JP2019141796A - 粉砕機の劣化診断装置、粉砕システム、及び劣化診断方法 - Google Patents

粉砕機の劣化診断装置、粉砕システム、及び劣化診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉砕機を停止させることなく高精度に粉砕機の劣化診断を行うことのできる粉砕機の劣化診断装置、粉砕システム、及び劣化診断方法を提供することを目的とする。【解決手段】固形物質を粉砕する粉砕機2に適応される劣化診断装置2であって、粉砕機2の現在の運転状態に係る情報を取得する取得部と、粉砕機2の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデル及び取得部で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における粉砕機2の性能値を演算する演算部と、該性能値と、取得部で取得した情報とに基づいて、粉砕機2における粉砕部の劣化度合を推定する推定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、粉砕機の劣化診断装置、粉砕システム、及び劣化診断方法に関するものである。
従来から、回転テーブルに供給される石炭等の固体燃料をローラで粉砕し、粉砕された固体燃料を所定粒径より小さい微粉燃料に分級し、分級された微粉燃料をバーナへ供給する粉砕機(粉砕システム)が知られている(例えば、特許文献1)。
粉砕機における粉砕部では、回転テーブルとローラとで固体燃料を挟み込み、圧力をかけて固体燃料を粉砕している。このため、粉砕機における粉砕部は劣化(摩耗等)し易い。
従来では、回転テーブル及びローラの交換時期を予測するために、粉砕機を停止させ、作業員が直接的に回転テーブル及びローラの摩耗量を計測していた。
特開2013−178073号公報
従来方法では、粉砕部(回転テーブル及びローラ)の摩耗量を取得するために粉砕機を停止しなければならず、粉砕機の連続操業性の低下、及び作業者の負担等が課題となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、粉砕機を停止させることなく高精度に粉砕機の劣化診断を行うことのできる粉砕機の劣化診断装置、粉砕システム、及び劣化診断方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、固形物質を粉砕する粉砕機に適応される劣化診断装置であって、前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報を取得する取得部と、前記粉砕機の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデル及び前記取得部で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における前記粉砕機の性能値を演算する演算部と、前記性能値と、前記取得部で取得した情報とに基づいて、前記粉砕機における粉砕部の劣化度合を推定する推定部と、を備える粉砕機に適用される劣化診断装置である。
上記のような構成によれば、粉砕機の初期運転状態(劣化が生じていない状態)に基づいて作成された性能推定モデルを用いて、劣化が生じていない場合の粉砕機の所定の性能値を演算し、該性能値と、粉砕機の現在の運転状態に係る情報とに基づいて粉砕機における粉砕部の劣化診断を行う。このため、内部点検等のために粉砕機を停止させることなく、粉砕機のローラおよび回転テーブルの摩耗といった粉砕機における粉砕部の劣化度合を推定することが可能となる。そしてさらに、点検に必要な人件費や粉砕機の停止期間に用いる代替固形物質を不要とすることができ、粉砕機の連続操業率を向上さることが可能となる。また、粉砕機の初期運転状態に基づいて作成された性能推定モデルを用いているため、粉砕機の個別機器特性が性能推定モデルに反映されており、より正確に粉砕部の劣化度合を推定することができる。
上記劣化診断装置において、前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報とは、前記固形物質の粉砕の難易を表す指標を含むこととしてもよい。
上記のような構成によれば、固形物質の粉砕の難易を表す指標(例えば、ハードグローブ粉砕性指標(HGI))を用いて、性能推定モデルにより、劣化が生じていない場合の粉砕機の所定の性能値を演算することとした。粉砕機の所定の性能値とは、例えば、回転テーブルの駆動電力であり、固形物質の粉砕の難易によって変動する。このため、固形物質の粉砕の難易を示す指標を用いることによって、より正確に粉砕機の所定の性能値を演算することができる。そしてさらに、性能値が高精度に演算できるため、粉砕機の劣化度合をより正確に推定することが可能となる。
上記劣化診断装置において、前記性能値とは、前記粉砕部の駆動電力、及び前記粉砕機内における所定の差圧の少なくとも1つであることとしてもよい。
