JP2019143406A - 建物の施解錠システム - Google Patents

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Abstract

【課題】防犯性を損なうことなく、利便性を向上することができる建物の施解錠システムを提供する。【解決手段】建物10には、玄関口15を開閉する玄関ドア16が設けられ、その玄関ドア16には、屋内側に施錠装置21、屋外側にドアノブ18が設けられている。ドアノブ18には、人がドアノブ18に触れたことを検出するドアノブセンサ19が設けられている。玄関部11には人感センサ23が設けられている。コントローラは、ドアノブセンサ19によりドアノブ18への接触が検出された場合に、通信装置31により受信した電子キー41からのID情報に基づき、施錠装置21を施解錠する。この際、人感センサ23により人が検出された場合は、ドアノブ18への接触による施錠装置21の解錠操作を所定期間において無効とする。そしてこの解錠操作が無効とされている状況において、所定の解除条件を満たした場合は解錠操作の無効化を解除する。【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の施解錠システムに関する。
住宅等の建物では、無線機能を有する電子キーを用いてドアに設けられた施錠装置の施解錠を行う施解錠システムが実用化されている。近年では、ドアの屋外側に設けられたドアノブにタッチセンサが内蔵され、当該センサへの接触により施解錠されるものが知られている。このシステムでは、電子キーを携帯した居住者が建物に入るためにドアに近づき、当該ドア付近に設けられた通信装置の通信エリア内に入ると、電子キーから発信される識別情報が通信装置により受信される。そして、建物側では通信装置を介して受信したその識別情報に基づいて居住者であるか否かの認証が行われ、その認証により居住者であることが判定されるとともに、居住者がドアノブに触れたことがタッチセンサにより検出されると、ドアに設けられた施錠装置が施解錠される。
かかるシステムによれば、屋外側のドアノブに触れるだけで施錠装置が施解錠されるため利便性に優れているが、例えば屋内側の玄関付近で、電子キーを携帯する居住者(例えば帰宅直後の居住者)が留まっている場合、通信装置がその電子キーと通信をし、当該電子キーを認証している状態となる。このような場合、電子キーを持たずとも、屋外側から(例えば、不審者が)ドアノブに接触するだけで施錠装置の施解錠が可能である。そのため、このような状況は居住者の意図と関係なく施解錠が行われるおそれがあり、防犯上好ましくない。
このような状況を回避するために、例えば、屋内側の玄関付近の人の存在を検出し、人が検出された場合には、電子キーが認証されている場合でも解錠を許可しない技術が知られている(例えば、特許文献1)。そして、このような技術において、人の存在の検出のために焦電型赤外線センサが多く用いられている。当該センサは、検出エリア内で周囲との温度変化を感知することで人の存在を検出するため、例えば人が静止している間はその存在が検出されないこともあり、よって検出精度が十分とはいえない。そのため、その検出精度を考慮した上で防犯性を確保する手段として、センサがいったん人を検出すると、ドアノブ接触による解錠を不可とする解錠不可状態を所定の期間において継続する技術も提案されている。
特開2017−120001号公報
しかしながら、上記技術では、例えば屋内側の玄関付近を同居する居住者が横切る等した場合、安全上は問題ない状況であるのにかかわらず所定の期間において解錠不可状態となり、直後に帰宅してきた居住者はドアノブに接触しても解錠できない。この場合、帰宅してきた居住者は、電子キーをカバン等から取り出し、電子キーに設けられたリモート操作スイッチを操作したり、又は解錠不可状態が解除されるまでの所定の期間、待機する必要があり、せっかくの利便性が活かされない状況となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、防犯性を損なうことなく、利便性を向上することができる建物の施解錠システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の施解錠システムは、
建物の出入口を開閉する開閉体と、前記開閉体を施錠する施錠装置とを備えた建物に適用され、
ユーザにより携帯され、固有の識別情報を送信する電子キーと、
建物の出入口付近の所定範囲を通信エリアとして前記電子キーとの間で無線通信可能とされている通信装置と、
前記通信装置により受信した前記電子キーからの前記識別情報に基づいて施解錠を制御する制御手段と、
前記建物内における前記出入口付近の人の存在を検出する人検出手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記人検出手段により人の存在が検出された場合に、人の存在が検出されてから所定の無効期間だけ、前記識別情報に基づく解錠操作を無効化する無効化手段を備える建物の施解錠システムであって、
前記制御手段に、前記電子キーとの通信状況又は前記開閉体の開閉状況と、前記人検出手段からの検出結果とにより設定される所定の解除条件を満たした場合、前記無効期間が経過する前に前記無効化手段によりなされた前記解錠操作の無効化を解除する解除手段を備えることを特徴とする。
これまでの施解錠システムでは、屋内側の出入口付近の人の存在の有無のみで解錠操作の無効化の継続を判断していた。そのため、防犯上問題のない状況であっても所定の無効期間にわたって解錠操作の無効化が実施され、これにより利便性が損なわれることもあった。しかしながら、第1の発明によれば、無効期間中であっても、電子キーとの通信状況又は開閉体の開閉状況と、人検出手段からの検出結果とにより設定される所定の解除条件を満たすと解錠操作の無効化を解除することができる。
