JP2019142464A - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
車載ネットワークを介した通信を行うためのトランシーバICがIDフィルタを備えないと、他のスレーブノードとマスターノードとが通信しているときに通信バス上にあるメッセージに基づき、制御装置の演算処理部を起動させてしまうことがあった。
なお、本実施形態では、本発明に係る車両用制御装置の一態様として、車両用エンジンのエバポパージシステムを制御する制御装置を説明する。
エンジン1は、ガソリンを使用する火花点火式の多気筒内燃機関である。
燃料噴射弁4は、スロットル弁2下流の吸気管3のマニホールド部に気筒毎に設けられ、ガソリン燃料を各気筒に噴射する。
蒸発燃料導入通路6は、燃料タンク5にて発生した蒸発燃料をキャニスタ7に導く。
キャニスタ7は、容器内に活性炭などの吸着材8を充填したものであり、蒸発燃料導入通路6により導かれた蒸発燃料を吸着捕集する。
パージ通路10の他端は、スロットル弁2下流の吸気管3に接続される。
パージ制御弁11は、パージ通路10の途中に配され、パージ通路10を開閉する。
エバポコントロールユニット20は、本発明に係る車両用制御装置の一態様である。
そして、エバポコントロールユニット20は、エンジン1の運転中に所定のパージ許可条件が成立すると、パージ制御弁11を開制御する。
エアポンプ13は、キャニスタ7の新気導入口9側に圧力調整手段として設けられる電動式のポンプである。
尚、切換弁14は、OFF状態でキャニスタ7の新気導入口9を大気開放口12に接続し、ON状態でキャニスタ7の新気導入口9をエアポンプ13の吐出口に接続する。
また、圧力センサ24は、燃料タンク5内の圧力を検出し、検出した圧力の値を示す信号をエバポコントロールユニット20に出力する。
また、タンク残量センサ25は、燃料タンク5内の燃料残量を検出し、検出した燃料残量を示す信号をエバポコントロールユニット20に出力する。
つまり、エバポコントロールユニット20は、同じ車載ネットワーク50に接続される他の制御装置から送信されるウェイクアップ信号に基づき起動するウェイクアップ機能を有している。
更に、エンジン1が停止してから燃料温度が安定化するまでには長時間を要するので、エンジン1の停止から診断開始条件になるまで、換言すれば、エンジン1の停止から設定時間が経過するまでは、マイクロコンピュータ201への電源供給を停止させておき、診断開始条件になったときにマイクロコンピュータ201に電源投入して起動させ、故障診断が終了したときにマイクロコンピュータ201が電源を自己遮断するシステムとしてある。
エバポコントロールユニット20は、ステップS101で、エアポンプ13によって診断対象区間を加圧するときの目標圧を設定する。
エバポコントロールユニット20は、目標圧を固定値として設定することができ、また、目標圧を燃料温度や燃料タンク5内の燃料残量などに応じて可変に設定することができる。
つまり、エバポコントロールユニット20は、ステップS102で、パージ制御弁11を閉制御し、切換弁14をON制御してキャニスタ7の新気導入口9をエアポンプ13の吐出口に接続する。
エバポコントロールユニット20は、エアポンプ13のフィードバック制御において、タンク内圧が目標圧よりも低いときにエアポンプ13を駆動させ、かつ、タンク内圧が目標圧よりも低いほどエアポンプ13の印加電圧を高くして吐出量を多くする一方、タンク内圧が目標圧を超えるときはエアポンプ13を停止状態に保持する。
印加電圧の積分値は、診断対象区間の圧力を目標圧に所定時間保持するために、診断対象区間内に供給した空気量の積算値(総流量)に相当する。
ここで、印加電圧の積算値がリーク判定用の閾値以下である場合は、診断対象区間(閉塞空間)の圧力を目標圧に保持するために多くの空気量を追加供給する必要がなかったことになる。この場合、エバポコントロールユニット20は、ステップS106に進んで、診断対象区間にリーク(圧力漏れ)が無いと判断する。
