JP2019140502A - キャリブレーション用色変換テーブルの生成方法、生成プログラム、生成装置、及び、生成システム - Google Patents

キャリブレーション用色変換テーブルの生成方法、生成プログラム、生成装置、及び、生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させることが可能な技術を提供する。【解決手段】調整によりキャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意し、プロファイル接続空間の座標を基準として基準出力デバイスの出力色に対する対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得し、前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を出力色空間の出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う、キャリブレーション用色変換テーブル生成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、キャリブレーションの対象出力デバイスの出力色を基準出力デバイスの出力色に近付ける技術に関する。
インクジェットプリンターをオフセット印刷等といった印刷の校正用途に使う仕組みとして、ICC(International Color Consortium)プロファイルを用いたカラーマネジメントシステムがある。ICCプロファイルは、印刷機(例えばオフセット印刷機)、インクジェットプリンター、等といったカラー機器の機器依存カラーと機器非依存カラーとの対応関係を表すデータである。印刷機やインクジェットプリンターの機器依存カラーは、機器従属色空間(device dependent color space)の座標値で表され、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及び、K(ブラック)の使用量を表すCMYK値で表される。機器非依存カラーは、例えば、機器独立色空間(device independent color space)であるCIE(国際照明委員会)L***色空間の色彩値(「*」を省略してLab値とする。)やCIE XYZ色空間の色彩値で表される。
ここで、印刷機のICCプロファイルを入力プロファイルとし、インクジェットプリンターのICCプロファイルを出力プロファイルとする。印刷機におけるCMYK値を入力プロファイルに従ってPCS(Profile Connection Space;プロファイル接続空間)の色彩値(例えばLab値)に変換すると、この色彩値を出力プロファイルに従ってインクジェットプリンターのCMYK値(cmyk値とする。)に変換することができる。cmyk値に従ってインクジェットプリンターで印刷を行うと、インクジェットプリンターで印刷機の色に近い色を再現することができる。実際には、インクジェットプリンターの個体によって再現色に違いが生じ、時間経過により再現色が違ってくることもある。この場合、使用する個体の出力色を基準の個体の出力色を極力合わせるというキャリブレーションを行うことが考えられる。
尚、特許文献1には、混色の色味を補正する画像処理装置が開示されている。この画像処理装置は、CMY(シアン、マゼンタ、及び、イエロー)をLabに変換する第1の3次元色変換テーブルと、LabをCMYに変換する第2の3次元色変換テーブルとを用意し、まず、カラーチャートの測色値と基準値とから第2の3次元色変換テーブルを補正している。次に、画像処理装置は、第1の3次元色変換テーブルと、補正された第2の3次元色変換テーブルと、を結合し、CMYの等量をK値に置き換えて、デバイスリンクプロファイルを作成している。
特開2011−254350号公報
LabをCMYに変換する第2の3次元色変換テーブルは、機器独立色空間の色彩値をプリンターに依存する機器従属色空間の座標値に変換するため、ガマットマッピングが行われた対応関係を有している。このため、第2の3次元色変換テーブルを補正した場合にガマットマッピングの影響が出てしまい、その分、色再現精度に影響してしまう。特に、高彩度の色は、色再現精度や階調性が低下し易い。
尚、上述のような問題は、インクジェットプリンターを対象としたキャリブレーションに限らず、種々のカラー機器を対象としたキャリブレーションにも存在する。
本発明は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させることが可能な技術を開示するものである。
本発明は、基準出力デバイスの特性を含むプロファイルに従って得られる出力色空間の出力座標値から対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける補正値に変換するキャリブレーション用色変換テーブルを生成する処理をコンピューターにより行う、キャリブレーション用色変換テーブル生成方法であって、
調整により前記キャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意する元テーブル用意工程と、
プロファイル接続空間の座標を基準として前記基準出力デバイスの出力色に対する前記対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得する差異データ取得工程と、
前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を前記出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う調整工程と、を含む、態様を有する。
また、本発明は、上述したキャリブレーション用色変換テーブル生成方法の各工程に対応する機能をコンピューターに実現させるキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムの態様を有する。
さらに、本発明は、上述したキャリブレーション用色変換テーブル生成方法の各工程に対応するユニット(「部」)を含むキャリブレーション用色変換テーブル生成装置の態様を有する。
さらに、本発明は、上述したキャリブレーション用色変換テーブル生成方法の各工程に対応するユニット(「部」)を含むキャリブレーション用色変換テーブル生成システムの態様を有する。
カラーマネジメントシステムを利用したキャリブレーションの概要を模式的に例示する図。 キャリブレーション用色変換テーブル生成システムの構成例を模式的に示すブロック図。 各種プロファイルの関係の例を模式的に示す図。 プロファイルの構造例を模式的に示す図。 キャリブレーション用色変換テーブルの構造例を模式的に示す図。 元テーブルの構造例を模式的に示す図。 参照テーブルの構造例を模式的に示す図。 キャリブレーション用デバイスリンクプロファイル生成処理の例を示すフローチャート。 差異データの構造例を模式的に示す図。 最適化処理の例を模式的に示す図。 最適化処理の例を示すフローチャート。 調整カラー値の初期値を変える例を模式的に示す図。 元テーブルの別の構造例を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1〜13に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。
また、本願において、数値範囲「Min〜Max」は、最小値Min以上、且つ、最大値Max以下を意味する。
[態様1]
図1,8等に例示するように、本技術の一態様に係るキャリブレーション用色変換テーブル生成方法は、元テーブル用意工程ST1、差異データ取得工程ST5、及び、調整工程ST6を含み、キャリブレーション用色変換テーブル(例えばデバイスリンクテーブル701)を生成する処理をコンピューター(例えばホスト装置100)により行う。前記キャリブレーション用色変換テーブル(701)は、基準出力デバイス(例えば基準プリンター200)の特性を含むプロファイル(例えば出力プロファイル620)に従って得られる出力色空間CS5の出力座標値(例えばcmykp0)から対象出力デバイス(例えば対象プリンター201)の出力色を前記基準出力デバイス(200)の出力色に近付ける補正値(例えばcmykp1)に変換する色変換テーブルである。前記元テーブル用意工程ST1では、調整により前記キャリブレーション用色変換テーブル(701)となる元テーブル711を用意する。前記差異データ取得工程ST5では、プロファイル接続空間CS3の座標を基準として前記基準出力デバイス(200)の出力色に対する前記対象出力デバイス(201)の出力色の差(例えばΔLabT-p)を表す差異データ650を取得する。ここで、前記対象出力デバイス(201)と前記基準出力デバイス(200)の一方の特性を前記出力座標値(cmyk値)から前記プロファイル接続空間CS3の機器独立座標値(例えばLab値)に変換する対応関係として表す色変換テーブルを参照テーブル(例えばA2Bテーブル641)とする。前記調整工程ST6では、前記差異データ650、及び、前記参照テーブル(641)に基づいて、前記元テーブル711に対して前記対象出力デバイス(201)の出力色を前記基準出力デバイス(200)の出力色に近付ける調整を行う。
キャリブレーション用色変換テーブル(701)を得るための参照テーブル(641)は、対象出力デバイス(201)又は基準出力デバイス(200)の特性を出力座標値(cmyk値)からプロファイル接続空間CS3の機器独立座標値(Lab値)に変換する対応関係として表している。この参照テーブル(641)と差異データ650とに基づいてキャリブレーション用色変換テーブル(701)が生成されるので、機器独立色空間の座標値を機器従属色空間の座標値に変換する色変換テーブル(例えばB2Aテーブル621)のようにガマットマッピングの影響を受ける色変換テーブルを使用する必要が無い。このように、本態様は、ガマットマッピングの影響を受ける色変換テーブルを使用しなくても、キャリブレーションの対象出力デバイス(201)の出力色が基準出力デバイス(200)の出力色に近付く。従って、本態様は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させるキャリブレーション用色変換テーブル生成方法を提供することができる。
ここで、プロファイル接続空間には、CIE Lab色空間、CIE XYZ色空間、等といった色空間が含まれる。
出力色空間には、CMYK色空間、CMY色空間、RGB色空間、等が含まれる。尚、Rは赤を意味し、Gは緑を意味し、Bは青を意味する。
尚、上述した付言は、以下の態様においても適用される。
[態様2]
