JP2009103202A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/02Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion
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    • F16H3/087Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears
    • F16H3/089Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion without gears having orbital motion exclusively or essentially with continuously meshing gears, that can be disengaged from their shafts characterised by the disposition of the gears all of the meshing gears being supported by a pair of parallel shafts, one being the input shaft and the other the output shaft, there being no countershaft involved

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Abstract

【課題】傾斜路面走行時等におけるエアの吸い込みを好適に抑制する車両用動力伝達装置を提供する。
【解決手段】終減速機18を収容するデフ室66と、潤滑油70を貯溜するオイルパン72により構成される油室68と、その油室68とデフ室66と連通する連通路78とを、有するトランスアクスル22において、ヒンジ86と、そのヒンジ86を軸心として回動可能に設けられた可動板部材88とから成り、車両傾斜角度が所定角度以上である場合等に可動板部材88が連通路78を閉鎖するような相対位置に配設された開閉機構80を備えたものであることから、登坂走行等の傾斜路面走行時におけるストレーナ74からのエアの吸い込みを抑制しつつ、それ以外の場合におけるデフ室66への潤滑油70の供給を確保することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、トランスアクスル等の車両用動力伝達装置に関し、特に、傾斜路面走行時等におけるエアの吸い込みを抑制するための改良に関する。
デファレンシャル装置を収容するデフ室と、潤滑油を貯溜するオイルパンにより構成される油室と、その油室と前記デフ室と連通する連通路とを、有する車両用動力伝達装置が知られている。例えば、変速機(トランスミッション)及び終減速機(ファイナルドライブギヤ)が共通のケースに収容されたトランスアクスル等がそれであり、各種車両に広く用いられている。
斯かる車両用動力伝達装置において、傾斜路面走行時におけるストレーナからのエアの吸い込みを抑制するための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載された車両用変速機のハウジングがそれである。この技術によれば、デファレンシャル装置を収容するデフ室と、潤滑油を貯溜するオイルパンにより構成される油室との間に堰を設け、且つその連通口に一方弁を設けることにより、登坂走行等の傾斜路面走行時においてオイルパンの油面がデファレンシャルギヤの掻き揚げにより低下してストレーナからエアの吸い込みが発生することを防止することができるとされている。
特開2004−36633号公報 特開平5−54050号公報
しかし、前記従来の技術では、前記デフ室と油室との間の連通口に一方弁が設けられていることで、その油室からデフ室への潤滑油の供給が常に禁止されるため、例えば冷間走行時等においてデフ室の潤滑油が不足した場合であってもそのデフ室への潤滑油の供給が行われず、デファレンシャル装置の潤滑性が悪化するおそれがあった。このため、傾斜路面走行時等におけるエアの吸い込みを好適に抑制する技術の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、傾斜路面走行時等におけるエアの吸い込みを好適に抑制する車両用動力伝達装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、デファレンシャル装置を収容するデフ室と、潤滑油を貯溜するオイルパンにより構成される油室と、その油室と前記デフ室と連通する連通路とを、有する車両用動力伝達装置であって、車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路を開閉する開閉機構を備えたことを特徴とするものである。
