以下に、本発明の実施の形態にかかる壁面計測システムおよび壁面計測方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる壁面計測システムで外壁面が計測されるビルの一例を示す図である。図2は、図1の部分拡大図である。図1に示す壁面計測システム1は、ビル2の外壁3の表面である外壁面4の3次元形状および2次元画像を計測する。
ビル2は、例えば、高層ビルであり、ビル2の外壁3には、複数のレール51~548が各々鉛直方向に沿って敷設されている。以下、複数のレール51~548の各々を個別に区別せずに示す場合、レール5と記載する場合がある。
図1に示す例では、各レール5は、ビル2の外壁3から突出した形状であるが、ビル2の外壁3の内部に溝によって形成されていてもよい。また、各レール5は、ゴンドラ7がレール5の延在方向に繰り返し移動可能な機能を有していればよく、各レール5の形状は上述した形状に限定されない。また、図1に示す例では、レール5は鉛直方向に延在するが、各レール5の延在方向は、図1に示す例に限定されない。例えば、各レール5は、水平方向に延在するように外壁3に敷設されていてもよい。
壁面計測システム1は、移動体の一例であるゴンドラ7の予め定められた位置に配置される。ゴンドラ7にはワイヤロープ81の一端が取り付けられており、かかるワイヤロープ81の他端はクレーン80に固定される。クレーン80は、ワイヤロープ81を不図示のリールから引き出すことによって、ゴンドラ7をレール5に沿って下方へ直線的に移動させることができる。また、クレーン80は、ワイヤロープ81を不図示のリールで巻き取ることによって、ゴンドラ7を上方に直線的に移動させることができる。また、ビル2の屋上にはレール8が敷設されており、かかるレール8に沿ってクレーン80がビル2の屋上を移動可能である。
なお、ゴンドラ7を移動させる駆動装置は、クレーン80およびワイヤロープ81に限定されず、レール5に回転可能に取り付けられるタイヤを伝達機構を介して回転させるモータなどを有する回転駆動装置であってもよい。伝達機構は、例えば、ギア、ベルト、またはチェーンなどである。なお、ゴンドラ7を移動させる駆動装置は、レール5に移動可能に取り付けられるキャタピラを伝達機構を介してモータによって駆動する構成であってもよい。また、ゴンドラ7を移動させる駆動装置は、プッシュロッドまたはプルロッドなどを有する構成であってもよい。
壁面計測システム1を用いて計測作業を行う作業者は、壁面計測システム1によって外壁面4が計測されている間、ゴンドラ7に乗っていても乗っていなくてもよい。また、ゴンドラ7は、例えば、窓清掃用のゴンドラであるが、壁面計測システム1によって外壁面4の計測を行うための専用のゴンドラであってもよい。また、壁面計測システム1が配置される移動体は、レール5に取り付けられてレール5に沿って移動可能な構成であればよく、ゴンドラに限定されない。
壁面計測システム1は、ゴンドラ7が移動している期間において、ビル2の外壁面4のうちレール5間の領域の3次元形状および2次元画像を計測する。ゴンドラ7が図1に示す位置にある場合、ゴンドラ7はレール52,53に移動可能に取り付けられレール52,53を走行路として移動するため、壁面計測システム1は、ビル2の外壁面4のうちレール52,53間の領域62を計測する。
ゴンドラ7がレール51,52に移動可能に取り付けられレール51,52で構成される走行路に沿って移動する場合、壁面計測システム1は、外壁面4のうちレール51,52間の領域61を計測する。また、ゴンドラ7がレール514,515に移動可能に取り付けられるがレール514,515で構成される走行路に沿って移動する場合、壁面計測システム1は、外壁面4のうちレール514,515間の領域614を計測する。外壁面4には、複数の領域61~644が含まれる。以下、複数の領域61~644を各々個別に区別せずに示す場合、領域6と記載する場合がある。
作業者は、ゴンドラ7を取り付ける2つのレール5の組み合わせを変更する毎に、ゴンドラ7を鉛直方向に移動させながら壁面計測システム1を動作させる。これにより、複数の領域61~644が壁面計測システム1によって計測される。壁面計測システム1は、計測した複数の領域61~644の3次元形状を結合することで、外壁面4の全体的な3次元形状のデータである3次元全体形状データを生成する。また、壁面計測システム1は、計測した複数の領域61~644の2次元画像を結合することで、外壁面4の全体的な2次元画像のデータである2次元全体画像データを生成する。
図1に示す例では、ゴンドラ7は、2つのレール5に取り付けられ、かかる2つのレール5で構成される走行路に沿って上下方向に移動可能であるが、1つのレール5に取り付けられ、かかる1つのレール5によって構成される走行路に沿って移動する構成であってもよい。また、ゴンドラ7は、3つ以上のレール5に取り付けられ、かかる3つ以上のレール5で構成される走行路に沿って移動する構成であってもよい。
