JP2019011222A - 合わせガラス、合わせガラスの中間膜用フィルム材及び合わせガラスの製造方法 - Google Patents

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裕紀子 井上
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圭一郎 西村
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栄作 石川
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直己 高原
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広喜 葛岡
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Ryo Takahashi
遼 高橋
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明弘 吉田
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Abstract

【課題】外部から加えられた衝撃に対して防割性に優れる合わせガラスを提供すること。【解決手段】対向する2枚の被着体と、2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備え、中間膜が複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である、合わせガラス。【選択図】図1

Description

本発明は、合わせガラス、合わせガラスの中間膜用フィルム材及び合わせガラスの製造方法に関する。
現在、自動車のような車輌の窓、サンルーフ、内装パネル等のガラスとしては、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、合わせガラスが広く用いられている。合わせガラスは、電車、航空機、建設機械、建築物等の窓にも用いられている。
合わせガラスの一例として、少なくとも一対のガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂層のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるものが挙げられる(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭62−100463号公報 特開2005−206445号公報 国際公開第2012/091117号
従来の合わせガラスの多くは、同等の厚みのガラスに比べて同等程度の防割性を有しているが、外部から加えられた衝撃に対して、より割れ難く、防割性の高い合わせガラスが求められている。
本発明は、外部から加えられた衝撃に対して防割性に優れる合わせガラスを提供することを目的とする。また、本発明は、このような合わせガラスを作製することが可能な、合わせガラスの中間膜用フィルム材及び該フィルム材を用いた合わせガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、対向する2枚の被着体と、2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備え、中間膜が複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である、合わせガラスを提供する。
上記樹脂組成物は、熱架橋剤を更に含んでいてもよい。
本発明はまた、対向する2枚の被着体と2枚の被着体の間に挟まれた中間膜とを備える合わせガラスの中間膜を形成するために用いられる樹脂層を備える、合わせガラスの中間膜用フィルム材を提供する。上記樹脂層は複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である。
上記中間膜用フィルム材は、更に基材を備えていてもよい。この場合、樹脂層は基材上に設けられている。
本発明はさらに、対向する2枚の被着体と、2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備える合わせガラスの製造方法であって、樹脂層を介して、2枚の被着体を貼り合わせて積層体を得る工程と、積層体を、加熱及び加圧して、樹脂層を中間膜として備える合わせガラスを得る工程と、を含む、合わせガラスの製造方法を提供する。上記樹脂層は複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である。
本発明によれば、外部から加えられた衝撃に対して、防割性に優れる合わせガラスを提供することができる。また、本発明によれば、このような合わせガラスを作製することが可能な、合わせガラスの中間膜用フィルム材及び該フィルム材を用いた合わせガラスの製造方法を提供することができる。
合わせガラスの一実施形態を示す模式断面図である。 合わせガラスの中間膜用フィルム材の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明をするが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」の少なくとも一方を意味する。(メタ)アクリロイル等の他の類似表現についても同様である。
<合わせガラス>
本実施形態に係る合わせガラスは、対向する2枚の被着体と、2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備える。中間膜は複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、後述する樹脂組成物から形成された層である。2枚の被着体のうち少なくとも一方は、ガラス板である。
このような合わせガラスを用いることにより、剛球等の衝突による衝撃が加わった場合であっても中間膜が衝撃によるエネルギーを散逸させることができるため、合わせガラスの高い防割性を発現することができる。
また上記のほか、このような合わせガラスは、耐チッピング性に優れるため、合わせガラスを自動車等の車輌の窓に用いた場合、走行時の飛び石等の飛散物の衝撃に対し、クラックの発生を抑制することができる。