このようにすれば、デファレンシャル装置を収容するデフ室と、潤滑油を貯溜するオイルパンにより構成される油室と、その油室と前記デフ室と連通する連通路とを、有する車両用動力伝達装置であって、車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路を開閉する開閉機構を備えたものであることから、車両が傾斜したり或いは急加速した場合等においては前記油室とデフ室と連通する連通路が前記開閉機構により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路が開放されるように構成することで、登坂走行等の傾斜路面走行時におけるエアの吸い込みを抑制しつつ、それ以外の場合におけるデフ室への潤滑油の供給を確保することができる。すなわち、傾斜路面走行時等におけるエアの吸い込みを好適に抑制する車両用動力伝達装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記開閉機構は、ヒンジと、そのヒンジを軸心として回動可能に設けられた板部材とから成り、それらヒンジ及び板部材は、車両傾斜角度が所定角度以上である場合或いは車両加速度が所定値以上である場合に前記板部材が前記連通路を閉鎖するような相対位置に配設されたものである。このようにすれば、車両が傾斜したり或いは車両が急加速した場合等においては前記油室とデフ室と連通する連通路が前記開閉機構により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路が開放される実用的な構成の開閉機構を実現できる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両の駆動装置10の骨子図である。この図1に示す駆動装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に用いられる横置き型の装置であり、走行用の駆動力源であるエンジン12、クラッチ14、及び本発明の車両用動力伝達装置の一実施例であるトランスアクスル22を備えて構成されている。
上記エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。また、上記クラッチ14は、通常は係合状態とされる一方、図示しないクラッチペダルの踏込操作によりスリップ状態或いは開放状態とされて、上記エンジン12から出力される動力の上記トランスアクスル22への伝達を断続する動力断続装置である。また、上記トランスアクスル22は、変速機16及び終減速機18が共通のトランスアクスルケース20(以下、単にケース20という)に収容されて構成されたものである。
上記変速機16は、車両の車幅方向に互いに平行な一対の入力軸24、カウンタ軸26間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対28a、28b、28c、28d、28e(以下、特に区別しない場合には単に変速ギヤ対28という)が配設されると共に、それら各変速ギヤ対28に対応して複数の噛合クラッチ30a、30b、30c、30d、30e(以下、特に区別しない場合には単に噛合クラッチ30という)が設けられた平行軸式の変速機構と、それら各噛合クラッチ30の3つのクラッチハブスリーブ32a、32b、32cの何れかを選択的に移動させて変速段を切り換えるシフトセレクトシャフト34とを、備えて構成されており、前進5段の変速段が成立させられるようになっている。上記入力軸24及びカウンタ軸26には、更に後進ギヤ対36が配設され、図示しない出力シャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速段が成立させられるようになっている。また、上記カウンタ軸26には、出力歯車38が配設されて前記終減速機18のファイナルギヤ40と噛み合わされている。
前記変速機16では、上記シフトセレクトシャフト34の操作により上記噛合クラッチ30eが係合されると、変速比(入力軸24の回転数/カウンタ軸26の回転数)が最も大きい第1変速段が成立させられる。また、上記噛合クラッチ30dが係合されると、変速比が2番目に大きい第2変速段が成立させられる。また、上記噛合クラッチ30cが係合されると、変速比が3番目に大きい第3変速段が成立させられる。また、上記噛合クラッチ30bが係合されると、変速比が4番目に大きい第4変速段が成立させられる。また、上記噛合クラッチ30aが係合されると、変速比が最も小さい第5変速段が成立させられる。
前記終減速機18は、傘歯車である左右一対のサイドギヤ42R、42Lと、それらサイドギヤ42R、42Lにそれぞれスプライン嵌合等によって連結された左右一対のドライブシャフト44R、44Lとを、備えて構成されており、前記カウンタ軸26から入力される動力を左右の前輪(駆動輪)46R、46Lに分配し、それら前輪46R、46Lを回転駆動させる。すなわち、前記終減速機18は、円滑な転がり走行となるようにそれら左右の前輪46R、46Lの駆動車軸の回転数を配分するデファレンシャル装置(差動装置)を含んでいる。また、図1に示すように、本実施例の駆動装置10においては、車両前進方向を前方とした場合に、車軸である上記ドライブシャフト44R、44Lが前記エンジン12の出力軸である入力軸24よりも後方に配設されている。
前記入力軸24は、前記ケース20に固定された左右一対のベアリング50及び52によって回転可能に支持されている。また、前記カウンタ軸26は、前記ケース20に固定された左右一対のベアリング54及び56によって回転可能に支持されている。また、上記ドライブシャフト44Rは、前記ケース20に固定されたベアリング58によって回転可能に支持されている。また、上記ドライブシャフト44Lは、前記ケース20に固定されたベアリング60によって回転可能に支持されている。
