JP7128762B2 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Description
前記燃料蒸散防止装置は、給油に先だって給油スイッチのオン操作があると、スイッチ出力に応動する電子制御ユニットによって電磁弁やコンプレッサを制御して、燃料タンク内の燃料蒸発ガスをリザーバ内に送り込む。
図1は、本発明に係る車両用制御装置を含む車両の燃料タンクシステムの概略構成図である。
燃料ポンプ30は、燃料タンク10が蓄える燃料を燃料噴射装置21に圧送し、燃料噴射装置21は、燃料を内燃機関20に噴射する。
フィラーダクト11の先端の給油口11Aには、フィラーキャップ13が着脱可能に装着される。
車体外板40に設けた給油開口部41は、フィラーリッド42で開閉され、給油開口部41の底部にフィラーダクト11の先端が配される。
フィラーリッド42は、モータなどの開閉駆動部43で開閉駆動される。
ベーパ回収管14には、燃料タンク10側から順に、ベーパ回収管14を開閉する電磁弁16、燃料蒸発ガスをキャニスタ18に送り込むためのコンプレッサ17、燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタ18を配置してある。
ベーパ回収管14、電磁弁16、コンプレッサ17、キャニスタ18は、燃料タンク10への給油時に、給油口11Aからの燃料蒸発ガスの放出を抑止するための燃料蒸散抑止装置を構成する。
なお、燃料蒸散抑止装置は、特開平8-121280号公報に開示される装置のように、キャニスタ18とともにリザーバを備える装置とすることができる。
マイクロコンピュータ51は、CPU(Central Processing Unit)の他、処理プログラムなどを記憶するROM(Read only memory)や、データを一時的に保存するRAM(Random access memory)、更に、入出力ポートなどを備える。
つまり、マイクロコンピュータ51は、燃料タンク10への給油に先立って、電磁弁16を開操作した後にコンプレッサ17を作動させて燃料タンク10内の燃料蒸発ガスをキャニスタ18に送り込む制御を行い、その後、開閉駆動部43によってフィラーリッド42を開動作させる制御を、給油時処理として実施する。
ここで、給油口11Aの開放前に燃料タンク10内の燃料蒸発ガスがキャニスタ18に回収されているから、給油作業者がフィラーキャップ13を取り外して給油口11Aを開放したときに、給油口11Aから燃料蒸発ガスが放出するのを抑止できる。
そして、給油に先立って運転者等が給油スイッチ60をオン操作すると、係るオン操作に応動して起動したマイクロコンピュータ51が、前述した給油時処理を実施し、給油開始前に燃料蒸発ガスの回収を行う。
給油スイッチ60のオン操作信号以外の起動指令としては、内燃機関20の運転、停止を切り換えるイグニッションスイッチのオン信号、車内通信ネットワークを介して相互通信可能な他の電子制御装置から定期的に送信される定期ウェイクアップ信号、内燃機関20の停止から所定時間が経過したときにウェイクアップ回路が出力する診断用ウェイクアップ信号などがある。
マイクロコンピュータ51は、診断用ウェイクアップ信号に基づき起動すると、キャニスタパージシステムの漏れ診断などを実施する。
バッテリ電源BATTからの給電が開始された電源IC54は、バッテリ電源BATTの電源電圧からマイクロコンピュータ51の電源電圧を生成してマイクロコンピュータ51に給電し、マイクロコンピュータ51は電源IC54からの給電によって起動する。
ここで、給油スイッチ信号RFSWの論理レベルがハイである状態は、給油スイッチ60がオン操作されたことを示し、かつ、電源リレー53がオン(イネーブル)になる状態である。
保持回路52は、給油スイッチ信号RFSWを給油時処理の指令信号としてマイクロコンピュータ51に出力するとともに、給油スイッチ信号RFSWを電源供給指令、換言すれば電源ラインの接続指令として電源リレー53に出力する。
バッテリ電源BATTが供給された電源IC54は、バッテリ電源BATTからマイクロコンピュータ51の動作電圧を生成し、マイクロコンピュータ51に給電する。
また、マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ信号RFSWのオン操作から所定時間(例えば、300ms)が経過したときにリセット信号RFSW_RSTをローからハイに切り換えて、保持回路52の出力である給油スイッチ信号RFSWをローに戻すリセットを実施する。
