JP2019136669A - 吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】悪臭の原因となる物質の吸着性能に優れた吸着材を提供することを目的とする。【解決手段】変性セルロース繊維からなる吸着材であって;前記変性セルロース繊維を構成するセルロース分子が1級アミノ基を有し、かつ前記変性セルロース繊維の平均繊維径が2〜1000nmであることを特徴とする吸着材。このとき、前記変性セルロース繊維がリグニンを含み、該リグニンが1級アミノ基を有する含窒素化合物で変性されたものであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、変性セルロース繊維からなる吸着材に関する。また本発明は、その吸着材の製造方法に関する。
生活環境には様々な臭気が存在していて、その中で不快なものは悪臭と呼ばれている。悪臭の原因となる物質としては、イソ吉草酸などの脂肪酸;アセトアルデヒドなどのアルデヒド:アンモニア、トリメチルアミンなどの含窒素化合物;メチルメルカプタン、硫化水素などの含硫黄化合物などが挙げられる。
これまで本発明者は、セルロース繊維を構成するセルロース分子と金属フタロシアニン誘導体とが結合してなり、平均繊維径が2〜300nmである変性セルロース繊維を作製した。そして、このセルロース繊維がメチルメルカプタン、硫化水素の消臭材として利用できることを報告した(特許文献1)。
特許文献1に記載の消臭材は、メチルメルカプタンや硫化水素の吸着性能に優れている。しかしながら、悪臭の原因となる物質のうち、特に脂肪酸を十分に消臭させることができず改善が求められていた。
特開2017−88697号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、悪臭の原因となる物質の吸着性能に優れた吸着材を提供することを目的とするものである。また本発明は、このような吸着材の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、変性セルロース繊維からなる吸着材であって;前記変性セルロース繊維を構成するセルロース分子が、1級アミノ基を有し、かつ前記変性セルロース繊維の平均繊維径が2〜1000nmであることを特徴とする、吸着材を提供することによって解決される。
このとき、前記変性セルロース繊維がリグニンを含み、該リグニンが1級アミノ基を有する含窒素化合物で変性されたものであることが好ましい。
また、前記セルロース分子がカルボキシラート基を有し、該カルボキシラート基を介して1級アミノ基が結合してなることが好ましい。このとき、前記カルボキシラート基が、前記セルロース分子の構成単位であるグルコース単位のC6位の1級水酸基が酸化されてなるものであることが好ましい。
脂肪酸の吸着材が本発明の好適な実施態様である。
上記課題は、平均繊維径が2〜1000nmであるセルロース繊維と、複数の1級アミノ基を有する含窒素化合物とを混合して反応させることを特徴とする前記吸着材の製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、前記セルロース繊維がリグニンを含むことが好ましい。
本発明の吸着材は、悪臭の原因となる物質に対して優れた吸着性能を有する。特に脂肪酸の吸着性能に優れているので、イソ吉草酸などの不快臭の消臭材として好適である。
実施例1で得られた変性CNF−1の赤外分光測定結果を示した図である。
本発明で用いられるセルロース繊維は、その平均繊維径が2〜1000nmであり、パルプなど通常のセルロース繊維よりも繊維径が小さい。このように微細なセルロース繊維は「セルロースナノファイバー」と呼ばれていて、通常のセルロース繊維を高度にフィブリル化させることによって製造される。ここで、平均繊維径は800nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。一方、平均繊維径が2nm未満のセルロース繊維は通常の方法で得ることが難しく、工業的に使用するのは現実的でない。平均繊維径は5nm以上であることが好ましい。上記平均繊維径は、走査型電子顕微鏡を用いてセルロース繊維を観察することにより求めた値である。
