JP2019144052A - 検査対象物の点検装置及び点検方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物の状態点検業務の効率化及び省力化を図る。【解決手段】ゴンドラ32に設置された持続的給電が可能な電源部16から有線ケーブル30を介して飛行体20に電力を供給することで飛行体20を飛行させ、飛行体20に搭載した撮像部24が、建物外面部に対し該建物外表面の状態点検箇所を含む領域を撮像し得る位置に飛行体20を飛行させて当該領域を撮像する。次いで指標部14を設けた検出部12により建物外面部の点検情報を検出する。撮像部24で撮像された画像情報に基づいて、撮像画像内の複数の基準点P1、P2、P3、P4の位置に対する指標部14の相対的な位置を外装材4の点検位置情報として生成する。そして点検位置情報と検出部12の点検情報とを関連付けた検査対象物の状態を点検箇所毎に評価する評価情報を生成するようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、建造物の外壁面や内壁面などに相当する検査対象物の状態の検出結果に基づいて検査対象物を点検できるようにした検査対象物の点検装置及び点検方法に関する。
検査対象物の状態を示す情報をその検査対象物の検査箇所の位置情報と関連付けて検査対象物の状態を点検しその点検結果を評価する方法が種々提案されている。
特許文献1には、建物外面部などの検査対象物の状態を点検する検出部の点検結果に基づいて検査対象物の状態を評価して個別評価情報を生成し、検出部に設けられた指標部と検査対象物に設定された複数の基準点とを含む範囲を、足場またはゴンドラ上に設置された撮像部により撮像して画像情報を生成し、撮像部で撮像された画像情報に基づいて、基準点の位置に対する指標部の相対的な位置を示す位置情報を検査対象物の検出箇所の位置情報として生成し、個別評価情報と位置情報とを関連付けた建物評価情報を生成する技術が提案されている。
特開2016−205901号公報
特許文献1に示す技術は、検査対象物の状態を撮像する撮像部は、作業スペースの狭い足場上またはゴンドラ上に三脚または支持部材を利用して設置する方式であるため、撮像部の存在が検査対象物の点検作業や点検結果の記録業務などに支障をきたすほか、点検作業及びその記録業務等(点検業務という)の効率を低下させてしまう。また、検査対象物の点検個所が撮像部の撮像範囲から外れた場合には、その都度、作業員等の人手を利用して撮像部を検査対象物の点検個所に対応するように移動させる必要があり、検査対象物の点検業務の効率を更に低下させてしまう。また、足場上またはゴンドラ上の作業スペースは狭く限定されているため、撮像部と検査対象物の点検個所との離間距離も限定され、その結果、撮像部による検査対象物の撮像エリアも広くとることができず、しかも撮像エリアの調整もできないという不具合がある。
ところで、構造物等の壁面作業においては、作業者がゴンドラ等に乗り込んで所定の作業を進めることが一般的である。しかしながら、この種の作業は、概して多大な時間と労力を必要とするため、作業の省力化が望まれている。
一方、近年では、ドローンなどの飛行体に計測機器やカメラ等を搭載することで、様々な条件下における計測業務や記録業務などを実施するための取り組みが多数提案されている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、検査対象物の状態点検業務の効率化及び省力化を図る上で有利な検査対象物の点検装置及び点検方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、検査対象物の状態の点検結果に基づいて検査対象物を評価する検査対象物の点検装置であって、前記検査対象物の状態を検出して該検査対象物の状態を表わす点検情報を生成する検出部と、前記検出部に設けられ、前記検査対象物の状態点検箇所を指示する指標部と、前記検査対象物に沿って移動する飛行体と、有線ケーブルを介して前記飛行体と連結され前記飛行体に対して持続的電力供給が可能な電源部と、前記飛行体に搭載され、前記検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像して画像情報を生成する撮像部と、前記検査対象物に対して前記飛行体を、前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲が前記撮像部により撮像し得る位置に飛行させる飛行制御部と、前記画像情報に基づいて、前記複数の基準点の位置に対する前記指標部の相対的な位置を前記検査対象物の点検位置情報として生成する点検位置情報生成部と、前記検出部の点検情報と前記点検位置情報とを関連付けた前記検査対象物の状態を評価する評価情報を生成する検査対象物評価情報生成部とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記電源部は、前記検査対象物に沿って上下左右に移動される作業台に配置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記有線ケーブルの長さは、前記電源部が配置される地上からの高さより短いことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記有線ケーブルは、当該有線ケーブルの長さを前記電源部が配置される地上からの高さより短い長さに調整するケーブル長さ調整部を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記飛行体の墜落もしくは落下時に前記ケーブルに作用する落下荷重を吸収する落下荷重緩和部を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記飛行体を支持する支持ロ−プを前