JP2019172529A - 合わせガラス用樹脂組成物及びそれを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材 - Google Patents

合わせガラス用樹脂組成物及びそれを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材 Download PDF

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直己 高原
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遼 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】衝撃時の剥離を防止しながら、高い耐チッピング性を有する合わせガラスを与えることができる合わせガラス用樹脂組成物及び合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材を提供する。【解決手段】対向する2枚のガラスの間に設けられる合わせガラス用中間膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物が、(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方に由来する構造単位を含む(メタ)アクリル共重合体からなる合わせガラス用樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、対向する2枚のガラスの間に設けられる合わせガラス用中間膜を形成するために用いられる合わせガラス用樹脂組成物及びそれを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材に関する。
従来、自動車のような車輌、航空機、建築物等用のガラスとして、破損時の飛散が少なく(飛散防止性に優れ)、また飛翔物が貫通しにくい(耐貫通性に優れる)合わせガラスが広く用いられている。合わせガラスは、一般に、2枚のガラス板の間に挟まれた中間膜を有する。合わせガラス用中間膜としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、アイオノマ樹脂、アクリル樹脂等を含む樹脂層が用いられる(例えば、特許文献1〜5)。
特開2016−193542号公報 特開2009−298046号公報 特開2015−151540号公報 特公昭62−028105号公報 特開2000−001345号公報
近年、走行時の飛び石などの飛散物の衝突に対する耐性、すなわち耐チッピング性に優れた合わせガラスが求められている。合わせガラスの耐チッピング性は、使用するガラスを厚くすることで向上できるが、合わせガラスの重量が増加することから好ましくない。他方、耐チッピング性は強化ガラス等のように強度の高いガラス使用することでも向上させることができるが、強化ガラスは破損時に小さな小片状の傷がガラス全面に広がるため、運転者の視界を著しく悪化させることから好ましくない。
また、従来材料であるポリビニルアセタール樹脂やアイオノマ樹脂を含む中間膜を用いた合わせガラスは耐チッピング性に劣ることが本発明者らの検討の結果明らかとなった。
本発明の目的は、衝撃時の剥離を防止しながら、高い耐チッピング性を有する合わせガラスを与えることができる合わせガラス用樹脂組成物及び合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材を提供することにある。
本発明は、[1] 対向する2枚のガラスの間に設けられる合わせガラス用中間膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物が、(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方に由来する構造単位を含む(メタ)アクリル共重合体からなる合わせガラス用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2] 前記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量が、50,000〜200,000である上記[1]に記載の合わせガラス用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[3] 前記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度が、50〜120℃である、上記[1]又は[2]に記載の合わせガラス用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[4] 前記(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位を形成するために用いられる単量体成分が、前記(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体成分の全量を基準として、25〜75質量%である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[5] 前記(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位を形成するために用いられる単量体成分が、前記(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体成分の全量を基準として、10〜70質量%である、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、[6] 上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物から形成される樹脂層を含む、合わせガラス用中間膜に関する。
また、本発明は、[7] 前記樹脂層の溶融粘度が、120℃において15,000 Pa・s以下であり、且つ、厚さが10〜1000μmである、上記[6]に記載の合わせガラス用中間膜に関する。
また、本発明は、[8] 前記樹脂層のヘーズが5%以下である、上記[6]又は[7]に記載の合わせガラス用中間膜に関する。
そして、本発明は、[9] 支持フィルムと、前記支持フィルム上に設けられた、上記[6]〜[8]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜と、を備える、合わせガラス中間膜用フィルム材に関する。前記合わせガラス中間膜用フィルム材は、支持フィルム/合わせガラス用中間膜/保護フィルムの3層構造でもよい。
本発明によれば、衝撃時の剥離を防止すると共に高い耐チッピング性を有する合わせガラスを与えることができる合わせガラス用樹脂組成物と、これを用いた合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材を提供することができる。
