JP2019142016A - ゲル状部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】注型後のゲル状部材から型部材を容易に外すことができるゲル状部材の製造方法を提供すること。【解決手段】シリコーンゲル等のゲル状部材1を注型により製造するにあたって、第1型部材31の空隙20側の面310に沿うように第1可撓性部材41を設け、第2型部材32の空隙20側の面320に沿うように第2可撓性部材42を設け、充填口55を残して空隙20の周りを囲むスペーサ5を第1可撓性部材41と第2可撓性部材42との間に設け、空隙20に充填した液状ゲル材料10を硬化させてゲル状部材1とする。第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は、プラスチック製のフィルムであり、第1型部材31および第2型部材32の空隙20側の面310、320は平面状である。スペーサ5は、少なくとも、空隙20側の面が4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂からなる。【選択図】図3

Description

本発明は、複数の型部材によって構成された空隙内で液状のゲル材料を硬化させるゲル状部材の製造方法に関するものである。
所定形状のゲル状部材を製造する方法として、2つの外型と底型とによって構成された空隙内に液状のゲル材料を充填した後、液状のゲル材を硬化させてゲル状部材を製造する注型方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−87130号公報
ゲル状部材は、硬化時に接着機能が働くため、特許文献1に記載の技術では、硬化後のゲル状部材から型部材(外型と底型)を外すのが困難である。このため、硬化後のゲル状部材から型部材を外すのに多大な手間がかかるとともに、大きな負荷がゲル状部材に加わると、ゲル状部材が裂けるおそがある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、注型後のゲル状部材から型部材を容易に外すことができるゲル状部材の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、第1型部材に空隙を介して対向するように第2型部材を配置する際に、前記第1型部材の前記空隙側の面に沿うように第1可撓性部材を設け、前記第2型部材の前記空隙側の面に沿うように第2可撓性部材を設け、充填口を残して前記空隙の周りを囲むスペーサを前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材との間に設ける組立工程と、前記組立工程の後、前記充填口から前記空隙に硬化前の液状ゲル材料を充填する充填工程と、前記充填工程の後、前記液状ゲル材料を硬化させてゲル状部材とする硬化工程と、前記硬化工程の後、前記ゲル状部材から前記第1型部材、前記第2型部材、および前記スペーサを取り外す離型工程と、を有することを特徴とする。
本発明では、第1型部材の空隙側の面に沿うように第1可撓性部材を設け、第2型部材の空隙側の面に沿うように第2可撓性部材を設け、充填口を残して空隙の周りを囲むスペーサを第1可撓性部材と第2可撓性部材との間に設け、空隙に充填した液状ゲル材料を硬化させてゲル状部材とする。このため、ゲル状部材は、第1型部材および第2型部材に接しないので、ゲル状部材から第1型部材および第2型部材を容易に外すことができる。ゲル状部材の側面は、スペーサに接しているが、ゲル状部材の側面とスペーサとの接触面積が狭いので、ゲル状部材からスペーサを容易に外すことができる。また、ゲル状部材は、広い面積で第1可撓性部材および第2可撓性部材と接しているが、第1可撓性部材および第2可撓性部材については撓ませながら剥がすことができるので、第1可撓性部材および第2可撓性部材を容易に剥がすことができる。
本発明において、前記第1可撓性部材および前記第2可撓性部材は各々、フィルム状である態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1型部材の空隙側の面の形状、および第2型部材の空隙側の面の形状が各々、第1可撓性部材の空隙側の面の形状、お
よび第2可撓性部材の空隙側の面の形状に精度よく反映される。それ故、第1型部材の空隙側の面の形状、および第2型部材の空隙側の面の形状によって規定された形状のゲル状部材を製造することができる。
本発明において、前記第1型部材および前記第2型部材は各々、前記空隙側の面が平面状であり、前記ゲル状部材は平板状である態様を採用することができる。
