理を行う。特に、本実施形態に係るロック手段565は、以下に述べる消費可否情報を参照して、ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎に、消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行う。
設定手段566は、前記保護登録処理の際に用いられる消費可否情報を、ユーザの操作に従って設定する。消費可否情報とは、どのような種類の消費処理は実行が許可され、どのような種類の消費処理は実行が禁止されるかを定義した情報である。
分類手段567は、保護登録処理が実行された後の複数のゲーム媒体を保護登録処理の実行結果(ロックがかかっているか否か)に従って分類する処理を行う。この分類処理は、例えば複数のゲーム媒体を一括して売却することをユーザが望む場合に、当該ユーザの入力操作をトリガとして実行される。特定の消費処理については実行が許可された状態(ロック解除状態)のゲーム媒体が同じフォルダに分類されれば、ユーザは、売却を指示する操作を、個々のゲーム媒体に対して行わずとも、そのフォルダ内のゲーム媒体全てに対して一度行えば済む。
<ゲーム媒体の保護登録処理(ロック処理)および消費処理について>
主に、消費実行手段564、ロック手段565および設定手段566によって行われるゲーム媒体の保護登録処理(ロック処理)および消費処理について詳述する。
ゲーム進行の過程において、ユーザは、所有しているゲーム媒体の消費指示(売却、合成等)を、タッチパッド63を介して入力することがある。一方、ゲーム媒体には、例えば高いレアリティを有するキャラクタのように、ユーザが所有を強く希望するものが存在する。それ故、ゲーム媒体にロックをかける保護登録処理が行われる。これにより、前記消費指示が誤って入力されたものであっても、ゲーム媒体の消費処理は禁止されるため、消費行動は行われない。
ところが、ゲーム媒体の消費行動には、既に述べたように「合成」「売却」等の様々な種類が含まれる。これらの消費行動の種類(具体的内容)に関係なく消費行動の種類全てについてロックがかかると、例えばゲーム媒体の「売却は望まない」が「合成を望む」場合、ユーザは、合成に利用するゲーム媒体のロックを一旦解除する操作を行わなければならない。これでは、ゲームの操作性が簡易とは言い難く、ユーザは、ロックを外す手間を煩わしいと感じる。
そこで、本実施形態に係るロック手段565は、設定手段566によって予め設定された消費可否情報570a〜570cに基づいて、消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、ゲーム媒体の消費行動の種類毎に消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行う。
図2に、消費可否情報570a〜570cの概念を表す。図2に示すように、本実施形態では、ゲーム媒体の種類「キャラクタ」「装備・武器」「強化素材」それぞれに対し、個々の消費可否情報570a,570b,570cが設定されている。
図2の各消費可否情報570a〜570cでは、消費行動の種類「売却」「交換(ないしは改造)」「合成」「強化」毎に、その消費行動を禁止する場合(ロック状態)を「×」、その消費行動を許可する場合(ロック解除状態)を「○」で表している。各消費可否情報570a,570b,570cでは、ゲーム媒体の種類のみならずレアリティに応じても、消費行動の種類毎に消費行動を禁止するか許可するかが異なっている。
具体的に、ゲーム媒体の種類「キャラクタ」「装備・武器」「強化素材」の中で、「キャラクタ」のゲーム媒体は入手難度(レアリティ)が最も高く、「強化素材」のゲーム媒体は入手難度(レアリティ)が最も低い。ゲーム媒体の種類それぞれに対応する消費可否情報570a〜570cでは、入手難度(レアリティ)が高いゲーム媒体の種類ほど、消費行動が禁止されているケース(ロック状態「×」)の数が多い。
ゲーム媒体の種類が同種類であっても、個々のゲーム媒体のレアリティには高低差がある。レアリティが高いゲーム媒体ほど、禁止されている消費行動の種類が多い。例えば、種類「強化素材」に対応する消費可否情報570cに着目すると、レアリティ“□3”のゲーム媒体では、消費行動「売却」「強化」が禁止されている。レアリティ“□1”のゲーム媒体では、禁止されている消費行動が存在せず、「売却」「強化」を含む全ての消費行動が許可される。