合わせガラスの一実施形態を示す断面図である。 本明細書中における合わせガラスの飛び石耐性(耐チッピング性)の評価装置の概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、「アクリロイル」又はそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「合わせガラス用中間膜」の語句は、「合わせガラス中間膜」、「ガラス用中間膜」、「ガラス中間膜」、「中間膜」ともいう。
図1は、合わせガラスの一実施形態を示す断面図である。図1に示す合わせガラスは、対向する2枚のガラス板と、ガラス板の間に配置された合わせガラス用中間膜とを備える。合わせガラス用中間膜は、(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方に由来する構造単位を含む(メタ)アクリル共重合体からなる合わせガラス用樹脂組成物から形成される。本発明で用いる前記(メタ)アクリル共重合体は、具体的には、(A)アルキル(メタ)アクリレート、(B)メチルメタクリレート、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方を含む、単量体成分の共重合体である。
合わせガラス及び合わせガラス用中間膜は、図1の態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。合わせガラス用中間膜は、(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方に由来する構造単位を含む(メタ)アクリル共重合体からなる合わせガラス用樹脂組成物から形成される膜(層)を単層で用いてもよく、2層以上積層してもよい。また、ポリビニルアセタール樹脂やアイオノマ樹脂等の他の樹脂種からなる膜と積層してもよい。
また、本発明の合わせガラス用中間膜は図1の態様に限定されるものではなく、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、液晶等の画像表示装置に使用される画像表示部材、画像表示部材の保護材としても用いることが可能である。
(メタ)アクリル共重合体は、(メタ)アクリロイル基(CH=C(R)C(=O)−、Rは水素原子又はメチル基である。)を分子内に1つ有する単量体((メタ)アクリレート化合物等)を単独で重合して形成される単独重合体、又は、当該単量体を2種以上組み合わせて共重合して形成される共重合体であるが、本発明で用いる(メタ)アクリル共重合体は、少なくとも(A)、(B)、(C)に由来する構造単位を含む。
(メタ)アクリル共重合体には、(A)、(B)、(C)に由来する構造単位以外の構造単位を含んでもよい。(A)、(B)、(C)に由来する構造単位以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレート、芳香環を有する(メタ)アクリレート、脂環式基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド誘導体、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分のアルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)は、アルキル基と1つの(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートは、ガラスへの貼合性に優れる観点から、好ましくは炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはn−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、又はn−オクチル(メタ)アクリレート、更に好ましくはn−ブチル(メタ)アクリレート又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。メタクリル酸メチル((B)メチルメタクリレート)との共重合によりガラス転移温度(Tg)を調整する観点から、好ましくは、n−ブチルメタクリレート又は2−エチルヘキシルメタクリレートを用いることが好ましい。
本発明の実施形態に関わる(メタ)アクリル共重合体は、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位を含む。(メタ)アクリル共重合体が、メチルメタクリレートに由来する構造単位を含むことにより、本発明の効果を得ることができる。
メチルメタクリレートの単量体単位は、前記(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体成分の全量を基準として、10〜70質量%で、より好ましくは20〜60質量%である。メチルメタクリレートの単量体単位がこのような範囲にあると、耐チッピング性に優れる傾向にある。
(C)成分となることができる少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、水酸基と1つの(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートで、より好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
(C)成分となることができる少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートは、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸である。
(A)、(B)、(C)に由来する構造単位以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物のアルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香環を有する(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
脂環式基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
本発明で用いる(メタ)アクリル共重合体は、成分の全単量体単位100質量部に対して炭素数1〜18のアルキル基を有する(A)アルキル(メタ)アクリレートに由来する単量体単位25〜75質量%、(B)メチルメタクリレートに由来する単量体単位10〜70質量%、水酸基を有する(C)(メタ)アクリレートに由来する単量体単位又はカルボキシル基を有する(C)(メタ)アクリレートに由来する単量体単位5〜30質量%、を含むことが好ましい。