本発明において、前記組立工程では、前記第1型部材と前記第1可撓性部材との間、および前記第2型部材と前記第2可撓性部材との間の各々に有機溶剤を介在させて、前記第1型部材と前記第1可撓性部材とを前記有機溶剤を介して密着させ、前記第2型部材と前記第2可撓性部材とを前記有機溶剤を介して密着させる態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1型部材と第1可撓性部材との間に空気が介在しにくく、第2型部材と第2可撓性部材との間に空気が介在しにくい。従って、第1型部材の空隙側の面の形状、および第2型部材の空隙側の面の形状が各々、第1可撓性部材の空隙側の面、および第2可撓性部材の空隙側の面に精度よく反映される。それ故、第1型部材の空隙側の面の形状、および第2型部材の空隙側の面の形状によって規定された形状のゲル状部材を製造することができる。
本発明において、前記スペーサは、少なくとも、前記空隙側の面がフッ素樹脂からなる態様を採用することができる。かかる態様によれば、離型工程において、スペーサをゲル状部材から容易に外すことができる。
本発明において、前記組立工程では、前記第1可撓性部材を前記第1型部材および前記スペーサの前記充填口が位置する側の端部から突出させ、前記第2可撓性部材を前記第2型部材および前記スペーサの前記充填口が位置する側の端部から突出させ、前記充填工程では、前記充填口が位置する側において前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材との間から前記液状ゲル材料を前記充填口に供給して前記空隙内に充填する態様を採用することができる。かかる態様によれば、液状ゲル材料を充填口から充填する際、こぼれようとする液状ゲル材料を第1可撓性部材および第2可撓性部材によって受けることができる。
本発明において、前記組立工程では、前記第1可撓性部材を前記第1型部材の全周において前記第1型部材から突出させ、前記第2可撓性部材を前記第2型部材の全周において前記第2型部材から突出させる態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1可撓性部材において第1型部材から突出している部分を保持した状態で第1型部材を外すことができ、第2可撓性部材において第2型部材から突出している部分を保持した状態で第2型部材を外すことができる。
本発明において、前記スペーサは、前記充填工程で下方に位置する底板部と、前記底板部の延在方向の一方端から前記延在方向と交差する一方方向に延在する第1側板部と、前記底板部の前記延在方向の他方端から前記一方方向に延在して前記第1側板部に前記延在方向で対向する第2側板部と、を有し、前記第1側板部の前記底板部とは反対側の端部と前記第2側板部の前記底板部とは反対側の端部との間が前記充填口になっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、充填口を広く確保することができる。また、ゲル状部材の側面とスペーサとの接触面積をより狭くすることができるので、ゲル状部材からスペーサを容易に外すことができる。この場合、前記充填工程の後、前記硬化工程の前に、前記第1型部材と前記第2型部材の間のうち、前記第1側板部の前記底板部とは反対側の端部と前記第2側板部の前記底板部とは反対側の端部との間に上板を配置する態様を採用することができる。かかる態様によれば、硬化工程を行う際、第1型部材と第2型部材との間隔を全周にわたって適正な値に保持することができるとともに、第1可撓性部材および第2可撓性部材が撓むことを抑制することができる。
本発明において、前記液状ゲル材料を加熱する態様を採用することができる。かかる態様によれば、液状ゲル材料の硬化を促進することができる等の利点がある。
本発明において、前記離型工程の後、前記ゲル状部材を前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材とによって挟んだ状態で保管しておき、前記ゲル状部材を使用する際に前記ゲル状部材から前記第1可撓性部材および前記第2可撓性部材を剥離する態様を使用することができる。かかる態様によれば、ゲル状部材を安定した状態に保管することができる。
本発明では、第1型部材の空隙側の面に沿うように第1可撓性部材を設け、第2型部材の空隙側の面に沿うように第2可撓性部材を設け、充填口を残して空隙の周りを囲むスペーサを第1可撓性部材と第2可撓性部材との間に設け、空隙に充填した液状ゲル材料を硬化させてゲル状部材とする。このため、ゲル状部材は、第1型部材および第2型部材に接しないので、ゲル状部材から第1型部材および第2型部材を容易に外すことができる。ゲル状部材の側面は、スペーサに接しているが、ゲル状部材の側面とスペーサとの接触面積が狭いので、ゲル状部材からスペーサを容易に外すことができる。また、ゲル状部材は、広い面積で第1可撓性部材および第2可撓性部材と接しているが、第1可撓性部材および第2可撓性部材については撓ませながら剥がすことができるので、第1可撓性部材および第2可撓性部材を容易に剥がすことができる。