上記のような構成によれば、粉砕機における粉砕部の劣化度合を効果的に評価することができる。粉砕機における粉砕部であるローラや回転テーブルが劣化(摩耗)した場合には、固形物質の粉砕性能が低下する。粉砕機の粉砕性能が低下すると、粉砕機内における非粉砕物質の相対量が多くなり、粉砕部の駆動電力が増加する。また、粉砕機の粉砕性能が低下すると、粉砕機内における所定の差圧が増加する。すなわち、各パラメータには粉砕機の粉砕性能が低下したこと(粉砕機が劣化したこと)が反映されているため、性能値として用いることで粉砕機における粉砕部の劣化度合を効果的に評価することができる。
上記劣化診断装置において、前記推定部は、前記性能値と前記取得部で取得した情報とに基づいて所定の劣化指標を算出し、予め設定された前記劣化指標と前記粉砕部における摩耗量比との相関関係と、前記劣化指標とに基づいて前記粉砕部における摩耗量を推定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、劣化指標と粉砕部の摩耗量比との相関関係を用いることで簡便に摩耗量を推定することができる。
上記劣化診断装置において、前記劣化指標と、前記摩耗量の実測値とに基づいて、前記相関関係を補正する補正部を備えることとしてもよい。
上記のような構成によれば、摩耗量の実測値に基づいて相関関係を補正するため、相関関係を粉砕機の実運転にフィットさせることができ、より高精度に粉砕部の摩耗量を推定することが可能となる。
本発明の第2態様は、粉砕機と、上記の前記粉砕機に適用される劣化診断装置と、を備える粉砕システムである。
本発明の第3態様は、固形物質を粉砕する粉砕機に適応される劣化診断方法であって、前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報を取得する取得工程と、前記粉砕機の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデル及び前記取得工程で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における前記粉砕機の性能値を演算する演算工程と、前記性能値と、前記取得工程で取得した情報とに基づいて、前記粉砕機における粉砕部の劣化度合を推定する推定工程と、を含む粉砕機に適用される劣化診断方法である。
本発明によれば、粉砕機を停止させることなく高精度に粉砕機の劣化診断を行うことができるという効果を奏する。
第1実施形態に係る劣化診断装置を備えた粉砕システムの概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る粉砕機のローラの構成を示す断面図である。 第1実施形態に係る劣化診断装置が備える機能を示した機能ブロック図である。 第1実施形態に係る演算部における処理の概念図である。 第1実施形態に係る劣化診断装置にて行う処理のフローチャートを示した図である。 第1実施形態に係る劣化診断装置における劣化指標と運転時間との関係を例示した図である。 第2実施形態に係る劣化診断装置における劣化指標と摩耗量比との相関関係を例示した図である。 第2実施形態に係る劣化診断装置における摩耗量比と運転時間との関係を例示した図である。 第2実施形態に係る劣化診断装置にて行う処理のフローチャートを示した図である。 第3実施形態に係る劣化診断装置が備える機能を示した機能ブロック図である。 第3実施形態に係る劣化診断装置における劣化指標と摩耗量比との相関関係を例示した図である。 第3実施形態に係る劣化診断装置にて行う処理のフローチャートを示した図である。
以下に、劣化診断装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る劣化診断装置3を備えた粉砕システム1の概略構成を示す図である。図1において、粉砕機2は断面図が示されている。
なお、本実施形態では、発電プラント等において固体燃料(固形物質)を粉砕する粉砕機2に対して劣化診断装置3が適用される場合(粉砕システム1)について説明するが、固形物質を粉砕する粉砕機(例えば、セメント製造プランでセメント原料を粉砕する粉砕機)であれば、発電プラントに限られず適用可能である。また、本実施形態では、粉砕機2の粉砕部は、回転テーブル6とローラ7とで構成される場合について説明するが、例えばハンマー型等、粉砕機2を他の構成とすることも可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る粉砕システム1は、粉砕機2と、劣化診断装置3を備えている。また、粉砕機2は、ハウジング5と、回転テーブル6と、ローラ7と、分級部8と、送風部9とを主な構成として備える。
ハウジング5は、略円筒形状の中空の部材であり、粉砕機2の筐体である。
回転テーブル6は、ハウジング5内の下部に配置され、上下方向に延在する軸線周りに回転可能に取り付けられている。また、回転テーブル6は、下部に設けられた駆動部10によって駆動される。駆動部10は電源装置16より電力が供給される。駆動部10は電動モータと減速機等を含み、回転軸11を介して回転テーブル6の中心部に接続されている。また、回転テーブル6の中心部には、ハウジング5の上端を貫通するように取り付けられた燃料投入部14を介して固体燃料(粉砕対象である固形物質)が供給される。中心部に供給された固体燃料は、回転する回転テーブル6による遠心力で中心部から外周部へ移動し、回転テーブル6と、回転テーブル6の外周部に設けられたローラ7との間に挟み込まれて粉砕される。
