JP2019143746A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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昌弘 鎌田
Masahiro Kamata
昌弘 鎌田
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Abstract

【課題】簡便かつ信頼性の高い構成により、オイルポンプへの空気の吸い込みえを防止し、円滑に潤滑油を供給する機構を提供する事を課題とする。【解決手段】油溜まり部(64,63)を有する車両用駆動装置(1)において、前記油溜まり部(64,63)の両旋回方向にオイルポンプ(6)の吸引口(61,62)をそれぞれ設け、旋回時に一定以上の遠心力が発生したときに移動して、旋回方向の前記吸引口(61,62)の油路を閉じる弁部材(71)を備えるものを提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用駆動装置に関する。
車両用駆動装置において、潤滑油を用いて、各部の潤滑や、油圧クラッチなどの作動や、冷却などが行われる。
このため、潤滑油の供給は車両用駆動装置において機能維持のために重要であり、潤滑油の安定的な供給が望まれる。
しかし、車両が旋回する場合には、旋回に伴う遠心力により、潤滑油が車両用駆動装置内において、偏在することとなり、オイルポンプによる潤滑油の円滑な供給が阻害される場合がある。
このため、特許文献1に記載のごとく、車両の傾きに対して、潤滑油の油面を制御するものがある。これは、路面の勾配に応じて、電動オイルポンプの流量を制御し、油面位置を調整するものである。
特開2007−321927号公報
しかし、特許文献1に記載されたものは、勾配を計算し、油面位置を決定する手段が必要となるため、機構が複雑となる。
上述した従来の欠点に鑑み、本発明の目的は簡便かつ信頼性の高い構成により、オイルポンプへの空気の吸い込みえを防止し、円滑に潤滑油を供給する機構を提供する事である。
本発明は、油溜まり部の両旋回方向に、オイルポンプの吸引口をそれぞれ設け、旋回時に一定以上の遠心力が発生したときに移動して、旋回方向の前記吸引口の油路を閉じる弁部材を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、オイルの吸引口の切替を遠心力により行うことができ、オイルポンプへの空気の吸い込みを省力化できる。また、簡便かつ信頼性の高い構成により、オイルポンプへの空気の吸い込みえを防止し、円滑に潤滑油を供給する機構を提供できる。
また、本発明は、両旋回方向に設けた前記吸引口に連通するぞれぞれの油路と、前記オイルポンプの吸引油路と、に接続する切替弁部を有し、一側の前記吸引口に接続する前記油路を前記切替弁部の他側に設け、他側の前記吸引口に接続する前記油路を前記切替弁部の一側に設け、前記切替弁部内に前記弁部材を設けても良い。
この構成によれば、弁体部材の移動量を少なくし、切替弁部をコンパクトに構成できる。また、1つの弁部材により、前記吸引口の切替えを行うことができる。切替弁部を簡便な構成とすることができる。
また、本発明は、前記吸引口のそれぞれに前記弁部材を内装する切替弁部を設け、前記切替弁部内に、前記弁部材を設けても良い。
この構成によれば、簡便な構造により、確実性の高い吸引口における空気の吸い込み防止できる。
また、本発明は、前記弁部材は、遠心力を受けない場合に、重力により移動し、旋回方向の前記吸引口の油路を開いても良い。
この構成によれば、簡便な構造により吸引口の切替えを行うことができる。また、耐久性の高い吸引口の切替構造が得られる。さらに、オイルポンプへの空気の吸い込みを省力化できる。
本発明に係る、車両用駆動装置によれば、簡便かつ信頼性の高い構成により、オイルポンプへの空気の吸い込みえを防止し、円滑に潤滑油を供給する機構を提供できる。
車両用駆動装置の全体構成を示す断面図である。 第1実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。 第2実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。 第3実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。 第4実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。
[実施形態1]