炭素数1〜18のアルキル基を有する(A)アルキル(メタ)アクリレートに由来する単量体単位は全単量体単位100質量部に対して、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは30〜75質量%である。炭素数1〜18のアルキル基を有する(A)アルキル(メタ)アクリレートに由来する単量体単位がこのような範囲にあると、フィルム材としての強度が高くなり、ハンドリング性に優れる傾向にある。
(B)メチルメタクリレートに由来する単量体単位は全単量体単位100質量部に対して、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%である。炭素数1〜18のアルキル基を有する(A)アルキル(メタ)アクリレートに由来する単量体単位がこのような範囲にあると、合わせガラスとしたときに高い耐チッピング性を有する傾向にある。
水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する単量体単位又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートに由来する単量体単位の含有量は、全単量体単位100質量部に対して、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%である。水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する単量体単位又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートに由来する単量体単位の含有量がこのような範囲にあると、合わせガラス用中間膜とガラスとの密着性をより向上させることができる傾向にある。
(メタ)アクリル共重合体は、本発明の奏する効果を著しく損なわない範囲であれば、上記の(A)、(B)、(C)に由来する構造単位以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物と同様に、(メタ)アクリロイル化合物に由来する単量体単位以外のその他の単量体に由来する単量体単位をさらに含んでいてもよい。その他の単量体としては、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜300,000であり、好ましくは50,000〜200,000、より好ましくは70,000〜150,000である。(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)が30,000以上であると、フィルムの成形性が良くなり、さらに耐熱性が得られ易い傾向にある。(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)が300,000以下であると、フィルム材を形成するに際して、均一な厚みを有する合わせガラス用中間膜が得られ易い傾向にある。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値から求めることができる。
(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、0〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜100℃が更に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であると、タックが強くなり過ぎることを抑制し、取り扱い性が低下してしまうことを防止できる傾向にある。ガラス転移温度(Tg)が150℃以下であると、加熱時の流動性があることで合わせガラスの作製が容易となる。また、ガラス転移温度(Tg)が100℃以下で60℃以上であると、適度な硬さを持ち、耐チッピング性に優れると共に加工性に優れる傾向にある。ここで本明細書中における、ガラス転移温度(Tg)は、DMA(動的粘弾性測定装置)(例えば、TAインスツルメント・ジャパン株式会社製、「RSA−G2」)を用いて測定した値を意味する。
本発明で用いる(A)、(B)、(C)成分を含む(メタ)アクリル共重合体は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いて合成することができるが、コストの面で懸濁重合もしくは分子量制御の面から有機溶剤を用いて溶液重合によって合成することが好ましい。
有機溶剤は、特に制限されないが、各単量体を溶解させることができるものが好ましい。このような有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。これらの中でも、有機溶剤は、(メタ)アクリル共重合体の分子量制御の観点から、好ましくは酢酸エチル、メチルエチルケトンである。
(メタ)アクリル共重合体を合成する際の重合開始剤として、熱によってラジカルを発生する化合物を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
合わせガラス用樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分からの共重合体以外の成分をその他の成分として含有していてもよい。その他の成分としてはガラスに対する合わせガラス用樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤、界面活性剤、無機フィラー、可塑剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の例としてはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランが挙げられる。
界面活性剤の例としてはポリジメチルシロキサン系化合物、及びフッ素系化合物が挙げられる。
これらの添加剤は、単独で用いてもよく、複数の添加剤を組み合わせて用いてもよい。これらの添加剤を用いる場合、その含有量は、本発明の合わせガラス用樹脂組成物の全量に対して0.01〜5質量%程度が好ましい。
無機フィラーの例としては、破砕シリカ、溶融シリカ、マイカ、粘土鉱物、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物が挙げられる。無機フィラーの含有量は、合わせガラス用樹脂組成物100質量部に対し、0.01〜100質量部が好ましい。
本実施形態に係る合わせガラス用中間膜は、例えば、合わせガラス用樹脂組成物を支持フィルム上に塗布することにより容易に製造することができる。また、合わせガラス用樹脂組成物が有機溶剤で希釈されている場合、該合わせガラス用樹脂組成物を支持フィルム上に塗布し、有機溶剤を加熱乾燥により除去することにより製造することができる。
