JP2019137573A - 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、及び合わせガラスの中間膜用フィルム材 - Google Patents

合わせガラス、合わせガラスの製造方法、及び合わせガラスの中間膜用フィルム材 Download PDF

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広喜 葛岡
吉田 明弘
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明弘 吉田
石川 栄作
Eisaku Ishikawa
栄作 石川
直己 高原
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直己 高原
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圭一郎 西村
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Abstract

【課題】合わせガラスは、より高い衝撃耐性を有することが望ましい。【解決手段】対向する2枚のガラス板21,22と、これらの間に配置された中間膜5とを備える合わせガラス3が開示される。中間膜5が1層以上の高溶融流動性樹脂層30を含む。高溶融流動性樹脂層30が125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックスを示す層である。【選択図】図2

Description

本発明は、合わせガラス、合わせガラスの製造方法、及び合わせガラスの中間膜用フィルム材に関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車輌の窓、サンルーフ、内装パネルの他、電車、航空機、建設機械、建築物の窓等にも用いられている。
合わせガラスの一例として、少なくとも一対のガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが挙げられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭62−100463号公報 特開2005−206445号公報 国際公開第2012/091117号
合わせガラスは、外部から加えられた衝撃に対してより割れ難い、すなわち、より高い衝撃耐性を有することが望ましい。
本発明の一側面は、対向する2枚のガラス板と、これらの間に配置された中間膜と、を備える合わせガラスに関する。前記中間膜が1層以上の高溶融流動性樹脂層を含む。前記高溶融流動性樹脂層は125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックスを示す層である。
本発明の別の一側面は、合わせガラスを製造する方法に関する。本発明の一側面に係る方法は、2枚のガラス板を、樹脂層を介在させながら貼り合せて、前記2枚のガラス板及び前記樹脂層を有する積層体を得る工程と、前記積層体を加熱及び加圧して、前記樹脂層を中間膜として有する合わせガラスを得る工程と、を備える。前記積層体が、前記中間膜が前記2枚のガラス板の間からはみ出して前記2枚のガラス板の端面を覆うように、加熱及び加圧される。
本発明の更に別の側面は、基材と、前記基材上に設けられた樹脂層と、を有する、合わせガラスの中間膜用フィルム材に関する。前記樹脂層が1層以上の高溶融流動性樹脂層を含み、前記高溶融流動性樹脂層が125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックスを示す層である。このフィルム材は、上記合わせガラスの中間膜を形成するために用いることができる。
本発明に係る合わせガラスは、高い衝撃耐性を有することができる。また、本発明に係る合わせガラスを製造する方法によれば、高い衝撃耐性を有する合わせガラスを簡便に製造することができる。
合わせガラスの一実施形態を示す断面図である。 合わせガラスの一実施形態を示す断面図である。 合わせガラスの中間膜用フィルム材の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、合わせガラスの一実施形態を示す断面図である。図1に示す合わせガラス3は、対向する2枚のガラス板21,22と、2枚のガラス板21,22の間に挟まれた中間膜5とを有する。言い換えると、ガラス板21、中間膜5、及びガラス板22がこの順で積層されている。
ガラス板21,22は、無機ガラス板、透明プラスチック板、又はこれらの組み合わせであることができる。ガラス板21及びガラス板22が無機ガラス板であってもよい。
無機ガラス板は、合わせガラスを構成するガラス板として通常用いられているものから選択することができる。無機ガラス板が設けられることにより、合わせガラスの表面が良好な耐傷性を有することができる。無機ガラス板は、例えば、フロートガラス、強化ガラス(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等)、又は複層ガラスの板であってもよい。