本発明を適用したゲル状部材の説明図である。 図1に示すゲル状部材の製造装置の説明図である。 図2に示す製造装置でゲル状ダンパを製造する方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(ゲル状部材1の構成)
図1は、本発明を適用したゲル状部材1の説明図である。図1に示すゲル状部材1は、例えば、シリコーンゲル等からなる四角形の平板状であり、振動を吸収するダンパ部材等として用いられる。かかるゲル状部材1は、液状ゲル材料10の注型によって製造される。ここで、液状ゲル材料10としては、常温硬化性、または加熱硬化性を有する材料を用いることができる。本形態においては、液状ゲル材料10は、付加型の2液タイプである。
(ゲル状部材1の製造装置2の構成)
図2は、ゲル状部材1の製造装置2の説明図である。図3は、図2に示す製造装置2でゲル状部材1を製造する方法を示す説明図である。図2に示す製造装置2は、第1型部材31、第1可撓性部材41、スペーサ5、第2可撓性部材42、および第2型部材32が順に重ねて配置される構造を有している。
本形態において、第1型部材31および第2型部材32は、ガラス板等からなり、板状である。第1可撓性部材41および第2可撓性部材42はプラスチックフィルム、金属フィルム、金属フィルムとプラスチックフィルムとのラミネートフィルム等からなり、フィルム状である。本形態において、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は、液状ゲル材料10を加熱硬化させる際の温度より融点が高いポリプロプレンやポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムからなる。スペーサ5は、図3を参照して後述する充填工程ST2で下方に位置する底板部50と、底板部50の延在方向Xの一方端50
1から延在方向Xと交差する一方方向Yに延在する第1側板部51と、底板部50の延在方向Xの他方端502から一方方向Yに延在して第1側板部51に延在方向Xで対向する第2側板部52とを有している。第1側板部51の底板部50とは反対側の端部510と第2側板部52の底板部50とは反対側の端部520との間が充填口55となる。なお、本形態では、スペーサ5の補助に上板54も用いる。
このように構成した製造装置2を用いてゲル状部材1を製造するには、図3に示す組立工程ST1において、第1型部材31に空隙20を介して対向するように第2型部材32を配置する。この状態で、第1型部材31および第2型部材32は各々、空隙20側の面310、320が平面状である。また、第1型部材31に空隙20を介して対向するように第2型部材32を配置する際、第1型部材31の空隙20側の面310に沿うように第1可撓性部材41を設け、第2型部材32の空隙20側の面320に沿うように第2可撓性部材42を設ける。また、第1可撓性部材41と第2可撓性部材42との間にスペーサ5を設ける。その結果、スペーサ5は、充填口55を残して空隙20の周りを囲んだ状態となる。かかる状態は、拘束部材(図示せず)等によって、第1型部材31と第2型部材32とを両側から締め付けることによって維持される。
本形態において、スペーサ5は、少なくとも、空隙20側の面が4フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂からなる。本形態において、スペーサ5は、全体がフッ素樹脂からなる。但し、スペーサ5は、空隙20側の面あるいは全体が、ポリアセタール樹脂等の樹脂から態様や、鉄やアルミニウム等の金属材料からなる態様であってもよい。
本形態において、第1型部材31の空隙20側の面310、および第2型部材32の空隙20側の面320は各々、研磨等によって平坦面にされている。また、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は各々、フィルム状である。従って、第1型部材31の空隙20側の面310の形状、および第2型部材32の空隙20側の面320の形状が各々、第1可撓性部材41の空隙20側の面の形状、および第2可撓性部材42の空隙20側の面の形状に精度よく反映される。