記有線ケーブルの全長に沿って設けたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、検査対象物の状態の点検結果に基づいて検査対象物を評価する検査対象物の点検方法であって、前記検査対象物の状態を検出して該検査対象物の状態を表わす点検情報を生成する検出部に前記検査対象物の点検箇所を指示する指標部を設け、前記検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に複数の基準点を設け、持続的給電が可能な電源部に有線ケーブルを介して連結され、かつ撮像部が搭載された飛行体を設け、前記撮像部が前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像し得る位置に前記飛行体を飛行させかつ前記撮像部により前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像して画像情報を生成し、前記画像情報に基づいて、前記複数の基準点の位置に対する前記指標部の相対的な位置を前記検査対象物の点検位置情報として生成し、前記検出部の点検情報と前記点検位置情報とを関連付けた前記検査対象物の状態を評価する検査対象物評価情報を生成することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記電源部は、前記検査対象物に沿って上下左右に移動される作業台に配置されることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記有線ケーブルの長さは、前記電源部が配置される地上からの高さより短いことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記有線ケーブルの長さを前記電源部が配置される地上からの高さより短い長さに調整するケーブル長さ調整部を備えることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、前記ケーブル長さ調整部は、前記飛行体の墜落もしくは落下時に前記有線ケーブルに作用する落下荷重を吸収する落下荷重緩和部を備えることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、前記飛行体を支持する支持ロ−プを前記有線ケーブルの全長に沿って設けたことを特徴とする。
請求項1または7記載の発明によれば、飛行体に持続的給電が可能な電源部から有線ケーブルを介して給電することで飛行体を飛行させ、飛行体に搭載した撮像部で検査対象物の状態点検箇所を含む領域を撮像し、次いで指標部を有する検出部で検査対象物の点検情報を検出する。撮像部で撮像された画像情報に基づいて、撮像画像内の複数の基準点の位置に対する指標部の相対的な位置を検査対象物の点検位置情報として生成する。そして点検位置情報と検出部からの点検情報とを関連付けた検査対象物の状態を点検箇所毎に評価する検査対象物評価情報を生成するようにした。
したがって、検査対象物の状態点検箇所を含む領域を撮像する撮像部の位置を任意に設定することができるとともに、撮像部による検査対象物の長時間撮像を可能にして検査対象物の状態点検業務の効率化及び省力化を図る上で有利となり、併せて検査対象物の状態を的確にかつ効率よく評価する上で有利となる。
請求項2または8記載の発明によれば、電源部を検査対象物の状態点検箇所を含む領域に合わせて移動できる上で有利となる。
請求項3または9記載の発明によれば、飛行体への給電停止もしくは飛行体が飛行不能になって飛行体が落下しても、飛行体が地上と衝突することがなく、飛行体及び撮像部が破損するのを未然に防止できる上で有利となる。
請求項4または10記載の発明によれば、有線ケーブルの長さを、地上から作業台までの高さに応じて任意に調整することが可能になる。
請求項5または11記載の発明によれば、飛行体の不用意な落下に伴う落下荷重力から飛行体及び有線ケーブルを保護することができ、検査対象物の状態点検作業時における飛行体利用の不安要素の払拭を図る上で有利となる。
請求項6または12記載の発明によれば、飛行体の不用意な落下に伴う落下荷重力から飛行体及び有線ケーブルを保護することができ、検査対象物の状態点検作業時における飛行体利用の不安要素の払拭を図る上で有利となる。
第1の実施の形態に係る検査対象物の点検装置を用いてゴンドラ上で検査対象物に対する点検作業の説明図である。 第1の実施の形態に係る検査対象物の点検装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態における状態評価部撮像部の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態において撮像部により建物外面を撮像する場合の説明図である。 検査対象物の点検装置の動作フローチャートである。 第2の実施の形態に係る検査対象物の点検装置を用いてゴンドラ上で検査対象物に対する点検作業の説明図である。 第3の実施の形態に係る検査対象物の点検装置を用いてゴンドラ上で検査対象物に対する点検作業の説明図である。
以下、本発明に係る検査対象物の点検装置及び方法を具現化した実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態である検査対象物の点検装置(以下、点検装置という)10の構成について、図1〜図4を参照して説明する。
なお、本明細書において、検査対象物とは建物や構造物であり、検査対象物が建物であった場合、検査対象物は、建物外面部の他、例えば、室内の天井、壁面、室内のコンクリート躯体などを広く含むものである。