透明プラスチック板としては、合わせガラスに適した透明性等の光学特性を有するプラスチック板が用いられる。透明プラスチック板の例としては、ポリカーボネート板(PC板)、ポリメチルメタクリレート板(PMMA板)、シクロポリオレフィン板(COP板)、ポリエチレンテレフタレート板(PET板)、ポリエチレン板(PE板)、ポリプロピレン板(PP板)、ポリスチレン板(PS板)、及びトリアセチルセルロース板(TAC板)が挙げられる。
ガラス板21,22の厚さは、特に制限されないが、例えば0.1〜50mm、0.5〜30mm、1〜20mm、又は2〜10mmであってもよい。
2枚のガラス板21,22の端面は、互いに略同一の平面内にあってもよい。より具体的には、ガラス板の主面に垂直な方向から見たときに、2枚のガラス板21,22の端面の位置のずれが1mm以内であってもよい。
中間膜5は、1層の高溶融流動性樹脂層30によって形成されている。本明細書において、高溶融流動性樹脂層は、125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックス(以下単に「MFR」ということがある。)を示す層を意味する。高い溶融流動性を有する層が設けられることにより、合わせガラスの衝撃耐性が顕著に向上する。その理由は必ずしも明らかではないが、中間膜の密着性向上、及び中間膜による応力緩和が一因であると考えられる。高溶融流動性樹脂層のMFRは、合わせガラスの衝撃耐性の観点から、2.0g/10分以上、5.0g/10分以上、又は10g/10分以上であってもよい。高溶融流動性樹脂層のMFRは、30g/10分以下であってもよい。高溶融流動性樹脂層のMFRが適度に小さいと、合わせガラスが高温にさらされた際の位置ズレが起こり難いという効果が得られる。
高溶融流動性樹脂層の厚さは、衝撃耐性向上の効果が得られるように設定することができ、例えば50μm以上、60μm以上、70μm以上又は80μm以上であってもよい。高溶融流動性樹脂層の厚さの上限は、特に制限されないが、300μm以下、200μm以下、又は150μm以下であってもよい。高溶融流動性樹脂層を含む中間膜5は、2枚のガラス板21,22の間からはみ出して、ガラス板21,22の端面21S,22Sの一部又は全部を覆うはみ出し部5aを形成することがある。合わせガラス端面におけるガラス板と中間膜との界面部分を覆うはみ出し部5aの形成も、合わせガラスの衝撃耐性向上に寄与すると考えられる。高溶融流動性樹脂層を含む中間膜は、合わせガラスを製造するための加熱及び加圧の過程ではみ出し部を形成し易い。はみ出し部5aは、合わせガラスの全周にわたって形成されていてもよいし、合わせガラス3の全周のうちの一部、例えば50%以上、70%以上、又は90%以上において、はみ出し部5aが形成されていてもよい。
図2は、合わせガラスの他の一実施形態を示す断面図である。図2に示す合わせガラス3の中間膜5は、1層の高溶融流動性樹脂層30に加えて、2層の低溶融流動性樹脂層41,42を含む三層構成の膜である。1層の高溶融流動性樹脂層30は、ガラス板21,22と接している2層の低溶融流動性樹脂層41,42の間に配置されている。ただし、高溶融流動性樹脂層30と低溶融流動性樹脂層41,42との間に明瞭な界面が形成されていなくてもよい。本明細書において、低溶融流動性樹脂層は、1.5g/10分未満のMFRを示す層を意味する。低溶融流動性樹脂層が設けられることにより、高溶融流動性樹脂層が効率よく流動するという効果が得られる。低溶融流動性樹脂層のMFRは、成形加工性、機械的強度、柔軟性が高くなりやすいという観点から、1.0g/10分以下、又は0.7g/10分以下であってもよく、0g/10分以上であってもよい。
低溶融流動性樹脂層41,42の厚さは、例えば100μm以上、又は200μm以上であってもよく、1000μm以下、又は500μm以下であってもよい。
中間膜全体の厚さに対する高溶融流動性樹脂層の厚さ(2層以上の高溶融流動性樹脂層がある場合はそれらの合計の厚さ)の割合は、合わせガラスの衝撃耐性向上の観点から、5%以上、10%以上、又は20%以上であってもよく、100%以下、又は90%以下であってもよい。
高溶融流動性樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物の膜であることができる。熱可塑性樹脂はアクリル重合体であってもよい。アクリル重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位から主として構成される共重合体であり、その分子量、単量体の種類等を調整することで、高いMFRを示す樹脂層を容易に形成することができる。