すなわち、第1の発明によれば、屋内側の出入口付近の人の存在の有無と、電子キーとの通信状況又は開閉体の開閉状況とを組み合わせることで、解錠操作の無効化が不要な状況、換言すれば防犯上施錠装置を解錠しても問題のない状況が把握できる。そして、そのような防犯上問題がなく、解錠操作の無効化が不要な場面において、解錠操作の無効化を解除することができ、よって防犯性を損なうことなく、利便性を向上することができる。
第2の発明の建物の施解錠システムは、第1の発明において、前記解除条件として、前記無効化手段により前記解錠操作の無効化がなされている状況において、前記電子キーから前記識別情報が受信されない場合が設定されることを特徴とする。
例えば、建物内にいる同居する居住者が玄関付近を横切って人検出手段により検出された場合、所定の期間、解錠操作の無効化が実施される。したがって、人検出手段により検出されてすぐにその居住者が玄関付近から立ち去っていたとしても、立ち去った直後に帰宅した居住者は、解錠操作の無効化により電子キーの識別情報に基づく解錠操作(例えば、電子キーの識別情報に基づいたドアノブ接触による解錠)ができない。そのため、帰宅した居住者は、無効期間が経過するまで待機する必要があった。
しかしながら、第2の発明によれば、建物内の居住者が玄関付近から立ち去った後、無効期間が経過する前に、電子キーからの識別情報が受信されない(換言すれば、正規の電子キーとの通信が成立しない)ことを条件として解錠操作の無効化が解除される。これにより、例えば、建物内の居住者が玄関付近を横切り立ち去った直後に帰宅してきた居住者が電子キーの識別情報に基づく解錠操作(例えば、電子キーの識別情報に基づいたドアノブ接触による解錠)をしようとしても解錠できないという状況、すなわち、防犯上は問題ないにもかかわらず解錠操作の無効化がされている状況を減らすことができる。よって、防犯性を損なうことなく、利便性を向上できる。
第3の発明は、第2の発明において、前記制御手段は、前記解除条件を満たしたと判断した後、前記無効期間よりも短く設定された待機期間が経過してから、前記解錠操作の無効化を前記解除手段により解除することを特徴とする。
第3の発明によれば、解錠操作の無効化がなされている状況において電子キーが認証されていないことを条件として無効化を解除する際に、無効期間よりも短い待機期間、電子キーからの識別情報が受信されるか否かを待機する。すなわち、電子キーからの識別情報が受信されない場合であっても、少しの期間の間、電子キーからの通信を待機する。
例えば、電子キーを携帯する居住者が人検出手段により検知されている状況で、なんらかの理由(例えば、複数の電子キーが存在していたり、電波を発生する機器が近くに存在しているなどの理由)により、電子キーと通信装置との通信に遅れが生じた場合、人検出手段による人の検出と、電子キーとの通信とに時間差が生じることがありうる。このような場合であっても、電子キーからの識別情報の受信がないことを条件に即座に解錠操作の無効化が実施されない。よって、第3の発明によれば安全性を高めることができる。
第4の発明の建物の施解錠システムは、第2又は第3の発明において、前記人検出手段により人の存在が検出される検出エリアは、前記通信装置の屋内側の前記通信エリアを包含するように設定されることを特徴とする。
第4の発明によれば、玄関付近の屋内側において、人検出手段が人を検出する検出エリアは、電子キーが認証される通信エリアを包含して設定される。これにより、玄関付近の屋内側に留まる居住者の携帯する電子キーが認証され、人検出手段により人が検出されていないという状況が回避できる。すなわち、屋内側に存在する電子キーの識別情報に基づく屋外側からの解錠操作が可能である状態であるのにかかわらず、解錠操作の無効化がなされないという防犯上問題のある状況が回避できる。
第5の発明の建物の施解錠システムは、第1〜4のいずれかの発明において、
前記開閉体の開閉を検出する開閉検出手段を備え、
前記解除条件として、前記無効化手段により前記解錠操作の無効化がなされている状況において、前記開閉検出手段により前記開閉体が開閉されたことが検出され、前記開閉体が閉じた後に前記人検出手段により人が検出されない場合が設定されることを特徴とする。
例えば、電子キーを携帯する居住者が外出するために開閉体を開閉して建物外に出た直後に、忘れ物に気付いて建物内に戻ろうとする場合がある。この場合、居住者はその直前に建物内の人検出手段により検出されているため、解錠操作の無効化が実施されている。よって、このような場合、居住者は解錠するために無効期間が経過するのを待機する必要があった。
しかしながら、このような状況の場合、解錠操作の無効化が継続していたとしても、建物内の出入口付近に人はおらず、かつ建物内における通信装置の通信エリア内に電子キーは存在しない。したがって、このような状況において、電子キーの識別情報に基づく解錠操作により施錠装置が解錠されたとしても防犯上は問題がない。
よって、第5の発明によれば、解錠操作の無効化がなされている状況において、開閉体が開閉された後に、人検出手段により屋内側の出入口付近に人が検出されない場合、解錠操作の無効化を解除する。これにより、外出しようとした居住者が忘れ物を取りに建物内に戻ろうとした際に、無効期間の経過を待つことなく電子キーの識別情報に基づく解錠操作が可能になる。すなわち、防犯上は問題ないにもかかわらず解錠操作の無効化がされている状況を減らすことができ、防犯性を損なうことなく、利便性が向上できる。
第6の発明の建物の施解錠システムは、第1〜5のいずれかの発明において、前記施錠装置は、前記出入口の建物内側からは、前記建物内側に設けられた操作部による操作により施解錠されるように構成されることを特徴とする。
