次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係る換気システムは、キッチンのカウンタトップ4に設置される加熱調理器としての複数のガスコンロ1と、ガスコンロ1の上方に設置される換気装置としてのレンジフード3とで構成されている。
ガスコンロ1の本体部(調理器本体、以下、「コンロ本体」という)10は、略矩形箱状に形成されており、その上面部を構成する天板11をカウンタトップ4の上方に露出させた状態で、カウンタトップ4に開設された取付口に落とし込み状態で設置される。尚、本明細書では、カウンタトップ4の前縁部41側に面するコンロ本体10の周面部をガスコンロ1の正面とし、コンロ本体10を正面側から見たときの奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
天板11の上面には、鍋やフライパン等の調理具5を支持する単数又は複数の五徳12と、五徳12の上部に載置される調理具5を加熱する加熱部としての単数又は複数のコンロバーナ13と、コンロバーナ13の点火や消火、火力の切替を行うための単数又は複数の点消火操作子14とが配設されている。
本実施の形態では、カウンタトップ4に3つのガスコンロ1が左右横並びで隣接配置されており、それらガスコンロ1のうち中央に配されたガスコンロ1(以下、「コンロ1A」ともいう)は、標準火力のコンロバーナ13のみ備えた所謂一口タイプのコンロである。一方、ガスコンロ1のうち右側に配されたガスコンロ1および左側に配されたガスコンロ1(以下、総称して「コンロ1B」ともいう)は何れも、標準火力のコンロバーナ13と、最大火力が標準火力のコンロバーナ13より低い低火力のコンロバーナ13とを備えた所謂二口タイプのコンロであり、天板11の上面後寄りの位置に標準火力のコンロバーナ13が配され、天板11の上面前寄りの位置に低火力のコンロバーナ13が配されている。
コンロバーナ13は、燃料ガスと空気の混合ガスを燃焼させて燃焼排ガスを生成し、その燃焼排ガスを熱源として上記調理具5を下方から加熱するバーナであり、コンロ本体10内に組み込まれたバルブユニット(図示しない)を介して燃料ガスが供給される。上記バルブユニットは、点消火操作子14の操作やコンロ本体10内に組み込まれた調理器制御部としてのコンロ制御回路100からの指示に応じて開度調整される複数の弁体で構成されており、これら弁体によってコンロバーナ13へのガスの供給量が適宜調整される。
コンロバーナ13の中央部にはそれぞれ、五徳12の上部に載置された調理具5の底部に接触し、調理具5の温度状態を検出する鍋底温度センサ15が設けられている。図示しないが、コンロバーナ13の炎孔形成部の近傍にはそれぞれ、ガスの燃焼炎の有無を検出する炎検知センサと、炎孔形成部の近傍で火花放電させる点火プラグとが設けられている。
鍋底温度センサ15は、コンロ本体10内にて上下摺動可能に支持されており、対応する五徳12の上部に調理具5が載置されていない状態では、五徳12より上方へ突出した位置にて保持され、対応する五徳12の上部に調理具5が載置された場合は、調理具5によって押し下げられる。
図2に示すように、コンロ本体10の内部には、鍋底温度センサ15の上下動に応じてオンオフする調理具検出部としての鍋検知スイッチ16が設けられており、鍋底温度センサ15が押し下げられ、鍋検知スイッチ16がオン状態になったか否かによって対応する五徳12の上部、即ち、対応するコンロバーナ13の所定の加熱位置に調理具5が載置されているか否かを検出するように構成されている。また、コンロ本体10の内部には、ガスコンロ1の異常を音声やブザー音にて報知する音声出力部17が設けられている。
点消火操作子14は、天板11の上面におけるコンロバーナ13(コンロ1Bでは前側のコンロバーナ13)より前方位置に設けられている。また、図示しないが、コンロ本体10内における天板11の下面前寄りの位置、即ち、点消火操作子14との隣接位置には、静電容量式のタッチセンサ(図示しない)が設けられており、使用者が天板11の上面における上記タッチセンサの上方の所定位置(タッチ操作部)に触れることで、ガスコンロ1の電源をオンオフしたり、コンロバーナ13の動作モードを選択したりすることができるようになっている。
さらに、コンロ本体10内における天板11の下面前寄りの位置には、レンジフード3の動作を指示する換気制御信号を、天板11を通してレンジフード3に発信する発信部としての赤外線信号発信部18が設けられている。赤外線信号発信部18は、上記換気制御信号を赤外線により外部に発信する単数又は複数の発光素子で構成されている。
点消火操作子14のスイッチ機構部、タッチセンサ、バルブユニットの電磁弁、鍋底温度センサ15、炎検知センサ、点火プラグに高電圧を印加して火花放電させるイグナイタ、鍋検知スイッチ16、および赤外線信号発信部18はそれぞれ、コンロ本体10の内部に組み込まれたコンロ制御回路100に有線にて接続されている。また、コンロ制御回路100は、他のガスコンロ1のコンロ制御回路100と有線にて相互に通信可能に接続されている。