なお、壁面計測システム1は、隣接するレール5間の領域6よりも大きな領域を計測する構成であってもよい。例えば、ゴンドラ7がレール5で構成される走行路に沿って移動する場合、壁面計測システム1は、2つの領域6または3つ以上の領域6を計測する構成であってもよい。また、ゴンドラ7がレール52,53で構成される走行路に沿って移動する場合、壁面計測システム1は、領域61の図1における左半分と、領域62と、領域63の図1における右半分とを計測する構成であってもよい。このように、ゴンドラ7がレール5を移動中に壁面計測システム1が計測する領域は、1つの領域6に限定されず、壁面計測システム1は、複数の領域6に跨って計測を行うことができる。壁面計測システム1は、複数の領域6に跨って計測を行うことによって、計測作業の負担を軽減することができる。
図2に示すように、壁面計測システム1は、ゴンドラ7の移動量および移動位置を計測する移動状態計測装置10と、外壁面4の3次元形状および2次元画像を計測する壁面計測装置11と、ゴンドラ7の緯度および経度を検出する位置検出装置12と、処理装置13とを備える。移動状態計測装置10は、移動状態計測部の一例であり、壁面計測装置11は、壁面計測部の一例である。位置検出装置12は、位置検出部の一例である。
処理装置13は、移動状態計測装置10、壁面計測装置11、および位置検出装置12の各々の計測結果に基づいて、外壁面4の全体的な3次元形状を示す3次元全体形状データと外壁面4の全体的な2次元画像を示す2次元全体画像データとを生成する。なお、位置検出装置12は、後述するように設けられなくてもよい。
壁面計測システム1は、位置が既知のレール5に取り付けられるゴンドラ7に配置される。そのため、作業者は、ビル2の設計図または竣工図などを参照することによって、ゴンドラ7が取り付けられたレール5の位置からビル2の外壁面4と計測された領域6との位置関係を迅速かつ正確に把握することができる。
移動状態計測装置10は、例えば、レーザドップラセンサを含む。レーザドップラセンサは、物体にレーザ光を照射し、照射したレーザ光が物体で散乱した光である散乱光を受光する。レーザドップラセンサは、かかる散乱光からドップラ周波数を計測し、計測したドップラ周波数から物体の移動量を算出する。移動状態計測装置10は、レーザドップラセンサに代えて、例えば、マイクロ波ドップラセンサを含む構成であってもよい。
移動状態計測装置10は、計測したゴンドラ7の移動量を示す移動量データを壁面計測装置11へ繰り返し出力する。また、移動状態計測装置10は、計測したゴンドラ7の移動量からゴンドラ7の移動位置を繰り返し算出し、算出したゴンドラ7の移動位置を示す第1位置データを処理装置13へ繰り返し出力する。ゴンドラ7の移動位置は、例えば、各領域6の計測を壁面計測装置11が開始したときのゴンドラ7の位置からの距離で表される。なお、第1位置データは、ゴンドラ7の移動位置に加えてゴンドラ7の移動位置を計測した時刻である計測時刻を含むデータであってもよい。
移動状態計測装置10は、レーザドップラセンサに代えて、ワイヤロープ81を巻き上げる機の巻き上げ量を計測するエンコーダを含む構成であってもよい。この場合、移動状態計測装置10は、クレーン80に配置され、ゴンドラ7には配置されない。そのため、移動状態計測装置10は、例えば、無線または有線によってゴンドラ7の移動量を示す移動量データを壁面計測装置11へ送信し、無線または有線によってゴンドラ7の移動位置を示す第1位置データを処理装置13へ送信する。
図3は、実施の形態1にかかる壁面計測システムの構成例を示す図である。図3に示すように、壁面計測装置11は、外壁面4の3次元形状を計測する3次元形状計測部14と、外壁面4の2次元画像を計測する2次元画像計測部15とを備える。
3次元形状計測部14は、レーザスキャナ、または光切断センサを含む。レーザスキャナは、物体にレーザ光線を照射し、物体に照射したレーザ光線が返ってくるまでの時間を計測し、計測した時間を距離に換算することで物体の3次元形状を計測する。光切断センサは、光切断法によって物体の3次元形状を計測する。3次元形状計測部14によって計測される外壁面4の3次元形状は、例えば、複数の3次元点で表される3次元点群である。
2次元画像計測部15は、例えば、ラインカメラ、エリアカメラ、または光切断センサを含む。ラインカメラは、一度に一列分の画像を撮像するカメラである。エリアカメラは、一度に複数列分の画像を撮像するカメラである。光切断センサは、物体に照射したレーザ光の反射強度を計測することによって得られる反射強度画像を物体の2次元画像として計測する。かかる反射強度画像は、反射強度が濃淡で表されたモノクロ画像である。また、2次元画像計測部15は、サーモグラフィーであってもよい。
壁面計測装置11に光切断センサが用いられる場合には、3次元形状計測部14および2次元画像計測部15において同一の光切断センサが用いられる。なお、光切断センサは、スキャン方向がゴンドラ7の移動方向と同じ方向になるようにゴンドラ7に配置される。
3次元形状計測部14は、移動状態計測装置10から出力される移動量データに基づいて、ゴンドラ7が予め設定された距離だけ移動する毎に外壁面4の3次元形状を計測することで、予め定められた間隔でビル2の外壁面4を計測する。3次元形状計測部14は、ビル2の外壁面4を計測する毎に、計測した外壁面4の3次元形状を示す3次元計測データを繰り返し生成する。