図8,10等に例示するように、前記調整工程ST6は、前記元テーブル711の出力値である調整対象カラー値(例えばcmykp)を前記参照テーブル(例えばA2Bテーブル641)に従って前記機器独立座標値である調整対象PCS値(例えばLabS2)に変換する変換工程ST11を含んでもよい。ここで、前記差異データ650で表される差(例えばΔLabT-p)を前記調整対象PCS値(LabS2)に加えた値を目標PCS値(例えばLabST)とし、前記調整対象カラー値(cmykp)に加える値を調整カラー値(例えばΔcmyk)とする。前記調整工程ST6は、前記調整対象カラー値(cmykp)に前記調整カラー値(Δcmyk)を加えた暫定カラー値(例えばcmykpp)を前記参照テーブル(641)に従って変換して得られる暫定PCS値(例えばLabS3)を前記目標PCS値(LabST)に近付ける要素を含む最適化処理により前記調整カラー値(Δcmyk)の最適解(例えばΔcmykb)を得てもよい。さらに、前記調整工程ST6は、前記調整カラー値(Δcmyk)の最適解(Δcmykb)に基づいて前記元テーブル711の出力値(例えばc1i,m1i,y1i,k1i)を調整するテーブル調整工程ST13を含んでもよい。
調整対象カラー値(cmykp)は、対象出力デバイス(例えば対象プリンター201)の出力色を表現している。この調整対象カラー値(cmykp)から参照テーブル(641)に従って得られる調整対象PCS値(LabS2)は、対象出力デバイス(201)の出力色を表現する機器独立座標値である。差異データ650で表される差(ΔLabT-p)を調整対象PCS値(LabS2)に加えた値が目標PCS値(LabST)である。本態様では、暫定PCS値(LabS3)を目標PCS値(LabST)に近付ける要素を含む最適化処理による調整カラー値(Δcmyk)の最適解(Δcmykb)に基づいて元テーブル711の出力値(c1i,m1i,y1i,k1i)が調整される。これにより、対象出力デバイス(201)の出力色が基準出力デバイス(200)の出力色に近付く。
従って、本態様は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度をさらに向上させる技術を提供することができる。
ここで、最適化処理には、準ニュートン法(Quasi-Newton Method)による最適化処理、ニュートン法による最適化処理、共役勾配法(Conjugate Gradient Method)による最適化処理、等を用いることができる。
最適化処理により最適解を得ることには、複数の最適化処理を行って得られる複数の解の中から最適解を決定すること、及び、1回の最適化処理により最適解を得ることが含まれる。
尚、上記態様2の付言は、以下の態様においても適用される。
[態様3]
図6に例示するように、前記元テーブル711における出力値(例えばc1i,m1i,y1i,k1i)は、前記元テーブル711における入力値(例えばc0i,m0i,y0i,k0i)と同じでもよい。この態様は、元テーブル711に色変換特性の偏りが無いので、キャリブレーション用色変換テーブルを生成する好適な技術を提供することができる。
[態様4]
また、図13に例示するように、前記元テーブル711における出力値(例えばc1i,m1i,y1i,k1i)に、前記元テーブル711における入力値(例えばc0i,m0i,y0i,k0i)と異なる出力値が含まれてもよい。この態様は、元テーブル711に色変換特性を付与することができるので、キャリブレーション用色変換テーブルを生成する好適な技術を提供することができる。
[態様5]
図5に例示するように、前記キャリブレーション用色変換テーブル(例えばデバイスリンクテーブル701)における入力値(例えばc0i,m0i,y0i,k0i)及び出力値(例えばc1i,m1i,y1i,k1i)は、ブラックを含む4成分を有してもよい。
キャリブレーションに基づいて作成又は調整された出力プロファイルを入力プロファイルと組み合わせてデバイスリンクテーブルを生成する場合、プロファイル接続空間は3次元であるため、入力色空間が4次元以上であっても3次元に圧縮されたデータに基づいてデバイスリンクテーブルが生成される。これにより色変換精度が低下し、純色保持や墨保持には不利となる。ここで、純色保持は純色を表す入力値が純色を表す出力値に変換されることを意味し、墨保持はブラックを表す入力値がブラックを表す出力値に変換されることを意味する。
上記態様5は、キャリブレーション用色変換テーブル(701)における入力値(c0i,m0i,y0i,k0i)及び出力値(c1i,m1i,y1i,k1i)がブラックを含む4成分を有しているので、上述した3次元へのデータ圧縮が無く、色変換精度が向上し、純色保持や墨保持に有利となる。従って、本態様5は、キャリブレーション用色変換テーブルを生成する好適な技術を提供することができる。
[態様6]
図8に例示するように、前記調整工程ST6では、前記元テーブル711に対してブラックを使用する入力値に対応する出力値をブラックが使用される値にする調整を行ってもよい。この態様は、墨保持に好適であり、ブラックを使用する色がブラックを使用する色に保持されたキャリブレーション用色変換テーブルを生成する技術を提供することができる。
[態様7]
図7,8等に例示するように、本キャリブレーション用色変換テーブル生成方法は、前記出力色空間CS5の座標を基準としたカラーチャートデータ(例えばcj,mj,yj,kj)に基づいて前記対象出力デバイス(例えば対象プリンター201)にパッチPA1を含むカラーチャートCH1を形成させるチャート形成制御工程ST2を含んでもよい。また、本キャリブレーション用色変換テーブル生成方法は、前記プロファイル接続空間CS3を基準として前記パッチPA1の測色値(例えばLabp)を取得する測色値取得工程ST3を含んでもよい。さらに、本キャリブレーション用色変換テーブル生成方法は、前記カラーチャートデータ(cj,mj,yj,kj)と前記測色値(Labp)とに基づいて前記参照テーブル(例えばA2Bテーブル641)を生成する参照テーブル生成工程ST4を含んでもよい。
本態様は、カラーチャートデータと測色値とに基づいて参照テーブル(641)が生成され、この参照テーブル(641)と差異データ650とに基づいてキャリブレーション用色変換テーブル(701)が生成される。従って、本態様は、キャリブレーション用色変換テーブルを生成する好適な技術を提供することができる。
[態様8]
ところで、本技術の一態様に係るキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0は、元テーブル用意工程ST1に対応する元テーブル用意機能FU1、差異データ取得工程ST5に対応する差異データ取得機能FU5、及び、調整工程ST6に対応する調整機能FU6をコンピューター(例えばホスト装置100)に実現させる。本態様は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させるキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムを提供することができる。前記調整機能FU6は、変換工程ST11に対応する変換機能FU11、最適化工程ST12に対応する最適化機能FU12、及び、テーブル調整工程ST13に対応するテーブル調整機能FU13を含んでもよい。本キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0は、チャート形成制御工程ST2に対応するチャート形成制御機能FU2、測色値取得工程ST3に対応する測色値取得機能FU3、及び、参照テーブル生成工程ST4に対応する参照テーブル生成機能FU4をコンピューター(例えばホスト装置100)に実現させてもよい。
[態様9]
また、本技術の一態様に係るキャリブレーション用色変換テーブル生成装置(例えばホスト装置100)は、元テーブル用意工程ST1に対応する元テーブル用意部U1、差異データ取得工程ST5に対応する差異データ取得部U5、及び、調整工程ST6に対応する調整部U6を含む。本態様は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させるキャリブレーション用色変換テーブル生成装置を提供することができる。前記調整部U6は、変換工程ST11に対応する変換部U11、最適化工程ST12に対応する最適化部U12、及び、テーブル調整工程ST13に対応するテーブル調整部U13を含んでもよい。本キャリブレーション用色変換テーブル生成装置(100)は、チャート形成制御工程ST2に対応するチャート形成制御部U2、測色値取得工程ST3に対応する測色値取得部U3、及び、参照テーブル生成工程ST4に対応する参照テーブル生成部U4を含んでもよい。
[態様10]
さらに、本技術の一態様に係るキャリブレーション用色変換テーブル生成システムSY1は、パッチPA1を含むカラーチャートCH1を印刷するための印刷装置(例えば対象プリンター201)、前記パッチPA1を測色する測色装置120、及び、態様9の各部を含む。本態様は、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させるキャリブレーション用色変換テーブル生成システムを提供することができる。前記調整部U6は、変換部U11、最適化部U12、及び、テーブル調整部U13を含んでもよい。本キャリブレーション用色変換テーブル生成システムSY1は、チャート形成制御部U2、測色値取得部U3、及び、参照テーブル生成部U4を含んでもよい。
さらに、本技術は、キャリブレーション用色変換テーブル生成装置の制御方法、キャリブレーション用色変換テーブル生成装置を含む複合システム、該複合システムの制御方法、キャリブレーション用色変換テーブル生成装置の制御プログラム、前記複合システムの制御プログラム、キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムや前記制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等に適用可能である。前述の装置は、分散した複数の部分で構成されてもよい。
(2)プロファイル調整システムを利用したキャリブレーションの概要:
図1は、カラーマネジメントシステムを利用したキャリブレーションの概要を模式的に例示している。詳しくは後述するが、図2は、キャリブレーション用色変換テーブル生成装置を含むキャリブレーション用色変換テーブル生成システムの構成例を模式的に示している。図3は、プロファイル610,620,630の関係を模式的に例示している。
図1に示すカラーマネジメントシステムは、例えば図2に示すホスト装置100に実現されるRIP(Raster Image Processor)400で印刷原稿データD0から印刷色cmykp1(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)を表す出力データに変換してインクジェットプリンター200,201に印刷物を形成させる。印刷原稿データD0は、図示しないターゲット印刷機のCMYKのインク(色材)で目標とする色を再現するためのプロセスカラーCMYKinを表す。ターゲット印刷機には、オフセット印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、等が例示される。プリンター200,201は、基準プリンター200(基準出力デバイスの例)と対象プリンター201(対象出力デバイスの例)を総称している。対象プリンター201のキャリブレーションは、基準プリンター200の出力色である目標色CTを目標にして行われる。