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は車両用駆動装置1の全体構成を示す断面図である。なお、図1において、UPは上方を示しLHは左方向を示すものである。
図2は、第1実施例におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。図2の(A)は、中立状態を示すものであり、(B)は、旋回による遠心力(横加速度)がかかった状態を示すものである。
まず、車両用駆動装置1の全体構成について図1を用いて説明する。
車両用駆動装置1は、ケース2内に電動モーター3と遊星機構4とを有し、電動モーター3の出力を遊星機構4により減速し、ハブ5に出力する。そして、ハブ5には、図示しない車両の車輪もしくは駆動軸が接続され、車両を駆動するものである。
ケース2は一体的に接続した減速機ケース21とモーターケース22とにより構成されており、それぞれ、減速機構である遊星機構4と、電動モーター3を内側に保持している。
ケース2の下部は油溜まり部となっており、減速機ケース21の下部のオイルパン63と、モーターケース22の下部のオイルパン64とにより構成されている。
モーターケース22と減速機ケース21とは、一体的に接続されており、互いの内部が連通した構造になっている。これにより、ケース2内に保持される潤滑油は、減速機ケース21とモーターケース22との間を自由に移動でき、減速機ケース21のオイルパン63とモーターケース22のオイルパン64とにより一体的な油溜まり部が形成される。
モーターケース22内には、電動モーター3が固定されており、モーターケース22の内壁には、スペーサ34が装着されており、スペーサ34を介して電動モーター3のステーター32が固定される。
また、電動モーター3のローター31には、出力軸33が挿入されており、出力軸33はローター31と一体的に回転し、電動モーター3の駆動力が出力軸33より出力される。
減速機ケース21において、遊星機構4は、太陽歯車41と、遊星歯車42と、内歯歯車43と、キャリア45とにより構成されている。内歯歯車43は減速機ケース21に固定されており、遊星機構4はプラネタリー型の遊星減速機構となっている。
太陽歯車41は、電動モーター3の出力軸33の一端に設けられており、太陽歯車41に遊星歯車42が噛合っている。遊星歯車42は、遊星軸44に回動自在に支持されており、遊星軸44はキャリア45に保持されている。キャリア45は、出力軸33を回転中心として減速機ケース21に回動自在に支持されている。
キャリア45の一端は筒状に設けられており、この筒状部にハブ5の一端が挿入され、キャリア45とハブ5とが一体的に回転する構造となっている。
これにより、電動モーター3の駆動力が遊星機構4で減速されてトルクを増大させて、ハブ5に出力される。
次に、潤滑油の吸い上げの構成について説明する。
車両用駆動装置1において、潤滑油の循環には、オイルポンプであるギヤポンプ6が用いられる。ギヤポンプ6は、オイルパン63,64の潤滑油を吸引して、電動モーター3、遊星機構4などに潤滑油を供給する。そして、電動モーター3などに供給された潤滑油は、オイルパン63,64に戻ることとなる。
ギヤポンプ6は、遊星機構4のキャリア45の一端を挿入した状態で、減速機ケース21に保持されている。そして、キャリア45の回転に伴い、ギヤポンプ6は、ケース2の油溜まり部より潤滑油を吸引し、潤滑油の圧送を行う。
減速機ケース21の下部にはオイルサクション61が設けられており、モーターケース22内の下部には、オイルサクション62が設けられている。オイルサクション61はオイルパン63内に設けられており、オイルサクション62はオイルパン64内に設けられている。
オイルサクション61およびオイルサクション62は、それぞれギヤポンプ6に油路により接続しており、オイルサクション61およびオイルサクション62を介してオイルパン63,64の潤滑油がギヤポンプ6に供給される。
すなわち、ケース2のオイルパン63,64において、車両左右方向に、オイルサクション61およびオイルサクション62を配置する。そして、オイルサクション61はオイルパン63の右端部に、オイルサクション62はオイルパン64の左端部に配置される。
次に、オイルサクション61,62とギヤポンプ6の接続構成について説明する。
図2に示すごとく、本実施形態において、扇形の切替弁部7が用いられている。
切替弁部7は、オイルサクション61および62とギヤポンプ6とを接続する接続部であるとともに、オイルサクション61もしくはオイルサクション62につながる油路を選択的に閉じるものである。