図2は、図1における太い一点鎖線で示される断面を矢印Aの方向から見た視断面図である。この図2は、例えば前記変速機16において前記噛合クラッチ30aが係合させられて第5変速段が成立させられた状態のものであり、前記変速ギヤ対28aが入力軸24からの動力を伝達する入力歯車64及びカウンタ軸26へ動力を伝達するカウンタ歯車62として機能している。すなわち、それらカウンタ歯車62と入力歯車64との外周歯が互いに噛み合うと共に、前記出力歯車38とファイナルギヤ40との外周歯が互いに噛み合っている状態を示している。また、矢印Fは車両の走行方向前方を示しており、図2は登坂走行時において車両が前後方向に関して水平面に対し所定角度傾斜した状態における前記トランスアクスル22を例示している。
図2に示すように、前記トランスアクスル22においては、前記ケース20の内壁により、デファレンシャル装置としての終減速機18に備えられた上記出力歯車38及びファイナルギヤ40等を収容するデフ室66が構成されている。また、前記ケース20の底部(鉛直方向下方部)には、前記変速機16や終減速機18等の潤滑等に用いられて還流された潤滑油70を受け溜めるためのオイルパン72がそのケース20と一体的に設けられており、前記ケース20の外壁及びそのオイルパン72の内壁により上記潤滑油を貯溜する油室68が構成されている。図2においては、この油室68内に貯溜された潤滑油70の油面(上限油面)を二点鎖線で示している。また、後述するように、前記ケース20には、上記デフ室66と油室68とを連通する連通路(連通穴)76が設けられており、上記油室68内に貯溜された潤滑油70は、その連通路76を通じて上記デフ室66内へ供給され、前記終減速機18の潤滑に用いられるようになっている。なお、上記油室68内に貯溜(還流)された潤滑油70は、図示しないオイルポンプにより異物除去装置であるストレーナ74を介して前記変速機16や終減速機18へ再び圧送される。
図3及び図4は、従来技術においてトランスアクスルに設けられた前記デフ室66と油室68と連通する連通路76の位置を例示する図である。なお、以下の説明において、相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。図3に示す例では、前記オイルパン72の底面を基準とする鉛直方向の高さを考えた場合、前記ケース20における比較的高い位置に連通路76が穿設されている。前記油室68内における潤滑油70の油面は、上記連通路76の下限高さとなるが、図3に示す構成では、前記連通路76が上記ケース20における比較的高い位置に設けられていることで、前記油室68内における潤滑油70の油面も比較的高くなる。従って、図3に示すように前記ストレーナ74の吸い口は気中に露出せず、そのストレーナ74からのエアの吸い込みは発生し難い。他方、斯かる構成においては、前記潤滑油70の油温度が比較的低い場合において前記ケース20の内壁に付着する油が増える等の理由によりオイルレベルが低下してエア吸いやDレンジロストドライブ等の不具合が発生するおそれがある。
図4は、上記図3に示すような構成における不具合の発生を抑制するために、上記連通路76に加えて、前記ケース20における比較的低い位置に連通路78が穿設された例を示す図である。この図4に示す構成では、前記ケース20における比較的低い位置に連通路78が設けられていることで、上記油温低下時におけるエア吸いやDレンジロストドライブ等の不具合が抑制される。しかし、斯かる構成においては、登坂走行時において車両が前後方向に関して水平面に対し所定角度傾斜した場合や、車両が急加速する等して前記潤滑油70に車両後方への加速度がかかった場合、図に太い矢印で示す方向の前記ファイナルギヤ40の回転により前記デフ室66内の潤滑油70が掻き揚げられ、そのデフ室66内のオイルレベルが低下して、前記連通路78から前記油室68内の潤滑油70が前記デフ室66内へ流入する。これにより、図4に示すように前記潤滑油70の油面が比較的低くなって前記ストレーナ74の吸い口が気中に露出し、そのストレーナ74からのエアの吸い込みが発生するおそれがある。
本実施例のトランスアクスル22は、上記油温低下時におけるエア吸いやDレンジロストドライブ等の不具合を抑制しつつ、車両傾斜角度が所定角度以上である場合や車両加速度が所定値以上である場合における前記ストレーナ74からのエアの吸い込みの発生を抑制するための構成を備えたものであり、以下、図5乃至図7等を用いて斯かる本実施例のトランスアクスル22に備えられた構成について詳述する。
図5は、本実施例のトランスアクスル22の構成を説明する図である。この図5に示すように、本実施例のトランスアクスル22には、上記連通路78に対応してその連通路78を開閉するための開閉機構80が設けられている。この開閉機構80は、車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて上記連通路78を開閉するように設けられたものであり、好適には、車両登坂時の傾斜角度(前後方向の角度)が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合に上記連通路78を閉鎖するように、それ以外の場合(車両傾斜角度がθA未満であり、車両加速度がαA未満である場合)には上記連通路78を開放するように作動する、重力を利用した機械的な装置である。