例えば同居する居住者が、帰宅した居住者を屋内側の出入口付近で出迎える場合でも、人検出手段により人が検知されるため解錠操作の無効化が実施される。そのため、帰宅した居住者は、電子キーを携帯していたとしても屋外側から施錠装置を解錠できない。第6の発明によれば、このような場合、出迎えた居住者が屋内側から、屋内側に設けられた操作部を操作して施錠装置を解錠することができる。よって、帰宅した居住者にとって大きな不都合はなく、防犯性を損なうことなく、利便性が確保される。
玄関周辺を示す平面図。 施解錠システムの電気的構成を示す図。 解錠操作の無効化の制御処理を示すフローチャート。 施錠装置を施解錠する制御処理を示すフローチャート。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は玄関周辺を示す平面図である。
図1に示すように、建物10には、屋内スペースとして、玄関部11、廊下12、居室13等が設けられている。玄関部11には、出入口としての玄関口15が設けられている。この玄関口15を通じて建物10への出入りが可能となっている。また、玄関口15には、開閉体としての玄関ドア16が設けられている。玄関ドア16は、例えば回動式の開き戸からなる。この玄関ドア16により玄関口15が開閉されるようになっている。なお、玄関ドア16は、引き戸であってもよい。
玄関ドア16には、屋外側に取っ手としてのドアノブ18が設けられている。ドアノブ18には、ドアノブ18に人が接触したことを検出するタッチセンサからなるドアノブセンサ19が内蔵されている。
玄関ドア16には、施錠装置21が設けられている。施錠装置21は、錠前を電気的に施解錠することで玄関ドア16の施錠(ロック)及び解錠(アンロック)を行う装置である。施錠装置21は、建物10の居住者が携帯する電子キー41によって施解錠されるようになっている。また、施錠装置21は、屋内側(玄関部11側)から施解錠操作が可能なサムターン部21aを有している。本実施形態では、施錠装置21を屋内側から施解錠する場合には、このサムターン部21aを操作することにより施解錠する。
玄関ドア16付近の屋外側(玄関ドア16の屋外側の面でも可)には、通信装置31が設けられている。通信装置31における無線通信用の通信エリアCAは、平面視において通信装置31を中心とする円形の所定範囲であり、その範囲が玄関口15の屋内側及び屋外側に跨がるように設定されている。詳しくは、通信装置31の通信エリアCAは、玄関ドア16の屋外側で住人がドアノブ18をつかんだ場合、住人が当該通信エリアCA内に位置するように設定されている。通信装置31は、その通信エリアCA内にて電子キー41と通信可能とされている。
電子キー41には、リモート操作により施錠装置21を施解錠するための操作部として、施錠用の施錠スイッチ42と、解錠用の解錠スイッチ43とが設けられている。電子キー41は、施錠スイッチ42又は解錠スイッチ43が押下操作されることに基づいて施錠又は解錠用の操作信号を送信することができる。
玄関口15より屋内側(例えば、玄関口15の設けられた壁の屋内側の面の上部)には人感センサ23が設けられている。人感センサ23は、玄関口15の付近における人の存在を検出するように構成されている。人感センサ23としては、例えば、人体からの赤外線を検出する焦電型赤外線センサ、又は超音波を出力して人体によって反射された超音波を受信することにより人を検出する超音波センサ等が用いられる。
通信装置31が建物10の内外を通信エリアCAとするのに対し、人感センサ23は、玄関ドア16の閉鎖時においては建物10の内側のみを検出エリアDAとするように配置位置及び検出範囲が設定されている。また、居住者が外出するために玄関部11へ入った場合には、まず人感センサ23の検出エリアDAへ進入し、その後通信装置31の通信エリアCAに進入するように、それぞれの範囲が調整されている。
玄関ドア16の屋内側の面には、玄関ドア16の開閉を検出するための開閉検出センサ24が設けられている。
続いて、施解錠システムの電気的構成について図2に基づいて説明する。図2は、施解錠システムの電気的構成を示す図である。
図2に示すように、施解錠システムは、施解錠制御手段としてのコントローラ32を備える。コントローラ32は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを備えて構成され、例えば玄関部11の壁面に設けられている。コントローラ32は、少なくとも、施解錠を制御する制御部33と、電子キー認証のためのID情報(識別情報)や各種センサ類からの検出結果等を記憶する記憶部34と、時間を計測する場合に用いられるタイマ35とを有している。
コントローラ32には、通信装置31が接続されている。通信装置31は、建物10に居住する各住人の携帯する電子キー41とそれぞれ無線通信が可能とされている。この場合、コントローラ32は、通信装置31を介して各住人の電子キー41と無線通信が可能とされている。
電子キー41は、電子キー41毎に固有のID情報を記憶するメモリ(図示略)を備えており、コントローラ32からの要求に応じてID情報を送信する。ここで、通信装置31は、リクエスト信号を所定の時間周期(例えば0.5秒ごとに)で送信するのに対し、電子キー41は、通信装置31の通信エリアである通信エリアCAに進入してリクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に応答してID情報を通信装置31に送信する。そして、ID情報が通信装置31により受信されると、当該ID情報が通信装置31からコントローラ32に入力される。コントローラ32は、通信装置31を介して電子キー41からのID情報が入力されると、当該ID情報と予め記憶部34に登録されたID情報との一致判定を行い、正規の電子キー41であるか否かの認証を行う。
