JPH06343860A - 機械パルプ古紙による脱臭材の製造方法 - Google Patents

機械パルプ古紙による脱臭材の製造方法

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JPH06343860A
JPH06343860A JP5160395A JP16039593A JPH06343860A JP H06343860 A JPH06343860 A JP H06343860A JP 5160395 A JP5160395 A JP 5160395A JP 16039593 A JP16039593 A JP 16039593A JP H06343860 A JPH06343860 A JP H06343860A
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JP
Japan
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lignin
waste paper
deodorant
mechanical pulp
deodorizing
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JP5160395A
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English (en)
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Hiroichi Shioda
博一 塩田
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
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V M C KK
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
V M C KK
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で、強烈な悪臭を脱臭できる脱臭力があ
る程度持続する脱臭材を提供する。 【構成】 機械パルプ古紙に多量に含まれているリグニ
ンをオゾン酸化してカルボキシ核を生成せしめ、このカ
ルボキシ核に硫酸第一鉄または硫酸第二鉄等の鉄塩をイ
オン吸着せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人間に不快感を与える
悪臭の脱臭と、悪臭源よりの発生悪臭を化学変化によっ
て無臭化させる脱臭材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生活空間における悪臭とは食物の腐敗に
起因するもの・汗臭等の分泌物臭・さらに糞尿臭等があ
げられ、その構成分子はメルカプタン類や硫化水素など
のイオウ化合物と、アミン類やアンモニアに代表される
窒素化合物、さらに酪酸やアセトンなどの脂肪族化合物
などに大別される。また最近嫌煙者によれば煙草臭も悪
臭に分類され、さらに高齢化による寝たきり老人の急増
とその雰囲気臭の脱臭も大きな社会問題化している。
【0003】従来これら悪臭の脱臭法として代表的な方
法は、吸着型脱臭材が使用されている。即ち活性炭やゼ
オライトなどの物理的吸着脱臭材を使用して悪臭物質を
吸着捕集するようになしている。
【0004】また、従来の別の脱臭方として、マスキン
グ型脱臭材の使用が知られている。このマスキング型脱
臭材は、香水に代表される、多くの人にとって芳香と感
じられる強い香りで、悪臭が人に感じられないようなす
ものである。
【0005】さらに近時は、悪臭源や悪臭ガス中の悪臭
成分を化学反応によって無臭化する悪臭分解方法が提案
され一部で実用化されている。その代表的なものは木や
草の抽出物であるフラバノールがあげられ、また、最近
ではビタミンCと鉄塩の組み合わせや、セルロースと鉄
塩との組み合わせなどの悪臭分解型脱臭材が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の吸
着型脱臭材を使用する脱臭は、該吸着型脱臭材が悪臭を
閉じ込めるのみで、寿命が短く、吸着済みの脱臭材の処
理にも難点があるという課題を有している。
【0007】また、従来のマスキング型脱臭材を使用す
る脱臭は、単に強い芳香で鼻のような感覚器官をごまか
す姑息な方法で、新たな芳香も人によっては受け入れら
れないという課題を有していた。
【0008】さらに、従来の悪臭分解方法は、悪臭成分
を化学反応によって無臭化する点で本質的脱臭法として
注目されており、その悪臭分解能も充分実用性を有する
ことが認められるに至っているが、これら悪臭分解型脱
臭材は効果であるという課題を有している。
【0009】元来、脱臭は通常は生産的利用や付加価値
を持たぬ、いわば経済的マイナス処理であるから、でき
るだけ経済的でなくてはならない。そこで本発明は安価
であり、しかも強烈な悪臭を脱臭できる脱臭力がある程