また、本明細書において建物外面とは、建物の最も外側に位置する建物の外面をいい、建物外面部とは、タイルやモルタルなどの外装材が設けられていない場合には、建物外面に加え、この建物外面近くの内部の状態を含むものとする。また、建物外面部とは、タイルやモルタルなどの外装材が設けられている場合には、外装材の表面に加え、外装材の表面の内側の外装材部分や外装材の内側の建物躯体の表面や表面近くの内部を含むものとする。
点検装置10は、外装材4の状態の点検個所の点検結果と建物外面部の点検個所の位置情報に基づいて外装材4の状態を評価するもので、検出部12と、指標部14と、電源部16と、状態評価部18と、飛行体20と、操作盤22と、撮像部24と、距離センサ26とを含んで構成される。
このうち、電源部16、状態評価部18及び操作盤22は、作業員Mが乗り込んで点検作業を行うゴンドラ32内に設置される。また、検出部12は作業員Mによる点検作業に応じてゴンドラ32内に持ち込まれる。また、撮像部24及び距離センサ26は飛行体20に搭載されるものである。
なお、本明細書におけるゴンドラ32は、建物躯体2の外装材4の外表面に沿って上下方向及び左右方向に移動できるように構成された場合について説明するが、これに限らず、固定式または移動式の足場などであってもよい。したがって、本発明の特許請求の範囲ではゴンドラ32や足場などを含めて作業台という。
検出部12は、検査対象物である建物外面部の外装材4の状態を検出して外装材4の状態を点検箇所毎に点検情報を生成するものである。
なお、本実施の形態では、検出部12が検出する検査対象物の状態として、建物躯体2に接着されたタイルなどの外装材4の状態を検出して評価するものである場合について説明するが、検出部12が検出する検査対象物の状態は、外装材4の状態に限定されるものではなく、建物外面部のひび割れ、汚損、空洞、温度など従来公知の様々な状態を検出の対象とすることができる。
また、本実施の形態では、検出部12は、外装材4を打撃した際に発生する打音および振動を点検情報として検出する。
なお、点検装置10が評価する対象が建物外面部のひび割れや汚損であれば、検出部12は建物外面部を撮像してひび割れや汚損を検出する撮像装置で構成されることになる。また、点検装置10が評価する対象が建物外面部の温度であれば、検出部12は建物外面部の温度を検出する温度計で構成されることになる。要するに、検出部12は状態評価部18が評価する対象に対応したものが採用される。
また、本実施の形態では、検出部12により打音および振動が検出される毎にトリガー信号が検出部12から状態評価部18に供給されるように構成されている。
本実施の形態における検出部12は、作業者Mが検出部12を把持して状態を点検すべき外装材4の表面に当て付けて使用される。
指標部14は、検出部12に一体的に設けられる。本実施の形態では、検出部12の筐体1202の外面に設けられている。
なお、指標部14は、撮像部24によって撮像可能であればよく、例えば、記号やマークが付されたシールで指標部14を構成してもよく、点灯あるいは点滅する光源で指標部14を構成してもよい。
指標部14は、後述するように、建物躯体2の外装材4の外表面に設定された複数の基準点P1〜P4(図4)に対する指標部14の相対的な位置を検出するために用いられる。
電源部16は、検出部12及び状態評価部18に給電線1602、1604を介して給電できるように構成されているとともに、飛行体20に対しては、例えば8時間乃至それ以上の時間単位で持続的に電力を供給することが可能な電源で構成されている。
これを実現するための電源としては、蓄電容量の大きな蓄電器やエンジン付き発電機などから構成される電源を用いることが望ましい。そして、飛行体20に対して持続的に電力を供給するために電源部16と飛行体20間を、少なくとも給電用の導電線と複数の通信用の信号線とを組み合わせ、かつ飛行体20の支持を兼ねた複合型の有線ケーブル30により接続することが好ましい。
また、有線ケーブル30の長さは、図1に示すように、地上からゴンドラ32までの高さ、すなわち電源部16が配置される地上からの高さより短い長さに設定されている。その理由は、電源部16から飛行体20への電力供給が停止したり、もしくは飛行体20の故障により飛行が不能になって飛行体20が墜落または落下した場合、飛行体20が地上と衝突して破損するのを未然に防止するためである。
状態評価部18は、図3に示すように、点検位置情報生成部1802と、検出対象物評価情報生成部1804と、記憶部1806と、表示制御部1808と、表示部1810とを含んで構成される。そして、状態評価部18には、電源部16から給電線1604を介して給電できるように構成されている。
点検位置情報生成部1802は、飛行体20に搭載された撮像部24で撮像された画像情報に基づいて、この撮像画像内にある複数の基準点P1〜P4の位置に対する指標部14の相対的な位置を、外装材4の点検箇所毎の点検位置情報として生成するものである。
検出対象物評価情報生成部1804は、点検位置情報生成部1802からの点検位置情報と検出部12からの点検情報とを関連付けた検査対象物の状態を点検箇所毎に評価する評価情報を生成するものである。
本実施の形態では、評価情報は、建物外面部の状態を評価するものであり、検出対象物評価情報生成部1804は、検出部12で検出された点検情報に基づいて剥離の有無、空洞の位置(深さ)の情報、すなわち、建物外面部の状態である外装材4の状態(言い換えると検査対象物の状態を示す情報)を示す情報を生成すると共に、それら情報と点検位置情報生成部1802からの点検位置情報とを関連付けて評価情報を生成する。
記憶部1806は、撮像部24で撮像された画像情報と検査対象物評価情報生成部1804からの評価情報とを関連付けて記憶するものである。
表示部1810は、画像を表示するものである。
表示制御部1808は、表示部1810に、画像情報に基づいて建物外面の画像を表示部1810に表示させると共に、点検位置情報によって特定される建物外面の画像上の箇所に、点検位置情報に関連付けられた点検箇所の評価情報を表示させる。すなわち、表示部1810に表示された建物外面の画像に重ね合わせて点検箇所の評価情報を表示させる。