コントローラ32には、ドアノブセンサ19が接続されている。コントローラ32には、ドアノブセンサ19から逐次検出結果が入力される。そして、上記ID情報によって電子キー41が正規認証されている状況において、ドアノブセンサ19から(ドアノブ18に人が接触した旨の)検出結果が入力されると、コントローラ32は施錠装置21の施錠又は解錠を行う。すなわち、施錠装置21が施錠されている状態においてドアノブセンサ19からの検出結果が入力されると施錠装置21を解錠し、施錠装置21が解錠されている状態においてドアノブセンサ19から検出結果が入力されると施錠装置21を施錠する。電子キー41が正規のものに該当しない場合には、施錠装置21の施解錠は行われない。
コントローラ32は、電子キー41から送信される施錠又は解錠用の操作信号を受信して、施錠装置21を施解錠することもできる。すなわち、電子キー41は、施錠用の施錠スイッチ42を押下操作することにより施錠用の操作信号を送信し、解錠用の解錠スイッチ43が押下操作されることにより解錠用の操作信号を送信する。そして、電子キー41からの操作信号が通信装置31に受信されると、コントローラ32は、その操作信号に基づいて施錠装置21を施解錠する。なお、本明細書中、電子キー41からの操作信号に基づいて施錠装置21の施解錠を行うことを「リモート操作」と称する場合がある。リモート操作は、屋外側及び屋内側からのどちらからでも施錠装置21を施解錠することができる。
コントローラ32には、人感センサ23が接続されている。コントローラ32には、人感センサ23から逐次検出結果が入力される。コントローラ32は、人感センサ23からの検出結果に基づいて、人感センサ23の検出エリアDA内における人の存在の有無を判定する。
コントローラ32には、開閉検出センサ24が接続されている。コントローラ32には、開閉検出センサ24から逐次検出結果が入力される。開閉検出センサ24からの検出結果に基づいて、玄関ドア16の開閉状態を判定する。なお、玄関ドア16が閉状態とされたと判定した場合に施錠装置21により玄関ドア16が自動で施錠(オートロック)されるようにしてもよい。
次に、コントローラ32の制御部33により実行される制御処理の内容について図3及び図4に基づいて説明する。図3は、施錠装置21の解錠を不許可とする解錠不許可モードの制御処理の流れを示すフローチャートである。図4は、施錠装置21の施解錠における制御処理の流れを示すフローチャートである。
解錠不許可モードは、人感センサ23により人が検出されることにより実施される。解錠不許可モードが実施されている間は、電子キー41が正規認証され、ドアノブ18による接触がドアノブセンサ19により検出された場合であっても施錠装置21は解錠されない。換言すれば、解錠不許可モードは、ID情報によって電子キー41が正規認証されている状況においてドアノブ18の接触により施錠装置21を解錠することを不可能とする。なお、解錠不許可モードが実施されている場合であっても、電子キー41のリモート操作による解錠は可能である。
解錠不許可モードが実施されると、その解錠不許可モードが解除される条件としては、以下の3つである;
(a)人の検出後、電子キー41からのID情報が受信され、その人の検出から所定時間T1が経過し、所定時間T1経過後に人感センサ23により人が検出されていないこと;
(b)人の検出後、電子キー41からのID情報が受信されない状況で所定時間T2が経過し、その所定時間T2経過後に人感センサ23により人が検出されていないこと(ここで、T2<T1である);
(c)人の検出後、電子キー41からのID情報が受信され、玄関ドア16の開閉後に人感センサ23により人が検出されていないこと。
すなわち、玄関部11において人感センサ23により人が検出されると、その人の検出から所定時間T1が経過するまで、解錠不許可モードが実施される。その際、所定の条件(b)又は(c)を満たした場合、所定時間T1の経過前に解錠不許可モードが解除される。
以下、解錠不許可モードの解除の条件(a)〜(c)について、図3のフローチャートに基づき説明する。
図3に示すように、ステップS11では、人感センサ23により人の存在が検出されたか否かを判定する。人の存在が検出された場合、ステップS12へ進む。人の存在が検出されていない場合、本処理を終了する。
ステップS12では、解錠不許可モードが開始される。解錠不許可モードを開始した後、ステップS13へ進む。
ステップS13では、タイマ35をセットし、タイマ35による計時を開始する。計時の開始後、ステップS14へ進む。
ステップS14では、通信装置31を介して電子キー41からのID情報を受信し、当該ID情報の認証処理の結果がOKだったか否かを判定する。認証OKである場合にはステップS14をYES判定し、ステップS15に進む。ID情報が受信されない場合、又は認証NGである場合、NO判定してステップS16へ進む。なお、以下では、「電子キー41の認証」を「電子キー41からのID情報の受信」と称する場合もある。
ここで、人感センサ23が人を検出し、かつ電子キー41からのID情報が受信されていない場合(すなわち、ステップS14のNO判定)、人感センサ23により検出された人は電子キー41を携帯していないか、又は電子キー41の携帯の有無にかかわらず、通信装置31の通信エリアCA外に存在しているか、のどちらかであると考えられる。この場合、どちらにおいても電子キー41が認証されていないため、ドアノブ18の接触により施錠装置21の施解錠を行うことはできない状況である。すなわち、屋内側の玄関ドア16付近に人が存在していたとしても、防犯上問題がない状況である。このステップS14でのNO判定は、解錠不許可モードが解除される(b)の条件に該当する(なお、ステップS14の後、ステップS16,S18を経由することが必要であるが、その点については後述する)。