2次元画像計測部15は、移動状態計測装置10から出力される移動量データに基づいて、ゴンドラ7が予め設定された距離だけ移動する毎に外壁面4の2次元画像を計測することで、予め定められた間隔でビル2の外壁面4を計測する。2次元画像計測部15は、ビル2の外壁面4を計測する毎に計測した外壁面4の2次元画像を示す2次元計測データを繰り返し生成する。壁面計測装置11は、3次元計測データおよび2次元計測データを繰り返し処理装置13へ出力する。なお、3次元計測データは、外壁面4の3次元形状に加え、外壁面4の3次元形状を計測した時刻である計測時刻を含むデータであってもよい。同様に、2次元計測データは、外壁面4の2次元画像に加え、外壁面4の2次元画像を計測した時刻である計測時刻を含むデータであってもよい。
なお、壁面計測装置11は、ステレオカメラまたはRGB(Red Green Blue)-D(Depth)カメラを有する構成であってもよい。この場合、3次元形状計測部14および2次元画像計測部15において同一のステレオカメラまたはRGB-Dカメラが用いられる。
また、3次元形状計測部14は、移動状態計測装置10から出力される移動量データを用いずに、予め設定された周期で外壁面4の3次元形状を計測して2次元計測データを繰り返し生成することもできる。同様に、2次元画像計測部15は、移動状態計測装置10から出力される移動量データを用いずに、予め設定された周期で外壁面4の2次元画像を計測して2次元計測データを繰り返し生成することもできる。
位置検出装置12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機であり、複数の衛星から送信される測距信号に基づいて、ゴンドラ7の緯度および経度を算出する。位置検出装置12は、計測したゴンドラ7の緯度および経度を示す第2位置データを繰り返し出力する。第2位置データは、壁面計測装置11で計測される領域6毎に異なる。すなわち、第2位置データで示される緯度および経度は、領域6毎に異なる。なお、レール5の延在方向が鉛直方向ではない場合、位置検出装置12は、緯度および経度に加え、高度を検出し、検出した緯度、経度、および高度を含む第2位置データを出力する構成であってもよい。
処理装置13は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、インタフェイス24と、処理部25、記憶部26とを備える。記憶部26は、3次元データ記憶部31と、2次元データ記憶部32と、図面データ記憶部33とを有する。
操作部21は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、またはタッチパネルなどを含み、処理装置13のユーザによって操作される。表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイである。通信部23は、無線または有線によって不図示のネットワークに接続され、ネットワークを介して不図示の装置との間でデータの送受信を行う。
インタフェイス24は、移動状態計測装置10、壁面計測装置11、および位置検出装置12の各々と有線または無線で接続される。インタフェイス24には、移動状態計測装置10から出力される第1位置データが入力され、壁面計測装置11から出力される3次元計測データおよび2次元計測データが入力され、位置検出装置12から出力される第2位置データが入力される。また、処理部25からの要求がインタフェイス24を介して、移動状態計測装置10、壁面計測装置11、および位置検出装置12へ出力される。処理部25からの要求は、例えば、計測の開始を要求する計測開始要求または計測の終了を要求する計測終了要求などである。
処理部25は、取得部41と、第1結合部42と、第2結合部43と、出力部44とを備える。取得部41は、3次元計測データ、2次元計測データ、第1位置データ、および第2位置データをインタフェイス24から取得し、取得した3次元計測データおよび2次元計測データに第1位置データおよび第2位置データを関連付けて記憶部26に記憶させる。
具体的には、取得部41は、3次元計測データを取得する毎に、取得した3次元計測データを第1位置データおよび第2位置データに関連付けて3次元データ記憶部31に記憶させる。また、取得部41は、2次元計測データを取得する毎に、取得した2次元計測データを第1位置データおよび第2位置データに関連付けて2次元データ記憶部32に記憶させる。
3次元計測データおよび2次元計測データの各々に関連付けられる第1位置データおよび第2位置データは、例えば、取得部41によって3次元計測データおよび2次元計測データが取得されたタイミングに合致するタイミングで取得部41によって取得された第1位置データおよび第2位置データである。また、3次元計測データおよび2次元計測データの各々に関連付けられる第1位置データおよび第2位置データは、例えば、3次元計測データおよび2次元計測データと計測時刻が合致する第1位置データおよび第2位置データであってもよい。
図面データ記憶部33は、各複数のレール5が描画されたビル2の図面を示す図面データを記憶する。図面データは、例えば、設計図面のデータまたは竣工図面のデータである。設計図面または竣工図面は、複数のレール5によって構成される複数の走行路に関する情報を含む。複数の走行路に関する情報は、例えば、複数の走行路の各々の位置を示す情報および複数の走行路の各々の識別情報を含む。走行路の識別情報は、例えば、文字および記号のうち少なくともいずれかで示される情報である。複数の走行路に関する情報は、例えば、レール51~548の各々の位置を示す情報およびレール51~548の各々の識別情報を含んでいてもよい。