度持続する脱臭材を提供することを目的としたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的に沿い、先述
特許請求の範囲を要旨とする本発明の構成は、機械パル
プ古紙に多量に含まれているリグニンをオゾン酸化して
カルボキシ核を生成せしめ、このカルボキシ核に硫酸第
一鉄または硫酸第二鉄等の鉄塩をイオン吸着せしめるこ
とを特徴とした技術的手段を講じたものである。
【0011】
【作用】
「基本的脱臭作用」先ず、本発明に使用される硫酸第一
鉄または硫酸第二鉄等の鉄塩が悪臭分解作用を呈するこ
とはよく知られたもので、本発明も無論この鉄塩による
悪臭分解作用を利用している。
【0012】「接触頻度確保作用」この種鉄塩等の悪臭
分解型脱臭材を利用した脱臭には、悪臭分解型脱臭材と
臭気ガスとが接触頻度よく接触しなくてはならないのは
無論である。その接触頻度を向上する一実施態様として
綿毛状のパルプ繊維(主としてセルロース)中に悪臭分
解型脱臭材を均一に混入することは前記したように公知
であり、本発明もこのパルプ繊維を通気性を有した担持
体として使用しているので、悪臭ガスが悪臭分解型脱臭
材と接触頻度よく接触する機会を確保できる作用を呈す
る。
【0013】「悪臭分解型脱臭材の担持作用」上記悪臭
分解型脱臭材をセルロースに担持させるのに、従来は悪
臭分解型脱臭材の微粒子を単にセルロース繊維が複雑に
絡みあった中に混入し、繊維どうしの絡みあった中に該
悪臭分解型脱臭材の微粒子を保持させるか、セルロース
繊維を悪臭分解型脱臭材の層で被包する方法が採用され
たが、本発明はセルロース繊維を被包するようにして存
在しているリグニンにこれら悪臭分解型脱臭材をイオン
吸着しているので、表面積が非常に大きい古紙のセルロ
ース繊維表面に大量の悪臭分解型脱臭材を均一に担持で
きる作用を呈する。
【0014】「悪臭分解機能永続作用」リグニンと悪臭
分解型脱臭材とのイオン吸着物質は悪臭を分解する分解
機能が従来のものに比較して長期間保持されることが実
験の結果確認された。すなわち、本発明法による脱臭材
は悪臭分解能の永続作用を呈するものであるが、この理
由は後記することにする。
【0015】次に、本発明の実施例を説明すれば以下の
通りである。先ず本発明は機械パルプ古紙に多量に含ま
れているリグニンをオゾン酸化してカルボキシ核を生成
せしめる。
【0016】本発明者等は、現在回収してもほとんど再
利用されずに放置されることが多い機械パルプ古紙中に
多く含有しているリグニンに着目し、リグニンを改質し
て金属塩をイオン吸着せしめる機能を持たせる手段を講
じたものである。
【0017】リグニンは天然高分子材料中では、地球上
ではセルロースに次ぎ多量に存在しているものである
が、元来樹木や背の高い植物中の基幹要素であるセルロ
ースやヘミセルロースが外敵に食われないためのバリヤ
と接着剤との機能を有しているので他の物質と化学変化
を起こしにくいものとされている。そのために、リグニ
ンを約20%以上含んでいる機械パルプ古紙の用途が制
限されているのであるが、発明者らは、リグニンを化学
修飾して化学構造端にカルボキシ核を生成せしむると、
金属塩などをイオン吸着しやすい性質をもつことを発見
しこれを基本とした技術的手段を創生したのである。
【0018】そこで、先ず雑誌・新聞・電話帳のごとき
機械パルプ古紙を乾式で解繊すると、細い繊維のからみ
合った綿状の原料を得る。これはセルロース繊維を主幹
とし周辺にヘミセルロースとリグニンがからんだ状態の
繊維状の原料であるがこの状態で高濃度のオゾンガスと
接触させると、リグニンが選択的に先ず反応し、リグニ
ンの芳香環が開裂して、カルボキシ核を生じることが認
められる。
【0019】次ぎに、本発明は上記カルボキシ核に硫酸
第一鉄または硫酸第二鉄等の鉄塩をイオン吸着せしめ
る。カルボキシ核を生じたリグニン酸化物に硫酸第二鉄
のごとき金属塩を接触させると、容易にイオン吸着し、
いわゆる担持状態になる。これは常温でも担持するが約
80°Cで短時間加熱するとさらに確実に担持されるも
のである。
【0020】このようにして製造された脱臭材は、繊維
を構成しているセルロースは構造材としてバルク性を形
成しその中空の隙間を悪臭ガスまたは液体が流通できる
嵩高性を持ち、セルロース表面に位置しているリグニン
酸化物に担持されている金属塩によって悪臭物質の分解
が各層において均一に行なわれる作用があることが分か
った。
【0021】さらに、リグニンがオゾンによって酸化さ
れ芳香環が開裂した状態で例えば硫酸第二鉄とイオン吸
着せしめた状態で繊維をフォーミングして通気性のマッ
トを作り、前記悪臭ガスを通過せしめたところ、著しい
脱臭効果がみとめられ、比較例としてリグニンをオゾン
酸化しないものと硫酸第二鉄を接触せしめた材料によっ
てマットをつくったところ、短時間、脱臭作用が認めら
れたがすぐに作用が減退した。これは上記比較例では、
繊維表面に付着していた鉄塩によって若干の悪臭分解作
用があったが、すぐに化学変化によって変性して脱臭機
能を失ったものと考えられる。これに比べ、本発明によ