ローラ7は、回転テーブル6の外周部に押圧され、回転テーブル6と協働して固体燃料を粉砕する。すなわち、ローラ7は、回転テーブル6の回転によって導かれた固体燃料を回転テーブル6との間で挟み込んで粉砕し、微粉燃料にする。ローラ7の詳細な構成の例を図2に示す。ローラ7は、ローラ支持部20によってハウジング5に支持されている。ローラ支持部20は、ローラ7を取り付ける支持軸21と、支持軸21を保持する本体22と、本体22の側部に固定して取り付けられた回転軸23と、本体22の上面に上方へ延在するように取り付けられたアーム24と、本体22の下面に下方に突出するように設けられた突起部25を備える。
ローラ7の中心には、略円筒形状をした中空のハブ26が取り付けられている。ローラ7は、ハブ26を介して、支持軸21の先端部に取り付けられる。したがって、ローラ7は、支持軸21を中心に周方向に回転可能となっている。回転軸23は、軸線が略水平方向であり、回転テーブル6の円形形状の接線方向に延在するように配置されている。ローラ支持部20は回転軸23を中心に回動可能となっており、回転軸23を中心に回動することにより、回転テーブル6の外周部に対するローラ7の距離が変化する。
ハウジング5には、アーム24の上端部を押圧する荷重付加部27が取り付けられている。荷重付加部27は、長手方向に移動可能な状態でハウジング5に取り付けられた中間ピストン28と、ハウジング5の外周に取り付けられ中間ピストン28の外側端部を押圧する油圧荷重部29を備える。中間ピストン28の内側端部は、アーム24の上端部外周側に接続されている。荷重付加部27は、油圧荷重部29によって中間ピストン28を長手方向に移動させることにより、ローラ支持部20を、回転軸23を中心に揺動させる。すなわち、ローラ7は、荷重付加部27によって回転テーブル6に押圧されている。
突起部25は、ローラ支持部20が回転軸23を中心に一定の位置まで揺動した場合に、ストッパ30に突き当たる。ストッパ30は、ローラ7の回転テーブル6を押圧する方向への移動量を制限する制限部材として機能する。
なお、図1では、ローラ7が1つのみ示されているが、回転テーブル6の外周部を押圧するように、外周方向に一定の間隔を空けて、複数のローラ7が配置される。例えば、外周部上に120°の角度間隔を空けて、3つのローラ7が配置される。この場合、3つのローラ7が回転テーブル6の外周部と接する部分(押圧する部分)は、回転テーブル6の中心部からの距離が等距離となる。
また、本実施形態では、駆動部10により回転テーブル6を電動駆動する構成としているが、回転テーブル6に替えてローラ7を電動駆動してもよいし、回転テーブル6とローラ7の両方を電動する構成としてもよい。
分級部8は、ハウジング5内の上部に配置されている。具体的には、分級部8は、略円筒形状のハウジング5の円筒軸を中心に回転するブレードを備えている。分級部8に到達した固体燃料の粉砕物は、回転するブレードと送風部9により供給される一次空気(一次酸化性ガス)の流れとにより生ずる遠心力と求心力の相対的なバランスにより、所定粒径より小さい微粉燃料のみがブレードの内部に流入し、出口15から流出する。出口15は供給流路を介してボイラ(不図示)に接続されており、ボイラでは、バーナによって微粉燃料を燃焼し、発生した熱を、蒸気管を流通する蒸気に与えることにより熱交換を行う。高温となった蒸気は蒸気タービン(不図示)を回転させる動力として用いられる。
送風部9は、微粉燃料を分級部8へ供給するためにハウジング5内(回転テーブル6の下部(下部ハウジング))に一次空気(一次酸化性ガス)を供給する。なお、送風部9から回転テーブル6の下部へ供給される空気は予熱等がされていてもよい。回転テーブル6の外側の複数箇所には、流路から流入する一次空気をハウジング5内の回転テーブル6の上方の空間(上部ハウジング)に流出させる吹出口12が設けられている。吹出口12の上方にはベーン13が設置されており、ベーン13は吹出口12から吹き出した一次空気に旋回力を与える。ベーン13により旋回力が与えられた一次空気は、図1中に矢印に示すような気流となって回転テーブル6上で粉砕された固体燃料(微粉燃料)をハウジング5の上方の分級部8へ導く。なお、一次空気の気流にのった固体燃料の粉砕物うち、粒径の大きいものは分級部8まで到達することなく落下して回転テーブル6に再び戻される。
劣化診断装置3は、粉砕機2の運転状態(例えば、計測器による計測結果)に基づいて、粉砕機2における粉砕部の劣化診断を行う。具体的には、粉砕機2に設けられた回転テーブル6及びローラ7の摩耗度合を評価している。
このため、図1に示すような粉砕機2には、粉砕機2の運転状態を計測する計測器が備えられている。例えば、粉砕機2に供給された固体燃料の量(給炭量)を計測する計測器、送風部9から供給される一次空気の流量(一次空気量)を計測する計測器、分級部8のブレードの回転数(分級部回転数)を計測する計測器、ローラ7における粉砕荷重を計測する計測器、送風部9から供給される一次空気の温度(入口空気温度)を計測する計測器、粉砕機2の出口付近の微粉燃料混合空気の温度(出口空気温度)を計測する計測器、粉砕機2における回転テーブル6の下部空間(下部ハウジング)における圧力(送風部9から供給される空気の圧力)と回転テーブル6の上部空間(上部ハウジング)における圧力(分級部8へ供給される空気の圧力)の差圧(粉砕機差圧)を計測する計測器等である。なお、粉砕荷重とは、例えば、図2における油圧荷重部29の内部油圧である。これらの計測器は、後述する性能推定モデルを用いて回転テーブル6の駆動電力を演算する場合に必要とされるパラメータが計測可能なように配置されている。なお、計測器の計測対象は、性能推定モデルの構成に依存するため、上記に限られず適宜変更可能である。