車両用駆動装置1の右側のオイルサクション61は油路61aを介して切替弁部7に接続しており、左側のオイルサクション62は油路62aを介して切替弁部7に接続されている。
そして、切替弁部7は、ギヤポンプ6の吸引油路である油路73に接続されている。これにより、切替弁部7は油路61aと油路62aとを、油路73を介してギヤポンプ6に接続するものである。
なお、車両が水平状態である場合には、オイルサクション61およびオイルサクション62は、同じ高さとなるように構成されている。
次に、切替弁部7の構造について説明する。
切替弁部7は、弁ケース74と、弁ケース74に設けたポート61b,62b,72と、弁体71とにより構成されている。弁体71は、ポート61bもしくはポート62bを閉じる弁部材であり、弁ケース74に内装されている。
弁ケース74の左側のポート61bは、車両用駆動装置1の右側のオイルサクション61に油路61aを介して接続されている。そして、弁ケース74の右側のポート62bは、車両用駆動装置1の左側のオイルサクション62に油路62aを介して接続れている。
また、弁ケース74の上部には、ポート72が設けられており、ポート72は油路73を介してギヤポンプ6の吸引側に接続されている。
図2に示すように、弁ケース74は扇形(Circular sector)に形成されており、弁体71は弁ケース74よりも小さい扇形に形成されている。弁ケース74は、円弧部分を下とし、ポート72を上部に、ポート62bを右下に、ポート61bを左下に配置している。
そして、弁体71は、弁ケース74の上部を回動中心として、弁ケース74内で左右方向に揺動可能に設けられている。
切替弁部7において、ポート72は常に弁ケース74内と連通しており、弁体71の位置に関係なく油路73がポート72を介して弁ケース74内部と連通している。
なお、弁体71の構成として、弁体71をポート72に挿入されるパイプにより回動自在に支持し、このパイプを介して弁ケース74内部と油路73とを連通してもよい。また、弁体71を弁ケース74の前後面の一側において回動自在に支持し、他側にポート72を設けることも可能である。
なお、弁体71は、弁ケース74内の円弧状に形成した下面に沿って摺動するものであっても良い。
弁ケース74内において、弁体71は、車両用駆動装置1を車両に取り付けた際に、車両の左右方向(車両の幅方向)に揺動可能に設けられている。
弁体71は、左右に一定以上回動した場合には、弁体71によりポート61bもしくはポート62bが閉じられる。なお、弁体71は、ポート61bもしくはポート62bを閉じた状態で、弁ケース74の内壁に当接して、それ以上同じ方向には揺動しない構成となっている。
弁体71は、一定の質量を有するものであり潤滑油より比重の大きなものである。これにより、車両用駆動装置1が搭載される車両に遠心力がかかった場合には、潤滑油中においても左右方向に回動可能となっている。
弁体71の回動軸は車両の前後方向に一致している。また、車両用駆動装置1が水平に置かれた場合には、弁ケース74において、ポート61bとポート62bとは同じ高さに設けられている。
そして、車両用駆動装置1に横方向の加速度がかかっていない場合には、弁体71は、中立状態となる。この中立状態において、弁体71はポート61b,62b間に位置し、ポート61bおよびポート62bを閉じないものである。
これにより、ポート61bおよびポート62bがポート72と連通され、油路73を介してギヤポンプ6に連通されるものである。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2の(B)に示すように、車両の旋回により、車両用駆動装置1が左向きの遠心力LAを受けた場合には、潤滑油が左側に偏り、オイルサクション61が潤滑油より露出する。そして、弁体71が左に回動される。
これにより、弁体71によりポート61bが閉じられ、ケース2の右側に設けられたオイルサクション61とギヤポンプ6との接続が遮断される。
そして、潤滑油がオイルサクション62より、ポート62bおよびポート72を介してギヤポンプ6に吸引される。
なお、右向きの遠心力を受けた場合には、弁体71が右に回動される。そして、弁体71によりポート62bが閉じられ、ケース2の左側に設けられたオイルサクション62とギヤポンプ6との油路の接続が遮断される。これにより、潤滑油がオイルサクション61よりギヤポンプ6に吸引される。
弁体71は、回動された後に遠心力がかからなければ、重力によりポート61bおよびポート62bをギヤポンプ6に連通する中立位置に戻るものである。