アクリル重合体を構成する、(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、例えば、直鎖状又は分岐状のアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであるアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレート、芳香環を有する芳香族(メタ)アクリレート、脂環式基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることができる。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、典型的には(メタ)アクリロイルオキシ基(CH=CHC(=O)O−又はCH=C(CH)C(=O)O−)を1つ有する単官能単量体である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はn−オクチル(メタ)アクリレートであってもよく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートであってもよい。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、これらアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種類以上であることができる。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、アルキルアクリレートであってもよい。
アルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;並びに、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、これらアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種類以上であることができる。
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられる。
アクリル重合体は、反応性官能基を有する単量体単位を含んでいてもよい。反応性官能基は、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも1種であってもよい。反応性官能基を有する単量体単位は、中間膜のガラス板に対する密着性向上に寄与する。エポキシ基を有するアクリル重合体は、比較的高いMFRを示す樹脂層を形成し易い傾向がある。反応性官能基を有する単量体単位の合計の含有量が、アクリル重合体を構成する単量体単位全体の質量を基準として3質量%以上であってもよく、10質量%以下、又は7質量%以下であってもよい。
エポキシ基を有する単量体単位は、例えば、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体から誘導される。その例としては、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体単位は、例えば、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体から誘導される。その例としては、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
水酸基を有する単量体単位は、例えば、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体から誘導される。その例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
イソシアネート基を有する単量体単位は、例えば、イソシアネート基及び(メタ)アクリロイル基を有する単量体から誘導される。その例としては、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
アクリル重合体は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体と共重合可能な共重合単量体に由来する単量体単位を更に含んでいてもよい。ただし、通常、アクリル重合体を構成する単量体単位全体のうち80質量%以上、又は90質量%以上は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する単量体単位から構成される。共重合単量体としては、例えば、スチレン、4−メチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド及び無水マレイン酸が挙げられる。
アクリル重合体の分子量が小さいと、高いMFRを示す樹脂層が形成され易い。係る観点から、高溶融流動性樹脂層を形成するアクリル重合体の重量平均分子量は、700000以下、600000以下、550000以下、又は500000以下であってもよい。合わせガラスの衝撃強度の観点から、アクリル重合体の重量平均分子量は、100000以上、又は200000以上であってもよい。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される、標準ポリスチレン換算値を意味する。