本発明で用いられるセルロース繊維はリグニンを含むことが好ましい。ここで、リグニンは、セルロースやヘミセルロースとともに含まれる木材の主要成分1つである。リグニンは、フェニルプロパン骨格を有する化合物が多数縮合した構造のポリフェニルプロパノイドであって、三次元網目構造を有する複雑な巨大分子である。
リグニンを含むセルロース繊維は、木材を水とともに直接微粉砕することにより得ることができる。こうして得られたセルロース繊維は、木材由来の成分であるリグニン、セルロース、ヘミセルロースをそのまま含有する。ここで、リグニンを含むセルロース繊維は、リグニン、セルロース、ヘミセルロースを含み、なおかつそれに含まれるセルロースは微細な繊維であることから、これを「リグノセルロースナノファイバー(LCNF)」と称すことがある。
一方、微細なセルロース繊維からなるものとして、一般に「セルロースナノファイバー(CNF)」と呼ばれるものがある。CNFは、木材を蒸解してリグニンを溶出させてパルプを得て、このパルプをディスクミルや叩解機やホモジナイザー等を用いて機械的なせん断力をかけることで得られるものであり、リグニンを含まない。LCNFとCNFとはこの点で異なる。
本発明においては、変性セルロース繊維を構成するセルロース分子が、1級アミノ基(−NH2)を有することが重要である。アミノ基はカルボキシ基と容易に反応するので、本発明の吸着材は悪臭の原因となる脂肪酸に対して優れた吸着性能を有する。
吸着される脂肪酸としては、飽和脂肪酸が挙げられ中でも炭素数8以下の短鎖脂肪酸が好適である。短鎖脂肪酸の中でも、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ヘキセン酸(例えば、(E)−3−メチル−2−ヘキセン酸)及びこれらの構造異性体は悪臭の原因となる物質として知られている。本発明の吸着材はこれら悪臭の原因となる物質を吸着することができ、特にイソ吉草酸に対して優れた吸着性能を有する。
本発明の変性セルロース繊維において、元素分析(燃焼法)から求められる窒素元素の含有量が0.1質量%以上であることが好ましい。0.1質量%未満の場合、悪臭の原因となる物質に対して優れた吸着性能が得られないおそれがある。含有量は、0.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることが最も好ましい。
一方、窒素元素の含有量は、通常、20質量%以下であり、好適には15質量%以下である。LCNFやCNFは窒素元素を含まないため、上記元素分析により検出される窒素元素は、変性セルロース繊維の製造に用いた含窒素化合物に含まれる窒素元素に由来するものである。
本発明における吸着材は、前記変性セルロース繊維がリグニンを含み、該リグニンが1級アミノ基を有する含窒素化合物で変性されたものであることが好ましい。また、本発明における吸着材は、前記セルロース分子がカルボキシラート基を有し、該カルボキシラート基を介して1級アミノ基が結合してなることも好ましい。中でも、悪臭の原因となる物質に対してより優れた吸着性能を示す観点から、前記変性セルロース繊維がリグニンを含み、該リグニンが1級アミノ基を有する含窒素化合物で変性されたものであることが好ましい。
本発明の吸着材の製造方法は特に限定されないが、好適な製造方法は、平均繊維径が2〜1000nmであるセルロース繊維と、複数の1級アミノ基を有する含窒素化合物とを混合して反応させる方法である。
このとき用いられる含窒素化合物としては、複数の1級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されない。好適な化合物として、複数の1級アミノ基を有する脂肪族ポリアミン化合物が挙げられ、より好適な化合物として、分子中に1級アミノ基(−NH)を2個以上有する脂肪族ポリアミン化合物が挙げられる。
脂肪族ポリアミン化合物は分子中に2級アミノ基(−NHR)や3級アミノ基(−NR)を有していてもよい。R及びRは任意の一価の置換基である。R及びRは互いに同じでも異なっていてもよい。また、上記脂肪族ポリアミン化合物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、アミノ基以外の官能基を有していてもかまわない。当該官能基としては、水酸基、ハロゲン基、エステル基、アミド基、ニトロ基、ニトリル基などが挙げられる。