以上述べたように、本実施形態においては、潤滑油が遠心力を受けて、ケース2内の一側に偏った場合には、弁体71が一側に回動し、反対側のオイルサクション61とギヤポンプ6との接続を遮断することでできる。
これにより、ケース2内において潤滑油から露出したサクションよりの吸引を防止し、ギヤポンプ6が空気を吸い込むことを防止できる。
遠心力による弁体71の移動を利用して、サクションの切替を行うため、ケース2内における油面の変化に応じて、サクションの切替を確実に行うことができる。また、切替機構が簡便であり、確実性および耐久性が高く、製作に係るコストを低減された切替機構を実現できる。
そして、潤滑油の満たされる弁ケース74内に弁体71が配置されるので、潤滑油の抵抗により、弁ケース74内で弁体71の振動などが抑制され、弁体71の円滑な動作が得られる。
さらに、弁体71が回動によりポート61bもしくはポート62bを閉じるので、弁体71の移動量を少なくでき、ポート61bおよびポート62bの開口よりも十分に大きい弁体71を用いながら弁ケース74をコンパクトに構成できる。
すなわち、上記の実施形態において、オイルパン63および64において、車両の両旋回方向に、ギヤポンプ6の吸引口であるオイルサクション61および62をそれぞれ設ける。そして、車両の旋回時に一定以上の遠心力が発生したときに、弁体71により、旋回方向の前記吸引口の油路を閉じる。これにより、車両の旋回時に油面から露出した側を閉じるものである。
このように、ギヤポンプ6への空気の吸い込みを防ぐので、簡便かつ信頼性の高い構成により、円滑に潤滑油を供給する機構を提供できる。
[実施形態2]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。図3の(A)は、中立状態を示すものであり、(B)は、遠心力がかかった状態を示すものである。
図3において、右側のオイルサクション61は油路61cを介して切替弁部8に接続しており、左側のオイルサクション62は油路62cを介して切替弁部8に接続している。
そして、切替弁部8は、油路83を介してギヤポンプ6に接続する。
切替弁部8は、オイルサクション61および62とギヤポンプ6とを接続する接続部であるとともに、オイルサクション61もしくはオイルサクション62につながる油路を選択的に閉じるものである。
切替弁部8のボール油路81は、車両用駆動装置1を車両に取り付けた際に、左右方向(車両の車幅方向)に沿うように設けられている。そして、ボール油路81は、一端側を上げた直線状の油路であり、内部にボール82を配置している。
ボール油路81の内径はボール82と略同じであり、ボール油路81内をボール82が自由に移動可能となっている。そして、ボール油路81の長手方向において中央部には、油路83が接続しており、油路83を介してギヤポンプに作動油が導入される。
図3に示す構成においては、ボール油路81の左側が上がっており、ボール油路81の左側端のポート81Lは、ボール油路81の右側端のポート81Rよりも高い位置にある。ボール油路81において、左側端のポート81Lと右側端のポート81Rとをつなぐ下面は滑らかで連続的な傾斜面となっている。そして、油路83はボール油路81の左右中央部分の上部に接続している。
ボール油路81の右側端のポート81Rに左側のオイルサクション62が油路62cを介して接続しており、ボール油路81の左側端のポート81Lには右側のオイルサクション61が油路61cを介して接続している。
図3において、油路62cはケース2の左側下部分に設けられたオイルサクション62と、ボール油路81の右側端のポート81Rとを接続するものである。そして、油路61cはケース2の右側下部分に設けられたオイルサクション61と、ボール油路81の左側端のポート81Lとを接続するものである。
ボール油路81におおいて、ボール82が端部(右側端もしくは左側端)に位置することにより、その端部に接続する油路をボール82が閉じる構成となっている。油路をボール82により閉じる構成としては、例えば、ボール油路81内に弁座を設け、ボール82に加速度がかかった状態でボール82が弁座に押し付けられることにより、右側端もしくは左側端の油路を閉じる構成としても良い。
次に、本実施形態の作用について説明する。
車両用駆動装置1に加速度がかかっていない場合には、ボール82は重力により、ボール油路81の下部となる右側端のポート81R側に位置する。これにより、油路62cとギヤポンプ6と油路62cとの接続が断たれ、右側のオイルサクション61より作動油がギヤポンプ6に供給される。
また、車両に右方向の加速度がかかっている場合も同様である。