高溶融流動性樹脂層を形成するアクリル重合体のガラス転移温度(Tg)が、−50〜50℃であってもよい。アクリル重合体のTgが低いと、合わせガラスの衝撃強度が高くなったり、合わせガラスを裁断したときにバリが発生し難くなったりする傾向がある。また、アクリル重合体のTgが高いと、樹脂層の取り扱い性が優れる傾向がある。そのため、アクリル重合体のTgは、−40℃以上、−30℃以上、−10℃以上、又は10℃以上であってもよく、40℃以下、30℃以下、又は20℃以下であってもよい。ここで、アクリル重合体のガラス転移温度は、昇温速度3℃/分の粘弾性速度によって測定される、tanδの最大ピークにおける温度であることができる。アクリル重合体のガラス転移温度は、当業者には理解されるように、例えば単独重合体のガラス転移温度が既知の複数の単量体を組み合わせることにより制御することができる。
高溶融流動性樹脂層30における熱可塑性樹脂(例えばアクリル重合体)の含有量は、高溶融流動性樹脂層30の質量を基準として、100質量%以下であってもよく、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよい。
低溶融流動性樹脂層41,42も、熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物の膜であることができる。熱可塑性樹脂はアクリル重合体であってもよい。アクリル重合体は、その分子量、単量体の種類等を調整することで、低いMFRを示す樹脂層を容易に形成することができる。低溶融流動性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂、エチルビニルアルコール樹脂、又はアイオノマーであってもよい。特にポリビニルブチラール樹脂は、低いMFRを示す樹脂層を形成し易い。
低溶融流動性樹脂層を形成するアクリル重合体は、高溶融流動性樹脂層を形成するアクリル重合体と同様の単量体単位から構成される共重合体であることができる。低溶融流動性樹脂層を形成するアクリル重合体の重量平均分子量は、500000以上であってもよく、2000000以下、1500000以下、又は1300000以下であってもよい。
低溶融流動性樹脂層における熱可塑性樹脂の含有量は、低溶融流動性樹脂層の質量を基準として、100質量%であってもよく、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってもよい。
高溶融流動性樹脂層、低溶融流動性樹脂層又はこれらを形成するための樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に加えて、各種添加剤等の他の成分を更に含有していてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定化剤、シランカップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、無機充填剤等が挙げられる。
可塑剤の例としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートが挙げられる。重合禁止剤は、樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加され、その例としてはパラメトキシフェノールが挙げられる。酸化防止剤は、中間膜の耐熱着色性を高める目的で添加され、その例としてはトリフェニルホスファイト等のリン系;フェノール系;チオール系の酸化防止剤が挙げられる。光安定化剤は、紫外線等の活性エネルギー線に対する耐性を高める目的で添加され、その例としてはHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)が挙げられる。シランカップリング剤は、ガラス板との密着性を高めるために添加され、その例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランが挙げられる。界面活性剤は、基材との剥離性を制御するために添加され、その例としてはポリジメチルシロキサン系化合物、及びフッ素系化合物が挙げられる。レベリング剤は、樹脂組成物の平坦性を付与するために添加され、その例としてはシリコン系、フッ素系の表面張力を下げる化合物が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いてもよく、また、複数の添加剤を組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤の含有量は、一般に樹脂組成物の全量に対して0.01〜5質量%程度である。
無機充填剤は、合わせガラスの適切な透明性が維持される範囲で、用いられ得る。無機充填剤としては、例えば、破砕シリカ、溶融シリカ、マイカ、粘土鉱物、ガラス短繊維、ガラス微粉末、中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、及び金属水和物が挙げられる。無機充填剤の含有量は、樹脂組成物100質量部に対し、0.01〜100質量部、0.05〜50質量部、又は0.1〜30質量部であってもよい。