ここで、第1可撓性部材41、スペーサ5および第2可撓性部材42はサイズが等しい。また、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42よりサイズが大きい。このため、第1可撓性部材41は、第1型部材31およびスペーサ5の充填口55が位置する側の端部311、510、520から突出した突出部410を有し、第2可撓性部材42は、第2型部材32およびスペーサ5の充填口55が位置する側の端部321、510、520から突出した突出部420を有している。本形態では、第1可撓性部材41を第1型部材31の全周において第1型部材31から突出させ、第2可撓性部材42を第2型部材32の全周において第2型部材32から突出させる。従って、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は、第1型部材31および第2型部材32の全周に突出部410、420を有している。
本形態では、第1型部材31の空隙20側の面310に沿うように第1可撓性部材41を設ける際、第1型部材31と第1可撓性部材41との間に、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、1−プロパノール等の揮発性の有機溶剤(図示せず)を介在させて第1型部材31と第1可撓性部材41とを有機溶剤を介して密着させる。また、第2型部材32と第2可撓性部材42との間に有機溶剤(図示せず)を介在させて第2型部材32と第2可撓性部材42とを有機溶剤を介して密着させる。すなわち、第1型部材31の空隙20側の面310、および第2型部材32の空隙20側の面320は各々、平坦面になっているため、第1型部材31と第1可撓性部材41との間、および第2型部材32と第2可撓性部材42との間に有機溶剤を薄く介在させると、有機溶剤の表面張力によって、第1型部材31と第1可撓性部材41とが有機溶剤を介して密着し、第2型部材32と第2可
撓性部材42とが有機溶剤を介して密着する。従って、第1型部材31と第1可撓性部材41との間、および第2型部材32と第2可撓性部材42との間に空気が介在しにくい。それ故、第1型部材31の空隙20側の面の形状、および第2型部材32の空隙20側の面の形状が各々、第1可撓性部材41の空隙20側の面の形状、および第2可撓性部材42の空隙20側の面の形状に精度よく反映される。
次に、充填工程ST2では、充填口55から空隙20に硬化前の液状ゲル材料10を充填する。本形態では、充填口55が位置する側において突出部410と突出部420との間から液状ゲル材料10を充填口55に供給して空隙20内に液状ゲル材料10を充填する。従って、液状ゲル材料10を充填口55から充填する際、こぼれようとする液状ゲル材料10を第1可撓性部材41および第2可撓性部材42の突出部410、420によって受けることができる。
次に、硬化工程ST3では、液状ゲル材料10を硬化させ、ゲル状部材1とする。その際、液状ゲル材料10を加熱することもある。いずれの場合も、第1型部材31と第1可撓性部材41との間、および第2型部材32と第2可撓性部材42との間から有機溶剤が蒸発して逃げる。本形態において、有機溶剤が揮発性液体であるため、第1型部材31と第1可撓性部材41との間、および第2型部材32と第2可撓性部材42との間に有機溶剤が残りにくい。また、有機溶剤が上記のアルコール類等であれば、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42が膨潤する等の問題が発生しにくい。
本形態では、充填工程ST2の後、硬化工程ST3の前に、第1型部材31と第2型部材32との間のうち、第1側板部51の底板部50とは反対側の端部510と第2側板部52の底板部50とは反対側の端部520との間に上板54を配置し、充填口55を塞ぐ。従って、硬化工程ST3を行う際、第1型部材31と第2型部材32との間隔を全周にわたって適正な値に保持することができるとともに、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42が撓むことを抑制することができる。
次に、離型工程ST4では、ゲル状部材1から第1型部材31、第2型部材32、上板54およびスペーサ5を取り外す。本形態において、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42は、第1型部材31および第2型部材32の全周に突出部410、420を有している。このため、突出部410を保持した状態で第1型部材31を外すことができ、突出部420を保持した状態で第2型部材32を外すことができる。
最終工程ST5では、ゲル状部材1から第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を剥がす。その際、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を湾曲させながら、ゲル状部材1から第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を剥がす。