本実施の形態では、表示部1810による点検箇所の評価情報の表示は、点検箇所の評価情報をその評価内容に対応付けられた複数種類の色を呈するマークで表示することによってなされる。
例えば、外装材4の剥離が有る箇所は赤色のマークで、外装材4の剥離が無い箇所は青色のマークで表示する。
また、外装材4の背面の空洞の位置が浅いほど赤色の濃度を濃くし、外装材4の背面の空洞の位置が深いほど赤色の濃度を薄くしたマークで表示する。なお、評価結果の表示は色の濃淡や種類によって限定されるものではなく、後述するように、建物外面部の状態の検出結果を示す生データや建物外面部の状態の検出結果を表す数値や建物外面部の状態の検出結果を表す情報など従来公知の様々な方法を選択してもよい。
飛行体20は、図1及び図2に示すように、検査対象物、すなわち建物躯体2の外装材4の外表面に沿って、言い換えると、撮像部24によって検査対象物および指標部14を撮像できるように移動するものである。
飛行体20には撮像部24と距離センサ26が搭載され、さらに飛行体20は、飛行制御部2002と、複数の回転翼2004と、複数の回転翼2004を別々に駆動する複数の直流モータ2006と、ジャイロセンサ2008と、加速度センサ2010と、電力供給部2012を含んで構成されている。
飛行体20の飛行操作は、例えばゴンドラ32内に配置される操作盤22により行われる。
電力供給部2012は、撮像部24、距離センサ26、飛行制御部2002及び複数の直流モータ2006のそれぞれに必要なレベルの直流電圧に変換して電力を供給するもので、公知のDC−DCコンバータから構成されている。また、電力供給部2012は、有線ケーブル30に組み込まれている給電用の導電線3006を介して電源部16に接続されている。
なお、図示省略したが、ジャイロセンサ2008及び加速度センサ2010にも電力供給部2012からそれぞれに対応する直流電力を供給できるように構成されている。
飛行体20の飛行制御部2002と操作盤22との間は、有線ケーブル30に組み込まれている信号線3002を用いて接続される。そして、ゴンドラ32上の作業者Mが操作盤22を操作することで発する操縦信号を信号線3002を通して飛行制御部2002に送信することにより飛行体20を飛行するように構成されている。
なお、飛行体20の飛行操作に無線方式の操作盤を使用することも可能である。この場合、無線方式は操作盤から発信される操作信号が周囲の通信機器に悪影響を及ぼすことがある。したがって、本実施の形態で述べた有線方式の操作盤22を使用することは、周囲の通信機器に通信障害を及ぼさないという点で有利となる。
撮像部24は、建物躯体2の外装材4の外表面において互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点P1〜P4と指標部14とを含む範囲を撮像して画像情報を生成するものである。
撮像部24としては、CCDカメラや赤外線カメラなどの静止画あるいは動画を撮像可能な従来公知の様々な撮像装置が使用可能である。本実施の形態では、撮像部24が常時一定の時間間隔(例えば0.1秒単位)で静止画を撮像するものとするが、撮像部24が動画を撮像するものであってもよい。
ここで、基準点について説明する。
本実施の形態では、図4に示すように、建物躯体2に複数の外装材4としてのタイルが接着剤により接着されている場合について説明する。
図中、符号Aは撮像部24によって撮像可能な撮像範囲を示している。
本実施例では、外装材4の表面に4つの基準点P1、P2、P3、P4が設けられている。
各基準点P1、P2、P3、P4は、撮像部24によって撮像可能であればよく、例えば、記号やマークが付されたシールを外装材4の表面に設けて各基準点を構成してもよく、点灯あるいは点滅する光源を外装材4の表面に取着して各基準点を構成してもよい。
そして、各基準点P1、P2、P3、P4は、それらの座標位置が既知となっている。例えば、基準点P1を原点(0,0)とした、この原点を通る互いに直交するX軸、Y軸を設定したときに、他の基準点P2、P3、P4の位置はX座標、Y座標の値がmm単位で既知となっている。
ここで、指標部14の位置は、各基準点P1、P2、P3、P4のうち少なくとも2つの基準点を基にして三角測量の方法によって特定することができる。
なお、撮像部24の撮像範囲A内にある外装材4の状態点検が終了した場合は、例えば外装材4の状態点検を要する領域にゴンドラ32及び飛行体20の一方または両方を移動し、図4に示す場合と同様な複数の基準点を設けた撮像範囲を撮像部24が撮像し得るように飛行体20を飛行する。このような方式を採ることにより、建物躯体2の外装材4全域の状態点検を行うことができる。
距離センサ26は、飛行体20と外装材4の外表面との距離を検出するものである。
距離センサ26として、超音波パルス反射法または赤外線パルス反射法を用いた公知の距離センサが使用可能である。
飛行制御部2002は、操作盤22の操作に伴う操縦信号及び距離センサ26で計測された距離データに基づいて飛行体20を、外装材4の外表面(検査対象物)に沿って、言い換えると、撮像部24によって外装材4の外表面(検査対象物)を撮像できるように飛行運転させ、さらに、飛行体20を外装材4の外表面の複数の基準点、例えば2つの基準点P1、P2と指標部14とを含む範囲が撮像部24により撮像し得る位置に移動しかつ当該位置に飛行体20を停止制御(ホバリング)するものである。
複数の直流モータ2006は、飛行制御部2002からの飛行指令信号に基づいて駆動され、これら複数の直流モータ2006に別々連結された複数の回転翼2004を回転することで飛行体20の飛行を可能にしている。