ステップS16では、タイマ35による計時開始からの経過時間が所定時間T2を超えたか否かを判定する。つまり、ここでは、人感センサ23により人が検出されてから所定時間T2が経過したか否かを判定する。所定時間T2は、後述のステップS17の所定時間T1よりも短く、例えば5秒程度に設定されている。ここでは、解錠不許可モードが解除される(b)の条件において、「ステップS11での人感センサ23による人の検出から所定時間T2経過後である」ことが確認されている。人感センサ23により人が検出されてから所定時間T2が経過した場合にはステップS18に進む。人感センサ23による人の検出から所定時間T2が経過していない場合にはステップS14へ戻り、各処理を繰り返す。
ステップS15では、人感センサ23による人の検出後、一定時間以内に玄関ドア16が開いてその後閉じたか否かを判定する。玄関ドア16が開いてその後閉じた場合、ステップS15をYES判定して、ステップS18に進む。玄関ドア16が開いてその後閉じていない場合、ステップS15をNO判定して、ステップS17へ進む。
ステップS17では、タイマ35による計時開始からの経過時間が所定時間T1を超えたか否かを判定する。つまり、ここでは、ステップS11での人感センサ23による人の検出から所定時間T1が経過したか否かを判定する。所定時間T1は、例えば10秒程度に設定されている。人感センサ23による人の検出から所定時間T1が経過した場合にはステップS18に進む。人感センサ23による人の検出から所定時間T1が経過していない場合にはステップS14へ戻り、各処理を繰り返す。
人感センサ23が人を検出し、かつ電子キー41からのID情報が受信されている場合(すなわち、ステップS14のYES判定)、例えば、(1)電子キー41を携帯する帰宅してきた居住者が玄関部11において留まっている、又は(2)電子キー41を携帯する居住者が外出するために玄関部11に進入した、という状況が考えられる。これら(1)と(2)の状況において、電子キー41を携帯しない不審者が、屋外側からドアノブ18に接触した場合、玄関部11に留まっている居住者の携帯する電子キー41が正規認証されているため施錠装置21が解錠されてしまう。
したがって、このような状況を回避するために、解錠不許可モードが実施されている間に電子キー41が認証されると(ステップS14のYES判定)、所定時間T1が経過するまで、解錠不許可モードを維持する。よって、ステップS17では、その所定時間T1の経過について判定している。このステップS17でのYES判定は、解錠不許可モードが解除される(a)の条件に該当する(なお、ステップS17の後、ステップS18を経由することが必要であるが、その点については後述する)。
なお、(2)の場合、居住者が外出するために、所定時間T1経過前に玄関ドア16を開閉した場合は、ステップS15でYES判定となり、ステップS18へ進む。
ステップS18では、人感センサ23により人の存在が検出されているか否かを判定する。人の存在が検出されていない場合、YES判定してステップS19へ進む。人の存在が検出されている場合、NO判定してステップS13へ戻り、各処理を繰り返す。
ステップS18で、人感センサ23により人が検出されていないと判定されると、ステップS19へ進み、ステップS19では、解錠不許可モードを解除する。解錠不許可モードの解除後、本処理を終了する。
ここで、玄関ドア16の開閉が検知されて(ステップS15のYES判定により)ステップS18へ進み、人感センサ23により人の検出がされていない場合(ステップS18のYES判定)、ステップS11における玄関部11で検出された人が外出したと考えられる。すなわち、電子キー41を携帯した居住者が(ステップS14のYES判定に該当)、玄関ドア16を開けて屋外側へ出て、その後玄関ドア16を閉じたため(ステップS15のYES判定)、人感センサ23により玄関部11において人が検出されないという状況が推測できる。
よって、このような場合、屋内側の通信エリアCA内には電子キー41は存在せず、電子キー41を携帯した居住者が屋外側の玄関ドア16付近に留まっている状態(すなわち、屋外側の通信エリアCA内に電子キー41が存在している状態)である。そのため、屋外側から不審者がドアノブ18を接触して施錠装置21を解錠しようとする状況は考えにくい。したがって、このような場合は解錠不許可モードを解除しても防犯上の問題はない。このステップS15からS18へ進み、人感センサ23により人の検出がされていない場合は(ステップS18のYES判定)、解錠不許可モードが解除される(c)の条件に該当する。この場合、(c)の条件を満たしたとして、所定時間T1の経過前に解錠不許可モードが解除される(ステップS219)。
また、ステップS14,S16からステップS18へと進んだ場合、当該ステップS18では、(b)の条件において、電子キー41からの識別情報が受信されず、ステップS11の人の検出から所定時間T2経過後に「人感センサ23により人が検出されないこと」が確認されている。よって、この場合、ステップS18をYES判定することにより、解錠不許可モードが解除される(b)の条件に該当し、所定時間T1の経過前である所定時間T2経過後に解錠不許可モードが解除される(ステップS19)。
ステップS17からステップS18へ進み、人感センサ23により人の検出がされていない場合(ステップS18のYES判定)、解錠不許可モードが解除される(a)の条件に該当する。当該ステップS18では、(a)の条件において、電子キー41からの識別情報が受信され、ステップS11の人の検出から所定時間T1経過後に「人感センサ23により人が検出されないこと」が確認されている。すなわち、ステップS11の人感センサ23による人の検知から所定時間T1の経過後に解錠不許可モードが解除される(ステップS19)。