また、粉砕機2には、粉砕部(回転テーブル6)の駆動電力を計測する計測器が設けられている。なお、回転テーブル6の駆動電力とは、回転テーブル6を回転駆動するために電源装置16より駆動部10へ供給される電力である。なお、粉砕部において、ローラ7も電力駆動される場合には、粉砕部の駆動電力として、回転テーブル6とローラ7の駆動電力を取得することとすればよい。これらの計測器で計測された各種結果は、劣化診断装置3に出力される。
劣化診断装置3は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等を備えている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。
図3は、劣化診断装置3が備える機能を示した機能ブロック図である。図3に示されるように、劣化診断装置3は、取得部31と、記憶部32と、演算部33と、推定部34とを備えている。
取得部31は、粉砕機2の現在の運転状態に係る情報を取得する。具体的には、取得部31は、粉砕機2の現在の運転状態に係る情報として、粉砕機2に設けられた各種計測器の計測結果を取得する。本実施形態では、各種計測器の計測結果として、給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧を取得する。また、取得部31は、固体燃料(固形物質)の粉砕の難易を表す指標を取得する。固体燃料の粉砕の難易を表す指標とは、例えば、ハードグローブ粉砕性指標(Hardgrobe Grindability Index(HGI))である。HGIは、例えば、発電プラント(粉砕機2)の運転員によって制御盤等に入力され、取得部31は制御盤よりHGIを取得する。なお、粉砕機2においてHGIを計測器により計測(または推定)することが可能な場合には、取得部31は該計測器からHGIを取得することとしてもよい。また、固体燃料の粉砕の難易を表す指標であれば、ハードグローブ粉砕性指標に限らず使用可能である。
取得部31で取得された上記パラメータ値(給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI)は、後述する性能推定モデルを用いて粉砕機2の性能値(例えば、回転テーブル6の駆動電力)を演算するために用いられる。なお、取得部31で取得するパラメータについては、性能推定モデルの構造に依存し、上記パラメータに限らず用いることが可能である。取得部31で取得された各値は、演算部33へ出力される。
また、取得部31は、後述する性能推定モデルを用いて演算された性能値(例えば、回転テーブル6の駆動電力)に対応する(同種の)パラメータに係る計測値を取得する。本実施形態では、性能推定モデルを用いて初期状態における粉砕機2の回転テーブル6の駆動電力(性能値)を演算することとしているため、取得部31は、現在の運転状態における回転テーブル6の駆動電力(性能値に対応するパラメータ)を計測器より取得する。なお、性能推定モデルを用いて演算された性能値とは、後述するように回転テーブル6の駆動電力以外のパラメータを用いることも可能なため、この場合には、取得部31は、性能推定モデルを用いて演算された性能値に対応する(同種の)パラメータに係る計測値を取得するものとする。
記憶部32は、粉砕機2の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデルを記憶する。粉砕機2の初期運転状態に係る情報とは、例えば、粉砕機2の竣工後に行われる運転試験(性能試験)にて得た運転データ等である。運転試験では、各パラメータ(例えば、給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI)を所定の範囲で変動させた場合における回転テーブル6の駆動電力の変動を記録しておく。そして、性能推定モデルは、運転試験で得た初期運転状態に係る情報を用いて、重回帰分析手法やAI機械学習手法等を適用することで作成される。なお、性能推定モデルは、各パラメータの変動と回転テーブル6の駆動電力の変動とを対応づけたテーブル等とすることも可能である。すなわち、性能推定モデルとは、図4に示すように、所定のパラメータを入力することによって、竣工当初の状態(劣化がない状態)における粉砕機2の回転テーブル6の駆動電力(性能値)が演算可能とされたデータである。
なお、性能推定モデルは、粉砕機2の初期運転状態に係る情報に基づいて作成されているため、粉砕機2の個別機器特性が反映されている。粉砕機2は、加工(粉砕)精度や据え付け、各部材の配置の問題等から、個別の機器特性を有している。このため、性能推定モデルを粉砕機2の初期運転状態に係る情報に基づいて作成することで、より正確な性能値(回転テーブル6の駆動電力)を演算することが可能となる。