図6及び図7は、前記トランスアクスル22に設けられた開閉機構80の構成を例示する図である。この図6に示すように、本実施例の開閉機構80は、窓部84を有する台板部材(ベースプレート)82と、その台板部材82に固設されたヒンジ(中心軸)86と、そのヒンジ86を軸心として回動可能に設けられた可動板部材(可動プレート)88とを、備えて構成されている。上記台板部材82は、図6に示すように、上記窓部84が前記連通路78の開口に相当する部分に位置するように前記ケース20の内壁に固設されたものであり、前記連通路78を被覆すると共にその窓部84においてその連通路78を開放するように、換言すれば、その窓部84により前記デフ室66と油室68と連通するように設けられている。また、上記可動板部材88は、図7に示すように上記ヒンジ86まわりに回動して上記窓部84を覆う位置となった場合に、その窓部84を閉鎖するように構成されている。なお、この窓部84(台板部材82)と可動板部材88との相対位置関係は、図7に示すように可動板部材88が窓部84を覆った際に、前記油室68からデフ室66への潤滑油70の流入をある程度阻止する効果を奏するものであれば、完全(気密)にその窓部84を閉鎖するものでなくとも構わない。
上述のように構成された開閉機構80において、上記ヒンジ86及び可動板部材88は、車両登坂時の傾斜角度が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合に上記可動板部材88が上記窓部84を閉鎖するように、それ以外の場合(車両傾斜角度がθA未満であり、車両加速度がαA未満である場合)には上記窓部84を開放するような相対位置関係とされている。図6は、平坦な路面走行時における前記開閉機構80のヒンジ86及び可動板部材88の位置関係を示しており、矢印Fで示す紙面向かって右方向が車両の進行方向(前進方向)に、矢印Gで示す下方向が重力方向にそれぞれ対応する。この図6に示すように、車両が平坦な路面を走行している場合、上記可動板部材88は窓部84を開放する位置(閉鎖しない位置)に回動させられており、前記連通路78はその窓部84を介して開放されている。従って、前記デフ室66と油室68との間は、その連通路78及び窓部84を介して連通されており、その油室68からデフ室66への潤滑油70の供給が許容されている。
図7は、登坂走行時等において車両の前後方向の傾斜角度が所定角度θA以上である場合における前記開閉機構80のヒンジ86及び可動板部材88の位置関係を示している。この図7に示すように、車両登坂時等において車両の前後方向の傾斜角度が所定角度θA以上である場合、その車両の傾斜(ケース20の傾斜)に従って台板部材82も同様に傾斜させられるが、上記ヒンジ86まわりに回動可能に設けられた上記可動板部材88は、重力に従ってそのヒンジ86から下垂させられるため、上記台板部材82に対する相対位置が変化させられて図7に示すようにその台板部材82における窓部84を閉鎖する位置に回動させられ、前記連通路78はその可動板部材88により閉鎖される。従って、前記デフ室66と油室68との間は、その可動板部材88により閉鎖され、その油室68からデフ室66への潤滑油70の供給が抑制乃至は阻止される。また、車両加速度が所定値αA以上となって前記可動板部材88に車両進行方向後方(進行逆方向)への加速度がかかり、その可動板部材88がヒンジ86まわりに回動させられた場合にも同様に図7に示すような位置関係となり、前記油室68からデフ室66への潤滑油70の供給が抑制乃至は阻止される。
以上のように、本実施例の開閉機構80は車両登坂時の傾斜角度が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合に前記連通路78を閉鎖することで前記油室68内におけるオイルレベルの低下を抑制し、前記ストレーナ74からのエアの吸い込みを好適に防止する一方、通常走行時には前記連通路78を開放することで油温低下時におけるエア吸いやDレンジロストドライブ等の不具合を好適に防止することができる。また、前記開閉機構80は、重力及び車両加速度等を利用して前記連通路78を開閉する機械的装置であるため、何ら動力源を設けることなく自動的に車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じた前記連通路78の開閉を実現できる。
このように、本実施例によれば、デファレンシャル装置としての終減速機18を収容するデフ室66と、潤滑油70を貯溜するオイルパン72により構成される油室68と、その油室68と前記デフ室66と連通する連通路78とを、有するトランスアクスル22であって、車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路78を開閉する開閉機構80を備えたものであることから、車両が傾斜したり或いは急加速した場合等においては前記油室68とデフ室66と連通する連通路78が前記開閉機構80により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路78が開放されるように構成することで、登坂走行等の傾斜路面走行時におけるストレーナ74からのエアの吸い込みを抑制しつつ、それ以外の場合におけるデフ室66への潤滑油70の供給を確保することができる。すなわち、傾斜路面走行時におけるエアの吸い込みを好適に抑制するトランスアクスル22を提供することができる。