図1に示すRIP400は、入力プロファイル610と出力プロファイル620を有している。入力プロファイル610は、ターゲット印刷機で使用されるインクの色特性を記述したファイルである。出力プロファイル620は、基準プリンター200で使用されるインクの色特性を記述したファイルである。印刷原稿データD0のプロセスカラーCMYKinは、入力プロファイル610のA2Bテーブル611に従ってLab色空間の色LabS1に変換され、出力プロファイル620のB2Aテーブル621に従って印刷色cmykp0に変換される。
図1に示していないが、RIP400は、入力プロファイル610と出力プロファイル620を結合してデバイスリンクプロファイル630を生成することが可能である。以下、デバイスリンクプロファイルをDLPとも記載する。DLP630は、ターゲット印刷機で使用されるインクの色特性と基準プリンター200で使用されるインクの色特性とをリンクさせて記述したファイルである。プロファイル610,620,630には、例えば、ICCプロファイルのデータフォーマットを用いることができる。
プリンター200,201がCMYKの計4色のインクを使用する場合、印刷色cmykp0を表すデータは、そのまま、又は、キャリブレーション用DLP700のデバイスリンクテーブル701(キャリブレーション用色変換テーブルの例)による印刷色cmykp1を表すデータに変換されてプリンター200,201に送信され、印刷に使用される。プリンター200,201が5色以上のインクを使用する場合、印刷色cmykp0,cmykp1を表すデータが色分版テーブル750により5色以上のインク使用量INK0,INK1を表すデータに変換されてプリンター200,201に送信され、印刷に使用される。5色以上のインクの色には、CMYKの他、Cよりも低濃度のLc(ライトシアン)、Mよりも低濃度のLm(ライトマゼンタ)、Yよりも高濃度のDy(ダークイエロー)、Kよりも低濃度のLk(ライトブラック)、等の一部又は全部が例示される。ホスト装置100又はプリンター200,201は、色変換テーブル750に従って印刷色cmykp0,cmykp1を濃色と淡色に分版すると、印刷物に印刷色cmykp0を再現させることができる。例えば、プリンター200,201がC,M,Y,K,Lc,Lmの計6色のインクを使用する場合、cmyk色空間の座標値にC,M,Y,K,Lc,Lmそれぞれのインク使用量を表す階調値が対応付けられた色分版テーブル750を使用すればよい。この色分版テーブル750を参照することにより、cmyk色空間の座標値の補正値(印刷色cmykp1)を対象プリンター201のC,M,Y,K,Lc,Lmそれぞれのインク使用量INK1を表す階調値に変換することができる。
尚、RIP400は、プロセスカラーCMYKin以外にも、減法混色となる三原色CMYのみの色材の使用量を表すプロセスカラー(CMYinとする。)、加法混色となる三原色R(赤)、G(緑)、及び、B(青)の強度を表すプロセスカラー(RGBinとする。)、等とLab色空間の座標値とを変換するための入力プロファイルも有している。従って、RIP400は、プロセスカラーCMYinやプロセスカラーRGBin等も印刷色cmykp0に変換可能である。
以上により、インクジェットプリンター200,201でターゲット印刷機の色に近い色を再現することができる。しかし、実際には、プリンター200,201間で再現色に違いが生じ、時間経過により対象プリンター201の再現色が違ってくることもある。この場合、対象プリンター201の出力色を基準プリンター200の出力色に極力合わせるというキャリブレーションを行うことが考えられる。
キャリブレーションとしては、基準プリンター200で印刷されたカラーチャートCH0の各パッチPA0の測色値LabTと、対象プリンター201で印刷されたカラーチャートCH1の各パッチPA1の測色値Labpと、を用いて出力プロファイル620を作成又は調整することが考えられる。また、作成又は調整された出力プロファイル620と入力プロファイル610とを結合してDLP630を生成して使用することも考えられる。しかし、出力プロファイル620のうちRIP400で使用されるB2Aテーブル621は、機器独立色空間の座標値を機器従属色空間の座標値に変換するため、ガマットマッピングが行われた対応関係を有している。このため、プロセスカラーを印刷色に変換する時にガマットマッピングの影響が出てしまい、その分、色再現精度が低下してしまう。特に、高彩度の色は、色再現精度や階調性が低下し易い。
本具体例では、出力プロファイル620を作成又は調整するのではなく、基準プリンター200に合わせられた印刷色cmykp0を対象プリンター201に合わせた印刷色cmykp1に変換するキャリブレーション用DLP700を用意している。これにより、ガマットマッピングの影響が抑制され、高精度のキャリブレーションが実現される。印刷色が4色である場合、キャリブレーション用DLP700のデバイスリンクテーブル701は、4次元の色変換テーブルが好ましい。
デバイスリンクテーブル701は、差異データ650とA2Bテーブル641に基づいて元テーブル711を調整することにより得られる。この元テーブル711には、例えば、入力値と出力値とが同じ色変換テーブルを用いることができる。ここで、差異データ650は、出力色の差ΔLabT-p=LabT−Labpを表すデータである。A2Bテーブル641は、対象プリンター201又は基準プリンター200の特性を表す色変換テーブルであり、cmyk色空間の機器従属座標値をLab色空間の機器独立座標値に変換する対応関係が表されている。プリンターは時間経過とともに出力色が変わる可能性があるため、A2Bテーブル641は対象プリンター201の特性を表す色変換テーブルが好ましい。印刷色が4色である場合、A2Bテーブル641は、4次元の色変換テーブルが好ましい。
(3)キャリブレーション用色変換テーブル生成システムの構成の具体例:
図2に示すキャリブレーション用色変換テーブル生成システムSY1は、ホスト装置100(キャリブレーション用色変換テーブル生成装置の例)、表示装置130、測色装置120、及び、インクジェットプリンター200,201を含んでいる。尚、基準プリンター200で印刷されたカラーチャートCH0のパッチPA0の測色値LabTがあれば、ホスト装置100に基準プリンター200が接続されなくてもよい。ホスト装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、記憶装置114、入力装置115、通信I/F(インターフェイス)118、測色装置用I/F 119、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。尚、ROM112とRAM113と記憶装置114はメモリーであり、少なくともROM112とRAM113は半導体メモリーである。表示装置130には、液晶表示パネル等を用いることができる。
記憶装置114は、図示しないOS(オペレーティングシステム)、キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0、プロファイル500、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701の元テーブル711、色分版テーブル750、等を記憶している。これらは、適宜、RAM113に読み出され、キャリブレーション用DLP700の調整処理、キャリブレーション用DLP700を用いた印刷制御処理、等に使用される。ここで、図2に示すプロファイル500は、入力プロファイル610、出力プロファイル620、及び、DLP630を総称している。記憶装置114には、フラッシュメモリー等の不揮発性半導体メモリー、ハードディスク等の磁気記憶装置、等を用いることができる。
入力装置115には、ポインティングデバイス、キーボードを含むハードキー、表示パネルの表面に貼り付けられたタッチパネル、等を用いることができる。通信I/F 118は、プリンター200,201の通信I/F 210に接続され、プリンター200,201に対して印刷データ等といった情報を入出力する。測色装置用I/F 119は、測色装置120に接続され、測色装置120から測色値を含む測色データを入手する。I/F 118,119,210の規格には、USB(Universal Serial Bus)、近距離無線通信規格、等を用いることができる。通信I/F 118,119,210の通信は、有線でもよいし、無線でもよく、LAN(Local Area Network)やインターネット等といったネットワーク通信でもよい。
測色装置120は、カラーチャートが形成される媒体の例である被印刷物(print substrate)に形成された各カラーパッチを測色して測色値を出力可能である。パッチは、色票とも呼ばれる。測色値は、例えば、CIE Lab色空間における明度L及び色度座標a,bを表す値とされる。ホスト装置100は、測色装置120から測色データを取得して各種処理を行う。
図2に示すキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0は、元テーブル用意機能FU1、チャート形成制御機能FU2、測色値取得機能FU3、参照テーブル生成機能FU4、差異データ取得機能FU5、及び、調整機能FU6をホスト装置100に実現させる。調整機能FU6は、変換機能FU11、最適化機能FU12、及び、テーブル調整機能FU13を含んでいる。
ホスト装置100のCPU111は、記憶装置114に記憶されている情報を適宜、RAM113に読み出し、読み出したプログラムを実行することにより各種処理を行う。CPU111は、RAM113に読み出されたキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0を実行することにより、上述した機能FU1〜FU6に対応する処理を行う。キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0は、コンピューターであるホスト装置100を、元テーブル用意部U1、チャート形成制御部U2、測色値取得部U3、参照テーブル生成部U4、差異データ取得部U5、及び、調整部U6として機能させる。調整部U6は、変換部U11、最適化部U12、及び、テーブル調整部U13を含んでいる。また、キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0を実行するホスト装置100は、元テーブル用意工程ST1、チャート形成制御工程ST2、測色値取得工程ST3、参照テーブル生成工程ST4、差異データ取得工程ST5、及び、調整工程ST6を実施する。調整工程ST6は、変換工程ST11、最適化工程ST12、及び、テーブル調整工程ST13を含んでいる。上述した機能FU1〜FU6をコンピューターに実現させるキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムPR0を記憶したコンピューター読み取り可能な媒体は、ホスト装置の内部の記憶装置に限定されず、ホスト装置の外部の記録媒体でもよい。