2枚の被着体のうち少なくとも一方はガラス板であるが、ガラス板としては、例えば、フロートガラス、風冷強化ガラス、化学強化ガラス及び複層ガラスのような無機ガラス板が挙げられる。2枚の被着体(ガラス板)のうち一方又は両方が、樹脂製の透明基板であってもよい。透明基板としては、例えば、アクリル樹脂基板、ポリカーボネート基板、シクロオレフィンポリマー基板、ポリエステル基板等の透明プラスチック基板が挙げられる。
被着体の厚みは、例えば、0.1〜50mm、0.5〜30mm、1〜20mm、又は2〜10mmであってもよい。
複数の層からなる中間膜は、2層以上の層を積層させて得られる構造であればよく、例えば、3層以上、4層以上、5層以上又は6層以上の層を積層させて得られる構造であってもよい。一方、層の数の上限は特に制限がなく、例えば、10層以下、8層以下又は7層以下であってよい。
複数の層からなる中間膜は、例えば、複数の層の全てが後述する樹脂組成物から形成された層であってもよく、後述する樹脂組成物から形成された層及びそれ以外の層を備えていてもよい。後述する樹脂組成物から形成された層以外の層に含まれる樹脂は特に制限がなく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂、エチルビニルアルコール樹脂、アイオノマーなどが挙げられる。
複数の層からなる中間膜のうち、後述する樹脂組成物から形成された層の厚みは特に制限がないが、耐衝撃性及び視認性をより優れたものとする観点から、75〜1200μmであることが好ましい。また、それ以外の層の厚みも特に制限がないが、同様の観点から、100〜1000μmであることが好ましい。
複数の層からなる中間膜における、後述する樹脂組成物から形成された層の位置については、特に制限がないが、合わせガラスにおいて耐衝撃性をより向上させる観点から、被着体と接する位置に設けられることが好ましく、特に、衝撃が加えられる側の被着体に接する位置に設けられることがより好ましい。
例えば図1は、合わせガラスの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示されるように、本実施形態に係る合わせガラス1は、第1の層11、第2の層12及び第3の層13の3層からなる中間膜14と、該中間膜14を挟むように積層されたフロートガラス10及び15とを備えていてもよい。
本実施形態に係る上記中間膜は、合わせガラスに反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層、遮音層、遮熱層等の機能性を有する機能層を組み合わせて貼り合わせるために使用してもよい。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよい。反射防止層としては、透明なプラスチックフィルム等の透明基材に既知の反射防止方法で処理された層を用いることができる。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのものである。防汚層としては、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂等で構成される既知の層を用いることができる。
色素層は、色純度を高めるために使用されるものであり、合わせガラスで透過する不要な波長の光を低減するために使用される。色素層は、不要な波長の光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層して得ることができる。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などをポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層したものを使用することができる。同様に表面硬度を高めるために、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護板に製膜又は積層したハードコート層を使用することもできる。
遮音層は、周波数100〜10000Hzの音が合わせガラスを透過する際、後損失係数(dB)を向上又は制御する機能を有しているものであればよく、既知のフィルム層を用いることができる。
遮熱層は、赤外線領域(波長780nm以上)の光線を吸収又は反射する機能を有しているものであればよく、既知のフィルム層を用いることができる。
このような機能層を有する合わせガラスとする場合、機能層は、ロールラミネート、真空貼合機又は枚葉貼合機を用いて積層することができる。
(樹脂組成物)
本実施形態に係る中間膜は、複数の層からなるものであるが、そのうちの少なくとも1層は、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成することができる。
(共重合体)
本実施形態に係る共重合体は、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体、すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物に基づく構造単位と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物に基づく構造単位を含んでいる。ただし、本明細書において、(メタ)アクリロイル化合物は、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物に該当するものは含まれないものとする。
(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、芳香環を有する(メタ)アクリレート、脂環式基を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。中でも、アルキル(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びn−オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、アルキルメタクリレートよりもアルキルアクリレートの方が好ましい。アルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキレングリコール鎖を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。また、これらのアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