また、前記開閉機構80は、ヒンジ86と、そのヒンジ86を軸心として回動可能に設けられた可動板部材88とから成り、それらヒンジ86及び可動板部材88は、車両傾斜角度が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合に前記可動板部材88が前記連通路78を閉鎖するような相対位置に配設されたものであるため、車両が傾斜したり或いは車両が急加速した場合等においては前記油室68とデフ室66と連通する連通路78が前記開閉機構80により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路78が開放される実用的な構成の開閉機構80を実現できる。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例相互に共通する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8及び図9は、前記開閉機構80の代替として、前記トランスアクスル22に好適に用いられる開閉機構90の構成を例示する図である。この開閉機構90においては、前記台板部材82に一対のピン92が立設されており、各ピン92に対応する一対のスリット96を有する可動板部材94が、前記台板部材82と上記ピン92の頭との間に、その台板部材82に対する平行移動(スライド移動)可能に配設されている。この開閉装置90において、上記可動板部材94は、車両傾斜角度が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合には、図9に示すように前記台板部材82に形成された窓部84を閉鎖するように、すなわち前記連通路78を閉鎖するように前記台板部材82に対してスライド移動させられる一方、それ以外の場合(車両傾斜角度がθA未満であり、車両加速度がαA未満である場合)には、図8に示すように、前記台板部材82に形成された窓部84を開放するように、すなわち前記連通路78を開放するように前記台板部材82に対してスライド移動させられる。前記台板部材82と可動板部材94とは、そのように車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路78を開閉するような相対位置関係とされたものであり、斯かる構成によっても車両が傾斜したり或いは車両が急加速した場合等においては前記油室68とデフ室66と連通する連通路78が前記開閉機構90により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路78が開放される実用的な構成の開閉機構90を実現できる。
図10及び図11は、前記開閉機構80等の代替として、前記トランスアクスル22に好適に用いられる開閉機構100の構成を例示する図である。この開閉機構100は、ボール102と、そのボール102を転動可能に収容する空洞部106を有するボール保持部材104とを、備えて構成されている。そのボール保持部材104には、上記空洞部106の内壁から外部に貫通して窓部108が穿設されている。また、上記ボール保持部材104におけるその窓部108の反対側には、上記空洞部106の内壁から外部に貫通して、好適には上記窓部108よりも大径の窓部110が穿設されている。上記ボール保持部材104は、図10に示すように、上記窓部108が前記連通路78の開口に相当する部分に位置するように前記ケース20の内壁に固設されたものであり、前記連通路78を被覆すると共にその窓部108においてその連通路78を開放するように、換言すれば、その窓部108により前記デフ室66と油室68と連通するように設けられている。斯かる開閉機構100において、上記ボール102は、車両傾斜角度が所定角度θA以上である場合或いは車両加速度が所定値αA以上である場合には、図11に示すように前記ボール保持部材104に形成された窓部108を閉鎖するように、すなわち前記連通路78を閉鎖するように前記空洞部106内を転動させられる一方、それ以外の場合(車両傾斜角度がθA未満であり、車両加速度がαA未満である場合)には、図10に示すように、前記ボール保持部材104に形成された窓部108を開放するように、すなわちその窓部108及び110を介して前記連通路78を開放するように前記空洞部106内を転動させられる。前記ボール102とボール保持部材104(空洞部106)とは、そのように車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路78を開閉するような相対位置関係とされたものであり、斯かる構成によっても車両が傾斜したり或いは車両が急加速した場合等においては前記油室68とデフ室66と連通する連通路78が前記開閉機構100により閉鎖される一方、それ以外の場合にはその連通路78が開放される実用的な構成の開閉機構100を実現できる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、手動変速機(マニュアルトランスミッション)としての変速機16を含むトランスアクスル22に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複数の摩擦係合装置を備えてそれら摩擦係合装置の係合・解放により複数の変速段を選択的に成立させる自動変速機(オートマチックトランスミッション)や、ベルト式無段変速機等を備えた動力伝達装置に本発明が適用されるものであってもよい。