そして、図3の(B)に示すごとく、車両用駆動装置1に左方向の遠心力LAがかかっている場合には、作動油がケース2の左側に偏り、オイルサクション61が作動油面より露出する。また、ボール82は左方向の加速度により、ボール油路81に沿って左上方に移動する。
ボール82が左側端のポート81Lに到達すると、ボール82により油路61cとギヤポンプ6との接続が断たれ、左側のオイルサクション62より作動油がギヤポンプ6に供給される。
さらに、左方向の遠心力LAがなくなった場合、もしくは小さくなった場合には、ボール82が、ボール油路81に沿って右端のポート82Rへと下がり、ボール82により、油路62cとギヤポンプ6との接続を閉じる。
以上述べたように、本実施形態においては、右方向もしくは左方向の加速度により、ボール82をボール油路81内で上方に押し上げ、作動油のサクションの切替を行う。このため、ケース2内における油面の変化に対するサクションの切替を簡便な機構で、ギヤポンプ6へエアの吸い込みを防止できる。
なお、ボール油路81の傾斜により、サクションを切替える加速度の閾値を設定できるものである。また、ボール油路81の右側端のポート82Rと左側端のポート82Lの距離により、左右方向の加速度を受けてからサクションを切替えるまでの時間を設定できるものである。
すなわち、容易な構成によりサクション油路の切替を行えるとともに、設定の自由度の高い切替構成とすることができる。
[実施形態3]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図4は、第3実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。図4の(A)は、中立状態を示すものであり、(B)は、遠心力がかかった状態を示すものである。
ボール油路91はケース2の下部の右側に設けられえたオイルサクション61と、ケース2の下部左側に設けられたオイルサクション62とに接続しており、油路93を介してギヤポンプ6に接続している。
切替弁部9は、オイルサクション61および62とギヤポンプ6とを接続する接続部であるとともに、オイルサクション61もしくはオイルサクション62につながる油路を選択的に閉じるものである。
ボール油路91は、車両用駆動装置1を車両に搭載した際に、車幅方向(車両の左右方向)に油路の延出方向が沿うように設けられ、車両の前後方向と直交する平面に沿って設けられる。
ボール油路91は下方に凸の円弧状に設けられており、ボール油路91の左右の両端部が中央部よりも上に位置する構成されている。なお、ボール油路91の左右の両端部の高さは一致するように構成されている。
ボール油路91内において、ボール92はボール油路91に沿って自由に移動可能である。ボール油路91の両端部の下面は中央部の下面よりも高くなるように設けられている。そして、左右方向の加速度を受けた場合には、ボール92が左右に移動可能に構成されている。
ボール油路91の右側端のポート91Rには、左側のオイルサクション62が油路62eを介して接続しており、ボール油路91の左側のポート91Lには、右側のオイルサクション61が油路61eを介して接続している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4の(B)に示すように、左方向に遠心力LAが加わり、ボール92が左側端のポート91Lに到達すると、右側のオイルサクション61とギヤポンプ6とを接続する油路が閉じられる。これにより、油面OLが傾きオイルサクション61が潤滑油から露出した場合には、オイルサクション62より潤滑油がギヤポンプ6に供給される。
そして、右方向に加速度が加わる場合は、左側のオイルサクション62とギヤポンプ6とを接続する油路が閉じられ、右側のオイルサクション61より潤滑油がギヤポンプ6に供給される。
なお、左右方向の加速度が無くなると、ボール92はボール油路91の中央に自重により戻るものである。この場合には、オイルサクション61および62より潤滑油がギヤポンプ6に供給される。
ボール油路91の中央上部には、接続油路94が設けられ、接続油路94を介して油路93に接続する。接続油路94は、ボール92が中央部にある状態においても、ボール油路91と油路93との接続を維持するものである。接続油路94は、例えば、ボール油路91に沿って設けられ、ボール92の幅よりも小さな幅の直線状の油路とし、ボール92の油路93への嵌り込みを防ぐものとしても良い。
以上述べたように、本実施形態においては、右方向もしくは左方向の加速度により、ボール92をボール油路91内で上方に押し上げ、作動油のサクションの切替を行うため、ケース2内における油面の変化に対するサクションの切替を簡便な機構で実現できる。