第1結合部42は、同一の第2位置データに関連付けられた複数の3次元計測データと、これら複数の3次元計測データのうち対応する3次元計測データに各々関連付けられた複数の第1位置データとを3次元データ記憶部31から取得する。第1結合部42は、取得した複数の第1位置データで示される複数の移動位置に基づいて、これら複数の3次元計測データで示される複数の3次元形状を繋ぎ合わせることによって、3次元領域形状データを生成する。3次元領域形状データは、第2位置データに対応する領域6の3次元形状である3次元領域形状を示すデータであり、領域計測データの一例である。なお、第1結合部42は、第1位置データで示される位置が最も近い2つの3次元形状同士を繋ぎ合わせる際、2つの3次元形状間で重複部分がある場合、例えば、2つの3次元形状のうち一方の3次元形状に、重複部分を削除した他方の3次元形状を繋ぎ合わせる。
第1結合部42は、生成した3次元領域形状データを第2位置データに関連付けて3次元データ記憶部31に記憶させる。例えば、第1結合部42は、領域61に対応する第2位置データに関連付けられた複数の3次元計測データおよび複数の第1位置データに基づいて3次元領域形状データを生成した場合、生成した3次元領域形状データを領域61に対応する第2位置データに関連付けて3次元データ記憶部31に記憶させる。
また、第1結合部42は、同一の第2位置データに関連付けられた複数の2次元計測データと、これら複数の2次元計測データのうち対応する2次元計測データに各々関連付けられた複数の第1位置データとを2次元データ記憶部32から取得する。第1結合部42は、取得した複数の第1位置データで示される複数の移動位置に基づいて、これら複数の2次元計測データで示される複数の2次元画像を繋ぎ合わせることによって、第2位置データに対応する領域6の2次元画像である2次元領域画像を示す2次元領域画像データを生成する。2次元領域画像データは、領域計測データの一例である。なお、第1結合部42は、第1位置データで示される位置が最も近い2つの2次元画像同士を繋ぎ合わせる際、2つの2次元画像間で重複部分がある場合、例えば、2つの2次元画像のうち一方の2次元画像に、重複部分を削除した他方の2次元画像を繋ぎ合わせる。
第1結合部42は、生成した2次元領域画像データを第2位置データに関連付けて2次元データ記憶部32に記憶させる。例えば、第1結合部42は、領域61に対応する第2位置データに関連付けられた複数の2次元計測データおよび複数の第1位置データに基づいて2次元領域画像データを生成した場合、生成した2次元領域画像データを領域61に対応する第2位置データに関連付けて2次元データ記憶部32に記憶させる。
なお、第1結合部42は、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データに第1位置データが関連付けられて記憶部26に記憶されない場合、計測時刻に基づいて、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データに対応する第1位置データを取得することができる。例えば、第1結合部42は、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データに含まれる計測時刻に合致する計測時刻を含む第1位置データを記憶部26から取得する。第1結合部42は、取得した第1位置データに基づいて3次元領域形状データおよび2次元領域画像データを生成する。
第2結合部43は、複数の3次元領域形状データと、これら複数の3次元領域形状データのうち対応する3次元領域形状データに各々関連付けられた複数の第2位置データとを3次元データ記憶部31から取得する。第2結合部43は、複数の2次元領域画像データと、複数の2次元領域画像データのうち対応する2次元領域画像データに各々関連付けられた複数の第2位置データとを2次元データ記憶部32から取得する。第2結合部43は、ビル2の図面データを図面データ記憶部33から取得する。
第2結合部43は、取得した複数の第2位置データと図面データとに基づいて、各3次元領域形状データで示される3次元領域形状が複数の領域61~644のうちどの領域6の3次元形状であるかを判定する。第2結合部43は、複数の走行路の位置関係または複数のレール51~548の位置関係と複数の第2位置データで示される複数の位置関係とから、複数の第2位置データの各々に対応する領域6を特定する。
第2結合部43は、取得した複数の3次元領域形状データで示される複数の3次元領域形状の各々を複数の領域61~644のうち対応する領域6に配置して得られる3次元形状のデータである3次元全体形状データを生成する。3次元全体形状データは、外壁面4の全体的な3次元形状である3次元全体形状を示すデータであり、結合計測データの一例である。
第2結合部43は、取得した複数の第2位置データと図面データとに基づいて、各2次元領域画像データで示される2次元領域画像が複数の領域61~644のうちどの領域6の2次元画像であるかを判定する。かかる判定の方法は、上述した方法、すなわち、3次元領域形状がどの領域6の3次元形状であるかの判定の方法と同じである。