るマットは長時間脱臭作用を継続しており論理的には定
かではないが、複雑なリグニンの分子構造の末端環を開
裂して得たカルボキシ核とイオン吸着している金属塩、
とくに鉄塩の場合3価の鉄が反応によって2価になった
後、リグニンが触媒になって空気中の酸素によって再び
酸化されて3価に復活するというリサイクル行われてい
るものと解釈することが出来る。
【0022】特に、本発明の目的である安価な脱臭材を
得るという点では、先述のごとく極めて安価であり多量
にある機械パルプ古紙を原料とし、乾式で解繊するから
排水も発生しないから設備が簡便であり、オゾンによる
リグニンの酸化も表面のみの改質で十分であるので全量
の1%以下のガス添加で数秒で反応が完了する。さらに
硫酸第二鉄も製鋼工程の副産物として極めて安価に提供
されるものである。
【0023】具体的実施例としてもっとも安価な週間誌
古紙を入手し、先ず3×8m/mに粗裁断したものを当
社(神戸製鋼所)製FSミル(商標)によって乾式で綿
状に解繊したものを原料とした。この綿状原料に、濃度
40,000ppmのオゾンガスを接触せしめ綿状原料
の重量比で約1%のオゾン添加を行なった。この反応は
約30秒で終わり、バッチ反応槽中のオゾン濃度がゼロ
を示したので反応完了を確認した。この場合原料中のリ
グニンは約20%であることをクラソン分析法で確認し
た。
【0024】次いで硫酸第二鉄水溶液を作り、リグニン
量の1/5モル量の硫酸第2鉄量として噴霧し、約80
°Cの熱風で水分約5%まで乾燥してバルク状脱臭材を
製造した。脱臭機能を試験するために、厚さ約20m/
mのマット材にフォーミングし、悪臭ガスを通過せしめ
て、その脱臭作用を調べた。比較例としては先述のごと
く、上記の工程からオゾン酸化を行なわなかったものを
同様にマットにして比較した。
【0025】臭気物質として硫化水素を使用し、面風速
1m/minの条件下で入口濃度500ppmで流した
ところ、本発明のマットでは10ppm以下にさがった
が比較マットでは250−300ppmであった。さら
に、アンモニアを入口濃度500ppmで流したとこ
ろ、本発明のマットでは20ppmに下がり、比較マッ
トでは約300ppmを示した。これらのガス濃度の測
定は北川式検知管を使用したため、とくに低い値では若
干の視誤差があるものの比較例とは、判然とした機能差
を測定した。
【0026】さらに災害時のトイレ対策や、高速道路走
行中の簡易便所用への応用を検討するため約20cm角
の上方の開いた段ボール箱に本発明の脱臭材約150グ
ラムを中の部分がへこんだ状態で圧搾して挿入し生の糞
尿を約同量入れた後ビニール袋で覆い1時間後に開封し
たところ、本発明の脱臭材は液成分を吸収し、通常の水
洗便所におけると同じ位の微臭を感じるのみであった。
一方オゾン処理しない材料で同様の試験を行なったとこ
ろ液成分の吸収も悪く、さらに開封時に耐え難い悪臭が
発散した。本発明の材料との液成分の吸収度の差はオゾ
ン酸化によってリグニンやヘミセルロース表面が親水化
して保水性を増すためと解釈される。
【0027】
【発明の効果】本発明は上記のごときであるので、極め
て高い脱臭作用をもちかつ経済的な脱臭材を提供できる
ものである。
【0028】そして本発明は基材が古紙であり脱臭作用
も化学変化による無臭化であるので一般のゴミ同様焼却
しても有害ガスを発生せずまた水と混合して下水に放流
することも可能であることも大きな特長である。
【0019】さらに本発明は綿状の製品が得られるとこ
ろから、成形に多くの可能性があり例えば綿状では老人
用紙オムツの充填材やペット用に利用でき、前記のごと
き簡易トイレの基材としても有用であり、不織布のごと
くマット状にすれば脱臭フィルターなどとしてマットを
圧縮した脱臭ボード等多くの応用例を有するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械パルプ古紙に多量に含まれているリ
    グニンをオゾン酸化してカルボキシ核を生成せしめ、こ
    のカルボキシ核に硫酸第一鉄または硫酸第二鉄等の鉄塩
    をイオン吸着せしめることを特徴とした脱臭材の製造方
    法。
JP5160395A 1993-06-04 1993-06-04 機械パルプ古紙による脱臭材の製造方法 Withdrawn JPH06343860A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004039345A1 (en) * 2002-11-01 2004-05-13 Takasago International Corporation Deodorant composition
JP2019136669A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 真庭バイオケミカル株式会社 吸着材及びその製造方法

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Effective date: 20000905