さらに、飛行制御部2002は、飛行体20の飛行時にジャイロセンサ2008及び加速度センサ2010からの信号を受けることにより、撮像部24が複数の基準点、例えば2つの基準点P1、P2と指標部14とを含む範囲を安定して撮像し得るように飛行体20を姿勢制御するように構成されている。
図3に示す点検位置情報生成部1802、検出対象物評価情報生成部1804、記憶部1806、表示制御部1808及び表示部1810と、飛行制御部2002は、コンピュータ、例えば、作業員が携帯可能なタブレット端末で構成される。
コンピュータは、CPU、ROM、RAM、タッチパネル、ディスプレイ装置、入出力インターフェースなどを有している。
ROMは例えばフラッシュメモリなどで構成され、制御プログラムなどを格納し、RAMはワーキングエリアを提供するものである。
CPUが制御プログラムを実行することで点検位置情報生成部1802、検出対象物評価情報生成部1804、表示制御部1808及び飛行制御部2002が実現される。
また、ROMあるいはRAMは記憶部1806として機能する。また、キーボードおよびマウスは、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ装置は、画像を表示するものであり、例えば、液晶表示装置などで構成され、表示部1810として機能する。
次に、図5のフローチャートを参照して点検装置10の動作について説明する。
まず、図1に示すように、電源部16、タブレット端末等から構成される状態評価部18、検出部12及び飛行体20をゴンドラ32内に積み込み、これら状態評価部18、検出部12及び飛行体20を電源部16に接続し、検出部12及び撮像部24、距離センサ26、飛行制御部2002、ジャイロセンサ2008及び加速度センサ2010を作動状態に設定する(ステップS10)。
この状態で、図示省略した公知の壁クレーンなどにより、ゴンドラ32を建物躯体2の外装材4の状態点検領域に移動する(ステップS12)。
次に、図4に示すように、点検対象となる建物躯体2に設けられた外装材4の表面に複数の基準点P1、P2、P3、P4を設定する(ステップS14)。
この際、各基準点P1、P2、P3、P4の位置は実測されており既知となっている。
次に、作業者Mは、操作盤22を操作することにより飛行制御部2002に飛行指令信号を送り、直流モータ2006を駆動し回転翼2004を回転することで飛行体20をゴンドラ32上から浮上させ、かつ撮像部24によって撮像される撮像範囲Aに、各基準点P1、P2、P3、P4の全てが撮像されるように飛行体20を移動し、当該位置に飛行体20をホバリング状態に停止する(ステップS16)。
この場合、撮像部24で撮像された画像情報は、表示制御部1808により表示部1810に表示される。したがって、作業者Mは表示部1810に表示される画像を見ながら飛行体20を飛行制御することより、飛行体20を撮像範囲Aに正確に合わせることが可能になる。
また、飛行体20と外装材4の表面との間の距離は距離センサ26により計測され、この計測位置に飛行体20が静止するように制御される。同時に、飛行体20は、ジャイロセンサ2008及び加速度センサ2010により、撮像部24が複数の基準点、例えば2つの基準点P1、P2と指標部14とを含む撮像範囲Aを安定して撮像し得るように飛行体20の姿勢も制御される。
次に、作業者Mは、検出部12を把持し検出部12を点検対象となる外装材4の表面に当接させる(ステップS18)。
なお、図1に示すように、ゴンドラ32は、作業者Mが把持した検出部12を点検対象となる外装材4の表面の広い範囲にわたって容易に移動させることができるに足る大きさで構成されている。
次に、作業者Mが検出部12を操作することにより、外装材4の表面が打撃され打音や振動が検出され、その検出結果を基に外装材4の点検情報を生成する(ステップS20)。
状態評価部18を構成する点検位置情報生成部1802では、撮像部24で撮像された画像情報に基づいて、この撮像画像内にある複数の複数の基準点、例えば2つの基準点P1、P2の位置に対する指標部14の相対的な位置を外装材4の点検位置情報として生成する(ステップS22)。
検出対象物評価情報生成部1804は、点検位置情報生成部1802からの点検位置情報と検出部12からの点検情報とを関連付けた検査対象物の状態を点検箇所毎に評価する評価情報を生成する(ステップS24)。本実施の形態では、評価情報は、検査対象物の状態を示す情報、外装材4の剥離の有無、空洞の位置を含む。
次に、検出対象物評価情報生成部1804で生成された評価情報は記憶部1806に格納される(ステップS26)。
次いで、作業者Mは、撮像範囲A内に次に評価を行うべき外面箇所の有無を判断し(ステップS28)、撮像範囲A内に次に評価すべき外面箇所があれば、ステップS18に戻り同様の点検動作を行う。また撮像範囲A内に評価すべき外面箇所の状態の点検が全て完了したと判断されたなら、外装材4の状態点検がなされていない領域の有無を判断し(ステップS30)、外装材4の状態点検がなされていない領域が有りと判断されたならば、次のステップS32に移行する、このステップS32では、ゴンドラ32及び飛行体20の一方または両方を状態点検がなされていない領域に移動し、図2に示す場合と同様な複数の基準点を設けた撮像範囲を撮像部24で撮像する。
また、外装材4の状態点検がなされていない領域がなしと判断されたならば、すなわち、建物外面部の状態の点検が全て完了したならば、コンピュータのキーボードあるいはマウスを操作することで一連の操作が終了した旨を表示部1810に表示する。
これにより、表示制御部1808は、記憶部1806に格納されている画像情報に基づいて建物躯体2の画像を表示部1810に表示させると共に、記憶部1806に格納されている位置情報によって特定される建物躯体2の画像上の箇所に、位置情報に関連付けられた評価情報を表示させ(ステップS34)、一連の動作を終了する。