尚、ホスト装置100には、パーソナルコンピューター(タブレット型端末を含む。)といったコンピューター等が含まれる。例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューターの本体をホスト装置100に適用する場合、通常、この本体に表示装置130、測色装置120、及び、プリンター200,201が接続される。ノート型パーソナルコンピューターのように表示装置一体型のコンピューターをホスト装置100に適用する場合、通常、このコンピューターに測色装置120、及び、プリンター200,201が接続される。表示装置一体型のホスト装置でも、内部の表示装置に表示データを出力していることに変わりない。また、ホスト装置100は、一つの筐体内に全構成要素111〜119を有してもよいが、互いに通信可能に分割された複数の装置で構成されてもよい。さらに、表示装置130と測色装置120とプリンター200,201の少なくとも一部がホスト装置100にあっても、本技術を実施可能である。
図2に示すプリンター200,201(出力デバイスの例)は、少なくとも、C(シアン)インク、M(マゼンタ)インク、Y(イエロー)インク、及び、K(ブラック)インクを記録ヘッド220から吐出(噴射)して印刷データに対応する出力画像IM0を形成するインクジェットプリンターであるものとする。記録ヘッド220は、インクカートリッジCc,Cm,Cy,CkからそれぞれCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)のインクが供給され、ノズルNc,Nm,Ny,NkからそれぞれCMYKのインク滴280を吐出する。インク滴280が被印刷物ME1に着弾すると、インクドットが被印刷物ME1に形成される。その結果、被印刷物ME1上に出力画像IM0を有する印刷物が得られる。
(4)プロファイルの具体例:
図3は、プロファイル610,620,630の関係を模式的に例示している。
図3に示すように、入力プロファイル610は、ターゲット印刷機の使用インクに合わせたCMYK色空間(第一機器従属色空間CS1の例)のCMYK値(Ci,Mi,Yi,Ki)と、Lab色空間(プロファイル接続空間CS3の例)のLab値(Li,ai,bi)と、の対応関係を規定したデータである。この場合のA2Bテーブル611の格子点GD1は、通常、CMYK色空間にC軸方向、M軸方向、Y軸方向、及び、K軸方向へ略等間隔となるように並べられる。尚、ここでの変数iは、CMYK色空間に設定された格子点GD1を識別する変数である。Lab値は、機器独立座標値の例である。入力プロファイル610において、CMYK色空間は入力色空間CS4の例であり、Lab色空間は出力色空間CS5の例である。
出力プロファイル620は、Lab色空間(CS3)のLab値(Lj,aj,bj)と、基準プリンター200の使用インクに合わせたcmyk色空間(第二機器従属色空間CS2の例)のcmyk値(cj,mj,yj,kj)と、の対応関係を規定したデータである。この場合のB2Aテーブル621の格子点GD2は、通常、Lab色空間にL軸方向、a軸方向、及び、b軸方向へ略等間隔となるように並べられる。尚、ここでの変数jは、Lab色空間に設定された格子点GD2を識別する変数である。「cmyk色空間」と表現しているのは、基準プリンター200の使用インクに合わせた色空間をターゲット印刷機に合わせた色空間と区別するためである。出力プロファイル620において、Lab色空間は入力色空間CS4の例であり、cmyk色空間は出力色空間CS5の例である。cmyk値で表される出力色(cmykp)の色再現域は、基準プリンター200に依存する。従って、B2Aテーブル621のLab値(Lj,aj,bj)が基準プリンター200の色再現域外を表す値であっても、基準プリンター200の色再現域にマッピングすることにより得られたcmyk値(cj,mj,yj,kj)がLab値(Lj,aj,bj)に対応付けられている。
DLP630は、CMYK色空間(CS1)のCMYK値(Ci,Mi,Yi,Ki)と、cmyk色空間(CS2)のcmyk値(ci,mi,yi,ki)と、の対応関係を規定したデータである。この場合のデバイスリンクテーブル631の格子点GD1は、入力プロファイル610のA2Bテーブル611の格子点である。尚、ここでの変数iは、CMYK色空間に設定された格子点GD1を識別する変数である。DLP630は、入力プロファイル610と出力プロファイル620とを結合することにより得られる。DLP630において、CMYK色空間は入力色空間CS4の例であり、cmyk色空間は出力色空間CS5の例である。
尚、プロファイル610,620,630に含まれる変換テーブルは、単一の変換テーブルに限定されず、1次元の変換テーブルと3又は4次元の変換テーブルと1次元の変換テーブルとの組合せ等、複数の変換テーブルの組合せでもよい。従って、図3に示す変換テーブルは、プロファイル610,620,630に含まれる3又は4次元の変換テーブルを直接示す場合もあれば、プロファイル610,620,630に含まれる複数の変換テーブルを組み合わせた状態を示す場合もある。
また、格子点(grid point)は入力色空間に配置された仮想の点を意味し、入力色空間における格子点の位置に対応する出力座標値が該格子点に格納されていると想定することにしている。複数の格子点が入力色空間内で均等に配置されるのみならず、複数の格子点が入力色空間内で不均等に配置されることも、本技術に含まれる。
図4は、プロファイル500の構造を模式的に例示している。図4に示すプロファイル500は、ICCプロファイルであり、プロファイルヘッダー510とタグテーブル520を含む。プロファイル500には、PCSと機器従属色空間との間でカラー情報を変換するために必要な情報であるタグ(tag)521が含まれている。タグ521には、プロファイル500をカスタマイズするためのプライベートタグ523が含まれてもよい。
プロファイル500が入力プロファイル610又は出力プロファイル620である場合、デバイス用のA2Bxタグ(図4に示すxは0、1、又は、2)は、エレメントデータ530として、機器従属色空間(CMYK色空間、cmyk色空間)からLab色空間に変換するための色変換テーブルを含んでいる。デバイス用のB2Axタグは、エレメントデータ530として、Lab色空間から機器従属色空間(CMYK色空間、cmyk色空間)に変換するための色変換テーブルを含んでいる。
図4に示すA2B0タグ、及び、B2A0タグは、知覚的(Perceptual)な色変換を行うための情報である。知覚的な色変換は、階調再現を重視しているので、主に、色域の広い写真画像の変換に用いられる。図4に示すA2B1タグ、及び、B2A1タグは、相対的で測色的(Media-Relative Colorimetric)な色変換、又は、絶対的で測色的(Absolute Colorimetric)な色変換を行うための情報である。測色的な色変換は、測色値に忠実であるので、主に、正確な色の一致が求められるデジタルプルーフの色校正出力用の変換に用いられる。図4に示すA2B2タグ、及び、B2A2タグは、彩度重視(Saturation)の色変換を行うための情報である。彩度重視の色変換は、色味の正確さよりも色の鮮やかさ重視しているので、主に、ビジネスグラッフィクスでのグラフ表示等の変換に用いられる。
プロファイル500がDLP630である場合、エレメントデータ530として、第一機器従属色空間CS1であるCMYK色空間から第二機器従属色空間CS2であるcmyk色空間に変換するためのデバイスリンクテーブル631を含んでいる。このデバイスリンクテーブル631は、A2B0タグに対応する箇所に格納されている。
本具体例では、DLPのフォーマットを利用してデバイスリンクテーブル701を含むキャリブレーション用DLP700(図1参照)を用意し、デバイスリンクテーブル701により対象プリンター201の出力色を基準プリンター200の出力色に近付けることにしている。キャリブレーション用DLP700において、デバイスリンクテーブル701は、A2B0タグに対応する箇所に格納されている。
図5は、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701の構造を模式的に例示している。図5の下部には、cmyk色空間(CS2)における格子点GD3の位置を模式的に例示している。図5において、入力値c0,m0,y0,k0は、それぞれ、c成分、m成分、y成分、及び、k成分を示している。出力値c1,m1,y1,k1は、それぞれ、c成分、m成分、y成分、及び、k成分を示している。すなわち、デバイスリンクテーブル701における入力値及び出力値は、ブラックを含む4成分を有している。
cmyk色空間は4次元の色空間であるため、図5ではc軸とm軸とy軸とで形成される3次元の仮想空間を示している。デバイスリンクテーブル701の格子点GD3は、通常、cmyk色空間にc軸方向、m軸方向、y軸方向、及び、k軸方向へ略等間隔となるように並べられる。尚、ここでの変数iは、cmyk色空間(CS2)に設定された格子点GD3を識別する変数である。図5の下部において、c軸方向における格子点GD3の間隔をGcと示し、m軸方向における格子点GD3の間隔をGmと示し、y軸方向における格子点GD3の間隔をGyと示している。デバイスリンクテーブル701の入力値c0i,m0i,y0i,k0iは、基準プリンター200の出力色を表現する座標値である。デバイスリンクテーブル701の出力値c1i,m1i,y1i,k1iは、対象プリンター201の出力色を表現する座標値である。尚、ここでの変数iは、cmyk色空間に設定された格子点GD3を識別する変数である。
むろん、図5に示すデバイスリンクテーブル701は、キャリブレーション用DLP700に含まれる4次元の変換テーブルを直接示す場合もあれば、キャリブレーション用DLP700に含まれる複数の変換テーブルを組み合わせた状態を示す場合もある。
本具体例では、プロファイル610,620,630を調整するカラーマネジメントシステムを利用してデバイスリンクテーブル701の元テーブル711を含むキャリブレーション用DLP700を調整することにしている。本具体例の元テーブル711には、出力値が入力値と同じである4次元の色変換テーブルを用いている。
図6は、元テーブル711の構造を模式的に例示している。図6に示す元テーブル711において、出力値c1i,m1i,y1i,k1iには入力値c0i,m0i,y0i,k0iが格納されている。従って、元テーブル711を参照してcmyk値を変換する処理を行っても、元のcmyk値が得られる。このように、元テーブル711に色変換特性の偏りが無いので、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701を生成するのに好適である。
また、本具体例では、キャリブレーションのために、出力プロファイル620のB2Aテーブル621を使用するのではなく、対象プリンター201又は基準プリンター200の特性のA2Bテーブル641を使用する。これは、以下の理由による。
(理由1)出力プロファイル620のB2Aテーブル621は、機器独立色空間のLab値をプリンターに依存するcmyk色空間の座標値に変換するため、ガマットマッピングが行われた対応関係を有する。このため、B2Aテーブル621を作成又は調整すると、ガマットマッピングの影響が出てしまい、その分、色再現精度に影響してしまう。特に、高彩度の色は、色再現精度や階調性が低下し易い。一方、A2Bテーブル641は、対象プリンター201又は基準プリンター200に依存するcmyk色空間の座標値を機器独立色空間のLab値に変換するため、ガマットマッピングが行われていない。このため、得られるデバイスリンクテーブル701にガマットマッピングの影響が出ず、対象プリンター201の色再現精度が向上する。