本形態では、離型工程ST4の後、ゲル状部材1を第1可撓性部材41と第2可撓性部材42とによって挟んだ状態で保管しておき、ゲル状部材1を使用する際に最終工程ST5を行い、ゲル状部材1から第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を剥がす。従って、ゲル状部材1を安定した状態に保管することができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、注型によってゲル状部材1を製造する際、第1型部材31の空隙20側の面310に沿うように第1可撓性部材41を設け、第2型部材32の空隙20側の面320に沿うように第2可撓性部材42を設ける。また、充填口55を残して空隙20の周りを囲むように、スペーサ5を第1可撓性部材41と第2可撓性部材42との間に設け、空隙20に充填した液状ゲル材料10を硬化させてゲル状部材1とする。このため、ゲル状部材1は、第1型部材31および第2型部材32に接しないので、
ゲル状部材1の吸着性が高い場合でも、ゲル状部材1から第1型部材31および第2型部材32を容易に外すことができる。また、第1型部材31および第2型部材32にゲル状部材1が接しないので、第1型部材31および第2型部材32をゲル状部材1から外した際、ゲル状部材1が第1型部材31および第2型部材32に残らない。従って、第1型部材31および第2型部材32に洗浄等を行わなくても、次の注型に用いることができる。
また、ゲル状部材1の側面11は、スペーサ5に接しているが、ゲル状部材1の側面11とスペーサ5との接触面積が狭いので、ゲル状部材1からスペーサ5を容易に外すことができる。特に本形態では、スペーサ5は、少なくとも、空隙20側の面がフッ素樹脂からなるため、ゲル状部材1からスペーサ5を容易に外すことができる。しかも、第1側板部51の端部510と第2側板部52の端部520との間の全体が充填口55になっているため、第1側板部51の端部510と第2側板部52の端部520との間に底板部50と平行な上板部を設けた場合と違って、ゲル状部材1の側面11とスペーサ5との接触面積が狭い。従って、ゲル状部材1からスペーサ5を容易に外すことができる。
また、ゲル状部材1は、広い面積で第1可撓性部材41および第2可撓性部材42と接しているが、図3に示す最終工程ST5で説明したように、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42については、撓ませながら剥がすことができる。従って、ゲル状部材1の吸着性が作用している場合でも、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を容易に剥がすことができるとともに、ゲル状部材1での欠けの発生を抑制することができる。
また、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42がフィルム状であるため、第1型部材31の空隙20側の面310の形状、および第2型部材32の空隙20側の面320の形状が各々、第1可撓性部材41の空隙20側の面、および第2可撓性部材42の空隙20側の面に精度よく反映される。それ故、第1型部材31の空隙20側の面310、および第2型部材32の空隙20側の面320によって、形状や厚さが規定されたゲル状部材1を製造することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態においては、スペーサ5では、底板部50に対して第1側板部51および第2側板部52が一体に連結されていたが、組立工程ST1において、第1側板部51および第2側板部52を底板部50と結合させる態様であってもよい。かかる態様によれば、離型工程ST4において、ゲル状部材1から第1側板部51、第2側板部52および底板部50を別々に外すことができるので、第1側板部51、第2側板部52および底板部50をゲル状部材1から容易に外すことができる。
上記実施形態においては、第1可撓性部材41と第2可撓性部材42とは別々の部材であったが、第1可撓性部材41と第2可撓性部材42とが繋がって一体の部材となっていてもよく、この場合、一体の部材を折り重ねることによって、第1可撓性部材41および第2可撓性部材42を構成する。
1…ゲル状部材、2…製造装置、5…スペーサ、10…液状ゲル材料、11…側面、20…空隙、31…第1型部材、32…第2型部材、41…第1可撓性部材、42…第2可撓性部材、50…底板部、51…第1側板部、52…第2側板部、54…上板、55…充填口、310、320…面、311、321、510、520…端部、410、420…突出部、ST1…組立工程、ST2…充填工程、ST3…硬化工程、ST4…離型工程、ST5…最終工程