そして、マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ信号RFSWに基づき起動したとき、給油時処理などが終了すると、所定の電源自己遮断タイミング(例えば、起動から所定時間が経過したタイミング)で電源リレー53をオフ状態(disable)に切り換えて電源供給を自己遮断する。
なお、マイクロコンピュータ51は、10ms毎の割り込み処理(10msジョブ)で給油スイッチ信号RFSWやリセット信号RFSW_RSTの処理を実施するものとする。
また、図2のタイムチャートは、保持回路52がリセット信号RFSW_RSTに基づき正常にリセット動作する場合の特性を示す。
起動したマイクロコンピュータ51は、初回の10msジョブ(時刻t82)で、保持回路52の出力である給油スイッチ信号RFSWがハイであって、給油スイッチ60のオン操作信号に基づく起動であることを検知すると、RAM上のフラグF_RFSWを、給油スイッチ信号RFSWがハイであることを示す「1」に立ち上げる。
マイクロコンピュータ51は、フラグF_RFSWの値を「1」に立ち上げてからの経過時間を計測し、経過時間が規定時間(例えば、300ms)に達した時点(時刻t83)で、RAM上のフラグF_RFSW_RSTの値を、保持回路52へのリセット信号RFSW_RSTの出力を要求する「1」に立ち上げる。
フラグF_RFSW_RSTが「1」に立ち上がると、マイクロコンピュータ51の端子から出力されるリセット信号RFSW_RSTの論理レベルがローからハイに切り換わる(時刻t84)。
マイクロコンピュータ51は、保持回路52の出力である給油スイッチ信号RFSWがローレベルに切り換わった直後の10msジョブ(時刻t86)で、給油スイッチ信号RFSWがローレベルになっていることを検知し、フラグF_RFSWを「0」に戻す。
そして、マイクロコンピュータ51は、フラグF_RFSW_RSTを「0」に戻すことで、リセット信号RFSW_RSTの論理レベルをハイからローに戻す(時刻t87)。
そこで、マイクロコンピュータ51は、保持回路52の異常の有無を診断する機能、つまり、保持回路52のオン固着故障が発生しているか否かを判断する機能を備え、保持回路52のオン固着故障を判断すると、警告灯の点灯や給油時処理の停止などのフェイルセーフ処理を実施する。
なお、図3のフローチャートに示すルーチンは、一定時間毎(例えば、10ms毎)に割り込み実行される。
また、図3のフローチャートに示すルーチンは、リセット信号RFSW_RSTの出力の継続に基づき保持回路52の異常判定を行う診断処理を示し、マイクロコンピュータ51は、リセット信号RFSW_RSTの出力を一定期間以上継続したときに保持回路52の異常判定を行う。
マイクロコンピュータ51は、ステップS201で、フラグF_RFSWが「0」であると判断すると、ステップS204に進み、フラグF_RFSW_RSTに「0」をセットし、保持回路52のリセット要求をキャンセルする。
なお、リセット監視タイマは、その最小値が零であり、かつ、時間経過に伴って初期値から減算される。したがって、リセット監視タイマが零に達したことは、計測開始から初期値に相当する時間だけ経過していることを表すことになる。
そして、フラグF_RFSW及びフラグF_RFSW_RSTが「0」である間、マイクロコンピュータ51は、ステップS205に進んで、リセット監視タイマを規定時間Nに保持する。
マイクロコンピュータ51は、ステップS202で、給油スイッチ信号RFSWのオン操作から所定時間(例えば、300ms)内のマスク期間であるか否かを判断する。
つまり、マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ信号RFSWのオン操作から所定時間内(図2の時刻82から時刻83の間)では、保持回路52にリセット要求を出力せず、リセット信号RFSW_RSTをローレベルに保持して待機する。
なお、マイクロコンピュータ51がステップS203に進んだ後に、リセット監視タイマは初期値から時間経過に伴って漸減することになる。
リセット監視タイマに初期値として設定する規定時間Nは、保持回路52が正常にリセット動作するときにリセット要求の出力開始から実際にリセット状態になるのに要する時間よりも長い時間に設定される。
給油スイッチ信号RFSWがハイからローに戻ったことを検知したマイクロコンピュータ51は、フラグF_RFSW及びフラグF_RFSW_RSTをそれぞれ「0」にリセットし、リセット監視タイマに規定時間Nがセットされる状態に戻る。
つまり、保持回路52がオン固着すると、マイクロコンピュータ51は、リセット監視タイマに規定時間NをセットするステップS205に進まなくなり、結果として、リセット監視タイマは漸減状態を保持して最終的には零に至る。