第2結合部43は、取得した複数の2次元領域画像データで示される複数の2次元領域画像の各々を複数の領域61~644のうち対応する領域6に配置して得られる2次元画像のデータである2次元全体画像データを生成する。2次元全体画像データは、外壁面4の全体的な2次元画像である2次元全体画像を示すデータであり、結合計測データの一例である。かかる2次元全体画像データは、例えば、外壁面4を平面上に展開した展開図の画像であるが、2次元画像が外壁面4に沿って3次元的に配置された画像であってもよい。
このように、第2結合部43は、3次元全体形状データおよび2次元全体画像データの生成に複数の第2位置データと図面データとを用いることから、3次元全体形状および2次元全体画像の計測を精度よく行うことができる。
壁面計測システム1は、位置検出装置12を有しない構成であってもよい。この場合、作業者は、移動対象である新たな走行路にゴンドラ7を取り付ける毎に、かかる新たな走行路の識別情報を操作部21へ入力する。取得部41は、操作部21へ入力された走行路の識別情報を示すデータを第2位置データとし、3次元計測データを取得する毎に、取得した3次元計測データを走行路の識別情報を示す第2位置データに関連付けて3次元データ記憶部31に記憶させる。また、取得部41は、2次元計測データを取得する毎に、取得した2次元計測データを走行路の識別情報を示す第2位置データに関連付けて2次元データ記憶部32に記憶させる。
図面データ記憶部33に記憶された図面データには、各走行路の位置および識別情報を示す情報を含む図面のデータが含まれている。各走行路の識別情報は複数の走行路のうち対応する走行路がわかるように図面で示される。例えば、図面において、各走行路の識別情報は複数の走行路のうち対応する走行路に引き出し線などで対応付けられている。また、図面において、走行路の識別情報は、複数の走行路のうち対応する走行路の位置に対して最も近い位置に配置されていてもよい。
第2結合部43は、取得した複数の第2位置データと図面データとに基づいて、複数の第2位置データの各々に対応する走行路の位置を図面データから抽出する。これにより、第2結合部43は、各3次元領域形状データで示される3次元領域形状がどの領域6の3次元形状であるかを判定することができ、各2次元領域画像データで示される2次元領域画像がどの領域6の2次元画像であるかを判定することができる。なお、第2結合部43は、走行路の位置に代えてレール5の位置から領域6を判定することもできる。
出力部44は、第2結合部43によって生成された3次元全体形状データおよび2次元全体画像データを通信部23にネットワークを介して不図示の装置へ送信させることができる。また、出力部44は、第2結合部43によって生成された3次元全体形状データおよび2次元領域画像データに基づいて、外壁面4の3次元全体形状および2次元全体画像を表示部22に表示させることができる。
つづいて、フローチャートを用いて移動状態計測装置10による処理を説明する。図4は、実施の形態1にかかる移動状態計測装置の処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す処理は、例えば、処理部25から計測開始要求が移動状態計測装置10へ送信された場合に開始される。計測開始要求は、例えば、作業者による操作部21への特定の操作があった場合に処理部25から移動状態計測装置10、壁面計測装置11、および位置検出装置12へ送信される。
図4に示すように、移動状態計測装置10は、ゴンドラ7の移動量を計測し、計測した移動量を示す移動量データを壁面計測装置11へ出力する(ステップS10)。また、移動状態計測装置10は、計測したゴンドラ7の移動量に基づいて、ゴンドラ7の移動位置を算出し、算出した移動位置を示す第1位置データを処理装置13へ出力する(ステップS11)。
移動状態計測装置10は、計測終了要求があるか否かを判定する(ステップS12)。計測終了要求は、例えば、作業者による移動状態計測装置10への特定の操作があった場合に処理部25から移動状態計測装置10、壁面計測装置11、および位置検出装置12へ送信される。移動状態計測装置10は、計測終了要求がないと判定すると(ステップS12:No)、処理をステップS10へ移行し、計測終了要求があると判定すると(ステップS12:Yes)、図4に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いて壁面計測装置11の3次元形状計測部14による処理を説明する。図5は、実施の形態1にかかる壁面計測装置の3次元形状計測部による処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、例えば、処理部25から計測開始要求が壁面計測装置11へ送信された場合に開始される。
図5に示すように、壁面計測装置11の3次元形状計測部14は、移動状態計測装置10から移動量データを取得する(ステップS20)。3次元形状計測部14は、取得した移動量データに基づいて、計測タイミングになったか否かを判定する(ステップS21)。3次元形状計測部14は、例えば、取得した移動量データに基づいて、ゴンドラ7が予め設定された距離を移動する毎に、計測タイミングになったと判定する。
3次元形状計測部14は、計測タイミングになったと判定した場合(ステップS21:Yes)、外壁面4のうち対向する領域6の3次元形状を計測し、計測した3次元形状を示す3次元計測データを処理装置13へ出力する(ステップS22)。