脂肪族ポリアミン化合物の炭素鎖は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。ここで、1級アミノ基がメチレン基に結合した化合物(−CHNH)であることが好ましく、この場合、吸着材に−CHNHが含まれることになる。脂肪族ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンなどのジアミン及びこれらの誘導体;トリス(2−アミノエチル)アミン(TAEA)、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン(PEI)などのアミノ基を3つ以上有するポリアミン及びこれらの誘導体が好適なものとして挙げられる。中でも、アミノ基を3つ以上有するポリアミンが好適であり、TAEA又はPEIがより好適である。
ポリアミンの分子量は、通常、100000以下である。脂肪酸の吸着性能の観点から、分子量は50000以下であることが好ましく、10000以下であることがより好ましく、5000以下であることがさらに好ましく、1000以下であることが特に好ましく、500以下であることが最も好ましい。ポリアミンの分子量は、通常、50以上である。
上記製造方法で用いられるセルロース繊維の種類は特に限定されず、上述したLCNF及びCNFのいずれも好適に用いることができる。中でもLCNFを用いることにより、変性セルロース繊維に対して1級アミノ基を多く導入することができる。
LCNFと、複数の1級アミノ基を有する化合物をホルムアルデヒドの存在下で反応させると、リグニンに含まれるフェノールにアミノ基を有する化合物が結合する。これによって変性セルロース繊維に対して1級アミノ基を導入することができる。これはMannich反応と呼ばれる反応であり、この反応を用いればセルロース繊維に1級アミノ基を容易に導入することができる。セルロース繊維がLCNFであることによってこの反応を利用することができる。
上記反応を促進させるために触媒を用いることが好ましい。触媒の種類は特に限定されず、公知のルイス酸触媒を用いることができる。当該ルイス酸触媒としては、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)(Yb(OTf)3)、塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O)、硫化鉄(FeSO4・7H2O)、硫酸銅、またプロトン酸として塩化アンモニウム、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)などが挙げられる。
また、セルロース繊維としてCNFも好適に用いることができる。このとき、CNFのセルロース分子がカルボキシ基を有することが好ましい。カルボキシ基を有するCNFと、複数の1級アミノ基を有する化合物とを反応させることにより、セルロース分子のカルボキシラート基を介してアミノ基が結合する。これによってセルロース分子に1級アミノ基を導入することができる。
カルボキシ基を有するCNFは、リグニンを含まないCNFと、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(略称:TEMPO)と反応させることにより容易に得ることができる。CNFとTEMPOとを反応させることにより、グルコース単位のC6位の1級水酸基を選択的に酸化させてカルボキシル基にすることができる。
変性セルロース繊維に1級アミノ基を多く導入させる観点からは、セルロース繊維としてLCNFを用いることが好ましい。一方、LCNFは褐色であるので、白色の吸着材を得る観点からはセルロース繊維としてCNFを用いることが好ましい。
本発明の吸着材は、悪臭の原因となる脂肪酸の吸着性能に優れているので、脂肪酸の吸着材が本発明の好適な実施態様である。吸着材の形態は特に限定されず、粉末状であってもよいし、固形状であってもよい。また、吸着材を水などの分散媒に分散させた分散液であってもよい。
使用方法も特に限定されず、固体又は分散液をそのまま吸着材として用いることができるし、吸着材を基材に塗布してその基材を吸着材として用いることもできる。基材の種類は特に限定されず、織布、編布、不織布等の布帛、紙、木材、木粉、プラスチック、ゴム、活性炭、セメント、漆喰などが挙げられる。吸着材の使用場所としては、化学工場、清掃工場、下水処理場、病院、介護施設、住宅(特にトイレ)、農産物加工場、畜産加工場などが挙げられる。また、本発明の吸着材を塗布した布帛を用いることにより消臭性能を有する衣料を得ることもできる。