(理由2)出力プロファイル620のB2Aテーブル621は、3次元の色変換テーブルである。キャリブレーション用にB2Aテーブル621を作成又は調整する場合、4次元のデータが3次元のデータに圧縮される。これにより、墨保持の情報を残すことができない。また、色変換精度が低下するので、純色保持や墨保持には不利となる。特に、A2Bテーブル611とB2Aテーブル621を組み合わせてDLP630を生成する場合、4次元から3次元に圧縮されたデータに基づいてDLP630が生成されるので、色変換精度が低下し、純色保持や墨保持には不利となる。一方、A2Bテーブル641は対象プリンター201又は基準プリンター200の特性が4次元のまま表されているので、墨保持の情報を容易に残すことができ、対象プリンター201の色再現精度が向上し、純色保持や墨保持に有利となる。
図7は、A2Bテーブル641の構造を模式的に例示している。図7に示すように、A2Bテーブル641は、対象プリンター201又は基準プリンター200の使用インクに合わせたcmyk色空間(CS2)のcmyk値cj,mj,yj,kjと、Lab色空間(CS3)のLab値Lj,aj,bjと、の対応関係を規定した4次元の色変換テーブルである。この場合のA2Bテーブル641の格子点GD4は、通常、cmyk色空間にc軸方向、m軸方向、y軸方向、及び、k軸方向へ略等間隔となるように並べられる。尚、ここでの変数jは、cmyk色空間に設定された格子点GD4を識別する変数である。
本具体例では、元テーブル711をA2B0タグに格納したキャリブレーション用DLP700を用意し、このキャリブレーション用DLP700のプライベートタグにA2Bテーブル641を格納することにしている。このA2Bテーブル641を有するキャリブレーション用DLP700をカラーマネジメントシステムに渡すことにより、カラーマネジメントシステムが元テーブル711からキャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701を生成する。
(5)キャリブレーション用色変換テーブル生成システムで行われる処理の具体例:
図8は、図2に示すホスト装置100で行われるキャリブレーション用DLP生成処理を例示している。尚、ホスト装置100は、マルチタスクにより複数の処理を並列して実行している。ここで、ステップS102は、元テーブル用意工程ST1、元テーブル用意機能FU1、及び、元テーブル用意部U1に対応している。ステップS108は、チャート形成制御工程ST2、チャート形成制御機能FU2、及び、チャート形成制御部U2に対応している。ステップS110は、測色値取得工程ST3、測色値取得機能FU3、及び、測色値取得部U3に対応している。ステップS112は、参照テーブル生成工程ST4、参照テーブル生成機能FU4、及び、参照テーブル生成部U4に対応している。ステップS114は、差異データ取得工程ST5、差異データ取得機能FU5、及び、差異データ取得部U5に対応している。ステップS116〜S122は、調整工程ST6、調整機能FU6、及び、調整部U6に対応している。ステップS116は、変換工程ST11、変換機能FU11、及び、変換部U11に対応している。ステップS118は、最適化工程ST12、最適化機能FU12、及び、最適化部U12に対応している。ステップS120は、テーブル調整工程ST13、テーブル調整機能FU13、及び、テーブル調整部U13に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
尚、本実施形態に示す処理は、一部を削除したり順番を入れ替えたりする等、適宜、変更可能である。図8に示す処理の場合、例えば、基準プリンター200で印刷されたカラーチャートCH0の各パッチPA0の測色値LabTが既にある場合、S104の処理を行わずに各パッチPA0の測色値LabTを取得することができる。また、墨保持を行わない場合には、S122の処理を省略してもよい。さらに、元テーブル711を用意するS102の処理は、S104〜S114のいずれの処理の後において行うことが可能である。
キャリブレーション用DLP生成処理が開始されると、ホスト装置100は、調整によりキャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701となる元テーブル711を用意する(S102)。元テーブル711には、図6で示したように出力値c1i,m1i,y1i,k1iが入力値c0i,m0i,y0i,k0iと同じ色変換テーブルを用いることができる。
元テーブル711の用意後、ホスト装置100は、基準プリンター200が接続されている状態において、図1で示したカラーチャートCH0を基準プリンター200に印刷させる(S104)。このS104の処理は、例えば、カラーチャートCH0,CH1を形成するためA2Bテーブル641(図7参照)の入力値cj,mj,yj,kjで表されたデータを色分版テーブル750に従ってインク使用量INK0に変換して基準プリンター200にインク使用量INK0を渡す処理とすることができる。カラーチャートCH0,CH1を形成するための入力値cj,mj,yj,kjで表されたデータは、出力プロファイル620の出力色空間CS5の座標を基準としたカラーチャートデータの例である。基準プリンター200は、受け取ったインク使用量INK0でインクを吐出することにより複数のパッチPA0を含むカラーチャートCH0を被印刷物に形成する。各パッチPA0は、本具体例では図7で示したA2Bテーブル641の格子点GD4の色に対応するものとするが、格子点GD4の色とは異なるものでもよい。
カラーチャートCH0の印刷後、ホスト装置100は、図2で示した測色装置120にカラーチャートCH0の各パッチPA0を測色させ、測色装置120から各パッチPA0の測色値LabTを取得する(S106)。測色値LabTは、プロファイル接続空間CS3を基準としたパッチPA0の測色値である。
尚、基準プリンター200の特性をcmyk値からLab値に変換する対応関係として表すA2Bテーブルがある場合、パッチPA0を毎回測色しなくても、前述のA2Bテーブルを参照して測色値LabTを計算することができる。従って、このように測色値LabTを計算する処理をS104〜S106の処理の代わりに行ってもよい。
測色値LabTの取得後、ホスト装置100は、対象プリンター201が接続されている状態において、図1で示したカラーチャートCH1を対象プリンター201に印刷させる(S108)。このS108の処理は、例えば、上述したカラーチャートデータを色分版テーブル750に従ってインク使用量INK1に変換して対象プリンター201にインク使用量INK1を渡す処理とすることができる。対象プリンター201は、受け取ったインク使用量INK1でインクを吐出することにより複数のパッチPA1を含むカラーチャートCH1を被印刷物に形成する。各パッチPA1は、本具体例では図7で示したA2Bテーブル641の格子点GD4の色に対応するものとするが、格子点GD4の色とは異なるものでもよい。
カラーチャートCH1の印刷後、ホスト装置100は、図2で示した測色装置120にカラーチャートCH1の各パッチPA1を測色させ、測色装置120から各パッチPA1の測色値Labpを取得する(S110)。測色値Labpは、プロファイル接続空間CS3を基準としたパッチPA1の測色値である。
各パッチPA1の測色値Labpの取得後、ホスト装置100は、カラーチャートデータ(入力値cj,mj,yj,kj)と測色値Labpとに基づいて、図7で示したようなA2Bテーブル641を生成する(S112)。このS112の処理は、例えば、入力値cj,mj,yj,kjに測色値Labpの成分Lj,aj,bjを対応付ける処理とすることができる。これにより、対象プリンター201の特性をcmyk値からLab値に変換する対応関係として表すA2Bテーブル641が生成される。
尚、キャリブレーションの対象プリンター201により形成されたパッチPA1の測色値Labpを用いる方が好ましいものの、基準プリンター200により形成されたパッチPA0の測色値LabTを用いてA2Bテーブル641を生成してもよい。入力値cj,mj,yj,kjに測色値LabTの成分Lj,aj,bjを対応付けると、基準プリンター200の特性をcmyk値からLab値に変換する対応関係として表すA2Bテーブル641が生成される。
A2Bテーブル641の生成後、ホスト装置100は、プロファイル接続空間CS3の座標を基準として基準プリンター200の出力色(測色値LabT)に対する対象プリンター201の出力色(測色値Labp)の差LabT-pを表す差異データ650を取得する(S114)。
図9は、差異データ650の構造を模式的に例示している。差異データ650は、カラーチャートデータ(入力値cj,mj,yj,kj)に出力色の差(ΔLabT-pjの成分(ΔLT-pj,(ΔaT-pj,(ΔbT-pjが対応付けられている。尚、ここでの変数jはパッチPA1を識別する変数であり、本具体例では図7で示したA2Bテーブル641の格子点GD4がパッチPA1に対応するものとする。
差異データ650の取得後、ホスト装置100は、S116〜S122において、差異データ650とA2Bテーブル641に基づいて、元テーブル711に対して対象プリンター201の出力色(Labp)を基準プリンター200の出力色(LabT)に近付ける調整を行う。本具体例では、差異データ650で表される差LabT-pと、対象プリンター201の特性のA2Bテーブル641と、を用い、デバイスリンクテーブル701の出力値を最適化処理により調整することにしている。
図10は、元テーブル711の出力値である調整対象カラー値cmykpに加える調整カラー値Δcmykの最適解Δcmykbを求める最適化処理を模式的に例示している。図11は、図8のS118で行われる最適化処理をフローチャートより例示している。最適解Δcmykbは、各格子点GD4について求められる。以下、図10,11等を参照しながら図8のS116〜S120の処理を説明する。
まず、ホスト装置100は、元テーブル711の出力値である調整対象カラー値cmykpをA2Bテーブル641に従ってLab値である調整対象PCS値LabS2に変換する(S116)。図7に示す例において、調整対象カラー値cmykpがcmyk値cj,mj,yj,kjであれば、調整対象PCS値LabS2はLab値Lj,aj,bjとなる。むろん、調整対象カラー値cmykpが格子点GD4の値に一致しない場合は、補間演算により調整対象PCS値LabS2が求められる。
S116の処理後、ホスト装置100は、図11に示す最適化処理を行う(S118)。この最適化処理は、最適化工程ST12、最適化機能FU12、及び、最適化部U12に対応している。本具体例では、S210の解探索処理に準ニュートン法におけるBFGS法(Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno method)を用いている。むろん、BFGS法以外の準ニュートン法、例えば、DFP法等をS210の解探索処理に用いることも可能である。また、準ニュートン法以外にも、ニュートン法、共役勾配法、等をS210の解探索処理に用いることが可能である。