また、前述の実施例では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のトランスアクスル22に本発明が適用された例を説明したが、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用のトランスアクスル等、他の型式の動力伝達装置にも本発明は好適に適用される。
また、前述の実施例において、ドライブシャフト44がエンジン12の出力軸よりも車両進行方向前方に配設されたトランスアクスル22に本発明が適用された構成に関して、登坂時乃至は急加速時のエア吸いを防止する効果について説明したが、車軸がエンジンの出力軸よりも車両進行方向後方に配設された動力伝達装置に関しては、本発明が適用されることにより降坂時乃至は急減速時のエア吸いに効果を奏する。
また、前述の実施例においては特に言及していないが、前記開閉機構80等と同様の機構を用いて、急旋回等の車両運動に伴う油面移動によるエア吸いの防止を図ることも可能である。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される車両の駆動装置の骨子図である。 図1における太い一点鎖線で示される断面を矢印Aの方向から見た視断面図である。 従来技術においてトランスアクスルに設けられたデフ室と油室と連通する連通路の位置を例示する図であり、比較的高い位置に連通路が穿設された構成を示している。 従来技術においてトランスアクスルに設けられたデフ室と油室と連通する連通路の位置を例示する図であり、比較的低い位置に連通路が穿設された構成を示している。 本実施例のトランスアクスルの構成を説明する図である。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の構成を例示する図であり、平坦な路面走行時におけるヒンジ及び可動板部材の位置関係を示している。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の構成を例示する図であり、登坂走行時におけるヒンジ及び可動板部材の位置関係を示している。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の他の一例を示す図であり、平坦な路面走行時における可動板部材のスライド位置を示している。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の他の一例を示す図であり、登坂走行時における可動板部材のスライド位置を示している。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の更に別の一例を示す図であり、平坦な路面走行時におけるボールの転動位置を示している。 図5のトランスアクスルに設けられた開閉機構の更に別の一例を示す図であり、登坂走行時におけるボールの転動位置を示している。
符号の説明
18:終減速機(デファレンシャル装置)
22:トランスアクスル(車両用動力伝達装置)
66:デフ室
68:油室
70:潤滑油
72:オイルパン
76、78:連通路
80、90、100:開閉機構
86:ヒンジ
88:可動板部材

Claims (2)

  1. デファレンシャル装置を収容するデフ室と、潤滑油を貯溜するオイルパンにより構成される油室と、該油室と前記デフ室と連通する連通路とを、有する車両用動力伝達装置であって、
    車両傾斜状態或いは車両加速状態に応じて前記連通路を開閉する開閉機構を備えたものであることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記開閉機構は、ヒンジと、該ヒンジを軸心として回動可能に設けられた板部材とから成り、それらヒンジ及び板部材は、車両傾斜角度が所定角度以上である場合或いは車両加速度が所定値以上である場合に前記板部材が前記連通路を閉鎖するような相対位置に配設されたものである請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
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JP2015045343A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 マツダ株式会社 車両用変速機
WO2015174212A1 (ja) * 2014-05-15 2015-11-19 Ntn株式会社 インホイールモータ駆動装置

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