合わせガラス用樹脂組成物を支持フィルムに塗布する方法は、公知の技術を使用することができる。例えば、合わせガラス用樹脂組成物を2−ブタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤で希釈し、ワニスを調製する。次いで、ワニスを、支持フィルム(重合体フィルム)等の基材上にフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法等によって塗工する。その後、塗工されたワニスから溶剤を乾燥することによって、任意の膜厚を有する合わせガラス用中間膜を形成することができる。
ワニスの固形分濃度は、塗工性の観点から、20〜70質量%又は30〜60質量%が好ましい。また、同様の観点から、ワニスの粘度(25℃)は、1〜30Pa・sが好ましく、5〜25Pa・sがより好ましく、5〜15Pa・sが更に好ましい。
支持フィルム上に設けられた合わせガラス用中間膜は、必要に応じて保護フィルムを貼り付けることができる。この場合、支持フィルム、合わせガラス用中間膜及び保護フィルムからなる3層構造を有する合わせガラス中間膜用フィルム材を得ることができる。本発明では、前記3層構造に加え、支持フィルムと合わせガラス用中間膜の2層構造も合わせガラス中間膜用フィルム材としている。
このようにして得られた合わせガラス用中間膜は、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。また、ロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
上述の支持フィルムとしては、特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドであることが好ましい。また、合わせガラス用中間膜との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、フッ素系化合物などにより離型処理が施されたフィルムを支持フィルムとして用いることが好ましい。
支持フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、3〜250μmであることが好ましい。3μm以上であれば、フィルム強度が十分であり、250μm以下であれば、十分な柔軟性が得られる。このような観点から、支持フィルムの厚みは、5〜200μmであることがより好ましく、7〜150μmであることが更に好ましい。
上述の保護フィルムとしては、特に制限はないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましい。また、合わせガラス用中間膜との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、フッ素系化合物などにより離型処理が施されたフィルムを保護フィルムとして用いることが好ましい。
保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜設定することができるが、10〜250μmであることが好ましい。10μm以上であれば、フィルム強度が十分であり、250μm以下であれば、十分な柔軟性が得られる。このような観点から、保護フィルムの厚みは、15〜200μmであることがより好ましく、20〜150μmであることが更に好ましい。
本実施形態の合わせガラス用中間膜の厚みについては、特に限定されないが、10〜1000μmであることが好ましい。10μm以上であれば、厚みが十分であるため合わせガラス用中間膜又は合わせガラス用中間膜の硬化物の強度が十分になる傾向にあり、1000μm以下であれば、得られた合わせガラス用中間膜の加工性が容易となる傾向にある。このような観点から、合わせガラス用中間膜の厚みは、50〜900μmであることがより好ましく、100〜800μmであることが更に好ましい。
本実施形態の合わせガラス用中間膜の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
本実施形態の合わせガラス用中間膜のヘーズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。なお、ヘーズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Ttと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tdより、(Td/Tt)×100として求められる。これらはJIS K 7136(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)により規定されており、市販の濁度計(例えば、日本電色工業株式会社製、商品名「NDH−5000」)によって容易に測定可能である。
また、本実施形態に係る合わせガラス用中間膜は、押出成形のような溶融成形によって成膜することによっても、形成することができる。
本実施形態に係る合わせガラス用中間膜は、190℃、2.16kgにおけるMFR(MeltFlow Rate)が0.05〜100g/10minであることが好ましい。また、合わせガラス用中間膜の溶融粘度は、120℃において15,000Pa・s以下であることが好ましい。
本実施形態に係る合わせガラス用中間膜は、合わせガラスの反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層、耐貫通層等の機能性を有する機能層、透明保護板などを組み合わせて貼り合わせるために使用してもよい。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよい。反射防止層は、透明なプラスチックフィルム等の透明基材に既知の反射防止方法で処理された層であってもよい。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのものである。
色素層は、色純度を高めるための層である。色素層は、合わせガラスで透過する不要な波長の光を低減するために使用される。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために設けられる。ハードコート層としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂、又はエポキシ樹脂の膜であってもよい。ハードコート層が、ガラス板、アクリル樹脂層、ポリカーボネート樹脂層のような透明保護板と該透明保護板上に積層されたハードコート層を使用してもよい。
耐貫通層は、飛来物が合わせガラスの表面を貫通しないようにするために設けられる。上記耐貫通層は、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のポリビニルアセタール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマ樹脂により形成することができる。