そこで、マイクロコンピュータ51は、ステップS206で、リセット監視タイマが零であると判断すると、ステップS207に進み、保持回路52のオン固着故障の発生を判定する。
なお、マイクロコンピュータ51は、保持回路52のオン固着故障の発生を判定したときに、診断結果の情報を他の電子制御装置に車内ネットワークを介して送信することができる。
一方、マイクロコンピュータ51は、ステップS206で、リセット監視タイマが零に至っていないと判断した場合、保持回路52がオン固着故障しているとは判定できないので、ステップS207を迂回して本ルーチンを終了する。
給油スイッチ60がオン操作されると、係るオン操作に伴って保持回路52の出力である給油スイッチ信号RFSWがローからハイに切り換わる(時刻t91)。
起動したマイクロコンピュータ51は、初回の10msジョブ(時刻t92)で、給油スイッチ信号RFSWがハイであることを検知すると、フラグF_RFSWを「1」に立ち上げる(時刻t92)。
フラグF_RFSW_RSTが「1」に立ち上がると、マイクロコンピュータ51の端子から出力されるリセット信号RFSW_RSTの論理レベルがローからハイに切り換わる(時刻t94)。
しかし、保持回路52におけるリセット動作に不具合が生じ、ハイレベルのリセット信号RFSW_RSTを一定時間入力しても給油スイッチ信号RFSWをハイに保持するオン固着故障が生じると、マイクロコンピュータ51は、リセット信号RFSW_RSTをハイに切り換えた後の10msジョブで連続して給油スイッチ信号RFSWがハイレベルであると判断することになる(時刻t95、時刻t96、時刻t97、時刻t98)。
マイクロコンピュータ51は、リセット監視タイマが零にまで減った時点(時刻t98)で、保持回路52にリセット要求を出力したのに給油スイッチ信号RFSWがハイである状態が一定時間以上継続していること、つまり、保持回路52のオン固着故障の発生を判定する。
ここで、保持回路52がオン固着していて給油スイッチ信号RFSWがハイに維持されていると、マイクロコンピュータ51からの電源遮断指令が電源リレー53に出力されても、給油スイッチ信号RFSWがハイであるために、マイクロコンピュータ51への供給電圧は一時的に低下して直ぐに復活し、マイクロコンピュータ51が一時的にオフして直ぐにオンに戻る瞬断が生じることになる。
つまり、保持回路52のオン固着故障が生じている状態では、マイクロコンピュータ51は、電源の自己遮断タイミング毎に再起動(瞬断)を繰り返すことになる。
図5は、再起動(瞬断)の繰り返しに基づく保持回路52の診断処理の手順を示すフローチャートである。
また、図5のフローチャートに示すルーチンは、保持回路52の出力に基づく起動の繰り返しに基づき保持回路52の異常判定を行う診断処理を示し、マイクロコンピュータ51は、保持回路52の出力に基づく起動を一定期間内に一定回数以上実施したときに、保持回路52の異常判定を行う。
ここで、マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ信号RFSWがハイであれば、給油スイッチ信号RFSWに基づく起動であると判定し、給油スイッチ信号RFSWがローであれば、給油スイッチ信号RFSW以外の起動指令に基づく起動であると判定する。
マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ信号RFSW以外の起動指令に基づき起動した場合、更にステップS303に進み、給油スイッチ信号RFSWに基づく起動の繰り返し期間の長さを計測するためのタイマT_RFSWをクリアし、初期値(例えば、初期値=0分)に戻す。
そして、起動後直ぐのタイミングであって、給油スイッチ信号RFSWに基づき起動した履歴の保存を行っていない場合、マイクロコンピュータ51はステップS305に進み、カウンタC_RFSWをインクリメントすることで、給油スイッチ信号RFSWに基づく今回の起動を積算回数に含める処理を実施する。
また、起動後直ぐのタイミングではなく、給油スイッチ信号RFSWに基づき起動した履歴の保存(カウンタC_RFSWのインクリメント)が完了している場合、マイクロコンピュータ51は、ステップS305を迂回してステップS306に進む。
マイクロコンピュータ51は、ステップS306でタイマT_RFSWをインクリメントし、給油スイッチ信号RFSWに基づき瞬断を繰り返している時間を計測する。
ここで、タイマT_RFSWが設定時間TTH未満である場合、マイクロコンピュータ51は、そのまま本ルーチンを終了させ、設定時間TTHの経過を待つ。