芳香環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。脂環式基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド及びN−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
本実施形態に係る共重合体は、アルキル(メタ)アクリレートに基づく構造単位を含むことが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの重合割合は、共重合体の全質量に対して、50〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの重合割合がこのような範囲であると、中間膜と被着体との密着性を向上させることができるため、合わせガラスの防割性をより向上させることができる。このような共重合体は、アルキル(メタ)アクリレートを上記重合割合と同じ含有割合で含有するモノマーを重合させることで得ることができる。また、重合率は、実質的に100質量%に近づくようにすることがより好ましい。
本実施形態に係る共重合体は、水酸基を有する(メタ)アクリレートに基づく構造単位を含むことが好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートの重合割合は、共重合体の全質量に対して、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリレートの重合割合がこのような範囲であると、合わせガラスの防割性をより向上させることができるとともに、得られる中間膜の透明性を向上させることができる。なお、透明性は、ヘーズ(Haze)を指標として用いることができる。ヘーズとは、濁度を表す値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を投下した光の全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tより、(T/T)×100として求められる。これらはJIS K 7136により規定されており、市販の濁度計、例えば、日本電色工業株式会社製、製品名「NDH−5000」により容易に測定可能である。本実施形態に係る中間膜樹脂層のヘーズは、例えば5.0%以下である。
本実施形態に係る(メタ)アクリロイル化合物は、合わせガラスの透明性を向上する観点から、アルキル(メタ)アクリレートと、水酸基を有する(メタ)アクリレートとを含有することが好ましい。この場合、モノマーの合計量100質量部に対する、アルキル(メタ)アクリレートの含有量は、50〜90質量部であってよく、50〜85質量部であってよい。水酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、モノマーの合計量100質量部に対して、5〜30質量部であってよく、10〜30質量部であってよい。
(メタ)アクリロイル化合物は、(メタ)アクリロイル基と、モルホリノ基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アルキレングリコール基由来の基等の極性基と、を有する化合物を更に含有してもよい。極性基を有する(メタ)アクリレートを含有することで、中間膜と被着体との密着性が向上し易くなる。
エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ケイ皮酸エステル基、ビニル基、アリル基等の不飽和結合を有する基を有し、かつ、構成原子としてケイ素を有する化合物であれば、特に限定されない。本実施形態に係るケイ素化合物としては、シロキサン化合物又はシラン化合物であってもよく、例えば、下記式(a)、(b)又は(c)で表される化合物が挙げられる。ケイ素化合物は、式(a)、(b)又は(c)で表される化合物を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2019011222
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは1価の炭化水素基を示し、Lは酸素原子が介在してもよい2価の炭化水素基又は単結合を示し、mは1〜300の整数を示す。
Figure 2019011222
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、L及びLはそれぞれ独立に酸素原子が介在してもよい2価の炭化水素基又は単結合を示し、nは1〜300の整数を示す。
Figure 2019011222
式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、R、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基を示し、Lは酸素原子が介在してもよい2価の炭化水素基又は単結合を示す。
1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が挙げられる。2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基が挙げられる。
本実施形態に係る共重合体において、ケイ素化合物に基づくモノマー単位の共重合割合は、共重合体の全質量に対して、5〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。ケイ素化合物の共重合割合がこのような範囲であると、中間膜と被着体との密着性が向上し、強靭性が向上することで、合わせガラスの防割性がより一層向上する。
合わせガラスの防割性及び中間膜の透明性を更に向上する観点から、モノマー混合物は、アルキル(メタ)アクリレート50〜90質量部、水酸基を有する(メタ)アクリレート5〜30質量部及びエチレン性不飽和基を有するケイ素化合物5〜20質量部を含有してもよく、アルキル(メタ)アクリレート50〜85質量部、水酸基を有する(メタ)アクリレート10〜30質量部及びエチレン性不飽和基を有するケイ素化合物5〜20質量部を含有してもよい。