尚、本実施の形態では、自己および他のガスコンロ1のコンロ制御回路100相互は、有線により通信接続されるが、赤外線やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信規格により通信接続されるように構成されたものであってもよいし、家庭内通信ネットワークを介して通信接続されるように構成されたものであってもよい。
図示しないが、コンロ制御回路100は、上記タッチセンサや電磁弁等の電気駆動部に所定の駆動電力を供給する電源回路の他、点消火操作子14による操作や設定された加熱モードに応じてコンロバーナ13の点火動作や消火動作、火力の切替を行うバーナ制御部、タッチセンサからの操作情報に基づいて加熱モードの設定を行うモード設定部、炎検知センサの出力値に基づいてコンロバーナ13の点火や消火を判定する点消火判定部、鍋底温度センサ15の検出温度(鍋底温度)に基づいて調理具5の温度状態を判定する鍋温度判定部、鍋検知スイッチ16のオンオフ状態に基づいて対応するコンロバーナ13の所定の加熱位置に調理具5が載置されているか否かを判定する鍋なし判定部、コンロバーナ13の点火や消火などガスコンロ1の動作状態を示す情報(動作情報)を他のガスコンロ1と相互に通信するリンク通信制御部、自己および他のコンロバーナ13の動作状態に対応する換気制御信号を赤外線信号発信部18から発信させる発信制御部等の回路構成を有している。尚、本実施の形態では、コンロバーナ13の火力を最小の「1」から最大の「9」までの9段階で切替可能に構成されている。
また、図示しないが、コンロ制御回路100は、特定の加熱モードが設定されていない状態で、点火操作されたコンロバーナ13の加熱位置に調理具5が載置されていない場合は、対応するコンロバーナ13の点火を制限する一方、特定の加熱モードが設定されている場合は、点火操作されたコンロバーナ13の加熱位置に調理具5が載置されていなくても、対応するコンロバーナ13の点火制限を行わない点火制限制御部、ガスコンロ1に何らかの異常が生じた場合に、その異常を示す音声やブザー音を音声出力部17から出力させる報知制御部等の回路構成を有している。
レンジフード3の本体部(以下、「フード本体」という)30は、下面部31に開口301を有する略矩形箱状に形成されており、上記開口301がガスコンロ1の上方に対向して配されるよう、室内におけるカウンタトップ4の後方の壁面や上方の天井に設置される。
フード本体30の内部には、調理中にガスコンロ1から発生する熱気や水蒸気を上記開口301からフード本体30内に取り込み、図示しない排気ダクトを通じて室外に排出させる換気ファン33が組み込まれている。
フード本体30の正面部32には、換気ファン33のオンオフや換気風量の切替を行うための複数の換気操作ボタン34が配設されている。フード本体30の下面部31における開口301の後方位置には、ガスコンロ1の赤外線信号発信部18から発信された換気制御信号を受信する受信部としての赤外線信号受信部38が設けられている。赤外線信号受信部38は、レンジフード3へ向けて発信された赤外線信号(換気制御信号)を受信する単数又は複数の受光素子で構成されている。
換気ファン33、換気操作ボタン34、および赤外線信号受信部38はそれぞれ、フード本体30の内部に組み込まれた換気制御部としての換気制御回路300に有線にて接続されている。
図示しないが、換気制御回路300は、換気ファン33に所定の駆動電力を供給する電源回路の他、赤外線信号受信部38で受信された換気制御信号に基づいてガスコンロ1からの換気ファン33の動作の指示内容を判別する信号判別部、換気操作ボタン34による操作や上記指示内容に応じて換気ファン33の作動や停止、換気ファン33による換気風量の切替を行うファン制御部等の回路構成を有している。尚、本実施の形態では、上記換気風量を「弱」、「中」、「強」の3段階で切替可能に構成されている。
上記換気システムによる換気制御動作を、図3のフローチャートに従って説明する。尚、本実施の形態では、何れかのガスコンロ1のタッチ操作部により電源のオン操作がなされて電源がオン状態になると、自己のコンロ制御回路100から他のガスコンロ1のコンロ制御回路100へ電源のオン操作がなされた旨を示す動作情報として電源オン情報が送信され、他のガスコンロ1も連動して電源がオン状態にされる。以下、ガスコンロ1のうち中央に配されたコンロ1Aが使用される場合を中心に説明する。
中央のコンロ1Aの電源がオンにされ、コンロ制御回路100に組み込まれた主制御プログラムが起動すると、上記のとおり左右のコンロ1Bも連動して電源がオンにされ、各コンロ1A,1Bにおいてコンロバーナ13の点火操作がなされたか否かの監視が開始される(ST1)。
その後、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)の点火操作がなされた場合は(ST1のステップでYes)、対応する五徳12の上部に調理具5が載置されているか否か、即ち、対応する鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチA)がオン状態になっているか否かを判定する(ST2)。
コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)の点火操作がなされたときに、対応する鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチA)がオン状態である場合(ST2のステップでYes)、コンロ1Aは、点火プラグから火花放電させると共に、バルブユニットを所定の開度に調整する。その結果、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)に設定量の燃料ガスが供給され、火花放電により点火される。そしてさらに、対応する炎検知センサにてコンロ1Aのコンロバーナ13の点火が検知されると、バルブユニットを点消火操作子14で設定された火力に応じた開度に調整し、調理具5の加熱を開始する(ST3)。
また、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)が点火されるのに合わせて、コンロ1Aは、コンロ1Aのコンロバーナ13が点火された旨やその火力を示す点火情報を各コンロ1Bに送信する。一方、上記点火情報を受信したコンロ1Bは、自己の特定のコンロバーナ13(ここでは、赤外線信号発信部18に近い前側のコンロバーナ13)に対応する位置となる五徳12の上部に調理具5が載置されているか否か、即ち、特定のコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチB)がオン状態になっているか否かを示す鍋検知情報をコンロ1Aに送信する。
このとき、何れか一方又は両方のコンロ1Bの特定のコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチB)がオフ状態であれば(ST4のステップでNo)、コンロ1Aは、上記点火情報に対応する換気制御信号を他のコンロ1Bから発信させるための補助発信指示信号を、特定のコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16がオフ状態である「鍋なし」のコンロ1Bに送信する。また、補助発信指示信号を受信した上記「鍋なし」のコンロ1Bは、点火情報に対応する換気風量(ここでは、「強」)で換気ファン33を作動させるための換気制御信号としての換気指示信号を、自己の赤外線信号発信部18から発信させる(ST5)。
これにより、たとえコンロ1Aのコンロバーナ13の加熱位置に比較的大型の調理具5が載置されていても、上記換気指示信号は、レンジフード3の赤外線信号受信部38に確実に到達する。そして、赤外線信号受信部38にて換気指示信号を受信したレンジフード3は、換気指示信号に対応する換気風量にて換気ファン33を作動させる(ST6)。尚、図示しないが、上記換気指示信号に基づいて換気風量が設定された後、換気操作ボタン34により換気風量の切替操作がなされた場合、レンジフード3は、上記切替操作に対応する換気風量に変更させる。
一方、上記ST3のステップにて、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)が点火されたとき、コンロ1Bのコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチB)が何れもオン状態である場合(ST4のステップでYes)、コンロ1Aは、上記点火情報に対応する換気制御信号を他のコンロ1Bから複数回発信させるための連続発信指示信号を各コンロ1Bに送信すると共に、換気指示信号を自己の赤外線信号発信部18から複数回発信させる。また、連続発信指示信号を受信したコンロ1Bも同様に、換気指示信号を自己の赤外線信号発信部18から複数回発信させる(ST7)。
尚、このときコンロ1Aおよびコンロ1Bの各赤外線信号発信部18から発信させる換気指示信号の発信回数P1は、「鍋なし」の場合に発信させる換気指示信号の発信回数P2より多く設定されている(例えば、発信回数P1が10回、発信回数P2が2回)。これにより、たとえ各コンロ1A,1Bの所定の加熱位置に調理具5が載置されていても、換気指示信号は、一部が使用者の身体や壁面等にて反射してレンジフード3の下面部31側へ向かい、より高確率で赤外線信号受信部38に到達する。そして、赤外線信号受信部38にて換気指示信号を受信したレンジフード3は、換気指示信号に対応する換気風量にて換気ファン33を作動させる(ST6)。
コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)の点火操作がなされたときに、対応する鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチA)がオフ状態である場合(ST2のステップでNo)、コンロ1Aは、さらに、加熱モードが特定の加熱モード(ここでは、「あぶり高温炒めモード」)に設定されているか否かを判定する(ST8)。