実施例1
(変性CNF−1の合成)
リグノセルロースナノファイバー(LCNF)を含むペースト(商品名:「リグノCNF45」、比表面積:89m/g)をモリマシナリー株式会社から入手した。このLCNFペーストは、粗粉砕した檜チップを水に混ぜてバイオマス粉砕物製造装置により微細化処理して得られたものである。LCNFペーストの固形分は、リグニンを34質量%、ヘミセルロースを約15質量%含有し、残部セルロースは47質量%であった。
LCNFペーストの中に含まれていた繊維を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、ほとんどの繊維の径が50〜300nmの範囲内にあることがわかった。また、SEM写真から平均繊維長を測定することは困難であるが、アスペクト比(繊維長/繊維径)が少なくとも10以上であることは確認できた。
丸底フラスコ(容量100mL)に、LCNFペースト20g(水分量:89.48質量%、乾燥質量:2.1g)を水で流し入れた。次いで、トリス(2−アミノエチル)アミン1.2g(略称:TAEA)及び酸触媒としてYb(OTf)3を30mg加えた後、水を加えて混合液を得た。これらの操作で用いた水の全量は90mLであった。
得られた混合液にホルマリンを2mL加えた後、丸底フラスコを油浴に入れ、61℃で22時間加熱した。加熱後、混合液を吸引ろ過し、得られた固形物を温水で数回洗浄した。次いで、固形物をビーカーに入れ、室温で12時間真空乾燥(気圧:0.01mmHg以下)させることで変性CNF(変性CNF−1)を得た。得られた変性CNF−1は2.9gであった。合成スキームは下記式(1)の通りである。また、得られた変性CNF−1について赤外分光測定(全反射法(ATR))を行った。結果を図1に示す。図1に示すように、2809cm−1、2937cm−1に変性CNF−1のN−Hに由来するピークが確認された。
得られた変性CNF−1について、燃焼法による元素分析を行った。結果を以下に示す(数値は質量%)。
C(炭素):43.33、H(水素):7.10、N(窒素):9.68
(変性CNF−1を塗布した布の作製)
水100mLに、真空乾燥前の固形物(固形分換算重量で変性CNF−1を0.5g)分散させた水分散液を準備した。この分散液を、ポリエステル・レーヨン混合不織布(日本製紙クレシア株式会社製:9cm×18cm)の両面に均一にスプレーした後乾燥させた。そして、分散液をスプレーした後の不織布の重量と、分散液をスプレーする前の不織布の重量との差から、不織布に付着した変性CNF−1の量を求めた。付着した変性CNF−1の量は150mgであった。
(イソ吉草酸の吸着試験)
2.8L密閉瓶に以下の方法でイソ吉草酸ガスを発生させる。市販イソ吉草酸液を水で1000倍希釈した溶液1ccを50ccのビーカーに採取し、さらに64%硫酸1ccを添加しイソ吉草酸ガスを発生させた。検知管を用いて密閉瓶内のイソ吉草酸の濃度を測定したところ、試験開始時の濃度は5.0ppmであった(表1の「実験開始(0分)」)。そして、120分後(2時間後)における、密閉瓶内のイソ吉草酸の濃度を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
酸触媒として用いたYb(OTf)3をMgCl2・6H2O(100mg)に変更し、油浴の温度を85℃にして44時間加熱した以外は実施例1と同様にして変性CNF(変性CNF−2)を得た。
得られた変性CNF−2について、燃焼法による元素分析を行った。結果を以下に示す(数値は質量%)。
C(炭素):43.01、H(水素):6.40、N(窒素):3.14
実施例3
(変性CNF−3の合成)
丸底フラスコ(容量100mL)に、LCNFペースト20g(水分量:89.48重量%、乾燥重量:2.1g)を水で流し入れた。次いで、ポリエチレンイミン(株式会社日本触媒製の「エポミン SP-012」、分子量:1200、以下、PEI 1200と略す)1.52g及び酸触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(略称:PPTS)を120mg加えた後、水を加えて混合液を得た。これらの操作で用いた水の全量は90mLであった。ここで用いたLCNFペーストは実施例1で用いたものと同様のものである。