3次元形状計測部14は、ステップS22の処理が終了した場合、または、計測タイミングになっていないと判定した場合(ステップS21:No)、計測終了要求があるか否かを判定する(ステップS23)。3次元形状計測部14は、計測終了要求がないと判定すると(ステップS23:No)、処理をステップS20へ移行し、計測終了要求があると判定すると(ステップS23:Yes)、図5に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いて壁面計測装置11の2次元画像計測部15による処理を説明する。図6は、実施の形態1にかかる壁面計測装置の2次元画像計測部による処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば、処理部25から計測開始要求が壁面計測装置11へ送信された場合に開始される。
図6に示すように、壁面計測装置11の2次元画像計測部15は、移動状態計測装置10から移動量データを取得する(ステップS30)。2次元画像計測部15は、取得した移動量データに基づいて、計測タイミングになったか否かを判定する(ステップS31)。2次元画像計測部15は、例えば、取得した移動量データに基づいて、ゴンドラ7が予め設定された距離を移動する毎に、計測タイミングになったと判定する。
2次元画像計測部15は、計測タイミングになったと判定した場合(ステップS31:Yes)、外壁面4のうち対向する領域6の2次元画像を計測し、計測した2次元画像を示す2次元計測データを処理装置13へ出力する(ステップS32)。
2次元画像計測部15は、ステップS32の処理が終了した場合、または、計測タイミングになっていないと判定した場合(ステップS31:No)、計測終了要求があるか否かを判定する(ステップS33)。2次元画像計測部15は、計測終了要求がないと判定すると(ステップS33:No)、処理をステップS30へ移行し、計測終了要求があると判定すると(ステップS33:Yes)、図6に示す処理を終了する。
つづいて、フローチャートを用いて処理装置13の処理部25による処理を説明する。図7は、実施の形態1にかかる処理装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、処理装置13の処理部25は、計測データ取得処理を行う(ステップS40)。処理部25は、ステップS40の計測データ取得処理において、移動状態計測装置10から第1位置データを取得し、壁面計測装置11から3次元計測データおよび2次元計測データを取得し、位置検出装置12から第2位置データを取得する。そして、処理部25は、計測データ取得処理において、取得した第1位置データ、3次元計測データ、2次元計測データ、および第2位置データを記憶部26に記憶させる。
次に、処理部25は、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データを生成する第1結合処理を行う(ステップS41)。かかる第1結合処理は、図8に示すステップS50,S51の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部25は、複数の領域61~644の全てが計測済であるか否かを判定する(ステップS42)。処理部25は、例えば、作業者による処理装置13への特定の操作があった場合に、複数の領域61~644の全てが計測済であると判定する。
処理部25は、複数の領域61~644の全てが計測済ではないと判定した場合(ステップS42:No)、処理をステップS40へ移行する。処理部25は、複数の領域61~644の全てが計測済であると判定した場合(ステップS42:Yes)、第2結合処理を行って(ステップS43)、図7に示す処理を終了する。ステップS43における第2結合処理は、図9に示すステップS60~S63の処理であり、後で詳述する。
図8は、実施の形態1にかかる処理装置の処理部による第1結合処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、処理部25は、同一の第2位置データに関連付けられた複数の3次元計測データと複数の第1位置データとに基づいて、3次元領域形状データを生成する(ステップS50)。
また、処理部25は、同一の第2位置データに関連付けられた複数の2次元計測データと複数の第1位置データとに基づいて、2次元領域画像データを生成する(ステップS51)。処理部25は、ステップS51の処理が終了した場合、図8に示す処理を終了する。なお、処理部25は、ステップS50の処理およびステップS51の処理を並行して行うことができる。
図9は、実施の形態1にかかる処理装置の処理部による第2結合処理の一例を示すフローチャートである。図9に示すように、処理部25は、複数の第2位置データと図面データとに基づいて、各3次元領域形状データで示される3次元領域形状が複数の領域のうちどの領域の3次元形状であるかを判定する(ステップS60)。そして、処理部25は、各3次元領域形状データで示される3次元領域形状を、ステップS60で判定した領域に配置することによって、3次元全体形状データを生成する(ステップS61)。
また、処理部25は、複数の第2位置データと図面データとに基づいて、各2次元領域画像データで示される2次元領域画像が複数の領域のうちどの領域の2次元画像であるかを判定する(ステップS62)。そして、処理部25は、各2次元領域画像データで示される2次元領域画像を、ステップS62で判定した領域に配置することによって、2次元全体画像データを生成して(ステップS63)、図9に示す処理を終了する。なお、処理部25は、ステップS60,S61の処理とステップS62,S63の処理とを並行して行うことができる。