モノマー混合物は、本発明の奏する効果を損なわない範囲であれば、(メタ)アクリロイル基を2以上有する化合物、(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する化合物を含有してもよい。(メタ)アクリロイル基以外の重合性基を有する化合物としては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン及びジビニルベンゼンが挙げられる。
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値が、80000〜1000000であることが好ましく、100000〜900000であることがより好ましく、200000〜800000であることが更に好ましい。共重合体のMwが80000以上であると、被着体に対して密着性を有する中間膜が得易くなり、1000000以下であると、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、中間膜を形成する際の加工性が良好になる。
本実施形態に係る共重合体は、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いて合成することができる。
共重合体を合成する際の重合開始剤として、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。
(その他の添加剤)
樹脂組成物には必要に応じて、上記共重合体と共に、各種添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、例えば、樹脂組成物の凝集力を高めるために、架橋剤を用いてもよい。架橋剤の具体例としては、光架橋剤及び熱架橋剤が挙げられる。
光架橋剤としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基を有するアルキレンジオールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート;及びウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレートは、他の成分との相溶性が良好である観点から、ポリアルキレングリコール鎖を有していてもよく、透明性を確保する観点から、脂環式構造を有していてもよい。光架橋剤と、重合体との相溶性が低い場合、樹脂組成物から形成される中間膜が白濁する可能性がある。
高温又は高温高湿下における気泡及び剥がれの発生をより抑制できる観点から、光架橋剤の重量平均分子量は、100000以下であることが好ましく、300〜100000であることがより好ましく、500〜80000であることが更に好ましい。
光架橋剤を用いる場合の含有割合は、重合体の全質量に対して、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることが更に好ましい。このような範囲であると、充分な密着性を有する中間膜を得ることができる。光架橋剤の含有割合の下限については特に制限はないが、フィルム形成性を良好にする観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。
熱架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の熱架橋剤を用いることができる。熱架橋剤としては、中間膜中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能といった多官能の熱架橋剤がより好ましい。
反応性の観点から、熱架橋剤として、イソシアネート化合物が好ましく、ポリイソシアネート化合物がより好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、トチメチロールプロパン等のトリオール、ジオール又は単官能アルコールと、ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物である多官能性ヘキサメチレンジイソシアネート化合物が挙げられる。
熱架橋剤を用いる場合の含有割合は、重合体の全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。このような範囲であると、充分な密着性を有する中間膜を得ることができる。熱架橋剤の含有割合の下限については特に制限はないが、フィルム形成性を良好にする観点から、0.01質量%以上であることが好ましい。
共重合体又は架橋剤のいずれかが活性エネルギー線による硬化系である場合、光重合開始剤が必要となる。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により硬化反応を促進させるものである。活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
光重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、ベンゾフェノン化合物、アントラキノン化合物、ベンゾイル化合物、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の材料を使用することが可能である。
光重合開始剤として、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。これらの化合物は複数を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物を着色させない光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。
特に厚い中間膜を形成するためには、光重合開始剤は、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物を含んでもよい。
光重合開始剤の含有割合は、樹脂組成物の全質量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。光重合開始剤の含有割合を5質量%以下とすることで、透過率が高く、また色相も黄味を帯びることがなく、透明性に優れる中間膜を得ることができる。