図11に示す最適化処理が開始されると、ホスト装置100は、差異データ650で表される差ΔLabT-pを調整対象PCS値LabS2に加えて目標PCS値LabSTを算出する(S202)。
LabST=LabS2+ΔLabT-p
次のS204において、ホスト装置100は、対象プリンター201の出力色を基準プリンター200の出力色に近付けるために調整対象カラー値cmykpに加える調整カラー値Δcmykの初期値Δcmykiを設定する。
図12は、調整カラー値Δcmykの初期値Δcmykiを変える様子を模式的に例示している。ここで、cmyk色空間は4次元の色空間であるため、図12ではc軸とm軸とy軸とで形成される3次元の仮想空間を示している。図12中、ハッチングを付した丸印は調整対象カラー値cmykpの位置を示している。
図12に示すように、初期値Δcmykiは複数用意されており、これらの初期値Δcmykiの中から一つずつ設定される。ここでの変数iは、前記初期値を識別する変数である。S210の最適化処理に使用されるA2Bテーブル641は、3次元の出力(Lab値)に対する4次元の入力(cmyk値)が複数存在し得る。このため、4次元の調整カラー値Δcmykを変数とする目的関数y=f(Δcmyk)の極値(極小値又は極大値)が多数存在し得る。そこで、互いに異なる複数の初期値ΔcmykiからS210の解探索処理を行い、得られる最適解候補Δcmykpbに基づいて最適解Δcmykbを得ることにしている。
ここで、初期値Δcmykiの各成分を(Δci,Δmi,Δyi,Δki)で表すことにする。初期値Δcmykiの一つは、(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(0,0,0,0)である。これをΔcmyki=0と表すことにする。本具体例では、Δcmyki=0を中心として、c値を間隔値Scずつ(Sc>0)、m値を間隔値Smずつ(Sm>0)、及び、y値を間隔値Syずつ(Sy>0)ずらした3×3×3=27個の初期値Δcmykiを用意している。最適化処理を高速化させるため、kの初期値Δkは0に固定している。従って、初期値Δcmykiは、以下の通りとなる。
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(+Sc,+Sm,+Sy, 0)
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(+Sc,+Sm, 0, 0)
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(+Sc,+Sm,−Sy, 0)
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(+Sc, 0,+Sy, 0)
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(+Sc, 0, 0, 0)
・・・
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=( 0, 0, 0, 0)
・・・
(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(−Sc,−Sm,−Sy, 0)
むろん、kの初期値Δkも間隔値Skずつ(Sk>0)ずらすことが可能である。また、初期値の数は、8個、81個、等、27個に限定されない。
尚、cmyk色空間(CS2)において第二座標値であるc値、m値、y値、及び、k値のとり得る範囲は、限定されないが、0〜100(0≦c≦100、0≦m≦100、0≦y≦100、及び、0≦k≦100)とすることができる。cmyk色空間(CS2)において、A2Bテーブル641(図5参照)の格子点GD3の座標、及び、初期の暫定カラー値cmykpp=cmykp+Δcmykiの座標が同じ尺度であるとする。初期値Δcmykiの間隔値Sc,Sm,Syは、例えば、格子点GD3の間隔Gc,Gm,Gyの0.5〜2倍程度とすることができる。式で表すと、以下の通りとなる。
0.5×Gc≦Sc≦2×Gc
0.5×Gm≦Sm≦2×Gm
0.5×Gy≦Sy≦2×Gy
kの初期値Δkも複数設定する場合、初期値Δkの間隔値(Skとする。)も、例えば、k軸方向における格子点GD3の間隔(Gkとする。)の0.5〜2倍程度とすることができる。
0.5×Gk≦Sk≦2×Gk
間隔値Sc,Sm,Sy,Skを格子点GD3の間隔Gc,Gm,Gy,Gkの0.5〜2倍程度にすると、最適解Δcmykbを効率よく決定することができる。
初期値Δcmykiの設定後、ホスト装置100は、解探索処理を行う(S210)。この解探索処理では、S212〜S224の処理を繰り返し行う。
まず、S212において、ホスト装置100は、調整対象カラー値cmykpに調整カラー値Δcmykを加えた暫定カラー値cmykppを算出する。
cmykpp=cmykp+Δcmyk
最初にS212の処理を行う場合の調整カラー値Δcmykは、初期値Δcmykiである。
次のS214において、ホスト装置100は、対象プリンター201の特性のA2Bテーブル641に従って暫定カラー値cmykppを暫定PCS値LabS3に変換する。
次のS216において、ホスト装置100は、暫定PCS値LabS3と目標PCS値LabSTとの色差の二乗を算出する。ここで、色差には、CIEDE2000色差式で表される色差ΔE00、CIE1994年色差式で表される色差ΔE* 94、1976年に提案されたCIE L***表色系による色差ΔE* ab(いわゆるΔE* 76)、CIE L***表色系による色差ΔE* uv、等が含まれる。本具体例では、色差にΔE00を用いることにする。
S216の処理において色差の二乗ΔE00 2を用いることにより、色差ΔE00に含まれる平方根の演算が無くなり、解探索処理が高速化される。色差の二乗ΔE00 2は、目的関数y=f(Δcmyk)に含まれる。従って、目的関数y=f(Δcmyk)は、暫定PCS値LabS3を目標PCS値LabST=LabS2+ΔLabT-pに近付ける要素を含むことになる。
尚、解探索処理により多くの時間がかかるものの、色差の二乗ΔE00 2の代わりに色差ΔE00自体を目的関数y=f(Δcmyk)に含めてもよい。また、色差ΔE00の代わりに、色差ΔE* ab、L値の差の絶対値とa値の差の絶対値とb値の差の絶対値の総和、等を用いてもよい。
次のS218において、ホスト装置100は、目的関数y=f(Δcmyk)を計算するため、色差ΔE00とは別に調整カラー値Δcmykをcmyk色空間(CS2)のベクトルで表現した場合の該ベクトルの大きさVの二乗を算出する。調整カラー値Δcmykの各成分を(Δc,Δm,Δy,Δk)で表すと、調整カラー値Δcmykをcmyk色空間(CS2)のベクトルで表現した場合の該ベクトルの大きさVは、以下の式となる。
V={Δc2+Δm2+Δy2+Δk21/2
調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさVが目的関数y=f(Δcmyk)に含まれることにより、調整カラー値ΔcmykのΔc、Δm、Δy、及び、Δkのいずれかの絶対値が突出して大きくなることが抑制される。
目的関数y=f(Δcmyk)に色差の二乗ΔE00 2が含まれるため、調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさVも二乗にして目的関数y=f(Δcmyk)に含めることにしている。
2=Δc2+Δm2+Δy2+Δk2
これにより、ベクトルの大きさVに含まれる平方根の演算が無くなり、解探索処理が高速化される。
尚、解探索処理により多くの時間がかかるものの、調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさの二乗V2の代わりに調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさV自体を目的関数y=f(Δcmyk)に含めてもよい。また、調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさVの代わりに、Δc,Δm,Δy,Δkのそれぞれの絶対値の総和等を用いてもよい。
次のS220において、ホスト装置100は、cmyk値のとり得る範囲0〜100の制約条件に基づくコストCを算出する。暫定カラー値cmykpp=cmykp+Δcmykは、cmyk値のとり得る範囲0〜100の範囲に収まるべきだからである。ここで、暫定カラー値cmykppの各成分を(cpp,mpp,ypp,kpp)で表すことにする。コストCは、例えば、以下の式に従って算出することができる。
pp<0である場合、 C=−cpp×Cco
pp>100である場合、C=(cpp−100)×Cco
pp<0である場合、 C=−mpp×Cco
pp>100である場合、C=(mpp−100)×Cco
pp<0である場合、 C=−ypp×Cco
pp>100である場合、C=(ypp−100)×Cco
pp<0である場合、 C=−kpp×Cco
pp>100である場合、C=(kpp−100)×Cco
上記以外の場合、 C=0
ただし、係数Ccoは正の数であり、cmyk値のとり得る範囲0〜100と比べて十分に大きい数である103≦Cco≦109程度が好ましい。
上記コストCが目的関数y=f(Δcmyk)に含まれると、暫定カラー値cmykppの範囲の制約条件にcmyk値のとり得る範囲0〜100が適用された最適化処理が行われる。
むろん、第二座標値のとり得る範囲が0〜100以外の場合であっても、同様にしてコストCを算出することができる。例えば、第二座標値がRGB値であってとり得る範囲が0〜255であるとし、暫定カラー値RGBppの各成分を(Rpp,Gpp,Bpp)とする。目的関数y=f(ΔRGB)のコストCは、例えば、以下の式に従って算出することができる。
pp<0である場合、 C=−Rpp×Cco
pp>255である場合、C=(Rpp−255)×Cco
pp<0である場合、 C=−Gpp×Cco
pp>255である場合、C=(Gpp−255)×Cco
pp<0である場合、 C=−Bpp×Cco
pp>255である場合、C=(Bpp−255)×Cco
上記以外の場合、 C=0
ここでも、係数Ccoは正の数であり、RGB値のとり得る範囲0〜255と比べて十分に大きい数である103≦Cco≦109程度が好ましい。
また、コストCには、第二座標値のとり得る範囲以外の要素が含まれてもよい。例えば、或る調整カラー値ΔcmykについてS212〜S220の処理を行った場合にエラーが生じる場合、コストCに103〜109程度の値を加算してもよい。
次のS222において、ホスト装置100は、色差の二乗ΔE00 2、調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさの二乗V2、及び、コストCを含む目的関数y=f(Δcmyk)を計算する。目的関数y=f(Δcmyk)は、例えば、以下の式で表される。
y=ΔE00 2+w×V2+C
ただし、係数wは正の数であり、調整カラー値ΔcmykのΔc、Δm、Δy、及び、Δkのいずれかの絶対値が突出して大きくなることを抑制する点で1<w≦10程度が好ましい。