演算部33は、記憶部32に記憶された性能推定モデル及び取得部31で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における粉砕機2の性能値(初期状態性能値)を演算する。粉砕機2の性能値とは、粉砕部の駆動電力及び粉砕機2内における所定の差圧の少なくとも1つである。本実施形態では、粉砕機2の性能値として、粉砕部(回転テーブル6)の駆動電力を用いている場合について説明するが、他の性能値を用いた場合でも同様(例えば、性能値として粉砕機2内における所定の差圧を用いた場合には、性能推定モデルより劣化が生じていない場合における粉砕機2内における所定の差圧が演算される)である。
演算部33では、記憶部32に記憶されている性能推定モデルを読み出すとともに、取得部31が取得した情報(給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI)を読み出す。そして、図4に示されるように、取得部31が取得した情報(給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI)を性能推定モデルに入力することによって、性能値(回転テーブル6の駆動電力)を演算する。演算された性能値は、推定部34へ出力される。
なお、本実施形態では、記憶部32に性能推定モデルを格納し、演算部33により読み出される構成としているが、上記のように作成された性能推定モデルが遠隔に配置されたサーバ等からネットワークを介して取得可能な場合には、劣化診断装置3は記憶部32を備えず、サーバ等と通信を行う通信部等を備える構成としてもよい。
推定部34は、演算部33で演算した性能値と、取得部31で取得した情報とに基づいて、粉砕機2における粉砕部の劣化度合を推定する。具体的には、推定部34は、演算された回転テーブル6の駆動電力(駆動電力の推定値)と回転テーブル6の駆動電力の計測値とに基づいて、以下の関係式より、劣化指標として、電力増加率を算出する。
[数1]
電力増加量=(駆動電力の計測値−駆動電力の推定値)/駆動電力の計測値 (1)
粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)が摩耗すると回転テーブル6とローラ7間の摩擦が増加するため、回転テーブル6の回転数を維持するために電源装置16から供給される電力が増加する。すなわち、回転テーブル6の駆動電力は、粉砕部が劣化するにしたがって増加する。(1)式において、駆動電力の推定値とは、性能推定モデルより演算された初期状態(劣化なし)の粉砕機2における回転テーブル6の駆動電力であり、駆動電力の計測値とは、現在の運転状態(劣化あり)の粉砕機2における回転テーブル6の駆動電力である。このため、(1)式では、初期状態の粉砕機2に対する現在の粉砕機2における回転テーブル6の駆動電力の増加率を算出することができ、電力増加率を参照することで、粉砕部にどれだけ劣化が発生しているかを推定することができる。
そして、推定部34では、(1)式より算出した電力増加率と所定の閾値を比較することによって、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)を交換すべき状態か否かを判断し、交換すべき状態である場合には、発電プラントの運転員等に通知する。なお、閾値とは、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)の最大許容摩耗量(限界値)に対応する電力増加率の値に所定の余裕度を加味した値に設定される。
なお、推定部34は、図6に示すような劣化指標(電力増加率)と運転時間との関係に基づいて、算出した電力増加率から粉砕機2の積算運転時間を算出し、そして、粉砕機2の定格交換推奨時間までの運転時間(寿命)を算出し、発電プラントの運転員等に通知することとしてもよい。
次に、上述の劣化診断装置3にて行う処理について図5を参照して説明する。図5に示すフローは、粉砕機2が稼働している場合に所定の制御周期で繰り返し実行される。
まず、粉砕機2の現在の運転状態に係る情報として、粉砕機2に設けられた各種計測器の計測結果(給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI)と、固体燃料の粉砕の難易を表す指標(HGI)を取得する(S101)。
次に、取得した粉砕機2の現在の運転状態に係る情報と性能推定モデルとに基づいて、劣化がない状態における粉砕機2の性能値(回転テーブル6の駆動電力)を演算する(S102)。
次に、演算した回転テーブル6の駆動電力(推定値)と計測した回転テーブル6の駆動電力(計測値)とに基づいて、劣化指標(電力増加率)を算出する(S103)。
次に、算出した電力増加率が所定の閾値以上となっているか否かを判定する(S104)。そして、算出した電力増加率が所定の閾値以上となっていない場合(S104のNO判定)には、処理を終了する。
また、算出した電力増加率が所定の閾値以上となっている場合(S104のYES判定)には、粉砕部の摩耗量が最大許容摩耗量(限界値)に近づいていることを発電プラントの運転員に通知する(S105)。
次に、本発明の第1実施形態に係る劣化診断装置3の変形例を説明する。上記実施形態では、演算部33において性能推定モデルを用いて演算される粉砕機2の性能値を、粉砕部(回転テーブル6)の駆動電力としたが、本変形例では、性能値として、粉砕機2内における所定の差圧を用いる。