また、上記の故障診断処理において、エバポコントロールユニット20は、操作量の積分値に基づきリークの有無を診断するが、操作量の瞬時値に基づきリークの有無を診断することができる。
また、エバポコントロールユニット20は、診断対象区間(閉塞空間)の圧力が目標圧に達したときにエアポンプ13を停止させ、エアポンプ13を停止させた後の圧力変化に基づきリークの有無を診断することができる。
エバポコントロールユニット20には、車載ネットワーク50、バッテリ電源線51、イグニッション信号線52が接続される。
そして、リレー回路202がオン状態になると、バッテリ電源線51と電源線203とが接続され、バッテリ53からDC−DC回路204へバッテリ電圧VBが供給される。
DC−DC回路204は、バッテリ電圧VBをマイクロコンピュータ201の電源電圧にまで降圧してマイクロコンピュータ201の電源端子205へ供給する。
ここで、リレー回路202をオン状態にする信号は、イグニッション信号IGN、ウェイクアップモード要求信号WUM、自己保持信号PKであり、これらの信号はOR回路(論理和回路)208の入力端子に入力され、OR回路208の出力がオンであるときに、リレー回路202がオン状態になるよう構成される。
通信用ボード206は、同じ車載ネットワーク50に接続される他の車両用制御装置からウェイクアップモードへの移行を要求する信号(ウェイクアップ信号)を受信すると、ウェイクアップモード要求信号WUMをオン状態に設定する。
信号線207は、通信用ボード206とマイクロコンピュータ201とを接続する信号線であり、マイクロコンピュータ201は、この信号線207を介して通信データを送受信する。
例えば、特開平8−121280号公報に開示されるような給油時に燃料タンクからエバポが放出されるのを防止するための制御を、エバポコントロールユニット20が実施する場合、給油スイッチのオン操作に基づきエバポコントロールユニット20が起動し、燃料タンク内のエバポ(燃料蒸気)をコンプレッサによってリザーバ側に導く制御(給油時のエバポ放出防止制御)を実施するよう構成することができる。
図4に示す例では、エバポコントロールユニット(EVAP)20の他、車両の各種電装品を制御するボディ・コントロール・モジュール(BCM)61、スタータなどを制御するアンダー・フード・スイッチングモジュール(USM)62、電動制動型ブレーキユニット(eACT)63、コンビネーションメータ(METER)64などの各種ユニットが車載ネットワーク50に接続される。
そして、起動したマイクロコンピュータ201は、前述したエバポパージシステム21の故障診断処理(リーク診断処理)を実施し、診断処理が完了すると電源を自己遮断する。
IDフィルタを備えないトランシーバICを用いた通信用ボード206では、ボディ・コントロール・モジュール61とエバポコントロールユニット20以外のユニットとが通信しているときにCANバス上にあるメッセージに基づき、ウェイクアップモード要求信号WUMを誤ってオンさせ、マイクロコンピュータ201を起動させてしまう場合がある。
この場合、マイクロコンピュータ201は、エバポパージシステムの故障診断処理を実施する必要のないタイミングで無用に起動し、電力を無駄に消費することになる。
このようなマイクロコンピュータ201の不正起動による電力消費の拡大を抑制するため、マイクロコンピュータ201は、不正起動の有無を判定し、不正起動されたことを判定したときに電源の自己遮断を実施する機能(自己遮断制御部)をソフトウェアとして備える。
マイクロコンピュータ201は、電源投入されて起動すると、まず、ステップS301で初期化処理を実施する。
一方、初期化処理が完了すると、マイクロコンピュータ201は、ステップS303に進んで、初期化が完了した時点からの経過時間を計測するためのタイマーによる計時を開始させる。
本願のシステムでは、通信用ボード206のトランシーバICがCANバス上のメッセージに基づきウェイクアップモード要求信号WUMをオンさせると、マイクロコンピュータ201に電源が投入される。マイクロコンピュータ201は、パワーオンリセットして起動すると、ボディ・コントロール・モジュール61との通信を開始するとともにCANバス上のメッセージを解釈できるようになる。