中間膜の高溶融流動性樹脂層又は低溶融流動性樹脂層を形成するための樹脂組成物は、例えば、熱可塑性樹脂及び必要により加えられる添加剤を混合し、これらを撹拌することにより製造することができる。
合わせガラスは、反射防止層、防汚層、色素層、及びハードコート層等から選ばれる各種の機能層を更に有していてもよい。
反射防止層は、合わせガラスの可視光反射率を5%以下とするような反射防止性を有している層である。反射防止層は、例えば、既知の反射防止方法で処理された透明プラスチックフィルム等の透明基材であることができる。防汚層は、表面に汚れがつきにくくするために設けられる。色素層は、合わせガラスで透過する不要な波長の光を低減するために設けられる。ハードコート層は、合わせガラスの表面硬度を高めるために設けられる。ハードコート層は、ポリエチレンフィルム等の基材フィルムと、基材フィルム上に形成された、アクリル樹脂(ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等)、エポキシ樹脂等の膜とを有する積層フィルムであってもよい。
合わせガラスの構成は上述の実施形態に限られるものではなく、適宜変更が可能である。中間膜を構成する樹脂層の総数は、例えば、1層以上、2層以上、3層以上、4層以上、5層以上、又は6層以上であってもよく、10層以下、8層以下、又は7層以下であってもよい。高溶融流動性樹脂層の総数は、1層以上、又は2層以上であってもよく、5層以下であってもよい。低溶融流動性樹脂層の総数は、2層以上、又は3層以上であってもよく、5層以下であってもよい。合わせガラスが3枚以上のガラス板を有し、隣り合う2枚のガラス板の間に中間膜が設けられていてもよい。その場合、少なくとも1組の隣り合う2枚のガラス板の間に設けられた中間膜が、高溶融流動性樹脂層を含んでいればよい。
合わせガラスは、例えば、2枚のガラス板を、樹脂層を介在させながら貼り合せて、2枚のガラス板及び樹脂層を有する積層体を得る工程と、積層体を加熱及び加圧して、樹脂層を中間膜として有する合わせガラスを得る工程とを含む方法により、製造することができる。
2枚のガラス板21,22は、例えば、一方のガラス板21上に樹脂層を設けることと、続いて樹脂層上に他方のガラス板22を積層することとを含む方法により、樹脂層を介在させながら貼り合せることができる。樹脂層は、例えば後述の合わせガラスの中間膜用フィルム材を用いて、ガラス板21上に設けることができる。複数の樹脂層から構成される中間膜を有する合わせガラスを製造する場合、複数の樹脂層を一方のガラス板状に順次積層してもよいし、複数の樹脂層から構成される樹脂積層体を予め準備し、これを一方のガラス板に貼り合わせてもよい。
積層体の加熱及び加圧のために、例えば、オートクレーブが用いられる。加熱温度は、30〜150℃、又は50〜70℃であってもよい。圧力は0.3〜1.5MPa、又は0.3〜0.5MPaであってもよい。加熱及び加圧の時間は、5〜60分、又は10〜30分であってもよい。積層体を、樹脂層が2枚のガラス板の間からはみ出して、2枚のガラス板の端面を覆う中間膜のはみ出し部が形成されるように、加熱及び加圧してもよい。樹脂層として上述の高溶融流動性樹脂層を含むものを用い、上記の条件で積層体を加熱及び加圧すれば、中間膜のはみ出し部が形成され易い。中間膜が高溶融流動性樹脂層及び低溶融流動性樹脂層から構成される場合、はみ出し部は主として高溶融流動性樹脂層によって形成されると考えられる。
図3は、合わせガラスの中間膜用フィルム材の一実施形態を示す模式断面図である。図3に示す合わせガラスの中間膜用フィルム材1は、基材11、樹脂層2、及び基材12を有し、これらがこの順で積層されている。
樹脂層2は、ガラス板に挟まれたときに中間膜の一部又は全部を構成する層である。樹脂層2は、1層以上の高溶融流動性樹脂層を含んでいてもよい。樹脂層2は単層の高溶融流動性樹脂層であってもよい。あるいは、樹脂層2が2層以上の低溶融流動性樹脂層を更に含み、1層以上の高溶融流動性樹脂層が2層の低溶融流動性樹脂層の間に配置されていてもよい。また、樹脂層2は、ガラス板同士の容易な貼り合せを可能にする感圧接着性を有していていてもよい。高溶融流動性樹脂層を樹脂層2として有するフィルム材と、低溶融流動性樹脂層を樹脂層2として有するフィルム材とを組み合わせて、複数の樹脂層から構成される中間膜を有する合わせガラスを製造してもよい。
基材11,12は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、及びポリエチレンから選ばれる重合体のフィルムであってもよく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムであってもよい。基材11,12の端部が、樹脂層2の外縁よりも外側に張り出していてもよい。