上述したS212〜S222の処理は、目的関数y=f(Δcmyk)を極小値にする解(最適解候補Δcmykpb)が見つかるまで繰り返される(S224)。最初にS224の処理が行われる場合は目的関数y=f(Δcmyk)が極小値であるか否かを判断することができないため、ホスト装置100は、調整カラー値Δcmykを微小量変えたうえ処理をS212に戻す。以後、ホスト装置100は、調整カラー値Δcmykを微小量変えながらS212〜S224の処理を繰り返す。ホスト装置100は、目的関数y=f(Δcmyk)を極小値にする解を見つけると、この解を最適解候補ΔcmykpbとしてS210の解探索処理を終了させる。
ホスト装置100は、調整カラー値Δcmykの初期値Δcmykiを全て設定するまでS204〜S210の処理を繰り返す(S230)。これにより、初期値Δcmyki毎に最適解候補Δcmykpbが求められる。
その後、ホスト装置100は、複数の最適解候補Δcmykpbに基づいて最適解Δcmykbを取得し(S232)、最適化処理を終了させる。S210の解探索処理において、初期値Δcmyki毎に目的関数y=ΔE00 2+w×V2+Cが計算されている。例えば、ホスト装置100は、S232において、初期値Δcmyki毎の目的関数yの値が最も小さくなった場合の最適解候補Δcmykpbを最適解Δcmykbと決定すればよい。
得られる解Δcmykbは、暫定PCS値LabS3を目標PCS値LabST=LabS2+ΔLabT-pに極力近付ける最適解である。最適解Δcmykbを得る際、調整カラー値ΔcmykのΔc、Δm、Δy、及び、Δkのいずれかの絶対値が突出して大きくなることが抑制され、暫定カラー値cmykpp=調整対象カラー値cmykp+調整カラー値Δcmykがcmyk値のとり得る範囲に制約される。このような最適解Δcmykbを用いてデバイスリンクテーブル701を調整することにより、対象プリンター201の色再現精度を向上させることができる。
最適解Δcmykbは、各格子点GD4について求められる。そこで、i番目の格子点GD4についての最適解を(Δcmykbiと表すことにする。
図8のキャリブレーション用DLP生成処理において、S118の最適化処理後、ホスト装置100は、調整カラー値Δcmykの最適解(Δcmykbiに基づいて元テーブル711(図6参照)の出力値c1i,m1i,y1i,k1iを調整する(S120)。例えば、最適解(Δcmykbiの各成分を(Δcbi,(Δmbi,(Δybi,(Δkbiで表すと、以下のように元テーブル711の出力値を調整することができる。
c1i=c0i+(Δcbi
m1i=m0i+(Δmbi
y1i=y0i+(Δybi
k1i=k0i+(Δkbi
得られた出力値c1i,m1i,y1i,k1iは、図5で示したデバイスリンクテーブル701の出力値にすることができる。
また、最適解(Δcmykbiが格子点GD3間で滑らかとなるようにスムージング処理を行い、このスムージング処理によりスムージングされた最適解((Δcmyksbiとする。)に基づいて元テーブル711の出力値を調整してもよい。例えば、格子点GD3毎の最適解(Δcmykbiに対して4次元の3次スプライン関数による補間演算を行うことにより、スムージングされた最適解(Δcmyksbiを決定することができる。最適解(Δcmyksbiの各成分を(Δcsbi,(Δmsbi,(Δysbi,(Δksbiで表すと、デバイスリンクテーブル701の出力値c1i,m1i,y1i,k1iを以下のように設定することができる。
c1i=c0i+(Δcsbi
m1i=m0i+(Δmsbi
y1i=y0i+(Δysbi
k1i=k0i+(Δksbi
むろん、スムージング処理は、スプライン関数を用いることに限定されない。
S120の処理により得られたデバイスリンクテーブル701は、そのままキャリブレーション用DLP700に格納して使用することが可能である。インクドットの粒状感の抑制等のためにK(ブラック)の使用領域を保持する場合、ホスト装置100は、デバイスリンクテーブル701に対してKの使用領域を保持する墨保持処理を行う(S122)。Kの使用領域を保持するとは、元テーブル711のKの入力値k0iの内、k0i>0の入力値に対応する出力値k1iをk1i>0に調整することを意味する。ここで、k0i>0の入力値はブラックを使用する入力値であり、k1i>0の出力値はブラックを使用する出力値である。従って、S122の墨保持処理は、元テーブル711に対してブラックを使用する入力値に対応する出力値をブラックが使用される値にする調整を行う処理である。
また、ホスト装置100は、元テーブル711のKの入力値k0iの内、k0i=0の入力値に対応する出力値k1iをk1i=k0i=0のままにしてもよい。ここで、k0i=0の入力値はブラックを使用しない入力値であり、k1i=0の出力値はブラックを使用しない出力値である。従って、この処理は、元テーブル711に対してブラックを使用しない入力値に対応する出力値をブラックが使用されない値にする処理である。
さらに、ホスト装置100は、S122の処理とともに、又は、S122の処理の代わりに、デバイスリンクテーブル701に対して純色を保持する純色保持処理を行ってもよい。純色を保持するとは、元テーブル711に対して純色を表す入力値に対応する出力値を同じ純色を表す値にする調整を行うことを意味する。例えば、元テーブル711の入力値がシアンの純色である場合、c0i>0、且つ、m0i=y0i=k0i=0である。この場合、c1i>0、且つ、m1i=y1i=k1i=0となるように元テーブル711を調整すればよい。元テーブル711の入力値がマゼンタの純色である場合、m1i>0、且つ、c1i=y1i=k1i=0となるように元テーブル711を調整すればよい。
S122の処理後、ホスト装置100は、得られたデバイスリンクテーブル701をキャリブレーション用DLP700に格納し(S124)、キャリブレーション用DLP生成処理を終了させる。
得られたキャリブレーション用DLP700は、図1で示したように出力プロファイル620と色分版テーブル750との間に配置して使用することができる。この場合、入力プロファイル610と出力プロファイル620に従って印刷原稿データD0からcmyk値(cmykp0)が生成され、デバイスリンクテーブル701に従って前述のcmyk値(cmykp0)から補正値(cmykp1)に変換される。この補正値(cmykp1)が色分版テーブル750に従ってインク使用量INK1を表すデータに変換されて対象プリンター201に送信され、対象プリンター201によりインク使用量INK1に応じた画像が印刷される。例えば、対象プリンター201がC,M,Y,K,Lc,Lmの計6色のインクを使用する場合、cmyk色空間の座標値の補正値(印刷色cmykp1)がC,M,Y,K,Lc,Lmそれぞれのインク使用量INK1を表す階調値に変換されて対象プリンター201に送信され、画像が印刷される。補正値(cmykp1)は、対象プリンター201の出力色を基準プリンター200の出力色に近付ける値となっている。従って、対象プリンター201により色再現精度が高い画像が印刷される。
また、キャリブレーション用DLP700と出力プロファイル620とを結合して使用することも可能である。さらに、キャリブレーション用DLP700と色分版テーブル750とを結合して使用することも可能である。これらの場合も、対象プリンター201により色再現精度が高い画像が印刷される。
以上説明したように、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701となる元テーブル711に対してプリンターの特性のA2Bテーブル641と差異データ650に基づいて調整が行われることにより、デバイスリンクテーブル701が生成される。A2Bテーブル641は、対象プリンター201又は基準プリンター200の特性を4次元のcmyk色空間の座標値から3次元のLab色空間の座標値に変換する対応関係として表している。差異データ650は、基準プリンター200の出力色(LabT)に対する対象プリンター201の出力色(Labp)の差LabT-pを表している。これらA2Bテーブル641と差異データ650に基づいてデバイスリンクテーブル701が生成されるので、ガマットマッピングの影響を受けるB2Aテーブル621をキャリブレーションに使用する必要が無い。従って、キャリブレーションの対象プリンター201の色再現精度が向上する。
また、A2Bテーブル641は対象プリンター201又は基準プリンター200の特性が4次元のまま表されているので、墨保持の情報を容易に残すことができる。そのうえ、4次元の情報が3次元の情報に圧縮されないので、この点でも対象プリンター201の色再現精度が向上し、純色保持や墨保持に有利となる。
(6)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、出力デバイスは、インクジェットプリンターに限定されず、色材としてトナーを使用するレーザープリンターといった電子写真方式のプリンター、3次元プリンター、表示装置、等でもよい。
画像を形成する色材の種類は、C,M,Y,K,Lc,Lmに限定されず、C,M,Y,K,Lc,Lmに加えて、Yよりも高濃度のDy(ダークイエロー)、Or(オレンジ)、Gr(グリーン)、Kよりも低濃度のLk(ライトブラック)、画質向上用の無着色の色材、等を含んでもよい。また、CとLcの一方の色材を使用しない場合、MとLmの一方の色材を使用しない場合、等も本技術を実施可能である。
むろん、第二機器従属色空間は、cmyk色空間に限定されず、CMY色空間、RGB色空間、等でもよい。
ターゲットデバイスは、ターゲット印刷機に限定されず、表示装置等でもよい。
むろん、第一機器従属色空間は、CMYK色空間に限定されず、CMY色空間、RGB色空間、等でもよい。
第二機器従属色空間がCMY色空間等といった3次元の色空間である場合、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブルは3次元の色変換テーブルでもよい。この場合でも、ガマットマッピングの影響を受けるB2Aテーブル621を使用せずに対象プリンター201の出力色を基準プリンター200の出力色に近付けることができるので、対象プリンター201の色再現精度が向上する。
色分版テーブル750は、ホスト装置100で使用されることに限定されず、プリンター200,201で使用されてもよい。この場合、対象プリンター201を制御するホスト装置100は、cmyk色空間の座標値の補正値(cmykp1)を対象プリンター201に送信すればよい。
図11の最適化処理において、S212〜S216の色差の二乗ΔE00 2を算出する処理の少なくとも一部は、S218,S220のいずれの処理の後において行うことが可能である。
また、S220のコストCを算出する処理を行わず、S222の計算処理において目的関数y=ΔE00 2+w×V2を計算してもよい。この場合でも、S232の最適解決定処理において複数の初期値Δcmykiのそれぞれから得られる目的関数yの値が最も小さくなった場合の最適解候補Δcmykpbを最適解Δcmykbに決定すれば、元テーブル711を調整することにより対象プリンター201の色変換精度が向上する。