合わせガラスは、例えば、2枚のガラス板とこれらの間に配置された合わせガラス用中間膜とを有する積層体を形成させる工程と、積層体を加熱及び加圧して合わせガラスを形成させる工程とを含む方法により、製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
<(メタ)アクリル共重合体の合成>
(実施例1)
(A)成分のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位(単量体)として、n−ブチルメタクリレート(BMA)を26.25g、(B)成分のメチルメタクリレートに由来する構造単位としてメタクリル酸メチル(MMA)を52.5g、(C)成分の少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位としてヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を8.75g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.39g、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)162.5gを混合して混合物を得た。
冷却管、温度計、攪拌装置、及び窒素導入管を付けた反応容器に上記混合物を加え、200mL/分の流量で窒素雰囲気化しながら、攪拌回転数250回転/分(rpm)で、70℃で7時間、80℃で1時間30分攪拌し、(メタ)アクリル単量体を重合させることによって樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は2500mLのメタノールを用いて再沈殿処理を行い、乾燥工程を経て実施例1の(メタ)アクリル共重合体(アクリル樹脂A)を得た。実施例1のアクリル樹脂Aの重量平均分子量は82000であった。
重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定し、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H,PStQuick B[東ソー株式会社製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)(東ソー株式会社製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H(東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
<合わせガラス用中間膜及び合わせガラス中間膜用フィルム材の作製>
得られたアクリル樹脂Aをメチルエチルケトンに固形分濃度が40質量%となるように溶解させ、アクリル樹脂Aのワニスを調製した。支持フィルムとして離型処理が表面に施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(重剥離セパレータ)上に、アクリル樹脂Aのワニスを滴下し、乾燥後の厚みが100μm(0.1mm)となるようにバーコータを用いてワニスを塗工し、80℃で30分加熱乾燥した。その後、塗工されたアクリル樹脂A上に、保護フィルム(カバーフィルム)として、離型処理が表面に施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(軽剥離セパレータ)を配置し、荷重9.8N(1.0kgf)でハンドローラーを用いて貼り付け、実施例1の3層構造(支持フィルム/アクリル樹脂Aからなる合わせガラス用中間膜/保護フィルム)の合わせガラス中間膜用フィルム材(基材層付きアクリル樹脂フィルム)を得た。
前述のアクリル樹脂Aからなる合わせガラス用中間膜を用いて、実施例1のヘーズを日本電色工業株式会社製、NDH−5000で測定した。実施例1のアクリル樹脂Aからなる合わせガラス用中間膜(樹脂層)のヘーズは0.6%であった。
上記で得られたアクリル樹脂Aからなる合わせガラス用中間膜を用いて、実施例1の合わせガラス用中間膜(アクリル樹脂A((メタ)アクリル共重合体))のガラス転移温度(Tg)を以下のとおり測定した。
ガラス転移温度(Tg)の測定は、動的粘弾性測定器(RSA−G2、TAインスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて行った。実施例1の3層の合わせガラス中間膜用フィルム材を5mm×50mmのサイズに切り出し、支持フィルム(重剥離セパレータ)及び保護フィルム(軽剥離セパレータ)を剥離して、合わせガラス用中間膜をガラス転移温度(Tg)測定用サンプルとした。測定長さが2mmとなるように、サンプルを動的粘弾性測定器(RSA−G2)にセットし、温度範囲−50〜120℃、周波数10Hz、及びひずみ量0.1%の条件下、引張測定モードで測定を行った。次に、得られた測定結果から、tanδが最大値を示す温度をガラス転移温度(Tg)とした。実施例1の合わせガラス用中間膜のガラス転移温度(Tg)は98℃であった。
<合わせガラスの作製>
縦110mm、横110mmに裁断した3層の合わせガラス中間膜用フィルム材を4枚準備した後、合わせガラス中間膜用フィルム材の保護フィルム(軽剥離セパレータ)を剥離し合わせガラス用中間膜(樹脂層)を露出させた。2枚の合わせガラス用中間膜(樹脂層)の露出面同士を4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。この操作により厚み200μmの合わせガラス用中間膜を2組得た。次いで、2組の合わせガラス用中間膜について、片面の支持フィルム(重剥離セパレータ)を剥離し合わせガラス用中間膜(樹脂層)を露出させた後、樹脂層の露出面同士を4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。この操作により厚み400μmの合わせガラス用中間膜(合わせガラス中間膜用フィルム材)を得た。得られた合わせガラス中間膜用フィルム材の片面の支持フィルム(重剥離セパレータ)を剥離し合わせガラス用中間膜(樹脂層)を露出させた後、縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラス(大阪硝子株式会社製)に4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した後、残りの支持フィルム(重剥離セパレータ)を剥離し樹脂層を露出させた。露出させた樹脂層上に、縦110mm、横110mm、厚み1.6mmのフロートガラスの4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。これにより、フロートガラス/樹脂層(合わせガラス用中間膜)/フロートガラスの積層体を得た。得られた積層体を170℃に設定した真空ラミネータを用いて25分間加熱し、続いて140℃に設定したオートクレーブを用いて、圧力115N/cm、120分間の条件で加熱及び加圧して、フロートガラス(2.7mm)/樹脂層/フロートガラス(1.6mm)の構成を有する合わせガラスを得た。同様の操作により、合わせガラスを5枚作製した。