以上のように、本実施形態では、人感センサ23により人が検出されることを契機として、所定時間T1において解錠不許可モードが実施される(ステップS14のYES判定、ステップS15のNO判定、ステップS17のYES判定を経由してステップS18に進む)。ただし、所定の条件として(b)人の検出後、電子キー41からのID情報が受信されない状況で所定時間T2が経過し、その所定時間T2経過後に人感センサ23により人が検出されていないこと(ステップS14のNO判定、ステップS16のYES判定を経由してステップS18に進む)、又は(c)人の検出後、電子キー41からのID情報が受信され、玄関ドア16の開閉後に人感センサ23により人が検出されていないこと(ステップS14のYES判定、ステップS15のYES判定を経由してステップS18に進む)を満たした場合は、解錠不許可モードが所定時間T1の経過前に解除される。
次に、図4に基づき、施錠装置21の施解錠における制御処理を説明する。
ステップS31では、電子キー41から施錠用の操作信号が受信されたか否かを判定する。電子キー41から施錠用の操作信号を受信した場合にはステップS31をYES判定し、ステップS39に進む。電子キー41から施錠用の操作信号が受信されない場合、NO判定して、ステップS32へ進む。
ステップS39では、施錠装置21を施錠する。ここで、ステップS31からステップS39へ進んだ場合は、電子キー41からの施錠用の操作信号に基づき、施錠装置21が施錠される。施錠後、本処理を終了する。
ステップS32では、電子キー41から解錠用の操作信号が受信されたか否かを判定する。電子キー41から解錠用の操作信号を受信した場合にはステップS32をYES判定し、ステップS38に進む。電子キー41から解錠用の操作信号が受信されない場合、NO判定して、ステップS33へ進む。
ステップS38では、施錠装置21を解錠する。ここで、ステップS32からステップS38へ進んだ場合は、電子キー41からの解錠用の操作信号に基づき、施錠装置21が解錠される。解錠後、本処理を終了する。
ステップS33では、通信装置31からのリクエスト信号の応答として電子キー41から送信されるID情報を、通信装置31を通じて受信し、当該ID情報の認証処理の結果がOKだったか否かを判定する。認証OKである場合にはステップS33をYES判定し、ステップS34に進む。ID情報が受信されない場合、又は認証NGである場合、本処理を終了する。
ステップS34では、施錠装置21が施錠状態であるか否かを判定する。施錠状態である場合は、YES判定してステップS35へ進む。施錠状態でない場合、すなわち解錠状態である場合は、NO判定してステップS37へ進む。
ステップS37では、ドアノブ18に内蔵されたドアノブセンサ19により接触が検出されたか否かを判定する。ドアノブセンサ19により接触が検出された場合、YES判定してステップS39へ進む。ドアノブセンサ19により接触が検出されていない場合、NO判定して本処理を終了する。
ここで、ステップS34のNO判定により施錠装置21は解錠状態であることが確認されている。電子キー41が認証され(ステップS33のYES判定)、施錠装置21が解錠状態(ステップS34のNO判定)である状況において、ドアノブセンサ19により接触が検知された場合、施錠装置21は施錠される(ステップS39)。
ステップS34のYES判定によりステップS35へ進むと、ステップS35では、解錠不許可モードが実施されているか否かを判定する。解錠不許可モードが実施されていない場合、NO判定してステップS36へ進む。解錠不許可モードが実施されている場合、YES判定して本処理を終了する。
ステップS36では、ドアノブ18に内蔵されたドアノブセンサ19により接触が検出されたか否かを判定する。ドアノブセンサ19により接触が検出された場合、YES判定してステップS38へ進む。ドアノブセンサ19により接触が検出されていない場合、NO判定して本処理を終了する。
ここで、ステップS34のYES判定により施錠装置21は施錠状態であることが確認されている。電子キー41が認証され(ステップS33のYES判定)、施錠装置21が施錠状態であり(ステップS34のYES判定)、解錠不許可モードが実施されていない状況(ステップS35のYES判定)において、ドアノブセンサ19により接触が検知された場合、施錠装置21は解錠される(ステップS38)。
以上のように、ステップS38で施錠装置21の解錠処理、又はステップS39で施錠装置21の施錠処理を実施した後、本処理を終了する。
なお、ステップS32からステップS38に進んで施錠装置21が解錠されることから分かるように、解錠不許可モードが実施されている場合であっても、電子キー41によるリモート操作によって施錠装置21は解錠できる。よって、帰宅した居住者がドアノブ18へ接触しても解錠できない場合は、電子キー41の解錠スイッチ43を押下操作することにより解錠することができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施形態では、ID情報によって電子キー41が正規認証されている状況において、居住者等により屋外側のドアノブ18が触れられると、そのドアノブ18への接触がドアノブセンサ19により検出され、施錠装置21が施錠状態だった場合は解錠され、解錠状態だった場合は施錠される。したがって、本実施形態では、居住者が電子キー41を携帯して、屋外側のドアノブ18に触れるだけで施錠装置21を施解錠することが可能であり、利便性に優れる。