基材11,12のうち一方が相対的に大きい剥離強度を発現する基材(重剥離セパレータ)で、他方が相対的に小さい剥離強度を発現する基材(軽剥離セパレータ)であってもよい。軽剥離セパレータと樹脂層2との間の剥離強度は、重剥離セパレータと樹脂層2との間の剥離強度よりも低い。基材の剥離性は、剥離性を付与する表面処理の条件によって適宜調整することができる。
合わせガラスの中間膜用フィルム材1を、合わせガラスを製造するために用いる場合、まず、軽剥離セパレータとしての基材を剥離し、露出した樹脂層2の表面を一方のガラス板に貼り付ける。重剥離セパレータとしての基材側からローラー等で押し付けてもよい。続いて、重剥離セパレータとしての基材を樹脂層2から剥離する。露出した樹脂層2の表面を、他方のガラス板に貼り付ける。この方法により、樹脂層2を介在させながら、2枚のガラス板を容易に貼り合せることができる。
重剥離セパレータとしての基材の厚さは、作業性の観点から、50〜200μmで、60〜150μm、又は70〜130μmであってもよい。軽剥離セパレータとしての基材の厚さは、作業性の観点から、25〜150μm、30〜100μm、又は40〜75μmであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.アクリル重合体の合成
(アクリル重合体A)
200.0gのアクリル酸ブチル(以下「BA」ということがある。)、250.0gのアクリル酸ジシクロペンタニル(日立化成株式会社製、FA−513AS、以下「FA−513AS」ということがある。)、50.0gのメタクリル酸グリシジル(以下「GMA」ということがある)、300.0gのメタクリル酸ブチル(以下「BMA」ということがある。)、及び200.0gのメタクリル酸2−エチルヘキシル(以下「2EHMA」ということがある。)を混合した。得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5gと、連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン0.5gを溶解させて、混合液を得た。冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管が装着された反応容器に、イオン交換水2000g及びポリビニルアルコール0.3gを入れ、そこに、撹拌しながら上記混合液を加えた。形成された反応液を、窒素雰囲気下、攪拌回転数250rpmで撹拌しながら、60℃で5時間、次いで90℃で2時間かけて重合反応を進行させて、グリシジル基を有するアクリル重合体Aを含む樹脂粒子を形成させた。反応液から取り出した樹脂粒子を、水洗及び乾燥した。
(アクリル重合体B)
200.0gのBA、250.0gのFA−513AS、50.0gのGMA、300.0gのBMA、及び200.0gの2EHMAを混合した。得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5gと、連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン1.0gを溶解させて、混合液を得た。冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管が装着された反応容器に、イオン交換水2000g及びポリビニルアルコール0.3gを入れ、そこに、攪拌しながら上記混合液を加えた。形成された反応液を、攪拌回転数250rpmで撹拌しながら、60℃で5時間、次いで90℃で2時間かけて重合反応を進行させて、グリシジル基を有するアクリル重合体Bを含む樹脂粒子を形成させた。反応液から取り出した樹脂粒子を、水洗及び乾燥した。
(アクリル重合体C)
n−オクチルメルカプタンの量を0.3gに変更したこと以外はアクリル重合体Aと同様にして、グリシジル基を有するアクリル重合体Cを含む樹脂粒子を得た。
(アクリル重合体D)
200.0gのBA、250.0gのFA−513AS、50.0gのメタクリル酸(以下「MAA」ということがある。)、300.0gのBMA、及び200.0gの2EHMAを混合した。得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5gと、連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン0.5gを溶解させて、混合液を得た。冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管が装着された反応容器に、イオン交換水2000g及びポリビニルアルコール0.3gを入れ、そこに、攪拌しながら上記混合液を加えた。形成された反応液を、窒素雰囲気下、攪拌回転数250rpmで撹拌しながら、60℃で5時間、次いで90℃で2時間かけて重合反応を進行させて、カルボキシル基を有するアクリル重合体Dを含む樹脂粒子を形成させた。反応液から取り出した樹脂粒子を、水洗及び乾燥した。
(アクリル重合体E)