この結果、外装材4の剥離が有る箇所は赤色のマークが当該外装材4の画像に重ね合わせて表示される。また、外装材4の剥離が無い箇所は青色のマークが当該外装材4の画像に重ね合わせて表示される。
また、外装材4の背面の空洞の位置が浅いほど赤色の濃度が濃いマークで表示され、外装材4の背面の空洞の位置が深いほど赤色の濃度を薄くしたマークで表示される。
なお、本実施の形態では、画像情報と位置情報と検出対象物評価情報とを表示部1810の表示画面上に表示する場合について説明したが、コンピュータにプリンタ装置を接続し、画像情報と位置情報と検出対象物評価情報とを印刷媒体上に印刷により表示させるようにしてもよいことは無論である。この場合、表示部26はプリンタ装置によって構成されることになる。
以上説明したように本実施の形態によれば、ゴンドラ32に設置された持続的給電が可能な電源部16から有線ケーブル30を介して飛行体20に電力を供給することで飛行体20を飛行させ、飛行体20に搭載した撮像部24が、建物外面部に対し該建物外表面の状態点検箇所を含む領域を撮像し得る位置に飛行体20を飛行制御して当該領域を撮像する。また、指標部14を設けた検出部12により建物外面部の点検情報を検出する。そして、撮像部24で撮像された画像情報に基づいて、撮像画像内の複数の基準点P1、P2、P3、P4の位置に対する指標部14の相対的な位置を外装材4の点検位置情報として生成し、さらに、点検位置情報と検出部12からの点検情報とを関連付けた検査対象物の状態を点検箇所毎に評価する評価情報を生成するようにした。
したがって、建物外表面の状態点検箇所を含む領域を撮像する撮像部24の位置をゴンドラ32外から任意に設定することができるとともに、従来のように、撮像部24の設置場所をゴンドラ32に設ける必要がなくなり、ゴンドラ32内を有効使用できる上で有利となる。
また、持続的給電が可能な電源部16を用いて飛行体20に給電することにより、蓄電池内蔵式の飛行体に比して飛行体20の飛行時間を大幅に増大することができ、これに伴い撮像部24による建物外表面の撮像を長時間に亘り持続して行うことができ、検査対象物の状態点検業務の効率化及び省力化を図る上で有利となる。
さらに、本実施の形態によれば、表示部26に建物外面の画像を表示させると共に、位置情報によって特定される建物外面の画像上の箇所に、位置情報に関連付けられた評価情報を表示するようにしたので、検査対象物の状態の点検情報を評価した評価情報に基づいて建物外面部の状態を的確にかつ効率よく評価する上で有利となる。
また、電源部16は検査対象物の建物外表面に沿って移動されるゴンドラ32上に設置されているため、検査対象物の状態点検箇所を含む領域も合わせて移動できる上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、飛行体20の故障または飛行体20への電力供給ができなくなるなどして飛行体20の飛行が不能になった場合、撮像部24を含む飛行体20は地上に向けて落下することになるが、本実施の形態では、ゴンドラ32上の電源部16と飛行体20との間を連結する有線ケーブル30の長さを、電源部16が設置されるゴンドラ32から地上までの高さより短い長さに設定しているので、図1の仮想線で示すように、撮像部24を含む飛行体20は地上に向けて落下しても、飛行体20の落下距離は有線ケーブル30により規制され、地上に衝突することない。すなわち、電源部から飛行体20への電力供給が停止したり、もしくは飛行体20の故障により飛行体20の飛行が不能になって飛行体20が落下しても、飛行体20は地上と衝突することがなく、飛行体20及び撮像部24が破損するのを未然に防止できる上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図6を参照して説明する。
なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態において第1の実施の形態と異なる点は、有線ケーブル30にケーブル長さ調整部34と、落下荷重緩和部36を付加したところにある。
以下,図6を参照して詳細に説明する。
ケーブル長さ調整部34は、有線ケーブル30の長さを電源部16が設置されるゴンドラ32の地上からの高さより短い長さに調整するもので、有線ケーブル30の巻き取り及び繰り出し方向に回転するハンドル3416付きのリール3402を備える。
リール3402は、ゴンドラ32内に設置された枠体38に支持軸3406を介して回転可能に軸支されている。
リール3402の巻き胴3408に巻回された有線ケーブル30の巻き始め端は巻き胴3408に固定されている。
また、有線ケーブル30の巻き始め端から引き出される図示省略の各給電用の導電線及び通信用の信号線(図2に示す信号線3004及び導電線3006に相当する)は、枠体38に取着したスライド式接触部3410に接続されている。
さらに、スライド式接触部3410を介して、上記図示省略の給電用の導電線と接続される給電用の導電線3412が枠体38内に設置された電源部16に接続される。また、スライド式接触部3410を介して、上記図示省略の通信用の信号線と接続される線3414は通信用の信号線として使用される。
落下荷重緩和部36は、飛行体20の墜落もしくは落下時に有線ケーブル30に作用する落下荷重力が時間の経過と共に減少するように、落下荷重力でケーブル繰り出し方向に回転されるリール3402を制動して有線ケーブル30にかかる落下荷重力を緩和するものである。
落下荷重緩和部36は、リール3402の一方の円板状縁部3418に対して、図6の矢印に示す離接方向に移動するように枠体38に設けられた制動体3602を備えている。
さらに、制動体3602の円板状縁部3418の外周面と対向する箇所には、有線ケーブル30に作用する落下荷重力でリール3402がケーブル繰り出し方向に回転するのを抑制するブレーキシュー3604が設けられている。このブレーキシュー3604を円板状縁部3418の外周面に圧接することで制動できるように構成されている。