図10は、実施の形態1にかかる処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図10に示すように、処理装置13は、プロセッサ101と、メモリ102と、入力インタフェイス回路103と、通信装置104と、表示装置105と、入力装置106とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、入力インタフェイス回路103、通信装置104、表示装置105、および入力装置106は、例えば、バス107によって互いにデータの送受信が可能である。操作部21は、入力装置106によって実現される。表示部22は、表示装置105によって実現される。通信部23は、通信装置104で実現される。インタフェイス24は、入力インタフェイス回路103によって実現される。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、取得部41、第1結合部42、第2結合部43、および出力部44の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ102は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、処理装置13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる壁面計測システム1は、移動状態計測部の一例である移動状態計測装置10と、壁面計測部の一例である壁面計測装置11と、処理部25とを備える。移動状態計測装置10は、ビル2の外壁面4に敷設された少なくとも1つのレール5で構成される走行路に沿ってゴンドラ7が移動中にゴンドラ7の位置を繰り返し計測する。ゴンドラ7は、移動体の一例である。壁面計測装置11は、ゴンドラ7に配置されており、移動状態計測装置10によって計測された移動量に基づいて、走行路に沿ってゴンドラ7が移動中にビル2の外壁面4の2次元画像および3次元形状を繰り返し計測する。処理部25は、移動状態計測装置10によって繰り返し計測されたゴンドラ7の位置に基づいて、壁面計測装置11の計測結果を繋ぎ合わせたデータである3次元領域形状データおよび2次元領域画像データを生成する。このように、壁面計測システム1は、位置が既知のレール5に取り付けられる移動体に配置される。そのため、壁面計測システム1を用いて計測作業を行う作業者は、ビル2の図面を参照することによって、ゴンドラ7が取り付けられたレール5の位置からビル2の外壁面4と計測された領域6との位置関係を迅速かつ正確に把握することができる。3次元領域形状データおよび2次元領域画像データの各々は、領域計測データの一例である。
また、移動状態計測装置10は、ゴンドラ7の移動量を計測する。壁面計測装置11は、移動状態計測装置10によって計測された移動量に基づいて、ゴンドラ7が走行路に沿って予め定められた距離を移動する毎に、ビル2の外壁面4の2次元画像および3次元形状を計測する。これにより、処理部25は、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データを容易に生成することができる。
また、壁面計測装置11は、複数のレール51~548で構成される複数の走行路の各々に沿ってゴンドラ7が移動することで外壁面4の複数の領域61~644を計測可能である。処理部25は、複数の領域61~644の各々に対する壁面計測装置11の計測結果に基づいて、3次元領域形状データおよび2次元領域画像を複数の領域61~644の各々に対応して生成し、生成した複数の領域61~644に対応する複数の3次元領域形状を結合したデータである3次元全体形状データを生成する。また、処理部25は、複数の領域61~644の各々に対する移動状態計測装置10および壁面計測装置11の計測結果に基づいて、2次元領域画像を複数の領域61~644の各々に対応して生成し、生成した複数の領域61~644に対応する複数の2次元領域画像を結合したデータである2次元全体領域画像データを生成する。3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データの各々は、結合計測データの一例である。これにより、壁面計測システム1は、3次元全体形状データと2次元全体画像データとを精度よく生成することができる。
また、壁面計測システム1は、複数の走行路に関する情報を含むビル2の図面のデータである図面データを記憶する記憶部26と、ゴンドラ7の緯度および経度を含む位置を検出する位置検出装置12を備える。位置検出装置12は、位置検出部の一例である。処理部25は、記憶部26に記憶された図面データと位置検出装置12によって検出された位置とに基づいて、3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データを生成する。これにより、壁面計測システム1は、3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データを自動的に生成することができる。3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データの各々は結合計測データの一例である。