粉砕機2内における所定の差圧とは、粉砕機2における回転テーブル6の下部空間(下部ハウジング)における圧力(送風部9から供給される空気の圧力)と回転テーブル6の上部空間(上部ハウジング)における圧力(分級部8へ供給される空気の圧力)の差圧(粉砕機差圧)である。粉砕機2の粉砕性能が低下すると、粉砕機2内における非粉砕物質の相対量が多くなり、粉砕機2における回転テーブル6の下部空間における圧力と、分級部8へ供給される空気の圧力との差(粉砕機差圧)が増加する。すなわち、粉砕部が劣化して粉砕機2の粉砕性能が低下すると、粉砕機差圧は大きくなる。
取得部31は、上記実施形態と同様に、給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、粉砕機差圧、HGI、そして、粉砕部の駆動電力を取得する。
本変形例における記憶部32は、給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、HGI、粉砕部の駆動電力が入力可能な性能推定モデルを記憶している。すなわち、本変形例における性能推定モデルは、給炭量、一次空気量、分級部回転数、粉砕荷重、入口空気温度、出口空気温度、HGI、粉砕部の駆動電力を入力することによって、初期状態(劣化なし)の粉砕機2における粉砕機差圧が演算可能なモデルである。このため、演算部33では、記憶部32に記憶されている性能推定モデルと、取得部31が取得した情報に基づいて、初期状態(劣化なし)の粉砕機2における粉砕機差圧を演算し、推定部34へ出力する。
推定部34では、演算部33で演算した粉砕機差圧(粉砕機差圧の推定値)と、取得部31で取得した粉砕機差圧(粉砕機差圧の計測値)とに基づいて、粉砕機2における粉砕部の劣化度合を推定する。例えば、推定部34では、以下の関係式より、劣化指標として、差圧増加率を算出する。
[数2]
差圧増加率=(粉砕機差圧の計測値−粉砕機差圧の推定値)/粉砕機差圧の計測値
(2)
そして、推定部34では、(2)式より算出した差圧増加率と所定の閾値を比較することによって、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)を交換すべき状態か否かを判断し、交換すべき状態である場合には、発電プラントの運転員等に通知する。なお、閾値とは、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)の最大許容摩耗量(限界値)に対応する差圧増加率の値に所定の余裕度を加味した値に設定される。
なお、粉砕機2の性能値とは、粉砕部における劣化(摩耗)の度合が反映されるパラメータである。このため、粉砕部の駆動電力及び粉砕機2内における所定の差圧以外であっても用いることが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る粉砕機2の劣化診断装置3、粉砕システム1、及び劣化診断方法によれば、粉砕機2の初期運転状態(劣化が生じていない状態)に基づいて作成された性能推定モデルを用いて、劣化が生じていない場合の粉砕機2の所定の性能値(例えば、回転テーブル6の駆動電力)を演算し、該性能値と、粉砕機2の現在の運転状態に係る情報(例えば、回転テーブル6の駆動電力の実測値)とに基づいて粉砕機2における粉砕部の劣化診断を行う。このため、内部点検等のために粉砕機2を停止させることなく、粉砕機2のローラ7および回転テーブル6の摩耗といった粉砕機2における粉砕部の劣化度合を推定することが可能となる。そしてさらに、点検に必要な人件費や粉砕機2の停止期間に用いる代替固形物質を不要とすることができ、粉砕機2の連続操業率を向上さることが可能となる。
また、粉砕機2の初期運転状態に基づいて作成された性能推定モデルを用いているため、粉砕機2の個別機器特性が性能推定モデルに反映されており、より正確に粉砕部の劣化度合を推定することができる。
また、固形物質の粉砕の難易を表す指標(例えば、ハードグローブ粉砕性指標(HGI))を用いて、性能推定モデルにより、劣化が生じていない場合の粉砕機2の所定の性能値を演算することとした。粉砕機2の所定の性能値とは、例えば、回転テーブル6の駆動電力であり、固形物質の粉砕の難易によって変動する。このため、固形物質の粉砕の難易を示す指標を用いることによって、より正確に粉砕機2の所定の性能値を演算することができる。そしてさらに、粉砕機2の劣化度合をより正確に推定することが可能となる。
また、粉砕機2における粉砕部の劣化度合を効果的に評価することができる。粉砕機2における粉砕部であるローラ7や回転テーブル6が劣化(摩耗)した場合には、固形物質の粉砕性能が低下する。粉砕機2の粉砕性能が低下すると、粉砕機2内における非粉砕物質の相対量が多くなり、粉砕部の駆動電力が増加する。また、粉砕機2の粉砕性能が低下すると、粉砕機2内における所定の差圧が増加する。すなわち、各パラメータには粉砕機2の粉砕性能が低下したこと(粉砕機2が劣化したこと)が反映されているため、性能値として用いることで粉砕機2における粉砕部の劣化度合を効果的に評価することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る劣化診断装置3、粉砕システム1、及び劣化診断方法について説明する。