なお、落下荷重緩和部36によってリール3402に加えられるブレーキ力は、ブレーキシュー3604をリール3402の円板状縁部3418の外周面に対する圧接力によって設定される。
したがって、落下荷重緩和部36により設定されるリール3402へのブレーキ力は、飛行体20の通常の飛行時に有線ケーブル30に作用するケーブル引っ張り荷重が作用しても、リール3402がケーブル繰り出し方向に回転しないブレーキ力に設定される。
すなわち、落下荷重緩和部36によるリール3402へのブレーキ力は、飛行体20の墜落もしくは落下時に生じる落下荷重力が有線ケーブル30に作用した場合にリール3402がケーブル繰り出し方向に回転し得る値に設定されていることが望ましい。
なお、ケーブル長さ調整部34により有線ケーブル30の長さを調整する場合は、ブレーキシュー3604を円板状縁部3418の外周面から離間して、リール3402を非制動状態に保持し、リール3402に設けたハンドル3416を用いてリール3402をケーブル巻き取り方向またはケーブル繰り出し方向に回転することで可能になる。
第2の実施の形態においては、電源部16と飛行体20との間を連結する有線ケーブル30の長さを、地上からゴンドラ32までの高さより短い長さに調整する場合は、ケーブル長さ調整部34のリール3402をハンドル3416によりケーブル巻き取り方向またはケーブル繰り出し方向に回転することによりなされる。そして、有線ケーブル30の長さが、地上からゴンドラ32までの高さより短い長さに調整されたならば、落下荷重緩和部36の制動体3602を操作してブレーキシュー3604を円板状縁部3418の外周面に圧接し、リール3402が安易に回転しないようにブレーキをかけておく。この状態で飛行体20を飛行させて、検査対象物の状態点検を実行する。
また、ケーブル長さ調整部34により有線ケーブル30の長さを、地上からゴンドラ32までの高さに応じて任意に調整することが可能になる。
検査対象物の状態点検中において、飛行体20の故障または飛行体20への電力供給ができなくなるなどして飛行体20の飛行が不能になると、撮像部24を含む飛行体20は地上に向けて落下する。ここで、ゴンドラ32上の電源部16と飛行体20との間を連結する有線ケーブル30の長さは、電源部16が設置されるゴンドラ32から地上までの高さより短い長さに設定されているので、撮像部24を含む飛行体20がゴンドラ32の高さ位置から地上に向けて落下しても、飛行体20は地上と衝突することがなく、飛行体20及び撮像部24の破損を未然に防止できる。
一方、飛行体20の落下時に、有線ケーブル30にかかる撮像部24を含む飛行体20の落下荷重力が、落下荷重緩和部36の制動体3602によってリール3402に加えられているブレーキ力を超えると、このブレーキ力に抗してリール3402がケーブル繰り出し方向に回転する。これにより、落下時に飛行体20及び有線ケーブル30に作用する落下荷重力を吸収し緩和することになる。
したがって、飛行体20の飛行不能による落下時に飛行体20が地上に衝突するのを未然に防止し得るとともに、飛行体20の不用意な落下に伴う落下荷重力から飛行体20及び有線ケーブル30を保護することができ、建物外表面の状態点検作業時における飛行体20利用の不安要素の払拭を図る上で有利となる。
なお、本発明における落下荷重緩和部36は、上記第2の実施の形態で述べたものに限定されない。例えば、リール内に渦巻きスプリングを組み込み、渦巻きスプリングの弾性的縮径作用を利用して飛行体20及び有線ケーブル30にかかる落下荷重力を吸収するようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について図7を参照して説明する。
なお、第3の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
第3の実施の形態において第1の実施の形態と異なる点は、飛行体20の支持ロープ40及び落下荷重緩和部42を付加したところにある。
以下,図7を参照して詳細に説明する。
支持ロープ40は、有線ケーブル30に加えて飛行体20を支持するもので、有線ケーブル30の全長に沿って配置されている。
また、支持ロープ40の長さは、有線ケーブル30の長さより短い長さに構成されている。さらに、有線ケーブル30と支持ロープ40は、支持ロープ40全長に亘り結束バンド44により一定の間隔で結束されている。
このように構成された支持ロープ40の一端は飛行体20に固着され、支持ロープ40の他端は落下荷重緩和部42を介してゴンドラ32に固着されている。
落下荷重緩和部42は、飛行体20の墜落もしくは落下時に有線ケーブル30に作用する落下荷重力を吸収するものであり、弾性的伸縮力を有する弾性体、例えばコイルスプリングから構成されている。
第3の実施の形態にかかる検査対象物の状態点検中において、飛行体20の故障または飛行体20への電力供給ができなくなるなどして飛行体20の飛行が不能になると、撮像部24を含む飛行体20は地上に向けて落下する。
ここで、結束バンド44で有線ケーブル30と一体に結束された支持ロープ40の長さは、有線ケーブル30の長さより短い長さに設定されている。このため、撮像部24を含む飛行体20がゴンドラ32の高さ位置から地上に向けて落下した場合、撮像部24を含む飛行体20の落下荷重力は支持ロープ40に負荷される。その結果、飛行体20は地上と衝突することがなく、飛行体20及び撮像部24の破損を未然に防止できる。