前記消費可否情報570a〜570cは、基本的にはデフォルト設定がされているが、例えばゲームのオプション画面から、ユーザによってタッチパッド63を介して自由に変更(入力)されることができる。設定手段566は、ユーザの入力に従って消費可否情報570a〜570cの生成および更新を行い、記憶部55に格納する。
ロック手段565は、ゲーム媒体の種類を判定すると、その種類に応じた消費可否情報570a〜570cを参照して、当該ゲーム媒体に対し消費行動の種類毎に消費処理の実行を禁止(ロック状態)または許可(ロック解除状態)する保護登録処理を行う。これにより、ゲーム媒体は、保護登録処理が施された状態となり(図5参照)、記憶部55に格納される。
なお、前記保護登録処理は、通信手段561がゲーム媒体をサーバ装置2から受信した時に自動的に行われる。ゲーム媒体の消費指示が直ちに入力される可能性があるためである。
ユーザが消費指示を入力した場合、消費実行手段564は、消費対象となるゲーム媒体の保護登録処理の実行結果を参照し、消費指示が示す消費行動の種類(内容)については消費処理の実行が許可されているか否かを判定する。消費実行手段564は、判定結果に基づいて消費処理を実行または実行を禁止する。従って、ユーザが消費指示を入力したからといって、必ずしも消費処理が実行されるのではない。
<ゲーム装置5が行う処理の流れについて>
上述したゲーム装置5が行う処理の流れについて、図3〜図7を用いて説明する。
なお、消費可否情報570a〜570cは、デフォルト設定または設定手段566によって設定されているものとする。
−保護登録処理(ロック処理)−
ユーザがゲーム装置5のタッチパッド63を介して「ガチャを引く」旨の入力を行ったとする。すると、指示取得手段563は、ゲーム媒体のダウンロード要求を生成し、通信手段561は、これをサーバ装置2に送信する(ステップS11のYes)。この場合、サーバ装置2の抽選選択手段233ではゲーム媒体の抽選が行われ、ゲーム装置5では当該ゲーム媒体についての保護登録処理(ロック処理)が行われる(ステップS12〜S18)。
具体的に、通信手段561がゲーム媒体を受信すると(ステップS12)、ディスプレイ61上には図4(a)の画面sc1が表示される。この画面sc1には、受信したゲーム媒体が描写されると共に、OKボタンb1aとロック個別設定ボタンb1bとが選択可能に表示される。
ユーザによってロック個別設定ボタンb1bが選択され押下されると(ステップS13のYes)、ロック手段565は、消費可否情報570a〜570cに関係なく、受信したゲーム媒体に対し、ユーザの入力操作に従って消費行動の種類毎に保護登録処理を実行する(ステップS14)。
例えば、ロック個別設定ボタンb1bの押下直後、ディスプレイ61上には図4(b)の画面sc2が表示される。ユーザは、この画面sc2上から、対象のゲーム媒体に対し、消費行動の種類(売却、改造等)それぞれをロック状態またはロック解除状態にする設定を、自由に行うことができる。ロック手段565は、この設定に従って保護登録処理を実行する。
一方、図4(a)においてOKボタンb1aが選択され押下されると(ステップS13のNo)、ロック手段565は、受信されたゲーム媒体の種類を判定し(ステップS15)、判定したゲーム媒体の種類に対応する消費可否情報570a〜570cを選択する(ステップS16)。ロック手段565は、選択した消費可否情報570a〜570cを参照して、対象のゲーム媒体に対し消費行動の種類毎に保護登録処理を行う(ステップS17)。
ステップS14,S17で保護登録処理が実行された後のゲーム媒体は、記憶部55に格納される(ステップS18)。図5に、記憶部55に格納されたデータの概念を一例として表す。図5のデータでは、各ゲーム媒体の名称、種類、レアリティと共に、ステップS14,S17における保護登録処理の結果である保護登録情報(消費行動の種類毎にロック状態か否かが設定された情報)が、1レコードとして記憶されている。
−消費処理−
ユーザは、ゲーム媒体の売却や合成などの消費行動を希望する場合、ディスプレイ61に図6(a)に示す画面sc3を表示させる。画面sc3では、現在記憶部55内に格納されている(即ちユーザが所有する)未消費のゲーム媒体が、選択可能に一覧表示された場合を例示している。この画面sc3から、ユーザは、消費対象とするゲーム媒体とそのゲーム媒体をどのように消費したいか(売却等)を選択(入力)する操作を行う。