得られた液にホルマリンを2mL加えた後、丸底フラスコを油浴に入れ、58℃で3時間15分加熱した。加熱後、混合液を吸引ろ過し、得られた固形物を温水で数回洗浄した。次いで、固形物をビーカーにとり、12時間真空乾燥(気圧:0.01mmHg以下)させることにより、変性CNF(変性CNF−3)を得た。得られた変性CNF−3は2.38gであった。合成スキームは下記式(2)の通りである。
得られた変性CNF−3について、燃焼法による元素分析を行った。結果を以下に示す(数値は質量%)。
C(炭素):50.41、H(水素):6.84、N(窒素):4.08
実施例1と同様にして、変性CNF−3を塗布した布を作製するとともに、その布を用いて消臭試験を行った。このとき、布に付着した変性CNF−3の量は200mgであった。結果を表1に示す。
実施例4
(TEMPO酸化CNFの合成)
セルロース繊維と2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)とを反応させて、TEMPOで酸化処理されたセルロース繊維(TEMPO酸化CNF)を合成した。
具体的な合成方法は以下の通りである。
容量10Lのフラスコに、セルロース繊維の水分散液688g(乾燥セルロース繊維の含有量36g)、テトラブチルアンモニウムブロミド672mg(2.08mmol)、及び臭化ナトリウム1.02g(9.9mmol)を加えた後、水2.5L、及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mLを加え、混合液を得た。ここで用いたセルロース繊維の水分散液は、モリマシナリー株式会社製のセルロースナノファイバー水分散液(平均繊維径:20〜200nm、平均繊維長:500μm、水分散液のセルロース繊維含有率:5.26質量%)であった。
(変性CNF−4の合成)
TEMPO酸化CNFとTAEAとを反応させて、変性CNF(変性CNF−4)を合成した。合成スキームを下記式(3)に示す。
具体的な合成方法は以下の通りである。
100mLの水にTEMPO酸化CNF1g(固形分換算重量)(カルボキシ含量:TEMPO酸化CNF1gあたり1.55mmol)を分散させた分散液を調製した。この分散液に、30%TAEA水溶液0.5mLを加え撹拌した。分散液を1時間撹拌した後、分散液を減圧濾過した後、水で洗浄して、変性CNF−4を得た。また、得られた変性CNF−4について赤外分光測定(ATR)を行った。その結果、1598cm−1にC=Oの伸縮によるピークが確認された(図示せず)。
実施例1と同様にして、変性CNF−4を塗布した布を作製するとともに、その布を用いて消臭試験を行った。このとき、布に付着した変性CNF−4の量は180mgであった。結果を表1に示す。
比較例1
[有機酸の吸着試験]において、変性CNF−1を塗布していない布を入れた以外は実施例1と同様にして有機酸の吸着試験を行った。結果を表1に示す。

Claims (7)

  1. 変性セルロース繊維からなる吸着材であって;
    前記変性セルロース繊維を構成するセルロース分子が1級アミノ基を有し、かつ
    前記変性セルロース繊維の平均繊維径が2〜1000nmであることを特徴とする、吸着材。
  2. 前記変性セルロース繊維がリグニンを含み、該リグニンが1級アミノ基を有する含窒素化合物で変性されたものである請求項1に記載の吸着材。
  3. 前記セルロース分子がカルボキシラート基を有し、該カルボキシラート基を介して1級アミノ基が結合してなる請求項1に記載の吸着材。
  4. 前記カルボキシラート基が、前記セルロース分子の構成単位であるグルコース単位のC6位の1級水酸基が酸化されてなるものである請求項3に記載の吸着材。
  5. 脂肪酸の吸着材である請求項1〜4のいずれかに記載の吸着材。
  6. 平均繊維径が2〜1000nmであるセルロース繊維と、複数の1級アミノ基を有する含窒素化合物とを混合して反応させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸着材の製造方法。
  7. 前記セルロース繊維がリグニンを含む請求項6に記載の製造方法。
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