その際、加熱モードが「あぶり高温炒めモード」に設定されていない場合は(ST8のステップでNo)、コンロ1Aのコンロバーナ13の点火動作を禁止すると共に、コンロ1Aにて点火制限がなされたことを示す音声又はブザー音を音声出力部17から出力させ(ST9)、換気制御動作を終了させる。即ち、所定の加熱位置に調理具5が載置されていない状態でのコンロバーナ13の点火を禁止する。
一方、コンロ1Aのコンロバーナ13にて点火操作がなされたとき、加熱モードが「あぶり高温炒めモード」に設定されている場合は(ST8のステップでYes)、ST3のステップと同様、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)を点火させ、対応する点消火操作子14で設定された火力に調整する(ST10)。即ち、所定の加熱位置に調理具5が載置されていない状態でのコンロバーナ13の点火を許可する。
また、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)が点火されるのに合わせて、コンロ1Aは、コンロ1Aのコンロバーナ13の点火情報を各コンロ1Bに送信する。一方、上記点火情報を受信したコンロ1Bは、特定のコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16による鍋検知情報をコンロ1Aに送信する。
そして、何れのコンロ1Bの特定のコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチB)も共にオン状態であれば(ST11のステップでYes)、コンロ1Aは、換気指示信号を、調理具5が載置されていない自己の赤外線信号発信部18から発信させる(ST12)。
これにより、たとえ各コンロ1Bのコンロバーナ13の加熱位置に調理具5が載置されていても、上記換気指示信号は、レンジフード3の赤外線信号受信部38に確実に到達する。そして、赤外線信号受信部38にて換気指示信号を受信したレンジフード3は、換気指示信号に対応する換気風量にて換気ファン33を作動させる(ST6)。
一方、上記ST10のステップにて、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)が点火されたとき、何れかのコンロ1Bのコンロバーナ13の鍋検知スイッチ16(鍋検知スイッチB)がオフ状態である場合(ST11のステップでNo)、コンロ1Aは、上記補助発信指示信号を「鍋なし」のコンロ1Bに送信すると共に、換気指示信号を自己の赤外線信号発信部18から発信させる。また、補助発信指示信号を受信した「鍋なし」のコンロ1Bも同様に、換気指示信号を自己の赤外線信号発信部18から発信させる(ST13)。
このように、上記換気システムによれば、使用する自己のガスコンロ1の所定の加熱位置に比較的大型の調理具5が載置されていても、そのガスコンロ1のコンロバーナ13の動作状態に対応する換気制御信号を、所定の加熱位置に調理具5が載置されていない他のガスコンロ1から発信させ、レンジフード3の赤外線信号受信部38にて確実に受信させることができるから、コンロバーナ13の動作状態に合わせて適切にレンジフード3を連動させることが可能である。よって、レンジフード3の動作安定性が向上する。
特に、このものでは、使用する自己のガスコンロ1および複数のコンロバーナ13を備えた他のガスコンロ1の上部にそれぞれ調理具5が載置されている場合であっても、他のガスコンロ1において、赤外線信号発信部18に近い特定のコンロバーナ13に対応する加熱位置に調理具5が載置されていなければ、そのガスコンロ1の赤外線信号発信部18から自己のガスコンロ1のコンロバーナ13の動作状態に対応する換気制御信号を発信させ、レンジフード3の赤外線信号受信部38にて確実に受信させることができるから、コンロバーナ13の動作状態に合わせて適切にレンジフード3を連動させることが可能である。よって、レンジフード3の動作安定性が一層向上する。
しかも、このものでは、全てのガスコンロ1の上部に調理具5が載置されている場合は、使用する自己のガスコンロ1のコンロバーナ13の動作状態に対応する換気制御信号を、所定の加熱位置に調理具5が載置された自己および他のガスコンロ1の両方の赤外線信号発信部18から、所定の加熱位置に調理具5が載置されていない場合に発信させる換気指示信号より多い回数発信させるから、上記換気制御信号をより高確率でレンジフード3の赤外線信号受信部38にて受信させることができる。これにより、コンロバーナ13の動作状態に合わせてより適切にレンジフード3を連動させることが可能となり、レンジフード3の動作安定性が一層向上する。
尚、上記実施の形態では、中央のコンロ1Aが使用される場合を中心に説明したが、左右のコンロ1Bが使用される場合も同様の制御がなされる。また、2つのみガスコンロ1を備えた換気システムや4つ以上のガスコンロ1を備えた換気システムの場合も同様の制御がなされる。但し、上記換気システムにおいて、複数のガスコンロ1が同時に使用される場合は、強い換気風量を必要とするガスコンロ1の動作状態を優先してレンジフード3の動作を制御させるのが好ましい。このようにすることで、より安定した換気性能を発揮できる。