本実施形態では、人感センサ23により屋内側の玄関ドア16付近で人が検出された場合、人が検出されてから所定時間T1が経過するまで、ドアノブ18の接触による解錠を不許可とする解錠不許可モードが実施される。これにより、帰宅してきた居住者が屋内側の玄関ドア16付近に留まり、その居住者の携帯する電子キー41が正規認証されている場合であっても、屋外側からのドアノブ18の接触だけで施錠装置21を解錠することができない。よって、屋外側から不審者等がドアノブ18に接触するだけで施錠装置21が解錠されるというような、居住者の意図と反した状況が回避でき、防犯性に優れる。
本実施形態では、解錠不許可モードが実施されている状況において、通信装置31を介して電子キー41のID情報が受信されない場合、所定時間T1が経過する前の所定時間T2経過後に、解錠不許可モードを解除する。これにより、屋内側の玄関ドア16付近を同居する居住者が横切り、当該居住者が人感センサ23により検出された直後に立ち去った場合、すなわち、防犯上問題がない場合には、解錠不許可モードの実施時間が所定時間T1から所定時間T2に短縮できる。防犯上問題がない場合において解錠不許可モードの実施時間を短縮することにより、帰宅してきた居住者が「解錠不許可モード」に遭遇する頻度を減らすことができ、利便性が向上できる。
本実施形態では、人感センサ23が人を検出する検出エリアDAは、玄関部11(すなわち、玄関口15の屋内側)における電子キー41が認証される通信エリアCAを包含する。これにより、屋内側の玄関ドア16付近に居住者が留まっている際に、人感センサ23により人は検出されず、その居住者の携帯する電子キー41は認証されるという状況を回避できる。すなわち、解錠不許可モードが実施されていないが、ドアノブ18接触だけで解錠が可能であるという防犯上問題のある状況が回避できる。
通信装置31と電子キー41との通信は、なんらかの理由で(例えば、複数の電子キーが存在していたり、電波を発生する機器が近くに存在したりなど)遅れが生じることがありうる。本実施形態によれば、人感センサ23により人の検出の後、所定時間T1よりも短い所定時間T2が経過するまで、電子キー41からのID情報の受信を待機する。これにより、上記のようななんらかの理由により電子キー41からのID情報の受信が遅延した場合であっても、電子キー41からの識別情報の受信がないことを条件に即座に解錠不許可モードが解除されないため、安全性を高めることができる。
また、本実施形態では、人感センサ23の検出エリアDAは、通信装置31の屋内側の通信エリアCAを包含し広く設定されている。そのため、例えば、電子キー41を携帯する居住者が、検出エリアDA内の通信エリアCAの範囲外の場所に少しの間に留まった後に通信エリアCA内に進入する場合、人感センサ23による人の検出と、電子キー41との通信(電子キー41からの識別情報の受信)とに時間差が生じることがありうる。このような場合であっても、電子キー41からの識別情報の受信がないことを条件に即座に解錠不許可モードが解除されないため、安全性が高い。
本実施形態では、解錠不許可モードが実施されている状況において、玄関ドア16が開閉された後に、人感センサ23により屋内側の玄関ドア16付近に人が検出されない場合、解錠不許可モードを解除する。これにより、例えば、居住者が屋外側に出て施錠装置21を施錠した直後に忘れ物に気付き、建物10内に戻るために施錠装置21を解錠しようとした場合、ドアノブ18を接触するだけで施錠装置21が解錠できる。このような状況の場合、屋内側の玄関ドア16付近に人がいなければ、屋内側の通信装置31の通信エリアCA内に電子キー41は存在しないと考えられる。したがって、このような状況において、ドアノブ18の接触により施錠装置21が解錠できたとしても防犯上は問題がない。
よって、上記のような状況において解錠不許可モードを解除することにより、防犯性を損なうことなく、利便性をより一層向上することができる。
本実施形態では、施錠装置21は屋内側に手動での施解錠操作が可能なサムターン部21aを有している。例えば同居する居住者が帰宅してきた居住者を出迎える場合、玄関部11において人感センサ23により人が検知されるため解錠不許可モードが実施され、帰宅してきた居住者はドアノブ18の接触により解錠できない。このような場合であっても、本実施形態によれば、出迎えた居住者が屋内側から当該サムターン部21aを操作することにより、施錠装置21を手動で解錠することができる。よって、帰宅した居住者にとって不都合はなく、防犯性を損なうことなく、利便性が確保される。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、解錠不許可モードの実施中、電子キー41のID情報が受信されない場合、解錠不許可モードを実施する所定時間T1を所定時間T2に短縮したが、電子キー41のID情報が受信されない場合は解錠不許可モードをすぐに解除してもよい。
(2)上記実施形態では、屋内側の玄関ドア16付近(玄関部11)において、人感センサ23の検出エリアDAは通信装置31の通信エリアCAよりも広いが、人感センサ23の検出エリアDAと通信装置31の通信エリアCAとが同程度であってもよい。
(3)上記実施形態では、ステップS11の人の検出から所定時間T1経過後に、人が検出されていないことを条件(ステップS18)として解錠不許可モードが解除されている。例えば、ステップS11の人の検出から所定時間T1経過までの間に、ステップS11の人の検出以外の検出がされている場合もありうる。そのため、ステップS17における「ステップS11の人の検出から所定時間T1が経過したか否か」のYES判定の後、「直近の人の検出から所定時間T1が経過したか否か」の判定を追加してもよい。直近の人の検出から所定時間T1が経過した場合は、YES判定し、ステップS18へ進む。直近の人の検出から所定時間T1が経過していない場合、ステップS14へ戻り、各処理を繰り返す。これにより、解錠不許可モードの実施時間は長くなることもありうるが、人感センサ23の検出精度をカバーするという防犯面の観点では優れる。