また、遠心力を受けていない中立状態において左右両方のオイルサクション61および62より潤滑油を供給できるので、潤滑油の吸引抵抗を低減できる。
なお、ボール油路91の円弧の形状により、サクションを切替える加速度の閾値を設定できるものである。
[実施形態4]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図5は、第4実施形態におけるオイルサクション切替え機構を示す模式図である。図5の(A)は、中立状態を示すものであり、(B)は、遠心力がかかった状態を示すものである。
右側のオイルサクション61と左側のオイルサクション62は、油路105により接続されており、油路105には、油路106を介してギヤポンプ6が接続される。
オイルサクション61には、円弧状の油路101が接続しており、油路101はオイルサクション61より、右側斜め下方に向けて延びている。そして、油路101内には、ボール102が保持されている。
また、オイルサクション62には、円弧状の油路103が接続しており、油路103はオイルサクション62より、左側斜め下方に向けて延びている。そして、油路103内には、ボール104が保持されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図5の(B)に示すように、車両用駆動装置1に左方向の遠心力LAがかかると、車両用駆動装置1の右側に配置されるボール102が油路101に沿って上方に移動し、オイルサクション61が閉じる。これにより、ギヤポンプ6は、反対側のオイルサクション62より作動油を吸引する。
このため、車両用駆動装置1に加速度がかかり、作動油がケース2内で偏り、オイルサクション61が油面OLより露出しても、ギヤポンプ6がエアを吸い込むことが無い。
また、車両用駆動装置1に左右方向の加速度がかからない場合には、ボール102は自重により、油路101の下端に移動する。これにより、ギヤポンプ6はオイルサクション61からも作動油を吸引可能となる。
なお、オイルサクション62についても、車両用駆動装置1に右方向の一定以上の加速度がかかると、同様に、オイルサクション62が油路103のボール104により閉じられる。
以上述べたように、本実施形態においては、オイルサクション61およびオイルサクション62にそれぞれボール102およびボール104により、の空気の吸引を阻止するので、簡便な構造とすることができる。そして、個々のオイルサクションに対して空気吸引の防止をできるので、空気吸引防止の確実性を高くできる。
また、油路を閉じる弁部材となるボール102および104は、重力により中立位置に復帰するので、簡便な構成により耐久性の高い空気吸引防止機構を実現できる。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
1 車両用駆動装置
2 ケース
3 モーター
4 遊星機構
6 ギヤポンプ
7 切替弁部
21 減速機ケース
22 モーターケース
61 オイルサクション
62 オイルサクション
71 弁体
74 弁ケース

Claims (4)

  1. 油溜まり部の両旋回方向に、
    オイルポンプの吸引口をそれぞれ設け、
    旋回時に一定以上の遠心力が発生したときに移動して、旋回方向の前記吸引口の油路を閉じる弁部材を備えたことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 両旋回方向に設けた前記吸引口に連通するぞれぞれの油路と、前記オイルポンプの吸引油路と、に接続する切替弁部を有し、
    一側の前記吸引口に接続する前記油路を前記切替弁部の他側に設け、
    他側の前記吸引口に接続する前記油路を前記切替弁部の一側に設け、
    前記切替弁部内に前記弁部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記吸引口のそれぞれに前記弁部材を内装する切替弁部を設け、
    前記切替弁部内に、前記弁部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記弁部材は、遠心力を受けない場合に、重力により移動し、
    旋回方向の前記吸引口の油路を開くことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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