上述した第1実施形態では、推定部34で算出した劣化指標(電力増加率)に基づいて粉砕機2の劣化診断を行っていたが、本実施形態では、推定部34で算出した劣化指標(電力増加率)より粉砕部の摩耗量を推定し、推定した摩耗量に基づいて粉砕機2の劣化診断を行う。以下、本実施形態に係る劣化診断装置3について、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
本実施形態における記憶部32は、所定の劣化指標と、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)における摩耗量比との相関関係を有している。具体的には、記憶部32は、図7に示されるような、劣化指標(電力増加率)と摩耗量比との相関関係を有している。なお、図7は、ローラ7における摩耗量比の関係を示しており、回転テーブル6における摩耗量比の関係についても同様に記憶部32に記憶されている。図7に示されるような相関関係は、適用する粉砕機2と同種の粉砕機2より得られた過去運転データより作成されるものである。また、摩耗量比とは、竣工時(初期)のローラ7の半径に対するローラ7の最大摩耗量(初期のローラ7の半径−最大摩耗箇所におけるローラ7の半径)の比である。なお、回転テーブル6における摩耗量比は、竣工時(初期)の回転テーブル6厚に対する回転テーブル6の最大摩耗量(初期の回転テーブル6厚−最大摩耗箇所における回転テーブル6厚)の比である。
そして、本実施形態における推定部34は、劣化指標(電力変化率)を算出後、記憶部32に記憶されている相関関係を用いて、現在(取得部31にて情報を取得した時)における回転テーブル6及びローラ7の摩耗量比を求め、実際の摩耗量を推定する。そして、推定した摩耗量と予め設定した閾値とを比較することによって、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)を交換すべき状態か否かを判断し、交換すべき状態である場合には、発電プラントの運転員等に通知する。なお、閾値とは、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)の最大許容摩耗量(限界値)に所定の余裕度を加味した値に設定される。
なお、推定部34は、図8に示すような摩耗量比と運転時間との関係に基づいて、求めた摩耗量比から粉砕機2の積算運転時間を算出し、そして、粉砕機2の定格交換推奨時間までの運転時間(寿命)を算出し、発電プラントの運転員等に通知することとしてもよい。
次に、本実施形態に係る劣化診断装置3において行う処理について図9を参照して説明する。図9に示すフローは、粉砕機2が稼働している場合に所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、劣化指標の算出(S103)までは第1実施形態と同様である。
劣化指標の算出後(S103)、算出した劣化指標に基づいて、粉砕部(回転テーブル6及びローラ7)の摩耗量を推定する(S204)。
次に、推定した摩耗量が所定の閾値以上となっているか否かを判定する(S205)。そして、推定した摩耗量が所定の閾値以上となっていない場合(S205のNO判定)には、処理を終了する。
また、推定した摩耗量が所定の閾値以上となっている場合(S205のYES判定)には、粉砕部の摩耗量が最大許容摩耗量(限界値)に近づいていることを発電プラントの運転員に通知する(S206)。
以上説明したように、本実施形態に係る劣化診断装置3、粉砕システム1、及び劣化診断方法によれば、劣化指標と粉砕部の摩耗量比との相関関係を用いることで簡便に摩耗量を推定することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る劣化診断装置3、粉砕システム1、及び劣化診断方法について説明する。
上述した第2実施形態では、記憶部32が所定の劣化指標と粉砕部における摩耗量比との相関関係を有することとしたが、本実施形態では、記憶部32が有している相関関係を粉砕部の摩耗量の実測値に基づいて補正する。以下、本実施形態に係る劣化診断装置3について、第2実施形態(及び第1実施形態)と異なる点について主に説明する。
本実施形態に係る劣化診断装置3は、図10に示すように、補正部35をさらに備える。
補正部35は、推定部34により推定された劣化指標と、摩耗量の実測値とに基づいて、相関関係を補正する。具体的には、補正部35は、推定部34において推定された摩耗量が所定の閾値以上である場合に、運転員等によって実際に測定された粉砕部の摩耗量を取得し、実測した摩耗量が所定の閾値以上でなかった場合に、記憶部32に記憶されている相関関係を補正する。補正部35は、推定部34にて算出された劣化指標(電力変化率)の値において、実際に測定された粉砕部の摩耗量となるように、相関関係を補正する。
例えば、相関関係が図11におけるL1であった場合、推定部34で算出した劣化指標がAであれは、推定部34では、摩耗量比Bに対応する摩耗量が推定される。そして、推定した摩耗量が閾値以上であるとする。この場合に、補正部35は、運転員等によって実際に測定された粉砕部の摩耗量を取得する。そして、実測した摩耗量が所定の閾値以上でなかった場合(推定部34で摩耗量を多く推定していた場合)に、劣化指標がAにおいて実測した摩耗量に対応する摩耗量比Cと推定されるように、相関関係をL1からL2に補正する。なお、本実施形態における補正部35では、推定部34により推定される摩耗量が多い場合に相関関係を補正するため、相関関係を補正する場合には、一定の劣化指標に対して摩耗量比が所定量少なくなるように補正することとしてもよい。