(4)上記実施形態では、電子キー41が正規認証されている状況において、ドアノブセンサ19によるドアノブ18に対する接触が検出されると施錠装置21が施解錠される。換言すれば、ドアノブセンサ19による検出が、施錠装置21の施錠又は解錠のスイッチとして機能しているが、当該施錠装置21の施錠又は解錠のスイッチとして機能できるものであれば、ドアノブ18、ドアノブセンサ19は必須の構成ではない。
例えば、玄関ドア16の屋外側の面や、玄関口15が設けられた壁の屋外側の面等に、施解錠用のスイッチを設けてもよい。当該スイッチは、接触を検出するタッチセンサでもよいし、押下操作することにより操作されたことを検出するボタンであってもよい。上記実施形態の場合と同様、電子キー41が正規認証されている状況において、当該スイッチによる検出に基づいて、施錠装置21の施解錠を実施することができる。
(5)上記実施形態では、施錠装置21に設けられたサムターン部21aを手動操作することにより屋内側からは施解錠を可能としたが、これに限らず、施錠装置21を屋内側から施解錠可能とする操作部が屋内側に設けられていればよい。例えば、玄関ドア16の屋内側の面や、玄関口15が設けられた壁の屋内側の面等に、上記(4)で述べたような施解錠用のスイッチを設けてもよい。上記実施形態の場合と同様、人感センサ23により人が検知されるため解錠不許可モードが実施されている場合であっても、当該スイッチによる検出に基づいて、施錠装置21の施解錠を実施することができる。
(6)上記実施形態では、玄関ドア16に施錠装置21をひとつ設けたが、施錠装置21だけでなく、複数の施錠装置を玄関ドア16に設けてもよい。この場合、電子キー41が正規認証されている状況であれば、ドアノブ18の接触、及び電子キー41に設けられた施解錠用の各スイッチ42,43の押下操作により行われる施錠装置21の施解錠に連動して、その他の設けられた施錠装置を施解錠すればよい。また、解錠不許可モードの実施や解除についても、施錠装置21に連動させればよい。
(7)上記実施形態では、玄関口15に設けられた玄関ドア16に本発明の施解錠システムを適用したが、例えば勝手口に設けられたドア等、他の出入口に設けられたドア(出入口扉)に本発明の施解錠システムを適用してもよい。
(8)上記実施形態では、人感センサ23により人の存在が検出された場合に、人の存在が検出されてから所定の期間において解錠不許可モードが実施されている。ここで、「人感センサ23により人の存在が検出された場合」とは、コントローラ32により人の存在が検出されたとみなされる場合も含む。すなわち、解錠不許可モードは、人感センサ23が人の存在を検出していない状況において、「人の存在を検知しているとみなす」と設定された条件を満たした場合は、コントローラ32は「人感センサ23により人の存在が検出された場合」として判断し、解錠不許可モードが実施される。
10…建物、16…玄関ドア、18…ドアノブ、21…施錠装置、23…人検出手段としての人感センサ、24…開閉検出センサ、31…通信装置、32…コントローラ、33…制御部、35…タイマ、41…電子キー、CA…通信エリア、DA…検出エリア。

Claims (6)

  1. 建物の出入口を開閉する開閉体と、前記開閉体を施錠する施錠装置とを備えた建物に適用され、
    ユーザにより携帯され、固有の識別情報を送信する電子キーと、
    建物の出入口付近の所定範囲を通信エリアとして前記電子キーとの間で無線通信可能とされている通信装置と、
    前記通信装置により受信した前記電子キーからの前記識別情報に基づいて施解錠を制御する制御手段と、
    前記建物内における前記出入口付近の人の存在を検出する人検出手段と、
    を備え、
    前記制御手段が、前記人検出手段により人の存在が検出された場合に、人の存在が検出されてから所定の無効期間だけ、前記識別情報に基づく解錠操作を無効化する無効化手段を備える建物の施解錠システムであって、
    前記制御手段に、前記電子キーとの通信状況又は前記開閉体の開閉状況と、前記人検出手段からの検出結果とにより設定される所定の解除条件を満たした場合、前記無効期間が経過する前に前記無効化手段によりなされた前記解錠操作の無効化を解除する解除手段を備える、建物の施解錠システム。
  2. 前記解除条件として、前記無効化手段により前記解錠操作の無効化がなされている状況において、前記電子キーから前記識別情報が受信されない場合が設定される、請求項1に記載の建物の施解錠システム。
  3. 前記制御手段は、前記解除条件を満たしたと判断した後、前記無効期間よりも短く設定された待機期間が経過してから、前記解錠操作の無効化を前記解除手段により解除する、請求項2に記載の建物の施解錠システム。
  4. 前記人検出手段により人の存在が検出される検出エリアは、前記通信装置の屋内側の前記通信エリアを包含するように設定される、請求項2又は3に記載の建物の施解錠システム。
  5. 前記開閉体の開閉を検出する開閉検出手段を備え、
    前記解除条件として、前記無効化手段により前記解錠操作の無効化がなされている状況において、前記開閉検出手段により前記開閉体が開閉されたことが検出され、前記開閉体が閉じた後に前記人検出手段により人が検出されない場合が設定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物の施解錠システム。
  6. 前記施錠装置は、前記出入口の建物内側からは、前記建物内側に設けられた操作部による操作により施解錠されるように構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物の施解錠システム。
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