樹脂組成物には、必要に応じて、架橋剤とは別の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加するパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、樹脂組成物を光硬化させて得られる中間膜の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する樹脂組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、被着体に対する樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
樹脂組成物には、無機充填剤を含有していてもよく、例えば、破砕シリカ、溶融シリカ、マイカ、粘土鉱物、ガラス短繊維又は微粉末、中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物等が挙げられる。無機充填剤の含有量は、固形分全量基準で、樹脂組成物100質量部に対し、0.01〜100質量部が好ましく、0.05〜50質量部がより好ましく、0.1〜30質量部が更に好ましい。無機充填剤の含有量が0.01〜100質量部であれば、充分な、低収縮性、機械強度の向上、低熱膨張率等が得られる。無機充填剤は、カップリング剤等の市販の表面処理剤による処理、三本ロール、ビーズミル、ナノマイザー等の分散機での処理などを行って、分散性を改善して用いてもよい。
<合わせガラスの製造方法>
上述した本実施形態に係る合わせガラスは、例えば、本実施形態に係る合わせガラスの中間膜用フィルム材(以下、単に「中間膜用フィルム材」ということがある)を用いて得ることができる。
本実施形態に係る中間膜用フィルム材は、対向する2枚の被着体と2枚の被着体の間に挟まれた中間膜とを備える合わせガラスの中間膜を形成するために用いられる樹脂層を備える。樹脂層は複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層である。中間膜用フィルム材は、更に基材を備えていてもよく、その場合、樹脂層は基材上に設けられている。
例えば図2は、本実施形態に係る中間膜用フィルム材の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る中間膜用フィルム材2は、第1の樹脂層21、第2の樹脂層22及び第3の樹脂層23の3層からなる樹脂層24と、該樹脂層24を挟むように積層された一方の基材20及び他方の基材25と、を備えていてもよい。
基材20としては、基材25よりも軽剥離性の基材を用いることが好ましい。基材20としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合もある)が好ましい。基材20の厚みは、作業性の観点から、25〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましく、40〜80μmであることが更に好ましい。
基材20の平面形状は、樹脂層24の平面形状よりも大きく、基材20の外縁は樹脂層24の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。基材20の外縁が樹脂層24の外縁よりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2〜20mmであることが好ましく、4〜10mmであることがより好ましい。樹脂層24及び基材20の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材20の外縁が樹脂層24の外縁よりも張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mmであることが好ましく、少なくとも1つの辺において4〜10mmであることがより好ましく、全ての辺において2〜20mmであることが更に好ましく、全ての辺において4〜10mmであることが特に好ましい。
基材25としては、基材20よりも重剥離性の基材を用いることが好ましい。基材25としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムが挙げられ、中でも、PETフィルムが好ましい。基材25の厚みは、作業性の観点から、50〜200μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましく、70〜130μmであることが更に好ましい。
基材25の平面形状は、樹脂層24の平面形状よりも大きく、基材25の外縁は樹脂層24の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。基材25の外縁が樹脂層24の外縁よりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2〜20mmであることが好ましく、4〜10mmであることがより好ましい。樹脂層24及び基材25の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材25の外縁が樹脂層24の外縁よりも張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mmであることが好ましく、少なくとも1つの辺において4〜10mmであることがより好ましく、全ての辺において2〜20mmであることが更に好ましく、全ての辺において4〜10mmであることが特に好ましい。
基材20と樹脂層24との間の剥離強度は、基材25と樹脂層24との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、基材25は基材20よりも樹脂層24から剥離し難くなる。剥離強度は、例えば、基材25及び基材20の表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で、基材を離型処理することが挙げられる。