200.0gのBA、250.0gのFA−513AS、50.0gのメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下「HEMA」ということがある。)、300.0gのBMA、及び200.0gの2EHMAを混合した。得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5gと、連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン0.5gを溶解させて、混合液を得た。冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管が装着された反応容器に、イオン交換水2000g及びポリビニルアルコール0.3gを入れ、そこに、攪拌しながら上記混合液を加えた。形成された反応液を、窒素雰囲気下、攪拌回転数250rpmで撹拌しながら、60℃で5時間、次いで90℃の2時間かけて重合反応を進行させて、水酸基を有するアクリル重合体Eを含む樹脂粒子を形成させた。反応液から取り出した樹脂粒子を、水洗及び乾燥した。
(PVB樹脂組成物)
赤外吸収スペクトルを測定したときに得られる水酸基に対応するピークの半値幅が245cm−1であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂(アセタール化度68.0モル%、ビニルアセテート成分の割合0.6モル%)100質量部と、可塑剤としてのトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38質量部とを混合した。混合物をミキシングロールで充分に溶融混練して、PVB樹脂組成物を得た。
2.合わせガラスの中間膜用フィルム材
(樹脂層A)
アクリル重合体Aの樹脂粒子を、それぞれメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度40質量%の樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスを、重剥離セパレータとしてのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理された表面に滴下し、バーコータを用いて塗膜を形成し、塗膜を80℃で30分の加熱により乾燥して、厚さ0.1mmの樹脂層を形成させた。樹脂層の上に離型処理した表面を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを軽剥離セパレータとしてとして被せ、これを1.0kgfのハンドローラーで押し付けることにより貼り付け、アクリル重合体Aを含む樹脂層Aを有する合わせガラスの中間膜用フィルム材を得た。
(樹脂層B〜E)
アクリル重合体Aに代えてアクリル重合体B、C、D又はEを用いたこと以外は樹脂層Aと同様にして、樹脂層B、C、D又はEを有する合わせガラスの中間膜用フィルム材を作製した。
(樹脂層F)
PVB樹脂組成物をプレス成形機で150℃、30分間の条件でプレス成形して、厚さ0.38mmの樹脂層Fをフィルム材として得た。
3.合わせガラス
(実施例1)
樹脂層Aを有し、縦110mm、横110mmに裁断された合わせガラスの中間膜用フィルム材を1枚と、同じサイズの樹脂層Fを2枚準備した。樹脂層Aを有するフィルム材から軽剥離セパレータを剥離し、露出した樹脂層Aを、1枚目の樹脂層Fに4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。続いて重剥離セパレータを剥離し、露出した樹脂層Aを2枚目の樹脂層Fに4辺が重なるように貼り付け、全体をローラーで加圧した。これにより、樹脂層F/樹脂層A/樹脂層Fの三層構成の中間膜が形成された。この三層構成の中間膜を、縦110mm、横110mm、厚さ2.7mmのフロートガラス2枚で、4辺が重なるように挟んだ。得られた積層体を、125℃に設定した真空ラミネータを用いて25分間加熱し、続いて135℃に設定したオートクレーブを用いて、圧力115N/cmMPa、60分間の条件で加熱及び加圧して、フロートガラス/中間膜(樹脂層F/樹脂層A/樹脂層F)/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを得た。同様の操作により、合わせガラスを5枚作製した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、フロートガラス/樹脂層F/樹脂層B/樹脂層F/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを5枚作製した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、フロートガラス/樹脂層F/樹脂層C/樹脂層F/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを5枚作製した。
(実施例4)