そして、マイクロコンピュータ201は、ステップS304で、ボディ・コントロール・モジュール61との通信を開始してからのウェイクアップコマンドの受信の有無を判断するよう構成してある。
つまり、イグニッション信号IGNがオフ(及び給油スイッチがオフ)であれば、ボディ・コントロール・モジュール61がウェイクアップモードへの移行を要求する信号を送信したことでマイクロコンピュータ201が起動した可能性がある。
なお、マイクロコンピュータ201は、例えば、リーク診断処理の実施要求と、給油スイッチのオン操作とが重なったときに、給油時のエバポ放出防止制御を優先させることができる。
つまり、マイクロコンピュータ201は、自身の起動要因を示す複数の信号のいずれもが確認できない場合、起動要因が不明であるとしてステップS306に進む。
前記設定時間T4は、ボディ・コントロール・モジュール61からのウェイクアップ指示でマイクロコンピュータ201が起動した場合に、初期化処理完了からボディ・コントロール・モジュール61からのウェイクアップコマンドの送信があると見込まれる時間に基づき設定される。
そして、マイクロコンピュータ201は、ステップS306で、初期化処理完了からの経過時間が設定時間T4に達したと判断した場合、ステップS307に進む。
マイクロコンピュータ201は、ステップS307で、自己保持信号PKをオフして電源を自己遮断する(セルフシャットオフを実行する)。
換言すれば、エバポコントロールユニット20の通信用ボード206を構成するトランシーバICとして、IDフィルタを内蔵しない廉価なトランシーバICを用いたことで、不正起動がなされたとしても、不正起動に伴う無駄な電力消費を可及的に少なくできる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
また、エンジン1の停止中にウェイクアップされる車両用制御装置は、イグニッション信号IGNのオンによって起動されず、エンジン1の停止中にのみ制御を実施する制御装置とすることができる。
Claims (6)
- バッテリを電源とし、車載ネットワークを介して外部から送信されたウェイクアップ要求に基づき起動するウェイクアップ機能を備えた車両用制御装置であって、
起動から所定期間内で起動要因を示す信号を確認できなかったときに前記バッテリからの電源供給を遮断する自己遮断制御部を有する、車両用制御装置。 - 前記自己遮断制御部は、前記ウェイクアップ機能による起動であるか否かを、起動後の初期化処理が完了してから所定時間内でウェイクアップコマンドを受信したか否かに基づき判断する、請求項1記載の車両用制御装置。
- 前記車両用制御装置は、前記ウェイクアップ機能を含む複数の起動要因で起動され、
前記自己遮断制御部は、前記複数の起動要因をそれぞれ示す複数の信号のいずれもが確認できなかったときに前記バッテリからの電源供給を遮断する、
請求項1又は請求項2記載の車両用制御装置。 - 前記複数の起動要因は、前記ウェイクアップ機能に因る起動と、車両に搭載されるエンジンの運転及び停止のメインスイッチのオン信号に因る起動とを含む、
請求項3記載の車両用制御装置。 - バッテリを電源とし、車載ネットワークを介して外部から送信されたウェイクアップ要求に基づき起動するウェイクアップ機能を備えるとともに、車両に搭載されるエンジンの運転及び停止のメインスイッチのオン信号で起動される車両用制御装置であって、
前記メインスイッチがオフ状態で、かつ、起動後の初期化処理が完了してから所定時間内でウェイクアップコマンドを受信しなかったときに、前記バッテリからの電源供給を遮断する、
車両用制御装置。 - 前記メインスイッチのオフ状態で前記ウェイクアップ機能によって起動され、前記エンジンのエバポパージシステムの故障診断処理を実施する、
請求項4又は請求項5記載の車両用制御装置。
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