さらに、S218の調整カラー値Δcmykのベクトルの大きさの二乗V2を算出する処理を行わず、S222の計算処理において目的関数y=ΔE00 2、又は、y=ΔE00 2+Cを計算してもよい。この場合でも、S232の最適解決定処理において複数の初期値Δcmykiのそれぞれから得られる目的関数yの値が最も小さくなった場合の最適解候補Δcmykpbを最適解Δcmykbに決定すれば、元テーブル711を調整することにより対象プリンター201の色変換精度が向上する。
さらに、調整カラー値Δcmykの初期値Δcmykiを(Δci,Δmi,Δyi,Δki)=(0,0,0,0)など一つにしても、調整カラー値Δcmykの最適解Δcmykbが得られる。この最適解Δcmykbを使用して元テーブル711を調整することにより、対象プリンター201の色変換精度が向上する。
元テーブル711は、全ての出力値が入力値と同じである色変換テーブルに限定されず、(c1i,m1i,y1i,k1i)=(c0i,m0i,y0i,k0i)である色変換テーブルから若干変えた色変換テーブルでもよい。
図13は、元テーブル711の別の構造を模式的に例示している。図13に示す元テーブル711において、複数の格子点GD3の内、i+1番目の格子点については出力値が入力値と同じであるものの、i番目の格子点については出力値が入力値と異なっている。従って、元テーブル711において出力値c1i,m1i,y1i,k1iに入力値c0i,m0i,y0i,k0iと異なる出力値が含まれている。尚、図13に示す元テーブル711において、出力値が入力値と異なるとは、c1i≠c0i、m1i≠m0i、y1i≠y0i、及び、k1i≠k0iの少なくとも一つが成立することを意味する。従って、c1i=c0i、m1i=m0i、y1i=y0i、及び、k1i=k0iの一部が成立する場合でも、出力値が入力値と異なる場合がある。
複数の格子点GD3の内、出力値が入力値と異なっている格子点の数の割合は、例えば、0よりも大きく0.5よりも小さい閾値Tr以下とすることができる。
図13に示すような元テーブル711を使用することにより、元テーブル711に色変換特性を付与することができる。従って、キャリブレーション用のデバイスリンクテーブル701に色変換特性の好みを付与したい場合においてデバイスリンクテーブル701を生成するのに好適である。
(7)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、キャリブレーションの対象出力デバイスの色再現精度を向上させる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
100…ホスト装置(キャリブレーション用色変換テーブル生成装置の例)、114…記憶装置、115…入力装置、120…測色装置、130…表示装置、200…基準プリンター(基準出力デバイスの例)、201…対象プリンター(対象出力デバイスの例)、400…RIP、500…プロファイル、610…入力プロファイル、620…出力プロファイル、630…デバイスリンクプロファイル、641…A2Bテーブル(参照テーブルの例)、650…差異データ、700…キャリブレーション用デバイスリンクプロファイル、701…デバイスリンクテーブル(キャリブレーション用色変換テーブルの例)、711…元テーブル、750…色分版テーブル、CS1…第一機器従属色空間、CS2…第二機器従属色空間、CS3…プロファイル接続空間、CS4…入力色空間、CS5…出力色空間、GD1,GD2,GD3,GD4…格子点、PA0,PA1…パッチ、PR0…キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラム、ST1…元テーブル用意工程、ST2…チャート形成制御工程、ST3…測色値取得工程、ST4…参照テーブル生成工程、ST5…差異データ取得工程、ST6…調整工程、ST11…変換工程、ST12…最適化工程、ST13…テーブル調整工程、SY1…キャリブレーション用色変換テーブル生成システム。

Claims (10)

  1. 基準出力デバイスの特性を含むプロファイルに従って得られる出力色空間の出力座標値から対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける補正値に変換するキャリブレーション用色変換テーブルを生成する処理をコンピューターにより行う、キャリブレーション用色変換テーブル生成方法であって、
    調整により前記キャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意する元テーブル用意工程と、
    プロファイル接続空間の座標を基準として前記基準出力デバイスの出力色に対する前記対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得する差異データ取得工程と、
    前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を前記出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う調整工程と、を含む、キャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  2. 前記調整工程は、
    前記元テーブルの出力値である調整対象カラー値を前記参照テーブルに従って前記機器独立座標値である調整対象PCS値に変換する変換工程と、
    前記差異データで表される差を前記調整対象PCS値に加えた値を目標PCS値とし、前記調整対象カラー値に加える値を調整カラー値として、前記調整対象カラー値に前記調整カラー値を加えた暫定カラー値を前記参照テーブルに従って変換して得られる暫定PCS値を前記目標PCS値に近付ける要素を含む最適化処理により前記調整カラー値の最適解を得る最適化工程と、
    前記調整カラー値の最適解に基づいて前記元テーブルの出力値を調整するテーブル調整工程と、を含む、請求項1に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  3. 前記元テーブルにおける出力値は、前記元テーブルにおける入力値と同じである、請求項1又は請求項2に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  4. 前記元テーブルにおける出力値に、前記元テーブルにおける入力値と異なる出力値が含まれる、請求項1又は請求項2に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  5. 前記キャリブレーション用色変換テーブルにおける入力値及び出力値は、ブラックを含む4成分を有する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  6. 前記調整工程では、前記元テーブルに対してブラックを使用する入力値に対応する出力値をブラックが使用される値にする調整を行う、請求項5に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  7. 前記出力色空間の座標を基準としたカラーチャートデータに基づいて前記対象出力デバイスにパッチを含むカラーチャートを形成させるチャート形成制御工程と、
    前記プロファイル接続空間を基準として前記パッチの測色値を取得する測色値取得工程と、
    前記カラーチャートデータと前記測色値とに基づいて前記参照テーブルを生成する参照テーブル生成工程と、をさらに含む、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のキャリブレーション用色変換テーブル生成方法。
  8. 基準出力デバイスの特性を含むプロファイルに従って得られる出力色空間の出力座標値から対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける補正値に変換するキャリブレーション用色変換テーブルを生成するためのキャリブレーション用色変換テーブル生成プログラムであって、
    調整により前記キャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意する元テーブル用意機能と、
    プロファイル接続空間の座標を基準として前記基準出力デバイスの出力色に対する前記対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得する差異データ取得機能と、
    前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を前記出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う調整機能と、をコンピューターに実現させる、キャリブレーション用色変換テーブル生成プログラム。
  9. 基準出力デバイスの特性を含むプロファイルに従って得られる出力色空間の出力座標値から対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける補正値に変換するキャリブレーション用色変換テーブルを生成するキャリブレーション用色変換テーブル生成装置であって、
    調整により前記キャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意する元テーブル用意部と、
    プロファイル接続空間の座標を基準として前記基準出力デバイスの出力色に対する前記対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得する差異データ取得部と、
    前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を前記出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う調整部と、を含む、キャリブレーション用色変換テーブル生成装置。
  10. 基準出力デバイスの特性を含むプロファイルに従って得られる出力色空間の出力座標値から対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける補正値に変換するキャリブレーション用色変換テーブルを生成するキャリブレーション用色変換テーブル生成システムであって、
    パッチを含むカラーチャートを印刷するための印刷装置と、
    前記パッチを測色する測色装置と、
    調整により前記キャリブレーション用色変換テーブルとなる元テーブルを用意する元テーブル用意部と、
    プロファイル接続空間の座標を基準として前記基準出力デバイスの出力色に対する前記対象出力デバイスの出力色の差を表す差異データを取得する差異データ取得部と、
    前記差異データ、及び、前記対象出力デバイスと前記基準出力デバイスの一方の特性を前記出力座標値から前記プロファイル接続空間の機器独立座標値に変換する対応関係として表す参照テーブルに基づいて、前記元テーブルに対して前記対象出力デバイスの出力色を前記基準出力デバイスの出力色に近付ける調整を行う調整部と、を含む、キャリブレーション用色変換テーブル生成システム。
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