また、壁面計測システム1は、複数の走行路に関する情報を含むビル2の図面のデータである図面データを記憶する記憶部26と、ゴンドラ7の移動対象になる走行路の情報を入力するための操作部21とを備える。処理部25は、操作部21への操作によって入力された走行路の情報と、記憶部26に記憶された図面データとに基づいて、3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データを生成する。これにより、壁面計測システム1は、作業者からの走行路の情報に基づいて、3次元全体形状データおよび2次元全体領域画像データを容易に生成することができる。
壁面計測装置11は、光切断法で2次元画像および3次元形状を計測するセンサを含む。これにより、1つのセンサで2次元画像および3次元形状を計測することができ、壁面計測装置11が複雑になることを避けることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る壁面計測システムは、移動体であるドローンに配置され、ドローンを制御することができる点で、実施の形態1にかかる壁面計測システム1と異なる。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1の壁面計測システム1と異なる点を中心に説明する。
図11は、本発明の実施の形態2にかかる壁面計測システムの構成例を示す図である。図12は、実施の形態2にかかる壁面計測システムが配置されるドローンがレールに係合している状態を示す図である。図11に示す壁面計測システム1Aの処理装置13Aは、ドローン9を制御する移動体制御部27を備える点で、壁面計測システム1の処理装置13と異なる。
ドローン9には、図12に示すように、壁面計測システム1Aが配置される。かかるドローン9は、レール5に移動可能に係合する構造およびレール5を識別する機能を有する。移動体制御部27は、図面データ記憶部33に記憶された図面データに基づいて、ドローン9を移動させる走行路を決定し、決定した走行路の位置の情報を含む移動要求を通信部23にドローン9へ送信させる。
ドローン9は、移動体制御部27から移動要求を受信すると、位置検出装置12から出力される第2位置データと移動要求に含まれる走行路の位置の情報とに基づいて、移動体制御部27が決定した走行路に近づき、移動体制御部27が決定した走行路を構成するレール5を識別する。ドローン9は、識別したレール5に移動可能に係合する。
次に、移動体制御部27は、ドローン9を走行路に沿って移動させる要求である移動要求を通信部23にドローン9へ送信させる。ドローン9は、移動要求を受信すると、走行路に沿って移動する。
処理部25は、ドローン9が移動している走行路の情報を移動体制御部27から取得する。処理部25は、取得した走行路の情報を第2位置データとし、かかる第2位置データをインタフェイス24を介して取得した3次元計測データ、2次元計測データ、および第1位置データを関連付けて記憶部26に記憶させる。なお、移動体制御部27は、複数のドローン9を同時に異なる走行路に沿って移動するように制御することもできる。
実施の形態2にかかる処理装置13Aのハードウェア構成例は、図10に示す処理装置13のハードウェア構成と同じである。プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、移動体制御部27の機能を実行することができる。
以上のように、実施の形態2にかかる壁面計測システム1Aは、ドローン9を制御する移動体制御部27を備える。移動体制御部27は、ドローン9を走行路に沿って移動させる。これにより、壁面計測システム1Aは、作業者の作業負荷を軽減することができる。
なお、図12に示す例では、壁面計測システム1Aは移動体に配置されるが、壁面計測システム1Aのうち一部が移動体に配置される構成であってもよい。例えば、移動状態計測装置10、壁面計測装置11、位置検出装置12、および処理装置13Aが互いに無線通信によってデータの送受信ができる場合、処理装置13Aは、移動体に配置されなくてよい。このことは壁面計測システム1についても同様である。また、処理装置13Aは、複数の装置から構成されていてもよい。
なお、実施の形態1,2では、壁面計測装置11が2次元画像および3次元形状を計測する例を示したが、壁面計測装置11は、2次元画像および3次元形状のうち一方を計測する構成であってもよい。また、実施の形態1,2では、処理部25が3次元領域形状データおよび2次元領域画像データを生成する例を示したが、処理部25は、3次元領域形状データおよび2次元領域画像データのうち一方を生成する構成であってもよい。また、実施の形態1,2では、壁面計測システム1,1Aの各々が4つの装置から構成される例を示したが、壁面計測システム1,1Aの各々は、3つ以下の装置から構成されてもよい。例えば、壁面計測システム1,1Aの各々は、壁面計測システム1,1Aの機能を3つ以下の装置が実行する構成であってもよい。また、壁面計測システム1,1Aは、例えば、位置検出装置12を含まない構成であってもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。