一方、飛行体20の落下時に、支持ロープ40にかかる撮像部24を含む飛行体20の落下荷重力は、支持ロープ40を介してコイルスプリングなどから構成される落下荷重緩和部42に作用する。これに伴い、支持ロープ40にかかる落下荷重力は、有線ケーブル30に作用することなく落下荷重緩和部42、例えばコイルスプリングの伸長作用により吸収される。これにより、落下時に飛行体20及び有線ケーブル30に作用する落下荷重力を吸収し緩和することになる。
したがって、飛行体20の地上への衝突を未然に防止し得るとともに、飛行体20の不用意な落下に伴う落下荷重力から、有線ケーブル30及び撮像部24を含む飛行体20を保護することができ、建物外表面の状態点検作業時における飛行体20利用の不安要素の払拭を図る上で有利となる。
2 建物躯体
4 外装材
10 点検装置
12 検出部
14 指標部
16 電源部
18 状態評価部
1802 点検位置情報生成部
1804 検出対象物評価情報生成部
1806 記憶部
1808 表示制御部
1810 表示部
20 飛行体
24 撮像部
30 有線ケーブル
32 ゴンドラ(作業台)
34 ケーブル長さ調整部
36 落下荷重緩和部
40 支持ロープ
42 落下荷重緩和部

Claims (12)

  1. 検査対象物の状態の点検結果に基づいて検査対象物を評価する検査対象物の点検装置であって、
    前記検査対象物の状態を検出して該検査対象物の状態を表わす点検情報を生成する検出部と、
    前記検出部に設けられ前記検査対象物の状態点検箇所を指示する指標部と、
    前記検査対象物に沿って移動する飛行体と、
    前記飛行体と有線ケーブルを介して連結され、前記飛行体に対して持続的電力供給が可能な電源部と、
    前記飛行体に搭載され、前記検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像して画像情報を生成する撮像部と、
    前記検査対象物に対して前記飛行体を、前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲が前記撮像部により撮像し得る位置に飛行させる飛行制御部と、
    前記撮像部で撮像された前記画像情報に基づいて、前記複数の基準点の位置に対する前記指標部の相対的な位置を前記検査対象物の点検位置情報として生成する点検位置情報生成部と、
    前記検出部での点検情報と前記点検位置情報とを関連付けた前記検査対象物の状態を評価する評価情報を生成する検査対象物評価情報生成部と、
    を備えることを特徴とする検査対象物の点検装置。
  2. 前記電源部は、前記検査対象物に沿って上下左右に移動される作業台に配置される、
    ことを特徴とする請求項1記載の検査対象物の点検装置。
  3. 前記有線ケーブルの長さは、前記電源部が配置される地上からの高さより短い、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の検査対象物の点検装置。
  4. 前記有線ケーブルは、当該有線ケーブルの長さを前記電源部が配置される地上からの高さより短い長さにケーブル長さを調整する調整部を備える、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の検査対象物の点検装置。
  5. 前記飛行体の墜落もしくは落下時に前記有線ケーブルに作用する落下荷重を吸収する落下荷重緩和部を備える、
    ことを特徴とする請求項4記載の検査対象物の点検装置。
  6. 前記飛行体を支持する支持ロ−プを前記有線ケーブルの全長に沿って設けた、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の検査対象物の点検装置。
  7. 検査対象物の状態の点検結果に基づいて検査対象物を評価する検査対象物の点検方法であって、
    前記検査対象物の状態を検出して該検査対象物の状態を表わす個別点検情報を生成する検出部に前記検査対象物の状態点検箇所を指示する指標部を設け、
    前記検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に複数の基準点を設け、
    持続的給電が可能な電源部に有線ケーブルを介して連結され、かつ撮像部が搭載された飛行体を設け、
    前記撮像部が前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像し得る位置に前記飛行体を飛行させかつ前記撮像部により前記複数の基準点と前記指標部とを含む範囲を撮像して画像情報を生成し、
    前記撮像部で撮像された前記画像情報に基づいて、前記複数の基準点の位置に対する前記指標部の相対的な位置を前記検査対象物の点検位置情報として生成し、
    前記検出部の点検情報と前記点検位置情報とを関連付けた前記検査対象物の状態を評価する評価情報を生成する、
    ことを特徴とする検査対象物の点検方法。
  8. 前記電源部は、前記検査対象物に沿って上下左右に移動される作業台に配置される、
    ことを特徴とする請求項7記載の検査対象物の点検方法。
  9. 前記有線ケーブルの長さは、前記電源部が配置される地上からの高さより短い、
    ことを特徴とする請求項7または8記載の検査対象物の点検方法。
  10. 前記有線ケーブルの長さを前記電源部が配置される地上からの高さより短い長さに調整するケーブル長さ調整部を備える、
    ことを特徴とする請求項7から9の何れか1項記載の検査対象物の点検方法。
  11. 前記飛行体の墜落もしくは落下時に前記有線ケーブルに作用する落下荷重を吸収する落下荷重緩和部を備える、
    ことを特徴とする請求項10記載の検査対象物の点検方法。
  12. 前記飛行体を支持する支持ロ−プを前記有線ケーブルの全長に沿って設けた、
    ことを特徴とする請求項7から11の何れか1項記載の検査対象物の点検方法。
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