第1の樹脂層21、第2の樹脂層22及び第3の樹脂層23を形成する方法としては、公知の技術を使用することができる。例えば、上記樹脂組成物から得られる樹脂層を形成する場合、まず、該樹脂組成物を2−ブタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等の揮発性溶剤で希釈して塗液を調製する。次いで、上記塗液を、基材25上に塗布し、溶剤を乾燥することにより除去して、任意の厚みを有する第3の樹脂層23を形成することができる。続いて、同様の操作を繰り返して、第2の樹脂層22及び第1の樹脂層21を順次形成することで樹脂層24を形成することができる。上記塗液の調製に際しては、各成分を配合した後に溶剤で希釈してもよく、各成分の配合前に予め溶剤で希釈しておいてもよい。塗布方法としては、例えば、フローコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、リップダイコート法等の公知の方法を用いることができる。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物から得られる樹脂層以外の樹脂層を形成する場合も、使用する樹脂に対して上記と同様の操作を行うことにより塗液を調製し、塗布すればよい。
基材25上に樹脂層24を形成した後、樹脂層24上に基材20を積層することで、本実施形態に係る中間膜用フィルム材2が作製される。樹脂層24は基材20及び基材25で挟まれる構成となる。樹脂層24と、基材20及び基材25との剥離性を制御するために、樹脂組成物に、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を含有させてもよい。
樹脂層24の厚みは、使用用途及び方法により適宜調整されるため特に限定されないが、10〜5000μm、25〜200μm、25〜180μm、又は、25〜150μmであってもよい。この範囲で使用した場合、外部から加えられた衝撃に対して、防割性により一層優れる合わせガラス用中間膜が得られる。
樹脂層24の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
樹脂層24のヘーズは、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが特に好ましい。樹脂層24のヘーズが10%以下であることにより、中間膜用フィルム材2及び合わせガラス1の製造工程で混入した環境異物等の外観欠陥が検出し易くなるとともに、合わせガラスとしての視認性を充分確保することができる。
本実施形態に係る中間膜用フィルム材2によれば、樹脂層24を傷つけることなく、保管及び運搬を容易にすることができる。
樹脂層24は、中間膜として、例えば、ガラス同士、ガラスと樹脂製の透明基板(又は透明フィルム)、又は、樹脂製の透明基板(又は透明フィルム)同士を貼り合わせることが可能である。
本実施形態に係る合わせガラスの製造方法は、例えば、上述した合わせガラスの中間膜用フィルム材が備える樹脂層を介して、2枚の被着体を貼り合わせて積層体を得る工程と、積層体における樹脂層を、50〜150℃及び真空条件で処理して中間膜を得る工程と、を含む。
より具体的には、まず、中間膜用フィルム材2における基材20を第1の樹脂層21から剥離して第1の樹脂層21の表面を露出させる。次いで、第1の層11となる第1の樹脂層21の表面を第1の被着体であるフロートガラス10に貼り付け、ローラー等で押し付けた後、基材25を第3の樹脂層23から剥離して表面を露出させる。続いて、第3の樹脂層23の表面を第2の被着体であるフロートガラス15に貼り付け、加熱及び加圧して、中間膜14を介してフロートガラス10及び15を貼り合わせた合わせガラス1が作製される。
樹脂層24を用いることにより、シワがなく容易に被着体同士を貼り合せることができる。また、上記ラミネート処理工程を、低温短時間で行うこともできる。樹脂層24を用いることにより、中間膜14が白化することなく、合わせガラス1の安定した透明性を維持することができる。
加熱及び加圧の条件は、特に制限はないが、巻き込み気泡をより除去できる観点から、真空条件下、温度が50〜150℃であってもよく、50〜70℃であってもよい。また、処理時間は、5〜60分間が好ましく、10〜30分間であることがより好ましい。
本実施形態に係る合わせガラスの製造方法により、外部から加えられた衝撃に対して、防割性に優れる合わせガラスを作製することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例で作製する共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC法に従って標準ポリスチレンによる検量線を使用し、下記のGPC測定装置及び測定条件を用いて測定した。
RI検出器:L−3350(株式会社日立製作所、製品名)
溶離液:THF
カラム:Gelpac GL−R420+R430+R440(日立化成株式会社、製品名)
カラム温度:40℃
流量:2.0mL/分
<共重合体の作製>
製造例1
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート85.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート10.0g、片末端メタクリロイル変性ポリシロキサン化合物(Mw12000)及び酢酸エチル145.0gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から65℃まで加熱した。その後、65℃に保ちながら、酢酸エチル5.0gにラウロイルパーオキシド0.1gを溶解した溶液を投入し、8時間反応させ、固形分濃度40%の共重合体A−1(Mw700000)の溶液を得た。
<合わせガラスの作製>
実施例1
製造例1で得られた共重合体A−1の溶液と、熱架橋剤としてポリイソシアネート化合物(東ソー株式会社、製品名「コロネートHL」)とを混合して、樹脂組成物の塗液を調製した。ポリイソシアネート化合物の量を、100質量部の共重合体A−1に対して0.2質量部とした。
次いで、表面に離型処理した厚み75μmのPETフィルム(重剥離セパレータ)に、上記樹脂組成物の塗液を乾燥後の厚みが100μmとなるようにバーコーターを用いて塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して、樹脂層を形成した。その後、樹脂層上に、離型処理した厚み75μmのPETフィルム(軽剥離セパレータ)を被せ、1.0kgfのハンドローラーにて貼り付け、フィルム材を作製した。