ステップS308で、マイクロコンピュータ51は、カウンタC_RFSWが設定値CTH(例えば、CTH=10)以上であるか否かを判断する。
そして、カウンタC_RFSWが設定値CTH以上である場合、換言すれば、給油スイッチ信号RFSWに基づくマイクロコンピュータ51の起動頻度が閾値を超えている場合、マイクロコンピュータ51は、保持回路52のオン固着故障の可能性があると判断して、ステップS309に進む。
ここで、フラグF_RFSWが「1」のまま保持されていれば、マイクロコンピュータ51は、ステップS310に進み、保持回路52のオン固着故障の発生を判定し、診断履歴の保存や、オン固着に対処するためのフェイルセーフ処理を実施する。
給油スイッチ60のオン操作に伴って保持回路52の出力がローからハイに切り換わり、電源リレー53がオン状態になってマイクロコンピュータ51への給電が開始され、マイクロコンピュータ51が起動する(時刻t101)。
その後、マイクロコンピュータ51は、所定時間の経過を待ってフラグF_RFSW_RSTを「1」に立ち上げ(時刻t103)、マイクロコンピュータ51の端子から出力されるリセット信号RFSW_RSTをローからハイに切り換える(時刻t104)。
係る起動も、給油スイッチ信号RFSWがハイレベルであることに因る起動であるので、マイクロコンピュータ51は、カウンタC_RFSWをインクリメントする。
そして、タイマT_RFSWが設定時間TTH以上になってからの電源自己遮断タイミング(時刻t107)で、マイクロコンピュータ51がオフになって直ぐにオンになると、マイクロコンピュータ51はカウンタC_RFSWをインクリメントし、インクリメントしたカウンタC_RFSWが設定値CTH以上であるか否かを判断する。
そして、この場合は、給油スイッチ60が繰り返しオン操作されてマイクロコンピュータ51が起動を繰り返したのではなく、保持回路52がオン固着しているために、マイクロコンピュータ51が電源の自己遮断を行っても直ぐに起動する状態であると推定できる。つまり、設定値CTHは、マイクロコンピュータ51が電源の自己遮断を行っても直ぐに起動する状態のときに、設定時間TTHでカウンタC_RFSWが達する値に設定される。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
また、給油スイッチ60は、車両の運転席付近に設けられるスイッチに限定されず、例えば、フィラーリッド42の開位置でオン操作状態になるスイッチとすることができる。
また、マイクロコンピュータ51は、給油スイッチ60のオン操作に基づき起動して給油時処理を実施し、その後、電源供給の自己遮断処理を実施したときに、給油スイッチ信号RFSWがハイレベルであるために直ぐに起動したときは、給油時処理の実施をキャンセルすることができる。
また、マイクロコンピュータ51の起動条件、換言すれば、電源リレー53のオン条件は、保持回路52の出力信号である給油スイッチ信号RFSWが給油スイッチ60のオン操作に基づきハイレベルに切り換わったことを含めばよく、例えば、給油スイッチ60がオン操作されたときにのみマイクロコンピュータ51を起動させる構成とすることができる。
Claims (2)
- 車両の燃料タンクへの給油のときに給油時処理を実施する制御部と、
給油スイッチのオン操作信号を保持して出力をハイとし、前記制御部からのリセット信号に基づき出力がローにリセットされる保持回路と、
前記制御部への電源供給を前記保持回路の出力に基づきオンオフする電源リレーであって、前記保持回路の出力がハイであるときに前記制御部に給電する電源リレーと、
を含み、
前記制御部は、
前記給油スイッチがローからハイに切り換わって起動してから所定時間が経過したときに前記リセット信号を出力して、前記保持回路の出力をローに切り換えることで、電源供給を自己遮断するよう構成され、
前記保持回路の出力がハイを維持するオン固着故障が発生した場合、前記制御部は、前記リセット信号を出力する毎に瞬断することとなる、
車両用制御装置において、
前記制御部は、前記保持回路の出力に基づく起動を、一定期間内に一定回数以上実施したときに、前記保持回路の異常発生を判定する、
車両用制御装置。 - 前記給油スイッチのオン操作信号に基づき起動した前記制御部は、前記給油時処理として、前記燃料タンクの燃料蒸発ガスをキャニスタに送り込む制御を実施し、その後、前記燃料タンクの給油口の開放を可能とする制御を実施する、
請求項1記載の車両用制御装置。
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