前記ユーザの操作に基づくゲーム媒体の消費指示を指示取得手段563が取得した場合(ステップS21のYes)、消費実行手段564は、図5の保護登録情報を参照し、当該ゲーム媒体では、消費指示が示す消費行動が許可されているか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、判定結果が「ロック状態」である場合(ステップS23のYes)、消費実行手段564は、消費指示が示す消費処理の実行を中止する(ステップS24)。この場合、ディスプレイ61上には、例えば図6(b)に示すように、消費行動が実行されない旨の画面sc4がポップアップ表示される。
ステップS22において、判定結果が「ロック解除状態」である場合(ステップS23のNo)、消費実行手段564は、消費指示が示す消費処理を実行する(ステップS25)。
−分類・ソート処理−
ユーザは、複数のゲーム媒体を一括して消費すること(ゲーム媒体の一括売却等)を希望する場合、ディスプレイ61に図7(a)に示す画面sc5を表示させる。画面sc5は、ソート実行指示およびソート条件(例えば、希望する消費行動“売却”にてソートをかける等)を入力するための画面である。
前記画面sc5に基づくソート実行指示等を指示取得手段563が取得した場合(ステップS31のYes)、分類手段567は、記憶部55内に格納されている未消費のゲーム媒体全てを対象として、入力されたソート条件および図5の保護登録情報に基づいて分類およびソートを行う(ステップS32)。
ソート結果は、ディスプレイ61上に表示される(ステップS33)。図7(b)の画面sc6は、ソート結果の表示例である。例えば、希望する消費行動が「売却」であれば、売却が“ロック解除状態”であるゲーム媒体および売却が“ロック状態”であるゲーム媒体それぞれが、レアリティの高い順に並んで一覧表示される。ユーザは、画面sc6を確認後、希望する消費行動の実行指示(消費指示)を入力することができる。
指示取得手段563が前記消費指示を取得した場合(ステップS34のYes)、消費実行手段564は、指示された消費行動が“ロック解除状態”であるゲーム媒体全てについて、一括して消費処理を実行する(ステップS35)。
一方、指示取得手段563が前記消費指示を例えば一定時間内に取得しなかったり、画面sc6から「戻るボタン」がユーザにより選択されたりした場合(ステップS34のNo)、ディスプレイ61に表示される画面は画面sc6から他画面に遷移される。この際、ステップS32のソート結果は消去される(ステップS36)。
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲームに関するゲーム媒体(プレイヤキャラクタ、アイテム等)の消費指示(売却、合成等)を取得する指示取得手段563と、消費指示に基づいて、ゲーム媒体がユーザの所有しない状態となるようにゲーム媒体を消費する消費処理を実行可能な消費実行手段564と、消費処理が実行される前のゲーム媒体に対し、ゲーム媒体が消費される消費行動の種類毎(例えば売却、合成ごと)に消費処理の実行を許可または禁止する保護登録処理を行うロック手段565と、として機能させるものである。
<発明の効果>
本実施形態のゲームプログラムによれば、ゲーム媒体の消費行動の種類に応じて、消費処理の実行が許可または禁止される。そのため、消費指示がなされた場合、その消費指示における消費行動が許可された状態であれば、ゲーム媒体にかかっているロック(禁止状態)をその都度解除する操作をユーザが行わずとも、ゲーム媒体の消費処理が行われる。従って、ゲーム操作の快適性が向上する。
また、保護登録処理はゲーム媒体の取得時に行われる。そのため、ゲーム媒体の取得後、比較的早い段階で消費指示を指示取得手段563が取得しても、誤って消費処理が実行されることを回避できる。
また、保護登録処理にて用いられる消費可否情報570a〜570cは、設定手段566によって予め設定されている。それ故、図3のステップS15〜S17に示すように、ロック手段565は、ゲーム媒体の種類およびレアリティに応じて、自動的に保護登録処理を実行することができる。
また、図3のステップS13〜S14に示すように、ユーザは、前記消費可否情報570a〜570cに関係なく、個々のゲーム媒体に対して保護登録処理を行うこともできる。この場合、ユーザは、個々のゲーム媒体に対し、消費行動の種類に応じて保護登録情報(ロック状態またはロック解除状態)を自由に設定することができる。