得られたフィルム材から軽剥離セパレータを剥離して樹脂層の表面を露出させた後、樹脂層の表面を縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスに貼り付け、ローラーで押し付けた。次いで、重剥離セパレータを樹脂層から剥離して樹脂層の表面を露出させ、露出した樹脂層の表面に厚み760μmのポリビニルブチラール樹脂のフィルム(積水化学株式会社製、以下「PVBフィルム」ということがある)を貼り付け、ローラーで押し付けた。続いて、真空積層機を用いて真空状態でPVBフィルムの表面を縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスに貼り付けて積層体を作製した。その後、積層体を、真空ラミネータを用いて温度120℃、真空条件で30分間保持することでラミネート処理を行い、共重合体A−1を含む層及びPVBフィルムからなる中間膜を備える合わせガラスを得た。
実施例2
実施例1と同様の操作を行い、フィルム材を作製した。その後、得られたフィルム材から軽剥離セパレータを剥離して樹脂層の表面を露出させた後、露出した樹脂層の表面に厚み380μmのPVBフィルム(積水化学株式会社製)を貼り付け、ローラーで押し付けた。次いで、重剥離セパレータを樹脂層から剥離して樹脂層の表面を露出させ、露出した樹脂層の表面に厚み380μmのPVBフィルムを貼り付け、ローラーで押し付けた。続いて、真空積層機を用いて両側のPVBフィルムの表面を縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスに貼り付けて積層体を作製した。その後、積層体を、真空ラミネータを用いて温度120℃、真空条件で30分間保持することでラミネート処理を行い、共重合体A−1を含む層及びこれを挟む2枚のPVBフィルムからなる中間膜を備える合わせガラスを得た。
比較例1
縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスを特に処理することなく使用した。
比較例2
真空積層機を用いて厚み760μmのPVBフィルムの両側に、縦110mm、横110mm、厚み2.7mmのフロートガラスに貼り付けて積層体を作製した。その後、積層体を、真空ラミネータを用いて温度120℃、真空条件で30分間保持することでラミネート処理を行い、単層のPVBフィルムを中間膜として備える合わせガラスを得た。
実施例1、2及び比較例2で得られた合わせガラス、並びに比較例1で得られたフロートガラスをサンプルとして、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
(耐衝撃試験)
作製した縦110mm、横110mm角のサンプル(周辺支持)の中心点から25mm以内の位置に質量約300g、直径41.7mmの鋼球を5cmの高さから5cm刻みで高さを変えて順次落下させ、ガラスが割れたときの高さを記録した。それぞれのサンプルを6枚試験し、その平均高さを算出した。ガラスが割れた高さの値が大きいほど防割性が高い。下記表1には、PVB樹脂を含む中間膜を有する比較例2の合わせガラスが割れた高さを基準として、それぞれの実施例及び比較例のサンプルが割れた高さについて、下式(1)にしたがって計算した値を、防割性比として算出した値を記載した。なお、実施例1で得られた合わせガラスについては、樹脂層に接しているフロートガラス側に鋼球を落下させた場合(試験1)と、PVBフィルムに接しているフロートガラス側に鋼球を落下させた場合(試験2)とでそれぞれ評価を行った。あわせて、ガラスが割れた際に鋼球がガラスを貫通しなかった場合を「A」、鋼球がガラスを貫通した場合を「B」と判定することで、各サンプルの耐貫通性を評価した。
Figure 2019011222
1…合わせガラス、10,15…フロートガラス、14…中間膜、2…中間膜用フィルム材、20,25…基材、24…樹脂層。

Claims (5)

  1. 対向する2枚の被着体と、前記2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備え、
    前記中間膜が複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、
    前記2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である、合わせガラス。
  2. 前記樹脂組成物が、熱架橋剤を更に含む、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 対向する2枚の被着体と前記2枚の被着体の間に挟まれた中間膜とを備える合わせガラスの前記中間膜を形成するために用いられる樹脂層を備える、合わせガラスの中間膜用フィルム材であって、
    前記樹脂層が複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、
    前記2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である、中間膜用フィルム材。
  4. 更に基材を備え、前記基材上に前記樹脂層が設けられている、請求項3に記載の中間膜用フィルム材。
  5. 対向する2枚の被着体と、前記2枚の被着体の間に挟まれた中間膜と、を備える合わせガラスの製造方法であって、
    樹脂層を介して、前記2枚の被着体を貼り合わせて積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱及び加圧して、前記樹脂層を前記中間膜として備える合わせガラスを得る工程と、を含み、
    前記樹脂層が複数の層からなり、そのうちの少なくとも1層が、(メタ)アクリロイル化合物と、エチレン性不飽和基を有するケイ素化合物と、を含有するモノマー混合物の共重合体を含む樹脂組成物から形成された層であり、
    前記2枚の被着体のうち少なくとも一方がガラス板である、合わせガラスの製造方法。
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