Claims (11)

  1. 第1型部材に空隙を介して対向するように第2型部材を配置する際に、前記第1型部材の前記空隙側の面に沿うように第1可撓性部材を設け、前記第2型部材の前記空隙側の面に沿うように第2可撓性部材を設け、充填口を残して前記空隙の周りを囲むスペーサを前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材との間に設ける組立工程と
    前記組立工程の後、前記充填口から前記空隙に硬化前の液状ゲル材料を充填する充填工程と、
    前記充填工程の後、前記液状ゲル材料を硬化させてゲル状部材とする硬化工程と、
    前記硬化工程の後、前記ゲル状部材から前記第1型部材、前記第2型部材、および前記スペーサを取り外す離型工程と、
    を有することを特徴とするゲル状部材の製造方法。
  2. 前記第1可撓性部材および前記第2可撓性部材は各々、フィルム状であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状部材の製造方法。
  3. 前記第1型部材および前記第2型部材は各々、前記空隙側の面が平面状であり、
    前記ゲル状部材は平板状であることを特徴とする請求項1または2に記載のゲル状部材の製造方法。
  4. 前記組立工程では、前記第1型部材と前記第1可撓性部材との間、および前記第2型部材と前記第2可撓性部材との間の各々に有機溶剤を介在させて、前記第1型部材と前記第1可撓性部材とを前記有機溶剤を介して密着させ、前記第2型部材と前記第2可撓性部材とを前記有機溶剤を介して密着させることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  5. 前記スペーサは、少なくとも、前記空隙側の面がフッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  6. 前記組立工程では、前記第1可撓性部材を前記第1型部材および前記スペーサの前記充填口が位置する側の端部から突出させ、前記第2可撓性部材を前記第2型部材および前記スペーサの前記充填口が位置する側の端部から突出させ、
    前記充填工程では、前記充填口が位置する側において前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材との間から前記液状ゲル材料を前記充填口に供給して前記空隙内に充填することを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  7. 前記組立工程では、前記第1可撓性部材を前記第1型部材の全周において前記第1型部材から突出させ、前記第2可撓性部材を前記第2型部材の全周において前記第2型部材から突出させることを特徴とする請求項1から6までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  8. 前記スペーサは、前記充填工程で下方に位置する底板部と、前記底板部の延在方向の一方端から前記延在方向と交差する一方方向に延在する第1側板部と、前記底板部の前記延在方向の他方端から前記一方方向に延在して前記第1側板部に前記延在方向で対向する第2側板部と、を有し、
    前記第1側板部の前記底板部とは反対側の端部と前記第2側板部の前記底板部とは反対側の端部との間が前記充填口になっていることを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  9. 前記充填工程の後、前記硬化工程の前に、前記第1型部材と前記第2型部材の間のうち
    、前記第1側板部の前記底板部とは反対側の端部と前記第2側板部の前記底板部とは反対側の端部との間に上板を配置することを特徴とする請求項8に記載のゲル状部材の製造方法。
  10. 前記硬化工程では、前記液状ゲル材料を加熱することを特徴とする請求項1から9までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
  11. 前記離型工程の後、前記ゲル状部材を前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材とによって挟んだ状態で保管しておき、
    前記ゲル状部材を使用する際に前記ゲル状部材から前記第1可撓性部材および前記第2可撓性部材を剥離することを特徴とする請求項1から10までの何れか一項に記載のゲル状部材の製造方法。
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