(実施例2)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を43.75g、(B)成分のメタクリル酸メチル(MMA)を35g、(C)成分のヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を8.75g用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用樹脂組成物、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
実施例2の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は79000、ヘーズは0.6%、ガラス転移温度は94℃であった。
(実施例3)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を61.25g、(B)成分のメタクリル酸メチル(MMA)を17.5g、(C)成分のヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を8.75g用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用樹脂組成物、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
実施例3の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は82000、ヘーズは0.7%、ガラス転移温度は80℃であった。
(比較例1)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を78.75g、(C)成分のヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を8.75g用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用樹脂組成物、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
比較例1の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は84000、ヘーズは0.6%、ガラス転移温度は74℃であった。
(比較例2)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を45g、(B)成分のメタクリル酸メチル(MMA)を67.5g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.51g、溶媒としてメチルエチルケトン(MEK)137.5g用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用樹脂組成物、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
比較例2の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は78000、ヘーズは0.6%、ガラス転移温度は95℃であった。
(比較例3)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を67.5g、(B)成分のメタクリル酸メチル(MMA)を45g用いた以外は比較例2と同様にして、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
比較例3の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は79000、ヘーズは0.5%、ガラス転移温度は90℃であった。
(比較例4)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を90g、(B)成分のメタクリル酸メチル(MMA)を22.5g用いた以外は比較例2と同様にして、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
比較例4の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は81000、ヘーズは0.6%、ガラス転移温度は77℃であった。
(比較例5)
(A)成分のn−ブチルメタクリレート(BMA)を112.5g用いた以外は比較例2と同様にして、合わせガラス用中間膜、合わせガラス中間膜用フィルム材及び合わせガラスを得た。
比較例5の合わせガラス用樹脂組成物の重量平均分子量は81000、ヘーズは0.6%、ガラス転移温度は67℃であった。
(参考例1)
1.ポリビニルブチラールからなる樹脂Aの作製
赤外吸収スペクトルを測定したときに得られる水酸基に対応するピークの半値幅が245cm−1であるポリビニルブチラール(PVB)樹脂(アセタール化度68.0モル%、ビニルアセテート成分の割合0.6モル%)100質量部と、可塑剤としてのトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38質量部とを混合した。混合物をミキシングロールで充分に溶融混練して、樹脂Aを得た。
2.ポリビニルブチラールからなる樹脂A層の作製
樹脂Aをプレス成形機で150℃、30分間の条件でプレス成形して、厚さ0.4mmの樹脂A層を得た。
3.合わせガラスの作製
樹脂A層を縦110mm、横110mmに裁断した後、縦110mm、横110mm、厚み1.1mmのフロートガラスに4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。露出している樹脂A層側の上に、縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスの4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。これにより、フロートガラス/PVBからなる樹脂A層/フロートガラスの積層体を得た。得られた積層体を125℃に設定した真空ラミネータを用いて25分間加熱し、続いて140℃に設定したオートクレーブを用いて、圧力115N/cm、120分間の条件で加熱及び加圧して、フロートガラス(2.7mm)/PVBからなる樹脂A層/フロートガラス(1.6mm)の構成を有する合わせガラスを得た。同様の操作により、合わせガラスを5枚作製した。
(参考例2)
1.アイオノマ樹脂層の作製