また、図3のステップS35に示すように、消費実行手段564は、図5の保護登録情報に基づいて分類およびソートしたゲーム媒体のうち、指示された消費行動がロック解除状態であるゲーム媒体に対して、消費処理を実行する。これにより、ユーザは、同じ消費指示を個々のゲーム媒体について入力せずとも、1回の消費指示の入力によって一括で複数のゲーム媒体の消費処理を実行させることができる。従って、ゲーム操作の快適性は、より向上する。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
ゲーム装置5の種類は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータに限定されない。例えば、ゲーム装置5は、プレイステーション(登録商標)、Nintendo DS(登録商標)等であってもよい。
前記ゲームは、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、パズルゲームなど、様々な種類のゲームに適用することができる。
前記ゲーム媒体は、プレイヤキャラクタ、アイテム、強化素材等の他、カードやアバタ等を含むことができる。
前記ゲーム媒体の消費行動は、ユーザがゲームの進行に応じてゲーム媒体を利用する行動であればよい。従って、前記ゲーム媒体の消費行動の種類には、「売却」「交換」「合成」「強化」の他に、「廃棄」「贈与」「使用」等を含むことができる。
ゲーム装置5の台数は1台であってもよい。また、サーバ装置2は複数台設けられ、協働して同様の処理を行うようにしてもよい。
前記実施形態では、保護登録処理がゲーム媒体の取得時に行われる場合を例示した。しかし、保護登録処理は消費処理の実行前に行われれば良く、前記タイミングに限定されずともよい。
前記実施形態では、図2に示すように、ゲーム媒体およびレアリティの双方に応じて消費可否情報570a〜570cが設定されている場合を例示した。しかし、消費可否情報は、ゲーム媒体およびレアリティのいずれか一方に応じて設定されていてもよい。
前記実施形態では、図3のステップS13〜S17に示すように、保護登録処理が、予め設定された消費可否情報570a〜570cに応じて自動的に実行されるか(ステップS15〜S17)、または消費可否情報570a〜570cに関係なく個々のゲーム媒体に対して行われる(ステップS13〜S14)と説明した。しかし、保護登録処理は、ステップS15〜S17のみ、またはステップS13〜S14のみであってもよい。
前記実施形態では、図3のステップS31〜S36に示すように、分類・ソート処理が実行される場合を例示した。しかし、当該処理は必須ではない。また、当該処理においては、保護登録処理の実行結果に従って分類処理のみがなされ、ソート処理は行われずともよい。
ゲーム装置5の通信手段561は、サーバ装置2から同じゲーム媒体を複数回受信することができる。その場合、ロック手段565は、当該ゲーム媒体を、初めて受信した際と2回目以降に受信した際とで、保護登録処理の内容(どの消費処理は実行を許可し、どの消費処理は実行を禁止するか)を変更することができる。例えば、ロック手段565は、ゲーム媒体の受信が初回であれば、いかなる消費処理も実行を禁止する保護登録処理を行い、ゲー媒体の受信が2回目以降であれば、消費可否情報に応じて保護登録処理を行うことができる。
図3のステップS12では、通信手段561がゲーム媒体を受信すると、ディスプレイ61上には図4(a)の画面sc1が自動的に表示される場合を例示した。しかし、図4(a)の画面sc1の表示自体、特にロック個別設定ボタンb1を表示するか否かを、ユーザが選択できてもよい。
図3のステップS13〜S14で示した、個々のゲーム媒体に対するロック/ロック解除の設定タイミングは、前記実施形態のようにゲーム媒体の受信時には限定されない。例えば、ゲーム装置5がゲーム媒体を実際に受信する前に、ユーザが入手可能なゲーム媒体がディスプレイ61上に一覧表示され、その画面上から、ユーザが各ゲーム媒体の保護登録処理の内容を自由に設定することができる。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
5 ゲーム装置
56 制御部(コンピュータ)
561 通信手段(ゲーム媒体取得手段)
563 指示取得手段
564 消費実行手段
565 ロック手段
566 設定手段
567 分類手段
570a,570b,570c 消費可否情報