また、上記換気システムにおいて、複数のガスコンロ1が同時に使用される場合は、一方のガスコンロ1の動作状態に対応する換気制御信号を他方のガスコンロ1から発信させないようにしてもよい。詳述すると、図4のフローチャートに示すように、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)の点火操作がなされたときに(ST1のステップでYes)、何れかのコンロ1Bのコンロバーナ13(バーナB)が点火されている場合は(ST21のステップでYes)、上記ST2以降のステップを実行しないで、換気操作ボタン34による操作でのみ換気ファン33の動作が制御される。一方、コンロ1Aのコンロバーナ13(バーナA)の点火操作がなされたときに(ST1のステップでYes)、何れかのコンロ1Bのコンロバーナ13(バーナB)が点火されていない場合は(ST21のステップでNo)、上記ST2以降のステップを実行する。これにより、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
上記実施の形態では、複数のコンロバーナ13を備えたコンロ1Bにおいて、赤外線信号発信部18に近い前側のコンロバーナ13を特定のコンロバーナ13に設定し、その特定のコンロバーナ13に対応する加熱位置に調理具5が載置されていないコンロ1Bから換気制御信号を発信させるように構成されているが、対応する加熱位置に調理具5が載置されたときに、調理具5がレンジフード3での換気制御信号の受信の妨げとなる可能性があるコンロバーナ13であれば、後側のコンロバーナ13を特定のコンロバーナ13としたものであってもよいし、複数全てのコンロバーナ13を特定のコンロバーナ13としたものであってもよい。また、赤外線信号発信部18や赤外線信号受信部38の配置構成に合わせて、使用者や施工業者が任意に特定のコンロバーナ13を設定変更できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、コンロ本体10内における天板11の下面側に赤外線信号発信部18が設けられているが、赤外線信号発信部18は、コンロ本体10の上部に設けられていれば、天板11に設けられた切欠や凹部中に組み込んでもよいし、天板11の上面に設けてもよい。
上記実施の形態では、コンロ本体10の上部における前寄りの位置に赤外線信号発信部18が設けられているが、コンロ本体10の上部における後寄りの位置に赤外線信号発信部18が設けられたものとしてもよい。この場合、赤外線信号発信部18に近い後側のコンロバーナ13を特定のコンロバーナ13とするのが好ましい。また、上記実施の形態では、フード本体30の後方位置に赤外線信号受信部38が設けられているが、フード本体30の前方位置に赤外線信号受信部38が設けられたものとしてもよい。
上記実施の形態では、コンロ本体10の上部に調理具5が載置されたことを、鍋底温度センサ15の上下動に応じてオンオフする鍋検知スイッチ16を用いて検出するように構成されているが、調理具検出部として、天板11の下面に、赤外線や高周波等によりコンロ本体10の上部の所定位置に物体が接近したことを検出する近接センサが設けられ、上記近接センサを用いてコンロ本体10の上部に調理具5が載置されたことを検出するように構成されたものとしてもよい。
上記実施の形態では、特定の加熱モード(あぶり高温炒めモード)が設定されていないときに、コンロ本体10の上部に調理具5が載置されていない場合は、対応するコンロバーナ13の点火動作自体を禁止するものを説明したが、特定の加熱モードが設定されていないときに、コンロ本体10の上部に調理具5が載置されていない場合は、対応するコンロバーナ13を点火させると同時に、火力を一定以下(例えば、最小火力)に制限するようにしてもよい。
上記実施の形態では、コンロバーナ13の点火や消火、火力の手動による切替を点消火操作子14によって行うように構成されているが、天板11の下面に設けられたタッチセンサを用いてコンロバーナ13の点火や消火、火力の手動による切替を行うことができるように構成されたものとしてもよい。
本発明は、コンロ本体10の上部に載置された調理具5を加熱する加熱部として、電熱部からの輻射熱や伝導熱により調理具5を加熱する電熱ヒータが用いられた加熱調理器の換気システムにも適用できるし、コンロ本体10の上部に載置された調理具5を電磁誘導により加熱する電磁誘導ヒータが用いられた加熱調理器の換気システムにも適用できる。また、複数の加熱部として、上記バーナや電熱ヒータ、電磁誘導ヒータが組み合わせて用いられた加熱調理器の換気システムにも適用できる。
本発明は、キッチンのカウンタトップ4に埋設して使用されるビルトインコンロの換気システムに限らず、キッチンのテーブル上に載置して使用されるテーブルコンロの換気システムにも適用できる。