アイオノマ樹脂(エチレン−メタクリル酸共重合体と亜鉛イオンとから形成されたアイオノマ樹脂)、東レ・デュポンポリケミカル株式会社製、ハイミラン1705、以下「樹脂B」ということがある)を、ダイス付きプラストミルを用い、以下の条件により押出成形して、アイオノマ樹脂層としての樹脂フィルムを形成させた。冷却ロール及び引取ロールの速度を4.6m/分として厚さ50μmのアイオノマ樹脂層を作製してから、冷却ロール及び引取ロールの速度を2.0m/分として厚さ0.4mmのアイオノマ樹脂層を作製した。
・スクリュー回転数:50回転/分(rpm)
・トルク圧:45N・m
・3つのゾーンの混錬温度:150℃、170℃及び190℃
・ダイス温度:190℃
・ダイスギャップ:0.6mm
・冷却ロール、引取ロールの速度:2.0m/分
2.合わせガラスの作製
アイオノマ樹脂層(樹脂B)を縦110mm、横110mmに裁断した後、縦110mm、横110mm、厚み1.1mmのフロートガラスに4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。露出している樹脂層側の上に、縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスの4辺が重なるように貼り付け、全体を上からローラーで加圧した。これにより、フロートガラス/アイオノマ樹脂層(樹脂B)/フロートガラスの積層体を得た。得られた積層体を125℃に設定した真空ラミネータを用いて25分間加熱し、続いて140℃に設定したオートクレーブを用いて、圧力115N/cm、120分間の条件で加熱及び加圧して、フロートガラス(2.7mm)/アイオノマ樹脂層(樹脂B)/フロートガラス(1.6mm)の構成を有する合わせガラスを得た。同様の操作により、合わせガラスを5枚作製した。
<合わせガラスの飛び石耐性(耐チッピング性)の評価>
図2に示す装置にて飛び石耐性(耐チッピング性)の評価を行った。
実施例1〜3及び比較例1〜5、参考例1及び参考例2で作製した合わせガラスの2.7mm側の面の4辺に、端部から5.0mm以内の範囲で両面粘着テープを貼り付けた後、厚み10.0mmのフロートガラスに固定した。次いで、合わせガラスの1.6mm側の面に重さ0.15±0.06gの玄武岩砕石(玄武岩砕石7号、目開き5.6mmのふるいを通過し、目開き4.75mmのふるいを通過しないものを選定)1個をエアガンにて合わせガラスへの衝突速度200km/h、衝突入射角度0度で衝突させた。なお、この際、エアガンの発射口から合わせガラスまでの距離は60mmとした。衝突部を観察し、衝突痕から長さ0.5mm以上の線状の傷(クラック)の有無を確認した。2回目以降は、同合わせガラスの同面内における衝突痕及びクラックの無い部分に対して、1回目と同様の試験を行った。この操作を、1枚の合わせガラスに対して20回実施し、下式(1)でNG率を算出した。

NG率(%)=クラック発生数×100/20 式(1)

同様の操作を5枚の合わせガラスに実施し、NG率の平均値を算出した後、下記の判定基準で合わせガラスの飛び石耐性とした。なお、合わせガラスの飛び石耐性はAが最も優れ、Dが最も劣ることを示す。
A : NG率の平均値が20.0%未満
B : NG率の平均値が20.0%以上、25.0%未満
C : NG率の平均値が25.0%以上、30.0%未満
D : NG率の平均値が30.0%以上
<合わせガラスの耐剥離性の評価>
上記飛び石耐性の評価時にクラックが発生した部位におけるガラスと合わせガラス用中間膜間での剥離の発生有無を目視にて確認し、下式(2)にて剥離率を算出した。

剥離率(%)=剥離発生数×100/クラック発生数 式(2)

下記の判定基準で合わせガラスの耐剥離性とした。
○ : 剥離率が10.0%未満
× : 剥離率が10.0%以上
表1に合わせガラス用樹脂組成物とその特性及び、耐チッピング性と耐剥離性の評価結果をまとめて示した。
実施例1〜3の合わせガラスは、比較例1〜5及び参考例1〜2に記載の合わせガラスと比較して、飛び石に対する耐性及び耐剥離性に優れる。この評価結果から、本発明の合わせガラス用樹脂組成物及び合わせガラス用中間膜は、耐剥離性を担保しつつ合わせガラスの飛び石に対する耐性を向上させることが示唆された。

Claims (9)

  1. 対向する2枚のガラスの間に設けられる合わせガラス用中間膜を形成するために用いられる樹脂組成物であって、前記樹脂組成物が、(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位、(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位、(C)少なくとも1分子中に1つ以上の水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は少なくとも1分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートの少なくともいずれか一方に由来する構造単位を含む(メタ)アクリル共重合体からなる合わせガラス用樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量が、50,000〜200,000である請求項1に記載の合わせガラス用樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度が、50〜120℃である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用樹脂組成物。
  4. 前記(A)アルキル(メタ)アクリレート(但し、メチルメタクリレートを除く)に由来する構造単位を形成するために用いられる単量体成分が、前記(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体成分の全量を基準として、25〜75質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物。
  5. 前記(B)メチルメタクリレートに由来する構造単位を形成するために用いられる単量体成分が、前記(メタ)アクリル共重合体を構成する単量体成分の全量を基準として、10〜70質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の合わせガラス用樹脂組成物から形成される樹脂層を含む、合わせガラス用中間膜。
  7. 前記樹脂層の溶融粘度が、120℃において15,000Pa・s以下であり、且つ、厚さが10〜1000μmである、請求項6に記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 前記樹脂層のヘーズが5%以下である、請求項6又は7に記載の合わせガラス用中間膜。
  9. 支持フィルムと、前記支持フィルム上に設けられた、請求項6〜8のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜と、を備える、合わせガラス中間膜用フィルム材。
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