次に、本実施形態に係る劣化診断装置3において行う処理について図12を参照して説明する。図12に示すフローは、粉砕機2が稼働している場合に所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、劣化指標の算出(S205)までは第2実施形態と同様である。
推定した摩耗量が所定の閾値以上となっていない場合(S205のNO判定)には、処理を終了する。
推定した摩耗量が所定の閾値以上となっている場合(S205のYES判定)には、発電プラントの運転員に対して粉砕部(回転テーブル6とローラ7)の摩耗量の計測が必要であることを通知する(S306)。
次に、粉砕部の摩耗量の計測結果(実測値)が運転員等によって劣化診断装置3に入力されることで、摩耗量の実測値を取得する(S307)。そして、摩耗量の実測値が所定の閾値以上となっているか否かを判定する(S308)。そして、摩耗量の実測値が所定の閾値以上となっている場合(S308のYES判定)には、粉砕部の摩耗量が最大許容摩耗量(限界値)に近づいていることを発電プラントの運転員に通知する(S309)。
摩耗量の実測値が所定の閾値以上となっていない場合(S308のNO判定)には、既存の相関関係では摩耗量を実際より多く推定している可能性があるため、相関関係を補正する(S310)。
以上説明したように、本実施形態に係る劣化診断装置3、粉砕システム1、及び劣化診断方法によれば、摩耗量の実測値に基づいて相関関係を補正するため、相関関係を粉砕機2の実運転にフィットさせることができ、より高精度に粉砕部の摩耗量を推定することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。なお、各実施形態を組み合わせることも可能である。
1 :粉砕システム
2 :粉砕機
3 :劣化診断装置
5 :ハウジング
6 :回転テーブル
7 :ローラ
8 :分級部
9 :送風部
10 :駆動部
11 :回転軸
12 :吹出口
13 :ベーン
16 :電源装置
20 :ローラ支持部
21 :支持軸
22 :本体
23 :回転軸
24 :アーム
25 :突起部
26 :ハブ
27 :荷重付加部
28 :中間ピストン
29 :油圧荷重部
30 :ストッパ
31 :取得部
32 :記憶部
33 :演算部
34 :推定部
35 :補正部

Claims (7)

  1. 固形物質を粉砕する粉砕機に適応される劣化診断装置であって、
    前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報を取得する取得部と、
    前記粉砕機の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデル及び前記取得部で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における前記粉砕機の性能値を演算する演算部と、
    前記性能値と、前記取得部で取得した情報とに基づいて、前記粉砕機における粉砕部の劣化度合を推定する推定部と、
    を備える粉砕機に適用される劣化診断装置。
  2. 前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報とは、前記固形物質の粉砕の難易を表す指標を含む請求項1に記載の粉砕機に適用される劣化診断装置。
  3. 前記性能値とは、前記粉砕部の駆動電力及び前記粉砕機内における所定の差圧の少なくとも1つである請求項1または2に記載の粉砕機に適用される劣化診断装置。
  4. 前記推定部は、前記性能値と前記取得部で取得した情報とに基づいて劣化指標を算出し、予め設定された前記劣化指標と前記粉砕部における摩耗量比との相関関係と、算出した前記劣化指標とに基づいて前記粉砕部における摩耗量を推定する請求項1から3のいずれか1項に記載の粉砕機に適用される劣化診断装置。
  5. 前記劣化指標と、前記摩耗量の実測値とに基づいて、前記相関関係を補正する補正部を備える請求項4に記載の粉砕機に適用される劣化診断装置。
  6. 粉砕機と、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の前記粉砕機に適用される劣化診断装置と、
    を備える粉砕システム。
  7. 固形物質を粉砕する粉砕機に適応される劣化診断方法であって、
    前記粉砕機の現在の運転状態に係る情報を取得する取得工程と、
    前記粉砕機の初期運転状態に係る情報に基づいて作成された性能推定モデル及び前記取得工程で取得した情報を用いて、劣化が生じていない場合における前記粉砕機の性能値を演算する演算工程と、
    前記性能値と、前記取得工程で取得した情報とに基づいて、前記粉砕機における粉砕部の劣化度合を推定する推定工程と、
    を含む粉砕機に適用される劣化診断方法。
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