実施例1と同様にして、フロートガラス/樹脂層F/樹脂層D/樹脂層F/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを5枚作製した。
(比較例1)
実施例1と同様にして、フロートガラス/樹脂層F/樹脂層E/樹脂層F/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを5枚作製した。
(比較例2)
実施例1と同様にして、フロートガラス/樹脂層F/樹脂層F/フロートガラスの構成を有する合わせガラスを5枚作製した。
4.評価
4−1.アクリル重合体の重量平均分子量Mw
乾燥後の樹脂粒子をテトラヒドロフラン(THF)に溶解して固形分濃度0.1質量%の試料液を調製した。この試料液を用いて、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:THF、カラム:GelpackGL−A100M、ポリスチレン換算)により、アクリル重合体の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算値)を測定した。
4−2.樹脂層のメルトフローインデックス
アクリル重合体A〜E、及びPVB樹脂組成物のメルトフローインデックス(MFR)を、メルトトインデクサー(MELT INDEXER mi2.1 GOTTFERT社製)を用いて、125℃、2.16kgfの条件で測定した。アクリル重合体A〜EのMFRを、それぞれ樹脂層A〜EのMFRとみなした。
4−4.合わせガラスの端面観察
各合わせガラスの端面を観察したところ、実施例の合わせガラスでは、中間膜が2枚のフロートガラスの間からはみ出して、2枚のフロートガラスの端面の一部を覆うはみ出し部が形成されていることが確認された。比較例の合わせガラスでは、中間膜は2枚のフロートガラスの間の位置に留まっていた。
4−3.合わせガラスの衝撃耐性
合わせガラスから切り出した縦110mm、横110mm角の正方形状の評価用合わせガラスを、その4辺を保持する枠体に装着した。次いで、合わせガラスの中心から25mm以内の位置に向けて、質量約1040g、直径63.5mmの鋼球を5cmから100cmまで5cm刻みの高さから順次落下させ、合わせガラスが割れた時点の高さ(割れ高さ)を記録した。5枚の合わせガラスについて同様の試験を行い、得られた5個の割れ高さの値の平均値を求めた。この値が大きいほど衝撃耐性の高い合わせガラスといえる。
Figure 2019137573
Figure 2019137573
表1及び表2は評価結果を示す。1.0g/10分以上のMFRを示す高溶融流動性樹脂層を含む中間膜を有する実施例1〜4の合わせガラスは、低溶融流動性樹脂層のみから構成される中間膜を有する比較例1及び2の合わせガラスと比較して、高い衝撃耐性を示した。
1…合わせガラスの中間膜用フィルム材、2…樹脂層、3…合わせガラス、5…中間膜、5a…はみ出し部、11,12…基材、21,22…ガラス板、30…高溶融流動性樹脂層、41,42…低溶融流動性樹脂層。

Claims (5)

  1. 対向する2枚のガラス板と、これらの間に配置された中間膜と、を備え、
    前記中間膜が1層以上の高溶融流動性樹脂層を含み、前記高溶融流動性樹脂層が125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックスを示す層である、合わせガラス。
  2. 前記中間膜が、前記2枚のガラス板の間からはみ出して前記2枚のガラス板の端面を覆っている、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記中間膜が2層以上の低溶融流動性樹脂層を更に含み、前記低溶融流動性樹脂層が125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分未満のメルトフローインデックスを示す層であり、1層以上の前記高溶融流動性樹脂層が2層の前記低溶融流動性樹脂層の間に配置されている、請求項1又は2に記載の合わせガラス。
  4. 2枚のガラス板を、樹脂層を介在させながら貼り合せて、前記2枚のガラス板及び前記樹脂層を有する積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱及び加圧して、前記樹脂層を中間膜として有する合わせガラスを得る工程と、
    を備え、
    前記積層体が、前記樹脂層が前記2枚のガラス板の間からはみ出して前記2枚のガラス板の端面を覆うように、加熱及び加圧される、
    合わせガラスを製造する方法。
  5. 基材と、前記基材上に設けられた樹脂層と、を有し、
    前記樹脂層が1層以上の高溶融流動性樹脂層を含み、前記高溶融流動性樹脂層が125℃、2.16kgfの条件で測定される1.5g/10分以上のメルトフローインデックスを示す層である、合わせガラスの中間膜用フィルム材。
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